JP4205219B2 - 印刷用マスクの作製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷用マスク材、及び、該印刷用マスク材を用いた印刷用マスクの作製方法に関し、詳しくは、レーザによって加工される加工上面と加工下面の双方または一方に、ラミネートフィルムが貼付されている印刷用マスク材及び該印刷用マスク材を用いた印刷用マスクの作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
印刷用マスクを用いて、被印刷体上に、インク、接着剤、クリーム半田、ペースト状の樹脂等(以下ペーストという)の微細パターンを形成する方法としては、一般的に、先ず、パターン状の貫通開口部が形成された印刷用マスクを被印刷体上に密着させ、上記ペーストをスキージにより該印刷用マスクのマスク面に擦り付けながら展延して、余剰なペーストを該マスク面から除去しつつ、該ペーストをパターン状の貫通開口部に充填させ、次いで、被印刷体から印刷用マスクを取り去って、該パターン状の貫通開口部から該ペーストを被印刷体上に転写し、貫通開口部に対応するペーストのパターンを被印刷体上に形成する印刷方法が採られている。
【0003】
しかしながら、上記印刷用マスク、特に、微細なパターンの貫通開口部を形成した印刷用プラスチックマスク(以下、単に「プラスチックマスク」という)には、主として次のような2つの問題点があった。
【0004】
すなわち、上記プラスチックマスクの場合、加工対象物である印刷用マスク材としてのプラスチック板をエキシマレーザーにより微細パターンの貫通開口形成加工を行う時に、該プラスチック板が加工テーブルに密着していないところでは、貫通開口部の下端にプラスチックの薄膜が残る現象(以下、「薄膜残り」という)が発生する。
【0005】
ここで、エキシマレーザーにより形成された上記プラスチック板の貫通開口部は、通常、上広がりのテーパ状になる。
そこで、上記プラスチックマスクを用いてペースト印刷を行う際には、該プラスチックマスクの貫通開口形成加工時の上下を反転して貫通開口部のテーパが下広がりとなるようにして使用している。
【0006】
このため、上述のような薄膜残りが発生したプラスチックマスクの場合には、該プラスチックマスクの貫通開口部上端に残っている薄膜が、該貫通開口部へのペーストの充填性や貫通開口部からのペーストの抜け性を阻害し、微細パターンの高品位なペースト印刷ができないという問題点があった。
【0007】
また、上記プラスチックマスクでは、加工対象物であるプラスチック板をエキシマレーザにより微細パターンの孔開け加工を行う時に、プラスチック板が加工テーブルに密着していると、該加工テーブル表面からの反射レーザー光によって、貫通開口部の下端エッジが丸みを帯びる現象(以下、「エッジ欠け」という)が発生する。
【0008】
このため、このプラスチックマスクでは、該プラスチックマスクの加工時の上下を反転してペースト印刷を行う際に、その微細パターンの開口部上端エッジが丸みを帯びた状態となるため、この開口部上端エッジの丸みが貫通開口部へのペーストの充填性や貫通開口部からのペーストの抜け性を阻害し、微細パターンの高品位なペースト印刷ができないという問題点があった。
【0009】
このような問題点を解消するために、本出願人は、上記プラスチック板のビーム照射面と反対の面(加工下面)に、エキシマレーザービームの少なくとも一部を吸収する高分子フィルムからなる粘着剤付きのラミネートフィルムを貼付し、ビーム照射面にエキシマレーザービームを照射してプラスチック板に貫通開口部を形成したのち、該ラミネートフィルムを除去するプラスチックマスクの作製方法を提案した(特開平8−238743号公報)。
【0010】
このプラスチックマスクの作製方法によれば、上記プラスチック板の加工下面にエキシマレーザービームの少なくとも一部を吸収する高分子フィルムからなるラミネートフィルムが貼付された状態で、ビーム照射面にエキシマレーザービームを照射してプラスチック板に貫通開口部が形成されたのち、該ラミネートフィルムが除去されるので、前述した薄膜残りやエッジ欠けがない、或いはエッジ欠けが極めて少ない微細パターンを有するプラスチックマスクを作製することができる。
【0011】
一方、上記プラスチック板のビーム照射面(加工上面)にエキシマレーザービームを照射してプラスチック板に穴開け加工を施すと、その加工中にマスク開口内から噴出するアブレーションガスが大気に押し戻されて、マスク開口の周辺にカーボンの付着や熱によるダメージが発生することがある。
そこで、上記プラスチックマスクを作製する場合には、上記プラスチック板の加工上面にラミネートフィルムを貼付しておくことが望ましい。これにより、該プラスチック板の加工中におけるカーボンの付着や熱によるダメージが該ラミネートフィルムにのみ発生するようになるので、該ラミネートフィルムを加工後に剥離除去することによって、カーボンの付着や熱によるダメージのないプラスチック板を作製することができるようになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平8−238743号公報記載のラミネートフィルムが貼付された印刷用マスク材を作製するには、例えば、上記プラスチック板としてのロール状に巻かれたプラスチックシートと、剥離紙を介してロール状に巻かれた粘着剤付きの該ラミネートフィルムとを、圧着ローラ間を通して巻き出して、該ラミネートフィルムの粘着剤面と該プラスチックシートとを密着させて貼り合わせ、次いで、この粘着剤を介してラミネートフィルムが貼付されたプラスチックシートを巻き取りロールで巻き取るようにしている。
このような印刷用マスク材の作製方法においては、ロールからロールへの連続加工が可能であり、貼り合わせ品質としても、気泡の巻き込みやシワの発生等のない貼り合わせができる。
【0013】
ここで、上記印刷用マスク材としてのプラスチック板に貼付される上記ラミネートフィルムの厚さは薄いほど望ましい。
すなわち、上記ラミネートフィルムの厚さが薄いほど、上記印刷用マスク材の厚さを薄くでき、エキシマレーザービームを照射して上記印刷用マスク材のプラスチック板に貫通開口部を形成する際の加工を容易化できる。
【0014】
また、このように、上記ラミネートフィルムの厚さを薄くして、上記印刷用マスク材の加工を容易化することにより、該印刷用マスクの加工に要する時間や納期を短縮でき、該印刷用マスクの生産性の向上やコストダウンを図ることができる。
更に、上記印刷用マスク材の加工が容易化されることにより、その加工装置の負荷(加工エネルギー)が小さくて済むので、該加工装置のコストダウンも可能となる。
【0015】
ところが、上述のような印刷用マスク材の作成方法では、上記プラスチック板と上記ラミネートフィルムとを、上記圧着ローラと上記巻き取りロール間に張架して、該プラスチック板に該ラミネートフィルムを粘着剤で貼付加工する際に、該ラミネートフィルムに強い張力が作用する。
【0016】
従って、この種の従来の印刷用マスク材では、その上記ラミネートフィルムが、上記貼付加工時の張力に耐えることができる厚みを有している必要があり、該ラミネートフィルムをあまり薄くすることができない。
このため、現状の印刷用マスク材では、例えば、上記プラスチック板の厚みが約150μm、上記ラミネートフィルム(上記粘着剤を含む)の厚みが約50μmで、該ラミネートフィルムの厚みが、該印刷用マスク材の厚みの1/4程度の厚みを占めていた。
【0017】
一方、上記ラミネートフィルムには、上記印刷用マスク材の加工後、該印刷用マスク材から該ラミネートフィルムを剥離除去する際にも強い張力が作用する。従って、この種の従来の印刷用マスク材では、そのラミネートフィルムが厚すぎると、加工後の印刷用マスクから該ラミネートフィルムを剥離除去する際に、該印刷用マスクにダメージを与えることがある。
このため、この種の印刷用マスク、特に、厚さが50μm以下の微細用印刷用マスクでは、上述のような加工後の印刷用マスクから該ラミネートフィルムを剥離除去する際に発生する該印刷用マスクのダメージを回避することも益々重要となってきている。
【0018】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、印刷用マスク材に貼付されたラミネートフィルムを極力薄くすることができる印刷用マスク材及びこの印刷用マスク材を用いた印刷用マスクの作製方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、印刷用マスクの作製方法であって、フィルムを複数枚積層して形成された積層フィルムからなるラミネートフィルムが貼付されている印刷用マスク材を用意し、該印刷用マスク材に貼付された該積層フィルムの外層のフィルムを所定枚数だけ除去して、該印刷用マスク材に貼付された該ラミネートフィルムを所定の厚さに設定した後、該印刷用マスク材の加工面にレーザービームを照射して該印刷用マスク材に貫通開口部を形成したのち、該ラミネートフィルムを除去して印刷用マスクとすることを特徴とするものである
【0020】
この発明においては、印刷用マスク材に貼付されているラミネートフィルムが、厚さの薄いフィルムを複数枚積層した積層フィルムで構成されている。
ここで、上記ラミネートフィルムは、例えば、ポリエステルフィルムなどの極めて薄い複数枚のフィルム同士を貼付加工することにより、上記圧着ローラと上記巻き取りロール間に張架して上記プラスチック板と該ラミネートフィルムとを粘着剤で貼付加工する際の張力に耐えることができる所定の厚みの積層フィルムに形成される。
このような積層フィルムを上述のようにして、上記プラスチック板に貼付した後、この積層フィルムの外層のフィルムを所定枚数だけ剥ぎ取ることによって、該プラスチック板に貼付されたラミネートフィルムの厚みを所望の厚さに設定することができる。
従って、本発明では、そのプラスチック板に貼付されたラミネートフィルムを極めて薄く形成することができ、レーザービームを照射して上記印刷用マスク材のプラスチック板に貫通開口部を形成する際の加工を容易化できる。
また、本発明においては、上記プラスチック板にエキシマレーザにより貫通開口部を加工した後、積層されたラミネートフィルムを1枚ずつ順に剥離除去していくことにより、加工された印刷用マスクにダメージを与えずに、該ラミネートフィルムを剥離除去することが可能になる。
【0024】
また、本発明においては、所定の厚さに設定されたラミネートフィルムが貼付された状態で、上記印刷用マスク材の加工面にレーザービームを照射して該印刷用マスクに貫通開口部が形成されたのち、該ラミネートフィルムが除去される。
これにより、上記「薄膜残り」や「エッジ欠け」がない印刷用マスクを、従来よりも小さな加工エネルギーにより容易に作製できる。
なお、上記印刷用マスク材のレーザービーム照射面にも、上記ラミネートフィルムを貼付しておけば、該印刷用マスク材にレーザービームを照射して該印刷用マスク材を加工した際に発生する粉塵が該ラミネートフィルムに付着し、該加工後に該ラミネートフィルムを除去することで、印刷用マスクへの該粉塵の付着が防止される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、プラスチック板を素材とする印刷用マスク材を用いた印刷用マスクの作製方法に適用した実施形態について説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る印刷用マスク材10は、少なくとも、該印刷用マスク材の基材であるプラスチック板11のレーザービームの非照射面(加工下面)に、厚さの薄いラミネートフィルム12を複数枚積層して形成された積層フィルム13が、粘着剤14により貼付されている。
この印刷用マスク材10としては、例えば、上記プラスチック板11に厚さ150μmのポリイミドフィルムを用い、上記ラミネートフィルム12に厚さ5μmのポリエステルフィルムを6枚積層して厚さ30μmの積層フィルム13を形成し、上記粘着剤14としての厚さ20μmのシリコン粘着剤により、該プラスチック板11としてのポリイミドフィルムに、該積層フィルム13を貼り合わせたものを用いることができる。
【0026】
また、上記印刷用マスク材10としては、図1(b)に示すように、上記プラスチック板11の両面、つまり、該プラスチック板11のレーザービーム照射面(加工上面)にも、該プラスチック板11のレーザービームの加工下面と同様に、厚さの薄いラミネートフィルム12を複数枚積層して形成された積層フィルム13を、粘着剤14により貼付したものであってもよい。
このように、上記プラスチック板11の両面に、積層フィルム13を粘着剤14により貼付した印刷用マスク材10においては、後述するように、該印刷用マスク材10にレーザービームを照射して該印刷用マスク材10をレーザービーム加工した際に「薄膜残り」や「エッジ欠け」がない印刷用マスクを、従来よりも小さな加工エネルギーにより容易に作製でき、且つ、該レーザービーム加工時に発生する粉塵が上記ラミネートフィルム12に付着するので、該加工後に該ラミネートフィルム12を除去することで、該印刷用マスクへの該粉塵の付着を防止できる。
【0027】
上記積層フィルム13は、例えば、図2に示すように、ロール状に巻かれたポリエステルフィルムなどの極めて薄い複数枚のラミネートフィルム12同士が、圧着ローラ15で貼付加工されることによって形成される。この積層フィルム13は、巻き取りロール16によって、ロール状に巻き取られる。
また、上記印刷用マスク材10は、例えば、図3に示すように、ロール状に巻かれた上記プラスチック板11としてのポリイミドフィルムと、塗布ローラ17により上記粘着剤14が塗布された上記積層フィルム13とが、上記ラミネートフィルム12の場合と同様に、圧着ローラ15で貼付加工されることによって形成される。この印刷用マスク材10は、巻き取りロール16によって、ロール状に巻き取られる。
このとき、上記積層フィルム13は、上述のように、該積層フィルム13を上記圧着ローラ15と上記巻き取りロール16間に張架して、上記プラスチック板11と該積層フィルム13とを粘着剤14で貼付加工する際の張力に耐えることができる厚みに形成される。
【0028】
この印刷用マスク材10は、印刷用マスクの作製に際し、上記ロールから引き出されて必要な大きさにカットされる。
そして、このカットされた印刷用マスク材10は、上記レーザービーム加工に先立って、図4(a)に示すように、そのプラスチック板11に貼付された積層フィルム13のうちの、不要となる外層のラミネートフィルム12が所定枚数だけ剥ぎ取られる。
これにより、上記印刷用マスク材10は、図4(b)に示すように、そのラミネートフィルム12の層厚が、上記レーザービーム加工時の加工エネルギーにより最も加工の容易な厚さに設定される。
【0029】
このように、本実施形態に係る印刷用マスク材10は、そのプラスチック板11に貼付されたラミネートフィルム12の厚みを極めて薄く形成することができるので、レーザービームを照射して上記印刷用マスク材10に貫通開口部を形成する際の加工を容易化できる。
また、上述のように、上記ラミネートフィルム12の厚さを薄くして、上記印刷用マスク材10のレーザービーム加工を容易化することにより、印刷用マスクの加工に要する時間や納期を短縮でき、該印刷用マスクの生産性の向上やコストダウンを図ることができる。
更に、上記印刷用マスク材10のレーザービーム加工が容易化されることにより、その加工装置の負荷(加工エネルギー)が小さくて済むので、該加工装置のコストダウンも可能となる。
【0030】
なお、上記印刷用マスク材10のプラスチック板11に貼付された積層フィルム13のうちの、不要となる外層のラミネートフィルム12を所定枚数だけ剥ぎ取る際に、該所定枚数のラミネートフィルム12を一度に剥ぎ取ると、該プラスチック板11に残すべきラミネートフィルム12まで剥ぎ取られてしまう虞がある。
そこで、このプラスチック板11に貼付された不要な外層のラミネートフィルム12を剥ぎ取る際には、例えば、図4(a)に鎖線で示すように、1回の剥ぎ取り操作で、該プラスチック板11に残された積層フィルム13の厚みが約半分程度の厚みになるように、該不要な外層のラミネートフィルム12を、数回に分けて順に剥ぎ取ることが望ましい。
【0031】
また、上記印刷用マスク材10のプラスチック板11に貼付されるラミネートフィルム12は、図5に示すように、上記積層フィルム13の各層のラミネートフィルム12の端縁に、把持部12aを形成しておくことが好ましい。
これにより、該印刷用マスク材10のプラスチック板11に貼付された不要な外層のラミネートフィルム12を剥ぎ取る際に、上記把持部12aを持って該ラミネートフィルム12を剥ぎ取ることによって、該ラミネートフィルム12の剥ぎ取り操作を容易に行えるようになる。
【0032】
次いで、上記印刷用マスク材10は、図6に示すように、マスク枠23に貼られたポリエステル紗膜24に、上記ラミネートフィルム12側を下にして、接着剤25により貼り合わせられ、該接着剤25が硬化した後、該ポリエステル紗膜24の接着剤25の内側の部分が切り取られることによって、上記レーザービーム加工用の印刷用マスク26となる。
ここで、図6に示す印刷用マスク26は、上記レーザービーム加工時の状態を示しており、該印刷用マスク26を前述したプラスチックマスクとして実際に使用する場合には、図6に示した印刷用マスク26の上下が逆となる。
【0033】
そして、上記印刷用マスク26は、図7に示すように、そのレーザービーム加工前の状態のラミネートフィルム12が、レーザ加工装置の加工用XYテーブル28の面に密着するように、マスク枠23がクランプ27により加工用XYテーブル28に固定される。
次いで、このレーザービーム加工前の印刷用マスク26は、上記加工用XYテーブル28の移動によって、レーザービーム30の照射位置に精密に位置決めされる。
この状態で、該印刷用マスク26の上方に配置されたレーザー発振器29から出力されたレーザービーム30が、遮光用アパ−チャーマスク31、集光レンズ32、及び、レンズ33を通して、該印刷用マスク26の加工面に照射される。
【0034】
ここでは、クリプトンフッ素ガスによる波長249nm、パルス周波数200Hz/秒に発振したエキシマレーザビームを、集光レンズ32およびレンズ33によってエネルギー密度1.7ジユール/cm2 となるように、ポリイミドフィルムからなる印刷用マスク26の表面に照射し、加工速度約0.5μm/パルスの速度でアブレーション加工を1.25秒間行った。
そして、該アブレーション加工後、ポリエステルフィルムからなる上記ラミネートフィルム12を、上記接着剤(シリコン粘着剤)14と共に、上記プラスチック板11から除去し、最狭ピッチ0.1mmの開口パターンを有する印刷用マスク26を得た。
この得られた印刷用マスク26は、前述の「薄膜残り」及び「エッジ欠け」のないものであった。
【0035】
また、この印刷用マスク26をガラスエポキシからなる被印刷体としてのプリント基板上に密着させ、20μm〜44μmの粒子径を有する固形分球形粒子を含有する半田ペーストを、該印刷用マスク26上に展延して、該印刷用マスク26に形成されたパターン状貫通開口部に充填し、次いで、該被印刷体から該印刷用マスク26を取り去って、該半田ペーストのパターンを該被印刷体上に形成した。
この結果、該貫通開口部への半田ペーストの充填性及び該貫通開口部からの半田ペーストの抜け性がよく、該プリント基板上に、パターンの欠けやにじみのない高品位なペースト印刷を行うことができた。
また、この印刷用マスク26は、その裏面が該半田ペーストによって汚れることが極めて少なく、その裏面の洗浄を行うことなく100回以上繰り返し用いることができた。
【0036】
このような印刷用マスク26におけるプラスチック板11の材料としては、例えば、エキシマレーザーによりアブレーション加工が可能な有機高分子材料を用いることが好ましいが、エキシマレーザーによりアブレーション加工が困難あるいは不可能な有機高分子材料であっても、微細なカーボン粉、紫外線吸収剤などのエキシマレーザーの波長光を吸収しやすい物質を混合することにより、またはエキシマレーザーによりアブレーション加工が可能な有機高分子材料と混合することにより使用することができる。
【0037】
また、このプラスチック板11の材料は、印刷用マスク26として要求される特性、即ち、1)ペースト、ペースト中に含まれる溶剤、又は印刷終了時の洗浄剤等に侵されない耐薬品性、2)印刷版として使用に耐えるための耐摩耗性、3)枠貼りのテンションでも伸びによる寸法誤差を発生させない機械的強度、4)印刷ペーストが抜けやすいための低摩擦性と撥水性、などを有することが好ましい。
【0038】
このようなプラスチック板11の材料としては、例えば、ポリイミド、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリカーボネート等のアブレーション加工が容易な有機高分子材料、或いはアブレーション加工が困難あるいは不可能なポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、テフロン等のアブレーション加工が困難あるいは不可能な有機高分子材料が挙げられ、後者については上記のようにエキシマレーザーの波長光を吸収しやすい物質を混合することにより、またはエキシマレーザーによりアブレーション加工が可能な有機高分子材料と混合することにより使用することができる。
【0039】
また、このプラスチック板11の厚さ、即ち上記印刷用マスク26の厚さは、10μm〜500μm程度が好ましく、特に、クリーム半田を用いるペースト印刷においては、100μm〜200μm程度が好ましい。
【0040】
また、上記印刷用マスク26は、20〜500Kgf・mm-2程度の曲げ弾性率を有することが好ましい。
このような厚さ及び曲げ弾性率を有することによって、被印刷体上に凸部があっても、印刷用マスク26を被印刷体上に密着させたときに、印刷用プラスチックマスクと被印刷体との間の隙間をなくすか、或いは極めて少なくすることができ、貫通開口部にペーストを充填したときに印刷用マスク26と被印刷体との間の隙間にペーストが入ることを防止できる。
この結果、印刷されたペーストパターンににじみの発生することがなく、また、印刷用マスク26の裏面がペーストによって汚れることが極めて少なく、前述したように、その裏面の洗浄を行うことなく印刷用マスク26を繰り返し用いることができる。
【0041】
一方、この印刷用マスク26の作製方法に用いるラミネートフィルム12の材料としては、上記プラスチック板11に用いた材料と同じ材料からなる高分子フィルムを用いるのが好ましい。
また、このラミネートフィルム12の厚さは、5μm程度が好ましい。
更に、該ラミネートフィルム12としては、上記プラスチック板11から該ラミネートフィルム12を除去する際に、該ラミネートフィルム12が割れたり、裂けたり、ちぎれたりせずに、きれいに剥離できる靱性を有するものが好ましい。
【0042】
ところで、上記ラミネートフィルム12には、上記印刷用マスク材10の加工後、該印刷用マスク材10から該ラミネートフィルム12を剥離除去する際にも強い張力が作用する。
このため、上記ラミネートフィルム12が厚すぎると、加工後の印刷用マスク26から該ラミネートフィルム12を剥離除去する際に、該印刷用マスク26にダメージを与えることがある。
このため、この種の印刷用マスク26、特に、厚さが50μm以下の微細用印刷用マスクでは、上述のような加工後の印刷用マスク26から該ラミネートフィルム12を剥離除去する際に発生する該印刷用マスク26のダメージを回避することが重要となる。
【0043】
そこで、このような印刷用マスク材10においては、上記プラスチック板11にエキシマレーザにより貫通開口部を加工した後、積層されたラミネートフィルム12を1枚ずつ順に剥離除去していく。
これにより、加工された印刷用マスク26にダメージを与えずに、該ラミネートフィルム12を剥離除去することが可能になる。
【0044】
【発明の効果】
請求項1及び2の発明によれば、上記プラスチック板に上記積層フィルムを貼付した後、この積層フィルムの外層のフィルムを所定枚数だけ剥ぎ取ることによって、該プラスチック板に貼付されたラミネートフィルムの厚みを所望の厚さに設定することができるので、該プラスチック板に貼付されたラミネートフィルムを極めて薄く形成することができ、レーザービームを照射して上記印刷用マスク材のプラスチック板に貫通開口部を形成する際の加工を容易化できる。また、上記プラスチック板の加工後、積層されたラミネートフィルムを1枚ずつ順に剥離除去していくことにより、加工された印刷用マスクにダメージを与えずに、該ラミネートフィルムを剥離除去することができるという優れた効果がある。
【0046】
また、所定の厚さに設定されたラミネートフィルムを貼付した状態で、上記印刷用マスク材の加工面にレーザービームを照射して該印刷用マスクに貫通開口部を形成したのち、該ラミネートフィルムを除去することにより、上記「薄膜残り」や「エッジ欠け」がない印刷用マスクを、従来よりも小さな加工エネルギーにより容易に作製できる
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、実施形態に係る印刷用マスクの作製方法に用いられる印刷用マスクを示す部分拡大断面図。
(b)は、同作製方向に用いられる他の印刷用マスク材の部分拡大断面図。
【図2】 上記印刷用マスク材のプラスチック板に貼付される積層フィルムの作製方法の一例を示す概念図。
【図3】 上記プラスチック板に上記積層フィルムを貼付する上記印刷用マスク材の作製方法の一例を示す概念図。
【図4】 (a)は、上記プラスチック板に貼付された積層フィルムのうちの不要なラミネートフィルムを除去する過程を示す部分拡大断面図。
(b)は、上記プラスチック板に貼付された積層フィルムのうちの不要なラミネートフィルムを除去して得られた印刷用マスク材の部分拡大断面図。
【図5】 上記プラスチック板に上記積層フィルムを貼付した状態の上記印刷用マスク材の部分拡大斜視図。
【図6】 レーザービーム加工前の印刷用マスクの一例を模式的に示した断面図。
【図7】 レーザー加工装置により上記印刷用マスクを加工している様子の一例を模式的に示した概略断面図。
【符号の説明】
10印刷用マスク材
11プラスチック板
12ラミネートフィルム
12a把持部
13積層フィルム
14粘着剤
23マスク枠
26印刷用マスク

Claims (1)

  1. 印刷用マスクの作製方法であって、
    フィルムを複数枚積層して形成された積層フィルムからなるラミネートフィルムが貼付されている印刷用マスク材を用意し、該印刷用マスク材に貼付された該積層フィルムの外層のフィルムを所定枚数だけ除去して、該印刷用マスク材に貼付された該ラミネートフィルムを所定の厚さに設定した後、該印刷用マスク材の加工面にレーザービームを照射して該印刷用マスク材に貫通開口部を形成したのち、該ラミネートフィルムを除去して印刷用マスクとすることを特徴とする印刷用マスクの作製方法
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