JP4206191B2 - 自動販売機の商品投入規制装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動販売機の商品収納装置に対する誤径サイズの商品の投入を規制する自動販売機の商品投入規制装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
缶や瓶入り飲料等の商品を販売する自動販売機には、サーペンタインラック等の商品収納装置が備わっている。かかる商品収納装置は、水平方向縦横に区画形成された複数の商品収納部を有し、各商品収納部に商品を種別に積層収納するようになっている。
【0003】
また、商品収納装置の上方には、開扉状態の自動販売機本体において前方に開口し、且つ各商品収納部と一対一で対応する複数の商品投入口が設けられている。更に、各商品投入口と各商品収納部との間には、後方への下り傾斜が付けられた商品通路が介設されている。従って、一の商品収納部に所定の商品を装填・補充する場合は、この商品収納部に対応する商品投入口から当該商品を投入する。すると、この投入商品は商品通路を通って当該商品収納部に収納される。
【0004】
ところで、上記自動販売機では、66mm、60mm、53mm、47mm等、径サイズが異なる商品を販売しているため、商品の装填時に、誤って所定の径サイズとは異なる径サイズの商品を商品投入口から投入してしまう場合があった。このような誤装填を防止すべく、本出願人は、特開2000−105867号公報において、次のような自動販売機の商品投入規制装置を提案している。
【0005】
即ち、この商品投入規制装置30は、図12に示すように、基板31と、ゲート板(第2の投入規制板)32と、商品検知板(第1の投入規制板)33とを備えており、基板31の前部31aと商品検知板33の前部33aとに前方の支軸34が通され、この支軸34を中心に商品検知板33が回動可能となると共に、基板31の後部31bとゲート板32の上部32aとに後方の支軸35が通され、この支軸35を中心にゲート板32が回動可能となる。
【0006】
基板31には、商品検知板33の前部33a及びゲート板32の上部32aを受け入れる切欠31c、31dが設けられている。ゲート板32には、商品検知板33の後部33bをゲート板32の後方に突出させる切欠32bが上端から上下方向略中央まで設けられている。ゲート板32における切欠32bの下端よりやや上方には、くの字状に後方に突出する凸部32cが設けられている。更に、商品検知板33の後部33bはゲート板32の切欠32bより左右方向外側に突出しており、この切欠32bから外れる後部33bの両端部は、ゲート板32を係止して、ゲート板32の後方の回動を不能とするゲート係止部33cとなる。
【0007】
以上の商品投入規制装置30は、商品通路の上部であって、ここに投入された所定商品の上部が商品検知板33に接する高さ位置に、支軸34、35を介して取り付けられる。そして、商品投入口から所定径サイズの商品が投入された場合は、図6〜図9のように動作して、この商品の商品通路の通過を許容する。ここで、図6〜図9は、後述する本発明の実施形態に係る商品投入規制装置20についてのものであるが、側面動作が商品投入規制装置30と全く同じであるため、この商品投入規制装置30についてもこれらの図を参照して以下に更に説明する。尚、図6〜図9中、符号21は上記31に、22は32に、23は33、23bは33bに、24は34に、25は35にそれぞれ対応するといった具合に、図中の符号に10を加えた数が、上記商品投入規制装置30の符号となる。
【0008】
商品投入口から所定径サイズの商品1aが投入されると(図6参照)、この商品1aの上部が商品検知板33に接してこれを押し上げ(図7参照)、次いで、商品1aはゲート板32に衝突してこれを後方に押す(図8参照)。この際、商品検知板33のゲート係止部33cは、初期位置より後方且つ上方に移動してゲート板32の係止を解いている。そのため、ゲート板32は商品1aによって後方に押し開けられ、商品1aは商品通路を通過して商品収納部へと導かれる(図9参照)。
【0009】
一方、図13に示すように、商品投入口から所定径サイズより小さい径サイズの商品2が投入された場合、この商品2は商品検知板33に接っすることなくゲート板32に衝突する。この際、商品検知板33のゲート係止部33cはゲート板32を開放不能に係止したままであり、また、このゲート係止部33c(後部33b)の上方への移動を、ゲート板32の凸部32cが阻止するため、商品2はゲート板32を押し開けることができず、商品2は商品通路の途中で停止される。
【0010】
尚、所定径サイズより大きい径サイズの商品に対しては、商品通路における上記商品投入規制装置30より前方の上部に、所定径を超える商品の投入を阻止するストッパを付設して対処することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記商品投入規制装置30では、商品投入口から所定径サイズの商品が横向き(商品の長手側が商品通過方向に対し直交する向きをいう。)に投入された場合のみならず、誤って縦向き(商品の長手側が商品通過方向に沿う向きをいう。)に投入され商品通路を縦向きに移動する商品(図10参照)をも通過させてしまうという問題があった。縦向き商品がそのまま商品通路を通過した場合、商品収納部内で商品立ちや商品詰まりが生じ、搬出不良を引き起こすため、商品収納部内の商品を全て入れ直す必要が生じる。
【0012】
従って、本発明の目的は、誤径サイズの商品のみならず不適正な向きの商品の通過をも確実に阻止することができる自動販売機の商品投入規制装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の本発明では、商品投入口と商品収納部とを連通する商品通路と、商品通路を通過しようとする商品によって押し開かれるゲート部材と、ゲート部材を開放不能に係止するゲート係止部を有する商品検知部材とを備え、商品投入口から投入された商品の上部が商品検知部材に接することにより、ゲート係止部によるゲート部材の係止が解かれ、この商品の商品通路の通過を許容するようにした自動販売機の商品投入規制装置において、前記商品検知部材を商品通路の幅方向に複数設け、これら全商品検知部材に商品が接した場合にのみゲート係止部によるゲート部材の係止が解かれるようにしたことを特徴としている。
【0014】
本発明によれば、複数の商品検知部材を、所定径サイズの商品が適正な向きで商品通路を移動する場合には、この商品が全商品検知部材に接する一方、不適正な向きで移動する商品は全商品検知部材に同時に接することができないように、配設する。これにより、所定径サイズで且つ適正向きの商品は、全商品検知部材のゲート係止部によるゲート部材の係止を解き、ゲート部材を押し開けて商品通路を通過する一方、所定径サイズであっても不適正な向きの商品は、全てのゲート係止部によるゲート部材の係止を同時に解くことができず、そのため、この商品はゲート部材を押し開けられずに商品通路の途中で停止する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜図11は本発明の実施形態に係るもので、図1は商品通路及び商品収納部の概略側面説明図、図2は図1の囲みA部分の拡大図、図3は商品投入規制装置を一部分解して示す斜視図、図4は図3のB−B線断面図、図5は横向き商品に対する商品投入規制装置の使用状態上面説明図、図6〜図9は横向き商品に対する商品投入規制装置の動作説明図、図10は縦向き商品に対する商品投入規制装置の使用状態上面説明図、図11は縦向き商品に対する商品投入規制装置の動作説明図である。
【0016】
図1を参照して、自動販売機10は主に缶入り飲料を商品1として販売するもので、複数の商品収納部12を有する商品収納装置としてのサーペンタインラック11と、サーペンタインラック11の上方において(自動販売機10の開扉状態にて)前方(図1において左方)に開口する複数の商品投入口13と、各商品投入口13と各商品収納部12とを連通する商品通路14とを備えている。各商品収納部12には収納商品1の種類が予め決められており、これら商品1には複数の径サイズのものが存在する。そして、ある種類の商品1は、所定の商品収納部12に対応する商品投入口13から投入されると、商品通路14を通ってこの商品収納部12に装填される。尚、図示はしないが、各商品収納部12の下部には、販売・選択指令に応じて商品収納部12内最下位の商品1を搬出する商品搬出機構が設けられており、この搬出商品1はシュータ15を通って商品取出口16に搬送される。
【0017】
各商品通路14は、図2に示すように、上板14aと底板14bと左右両側板(図示せず)とによって区画形成されており、底板14b(及び上板14a)には、後方に向かって若干下る傾斜が付けられている。従って、商品投入口13から投入された商品1は商品通路14の底板14b上を転動又は滑動しながら後方に移動し、商品収納部12に導かれる。また、各商品通路14の上部には、左右両側板間に横架した前後二本の支軸24、25(図3等参照)を介して商品投入規制装置20が取り付けられている。尚、図示はしないが、商品通路14の左右両側板には、各支軸24、25をこの両端部を着脱自在に受け入れて支持する孔あるいは凹部が上下方向に複数設けられており、各支軸24、25をいずれかの孔あるいは凹部に支持させることにより、商品投入規制装置20の取り付け高さ位置を、対応させる商品1の径サイズに合わせて調整できるようになっている。
【0018】
商品規制装置20は、基板21と、ゲート板22と、二枚の商品検知板23とから成り、図3に示すように、基板21の前部21a及び後部21bと、ゲート板22の上部22aと、各商品検知板23の前部23a及び後部23bは、円筒状に曲げられている。そして、基板21の前部21aと各商品検知板23の前部23aとに前方の支軸24が通され、この支軸24を中心に各商品検知板23が回動可能となると共に、基板21の後部21bとゲート板22の上部22aとに後方の支軸25が通され、この支軸25を中心にゲート板22が回動可能となる。
【0019】
基板21には、各商品検知板23の前部23aを受容し且つ各商品検知板23の所要の回動を許容する二つの切欠21cが前端から設けられると共に、ゲート板22の上部22aを受容する切欠21dが後端から設けられている。ゲート板22には、各商品検知板23の後部23bを受容し且つ各商品検知板23の所要の回動を許容する二つの切欠22bが上端から上下方向略中央まで設けられている。ゲート板22にはまた、切欠22bの下端よりやや上方に、後方に凸となるようくの字状に屈曲して成る凸部22cが、左右方向に沿って設けられている。
【0020】
各商品検知板23の後部23bは、図4に示すように、左右方向の長さが商品検知板23本体(後部23bを除く商品検知板23部分をいう。以下同じ。)の横幅より長く、且つこの後部23bの両端部23cが商品検知板23本体より左右に突出するように形成されている。この後部23bは、ゲート板22の切欠22bを介してゲート板22の後方に配置される。尚、後部23bの左右方向の長さはゲート板22の切欠22bの横幅を十分上回っている。また、二枚の商品検知板23の設定間隔及び各横幅は、所定径サイズで商品通路14を横向きに通る商品1a(図5等参照)の場合、この商品1aが必ず二枚の商品検知板23に接する一方、所定径サイズで商品通路14を縦向きに通る商品1b(図10参照)の場合は、この商品1bが二枚の商品検知板23に共に接することはなく、一枚の商品検知板23のみに接するか、あるいはいずれの商品検知板23にも接しないように設定されている。
【0021】
以上の商品投入規制装置20を各商品通路14に取り付けるにあたっては、その高さ位置を、各商品通路14が連通する商品収納部12の収納商品1の径サイズに対応するよう調整する。更に詳しくは、商品投入口13から所定径サイズの商品1が投入された場合、この商品1の上部が各商品検知板23に所要に接触できるように商品投入規制装置20の高さ位置を調整する。かかる取り付けを終えた初期状態すなわち非動作時の商品投入規制装置20において、図2及び図5に示すように、ゲート板22は基板21から自重により鉛直に垂下されて商品通路14を閉じる閉位置にあり、また、商品検知板23は、後部23b直前部分がゲート板22の切欠22bの下端に載る最下位位置にあり、後方に向かって商品通路14の底板14bよりも急な下り傾斜を成している。この状態ではまた、ゲート板22は、商品検知板後部23bの両端部23c(図4参照)に係止され、閉位置から後方への回動すなわち開放が不能とされている。以下、この両端部23cを「ゲート係止部23c」という。
【0022】
商品投入規制装置20は、商品投入口13から誤って所定径サイズよりも小さい径サイズの商品2(図13参照)が投入された場合、従来技術の爛で述べた従前の商品投入規制装置30と全く同様に働く。即ち、この投入商品2は商品通路14をいずれの商品検知板23にも接触することなく下り、閉位置のゲート板22に衝突する。しかし、ゲート板22は各商品検知板23のゲート係止部23cによって開放不能に係止されているため、ゲート板22は開放せず、商品2はゲート板22によって商品通路14の途中で停止される。
【0023】
次に、図5〜図9を参照して、所定径サイズで且つ商品通路14を横向きに移動する商品(以下この商品を単に「横向き商品1a」又は「商品1a」という。)に対する商品投入規制装置20の動作について説明する。この場合、横向き商品1aは、商品通路14の途中でその上部が二枚の商品検知板23に共に接触し(図7参照)、これにより、商品投入規制装置20は従前の商品投入規制装置30と全く同様に動作する。即ち、各商品検知板23は商品1aによって持ち上げられて上方に回動し、また商品検知板23の後部23b(ゲート係止部23c)が若干後方に移動して、後部23b(ゲート係止部23c)とゲート板22との間のクリアランスを初期状態に比べ若干拡大する(図7参照)。次いで、商品1aはゲート板22に衝突して、ゲート板22を後方に押す(図8参照)。この際、上述したように、各商品検知板23のゲート係止部23cは、初期状態の位置から上方且つ後方に移動して、ゲート板22に対する係止を解いている。そのため、ゲート板22は商品1aによって後方に押し開かれ(図9参照)、これにより商品1aは商品通路1aを通過して商品収納部12に導かれる。
【0024】
次に、図10及び図11を参照して、所定径サイズで且つ商品通路14を縦向きに移動する商品(以下この商品を単に「縦向き商品1b」又は「商品1b」という。)に対する商品投入規制装置20の動作について説明する。この場合、縦向き商品1aは、商品通路14の途中でその上部が二枚の商品検知板23に共に接することはなく、一方の商品検知板23にのみ接するか、あるいはいずれの商品検知板23にも接しない。そして、商品1bが一方の商品検知板23にのみ接した場合、この商品検知板23のゲート係止部23cによるゲート板22の係止は解除されるものの、他方の商品検知板23のゲート係止部23cはゲート板22を閉位置で係止したままなので、結局ゲート板22は開放せず、この商品1bは商品通路14の途中で停止される。尚、商品1bがいずれの商品検知板23にも接しない場合も、ゲート板22は開放しない。
【0025】
従って、本実施形態に係る商品投入規制装置20では、所定径サイズより小さい径サイズの商品2を有効に規制すると共に、所定径サイズであっても不適正な向き(縦向き)の商品1bをも有効に規制することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1の本発明によれば、複数の商品検知部材を、所定径サイズで且つ適正向きの商品の場合は、全商品検知部材に必ず接する一方、所定径サイズであっても不適正な向きの商品の場合、全商品検知部材に同時に接することができないように配することにより、誤径サイズ商品のみならず、所定径サイズで不適正な向きの商品の商品収納装置への装填を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】商品通路及び商品収納部の概略側面説明図
【図2】図1の囲みA部分の拡大図
【図3】商品投入規制装置を一部分解して示す斜視図
【図4】図3のB−B線断面図
【図5】横向き商品に対する商品投入規制装置の使用状態上面説明図
【図6】横向き商品に対する商品投入規制装置の動作説明図
【図7】横向き商品に対する商品投入規制装置の動作説明図
【図8】横向き商品に対する商品投入規制装置の動作説明図
【図9】横向き商品に対する商品投入規制装置の動作説明図
【図10】縦向き商品に対する商品投入規制装置の使用状態上面説明図
【図11】縦向き商品に対する商品投入規制装置の動作説明図
【図12】従前の商品投入規制装置の一部分解斜視図
【図13】誤径サイズの商品に対する従前の商品投入規制装置の動作説明図
【符号の説明】
1、1a、1b…商品、10…自動販売機、11…サーペンタインラック、12…商品収納部、13…商品投入口、14…商品通路、14b…底板、20…商品投入規制装置、21…基板、22…ゲート板、22b…切欠、22c…凸部、23…商品検知板、23b…後部、23c…ゲート係止部、24、25…支軸
Claims (1)
- 商品投入口と商品収納部とを連通する商品通路と、商品通路を通過しようとする商品によって押し開かれるゲート部材と、ゲート部材を開放不能に係止するゲート係止部を有する商品検知部材とを備え、
商品投入口から投入された商品の上部が商品検知部材に接することにより、ゲート係止部によるゲート部材の係止が解かれ、この商品の商品通路の通過を許容するようにした自動販売機の商品投入規制装置において、
前記商品検知部材を商品通路の幅方向に複数設け、これら全商品検知部材に商品が接した場合にのみゲート係止部によるゲート部材の係止が解かれるようにした
ことを特徴とする自動販売機の商品投入規制装置。
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JP2000323745A JP4206191B2 (ja) | 2000-10-24 | 2000-10-24 | 自動販売機の商品投入規制装置 |
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