JP3551598B2 - アイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレン - Google Patents
アイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレン Download PDFInfo
- Publication number
- JP3551598B2 JP3551598B2 JP01006896A JP1006896A JP3551598B2 JP 3551598 B2 JP3551598 B2 JP 3551598B2 JP 01006896 A JP01006896 A JP 01006896A JP 1006896 A JP1006896 A JP 1006896A JP 3551598 B2 JP3551598 B2 JP 3551598B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- atom
- carbon atoms
- groups
- independently
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なポリプロピレン重合体に関する。詳しくは、ポリマー鎖中にアイソ連鎖とシンジオ連鎖を有するアイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンは、その側鎖のメチル基の立体配列に応じて主に3種類のポリマーに大別できる。分子鎖中の3級炭素原子の配置がランダムなアタクチックポリプロピレン、分子鎖中の3級炭素原子の配置が同じ配置となっているアイソタクチックポリプロピレン、および分子鎖中の隣り合う3級炭素原子が互いに逆の配置であるシンジオタクチックポリプロピレンである。
【0003】
ポリマー鎖中にアイソタクチック連鎖とシンジオタクチック連鎖を併せ持つポリプロピレンとして、ヘミアイソタクチックポリプロピレンが知られている。特開平3−193796号公報には、イソプロピリデン(3−メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライドおよびメチルアルミノキサンからなるメタロセン触媒を用いたプロピレンの重合において、ヘミアイソタクチックポリプロピレンが得られることが開示されている。このヘミアイソタクチックポリプロピレンの微細構造は、アイソタクチック構造に基づくメソペンタド分率が14%、シンジオタクチック構造に基づくラセミペンタド分率が19%であり、短いアイソタクチックおよびシンジオタクチックの連鎖が配されているものであることが示唆されている。
【0004】
すなわち、これまで、分子内に長いアイソタクチックおよびシンジオタクチックの連鎖を有するアイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレンが合成された例はなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリマー鎖中に長鎖のアイソ連鎖とシンジオ連鎖を有する新規なアイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決し、長鎖のアイソ連鎖とシンジオ連鎖を有するアイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレンが得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、13C−NMRにより測定したメチル基のスペクトルのメソペンタド分率が全メチル基の強度の20〜80%の範囲にあり、かつメチル基のスペクトルのラセミペンタド分率が全メチル基の強度の20〜80%の範囲にあり、メソペンタド分率とラセミペンタド分率の和が40〜100%の範囲にあることを特徴とするアイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレンである。
【0008】
本発明のアイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレンは、特定のメタロセン化合物を触媒構成成分に用いて、プロピレン重合を行うことによって得ることができる。
【0009】
そして、この触媒系とは(a)メタロセン化合物、(b)該メタロセン化合物と反応してカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物、および必要に応じて(c)有機金属化合物からなるメタロセン触媒である。
【0010】
本発明において用いられる特定のメタロセン化合物(a)は、下記一般式(1)
【0011】
【化1】
【0012】
[式中、M1は周期表4族、5族および6族の遷移金属化合物であり、R1は各々独立して炭素数1〜12の炭化水素基であり、R2,R3はフルオレニル基のベンゾ環状の置換基であり、各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基もしくは酸素含有炭化水素基、炭素数3〜20のケイ素含有炭化水素基またはハロゲン原子を示す。Yはケイ素化合物置換シクロペンタジエニル基とフルオレニル基とを架橋する基で、炭素原子あるいはケイ素原子であり、R4,R5は架橋原子Yの置換基であり、各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基である。X1,X2は各々独立して水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基またはハロゲン原子である。また、nおよびmは0〜4の整数である。]
で表される。
【0013】
本発明の重合体を得るのに有用な触媒として、M1は好ましくはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、更に好ましくはジルコニウムである。
【0014】
R1は各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基を示し、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、イソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシルなどのアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、ビフェニル、ナフチルなどのアリール基、ベンジル、フェニルエチルなどのアリールアルキル基等が挙げられる。
【0015】
R2,R3はフルオレニル基のベンゾ環上の置換基であり、各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基もしくは酸素含有炭化水素基、炭素数3〜20のケイ素含有炭化水素基またはハロゲン原子を示す。具体的には、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、デシル、イソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチルなどのアルキル基、フェニル、トリルなどのアリール基、ベンジルのようなアリールアルキル基等の炭素数1〜20の炭化水素基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソプロポキシなどのアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシなどのアリーロキシ基、フェニルメトキシ、フェニルエトキシ等のアリールアルコキシ基等の炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基;トリメチルシリル、トリエチルシリルなどのアルキルシリル基、フェニルジメチルシリル、ジフェニルメチルシリルなどのアリールシリル基、アリルジメチルシリルなどのアルケニルシリル基等の炭素数3〜20のケイ素含有炭化水素基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子が挙げられる。
【0016】
Yはケイ素化合物置換シクロペンタジエニル基とフルオレニル基とを架橋する基で、炭素原子あるいはケイ素原子である。
【0017】
R4,R5は架橋原子Yの置換基であり、各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基であり、具体的には前記R1で例示したものと同様の炭化水素基である。メタロセン化合物の剛直性を向上させ、得られるポリマーの分子量を向上させる上で、R4,R5のうち少なくともどちらかは嵩高いアルキル基またはアリール基であることが好ましい。
【0018】
X1,X2は各々独立して水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基またはハロゲン原子である。具体的には水素原子の他は前記R1と同様な炭素数1〜20の炭化水素基またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子が挙げられる。
【0019】
フルオレニル基のベンゾ環上の置換基の数を示すmは0〜4の整数であり、nも0〜4の整数である。
【0020】
具体的なメタロセン化合物としては、ジフェニルメチレン(3−(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルメチレン(3−(トリエチルシリル)シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−(トリエチルシリル)シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルメチレン(3−(フェニルジメチルシリル)シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−(フェニルジメチルシリル)シクロペンタジエニル) (フルオレニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルシランジイル(3−(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(3−(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルシランジイル(3− (トリエチルシリル)シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(3−(トリエチルシリル)シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルシランジイル (3−(フェニルジメチルシリル)シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(3−(フェニルジメチルシリル)シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルメチレン(3−(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3− (トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチルフルオレニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルメチレン(3−(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)(2,7−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルメチレン(3−(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3−(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニルフルオレニル)ジルコニウムジメチル、あるいはジルコニウム原子の代わりにチタン原子もしくはハフニウム原子に置き換えたものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
メタロセン化合物(a)と反応してカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物(b)は、生成したカチオン性メタロセン化合物に対して対アニオンを提供する化合物である。化合物(b)は上記の性質を有するものであれば特に限定はされないが、好ましくはプロトン酸(2)、ルイス酸(3)、イオン化イオン性化合物(4)、ルイス酸性化合物(5)が例示される。
【0022】
上記プロトン酸は、下記一般式(2)
[HL1 l][M2R6 4] (2)
[式中、Hはプロトンであり、L1は各々独立してルイス塩基であり、lは0<l≦2であり、M2はホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、R6は各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。]
で表される化合物である。一般式(2)で表されるプロトン酸の具体例として、ジエチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラメチレンオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
ルイス酸は、下記一般式(3)
[C][M2R6 4] (3)
[式中、Cはカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオンであり、M2はホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、R6は各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。]
で表される化合物である。一般式(3)で表されるルイス酸としては、具体的にはトリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
イオン化イオン性化合物は、下記一般式(4)
[M3L2 r][M2R6 4] (4)
[式中、M3は周期表1族、2族、8族、9族、10族、11族または12族から選ばれる金属の陽イオンであり、L2はルイス塩基またはシクロペンタジエニル基であり、rは0≦r≦2であり、M2はホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、R6は各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。]
で表される化合物である。一般式(4)で表されるイオン化イオン性化合物としては、具体的にはリチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等のリチウム塩、またはそのエーテル錯体、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート等のフェロセニウム塩等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
ルイス酸性化合物は、下記一般式(5)
[M2R6 3] (5)
[式中、M2はホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、R6は各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。]
で表される化合物である。一般式(5)で表されるルイス酸性化合物の具体的な例として、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフェニルフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
そして、メタロセン化合物を触媒として用いる場合、メタロセン化合物のアルキル化、ヒドロ化等を含むカチオン性メタロセン化合物の生成、生成したカチオン性メタロセン化合物の触媒毒からの保護または反応場を提供する溶媒的役割として、アルキル基を少なくとも1個以上有する下記一般式(6)で示される有機金属化合物を用いることができる。
【0027】
[M4R7 s] (6)
[式中、M4は周期表1族、2族、13族、SnまたはZnの元素である。R7は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、少なくとも1つのR7は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。sはM4の酸化数に等しい。]
で表される有機金属化合物である。
【0028】
前記一般式(6)で表される化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウム、ジメチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジイソプロピルアルミニウムエトキサイド、ジ−n−プロピルアルミニウムエトキサイド、ジイソブチルアルミニウムエトキサイド、ジ−n−ブチルアルミニウムエトキサイド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライドなどの有機アルミニウム化合物、メチルリチウム、ブチルリチウムなどの有機リチウム化合物、臭化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウムなどの有機マグネシウム化合物等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。これらの有機金属化合物において、好ましくは有機アルミニウム化合物である。
【0029】
以上述べた触媒構成成分より触媒を調製する方法は特に制限はなく、調製の方法として、各成分に関して不活性な溶媒中あるいは重合を行うプロピレンモノマーを溶媒として用い、混合する方法などを挙げることができる。また、これらの成分の反応は、カチオン性メタロセン化合物が生成する条件であれば、各成分の接触の順番に関しても特に制限はなく、この処理を行う温度、処理時間も特に制限はない。
【0030】
また、触媒系において、メタロセン化合物(a)に対するプロトン酸、ルイス酸、イオン化イオン性化合物および/またはルイス酸性化合物の量は0.1〜100倍モルとするのが好ましく、特に0.5〜30倍モルとすることが好ましい。
【0031】
更に、これとは別に用いられる第三成分の有機金属化合物(c)の量は特に限定されないが、好ましくは遷移金属化合物の100000倍モル以下であり、これ以上の量であると脱灰の工程を考慮する必要がでてくる。カチオン性メタロセン化合物の安定化および触媒毒の排除の観点を考えあわせると有機金属化合物を1〜10000倍モルの範囲で使用することが好ましい。
【0032】
本発明におけるメタロセン触媒を用いたプロピレンの重合は、通常の重合方法、すなわちスラリー重合、気相重合、あるいはプロピレンを重合媒体とする塊状重合のいずれも使用できる。
【0033】
重合時、溶媒を用いるときは、一般に用いられている有機溶媒であればいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、塩化メチレン等が挙げられる。
【0034】
本発明の方法を用いてポリプロピレンを製造する上で、重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件について特に制限はないが、重合温度は−100〜300℃、重合時間は10秒〜20時間、重合圧力は常圧〜100kg/cm2Gの範囲で行うことが好ましい。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能である。また、重合終了後に得られるポリプロピレンは、従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥してポリプロピレンを得ることができる。
【0035】
上記条件で重合することにより、長いアイソ連鎖とシンジオ連鎖を含んでなる、アイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレンを製造することができる。
【0036】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示す。
【0037】
実施例1
溶媒としてトルエン500mlおよびプロピレン500mlを2lの反応器に加え、反応器の温度を40℃に設定した。
【0038】
一方、別の容器においてジフェニルメチレン(3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド 4.6μmolをトルエンに溶解し、そこにトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(トリイソブチルアルミニウム20wt%)をアルミニウム換算で1.2mmol加えて10分間攪拌した。次に、この混合物をN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート 5.5μmolをトルエン10mlに溶解した溶液に加え、10分間攪拌し、ここで得られた混合物を窒素圧で前記反応器に供給した。
【0039】
混合物を反応器に供給した後、40℃で反応器を600rpmで60分間攪拌し、重合反応を行った。得られた重合体を真空下100℃で6時間乾燥した。その結果、39.5gの重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、ポリプロピレン換算で算出した数平均分子量は141920、重量平均分子量は298700であり、Mw/Mnは2.1であった。13C−NMRで、o−ジクロロベンゼン/d6−ベンゼンの溶液で、テトラメチルシランを0ppmとして測定したポリプロピレンの微細構造は、ラセミペンタド分率が46.5%、メソペンタド分率が33.8%と算出された。本発明で得られたポリプロピレンの13C−NMRスペクトルの19〜23ppm部分を図1に示す。また、プロピレンの溶媒抽出を、溶媒にヘキサン、ヘプタンおよびオクタンを用いて行ったところ、いずれのフラクションにおいてもアイソおよびシンジオの連鎖の存在が確認され、本発明によるポリプロピレンは、アイソ−シンジオ−ブロック重合体であった。
【0040】
【発明の効果】
本発明のアイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレンは、単独で、あるいは他の重合体と混合して種々の用途に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で得られたポリプロピレンの13C−NMRスペクトル(19〜23ppm部分)である。
Claims (1)
- 下記一般式(1)で表されるメタロセン化合物を触媒構成成分とする触媒を用いて得たポリプロピレンであり、
13C−NMRにより測定したメチル基のスペクトルのメソペンタド分率が全メチル基の強度の20〜80%の範囲にあり、かつメチル基のスペクトルのラセミペンタド分率が全メチル基の強度の20〜80%の範囲にあり、メソペンタド分率とラセミペンタド分率の和が40〜100%の範囲にあることを特徴とするアイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01006896A JP3551598B2 (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | アイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01006896A JP3551598B2 (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | アイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09194552A JPH09194552A (ja) | 1997-07-29 |
JP3551598B2 true JP3551598B2 (ja) | 2004-08-11 |
Family
ID=11740072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01006896A Expired - Fee Related JP3551598B2 (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | アイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3551598B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0965603A1 (en) * | 1998-06-19 | 1999-12-22 | Fina Research S.A. | Polyolefin production |
US6469188B1 (en) | 1999-01-20 | 2002-10-22 | California Institute Of Technology | Catalyst system for the polymerization of alkenes to polyolefins |
JP4205402B2 (ja) * | 2002-11-15 | 2009-01-07 | 三井化学株式会社 | プロピレン系共重合体の製造方法 |
JP2005171169A (ja) * | 2003-12-15 | 2005-06-30 | Mitsui Chemicals Inc | ポリプロピレン樹脂組成物 |
US7285608B2 (en) * | 2004-04-21 | 2007-10-23 | Novolen Technology Holdings C.V. | Metallocene ligands, metallocene compounds and metallocene catalysts, their synthesis and their use for the polymerization of olefins |
-
1996
- 1996-01-24 JP JP01006896A patent/JP3551598B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09194552A (ja) | 1997-07-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6236155B2 (ja) | メタロセン化合物、これを含む触媒組成物およびこれを用いるオレフィン系重合体の製造方法 | |
EP2559710B1 (en) | Catalyst composition for polymerizing olefin and method for preparing polyolefin using same | |
KR101637026B1 (ko) | 메탈로센 담지 촉매 및 이를 이용하는 폴리올레핀의 제조방법 | |
JP6272477B2 (ja) | メタロセン化合物、これを含む触媒組成物およびこれを用いるオレフィン系重合体の製造方法 | |
EP0693502B1 (en) | Catalyst component for the polymerization of alpha-olefins and a process for preparing alpha-olefin polymers with use of same | |
JP3189175B2 (ja) | 芳香族ビニル化合物共重合体の製造方法 | |
EP0742226B1 (en) | Process for preparing borane derived catalysts for preparation of syndiotactic vinyl aromatic polymers | |
EP3312201B1 (en) | Supported hybrid catalyst and method for preparing olefin polymer using the same | |
JP2017537172A (ja) | メタロセン担持触媒およびこれを用いるポリオレフィンの製造方法 | |
JP3142896B2 (ja) | オレフィン重合用触媒成分の製造方法およびそれを用いたオレフィンの重合方法 | |
JP6511061B2 (ja) | メタロセン化合物、これを含む触媒組成物およびこれを用いるオレフィン系重合体の製造方法 | |
JP5719517B2 (ja) | α−オレフィン/スチレン類共重合体およびその製造方法 | |
JP3414769B2 (ja) | オレフィン重合用触媒およびこれを用いたオレフィン重合体の製造方法 | |
KR20120028269A (ko) | 이핵 메탈로센 화합물 및 이를 이용한 폴리올레핀의 제조방법 | |
US6365763B1 (en) | Method for producing metallocenes | |
KR102060639B1 (ko) | 전이금속 화합물, 이를 포함하는 촉매 조성물 및 이를 이용한 폴리올레핀의 제조방법 | |
JP3551598B2 (ja) | アイソ−シンジオ−ブロックポリプロピレン | |
KR101926833B1 (ko) | 메탈로센 화합물 | |
KR102431269B1 (ko) | 신규 전이금속 화합물 및 이를 이용한 폴리프로필렌의 제조방법 | |
JP3644095B2 (ja) | オレフィン重合触媒およびオレフィン重合体の製造方法 | |
EP0791607B1 (en) | Substituted metallocene catalyst for the (co)polymerization of olefins | |
JP4607289B2 (ja) | インデニル化合物、その配位子前駆物質、配位子前駆物質の製造法およびオレフィンの重合法 | |
JPH09503542A (ja) | ハロゲンメタロセンを含む触媒系の存在下でのオレフィンの重合方法 | |
JP3572339B2 (ja) | オレフィン重合体製造用触媒、その製造方法及びそれを用いたオレフィン重合体の製造方法 | |
JP6453483B2 (ja) | メタロセン担持触媒およびこれを用いるポリオレフィンの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040123 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20040126 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040406 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040419 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120514 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120514 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |