JP4205402B2 - プロピレン系共重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロピレン系共重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは、特定の遷移金属錯体を含む触媒の存在下にプロピレン等を共重合してプロピレン系共重合体を製造するプロピレン系共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
プロピレン系共重合体は、熱可塑性樹脂として、または熱可塑性樹脂の改質剤として様々な用途で使用されている。プロピレン系共重合体を製造する際に使用される重合触媒としてはチタン系触媒、メタロセン系触媒が知られている。しかしながらチタン系触媒を使用してプロピレンを共重合する場合は、製造できるプロピレンの組成が限られていたり、分子量分布が広いため、相溶性が均一でなかったりという問題点があった。一方、メタロセン系触媒を使用してプロピレンを共重合する場合は、α−オレフィンとの共重合性に優れ、幅広い組成で重合可能であるが、高温で重合した際に分子量が伸びなかったり、重合活性が低いため、低コスト化が実現できなかったりという問題があった。
【0003】
ところで、J.A.Ewenらによりシクロペンタジエンとフルオレンをイソプロピリデンで架橋したイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレン)を配位子とする遷移金属触媒とアルミノキサンからなる触媒の存在下にシンジオタックティックペンタッド分率が0.7を超えるようなタクティシティの高いポリプロピレンが得られることが発見されている(非特許文献1)。
【0004】
また、上記シンジオタクティックポリプロピレン活性を示す遷移金属触媒と類似の触媒を用いて分子量の高いプロピレンとエチレンとの共重合体が得られることが報告されている(特許文献1)。しかしながらこれらの遷移金属触媒は、高温での重合性能が低く、特に分子量において、さらに改善される余地があった。
本発明者らは、このような状況に鑑み鋭意研究した結果、特定の遷移金属触媒を使用することにより、重合活性に優れ、高温での重合製造が可能であり、しかも分子量が高いプロピレン系共重合体が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−274703号公報
【非特許文献1】
J.Am.Chem.Soc.,1988,110,6255-6256
【0006】
【発明の目的】
本発明は、重合活性に優れ、高温での重合製造が可能であり、しかも得られたプロピレン系共重合体は分子量が高いプロピレン系共重合体の製造法を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】
本発明に係るプロピレン系共重合体の製造方法は、
(i)下記一般式(1)で表される遷移金属錯体(a)と、
(ii)
(b)遷移金属錯体(a)と反応し、イオン性の錯体を形成する化合物
(c)有機アルミニウム化合物、および
(d)有機アルミニウムオキシ化合物
から選択される1種以上の化合物と
からなる触媒系の存在下にプロピレンと、プロピレン以外のα−オレフィンおよびポリエンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを共重合することを特徴としている;
【0008】
【化3】
Figure 0004205402
【0009】
(式(1)中、R1 4、R5およびR8は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基(t−ブチル基を除く)を示し、R 2 とR 3 、R 6 とR 7 はそれぞれ互いに結合してシクロヘキサン環を形成しており、この環は炭素原子数1〜20のアルキル基(t−ブチル基を除く)から選ばれる置換基を有していてもよく、
Yは、
【0010】
【化4】
Figure 0004205402
【0011】
(但し、R9、R10 、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数6〜20のアリール基または炭素原子数7〜20のアルキルアリール基を示し、nはを示す。)を示し、
MはTi、ZrまたはHf示し、
Xはハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアルキルアリール基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子を示し、Xは互いに同一でも異なっていてもよく、
jはを示す。)。
【0014】
また、本発明の好ましい対応においては、プロピレン単位を95〜60モル%、α−オレフィン単位およびポリエン単位を5〜40モル%の割合で含むプロピレン系共重合体を製造することが好ましい。
【0015】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係わるプロピレン系共重合体の製造方法について具体的に説明する。
本発明に係るプロピレン系共重合体の製造方法では、
(i)下記一般式(1)または(2)で表される遷移金属錯体(a)と、
(ii)
(b)遷移金属錯体(a)と反応し、イオン性の錯体を形成する化合物
(c)有機アルミニウム化合物、および
(d)有機アルミニウムオキシ化合物
から選択される1種以上の化合物と
からなる触媒系の存在下にプロピレンを共重合している。
【0016】
まず、本発明で用いられる触媒を構成する各成分について具体的に説明する。
((a)遷移金属錯体)
本発明で用いられる遷移金属錯体(a)は、下記一般式(1)または(2)で表される化合物である。
【0017】
【化7】
Figure 0004205402
【0018】
式(1)、(2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基(t−ブチル基を除く)またはケイ素含有基を示す(但しR1からR8までの全てが水素原子であることはない。)。
炭化水素基としては、好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基(t−ブチル基を除く)、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基および炭素原子数7〜20のアルキルアリール基が挙げられ、これらの炭素に直結した水素原子の一部がハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基、ケイ素含有基で置換されたものや、隣接する任意の二つの水素原子が同時に置換されて脂環族あるいは芳香族環を形成しているものも含む。
【0019】
ケイ素含有基とは、ケイ素原子がフルオレニル基の環炭素と直接共有結合している基のことを示し、具体的にはアルキルシリル基やアリールシリル基である。
炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキシル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、メンチル、ノルボルニル、ベンジル、2−フェニルエチル、1−テトラヒドロナフチル、1−メチル−1−テトラヒドロナフチル、フェニル、ナフチル、トリル等が挙げられる。
【0020】
ケイ素含有基としては、好ましくはケイ素数1〜4、炭素原子数3〜20のアルキルまたはアリールシリル基が挙げられ、その具体例としては、トリメチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。
1からR8までの隣接した置換基は、互いに結合して環を形成してもよく、R1からR8までの隣接した置換基が互いに結合して環を形成した置換フルオレニル基としては、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、オクタヒドロジベンゾフルオレニル、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル等が挙げられ、オクタヒドロジベンゾフルオレニルであることが好ましい。
【0021】
本発明では、R1からR8までの隣接した置換基が互いに結合して環を形成していることが特に好ましい。また、R1からR4までの隣接した置換基と、R5からR8までの隣接した置換基がそれぞれ環を形成することも好ましい。さらに、R1からR8までの隣接した置換基が互いに結合して形成した環は、上述した炭化水素基等の置換基を有していてもよい。
【0022】
Yは酸素原子、硫黄原子
【0023】
【化8】
Figure 0004205402
【0024】
を示す。
ここで、R9、R10、R11、R12は互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基を示す。炭化水素基としては、上記と同様のものが挙げられ、ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素である。
Qはケイ素原子、ゲルマニウム原子または錫原子を示す。
【0025】
Gはホウ素、リンまたは窒素原子を示す。
nは1〜4の整数、好ましくは1〜2を示す。
Yとしては、
【0026】
【化9】
Figure 0004205402
【0027】
であり、nが1または2であることが好ましい。
Yの好ましい具体例として、例えば、メチレン、エチレン、ジメチルメチレン、ジイソプロピルメチレン、メチルtert-ブチルメチレン、ジシクロヘキシルメチレン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレン、ジ(p−メチルフェニル)メチレン、メチルナフチルメチレン、ジナフチルメチレン、テトラメチルエチレンなどの2価の炭化水素基;ジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン、メチルtert-ブチルシリレン、ジシクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、メチルナフチルシリレン、ジナフチルシリレン、テトラメチルジシリレンなどの炭化水素基置換シリレン基等が挙げられる。特にエチレン、ジフェニルメチレン、ジ(アルキルフェニル)メチレンが好ましい。
【0028】
Aはその一部不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基を示し、AはZと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよい。
Zは炭素原子またはケイ素原子である。
AとZとは結合し、シクロアルキリデン基、シクロメチレンシリレン基等を形成する。AとZとが結合して形成する2価の結合基としては、例えばシクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ビシクロ[3.3.1]ノニリデン、ノルボルニリデン、アダマンチリデン、テトラヒドロナフチリデン、ジヒドロインダニリデン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチレンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロペンタメチレンシリレン、シクロヘキサメチレンシリレン、シクロヘプタメチレンシリレン等が挙げられる。
【0029】
MはTi、Zr、Hf、Rn、Nd、SmまたはRuを示、Ti、ZrまたはHfであることが好ましい。
Xは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子から選ばれる。
炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。
【0030】
アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert-ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基;アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基;メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。
孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、またはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。
【0031】
これらのうち、Xは同一でも異なった組み合わせでもよいが、少なくとも一つはハロゲンまたはアルキル基であることが好ましい。
jは1〜4の整数であり、遷移金属Mの価数を満たす数である。
MXjの具体的な例示としては、ZrCl2、ZrBr2、ZrMe2、Zr(OTs)2、Zr(OMs)2、Zr(OTf)2、TiCl2、TiBr2、TiMe2、Ti(OTs)2、Ti(OMs)2、Ti(OTf)2、HfCl2、HfBr2、HfMe2、Hf(OTs)2、Hf(OMs)2、Hf(OTf)2などを挙げることができる。ここでTsはp-トルエンスルホニル基、Msはメタンスルホニル基、Tfはトリフルオロメタンスルホニル基を示す。
【0032】
次に、本発明で用いられる一般式(1)または(2)で表される遷移金属錯体の製造法を、以下に具体的に例を挙げて説明する。一般式(1)または(2)で表される遷移金属錯体は、例えば次のステップによって製造することができる。
一般式(1)で表される遷移金属錯体の前駆体化合物(3)は、下記式[A]または[B]に示すような方法で製造することができる。
【0033】
【化10】
Figure 0004205402
【0034】
【化11】
Figure 0004205402
【0035】
(式中、R1〜R10一般式(1)と同一であり、Tは炭素、ケイ素などの周期表第14属の原子であり、Lはアルカリ金属である。Z1、Z2はハロゲンまたはアニオン配位子であり、これらは同一でも、または異なる組合せでもよい。また、(3)、(7)はシクロペンタジエニル環における2重結合の位置のみが異なる異性体の存在を考えることができ、それらのうちの一種のみ例示してあるが、シクロペンタジエニル環における2重結合の位置のみが異なる他の異性体であってもよく、またはそれらの混合物であってもよい。)
また、一般式(2)で表される遷移金属錯体の前駆体化合物(13)は、下記式[C]または[D]に示すような方法で製造することができる。
【0036】
【化12】
Figure 0004205402
【0037】
【化13】
Figure 0004205402
【0038】
(式中、R1〜R8、Y、Aは一般式(2)と同一であり、Lはアルカリ金属である。Z1、Z2はハロゲンまたはアニオン配位子であり、これらは同一でも、または異なる組合せでもよい。また、(13)、(16)は、シクロペンタジエニル環における2重結合の位置のみが異なる異性体の存在を考えることができ、それらのうちの一種のみ例示してあるが、シクロペンタジエニル環における2重結合の位置のみが異なる他の異性体であってもよく、またはそれらの混合物であってもよい。)
上記[A]〜[D]の反応に用いられるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウムまたはカリウムが挙げられ、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウムが挙げられる。また、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert-ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基;アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基;メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。
【0039】
次に、一般式(3)または(13)の前駆体化合物から遷移金属錯体を製造する例を以下に示すが、これは発明の範囲を制限するものではない。
上記[A]〜[D]の反応で得られた一般式(3)または(13)の前駆体化合物は、有機溶媒中でアルカリ金属、水素化アルカリ金属または有機アルカリ金属と、反応温度が−80℃〜200℃の範囲で接触させることで、ジアルカリ金属塩とする。
【0040】
上記反応で用いられる有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;THF(テトラヒドロフラン)、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
【0041】
また上記反応で用いられるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、水素化アルカリ金属としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム等が挙げられ、有機アルカリ金属としては、メチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム等が挙げられる。
次に上記の該ジアルカリ金属塩を、一般式(21)
MZk (21)
(式中、Mは周期表第4族から選ばれた金属であり、Zはハロゲン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選んでもよく、kは3〜6の整数である。)
で表される化合物と、有機溶媒中で反応させることで、一般式(1)または(2)で表される遷移金属錯体を合成することができる。
【0042】
一般式(21)で表される化合物の好ましい具体的として、三価または四価のチタニウムフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物、四価のジルコニウムフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物、四価のハフニウムフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物、ならびにこれらのTHF、ジエチルエーテル、ジオキサンまたは1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類との錯体を挙げることができる。
【0043】
また、用いられる有機溶媒としては前記と同様のものを挙げることができる。該ジアルカリ金属塩と一般式(21)で表される化合物との反応は、好ましくは等モル反応で行い、前記の有機溶媒中で、反応温度が−80℃〜200℃の範囲で行うことができる。
反応で得られたメタロセン化合物は、抽出、再結晶、昇華等の方法により、単離・精製を行うことができる。
【0044】
このような方法で得られる遷移金属錯体は、プロトン核磁気共鳴スペクトル、13C核磁気共鳴スペクトル、質量分析および元素分析などの分析手法を用いることによって同定される。
以下に本発明で用いられる遷移金属錯体の具体例を示すが、特にこれによって本発明の範囲が限定されるものではない。まず遷移金属錯体のMQj(金属部分)を除いたリガンド構造を、表記上、Bridge(架橋部分)、Flu(フルオレニル環部分)の2つに分け、それぞれの部分構造の具体例を以下に示す。なお、BridgeおよびFluの具体例において、黒丸(●)で示した点は、それぞれBridgeとCpおよびFluとの結合点を示す。
【0045】
【化14】
Figure 0004205402
【0046】
【化15】
Figure 0004205402
【0047】
【表1】
Figure 0004205402
【0048】
上記の表に従えば、No.15のリガンド構造は架橋部分(a2)とフルオレニル環部分(b6)との組み合わせを意味し、金属部分のMXjがZrCl2の場合は、下記の遷移金属錯体を例示したことになる。
【0049】
【化16】
Figure 0004205402
【0050】
上記のような遷移金属錯体(a)は、単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
また上記のような遷移金属錯体(a)は、粒子状担体に担持させて用いることもできる。
本発明で必要に応じて用いられる担体は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
【0051】
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
次に、本発明で用いられる触媒系を形成する
(b)遷移金属触媒成分(a)と反応し、イオン性の錯体を形成する化合物(以下「イオン化イオン性化合物」ともいう。)
(c)有機アルミニウム化合物、および
(d)有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノオキサン、アルモキサンともいわれる。)について説明する。
【0052】
((b)イオン化イオン性化合物)
(b)イオン化イオン性化合物としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号明細書などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
【0053】
具体的には、ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で示される化合物が挙げられ、例えばトリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0054】
イオン化イオン性化合物としては、例えば下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
【0055】
【化17】
Figure 0004205402
【0056】
式中、Reとしては、H+、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。
f〜Riは、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。
【0057】
前記カルベニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオンなどの三置換カルベニウムカチオンなどが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリ(n−プロピル)アンモニウムカチオン、トリイソプロピルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン、トリイソブチルアンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン、ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
【0058】
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
上記のうち、Reとしては、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニルカルベニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
【0059】
カルベニウム塩として具体的には、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(4−メチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることができる。
【0060】
アンモニウム塩としては、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩などを挙げることができる。
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、例えばトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレートなどが挙げられる。
【0061】
N,N-ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、例えばN,N-ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
【0062】
ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、例えばジ(1-プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートなどが挙げられる。
さらに、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N-ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、あるいは下記式(4)または(5)で表されるボレート化合物、(6)で表される活性水素を含むボレート化合、(7)で表されるシリル基を含むボレート化合物などを挙げることもできる。
【0063】
【化18】
Figure 0004205402
【0064】
(式中、Etはエチル基を示す。)
【0065】
【化19】
Figure 0004205402
【0066】
ボラン化合物として具体的には、例えば
デカボラン(14)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0067】
カルボラン化合物として具体的には、例えば4−カルバノナボラン(14)、1,3−ジカルバノナボラン(13)、6,9−ジカルバデカボラン(14)、ドデカハイドライド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド−1−メチル−1,3−ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド−1,3−ジメチル−1,3−ジカルバノナボラン、7,8−ジカルバウンデカボラン(13)、2,7−ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド−11−メチル−2,7−ジカルバウンデカボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート(14)、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム7−カルバウンデカボレート(13)、トリ(n−ブチル)アンモニウム7,8−ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム2,9−ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−ブチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−7−カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0068】
活性水素を含むボレート化合物としては、下記一般式(6)で表される化合物が挙げられる。
[B−Qn(Gq(T−H)rz]−A+ …(6)
ここで、Bはホウ素を表す。
Gは多結合性ヒドロカーボンラジカルを表し、好ましい多結合性ヒドロカーボンとしては炭素原子数1〜20を含むアルキレン、アリレン、エチレン、アルカリレンラジカルであり、Gの好ましい例としては、フェニレン、ビスフェニレン、ナフタレン、メチレン、エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブタジエン、pフェニレンメチレンが挙げられる。多結合性ヒドロカーボンラジカルGはr+1の結合、すなわち一つの結合はボレートアニオンと結合し、Gのその他の結合rは(T−H)基と結合する。A+はカチオンである。
【0069】
上記一般式中のTはO、S、NRj、またはPRjを表し、Rjはヒドロカルバニルラジカル、トリヒドロカルバニルシリルラジカル、トリヒドロカルバニルゲルマニウムラジカル、またはハイドライドを表す。
qは1以上の整数で好ましくは1である。T−Hグループとしては、−OH、−SH、−NRH、または−PRjHが挙げられ、ここでRjは炭素原子数1〜18好ましくは炭素原子数1〜10のヒドロカルビニルラジカルまたは水素である。好ましいRjグループはアルキル、シクロアルキル、アリル、アリルアルキルまたは炭素原子数1〜18を有するアルキルアリルである。−OH、−SH、−NRjHまたは−PRjHは、例えば、−C(O)−OH、−C(S)−SH−C(O)−NRjH、及びC(O)−PRjHでもかまわない。最も好ましい活性水素を有する基は−OH基である。
【0070】
Qは、ハイドライド、ジヒドロカルビルアミド、好ましくはジアルキルアミド、ハライド、ヒドロカルビルオキシド、アルコキシド、アリルオキシド、ハイドロカルビル、置換ハイドロカルビルラジカルなどである。ここでn+zは4である。
上記一般式(7)で表される活性水素を含むボレート化合物としては、例えば、トリフェニル(ヒドロキシフェニル)ボレート、ジフェニル−ジ(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリフェニル(2,4−ジヒドロキシフェニル)ボレート、トリ(p−トリル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス−(ペンタフルオロフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス−(2,4−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス−(3,5−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス−(3,5−ジ−トリフルオロメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス−(ペンタフルオロフェニル)(2−ヒドロキシエチル)ボレート、トリス−(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシブチル)ボレート、トリス−(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)ボレート、トリス−(ペンタフルオロフェニル)(4−(4−ヒドロキシフェニル)フェニル)ボレート、トリス−(ペンタフルオロフェニル)(6−ヒドロキシ−2ナフチル)ボレートなどが挙げられ、最も好ましくはトリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドキシフェニル)ボレートである。さらに上記ボレート化合物の−OH基を−NHRj(ここで、Rはメチル、エチル、t−ブチル)で置換したものも好ましい。
【0071】
ボレート化合物の対カチオンであるA+としては、カルボニウムカチオン、トロピルリウムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。またそれ自信が還元されやすい金属の陽イオンや有機金属の陽イオンも挙げられる。これらカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムイオン、ジフェニルカルボニウムイオン、シクロヘプタトリニウム、インデニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリオクチルアンモニウム、N,N−ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、2,4,6−ペンタメチルアンモニウム、N,N−ジメチルフェニルアンモニウム、ジ−(i−プロピル)アンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリフェニルホスホニウム、トリホスホニウム、トリジメチルフェニルホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルホスホニウムイオン、トリフェニルオキソニウムイオン、トリエチルオキソニウムイオン、ピリニウム、銀イオン、金イオン、白金イオン、銅イオン、パラジュウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイオンなどが挙げられる。なかでも特にアンモニウムイオンが好ましい。
【0072】
シリル基を含むボレート化合物としては、下記一般式(7)で表される化合物が挙げられる。
[B−Qn(Gq(SiRklmrz]−A+ …(7)
ここで、Bはホウ素を表す。
Gは多結合性ヒドロカーボンラジカルを表し、好ましい多結合性ヒドロカーボンとしては炭素数1〜20を含むアルキレン、アリレン、エチレン、アルカリレンラジカルであり、Gの好ましい例としては、フェニレン、ビスフェニレン、ナフタレン、メチレン、エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブタジエン、p−フェニレンメチレンがあげられる。多結合性ヒドロカーボンラジカルGはr+1の結合、すなわち一つの結合はボレートアニオンと結合し、Gのその他の結合rは(SiRklm)基と結合する。A+はカチオンである。
【0073】
上記一般式中のRk、Rl、Rmはヒドロカルバニルラジカル、トリヒドロカルバニルシリルラジカル、トリヒドロカルバニルゲルマニウムラジカル、水素ラジカル、アルコキシラジカル、ヒドロキシラジカルまたはハロゲン化合物ラジカル、を表す。Rk、Rl、Rmは同一でも独立でも良い。
Qは、ハイドライド、ジヒドロカルビルアミド、好ましくはジアルキルアミド、ハライド、ヒドロカルビルオキシド、アルコキシド、アリルオキシド、ハイドロカルビル、置換ハイドロカルビルラジカルなどであり、さらに好ましくはペンタフルオロベンジルラジカルである。ここでn+zは4である。
【0074】
上記一般式(7)で表されるシリル基を含むボレート化合物としては、例えば、トリフェニル(4−ジメチルクロロシリルフェニル)ボレート、ジフェニル−ジ(4−ジメチルクロロシリルフェニル)ボレート、トリフェニル(4−ジメチルメトキシシリルフェニル)ボレート、トリ(p−トリル)(4−トリエトキシシリルフェニル)ボレート、トリス−(ペンタフルオロフェニル)(4−ジメチルクロロシリルフェニル)ボレート、トリス−(ペンタフルオロフェニル)(4−ジメチルメトキシシリルフェニル)ボレート、トリス−(ペンタフルオロフェニル)(4−トリメトキシシリルフェニル)ボレート、トリス−(ペンタフルオロフェニル)(6−ジメチルクロロシリル−2ナフチル)ボレートなどが挙げられる。
【0075】
ボレート化合物の対カチオンであるA+は、上記一般式(6)中のA+と同じものが挙げられる。
ヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタン、ゲルマニウム、ヒ素および錫から選ばれる原子と、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種または2種以上の原子からなっている。具体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンタングストバナジンン酸、ゲルマノタングストバナジンン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドニオブ酸、およびこれらの酸の塩、例えば周期表第1族または2族の金属、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、トリフェニルエチル塩等との有機塩が使用できる。
【0076】
上記のような(b)イオン化イオン性化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
また、上記のような(b)イオン化イオン性化合物は、上述した粒子状担体に担持させて用いることもできる。
((c)有機アルミニウム化合物)
有機アルミニウム化合物(c)としては、具体的には下記のような周期表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が挙げられる。
【0077】
(c-1a) 一般式 Ra m Al(ORbnpq …(8)
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
【0078】
(c-1b) 一般式 M2 AlRa 4 …(9)
(式中、M2 はLi、NaまたはKを示し、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
で表される1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
前記(c-1a)に属する有機アルミニウム化合物としては、次のような化合物などを例示できる。
【0079】
一般式 Ra m Al(ORb3-m …(10)
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは1.5≦m≦3の数である。)
で表される有機アルミニウム化合物、
一般式 Ra m AlX3-m …(11)
(式中、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは好ましくは0<m<3である。)
で表される有機アルミニウム化合物、
一般式 Ra m AlH3-m …(12)
(式中、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3である。)
で表される有機アルミニウム化合物、
一般式 Ra m Al(ORbnq …(13)
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+q=3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
【0080】
(c-1a)に属するアルミニウム化合物としてより具体的には
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリn−アルキルアルミニウム;
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリ tert−ブチルアルミニウム、トリ2−メチルブチルアルミニウム、トリ3−メチルブチルアルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、トリ3−メチルペンチルアルミニウム、トリ4−メチルペンチルアルミニウム、トリ2−メチルヘキシルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;
トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;
ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;
(i−C49x Aly(C510z …(14)
(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)
などで表されるイソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;
イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
a 2.5 Al(ORb)0.5 などで表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)などのアルキルアルミニウムアリーロキシド;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;
エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
【0081】
また(c-1a)に類似する化合物も使用することができ、例えば窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。このような化合物として具体的には、
(C252 AlN(C25)Al(C252
などを挙げることができる。
【0082】
前記(c-1b)に属する化合物としては、
LiAl(C254
LiAl(C7154 などを挙げることができる。
有機アルミニウム化合物としては、好ましくは分子内に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物がよい。
【0083】
上記のような(c)有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
なお、上記(c)有機アルミニウム化合物には、下記(d)有機アルミニウムオキシ化合物は含まれない。
((d)有機アルミニウムオキシ化合物)
(d)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0084】
従来公知のアルミノキサン(アルモキサン)は、具体的には、下記一般式で表される。
【0085】
【化20】
Figure 0004205402
【0086】
【化21】
Figure 0004205402
【0087】
式中、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましくはメチル基である。mは2以上の整数であり、好ましくは5〜40の整数である。
ここで、アルミノキサンは式(OAl(Ra))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位および式(OAl(Rb))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位(ここで、RaおよびRbはRと同様の炭化水素基であり、RaおよびRbは相異なる基を示す。)からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位から形成されていてもよい。
【0088】
従来公知のアルミノキサンは、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0089】
なお該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(c-1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
【0090】
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
なお、トリメチルアルミニウムから調製されるアルミノキサンは、メチルアルミノキサンあるいはMAOと呼ばれ、特によく用いられる化合物である。
【0091】
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらにエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
【0092】
また上記ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であり、ベンゼンに対して不溶性または難溶性である。
有機アルミニウムオキシ化合物(d)としては、下記一般式(17)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
【0093】
【化22】
Figure 0004205402
【0094】
(式中、Rcは炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。Rdは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。)
前記一般式(17)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(18)で表されるアルキルボロン酸と有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
【0095】
cB(OH)2 …(18)
(式中、Rcは前記と同じ基を示す。)
前記一般式(18)で表されるアルキルボロン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0096】
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、上述した(c)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0097】
上記のような(d)有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
なお(d)有機アルミニウムオキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。
また、上記のような(d)有機アルミニウムオキシ化合物は、上述した粒子状担体に担持させて用いることもできる。
【0098】
本発明において遷移金属錯体(a)と共に用いられる、成分(b)、(c)、(d)のうちから選択される1種以上の化合物(ii)は上記のように特に限定はないが、2成分以上を併用するのが好ましい。具体的には成分(b)と成分(c)、成分(b)と成分(d)、成分(b)と成分(c)および(d)を併用するのが好ましい。
【0099】
図1に、本発明で用いられる触媒系の調製方法の一例を示す説明図を示す。
本発明においては、上記のような遷移金属錯体(a)を含む触媒系が用いられるが、場合によっては上記触媒以外の、従来公知の(1)固体状チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物とからなるチタン系触媒、(2)可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒を併用することもできる。
【0100】
(共重合体の製造)
本発明では、上記触媒系の存在下に、プロピレンと、プロピレン以外のα−オレフィンおよびポリエンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを通常液相で共重合させる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、α−オレフィンを溶媒として用いてもよい。共重合はバッチ法または連続法のいずれの方法でも行うことができる。
【0101】
上記触媒系を用い、共重合をバッチ法で実施する場合には、重合系内の遷移金属錯体(a)の濃度は、重合容積1リットル当たり、通常0.00005〜1ミリモル、好ましくは0.0001〜0.5ミリモルの量で用いられる。
イオン化イオン性化合物(b)は、遷移金属錯体(a)に対するイオン化イオン性化合物(b)のモル比((b)/(a))で、0.5〜20、好ましくは1〜10となるような量で用いられる。
【0102】
有機アルミニウムオキシ化合物(d)は、遷移金属錯体(a)中の遷移金属原子(M)に対するアルミニウム原子(Al)のモル比(Al/M)で、1〜10000、好ましくは10〜5000となるような量で用いられる。
また有機アルミニウム化合物(c)が用いられる場合には、重合容積1リットル当たり、通常約0〜5ミリモル、好ましくは約0〜2ミリモルとなるような量で用いられる。
【0103】
共重合反応は、通常、温度が40〜200℃、好ましくは40℃〜180℃、さらに好ましくは50℃〜150℃の範囲で、圧力が0を超えて〜10Mpa、好ましくは0を超えて〜7Mpaの範囲の条件下に行われる。
また反応時間(共重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常5分間〜3時間、好ましくは10分間〜1.5時間である。
【0104】
上記プロピレンと、プロピレン以外のα−オレフィンおよびポリエンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンは、所望のプロピレン系共重合体が得られるような量でそれぞれ重合系に供給される。なお共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
本発明で用いられるプロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンなどが挙げられ、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。
【0105】
本発明で用いられるポリエンとしてはジエンまたはトリエンが挙げられる。
ジエンとしては、具体的には、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン等の非共役ジエン;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンが挙げられる。
【0106】
トリエンとしては、具体的には、6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、6,9−ジメチル−1,5,8−デカトリエン、6,8,9−トリメチル−1,5,8−デカトリエン、6−エチル−10−メチル−1,5,9−ウンデカトリエン、4−エチリデン−1,6,−オクタジエン、7−メチル−4−エチリデン−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、7−メチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエン、7−エチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエン、6,7−ジメチル−4−エチリデン−1,6−オクタジエン、6,7−ジメチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエン、4−エチリデン−1,6−デカジエン、7−メチル−4−エチリデン−1,6−デカジエン、7−メチル−6−プロピル−4−エチリデン−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−1,7−ノナジエン、8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエン、4−エチリデン−1,7−ウンデカンジエン等の非共役トリエン;
1,3,5−ヘキサトリエン等の共役トリエンが挙げられる。中でも、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン(EMND)が好ましい。
【0107】
上記のようなジエン、トリエンは、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。また、トリエンとジエンとを組み合わせて用いることもできる。これらポリエンの中では、特にノルボルネン骨格を有するものが好ましい。
上記のようにしてプロピレンと、プロピレン以外のα−オレフィンおよびポリエンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを共重合させると、プロピレン系共重合体は通常これを含む重合液として得られる。この重合液は常法により処理され、プロピレン系共重合体が得られる。
【0108】
プロピレン系共重合体
上記触媒系を用いて、プロピレンと、プロピレン以外のα−オレフィンおよびポリエンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを、上述したような条件で共重合すると、例えば下記のようなプロピレン系共重合体が得られる。
本発明の製造方法から得られるプロピレン系共重合体は、プロピレンから導かれる構成単位を、95モル%〜40モル%、好ましくは90〜65モル%、さらに好ましくは90〜70モル%の範囲内で含むことが望ましい。
【0109】
また、プロピレン以外のα−オレフィンが、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンから選ばれることが好ましく、これらから導かれる構成単位を5〜40モル%、好ましくは10〜35モル%、さらに好ましくは10〜30モル%範囲内で含むことが望ましい。
さらに、本発明の製造方法から得られるプロピレン系共重合体は、ポリエンがジエンまたはトリエンから選ばれることが好ましく、特にノルボルネン骨格を有するものが好ましい。これから導かれる構成単位を0〜20モル%の範囲内で含むことが望ましい。
【0110】
上記のようなポリエンを用いたプロピレン系共重合体のヨウ素価は、通常1〜80、好ましくは5〜60である。
本発明の製造方法から得られるプロピレン系共重合体は、密度が0.855〜0.904g/cm3 、好ましくは0.855〜0.900g/cm3 、さらに好ましくは0.855〜0.890g/cm3 の範囲内にあることが望ましい。
【0111】
本発明の製造方法から得られるプロピレン系共重合体は、融点(Tm)が60℃以下、好ましくは40℃以下、より好ましくは融点を有さないことが望ましい。
本発明の製造方法から得られるプロピレン系共重合体は、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238、190℃、荷重2.16kg)が0.01〜200g/10分、好ましくは0.05〜100g/10分、さらに好ましくは0.05〜80g/10分であることが望ましい。
【0112】
本発明の製造方法から得られるプロピレン系共重合体は、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn、ポリスチレン換算、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)は、4以下、好ましくは3.0以下であることが望ましい。
本発明に係るプロピレン系共重合体の製造方法により得られた上記のような特性を有するプロピレン系共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物は、透明性、柔軟性、ヒートシール、耐衝撃性とのバランスに優れている。
【0113】
【発明の効果】
本発明に係るプロピレン系共重合体の製造方法は、重合活性に優れ、高温での重合製造が可能であり、しかも分子量が高いプロピレン系共重合体が得られる。
【0114】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下、本発明について実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により何等限定されるものではない。
【0115】
以下、物性試験条件等を記す。
1.融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg):DSCの吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度をTmとする。
測定は、試料をアルミパンに詰め、100℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持したのち、10℃/分で−150℃まで降温し、ついで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
【0116】
なおDSC測定時の吸熱ピークから、単位重さ当たりの融解熱量を求め、これをポリエチレンの結晶の融解熱量70cal/gで除して求めることにより、結晶化度(%)を求めることができる。
2.極限粘度[η]
135℃、デカリン中で測定した。
3.分子量分布(Mw/Mn)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒で、140℃で測定した。
4.共重合体の組成
共重合体の組成は、10mmφの試料管中、約200mgのポリマーを1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料を、測定温度120℃、測定周波数25.02MHz、スペクトル幅1500Hz、パルス繰返し時間4.2sec.、パルス幅6μsec.の条件下で13C−NMRスペクトル測定することにより求められる。
【0117】
【合成例1】
(ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成)
(i)シクロペンタジエニル(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジフェニルメタンの合成
磁気攪拌子、三方コックおよび50ml滴下漏斗を備えた200ml二口フラスコを充分に窒素置換した後、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレン4.00g(10.4mmol)を入れ、テトラヒドロフラン50mlを加えた。氷水浴で冷やしながら、1.63mol/lのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液6.6ml(11mmol)を徐々に加えた後、窒素雰囲気下室温で1日間攪拌して赤橙色溶液を得た。メタノール/ドライアイス浴で冷やしながら、予めテトラヒドロフラン30mlに溶解させた6,6−ジフェニルフルベン3.11g(13.5mmol)を滴下漏斗を用いて30分間かけて徐々に加えた。その後室温まで徐々に昇温し、窒素雰囲気下室温で23時間撹拌して暗赤色溶液を得た。1Nの塩酸20mlを徐々に加え、10分間撹拌し、続いてジエチルエーテル100mlを加えた。得られた二層の溶液を300ml分液漏斗に移して数回振った後、無色透明の水層を除いた。続いて、得られた有機層を水30mlで2回、飽和食塩水30mlで2回洗い、無水硫酸マグネシウムで1時間乾燥した。固体を濾別し、ロータリーエバポータで溶媒を留去して得た固体をメタノールで洗浄し、黄白色固体4.64gを得た。その後シリカゲルクロマトグラフ(シリカゲル:200g、溶媒:ヘキサン/ジクロロメタン混合溶液(ヘキサン:ジクロロメタン=9:1))による分離を行い、薄黄色固体としてシクロペンタジエニル(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジフェニルメタンを得た。収量は3.38g(5.48mmol)、収率は52.9%であった。シクロペンタジエニル(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジフェニルメタンの同定は、1H−NMRスペクトルおよびFD−MSスペクトルで行った。以下にその測定結果を示す。
【0118】
1H-NMRスペクトル(270MHz,CDCl3):δ/ppm 1.0-1.3(m,Me(OMOHDBFlu),24H),1.5-1.7(br,CH2(OMOHDBFlu),8H),2.8-3.1(br,CH2(Cp),1H),5.3-5.5(m,CH(9-OMOHDBFlu),1H),6.0-6.6(br,Cp,4H),6.9−7.5(br,Ar(OMOHDBFlu)&Ph.12H)、7.29(s,Ar(OMOHOBFlu),2H)
FD−MSスペクトル:M/z 616(M+
(ii)ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成
磁気攪拌子を備えた100mlギルダールフラスコを充分に窒素置換した後、シクロペンタジエニル(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジフェニルメタン1.51g(2.44mmol)を入れ、ジエチルエーテル35mlを加えて薄黄色の溶液とした。氷水浴で冷やしながら、1.64mol/lのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液3.1ml(5.1mmol)を徐々に加えた後、窒素雰囲気下室温で25時間攪拌して赤色の固体と赤橙色の溶液からなるスラリーを得た。メタノール/ドライアイス浴で冷やしながら四塩化ジルコニウム・テトラヒドロフラン錯体(1:2)0.884g(2.34mmol)を加えた後、室温まで徐々に昇温し、窒素雰囲気下室温で3日間攪拌して赤桃色の固体と赤色の溶液からなるスラリーを得た。減圧下で溶媒を留去して得られた赤色の固体をヘキサンで抽出して薄赤色の溶液を得た。この溶液の溶媒を減圧下で留去し、赤桃色固体としてジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを得た。収量は1.14g(1.47mmol)、収率は62.7%であった。ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドの同定は、1H−NMRスペクトルおよびFD−MSスペクトルで行った。以下にその測定結果を示す。
【0119】
1H-NMRスペクトル(270MHz,CDCl3):δ/ppm 0.82(s,Me(OMOHDBFul),6H),0.94(s,Me(OMOHDBFlu),6H),1.40(s,Me(OMOHDBFlu),6H),1.46(s,Me(OMOHDBFlu),6H),1.5-1.7(m,CH2(OMOHDBFlu),8H),5.55(t,J=2.6Hz,Cp,2H),6.8(s,Ar(OMOHDBFlu),2H),6.27(t,J=2.6Hz,Cp,2H),7.2−7.5(m,Ph,6H),7.8-8.0(m,Ph,4H),8.05(s,Ar(Flu),2H)
FD−MSスペクトル:M/z 776(M+
【0120】
【実施例1】
(シンジオタクティックプロピレン−エチレン系共重合体(1−(1))の合成)
減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを616.6ml加え、続いてトリイソブチルアルミニウムの1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が0.3ミリモル/リットルとなるように加え、撹拌下にプロピレンを50.7リットル(25℃、1気圧)装入し、昇温を開始し40℃に到達させた。その後、系内をエチレンで0.78Mpa(ゲージ圧)となるように加圧し、合成例1で合成したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液(0.0003mM/ml)、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート)のトルエン溶液(0.0003mM/ml)をそれぞれ0.0003ミリモル/リットル、0.0012ミリモル/リットルとなるように加え、プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。
【0121】
重合中、エチレンを連続的に供給することにより、内圧を0.78MPa(ゲージ圧)に保持した。重合を開始して12分後、重合反応をメチルアルコールを添加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットルに対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割合で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相に移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相を分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油水分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量のアセトンと強撹拌下に接触させ、重合体を析出させたのち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過により採取した。窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥した。
【0122】
以上のようにして得られたシンジオタクティックプロピレン−エチレン系共重合体の収量は30.7gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は4.77dl/gであり、重合活性は681.6kg/mM−cat・hrであった。またガラス転移温度Tgは−28℃であり、エチレン含量は27.0モル%であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
【0123】
【合成例2】
(ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成)
(i)シクロペンタジエニル(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジ−p−トリルメタンの合成
磁気攪拌子、三方コックおよび50ml滴下漏斗を備えた300ml二口フラスコを充分に窒素置換した後、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレン2.98g(7.71mmol)を入れ、テトラヒドロフラン60mlを加えて無色透明の溶液とした。氷水浴で冷やしながら、1.56mol/lのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液5.2ml(8.1mmol)を徐々に加えた後、窒素雰囲気下室温で7時間撹拌して橙色溶液を得た。メタノール/ドライアイス浴で冷やしながら、予めテトラヒドロフラン30mlに溶解させた6,6−ジ−p−トリルフルベン2.40g(9.27mmol)を滴下漏斗を用いて20分間かけて徐々に加えた。その後室温まで徐々に昇温し、窒素雰囲気下室温で21時間撹拌して暗赤色溶液を得た。飽和塩化アンモニウム水溶液100mlを徐々に加え、続いてジエチルエーテル100mlを加えた。得られた二層の溶液を300ml分液漏斗に移して数回振った後、無色透明の水層を除いた。続いて、得られた有機層を水100mlで2回、飽和食塩水100mlで1回流い、無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した。固体を濾別し、ロータリーエバポレータで溶媒を留去して得た固体をヘキサンで洗浄して、白色固体としてシクロペンタジエニル(オクタメチルオクタヒドロジべンゾフルオレニル)ジ−p−トリルメタンを得た。収量は、3.55g(5.50mmol)、収率は71.3%であった。シクロペンタジエニル(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジ−p−トリルメタンの同定は、1H−NMRスペクトルおよびFD−MSスペクトルで行った。以下にその測定結果を示す。
【0124】
1H-NMRスペクトル(270MHz,CDCl3):δ/ppm 0.8-1.7(m,Me(OMOHDBFlu),24H),2.1-2.4(br,CH2(OMOHDBFlu),8H),2.7-3.1(br,CH2(Cp),1H),5.2-5.4(m,CH(9-OMOHDBFlu),1H),5.8-6.5(br,Cp,4H),6.7-7.5(br,Ar(OMOHDBFlu)&Ar(p-tol),10H),7.29(s,Ar(OMOHDBFlu),2H)
FD-MSスペクトル:M/z 644(M+
(ii)ジ(p-トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジべンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成
磁気攪拌子を備えた100mlギルダールフラスコを充分に窒素置換した後、シクロペンタジエニル(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジ−p−トリルメタン1.01g(1.56mmol)を入れ、ジエチルエーテル30mlを加えて無色透明の溶液とした。氷水浴で冷やしながら、1.56mol/lのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液2.1ml(3.3mmol)を徐々に加えた後、窒素雰囲気下室温で20時間攪拌して赤色の固体と赤色の溶液からなるスラリーを得た。メタノール/ドライアイス浴で冷やしながら四塩化ジルコニウム・テトラヒドロフラン錯体(1:2)0.552g(1.46mmol)を加えた後、室温まで徐々に昇温し、窒素雰囲気下室温で24時間攪拌して赤桃色の固体と赤色の溶液からなるスラリーを得た。減圧下で溶媒を留去して得られた赤色の固体をヘキサンで洗浄し、続いてジクロロメタンで抽出して赤色の溶液を得た。この溶液の溶媒を減圧下で留去し、赤桃色固体としてジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを得た。収量は0.825g(1.02mmol)。収率は70.2%であった。ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドの同定は、1H−NMRスペクトルおよびFD−MSスペクトルで行った。以下にその測定結果を示す。
【0125】
1H-NMRスペクトル(270MHz,CDCl3):δ/ppm 0.82(s,Me(OMOHDBFlu),6H),0.93(s,Me(OMOHDBFlu),6H),1.40(s,Me(OMOHDBFlu),6H),1.46(s,Me(OMOHDBFlu),6H),1.5-1.7(m,CH2(OMOHDBFlu),8H),2.32(s,Me,6H),5.53(t,J=2.6Hz,Cp,2H),6.17(s,Ar(OMOHDBFlu),2H),6.25(t,J=2.6Hz,Cp,2H),7.1-7.3(m,Ar(p-tol),4H),7.6-7.8(m,Ar(p-tol),4H),8.03(s,Ar(Flu),2H)
FD-MSスペクトル:M/z 804(M+
【0126】
【実施例2】
(プロピレン−エチレン系共重合体(1−(2))の合成)
実施例例1において、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを、合成例2で合成したジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドに変え、重合時間を15分間に変えた以外は、合成例1と同様な操作を行った。
【0127】
得られたプロピレン−エチレン系共重合体の収量は29.5gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は4.63dl/gであり、重合活性は523.7kg/mM−cat・hrであった。またガラス転移温度Tgは−30.6℃であり、エチレン含量は31.0モル%であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.2であった。
【0128】
【実施例3】
(プロピレン−エチレン系共重合体(1−(3))の合成)
合成例1において、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドを、合成例2で合成したジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドに変え、系内をエチレンで0.74MPa(ゲージ圧)となるように加圧し、重合時間を20分間に変えた以外は、合成例1と同様な操作を行った。
【0129】
得られたプロピレン−エチレン系共重合体の収量は58.9gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は4.61dl/gであり、重合活性は785.2kg/mM−cat・hrであった。またガラス転移温度Tgは−26.6℃であり、エチレン含量は26.1モル%であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。
【0130】
【実施例4】
(シンジオタクティックプロピレン−エチレン系共重合体(1−(4))の合成)
減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを675.9ml加え、続いてトリイソブチルアルミニウムの1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が0.3ミリモル/リットルとなるように加え、撹拌下にプロピレンを28.2リットル(25℃、1気圧)装入し、昇温を開始し70℃に到達させた。その後、系内をエチレンで0.76MPa(ゲージ圧)となるように加圧し、合成例1で合成したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液(0.0003mM/ml)、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.0003mM/ml)をそれぞれ0.0003ミリモル/リットル、0.0012ミリモル/リットルとなるように加え、プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。
【0131】
重合中、エチレンを連続的に供給することにより、内圧を7.8kg/cm2Gに保持した。重合を開始して20分後、重合反応をメチルアルコールを添加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットルに対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割合で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相に移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相を分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油水分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量のアセトンと強撹拌下に接触させ、重合体を析出させたのち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過により採取した。窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥した。
【0132】
以上のようにして得られたシンジオタクティックプロピレン−エチレン系共重合体の収量は31.6gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.98dl/gであり、重合活性は420.7kg/mM−cat・hrであった。またガラス転移温度Tgは−39.2℃であり、エチレン含量は38.1モル%であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.2であった。
【0133】
【実施例5】
(シンジオタクティックプロピレン−エチレン系共重合体(1−(5))の合成)
減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを700.5ml加え、続いてトリイソブチルアルミニウムの1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が0.3ミリモル/リットルとなるように加え、撹拌下にプロピレンを18.8リットル(25℃、1気圧)装入し、昇温を開始し90℃に到達させた。その後、系内をエチレンで0.65MPa(ゲージ圧)となるように加圧し、合成例1で合成したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液(0.0003mM/ml)、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート)のトルエン溶液(0.0003mM/ml)をそれぞれ0.0003ミリモル/リットル、0.0012ミリモル/リットルとなるように加え、プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。
【0134】
重合中、エチレンを連続的に供給することにより、内圧を0.65MPa(ゲージ圧)に保持した。重合を開始して20分後、重合反応をメチルアルコールを添加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットルに対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割合で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相に移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相を分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油水分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量のアセトンと強撹拌下に接触させ、重合体を析出させたのち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過により採取した。窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥した。
【0135】
以上のようにして得られたシンジオタクティックプロピレン−エチレン系共重合体の収量は5.2gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は1.65dl/gであり、重合活性は69.2kg/mM−cat・hrであった。またガラス転移温度Tgは−29.2℃であり、エチレン含量は29.0モル%であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
【0136】
【比較例1】
(シンジオタクティックプロピレン−エチレン系共重合体(2−(1))の合成)
減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを616.6ml加え、続いてトリイソブチルアルミニウム(以下、TIBAと略す。)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が0.3ミリモル/リットルとなるように加え、撹拌下にプロピレンを50.7リットル(25℃、1気圧)装入し、昇温を開始し40℃に到達させた。その後、系内をエチレンで0.68MPa(ゲージ圧)となるように加圧し、公知の方法で合成したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液(0.0003mM/ml)、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート)のトルエン溶液(0.0003mM/ml)をそれぞれ0.0003ミリモル/リットル、0.0012ミリモル/リットルとなるように加え、プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。
【0137】
重合中、エチレンを連続的に供給することにより、内圧を0.68MPa(ゲージ圧)に保持した。重合を開始して45分後、重合反応をメチルアルコールを添加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットルに対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割合で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相に移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相を分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油水分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量のアセトンと強撹拌下に接触させ、重合体を析出させたのち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過により採取した。窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥した。
【0138】
以上のようにして得られたシンジオタクティックプロピレン−エチレン系共重合体の収量は66.3gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.04dl/gであり、重合活性は392.7kg/mM−cat・hrであった。またガラス転移温度Tgは−26℃であり、エチレン含量は21.0モル%であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
【0139】
【比較例2】
(シンジオタクティックプロピレン−エチレン系共重合体(2−(2))の合成)
減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを616.6ml加え、続いてトリイソブチルアルミニウム(以下、TIBAと略す。)の1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が0.3ミリモル/リットルとなるように加え、撹拌下にプロピレンを50.7リットル(25℃、1気圧)装入し、昇温を開始し40℃に到達させた。その後、系内をエチレンで0.68MPa(ゲージ圧)となるように加圧し、公知の方法で合成したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液(0.0003mM/ml)、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(アルミ濃度として3.00mM/ml)をそれぞれ0.0003ミリモル/リットル、0.12ミリモル/リットルとなるように加え、プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。
【0140】
重合中、エチレンを連続的に供給することにより、内圧を0.68MPa(ゲージ圧)に保持した。重合を開始して60分後、重合反応をメチルアルコールを添加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、このポリマー溶液に対して、「水1リットルに対して濃塩酸5mlを添加した水溶液」を1:1の割合で用いてこのポリマー溶液を洗浄し、触媒残渣を水相に移行させた。この触媒混合溶液を静置したのち、水相を分離除去しさらに蒸留水で2回洗浄し、重合液相を油水分離した。次いで、油水分離された重合液相を3倍量のアセトンと強撹拌下に接触させ、重合体を析出させたのち、アセトンで十分に洗浄し固体部(共重合体)を濾過により採取した。窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥した。
【0141】
以上のようにして得られたシンジオタクティックプロピレン−エチレン系共重合体の収量は30.7gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は2.01dl/gであり、重合活性は136.4kg/mM−cat・hrであった。またガラス転移温度Tgは−26.2℃であり、エチレン含量は22.0モル%であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。
【0142】
【比較例3】
(シンジオタクティックプロピレン−エチレン系共重合体(2−(3))の合成)
比較例1において、プロピレンを50.7リットル(25℃、1気圧)装入するところを28.2リットルに変え、昇温して40℃に到達させるところを70℃に変え、重合を開始して45分後に停止させるところを20分後に変えた以外は、比較例1と同様な操作を行った。
【0143】
得られたプロピレン−エチレン系共重合体の収量は35.2gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は1.38dl/gであり、重合活性は469.1kg/mM−cat・hrであった。またガラス転移温度Tgは−26.6℃であり、エチレン含量は23.1モル%であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。
【0144】
【比較例4】
シンジオタクティックプロピレン−エチレン系共重合体(3−(1))の合成)
比較例1において、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドをジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドに変え、プロピレンを50.7リットル(25℃、1気圧)装入するところを28.2リットルに変え、昇温して40℃に到達させるところを70℃に変え、系内をエチレンで6.8kg/cm2Gとなるように加圧するところを7.2kg/cm2Gに変え、重合を開始して45分後に停止させるところを20分後に変えた以外は、比較例1と同様な操作を行った。
【0145】
得られたプロピレン−エチレン系共重合体の収量は38.7gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は1.95dl/gであり、重合活性は516.4kg/mM−cat・hrであった。またガラス転移温度Tgは−25.1℃であり、エチレン含量は21.1モル%であり、GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる触媒系の調製方法の一例を示す説明図である。

Claims (2)

  1. (i)下記一般式(1)で表される遷移金属錯体(a)と、
    (ii)
    (b)遷移金属錯体(a)と反応し、イオン性の錯体を形成する化合物
    (c)有機アルミニウム化合物、および
    (d)有機アルミニウムオキシ化合物
    から選択される1種以上の化合物と
    からなる触媒系の存在下にプロピレンと、プロピレン以外のα−オレフィンおよびポリエンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとを共重合することを特徴とするプロピレン系共重合体の製造方法;
    Figure 0004205402
    (式(1)中、R1 4、R5およびR8は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基(t−ブチル基を除く)を示し、R 2 とR 3 、R 6 とR 7 はそれぞれ互いに結合してシクロヘキサン環を形成しており、この環は炭素原子数1〜20のアルキル基(t−ブチル基を除く)から選ばれる置換基を有していてもよく、
    Yは、
    Figure 0004205402
    (但し、R9、R10は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数6〜20のアリール基または炭素原子数7〜20のアルキルアリール基を示し、nは1を示す。)を示し、
    MはTi、ZrまたはHfを示し、
    Xはハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアルキルアリール基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子を示し、Xは互いに同一でも異なっていてもよく、
    jは2を示す。)。
  2. プロピレンから導かれる構成単位を95〜60モル%、プロピレン以外のα−オレフィンから導かれる構成単位およびポリエンから導かれる構成単位を5〜40モル%の割合で含むプロピレン系共重合体を製造することを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系共重合体の製造方法。
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