JP4205792B2 - NOx分解電極及びNOx濃度測定装置 - Google Patents

NOx分解電極及びNOx濃度測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、NOxに対する分解/還元能力があるか、あるいは高い電極であって、NOxを分解し、その際に酸素を発生させるNOx分解電極と、例えば、車両の排出ガスや大気中に含まれるNOxを測定するNOx濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、燃焼ガス等の被測定ガス中のNOxを測定する方法として、RhのNOx還元性を利用し、ジルコニア等の酸素イオン導伝性の固体電解質上にPt電極及びRh電極を形成したセンサを用い、これら両電極間の起電力を測定するようにした手法が知られている。
【0003】
しかしながら、そのようなセンサは、被測定ガスである燃焼ガス中に含まれる酸素濃度の変化によって、起電力が大きく変化するばかりでなく、NOxの濃度変化に対して起電力変化が小さく、そのためにノイズの影響を受けやすいという問題がある。
【0004】
また、NOxの還元性を引き出すためには、CO等の還元ガスが必須になるところから、一般に、大量のNOxが発生する燃料過少の燃焼条件下では、COの発生量がNOxの発生量を下回るようになるため、そのような燃焼条件下に形成される燃焼ガスでは、測定ができないという欠点があった。
【0005】
前記問題点を解決するために、被測定ガス存在空間に連通した第1の内部空所と該第1の内部空所に連通した第2の内部空所にNOx分解能力の異なるポンプ電極を配したNOxセンサと、第1の内部空所内の第1のポンプセルでO2 濃度を調整し、第2の内部空所内に配された分解ポンプセルでNOを分解し、分解ポンプに流れるポンプ電流からNOx濃度を測定する方法が、例えば特開平8−271476号公報に明らかにされている。
【0006】
更に、特開平9−113484号公報には、酸素濃度が急変した場合でも第2の内部空所内の酸素濃度が一定に制御されるように、第2の内部空所内に補助ポンプ電極を配したセンサ素子が明らかにされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようなNOxセンサのNOx分解電極には、Rh/ZrO2 のサーメット電極を使用している。NOx分解電極にRh/ZrO2 のサーメット電極を用いた場合、使用時間の増加に伴い感度が低下する現象が認められた。
【0008】
Rhは、500〜1000℃の領域で酸化され易く、雰囲気中の酸素濃度により酸化反応と還元反応を繰り返す。この酸化反応と還元反応の繰り返しによるRhの体積変化によって、NOx分解電極が固体電解質基板から剥離し、その結果、ガスセンサの使用中におけるポンプセルのインピーダンスの増加をもたらし、このインピーダンスの増加がNOxに対する感度低下を引き起こすことになる。
【0009】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、Rhの酸化反応と還元反応を有効に抑制でき、しかも、低温でのNOx吸着や他の金属元素(例えばAu)との合金形成を抑制することができるNOx分解電極を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の他の目的は、NOx分解電極に含まれるRhの酸化反応と還元反応を有効に抑制でき、しかも、低温でのNOx吸着や他の金属元素(例えばAu)との合金形成を抑制することができ、インピーダンスの安定化並びに測定感度の安定化を図ることができるNOx濃度測定装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明に係るNOx分解電極は、NOxに対する分解/還元能力があるか、あるいは高い電極であって、NOxを分解し、その際に酸素を発生させるNOx分解電極において、Pt−Rhの合金とセラミック成分からなるサーメット電極であって、かつ、PtとRhの比率を重量比で、Pt:Rh=20:80〜5:95とする。
【0012】
前記NOx分解電極としてPt−Rhの合金とセラミック成分からなるサーメット電極を使用することにより、NOx分解電極に含まれるRhの酸化反応と還元反応を有効に抑制することができる。
【0013】
特に、第1の本発明では、PtとRhの比率を重量比で、Pt:Rh=20:80〜5:95としているため、低温でのNOx吸着や他の金属元素(例えばAu)との合金形成を抑制することができる。
【0014】
前記NOx分解電極におけるPtとRhの比率としては、重量比でPt:Rh=10:90〜5:95であることが好ましい。
【0015】
次に、第2の本発明に係るNOx濃度測定装置は、NOxに対する分解/還元能力がないか、あるいは低い電極を有する酸素ポンプを用いて、被測定ガス中の酸素濃度を実質的にNOが分解し得ない所定の値に制御し、NOxに対する分解/還元能力があるか、あるいは高いNOx分解電極を用いてNOxを分解し、その際に発生する酸素の量を測定することによって、NOx濃度を測定するNOx濃度測定装置において、前記NOx分解電極が、Pt−Rhの合金とセラミック成分からなるサーメット電極であって、かつ、PtとRhの比率を、重量比でPt:Rh=20:80〜5:95とする。
【0016】
これにより、NOx分解電極に含まれるRhの酸化反応と還元反応を有効に抑制でき、しかも、低温でのNOx吸着や他の金属元素(例えばAu)との合金形成を抑制することができ、インピーダンスの安定化並びに測定感度の安定化を図ることができる。この場合、特に、PtとRhの比率を、重量比でPt:Rh=10:90〜5:95とすることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るNOx分解電極を有するNOx濃度測定装置の実施の形態例(以下、単に実施の形態に係るNOx濃度測定装置と記す)を図1〜図7を参照しながら説明する。
【0018】
この実施の形態に係るNOx濃度測定装置10は、図1及び図2に示すように、ZrO2 等の酸素イオン導伝性固体電解質を用いたセラミックスよりなる例えば5枚の固体電解質層12a〜12eが積層されて構成された基体14を有する。
【0019】
この基体14は、下から1層目及び2層目が第1及び第2の基板層12a及び12bとされ、下から3層目及び5層目が第1及び第2の固体電解質層12c及び12eとされ、下から4層目がスペーサ層12dとされている。
【0020】
第2の基板層12bと第1の固体電解質層12cとの間には、酸化物測定の基準となる基準ガス、例えば大気が導入される空間(基準ガス導入空間16)が、第1の固体電解質層12cの下面に形成された凹部と、第2の基板層12bの上面に形成された凹部によって区画、形成されている。
【0021】
そして、第2の固体電解質層12eの下面と第1の固体電解質層12cの上面との間には、被測定ガス中の酸素分圧を調整するための第1室18と、被測定ガス中の酸素分圧を微調整し、更に被測定ガス中の酸化物、例えば窒素酸化物(NOx)を測定するための第2室20が区画、形成される。
【0022】
そして、この実施の形態に係るNOx濃度測定装置10は、スペーサ層12dの前端部に空間部22が形成され、該空間部22の前端開口はガス導入口24を構成する。また、前記空間部22と前記第1室18は、第1の拡散律速部26を介して連通され、第1室18と第2室20は、第2の拡散律速部28を介して連通されている。
【0023】
ここで、第1及び第2の拡散律速部26及び28は、第1室18及び第2室20にそれぞれ導入される被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与するものであり、図1の例では、被測定ガスを導入することができる所定の断面積を有した縦長のスリットとして形成されている。これら縦長のスリットは、共にスペーサ層12dの幅方向ほぼ中央部分に形成されている。
【0024】
なお、第2の拡散律速部28を構成するスリット内に、ZrO2 等からなる多孔質体を充填、配置して、前記第2の拡散律速部28の拡散抵抗を第1の拡散律速部26の拡散抵抗よりも大きくするようにしてもよい。第2の拡散律速部28の拡散抵抗は第1の拡散律速部26のそれよりも大きい方が好ましいが、小さくても問題はない。
【0025】
そして、前記第2の拡散律速部28を通じて、第1室18内の雰囲気が所定の拡散抵抗の下に第2室20内に導入されることとなる。
【0026】
前記空間部22は、外部空間の被測定ガス中に発生する粒子物(スート、オイル燃焼物等)が第1室18の入口付近にて詰まるということを回避するための目詰まり防止部として機能するものであり、より高精度にNOx成分を測定することが可能となる。
【0027】
また、この実施の形態に係るNOx濃度測定装置10においては、前記第1室18の内壁面に形成された多孔質サーメット電極(例えばAu1wt%を含むPt・ZrO2 のサーメット電極)からなる内側ポンプ電極30が形成され、前記第2の固体電解質層12eの上面のうち、前記内側ポンプ電極30に対応する部分に、外側ポンプ電極32が形成されており、これら内側ポンプ電極30、外側ポンプ電極32並びにこれら両電極30及び32間に挟まれた第2の固体電解質層12e、第1の固体電解質層12c及びスペーサ層12dにて電気化学的なポンプセル、即ち、主ポンプセル34が構成されている。
【0028】
前記内側ポンプ電極30は、第1室18の内壁面を囲繞するようにして相互に連続し、当該第1室18を構成する壁面の上面部である第2の固体電解質層12eの下面に配設される電極部30aと、前記内壁面の下面部である第1の固体電解質層12cの上面に配設される電極部30bと、前記内壁面の側面部であるスペーサ層12dの側面に配設される電極部30c及び30d(電極部30dは図示せず)とが連続形成されて構成される。
【0029】
なお、前記内側ポンプ電極30は、上面の電極部30a又は下面の電極部30bのうちいずれか1つの電極部のみで構成してもよく、また、上下両面の電極部30a及び30bと、側面の電極部30c又は30dのうちいずれか1つとの合計3つの電極部にて構成してもよい。
【0030】
そして、前記主ポンプセル34における内側ポンプ電極30と外側ポンプ電極32間に、外部の可変電源40を通じて所望の制御電圧(ポンプ電圧)Vp1を印加して、外側ポンプ電極32と内側ポンプ電極30間に、正方向あるいは負方向にポンプ電流Ip1を流すことにより、前記第1室18内における雰囲気中の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは外部空間の酸素を第1室18内に汲み入れることができるようになっている。
【0031】
また、前記第1の固体電解質層12cの上面のうち、前記第1室18を形づくる上面であって、かつ第2の拡散律速部28に近接する部分(内側ポンプ電極30における下面の電極部30bが形成されていない部分)に、平面ほぼ矩形状の多孔質サーメット電極からなる測定電極42が形成され、前記第1の固体電解質層12cの下面のうち、基準ガス導入空間16に露呈する部分に基準電極44が形成されており、これら測定電極42、基準電極44及び第1の固体電解質層12cによって、電気化学的なセンサセル、即ち、制御用酸素分圧検出セル46が構成されている。
【0032】
この制御用酸素分圧検出セル46は、第1室18内の雰囲気と基準ガス導入空間16内の基準ガス(大気)との間の酸素濃度差に基づいて、測定電極42と基準電極44との間に発生する起電力を電圧計48にて測定することにより、前記第1室18内の雰囲気の酸素分圧が検出できるようになっている。
【0033】
即ち、基準電極44及び測定電極42間に生じる電圧V1は、基準ガス導入空間16に導入される基準ガスの酸素分圧と、第1室18内の被測定ガスの酸素分圧との差に基づいて生じる酸素濃淡電池起電力であり、ネルンストの式として知られる
V1=RT/4F・ln(P1(O2 )/P0(O2 ))
R:気体定数
T:絶対温度
F:ファラデー数
P1(O2 ):第1室18内の酸素分圧
P0(O2 ):基準ガスの酸素分圧
の関係を有している。そこで、前記ネルンストの式に基づく電圧V1を電圧計48によって測定することで、第1室18内の酸素分圧を検出することができる。
【0034】
前記検出された酸素分圧値は可変電源40のポンプ電圧をフィードバック制御系50を通じて制御するために使用され、具体的には、第1室18内の雰囲気の酸素分圧が、次の第2室20において酸素分圧の制御を行い得るのに十分な低い所定の値となるように、主ポンプセル34のポンプ動作が制御される。
【0035】
なお、前記内側ポンプ電極30及び外側ポンプ電極32は、第1室18内に導入された被測定ガス中のNOx、例えば、NOに対する触媒活性が低い不活性材料により構成される。具体的には、前記内側ポンプ電極30及び外側ポンプ電極32は、多孔質サーメット電極にて構成することができ、この場合、Pt等の金属とZrO2 等のセラミックスとから構成されることになるが、特に、被測定ガスに接触する第1室18内に配置される内側ポンプ電極30及び測定電極42は、測定ガス中のNO成分に対する還元能力を弱めた、あるいは還元能力のない材料を用いる必要があり、例えばLa3 CuO4 等のペロブスカイト構造を有する化合物、あるいはAu等の触媒活性の低い金属とセラミックスのサーメット、あるいはAu等の触媒活性の低い金属とPt族金属とセラミックスのサーメットで構成されることが好ましい。更に、電極材料にAuとPt族金属の合金を用いる場合は、Au添加量を金属成分全体の0.03〜35vol%にすることが好ましい。
【0036】
また、この実施の形態に係るNOx濃度測定装置10においては、前記第1の固体電解質層12cの上面のうち、前記第2室20を形づくる上面であって、かつ第2の拡散律速部28から離間した部分に、平面ほぼ矩形状の多孔質サーメット電極からなる検出電極60が形成され、この検出電極60を被覆するように、第3の拡散律速部62を構成するアルミナ膜が形成されている。そして、該検出電極60、前記基準電極44及び第1の固体電解質層12cによって、電気化学的なポンプセル、即ち、測定用ポンプセル64が構成される。
【0037】
前記検出電極60は、被測定ガス成分であるNOxを還元し得る金属とセラミックスとしてのジルコニアからなる多孔質サーメットにて構成され、これによって、第2室20内の雰囲気中に存在するNOxを還元するNOx還元触媒として機能するほか、前記基準電極44との間に、直流電源66を通じて一定電圧Vp2が印加されることによって、第2室20内の雰囲気中の酸素を基準ガス導入空間16に汲み出せるようになっている。この測定用ポンプセル64のポンプ動作によって流れるポンプ電流Ip2は、電流計68によって検出されるようになっている。この検出電極60についての詳細は後述する。
【0038】
前記定電圧(直流)電源66は、第3の拡散律速部62により制限されたNOxの流入下において、測定用ポンプセル64で分解時に生成した酸素のポンピングに対して限界電流を与える大きさの電圧を印加できるようになっている。
【0039】
一方、前記第2の固体電解質層12eの下面のうち、前記第2室20の内壁面に形成された多孔質サーメット電極(例えばAu1wt%を含むPt・ZrO2 のサーメット電極)からなる補助ポンプ電極70が形成されており、該補助ポンプ電極70、前記第2の固体電解質層12e、スペーサ層12d、第1の固体電解質層12c及び基準電極44にて補助的な電気化学的ポンプセル、即ち、補助ポンプセル72が構成されている。
【0040】
前記補助ポンプ電極70は、前記主ポンプセル34における内側ポンプ電極30と同様に、被測定ガス中のNO成分に対する還元能力を弱めた、あるいは還元能力のない材料を用いている。この場合、例えばLa3 CuO4 等のペロブスカイト構造を有する化合物、あるいはAu等の触媒活性の低い金属とセラミックスのサーメット、あるいはAu等の触媒活性の低い金属とPt族金属とセラミックスのサーメットで構成されることが好ましい。更に、電極材料にAuとPt族金属の合金を用いる場合は、Au添加量を金属成分全体の0.03〜35vol%にすることが好ましい。
【0041】
また、前記補助ポンプ電極70は、前記内側ポンプ電極30と同様に、第2室20の内壁面を囲繞するようにして相互に連続し、当該第2室20を構成する壁面の上面部である第2の固体電解質層12eの下面に配設される電極部70aと、前記壁面の下面部である第1の固体電解質層12cの上面に配設される電極部70bと、前記壁面の側面部であるスペーサ層12dの側面に配設される電極部70c及び70d(電極部70dは図示せず)とが連続形成されて構成される。
【0042】
なお、前記補助ポンプ電極70は、上面の電極部70a又は下面の電極部70bのうちいずれか1つの電極部のみで構成してもよく、また、上下両面の電極部70a及び70bと、側面の電極部70c又は70dのうちいずれか1つとの合計3つの電極部にて構成してもよい。
【0043】
そして、前記補助ポンプセル72における補助ポンプ電極70と基準電極44間に、外部の直流電源74を通じて所望の一定電圧Vp3を印加することにより、第2室20内の雰囲気中の酸素を基準ガス導入空間16に汲み出せるようになっている。
【0044】
これによって、第2室20内の雰囲気の酸素分圧が、実質的に被測定ガス成分(NOx)が還元又は分解され得ない状況下で、かつ目的成分量の測定に実質的に影響がない低い酸素分圧値とされる。この場合、第1室18における主ポンプセル34の働きにより、この第2室20内に導入される酸素の量の変化は、被測定ガスの変化よりも大幅に縮小されるため、第2室20における酸素分圧は精度よく一定に制御される。
【0045】
従って、前記構成を有するNOx濃度測定装置10では、前記第2室20内において酸素分圧が制御された被測定ガスは、検出電極60に導かれることとなる。
【0046】
また、この実施の形態に係るNOx濃度測定装置10においては、図2に示すように、第2の基板層12bの下部に、外部からの給電によって発熱するヒータ80が埋設されている。このヒータ80は、酸素イオンの導伝性を高めるために設けられるもので、該ヒータ80の上下面には、第1及び第2の基板層12a及び12bとの電気的絶縁を得るために、アルミナ等の絶縁層82が形成されている。
【0047】
前記ヒータ80は、第1室18から第2室20の全体にわたって配設されており、これによって、第1室18及び第2室20がそれぞれ所定の温度に加熱され、併せて主ポンプセル34、制御用酸素分圧検出セル46及び測定用ポンプセル64も所定の温度に加熱、保持されるようになっている。
【0048】
次に、本実施の形態に係るNOx濃度測定装置10の動作について説明する。まず、NOx濃度測定装置10の先端部側が外部空間に配置され、これによって、被測定ガスは、第1の拡散律速部26を通じて所定の拡散抵抗の下に、第1室18に導入される。この第1室18に導入された被測定ガスは、主ポンプセル34を構成する外側ポンプ電極32及び内側ポンプ電極30間に所定のポンプ電圧Vp1が印加されることによって引き起こされる酸素のポンピング作用を受け、その酸素分圧が所定の値、例えば10-7atmとなるように制御される。この制御は、フィードバック制御系50を通じて行われる。
【0049】
なお、第1の拡散律速部26は、主ポンプセル34にポンプ電圧Vp1を印加した際に、被測定ガス中の酸素が測定空間(第1室18)に拡散流入する量を絞り込んで、主ポンプセル34に流れる電流を抑制する働きをしている。
【0050】
また、第1室18内においては、外部の被測定ガスによる加熱、更にはヒータ80による加熱環境下においても、内側ポンプ電極30にて雰囲気中のNOxが還元されない酸素分圧下の状態、例えばNO→1/2N2 +1/2O2 の反応が起こらない酸素分圧下の状況が形成されている。これは、第1室18内において、被測定ガス(雰囲気)中のNOxが還元されると、後段の第2室20内でのNOxの正確な測定ができなくなるからであり、この意味において、第1室18内において、NOxの還元に関与する成分(ここでは、内側ポンプ電極30の金属成分)にてNOxが還元され得ない状況を形成する必要がある。具体的には、前述したように、内側ポンプ電極30にNOx還元性の低い材料、例えばAuとPtの合金を用いることで達成される。
【0051】
そして、前記第1室18内のガスは、第2の拡散律速部28を通じて所定の拡散抵抗の下に、第2室20に導入される。この第2室20に導入されたガスは、補助ポンプセル72を構成する補助ポンプ電極70及び基準電極44間に一定電圧Vp3が印加されることによって引き起こされる酸素のポンピング作用を受け、その酸素分圧が一定の低い酸素分圧値となるように微調整される。
【0052】
前記第2の拡散律速部28は、前記第1の拡散律速部26と同様に、補助ポンプセル72に一定電圧Vp3を印加した際に、被測定ガス中の酸素が測定空間(第2室20)に拡散流入する量を絞り込んで、補助ポンプセル72に流れるポンプ電流Ip3を抑制する働きをしている。
【0053】
そして、上述のようにして第2室20内において酸素分圧が制御された被測定ガスは、第3の拡散律速部62を通じて所定の拡散抵抗の下に、検出電極60に導かれることとなる。
【0054】
ところで、前記主ポンプセル34を動作させて第1室18内の雰囲気の酸素分圧をNOx測定に実質的に影響がない低い酸素分圧値に制御しようとしたとき、換言すれば、制御用酸素分圧検出セル46にて検出される電圧V1が一定となるように、フィードバック制御系50を通じて可変電源40のポンプ電圧Vp1を調整したとき、被測定ガス中の酸素濃度が大きく、例えば0〜20%に変化すると、通常、第2室20内の雰囲気及び検出電極60付近の雰囲気の各酸素分圧は、僅かに変化するようになる。これは、被測定ガス中の酸素濃度が高くなると、第1室18の幅方向及び厚み方向に酸素濃度分布が生じ、この酸素濃度分布が被測定ガス中の酸素濃度により変化するためであると考えられる。
【0055】
しかし、この実施の形態に係るNOx濃度測定装置10においては、第2室20に対して、その内部の雰囲気の酸素分圧を常に一定に低い酸素分圧値となるように、補助ポンプセル72を設けるようにしているため、第1室18から第2室20に導入される雰囲気の酸素分圧が被測定ガスの酸素濃度に応じて変化しても、前記補助ポンプセル72のポンプ動作によって、第2室20内の雰囲気の酸素分圧を常に一定の低い値とすることができ、その結果、NOxの測定に実質的に影響がない低い酸素分圧値に制御することができる。
【0056】
そして、検出電極60に導入された被測定ガス中のNOxは、該検出電極60の周りにおいて還元又は分解されて、例えばNO→1/2N2 +1/2O2 の反応が引き起こされる。このとき、測定用ポンプセル64を構成する検出電極60と基準電極44との間には、酸素が第2室20から基準ガス導入空間16側に汲み出される方向に、所定の電圧Vp2、例えば430mV(700℃)が印加される。
【0057】
従って、測定用ポンプセル64に流れるポンプ電流Ip2は、第2室20に導かれる雰囲気中の酸素濃度、即ち、第2室20内の酸素濃度と検出電極60にてNOxが還元又は分解されて発生した酸素濃度との和に比例した値となる。
【0058】
この場合、第2室20内の雰囲気中の酸素濃度は、補助ポンプセル72にて一定に制御されていることから、前記測定用ポンプセル64に流れるポンプ電流Ip2は、NOxの濃度に比例することになる。また、このNOxの濃度は、第3の拡散律速部62にて制限されるNOxの拡散量に対応していることから、被測定ガスの酸素濃度が大きく変化したとしても、測定用ポンプセル64から電流計68を通じて正確にNOx濃度を測定することが可能となる。
【0059】
このことから、測定用ポンプセル64におけるポンプ電流値Ip2は、ほとんどがNOxが還元又は分解された量を表し、そのため、被測定ガス中の酸素濃度に依存するようなこともない。
【0060】
ここで、第2室20内に形成された検出電極60について詳細に説明する。この検出電極60として、例えばRh/ZrO2 のサーメット電極を使用した場合、使用時間の増加に伴い感度が低下する現象が認められた。
【0061】
これは、測定用ポンプセル64のインピーダンスの増加が原因であり、インピーダンスが増加したNOx濃度測定装置を観察すると、検出電極60と第1の固体電解質層12cとの接触面積の低下が認められた。つまり、該検出電極60と第1の固体電解質層12cとの接触面積の低下がインピーダンスの増加の原因であると考えられる。
【0062】
そこで、1つの実験(便宜的に第1の実験例と記す)を行った。この第1の実験例は、PtとRhからなる合金(試料)の質量が熱の上昇に応じてどのように変化するかをPtとRhの重量比を変えて熱天秤にて計測してみたものである。図3にその結果を示す。
【0063】
この図3において、曲線aはRh=100wt%の特性を示し、曲線bはPt/Rh=1wt%/99wt%の特性を示し、曲線cはPt/Rh=5wt%/95wt%の特性を示し、曲線dはPt/Rh=10wt%/90wt%の特性を示し、曲線eはPt/Rh=20wt%/80wt%の特性を示し、曲線fはPt/Rh=25wt%/75wt%の特性を示している。
【0064】
図3の実験結果から、Rh=100wt%(曲線a)の場合、約500℃〜約800℃にかけてRhの酸化(Rh2 3 )による重量増加が見られ、約1100℃からは再び金属化が始まって重量が減少し、約1200℃付近にて元の重量に戻っていることがわかる。
【0065】
同様に、Pt/Rh=1wt%/99wt%(曲線b)の場合は、約600℃〜約900℃にかけてRhの酸化(Rh2 3 )による重量増加が見られ、約1000℃付近からは再び金属化が始まって重量が減少し、約1150℃付近にて元の重量に戻っていることがわかる。
【0066】
このような酸化による重量増加の範囲及び再金属化による重量減少の範囲を図4にまとめて示す。
【0067】
図3及び図4から、Rh=100wt%(曲線a)の検出電極の場合、500℃〜700℃の使用温度領域において重量増加、即ち、体積増加が著しいことがわかる。
【0068】
NOx濃度測定装置10の実使用においては、通常、素子温度を約700℃に設定して行われることから、例えば検出電極60をRh=100wt%(曲線a)のサーメット電極で構成した場合、センサ駆動時には検出電極60の酸素ポンピングによって、Rhの再金属化による体積減少が起こり、センサ駆動停止直後には、前記酸素ポンピングは停止するが素子温度はまだ600℃以上であるため、Rhの酸化(Rh2 3 )が起こり、Rhの体積増加が発生することになる。
【0069】
この一連の体積増加及び体積減少が繰り返されることで、検出電極60が第1の固体電解質層12cから一部剥離して前記検出電極60と第1の固体電解質層との接触面積が低下することとなる。この場合、測定用ポンプセル64のインピーダンスが増加し、NOxに対する感度が低下することが予想される。
【0070】
しかし、図3からわかるように、検出電極60をPt−Rhの合金とセラミック成分からなるサーメット電極で構成することにより、体積増加が使用温度領域Tから外れた領域で発生することになるため、上述のような検出電極60の剥離現象は生じなくなる。即ち、実使用でのRhの酸化反応と還元反応を抑制することができることがわかる。
【0071】
ところで、他の実験例(便宜的に第2の実験例と記す)として、検出電極60に含まれるPt/Rhの比率を変えてそれぞれNOx濃度測定装置10を作製し、これら5種類のNOx濃度測定装置10について、NO濃度を1000ppmとしたときの限流特性をプロットした。700℃の大気加熱をかけたときの限流特性を図5に示す。
【0072】
この図5において、曲線aはRh=100wt%の特性を示し、曲線bはPt/Rh=1wt%/99wt%の特性を示し、曲線cはPt/Rh=10wt%/90wt%の特性を示し、曲線dはPt/Rh=20wt%/80wt%の特性を示し、曲線eはPt/Rh=25wt%/75wt%の特性を示している。
【0073】
横軸は、基準ガス導入空間16に導入される基準ガスの酸素分圧と、第2室20内の検出電極60に触れる雰囲気中の酸素分圧との差に基づいて生じる酸素濃淡電池起電力を示し、等価的には被測定ガスの酸素濃度に相当する。
【0074】
図5から、第2の実験例では、Rh=100%(曲線a)、Pt/Rh=1wt%/99wt%(曲線b)、Pt/Rh=10wt%/90wt%(曲線c)及びPt/Rh=20wt%/80wt%(曲線d)のものは、実質的な検出範囲D(400mV〜600mV)においてほぼ一定のポンプ電流(NO濃度=1000ppmに相当するポンプ電流)が流れることから、精度よくNOxを測定できることがわかる。
【0075】
一方、Pt/Rh=25wt%/75wt%(曲線e)のものは、実用的には問題はないが、ポンプ電流に幾分ばらつきが生じ、NOx測定について精度を出すことが困難になるおそれがある。
【0076】
この原因は、Pt−Rhの合金とセラミック成分からなるサーメット電極が、Rhサーメット電極に比べてNOx分解/還元能力が劣るからであると考えられる。
【0077】
そこで、この実施の形態では、検出電極60をPt−Rhの合金とセラミック成分からなるサーメット電極で構成し、更にPt−Rh合金中のRh添加量の最適値として、PtとRhの比率が、重量比でPt:Rh=20:80〜1:99とし、好ましくはPt:Rh=10:90〜1:99とした。
【0078】
ここで、1つの実験例(便宜的に第3の実験例と記す)を示す。この第3の実験例は、検出電極60に含まれるPt/Rhの比率を変えてそれぞれNOx濃度測定装置10を作製し、これら5種類のNOx濃度測定装置10について、実使用によるNOx感度の変化をみたものである。実験結果を図6に示す。
【0079】
図6において、曲線aはRh=100wt%の特性を示し、曲線bはPt/Rh=25wt%/75wt%の特性を示し、曲線cはPt/Rh=20wt%/80wt%の特性を示し、曲線dはPt/Rh=10wt%/90wt%の特性を示し、曲線eはPt/Rh=1wt%/99wt%の特性を示している。
【0080】
この第3の実験例において、耐久時間が1000時間を超えた時点で、感度変化率が−6%まで劣化していないものは耐久性があり、耐久時間が1000時間を超えた時点で、感度変化率が−6%を超えるものは耐久性がないとして判断することができる。
【0081】
この判断基準からみた場合、Rh=100wt%(曲線a)のものは、実験を開始してから約250時間経過後に感度変化率が−6%まで劣化しており、耐久性がかなり低いことがわかる。Pt/Rh=25wt%/75wt%(曲線b)のものは、約820時間経過後に感度変化率が−6%まで劣化しており、やや耐久性に劣ることがわかる。
【0082】
一方、Pt/Rh=20wt%/80wt%(曲線c)、10wt%/90wt%(曲線d)及び1wt%/99wt%(曲線e)のものは、1000時間経過しても感度変化率が−6%まで劣化しておらず、耐久性が高いことがわかる。
【0083】
このように、本実施の形態に係るNOx濃度測定装置10においては、測定用ポンプセル64を構成する検出電極60として、Pt−Rhの合金とセラミック成分からなるサーメット電極を使用するようにしたので、検出電極60に含まれるRhの酸化と再金属化が抑制され、NOx濃度測定装置10の使用時間が増加しても、検出電極60と第1の固体電解質層12cとの接触面積の低下によるインピーダンスの増加を引き起こすことがなくなる。
【0084】
また、この実施の形態では、PtとRhの比率を重量比で、Pt:Rh=20:80〜1:99とし、好ましくはPt:Rh=10:90〜1:99としているため、低温でのNOx吸着や他の金属元素(例えばAu)との合金形成を抑制することができ、耐久性を飛躍的に向上させることができる。
【0085】
即ち、この実施の形態に係るNOx濃度測定装置10においては、インピーダンスが安定化し、測定感度の安定化を図ることができる。
【0086】
次に、本実施の形態に係るNOx濃度測定装置10の変形例について図7を参照しながら説明する。なお、図1と対応するものについては同符号を記す。
【0087】
この変形例に係るNOx濃度測定装置10aは、図7に示すように、前記実施の形態に係るNOx濃度測定装置10(図2参照)とほぼ同様の構成を有するが、測定用ポンプセル64に代えて、測定用酸素分圧検出セル90が設けられている点で異なる。
【0088】
この測定用酸素分圧検出セル90は、第1の固体電解質層12cの上面のうち、前記第2室20を形づくる上面に形成された検出電極92と、前記第1の固体電解質層12cの下面に形成された基準電極44と、これら両電極92及び44間に挟まれた第1の固体電解質層12cによって構成されている。
【0089】
この場合、前記測定用酸素分圧検出セル90における検出電極92と基準電極44との間に、検出電極92の周りの雰囲気と基準電極44の周りの雰囲気との間の酸素濃度差に応じた起電力(酸素濃淡電池起電力)V2が発生することとなる。
【0090】
従って、前記検出電極92及び基準電極44間に発生する起電力(電圧V2)を電圧計94にて測定することにより、検出電極92の周りの雰囲気の酸素分圧、換言すれば、被測定ガス成分(NOx)の還元又は分解によって発生する酸素によって規定される酸素分圧が電圧値として検出される。
【0091】
この変形例に係るNOx濃度測定装置10aにおいても、測定用酸素分圧検出セル90を構成する検出電極92として、Pt−Rhの合金とセラミック成分からなるサーメット電極が使用される。その結果、検出電極92に含まれるRhの酸化と再金属化が抑制され、NOx濃度測定装置10aの使用時間が増加しても、検出電極92と第1の固体電解質層12cとの接触面積の低下によるインピーダンスの増加を引き起こすことがなくなる。
【0092】
また、この変形例に係るNOx濃度測定装置10aにおいても、PtとRhの比率を重量比で、Pt:Rh=20:80〜1:99とし、好ましくはPt:Rh=10:90〜1:99としているため、低温でのNOx吸着や他の金属元素(例えばAu)との合金形成を抑制することができ、耐久性を飛躍的に向上させることができる。
【0093】
なお、この発明に係るNOx分解電極及びNOx濃度測定装置は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るNOx分解電極によれば、Rhの酸化反応と還元反応を有効に抑制でき、しかも、低温でのNOx吸着や他の金属元素(例えばAu)との合金形成を抑制することができる。
【0095】
また、本発明に係るNOx濃度測定装置によれば、NOx分解電極に含まれるRhの酸化反応と還元反応を有効に抑制でき、しかも、低温でのNOx吸着や他の金属元素(例えばAu)との合金形成を抑制することができ、インピーダンスの安定化並びに測定感度の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るNOx濃度測定装置の構成を示す平面図である。
【図2】図1におけるII−II線上の断面図である。
【図3】第1の実験例(RhとPtからなる合金の質量が熱の上昇に応じてどのように変化するかをRhとPtの重量比を変えて計測した実験例)の結果を示す特性図である。
【図4】第1の実験例において、RhとPtからなる合金の酸化による重量増加の範囲及び再金属化による重量減少の範囲を示す図表である。
【図5】第2の実験例において、700℃の大気加熱をかけたときの限流特性を示す図である。
【図6】第3の実験例(耐久時間に対するNOx感度の変化を見た実験例)の結果を示す特性図である。
【図7】本実施の形態に係るNOx濃度測定装置の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
10、10a…NOx濃度測定装置 12a〜12e…固体電解質
18…第1室 20…第2室
30…内側ポンプ電極 60、92…検出電極
64…測定用ポンプセル 70…補助ポンプ電極
90…測定用酸素分圧検出セル

Claims (4)

  1. NOxに対する分解/還元能力があるか、あるいは高い電極であって、NOxを分解し、その際に酸素を発生させるNOx分解電極において、
    Pt−Rhの合金とセラミック成分からなるサーメット電極であって、かつ、PtとRhの比率が、重量比で
    Pt:Rh=20:80〜5:95
    であることを特徴とするNOx分解電極。
  2. 請求項1記載のNOx分解電極において、
    PtとRhの比率が、重量比で
    Pt:Rh=10:90〜5:95
    であることを特徴とするNOx分解電極。
  3. NOxに対する分解/還元能力がないか、あるいは低い電極を有する酸素ポンプを用いて、被測定ガス中の酸素濃度を実質的にNOが分解し得ない所定の値に制御し、
    NOxに対する分解/還元能力があるか、あるいは高いNOx分解電極を用いてNOxを分解し、その際に発生する酸素の量を測定することによって、NOx濃度を測定するNOx濃度測定装置において、
    前記NOx分解電極は、Pt−Rhの合金とセラミック成分からなるサーメット電極であって、かつ、PtとRhの比率が、重量比で
    Pt:Rh=20:80〜5:95
    であることを特徴とするNOx濃度測定装置。
  4. 請求項3記載のNOx濃度測定装置において、
    PtとRhの比率が、重量比で
    Pt:Rh=10:90〜5:95
    であることを特徴とするNOx濃度測定装置。
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