JP4013467B2 - 自動販売機のサーペンタイン式商品収納棚 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶,びん,ペットボトルなどの商品を販売する自動販売機に搭載したサーペンタイン式商品収納棚に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、頭記したサーペンタイン式商品収納棚は、左右一対のラック側板の間に、各コラムごとに前後に対向して上下に並ぶ複数の円弧状セグメントを架設して蛇行状の商品通路を形成するとともに、各コラムの商品通路出口側にはその出口通路を挟んで商品搬出機構,および出口アジャスタを対向配備した構成になり、商品通路に沿って横置姿勢に収納した缶,壜,ペットボトル商品を販売指令に基づく商品搬出機構の動作により最下位からから順に落下搬出させる。
【0003】
一方、缶,壜,ペットボトル商品は内容量によって商品容器の長さサイズが異なり、特に缶商品ではロングサイズ,ショートサイズ,ハーフサイズなどがあることから、棚内の商品通路の横幅(商品の長さ方向の幅)を販売商品のサイズに合わせて調整する手段として、サーペンタイン式商品収納棚の各コラムごとに、その商品通路に沿って左右に移動調節が可能な通路幅調整板を備えたものが従来より実施されている。
【0004】
この場合に、同じ商品通路内で通路幅調整板を中仕切板としてその左右両側にハーフサイズの商品を収納して販売商品の収納数を増やすことができるようにするために、通路幅調整板を移動操作する平行リンク機構などを使用せずに、通路幅調整板の上部に前方に突き出すトップガイドを形成した上で、そのトップガイドに形成した爪を商品収納棚の頂部に備えた商品投入用トップトレー側からの操作によりトップトレー上に形成した調節穴に係合し、これに合わせて下端側に設けた爪を商品搬出機構のケース前面に形成した調節穴に係合して通路幅調整板を選択した設定位置に係止固定するようにした構成のものが特開平8−55273号公報で公知である。
【0005】
また、前記とは別な通路幅調整板の固定方法として、通路幅調整板をラック側板間に架設したスルーピンなどに案内支持した上で、その上端部をトップトレーに設けた商品投入通路幅を規制するトップガイドに連繋して左右に移動調節し、下部部を前記セグメントの板面,および商品搬出機構に対向する出口アジャスタに形成した調節用の係合穴に係合して通路幅調整板を選択した設定位置に係止保持するようにした構成のものが本発明と同一出願人より先に出願した特願2000−131307号で提案されており、その構成を図7で説明する。
【0006】
図7において、1は左右に対向して立設したラック側板、2は蛇行状商品通路を画成する円弧状のセグメント、3は商品搬出機構(図示せず)に対向して商品通路の出口側に配置した出口アジャスタ、4はラック側板1の間に架け渡して各種部品を支持するスルーピン、5が通路幅調整板である。この通路幅調整板5は商品と接する左右両面を平坦な板面として商品通路の蛇行形状に沿った長尺板としてなり、その上端部をスルーピン4に案内支持した上で図示されてないトップトレーのトップガイドに連繋し、下端部の側縁に形成した係合片5aを出口アジャスタ3の板面に左右に並べて開口した係合穴3aに係合して通路幅調整板5を選択された設定位置に係止保持するようにしている。
【0007】
ここで、販売商品を長さサイズの異なる商品に変更する場合には、商品収納棚の上部前面に開口している商品投入口より手を差し入れ、トップトレーに配したトップガイドに連繋して通路幅調整板5を若干持ち上げながら新たな設定位置に移動(矢印P)すると、この移動に合わせて通路幅調整板5の下部側縁に形成した係合片5aと出口アジャスタ3の板面に形成した係合穴3aとの係合位置が切り換わり、その設定位置に対応して商品通路の横幅が図示のようにL1 〜L3 に設定変更される。
なお、上記した商品通路幅の変更作業は、ロケーション先の自動販売機で販売商品を異なるサイズの商品に変更する際にサービスマンが行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図7に示した従来構成のサーペンタイン式商品収納棚では、商品通路幅を変更する際の操作性,および調整後の設定位置確認の面で次記のような難点がある。すなわち、
(1) 通路幅調整板5の調節操作は商品収納棚のトップトレー側から行うことから、通路幅調整板5の下端側に設けた係合片5aが出口アジャスタ3に形成した係合穴3aに対して新たな調節位置に正しく係合しているか否かが確認できない。すなわち、サーペンタイン式商品収納棚は棚内に複数列のコラムが前後に並ぶ多重コラム形が一般的であり、かつ商品収納棚の下方には商品搬出シュータが配置されていることから、通路幅調整板5と出口アジャスタ3の係合穴3aとの係合状態を直接覗き込んで目視確認することが不可能である。また、自動販売機の前方から商品収納棚の下面に手を差し入れても、後列に並ぶコラムでは通路幅調整板5の下端にやっと指先が届く程度で、係合片5aと係合穴3aとの係合状態まで確認することができない。
【0009】
(2) また、通路幅調整板5の上端部を左右に移動調節しても、その案内支持機構の動きが円滑でないと通路幅調整板の下端部が上端部に正しく追随移動しないで通路幅調整板が棚内で斜め姿勢になることがあるなど、その調節操作性にも問題がある。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決し、簡易な部品を追加装備することで通路幅調整板の設定状態を容易に確認でき、併せてその調節操作性を向上が図れるように改良した自動販売機のサーペンタイン式商品収納棚を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、左右に対向して立設された一対のラック側板と、該ラック側板の間に前後に対向して架設され、上下に蛇行する商品通路を形成する複数のセグメントと、前記商品通路に沿って上下方向に配設され、販売商品の長さサイズに合わせて商品通路の横幅を設定する通路幅調整板と、前記商品通路の出口端に位置する商品搬出機構と対向して配置され、販売商品の径サイズに合わせて商品搬出通路の前後幅を調整するようラック側板の間に前後方向へ移動調節可能に架設された出口アジャスタとを備え、かつ前記出口アジャスタの板面には左右に並ぶ複数の係合穴を形成し、該係合穴の一つに前記通路幅調整板の係合片を係合させて通路幅調整板を設定位置に係止保持するようにした自動販売機のサーペンタイン式商品収納棚において、
出口アジャスタの下端部に前記係合穴の配列に対応した設定位置確認部材を設けるとともに、通路調整板には前記設定位置確認部材と向き合う位置まで垂下延在する指標部材を設け、前記指標部材と設定位置確認部材との相対位置から通路幅調整板の設定状態を確認するようにし(請求項1)、前記の設定位置確認部材,通路幅調整板,および指標部材は具体的に次記のような態様で構成するものとする。
【0011】
(1) 設定位置確認部材は、出口アジャスタの下端に取付け、かつその下縁に沿って出口アジャスタに形成した係合穴と個々に対応する位置に凹所を切欠き形成したタブ片として構成する(請求項2)。
(2) 通路調整板は、蛇行状商品通路に沿った形状になる平坦な二枚の調整板の間に補強板を挟んだ構造であり、出口アジャスタとの対向部位に係合片を有し、かつ調整板の下端から下方へ垂下延在する指標部材を備えた構成とする(請求項3)。
【0012】
(3) 前項(2) において、指標部材は通路幅調整板の下部側把手を兼ねた棒状体であり、通路幅調整板の下端部に溶接して取付ける(請求項4)。
上記の構成によれば、自動販売機の扉を開いて前方から商品収納棚の下面側に手を差し入れることにより、庫内の奥に並ぶコラムに対してもその出口アジャスタの下端に設けた設定位置確認部材としてのタブ片、および通路幅調整板から下方に延在する指標部材としての把手に手を触れることができる。そして、この位置で把手がタブ片の所定の凹所と前後に向かい合って対峙し、かつ把手が左右に動かなければ通路幅調整板の係合片が出口アジャスタの係合穴に正しく係合して設定位置に係止保持されていることが手の触覚で確認できる。一方、把手の位置がタブ片の凹所からずれて対峙しており、かつ把手も左右方向へ大きく動く場合には、通路幅調整板の係合片が出口アジャスタの係合穴に正しく係合されてないことが判り、この場合には把手を手に持って修正移動操作することで、通路幅調整板を所定の設定位置で出口アジャスタの係合穴に正しく係止保持させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図6に示す実施例に基づいて説明する。なお、実施例の図中で図7に対応する同一部材には同じ符号を付してその説明は省略する。
図示実施例のサーペンタイン式商品収納棚は基本的に図7の構成と同様であるが、通路幅調整板5の設定位置を確認する手段として、出口アジャスタ3の下端に取付けたタブ片6(設定位置確認部材)、および通路幅調整板5の下端に取付けた把手(指標部材)が新たに追加装備されている。
【0014】
ここで、タブ片6は図5で示すように怪我防止のために下縁をカールした板金部品で出口アジャスタ3の下端部に溶接して取付け、出口アジャスタ3に形成した係合穴3aと個々に対応した位置(係合穴の真下)に凹所6aが切欠き形成されている。
一方、通路幅調整板5は、図3(a),(b) および図4で示すように、商品収納棚の蛇行状商品通路に沿った形状になる左右2枚の平坦な調整板5bとその間に挟まれた補強板5cとからなり、出口アジャスタ3の係合穴3aと対向する部位に係合片5aが突き出している。また、調整板5bの間に挟まれてその上端から前方にトップガイド5dが延在しており、該トップガイド5dに形成した係合爪5d-1を商品投入用のトップトレー(図示せず)に形成した調節穴に係合して通路幅を調整するようにしている。さらに、通路幅調整板5の下端には把手7が下方に延在している。この把手7は後記のように通路幅調整板5の指標部材としての役目を果たすほか、商品収納棚の下面側から把手7を手に持って通路幅調整板5の下端部を移動調節する機能も持たせたもので、前記した2枚の調整板5bの間に挟んで溶接接合されている。なお、図示例では把手7を別部品として通路幅調整板5に溶接しているが、通路幅調整板自身に板金加工を施して把手7を形成することもできる。
【0015】
そして、図1,図2で示すよに、商品収納棚の組立状態では、出口アジャスタ3に取付けたタブ片6,および通路幅調整板5に取付けた把手7が前後に対峙して商品収納棚の下面側に位置している。なお、図2の図中で1aはラック側板1に形成した出口アジャスタ調整用の調節穴、8は商品搬出機構、8aは商品の売切検知レバー,8bは商品を販売待機位置に係止保持するレバーである。
【0016】
次に、前記構成による通路幅調整板5の調節位置確認の仕方を図6で説明する。なお、図6には通路幅調整板5を矢印P方向に移動調節してその係合片が出口アジャスタ3に形成した3箇所の係合穴3aのいずれかに係合している状態を左側から#1,#2,#3 で表している。
そして、自動販売機の前方から商品収納棚の下面側に手を差し入れれば、タブ片6,および把手7に手が容易に触れて両者の相対位置を触覚で確かめることができる。ここで、通路幅調整板5が各設定位置#1,#2,#3 に位置決めされて出口アジャスタ3の係合穴3aに正しく係合していれば、通路幅調整板5の下端から下方に延在した把手7が出口アジャスタ3の下端に取付けたタブ片6の凹所6aと前後に対峙している。したがって、タブ片6の凹所6aと把手7との相対位置から通路幅調整板5の設定状態を容易に確認できる。また、この状態で把手7を手に持って動かした場合に、通路幅調整板5が出口アジャスタ3に係止保持されていれば左右への動きが規制され、逆に把手7が左右に大きく動く場合には通路幅調整板5が正しく係合されてないことが判り、この場合には把手7を操作して通路幅調整板5の位置を移動修正することで出口アジャスタ3の係合穴3aに正しく係止保持させることができる。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、通路幅調整板の下端部を商品通路の出口側に配した出口アジャスタの係合穴に係合して各設定位置に係止保持させるようにした自動販売機のサーペンタイン式商品収納棚において、出口アジャスタの下端部に前記係合穴の配列に対応した設定位置確認部材 (タブ片) を設けるとともに、通路調整板には前記設定位置確認部材と向き合う位置まで垂下延在する指標部材(把手)を設け、前記指標部材と設定位置確認部材との相対位置から通路幅調整板の設定状態を確認するようにしたことにより、従来構成では外部からの確認が難しかった通路幅調整板の設定状態,および出口アジャスタとの係合状態を商品収納棚の下面側に差し入れた手の触覚で容易に確認することができるとともに、設定位置がずれている場合には指標部材である把手を手に持って通路幅調整板を下端側から簡単に修正操作することができるなど、商品通路幅の設定確認,およびその操作性に効果を発揮するサーペンタイン式商品収納棚を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るサーペンタイン式商品収納棚の要部構造を表す斜視図
【図2】図1に対応した商品収納棚の要部側面図
【図3】図1における通路幅調整板の構成図であり、(a)は側面図、(b) は端面図
【図4】図3に示した通路幅調整板の斜視図
【図5】図1における出口アジャスタの構成図であり、(a)は正面図、(b) は側面図
【図6】図1の構成による通路幅調整板の設定位置確認の説明図
【図7】サーペンタイン式商品収納棚の従来構成の斜視図
【符号の説明】
1 ラック側板
2 セグメント
3 出口アジャスタ
3a 係合穴
5 通路幅調整板
5a 係合片
6 タブ片(設定位置確認部材)
6a 凹所
7 把手(指標部材)
8 商品搬出機構

Claims (4)

  1. 左右に対向して立設された一対のラック側板と、該ラック側板の間に前後に対向して架設され、上下に蛇行する商品通路を形成する複数のセグメントと、前記商品通路に沿って上下方向に配設され、販売商品の長さサイズに合わせて商品通路の横幅を設定する通路幅調整板と、前記商品通路の出口端に位置する商品搬出機構と対向して配置され、販売商品の径サイズに合わせて商品搬出通路の前後幅を調整するようラック側板の間に前後方向へ移動調節可能に架設された出口アジャスタとを備え、かつ前記出口アジャスタの板面には左右に並ぶ複数の係合穴を形成し、該係合穴の一つに前記通路幅調整板の係合片を係合させて通路幅調整板を設定位置に係止保持するようにした自動販売機のサーペンタイン式商品収納棚において、出口アジャスタの下端部に前記係合穴の配列に対応した設定位置確認部材を設けるとともに、通路調整板には前記設定位置確認部材と向き合う位置まで垂下延在する指標部材を設け、前記指標部材と設定位置確認部材との相対位置から通路幅調整板の設定状態を確認するようにしたことを特徴とする自動販売機のサーペンタイン式商品収納棚。
  2. 請求項1記載の商品収納棚において、設定位置確認部材が、出口アジャスタの下端に取付け、かつその下縁に沿って出口アジャスタに形成した係合穴と個々に対応する位置に凹所を切欠き形成したタブ片としてなることを特徴とする自動販売機のサーペンタイン式商品収納棚。
  3. 請求項1記載の商品収納棚において、通路調整板が、蛇行状商品通路に沿った形状になる平坦な二枚の調整板の間に補強板を挟んだ構造で、出口アジャスタとの対向部位に係合片を有し、かつ調整板の下端から下方へ垂下延在する指標部材を備えたことを特徴とする自動販売機のサーペンタイン式商品収納棚。
  4. 請求項3記載の商品収納棚において、指標部材が通路幅調整板の下部側把手を兼ねたロッドで、通路幅調整板の下端部に溶接して取付けたことを特徴とする自動販売機のサーペンタイン式商品収納棚。
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