JP4204931B2 - 自動二輪車のフレーム - Google Patents
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Description
そして、各自動二輪車は、それぞれ目的にあった形式のフレームを有する。
前記ヘッドパイプの後方に隣接して箱状部を該ヘッドパイプと一体に形成し、この箱状部に、1本状の前記メインフレームの先端を一体に連結し、
該メインフレームの後部が後方側で下がった形態を有し、
該メインフレームの中間部分にエンジンを吊持する吊持部を設け、
該メインフレームの後端に後方側で二股状に分岐する分岐部材を一体に配置し、
前記分岐部材の一部を下方に延設して、該下方に延設した部分にエンジンの後部を吊持する吊持部を設け、
前記分岐部材の下方に延設した部分に、後輪を弾性支持するためのショクアブソーバユニットの一端を支持するための支承部を設けたことを特徴とする。
この結果、エンジンの発する低い振動数の振動を、フレームを介して、ライダーが感じて楽しむことができるような、自動二輪車が提供できる。
この結果、組立性および整備性に優れたフレームとなる。
前記連結部材に後輪の車軸を支持する車軸穴が形成されていると、スイングアームの揺動端側の質量が小さくなって、路面の変化に対して追随性の高い、しかも、剛性の高い、好ましいスイングアームとなる。
この左右の水平部材がクロス部材によって連結され、このクロス部材にエンジンユニットの後端部を支持する支持ブラケットが設けられていると、エンジンを周囲からフレーム側に固定でき、エンジンとフレームの一体性の高いフレームとなる。
この箱状部3の両側壁3B1 ,3B2 には、図3に図示するように、左右のダウンチューブ5を連結するための締結穴3hが、各側壁3B1 ,3B2 にそれぞれ2箇所形成されている。そして、この締結穴3hは、この箱状部3の両側壁3B1 ,3B2 からそれら左右の側壁3B1 ,3B2 間を接続するパイプ状部3Dの内方に形成されており、且つ、両側壁3B1 ,3B2 の各外面からは、前記パイプ状部3Dと同径のパイプ状突起3De が突設されている。このパイプ状突起3De は、後述する図1〜図4に図示するダウンチューブ5の上端部5kに形成されている取付部5Dの取付面5d(図6参照)に形成されている凹部5Bと、形状的に対応した形状になって、該パイプ状突起3De が凹部5B内にほぼぴったりの状態で収容されるよう構成されている。つまり、この実施例では、前記パイプ状突起3De と前記凹部5Bとが、前記ダウンチューブ5を箱状部3へ取付る際の位置決め手段となっている。しかし、位置決め手段としては、別の形態のものでよく、例えば、箱状部3とダウンチューブ5のいずれか1方に、単なる突起を、他方にそれに合致した形状の単なる凹部を形成することによって、構成してもよい。かかる場合、前記突起と凹部は、少なくとも2箇所、相互に離間した位置に設けることが好ましい。また、突起と凹部を非円形状に構成すると、回転方向での自由度が無くなるため、該突起と凹部をそれぞれ1箇所に設けても同様の作用を奏する構成とすることができる。
そして、このメインフレーム4の先端は、側面視において上下方向の中程の位置から下方部分が下方にゆくにしたがって後方に退いた形状をしている。さらに、前記メインフレーム4の先端(箱状部3との接続端)は、平面視において幅方向の中程の位置から左右の各端方にゆくにしたがって後方に退いた形状をしている。また、前記メインフレーム4の先端と連結される前記箱状部3の後端も、図2に図示するように、該メインフレーム4の先端の立体的形状に実質上合致した立体的形状をしている。
そして、このように構成すると、メインフレーム4の断面係数および断面二次モーメントが大幅に増加して、フレームの剛性を高めることができる。また、図7に一部切り欠いて図示するように、前記角パイプ状の部材4bの底面とU字状の鋼材4gの内面との間に長手方向に延びる隙間60を形成すると、断面係数および断面二次モーメントをさらに高めることができ、しかも、これらの隙間に配線あるいは配管等を通すことができ、言わば「一石二鳥」の作用効果を得る構造となる。
また、このメインフレーム4の長手方向の中央部の底部には、図2,図7に図示するように、エンジンEを上方から吊持するためのブラケット11(図1,図2参照)の取付ボルトを挿通する、幅方向に貫通したパイプ部材4q,4nが前後に離間した二箇所に設けられている。
また、図1,図2に図示するように、このダウンチューブ5は、前記上端部から下方に延設されてこのダウンチューブ5の中央部で略L字状に湾曲して、さらに自動二輪車1の後方へ延設され、後端部5rが、ボルトとナットによって、スイングアーム支持部材7の下端側から前方に延設されている水平部材6に連結されている。つまり、このダウンチューブ5は、上端部5kと後端部5rが、共に、それぞれ2組みのボルトとナットによって簡単に取り付け、取り外し可能に連結されている。そして、位置的には、図1に図示するように、前記ダウンチューブ5の上端部5kは、エンジンEの前端より前方で且つエンジンEの最上端と略同じ位置に位置し、前記後端部5rの後端は、エンジンEのミッションケースMcの後端の下方に位置している。
そして、前記鍛造品で構成されている上端部5kと中間部分の一部5mの間は、パイプ部材5pによって連結され、また、前記中間部分の一部5mと後端部5rとの間はパイプ部材5pによって連結されている。
そして、前記鍛造品とパイプ部材5pとの間は入れ子式に、つまり鍛造品側にパイプ部材5pの内径に略等しい(正確にはやや小さい)径の突起5e(図10の二点鎖線参照)を設け、この突起5eをパイプ部材5p内に挿入(嵌入)した状態で、これらの接続部分(連結部分)を溶接することによって、連結している。従って、前記ダウンチューブ5は、複数の鍛造品(上端部5k,中間部の一部5m,後端部5e)と複数のパイプ部材5pとを連結することによって、それぞれ1本のダウンチューブ5になるよう構成されている。
そして、前記上端部5kと、前記略L字状に湾曲した屈曲部5tのうち右側のダウンチューブ5Rの屈曲部5t、および後端部5r等の鍛造品の外側になる部分は、外観がパイプ材5pと同じに見えるような半パイプ状の形状に形成し、外観上一本のパイプが連続して設けられているような印象を与えるように配慮されている。このような構成は、実際には内側がえぐられることによって軽量化が積極的に図られている。
しかも、外観的には、ダウンチューブ5全体があたかも1本のパイプ状の部材で構成されている如きに、また、前記スイングアーム支持部材7の側面を、後述するパイプ部材9R,9Lとアッパー部材20Uとがあたかも1本のパイプがとおっているかのように、外観をスマートに見せるような配慮がなされている。
また、この分岐部材8には、リアショックアブソーバユニット(図示せず)の先端を揺動自在に軸支するボルト(図示せず)の支承穴8h(図8,図9参照)が形成されている。
そして、この分岐部材8の場合、エンジンE(図1参照)の後端部を吊持するための吊持部材8yが下方に向けて延設され、この吊持部材8yの下端部には、エンジンE(図1参照)をボルト止めするボルト穴8uが形成されている。
また、図2に図示するように、これら左右のパイプ部材9R,9Lの前端部には、これらを接続し、且つライダーが座るシートSt(図1参照)を取着するための、シート取付用のブラケット12が配設されている。
また、このスイングアーム支持部材7の前記突起7m(図8参照)が形成されているやや下方位置には、前方に向けてスイングアーム支持ブラケット7Bが一体に形成され、このスイングアーム支持ブラケット7Bには、図1に図示するスイングアーム軸19を軸支する保持穴7Pが形成されている。そして、この保持穴7Pは、前記スイングアーム軸19(図1参照)を介して、後述するスイングアーム20を、該スイングアーム軸19を中心に所定角度揺動自在に支承する。
前記水平部材6および前部クロス部材11は、前記ダウンチューブ5後端との接続部および前記ブラケット11b等を一体に形成するため、この実施例では、鍛造品で構成されている。
そして、前記主部材20Bと連結部材20Jとは鍛造品で構成され、前記アッパー部材20Uとロアー部材20Lとは主部材20Bとの接続部分を除いて、パイプ部材で構成されている。
そして、前記主部材20Bの上下端部には、前記アッパー部材20Uとロアー部材20Lとに挿通するためのパイプ連結用の突起20Eが形成され、該アッパー部材20Uとロアー部材20Lの前端部は、この突起20Eに挿着された状態において、溶接によって主部材20Bとこれらアッパー部材20Uあるいはロアー部材20Lが一体に連結されている。
また、前記連結部材20Jは、中央で後方に屈曲した様な形態を有し、この連結部材20Jの上下端部には、前記アッパー部材20Uとロアー部材20Lとに挿通するためのパイプ連結用の突起20F(図2参照)が形成され、該アッパー部材20Uとロアー部材20Lの後端部はこの突起に挿着された状態において、溶接によってこの連結部材20Jに一体に連結されている。
そして、左右の前記主部材20Bは、スイングアーム軸19が挿通する中央部と、上端部と下端部において、それぞれクロス部材20C,20D,20Gによって連結されており、全体として強固なラーメン構造になっている。そして、この主部材20Bから前記アッパー部材20Uとロアー部材20Lは後方に片持ち式に後方へ延設された構造となっている。しかしながら、このアッパー部材20Uとロアー部材20Lの後端を連結する前記連結部材20Jと図1に図示する後輪24の車軸23を介して、これらアッパー部材20Uとロアー部材20Lは、自動二輪車1の後輪24が間に介装された状態で、両側から挟着されることから、自動二輪車1全体としては、強固な立体的に構造を形成していることになる。
この自動二輪車のフレーム1Fが前述のように構成されていると、エンジンEは、メインフレーム4の中央部で上方から吊持されるとともに、且つエンジンEの後端部が前記分岐部材8によって吊持され、しかもエンジンEの前端部が前記ダウンチューブ5間に横設されたクロス部材17によって、エンジンブラケット18を介して下方から支持され、エンジンE後端部において前記前部クロス部材11で下方から支持されるため、従来にない大型のエンジンEであっても、エンジンEとフレーム1Fが一体になるよう、エンジンEをフレーム1Fで支持することができる。
この結果、エンジンEの低い振動(鼓動)を、心地よくライダーに伝達することができる構成となる。従って、所謂「アメリカン」タイプの自動二輪車として好適なフレームとなる。
この結果、フレーム全体の曲げ応力あるいはねじり応力等に対して、極めて剛性の高いフレームが実現できる。そして、内部に補強壁やブ等の補強手段を形成して剛性を高めた複雑な構造が要求される箱状部3は、鋳造品とすることによって、複雑な構造であっても容易に生産できるような構造上の配慮がなされている。
従って、エンジンEが非常に大型になった場合にも、フレーム1Fに対して、簡単にエンジンEを着脱することが可能となり、生産時の組立性およびメンテナンス性に優れた自動二輪車のフレームとなる。
1F フレーム
2 ヘッドパイプ
3 箱状部
4 メインフレーム
5 ダウンチューブ
8 分岐部
8h 支承穴
8y 吊持穴
E エンジン
Claims (10)
- ヘッドパイプの後方にメインフレームが長手方向に延設されるとともに、該ヘッドパイプから下方に且つ後方にダウンチューブが配設された自動二輪車のフレームにおいて、
前記ヘッドパイプの後方に隣接して箱状部を該ヘッドパイプと一体に形成し、この箱状部に、1本状の前記メインフレームの先端を一体に連結し、
該メインフレームの後部が後方側で下がった形態を有し、
該メインフレームの中間部分にエンジンを吊持する吊持部を設け、
該メインフレームの後端に後方側で二股状に分岐する分岐部材を一体に配置し、
前記分岐部材の一部を下方に延設して、該下方に延設した部分にエンジンの後部を吊持する吊持部を設け、
前記分岐部材の下方に延設した部分に、後輪を弾性支持するためのショクアブソーバユニットの一端を支持するための支承部を設けたことを特徴とする自動二輪車のフレーム。 - 前記メインフレームは、断面が略矩形状で後方にゆくに従って断面形状が小さくなった角パイプ状の部材に、その上方あるいは下方のいずれかから該角パイプ状の部材を上方あるいは下方からを囲むように配置した断面U字状の鋼材の両側端を、該角パイプ状の部材の両側面に溶接することによって形成されていることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のフレーム。
- 前記箱状部から、左右一対のダウンチューブが下方に延設されるとともに、中間部で略L字状に湾曲して後方に延設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の自動二輪車のフレーム。
- 前記左右一対のダウンチューブのうち少なくとも一方のダウンチューブの上端部が、前記箱状部に着脱自在に取着されるととも、該ダウンチューブの後方に延設されている後端部が、フレームの他の部材に着脱自在に連結されていることを特徴とする請求項3記載の自動二輪車のフレーム。
- 前記分岐部の後端面の下部から後方へ向けて左右一対のパイプ部材が後方側で低くなる傾斜して延設され、これらの各パイプ部材の後端部に、左右一対のスイングアーム支持部材が一体に連結され、このスイングアーム支持部材側に、前記ダウンチューブの後方に延設されている後端部が着脱自在に連結されていることを特徴とする請求項4記載の自動二輪車のフレーム。
- 前記スイングアーム支持部材が、側面視において、中央部が自動二輪車の前方側に位置し両端が後方側に位置するような弓形状に湾曲した形態を有していることを特徴とする請求項5記載の自動二輪車のフレーム。
- 前記スイングアーム支持部材は、その上下方向の略中央部で且つ前端部に、スイングアームを揺動自在に支持する保持部を具備している請求項5又は6に記載の自動二輪車のフレーム。
- 前記スイングアームは、中央部で前方に屈曲した左右一対の主部材と、これら左右一対の主部材を一体に連結するクロス部材と、前記主部材の上端から斜め下方に向けて延設された左右一対のアッパー部材と、該主部材の下端から斜め上方に向けて延設された左右一対のロアー部材と、これらアッパー部材とロアー部材とをそれぞれの後端で連結する左右一対の連結部材から構成され、
前記連結部材に後輪の車軸を支持する車軸穴が形成されていることを特徴とする請求項7記載の自動二輪車のフレーム。 - 前記左右一対のスイングアーム支持部材が、これらを一体に連結するクロス部材によって連結され、このクロス部材から前方に向けて該スイングアーム支持部材に一体になった水平部材が延設され、この水平部材が前記ダウンチューブの後端部と連結されるとともに、
この左右の水平部材がクロス部材によって連結され、このクロス部材にエンジンユニットの後端部を支持する支持ブラケットが設けられていることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1の項に記載の自動二輪車のフレーム。 - 前記メインフレームの断面係数および断面二次モーメントが後方にゆくに従って小さくなっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1の項に記載の自動二輪車のフレーム。
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