JP4204900B2 - 廃自動車反転装置および廃自動車解体設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は廃自動車を解体処理するための装置に関し、特に、車体の下側から部品を取り外す作業に好適である廃自動車反転方法および廃自動車反転装置並びに廃自動車解体設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、年間500万台もの使用済み自動車、いわゆる廃自動車が発生しており、解体業者や破砕業者によってリサイクル、廃棄処理が行われている。
【0003】
このような背景の中で、3RすなわちReduce(使用抑制・減量化)、Reuse(再利用)、Recycling(再資源化)の効率向上が求められており、2004年12月ごろには使用済み自動車のリサイクル、適性処理を図るため自動車製造業者を中心として役割分担を義務づけた自動車リサイクル法が施行され、2015年以降は95%のリサイクル率を達成することが求められている。
【0004】
廃自動車の処理の流れは、通常、事前選別ラインでまずフロン回収や廃液回収等が行われ、その後、解体ラインで有用部品の回収と解体が行われる。リサイクル率を高めるにはその有用部品の回収率を高めることが必要であり、解体作業はいまや部品取りを行うための分解作業へとその形態を変化させつつある。
【0005】
一方、現状の廃自動車処理では、すでに部品取りを行うのに便利な車両反転装置が使用されている(例えば、特許文献1参照)。この車両反転装置は、車体の下面と一方の側面を支持することのできる可動式フレームを備えておりその可動式フレームを略90°回転させれば、可動式フレームに抱かれた車体の下面を水平方向に露出させることができるため、車体下面側からしか取り外すことができないエンジン等の部品の取り外しが容易になる。
【0006】
また、車体を反転させる別の装置として、廃自動車のサイドウインドウ部分にフォークを差し込み、そのフォークを略90°回転させて反転させる装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−43688号公報(第(4)−(5)頁、図1)
【特許文献2】
特開平9−226539号公報(第(3)頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の車両反転装置では、車両の前後方向および車幅方向に配置された梯子状のフレームやカウンタウエイトを必要とするため、反転装置が大規模になるという欠点があり、しかも一対のメインフレームが車体下面を車幅方向に横切っているために車体下面側からの作業が制約を受けるという問題もある。
【0009】
一方、後者の車両反転装置では廃自動車を串刺しにしたフォークによって車体を支持するように構成されているため、前者のものに比べ車体下面が完全に開放され、作業性は向上している。しかしながら、車体を固定する手段を備えていないため、反転する角度によっては廃自動車を安定して支持することができなくなる。
【0010】
また、これら従来の車両反転装置では、車体を反転させて略垂直に起立させるように構成されているため、水平方向からしか解体作業を行えず、例えばエンジンを垂直に降ろしたい場合に作業性が悪いという問題もある。
【0011】
本発明は以上のような従来の車両反転装置における課題を考慮してなされたものであり、簡単な構成で廃自動車を安定保持し、解体作業を簡便に行えるようにした廃自動車反転方法および廃自動車反転装置並びに廃自動車解体設備を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の廃自動車反転装置は、ベースフレームと、廃自動車の車体側面と下面をL字形に支持するフレームであって、上記ベースフレーム上に設けられた支点を中心として水平軸まわりに回転し得る車体支持フレームと、この車体支持フレームを回転させ車体を反転させる反転シリンダと、上記廃自動車のルーフに当接して廃自動車を上記車体支持フレームとの間に挟み込む固定用フレームと、この固定用フレームを駆動する固定用シリンダと、上記固定用フレームに設けられ上記廃自動車のルーフを貫通する貫通具と、上記廃自動車から漏出する廃油を回収する廃油回収部と、前記ベースフレームに敷設されたデッキプレートとを備え、上記廃油回収部は、上記ベースフレームを挟んで車体前後方向の両側にそれぞれ配置されたオイルパンと、これらオイルパンを接続するホースとを備え、上記オイルパンは、当該オイルパン上に落下した廃油を回収可能に構成されているとともに、上記デッキプレート上に落下した廃油を回収可能な状態で上記ベースフレームに着脱可能に取り付けられることを特徴とする廃自動車反転装置。
【0013】
本発明において反転させるとは、水平姿勢にある廃自動車を水平軸まわりに回転させて略垂直姿勢に起立させることを意味する。
【0014】
上記廃自動車反転装置において、上記デッキプレートは、右下がりに傾斜する左側デッキプレートと、左下がりに傾斜する右側デッキプレートと、両デッキプレートの交わる部分である谷部とを備え、上記デッキプレート上に落下した廃油が前記谷部を介して上記オイルパンに導かれるように構成されていることが好ましい。
【0015】
上記廃自動車反転装置において、上記谷部から上記オイルパンへ廃油を排出するための ドレンパイプをさらに備えていることが好ましい。
【0016】
上記反転装置において、上記車体支持フレームは、車体下面を支持するための下面支持フレーム及び補助フレームを有し、この補助フレームが、車体側面を支持するフレームに沿って位置する退避位置と、上記下面支持フレームの上方に当該下面支持フレームと略平行な状態で張り出す張り出し位置との間で移動可能に構成され、下面支持フレームと上記固定用フレームとの間、及び張り出された補助フレームと上記固定用フレームとの間に廃自動車を挟み込むことが可能に構成すれば、車高の高い廃自動車反転装置から車高の低い廃自動車反転装置まで確実に把持できるようになる。
【0017】
また、上記車体支持フレームを、車体下面を支持するフレームとしての水平フレームと車体側面を支持するフレームとしての垂直フレームとで構成し、水平フレームと固定用フレームを、垂直フレームをガイドとして昇降する昇降フレームに設け、その昇降フレームを昇降させる昇降シリンダを備えれば、廃自動車を反転させるだけでなく、リフトさせることも可能になる。
【0018】
また、上記固定用フレーム上に退避する位置と上記固定用フレームの下方に垂下する垂下位置との間で移動可能な可動フレームと、この可動フレームに上記貫通具とは別に設けられた貫通具とを有する貫通具降下装置をさらに備え、この貫通具降下装置を、上記可動フレームを垂下位置とすることにより、上記固定用シリンダ最縮時における上記別の貫通具の高さを一定量下げるように構成すれば、ルーフが潰されたような廃自動車についても確実に把持することができるようになる。
【0019】
また、上記車体下面を支持するフレームは、車体下面における、車体側面を支持するフレーム(垂直フレーム)寄りの一部を支持するように構成することが好ましい。それにより、車体下面側において作業の邪魔となるフレームが存在せず作業性が向上する。
【0020】
また、上記貫通具を少なくとも1本の針状部材で構成するとともに、その針状部材の先端をカバーしておりルーフ貫通時に後退して針状部材を突出させる保護カバーを備えれば、作業者は安全に解体作業を行うことができるようになる。
【0021】
また、上記固定用フレームを、車体側面を支持するフレームをガイドとして昇降自在に構成するとともに廃自動車のルーフの所定範囲を覆う格子状のフレームで構成し、この格子状のフレームの前後方向両端部に設けられる貫通具を着脱式に構成することができる。それにより、廃自動車のルーフを複数の貫通具でバランス良く固定することができ、また、前後に配置されている貫通具がフロントガラスに当たる場合にはそれを取り外して把持することができるようになる。
【0022】
上記反転装置において、反転シリンダによって回転させた車体支持フレームの姿勢を保持する姿勢保持手段を備えることが好ましい。この種の反転装置では、反転させた廃自動車の下方に作業者が入って解体作業を行うため、反転させた廃自動車が落下しないように安全対策を施す必要がある。そこで、姿勢保持手段として、例えば油圧制御や機械的な落下防止やそれらを組み合わせれば、安全に解体作業を行うことができるようになる。
【0023】
また、上記ベースフレームに各シリンダを駆動するための動力源を備えれば、反転装置を移動または設置したときに電源さえ接続すれば即座に反転装置を運転することが可能になる。
【0024】
本発明の廃自動車解体設備は、上記構成を有する廃自動車反転装置のベースフレームにハンガービームが備えられ、このハンガービームにガス切断用ホースリール、エアー工具用ホースリール、吊上装置の少なくともいずれかひとつが取り付けられていることを要旨とする。
【0025】
上記解体設備において、ハンガービームを接続するガイドパイプを、ベースフレームから立設された支柱に軸受部を介して装着して垂直軸まわりに回転できるように構成し、軸受部を、ガイドパイプの胴部内壁の上部および下部で且つ支柱を挟んでそれぞれ反対側に配置した円弧状の摺動パッドで構成すれば、従来のようにころ軸受部の中心にガイドパイプのボス部を嵌合させるといった位置決め作業がなくなり、ハンガービームの組み立てを簡単に行うことができる。
【0026】
また、上記支柱の胴部外壁に、ガイドパイプを支持するための台座部を鍔状に設け、ガイドパイプの下端と上記台座部との間に環状の摺動部材を介装すれば、ハンガービームを円滑に回転させることができるようになる。
【0027】
また、上記ハンガービームを連結ピンを介してガイドパイプに連結するとともに、ハンガービームとガイドパイプの上部とをターンバックルで接続すれば、そのターンバックルを調節するだけでハンガービームの水平姿勢を維持することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の廃自動車解体設備1の全体構成を示したものであり、(a)はタイヤが取り外された廃自動車2を廃自動車反転装置(以下、反転装置と呼ぶ)3にセットした状態を示し、(b)はセットした廃自動車2を反転させた状態を示している。
【0030】
両図において、反転装置3はベースフレーム4上に配置されており、廃自動車2の車体下面を支持する水平フレーム(下面支持フレーム)5と側面を支持する垂直フレーム6とをL字状に配置した車体支持フレーム7を備えている。
【0031】
この車体支持フレーム7は反転シリンダ8を伸縮動作させることによって左右方向に回転するようになっており、車体支持フレーム7を左方向に略90°回転させると、図1(b)に示すように垂直フレーム6が倒伏され、車体2の下面が右方向に露出した状態に反転するようになっている。
【0032】
9は水平フレーム5と対向して配置された固定用フレームであり、固定用シリンダ10を縮小動作させることにより車体ルーフ2aを押さえ付けることができるようになっている。11は固定用フレーム9の押圧側に設けられた針状の貫通具であり、車体ルーフ2aを貫通して固定するようになっている。
【0033】
12は、各シリンダを駆動させるための動力源としてのパワーユニットであり、反転装置3と反対側のベースフレーム4上に備えられている。
【0034】
13は、支柱14を回転軸として矢印A方向に回転することができるハンガービームであり、このハンガービーム13にガス切断用ホースリール15、エアー工具用ホースリール16が備えられている。17は反転装置3を手元で操作するためのペンダントである。
【0035】
図2(a)は反転装置3の平面図、同図(b)はその側面図を示したものである。
【0036】
同図(a)において、18は廃自動車2から漏出する廃油を回収して溜めるための主オイルパンであり、その上面は作業デッキを兼ねている。19はホースを介して主オイルパンに接続されている補助オイルパンであり、同じく上面は作業デッキを兼ねている。
【0037】
以下、各部の構成について詳しく説明する。
【0038】
図3は反転装置3を拡大して示したものである。
【0039】
同図において、水平フレーム5の長さL1は、廃自動車2のマフラー等を取り外す場合に邪魔にならないように略400mmと短く構成されている。一方、垂直フレーム6は固定用フレーム9の昇降をガイドできるように長尺に形成されている。
【0040】
上記水平フレーム5と垂直フレーム6が交わる車体支持フレーム7の角部7aは、ベースフレーム4から立設されたブラケット4aに対し連結ピン20を介して連結されている。
【0041】
ベースフレーム4は、廃自動車2の車体下部から図面左方向に延設された長方形のフレーム(図2(a)参照)からなり、その左側端部と垂直フレーム6との間に反転シリンダ8が架設されている。したがって、垂直フレーム6が垂直に起立している状態で反転シリンダ8のロッド8aを伸縮動作させると、連結ピン20を支点として車体支持フレーム7を右方向に略5°、左方向(矢印B方向)に略90°回転させることができるようになっている。なお、車体支持フレーム7を右方向に若干回転させるのは、廃自動車2を車体支持フレーム7にセットしやすくするためである。
【0042】
ベースフレーム4の周囲には貫通孔を備えたブラケット4bが配設されており、フロアに植設されたアンカーボルト(図示しない)に固定することができるようになっている。
【0043】
また、垂直フレーム6に沿って固定シリンダ10が設けられており、この固定用シリンダ10のロッド先端部10aには、固定用フレーム9の後端部9aが連結されている。そして固定用シリンダ10のロッド10bを伸縮させると固定用フレーム9を矢印C方向に昇降させることができるようになっている。
【0044】
この固定用フレーム9の長さL2は、標準的な乗用車のルーフ(屋根)の幅の略1/2以上に設定されており、その下面(ルーフ押圧側)には図4(a)に示すように貫通具11が下向きに突設されている。
【0045】
通常、自動車のルーフ中央部は薄板のみで構成されているため、ルーフに貫通具11を刺したとしても廃自動車2を反転させるとその自重で薄板が破れ、車体支持フレーム7から廃自動車2が脱落する虞れがある。したがって、固定用フレーム9における貫通具11の取付位置は、ルーフ2aの左右において前後に通っている屋根部フレーム2b(図3参照)の近傍内側を突き刺すことができる位置としている。
【0046】
また、貫通具11にはL字形の保護カバー21が備えられている。この保護カバー21はルーフ2aを突き刺していないときは、貫通具11の先端を覆う位置にあって貫通具11に触れることがないように作業者を保護し、ルーフ2aを突き刺すときには、ルーフ2aにカバー面21aが当接することによって上向きに退避し(図4(b)参照)、貫通具11を露出させるようになっている。
【0047】
なお、9bは固定用フレーム9を垂直フレーム6に沿って移動させるための垂直フレーム部である。
【0048】
図5は、反転シリンダ8を縮小動作させて廃自動車2を傾斜姿勢にした状態を示している。
【0049】
本実施形態の反転装置3は、廃自動車2を水平姿勢から垂直姿勢に移動させて反転させるだけでなく、その中間位置としての傾斜姿勢での解体作業も可能となっている。
【0050】
そのため、反転シリンダ8および固定用シリンダ10に通じる給排路に、姿勢保持手段として図6に示すパイロットチェック弁34,35が組み込まれている。
【0051】
図6において、モータ30で駆動する油圧ポンプ31から吐出される圧油は、制御弁32を通じて固定用シリンダ10に、制御弁33を通じて反転シリンダ8にそれぞれ供給される。
【0052】
詳しくは、制御弁32を中立位置aから上昇位置bに切り換えると、圧油が固定用シリンダ10のヘッド側油室10aに供給され、固定用シリンダ10が伸長し、固定用フレーム9が上昇する。この逆に、中立位置aから下降位置cに切り換えると、圧油が固定用シリンダ10のロッド側油室10bに供給され、固定用シリンダ10が縮小し、固定用フレーム9が下降する。
【0053】
制御弁33を中立位置dからセット位置eに切り換えると、圧油が反転シリンダ8のヘッド側油室8aに供給され、反転シリンダ8が伸長し、車体支持フレーム7は廃自動車セット位置に回転する。この逆に、中立位置dから反転位置fに切り換えると、圧油が反転シリンダ8のロッド側油室8bに供給され、反転シリンダ8が縮小し、車体支持フレーム7が反転動作を開始する。
【0054】
各シリンダ8および10に通じる給排路にはパイロットチェック弁34および35が介設されている。
【0055】
パイロットチェック弁34において、一方のパイロットチェック弁34aは、他方のパイロットチェック弁34b側の回路圧の上昇によって、また、他方のパイロットチェック弁34bは、一方のパイロットチェック弁34a側の回路圧の上昇によって開かれる構成であるため、固定用シリンダ10は制御弁32が操作されないときはそのパイロットチェック弁34a,34bによって作動が阻止される。それにより、固定シリンダ10が伸長して貫通具11が車体のルーフ2aから抜けることによって、廃自動車2が車体支持フレーム7から落下するというトラブルを防止することができる。
【0056】
また、反転シリンダ8についても上記と同様にパイロットチェック弁35が機能するため、反転シリンダ8は制御弁33が操作されないときはそのパイロットチェック弁35a,35bによって作動が阻止され、それにより、例えば車体支持フレーム7を傾斜させた状態で反転シリンダ8を停止させるとその傾斜姿勢が保持される。
【0057】
なお、図中36はタンク、37はフィルタ、38はリリーフ弁である。
【0058】
また、制御弁32の操作レバー32aと制御弁33の操作レバー33aとは操作を間違わないように異なる長さにすることが好ましく、さらにグリップについても色分けすることが安全上好ましい。
【0059】
また、上記実施形態では制御弁32,33を手動操作する構成について説明したが、これに限らず、ペンダント17でリモート操作(後述する)するようにしてもよく、また、遠隔操作(リモコン操作)するように構成することもできる。
【0060】
また、図7は図6に示した姿勢保持手段を別の油圧回路で構成したものである。
【0061】
なお、図6と同じ構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0062】
図7において、図6と異なる点は、反転シリンダ8のロッド側に背圧がかかるようにカウンタバランス弁39を設けていることである。
【0063】
反転させた廃自動車2を元の水平姿勢に戻す場合、廃自動車2の自重によって反転シリンダ8が油圧ポンプ31からの吐出流量以上の速度で伸びようとする。そこで、このカウンタバランス弁39を設けることにより、反転シリンダ8に加わる下降方向の廃自動車2の荷重とバランスさせることができ、ポンプ吐出流量以上の速度で反転シリンダ8が作動することを防止することができる。なお、40はパイロットチェック弁である。
【0064】
また、反転シリンダ8のヘッド側のパイロットチェック弁40の開口を小さくして絞り効果を持たせることによっても反転シリンダ8の急速降下を防止することができる。
【0065】
図5に戻って説明する。
【0066】
また、垂直フレーム6の上部にはチェーン41の一方端を接続するための接続金具6aが備えられており、この接続金具6aに一方端を接続したチェーン41の他方端を、ベースフレーム4の図中左側端部に立設されたチェーンフック4cに係合することができるようになっている。
【0067】
チェーンフック4cは、チェーン41のリング部を挿通できる太さに構成されているため、チェーン41を緊張させた状態でチェーン41を構成している一つの環状輪をチェーンフック4cに引っかけることができる。それにより、車体支持フレーム7が矢印C方向に回転して廃自動車2が降下することを防止するようになっている。
【0068】
さらに、ラチェット装置42は廃自動車2の降下を二重に防止するために設けられるものであり、車体支持フレーム7の支点部分に設けられたつめ車42aと、そのつめ車42aに係止し得るもどり止め42bと、そのもどり止め42bをつめ車42aに対して係止または係止解除させる操作レバー42cとから構成されている。
【0069】
上記チェーン41およびラチェット装置42は、図6,7に示した油圧による姿勢保持手段の代わりに設けられるものであるが、油圧による姿勢保持手段と併用すれば、より安全性を高めることができる。このように、車体支持フレーム7は姿勢保持手段によって降下が防止されているため、廃自動車2を水平姿勢(略0°)から反転姿勢(略90°)の間の任意の角度に保持させて安全に解体作業を行うことができるようになっている。
【0070】
図8は、車体を垂直に持ち上げるリフト機構を付加した反転・リフト装置50を示したものである。
【0071】
廃自動車2からエンジンや足回り部品を取り外す場合には図1(b)に示したように車体を90°反転させ、解体部品を固定しているボルトを緩めたり、締結金具をガスで切断して取り外す。
【0072】
この場合、エンジンを再利用する場合はその付属部品を傷つけないようにして取り外さなければならない。そのため、エンジンを固定している金具については完全に切断してしまわず若干残しておき、図5に示した傾斜姿勢まで戻してから残りの金具を切断するようにしている。
【0073】
ところが、廃自動車2が傾斜姿勢であるとエンジンが外れにくく作業性が悪い。そこで、本実施形態のリフト機構によって廃自動車2を水平にしたまま持ち上げることによってスムーズにエンジンを取り外すことを可能にして作業性を大幅に改善している。
【0074】
このような目的を達成するために構成された反転・リフト装置50は、水平フレーム5と固定用フレーム9が廃自動車2を挟んだまま一定高さまで上昇できるように構成されている。51は固定用シリンダであり、52は後述するリフトシリンダである。
【0075】
その構成を図9を参照しながら説明する。
【0076】
同図(a)は反転・リフト機構50を構成している固定用フレーム9の平面図、同図(b)は水平フレーム5の平面図、同図(c)は図8のD−D矢視図であり、全体の構成を示している。
【0077】
まず図9(b)および(c)において、垂直フレーム53a,53bはC形鋼からなり、開口を内側に向けて対向配置されている。両垂直フレーム53a,53bは、水平方向に配置された第一ビーム53cおよび第二ビーム53dによって梯子状に接続されている。
【0078】
この垂直フレーム53a,53bの内側に昇降フレーム54が配置されており、この昇降フレーム54は、垂直フレーム53a,53bに沿って配置される縦フレーム54a,54bを有し、水平方向に配置された上側ビーム54c、リフトビーム54dおよび下側ビーム54eによって梯子状に接続されている。上記縦フレーム54a,54bもC形鋼からなり、開口を内側に向けて対向配置されている。
【0079】
縦フレーム54aから外向きに(図の左方向に)突出して配置された上下の各ローラ54f,54g、および縦フレーム54bから外向きに(図の右方向に)突出して配置された上下の各ローラ54f,54gは、それぞれ垂直フレーム53aおよび53bの溝内を転動するように構成されている。また、リフトビーム54dと第一ビーム53cにはリフトシリンダ52が上下に架設されており、このリフトシリンダ52が伸長すると、昇降フレーム54は垂直フレーム53をガイドとして上昇し、二点鎖線で示した位置(54c′参照)まで上昇するようになっている。
【0080】
図9(b)において、下側ビーム54eには廃自動車搭載側に向けて一対の水平フレーム5,5が平行して取り付けられているが、廃自動車2をリフトする場合には各水平フレーム5,5に廃自動車2の落下防止対策として延長フレーム55,55を連結する。
【0081】
この延長フレーム55の基端部55aは、水平フレーム5に被せられるように筒状に構成されており、固定ピン56を基端部55aと水平フレーム5とに貫通させることにより、延長フレーム55を水平フレーム5に固定するようになっている。延長フレーム55が連結されると、図8に示したように廃自動車2の下面全体を支持することができるようになり、たとえ、廃自動車2を揺らして部品を取り外すような作業を行っても廃自動車2の落下を確実に防止することができる。
【0082】
図9(a)において、固定フレーム9は、縦フレーム54a,54bの溝内を摺動し得る垂直フレーム部9bを水平に接続している可動ビーム9cを有し、この可動ビーム9cに対して台形に組まれたルーフ押圧フレーム9dが固定されている。なお、9eは補強フレームであり、9gはその補強フレーム9eに設けられた貫通具11の取付位置を示している。
【0083】
上記の構成によって図8に示した反転・リフト装置50は、廃自動車2を反転させることができるとともに、リフトアップさせることも可能であり、解体作業の効率を大幅に向上させることができるようになっている。
【0084】
図10は、図3に示した反転装置1の上方に手動で旋回させることができるハンガービーム13を設け、そのハンガービーム13に廃自動車2から部品等を取り外すためのエアー工具用ホースリール16、ガス切断用ホースリール15を備えたものである。
【0085】
反転装置1周辺の床面は漏出する油脂類で汚れる場合が多い。このような床面にエアー工具やガス切断機のホースを這わすと工具やホースが汚れてしまう。また、床面は作業者や歩行したりフォークリフトが走行するため、床面にホース類を放置することは危険でもある。
【0086】
そのため、本実施形態ではエアー工具用ホースリール16とガス切断用ホースリール15をハンガービーム13に集合して吊り下げるように構成している。また、支柱14は手動で矢印A方向に旋回させることができるため、工具を使用する際に作業エリアの制限を受けることがなく、作業位置を移動することができる。それにより、例えば作業ヤード内に既設の天井クレーンがあるような場合にも、その天井クレーンを避けた位置にハンガービーム13を移動させることができる。
【0087】
また、ハンガービーム13には上記したエアー工具用ホースリール16、ガス切断用ホースリール15に限らず、電動工具や照明用のコードリール等を吊り下げることもできる。
【0088】
図11はさらにホイスト60を装備した構成を示したものである。
【0089】
ホースリールを吊り下げるハンガービーム13とホイスト60を別々に設置することができないような例えば作業スペースに制約がある場合、それらを集合配置するためにジブクレーン61を設置することができる。このジブクレーン61のビーム61aにホイスト60を走行可能に取り付ければ、取り外したエンジン等の重量部品を吊り上げることができるようになる。
【0090】
また、エアー工具用ホースリール16、ガス切断用ホースリール15はビーム61aと平行してその横側に設けられビーム61bに沿って移動することができるようになっている。なお、ビーム61bはホイスト60の邪魔にならないように接続ビーム61cによって離間配置されている。
【0091】
このように構成すれば、限られたスペースでホースリールとホイストの両方を装備できるようになる。もちろん、ジブクレーン61にホイスト60のみを装備してもよい。
【0092】
図12(a)は、廃自動車2下方のベースフレーム4に取り付けられる主オイルパン18、補助オイルパン19を拡大して示したものであり、同図(b)は図12(a)のE−E矢視断面を示したものである。
【0093】
図12(a)において、主オイルパン18と補助オイルパン19は、ベースフレーム4を挟んで車体前後方向の両側に配置されており、作業中に漏出した廃油をまず主オイルパン18に導き、その主オイルパン18内の廃油が満杯になると超過分をホース20を通じて補助オイルパン19に回すようになっている。
【0094】
主オイルパン18は、浅箱状の外側容器18aと、その外側容器18a内に格子状に配置された補強フレーム18b,18cと、このフレーム18b,18c上に敷設される縞鋼板からなるデッキプレート18(3枚のプレート18d,18e,18fから構成される)とから主として構成されている。上記デッキプレート18は作業者が作業を行うために乗る作業用デッキとして機能する。
【0095】
外側容器18aとデッキプレート18との間には隙間Fが形成されており、デッキプレート18上に落下した廃油はその隙間Fを通して外箱容器18a内に回収される。
【0096】
また、外箱容器18aの底板は右下がりに傾斜しており、回収された廃油は外箱容器18aの右側から溜まっていくようになっている。
【0097】
この主オイルパン18の後部側壁18gは、ベースフレーム4に対して複数本のボルト(図示しない)で接続されるようになっており、ボルトを緩めてベースフレーム4から取り外すと反転装置1は、トラックの荷台に積めるサイズになる。一方、主オイルパン18はフォークリフトで搬送することができる。
【0098】
また、ベースフレーム4にはパワーユニット12が搭載されているため、移動先で両オイルパン18,19を取り付け、電源さえ接続すれば移動先で直ちに廃自動車反転装置1を操作することが可能になる。それにより場所を選ばず解体作業を行うことが可能になり、また、既設の工場内にも設置することが可能になる。
【0099】
また、補助オイルパン19は主オイルパン18と同じ構成からなり、解体作業時にはベースフレーム4に接続され、搬送時には取り外される。
【0100】
ベースフレーム4についてもデッキプレート21が敷設されており、このデッキプレート21上に落下した廃油は主オイルパン18に導かれるようになっている。
【0101】
具体的には、図12(b)に示すように、左側デッキプレート21aは右下がりに傾斜され、右側デッキプレート21bは左下がりに傾斜され、両デッキプレートが交わる谷部21cの一方に廃油を排出するためのドレンパイプ22が設けられ、このドレンパイプ22の先端部は、主オイルパン18の上方に突出した状態で配置されている。なお、ドレンパイプ22の先端部は、継手を介して主オイルパン18に接続してもよい。
【0102】
なお、図中23,23は、左側デッキプレート21a上の廃油を右側デッキプレート21bに導くための連絡パイプである。
【0103】
このように本実施形態では廃自動車2から流出した廃油を一カ所に集めて回収するように構成しているため、流出した廃油で作業エリアが汚染されず作業環境を清潔に保つことができ、しかもガス切断作業の火花が引火して火災の発生する虞れもない。
【0104】
図13は、オープントップのスポーツカーを反転させる場合を示している。
【0105】
この場合、貫通具11を車体ルーフに突き刺すことができないため、チェーン62で車体を拘束することにより反転を行う。
【0106】
詳しくは、水平フレーム5の先端部にはチェーン62を固定する固定金具63が設けられている。この固定金具63にチェーン62の一方端を固定し、そのチェーン62を廃自動車2の車体に巻き付け、他方端を、垂直フレーム6の略中間部に備えられたチェーン係止部64に係止させるようになっている。
【0107】
この場合、チェーン62にテンションを与えるため、レバーロックを使用することが好ましい。
【0108】
なお、上記実施形態において、反転シリンダ8と固定用シリンダについて仕様が同じものを使用すれば、部品の種類が増えることを避けてコストダウンを図ることができる。
【0109】
また、固定用フレーム9に例えば電磁石を取り付け、貫通具11で貫通するルーフ部分をその電磁者で吸着するように構成すれば、廃自動車2をより確実に固定することができるようになる。
【0110】
また、貫通具11はルーフ2aを貫通させることができるものであれば、針状に限らず、例えばのみ刃状であってもよく、また、鋸刃状であってもよい。
【0111】
図14〜図16は、図3に示した車体支持フレーム7の別の実施形態を示したものである。
【0112】
図3に示した固定用フレーム9は、車高の高い例えばワゴン車を上下に挟むことができるようにその配置が決められている。ところが、廃自動車の中にはスポーツカー等のように車高の低いものもあり、固定用フレーム9を降下させた場合に、貫通具11がそのルーフに届かないかまたは貫通が不十分になる場合がある。
【0113】
そこで、図14に示す車体支持フレーム7は、車高の高い廃自動車から車高の低い廃自動車まで確実に挟み込んで固定することができるように構成されている。
【0114】
一対の水平フレーム5と一対の垂直フレーム6を有する車体支持フレーム7は、基本的に図3に示したものと同じ構成からなり、垂直フレーム6の下部にはブラケット7bが左向きに延設されており、このブラケット7bは、ベースフレーム4から立設されたブラケット4aに対し連結ピン20を介して連結されている。
【0115】
この車体支持フレーム7についても、図示しない反転シリンダを伸縮させることにより、連結ピン20を支点として左右方向(G方向)に回動させることができるようになっている。
【0116】
また、垂直フレーム6に沿って固定シリンダ10が設けられ、この固定用シリンダ10のロッド先端部10aには、固定用フレーム9の後端部9aが連結されている。それにより、固定用シリンダ10のロッド10bを伸縮させると固定用フレーム9を矢印C方向に昇降させることができるようになっている。
【0117】
一方、各垂直フレーム6の下部には、その垂直フレーム6に沿って格納された格納位置(図中、実線で示す)と、垂直フレーム6から直角方向に突出する張り出し位置(図中、二点鎖線で示す)との間で回動し得る補助フレーム70が設けられている。
【0118】
図15はその補助フレーム70を拡大して示したものであり、同図(a)は図14に示す補助フレーム70をH方向から見た断面図、同図(b)は補助フレーム70の拡大正面図である。
【0119】
両図において、補助フレーム70には第1〜第3の貫通孔70a〜70cが縦に並んで穿設されており、下端側に近い第2の貫通孔70bには支持ピン71が装着されている。
【0120】
この支持ピン71は垂直フレーム6に設けられた支持孔6bに挿入され割ピン72を用いてその垂直フレーム6に固定されている。それにより、補助フレーム70は支持ピン71を支点として回動できるようになっている。
【0121】
また、補助フレーム70上端側の第一の貫通孔70aには抜き差し自在の脱着ピン73が挿入され、この脱着ピン73は、垂直フレーム6に設けられた貫通孔6cに挿入されスプリングピン74を介して仮止めされている。
【0122】
さらに、補助フレーム70の下端側の第三の貫通孔70cは、補助フレーム70が水平方向に張り出された際に使用される。
【0123】
以下、図16を参照しながら補助フレーム70の動作について説明する。
【0124】
同図(a)は格納状態、同図(b)は張り出し状態を示している。
【0125】
車高の低い廃自動車を反転する場合、まず格納状態にある補助フレーム70から脱着ピン73を抜き取る。この状態で補助フレーム70は支持ピン71を支点として回動できる状態となる。
【0126】
補助フレーム70をI方向に回転させて水平位置まで移動させると、同図(b)に示すように、第三の貫通孔70cと、ブラケット7bに形成されている貫通孔7b′とが対向する。
【0127】
その第三の貫通孔70cと貫通孔7b′とに、上記抜き取った脱着ピン73を挿入することにより、補助フレーム70は水平に張り出された状態で固定される。
【0128】
張り出された補助フレーム70は、水平フレーム5の上方でその水平フレーム5と平行な状態に保持されるようになっている。その結果、廃自動車を支持する位置が高さh分、かさ上げされることになり、車高の低い廃自動車についても把持することができるようになる。
【0129】
なお、支持ピン71の取付位置は、対象となる車高の低い廃自動車に応じて適宜設定される。
【0130】
図17〜図19は、図3に示した固定用フレーム9の別の実施形態を示したものである。
【0131】
図17において、固定用フレーム80は、垂直フレーム6内を摺動する摺動部80a,80bと、これらの摺動部80aおよび80bを前後方向に接続している可動ビーム80cを有しており、この可動ビーム80cに対し平面から見て台形に組まれた外枠フレーム80dが取り付けられている。なお、80eは外枠フレーム80d内にH状に設けられた補強フレームである。この固定用フレーム80は全体として格子状に形成されている。
【0132】
80f,80gは固定用フレーム80から垂下された貫通具であり、溶接によって固定されている。これらの貫通具80f,80gには、図4に示した貫通具11と同様に、保護カバー21を設けることが好ましい。
【0133】
一方、外枠フレーム80dの前後に配置される貫通具80h,80iについては、必要に応じて取り付け、または取り外しができるようになっている。
【0134】
セダンタイプの廃自動車を固定する場合、貫通具80h、80f、80gによる三角形の配置パターンか、または貫通具80i、80f、80gによる三角形の配置パターンのいずれかのパターンによって廃自動車を固定すれば、反転時のずれが発生せず、確実に廃自動車を把持することができる。
【0135】
なお、取り外される貫通具80hまたは80iは、車体支持フレーム7に対し廃自動車が配置される方向によって決まる。すなわち、図2(b)に示したように廃自動車2が前向きに配置される場合には、貫通具80hがフロントガラスに当たるため、その貫通具80hを取り外す。これとは逆に、廃自動車2が後向きに配置される場合には貫通具80iがフロントガラスに当たることになるため、貫通具80iが取り外される。
【0136】
また、ワンボックスカーのようにルーフが広囲で構成されている廃自動車では、貫通具80h,80iの双方を取り付け、4本の貫通具80f,80g,80h,80iで固定することもできる。
【0137】
図18は上記貫通具80h,80iの構成を示したものであり、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図、同図(c)は底面図である。
【0138】
貫通具80hを代表して説明すると、貫通具80hは、針部81と、その針部81上端に起立した状態で且つ全体としてT字状となるように固定された取付用プレート82と、この取付用プレート82に設けられた二つの固定用孔(図示しない)とを有し、それらの各固定用孔にボルト83を挿入し、挿入したボルト83を、ルーフ押圧フレーム80dに設けられた雌ねじ部84に螺合することにより、貫通具80hをルーフ押圧フレーム80dに取り付けることができるようになっている。なお、上記と逆の手順を実行すれば貫通具80hを取り外すことができる。
【0139】
図19は上記貫通具80hの別の形態を示したものであり、同図(a)から(c)は、図18の(a)〜(c)に対応している。
【0140】
同図に示す貫通具80hも着脱可能に構成されており、外枠フレーム80dを貫通する針部85と、この針部85上端に横にして固定される取付用プレート86と、この取付用プレート86に設けられた二つの固定用孔(図示しない)とを有し、それらの各固定用孔にボルト87を下向きに挿入し、挿入したボルト87を、外枠フレーム80dに設けられた雌ねじ部88に螺合することにより、貫通具80hを外枠フレーム80dに取り付けることができるようになっている。
【0141】
次に、図20は、さらに車高の低い廃自動車を把持するための機構を示したものである。
【0142】
廃自動車の運搬時において、一台のトラックで運搬する台数を増やすためにルーフを潰して運搬する場合がある。
【0143】
このようにルーフが潰された廃自動車は通常の廃自動車に比べて車高が著しく低くなっている。一方、固定用シリンダ10を縮小させるストロークには限界があるため、廃自動車のルーフに対して固定用フレームが届かず貫通具11で固定できない場合が発生する。
【0144】
このような不都合を解消するため、固定用シリンダ10最縮時の貫通具の高さを一定量下げることのできる貫通具降下装置を図20に示す。
【0145】
同図(a)は図20(b)のJ−J矢視平面図であり、同図(b)は正面図である。
【0146】
両図において、固定フレーム80は図17に示したそれと基本的に同じものである。ただし、着脱式の貫通具80h,80iは取り外されている。
【0147】
外枠フレーム80dの右側先端部には二組のブラケット80j,80jが右方向に突出して設けられ、これらのブラケット80j,80jに対し、連結ピン90を介して補助押えフレーム(可動フレーム)91が連結されている。
【0148】
この補助押えフレーム91は箱状に組まれたフレームからなり、上部には左右方向に配置される一対のフレーム91a,91bと、これらのフレーム91aおよび91bを前後方向に接続する接続フレーム91c,91dとが窓枠状に配置されている。
【0149】
上記窓枠状に配置されたフレーム91a〜91dは補助押えフレーム91の下部にも配置されており、上下の窓枠状のフレームは4本の支柱91e〜91hによって接続されている。
【0150】
また、上側と下側の接続フレーム91cの中央にはそれぞれ貫通具(別の貫通具)92,93が外向きに固定されている。
【0151】
貫通具降下装置は上記補助押えフレーム91と貫通具92,93とから構成される。
【0152】
支柱91gと支柱91hには水平方向に一対の固定用ブラケット94,94が延設され、各固定用ブラケット94,94の先端部には貫通孔94aが設けられている。
【0153】
支柱91g,91hの下部からは上記固定用ブラケット94と平行にブラケット95,95が延設されており、これらのブラケット95,95は上述したブラケット80j,80jに対して連結ピン90を介し連結されている。
【0154】
なお、96は外枠フレーム80d上に退避させた補助押えフレーム91を固定しておくためのブラケットであり、接続フレーム80eから上向きに突設されたブラケット80k,80kに対し固定ピン97を介して固定されるようになっている。
【0155】
次に、上記構成を有する補助押えフレーム91の動作について説明する。
【0156】
ルーフの潰された廃自動車を把持する場合、まず、固定ピン97を取り外し、連結ピン90を支点として補助押えフレーム91を矢印K方向に回転させる。
【0157】
補助押えフレーム91を略270度回転させると、補助押えフレーム91は外枠フレーム80dの上側からその下側に移動し、補助押えフレーム側のブラケット94,94に形成されている貫通孔94aが外枠フレーム側のブラケット80k,80kに形成されている貫通孔(図示しない)と対向する。
【0158】
この状態でブラケット94の貫通孔94cとブラケット80kの貫通孔とに、先に取り外した固定ピン97を差し込めば、補助押えフレーム91が外枠フレーム80dの下方に垂下した状態で固定される。
【0159】
次に、図21に示すように、廃自動車2を車体支持フレーム7の水平フレーム5上に載置し、固定用シリンダ10を伸縮させると、補助押えフレーム91の下部に固定された貫通具92,93が、ルーフが潰されて車高が低くなって廃自動車2を確実に保持する。なお、図21では固定用シリンダ10のロッドが最も縮小された状態を示している。
【0160】
このように、車体支持フレーム7に補助押えフレーム91を備えた構成によれば、通常の廃自動車を反転させる場合には、補助押えフレーム91を外枠フレーム80dの上側に退避させておき、固定用シリンダ10を縮小させることにより、外枠フレーム80dに固定されている貫通具80g,80fによって廃自動車を把持することができる。また、ルーフが潰された状態の廃自動車を反転させる場合には、補助押えフレーム91を外枠フレーム80dの下側に移動させて垂下した状態に固定し、その補助押えフレーム91に設けられている貫通具92,93によって廃自動車2を把持することができる。それにより、廃自動車の車高が大幅に変動する場合であっても、確実に廃自動車を把持して反転することができるようになる。
【0161】
なお、シリンダストロークの最縮長さを短くするものとしてテレスコピック形の多段シリンダが知られている。この種の多段シリンダによってルーフの潰された車高の低い廃自動車に対応することができる場合には、上述した補助押えフレーム91に代えてその多段シリンダを固定用シリンダとして使用することができる。
【0162】
また、処理する廃自動車の車高が大幅に変動する場合には、上記多段シリンダと上記補助押えフレーム91とを組み合わせることもできる。
【0163】
次に、図1に示したハンガービーム13の構成について説明する。
【0164】
ハンガービーム13は、支柱14を回転軸として回転するように構成されているが、その回転構造は例えば図22に示すように、支柱14にガイドパイプ100を装着することによって構成することができる。
【0165】
詳しくは、支柱14の上端部に円すいコロ軸受101が備えられ、この円すいコロ軸受け101にガイドパイプ100の上端部から下向きに突出するボス102が嵌め込まれる。なお、ガイドパイプ100の下部にはパッド103が設けられ、このパッド103は、支柱14の胴部外壁と摺動しながらガイドパイプ100を回転させるようになっている。
【0166】
上記した回転構造は、ガイドパイプ100を支柱14に装着するとき、ガイドパイプ100側のボス102と円すいコロ軸受101との位置決めがしづらいため、組み立てが困難である。しかもガイドパイプ100を装着しても円すいコロ軸受101の中心部にボス102が正しくはめ込まれたかどうかを確認することができない。
【0167】
図23は、上記回転構造を改良したものであり、この回転構造は、支柱14と、この支柱14に装着されるガイドパイプ104とを有し、ガイドパイプ104の下端を支持するための台座部105が支柱14に取り付けられている。
【0168】
この台座部105は支柱14から水平方向に鍔状に形成されており、この台座部105の上面には環状の樹脂製パッド(摺動部材)106が装着されている。このパッド106はガイドパイプ104と台座105との摩擦抵抗を減少させてスムーズな回転を得るためのものである。
【0169】
また、ガイドパイプ104の内壁上部には第1パッド(摺動パッド)107がねじで固定され、内壁下部には第2パッド(摺動パッド)108がねじで固定されている。
【0170】
上記第1パッド107と第2パッド108は同じ構成の樹脂成形品からなり、互いに支柱14を介して反対方向に、すなわち、ガイドパイプ104において反力を受ける位置にそれぞれ取り付けられ、軸受部として機能している。
【0171】
各パッド107,108は皿ボルト109と袋ナット110を用いてガイドパイプ104に固定される。
【0172】
また、カバー104aは、ガイドパイプ104にパッド107を固定した後に取り付けられるようになっている。詳しくは、ガイドパイプ104の胴部内壁の上側周縁にナット111aが等間隔に固定されており、取付孔を備えたカバー104aで蓋をした後、ボルト111bを各ナット111aに螺合させることにより、カバー104aをガイドパイプ104に一体に固定している。
【0173】
なお、112はターンバックルであり、113はハンガービームである。
【0174】
図24は上記第1パッド107を代表してその構成を示したものであり、同図(a)は第1パッド107の平面図、同図(b)は図24(a)のL−L矢視断面図である。
【0175】
両図において、第1パッド107は中心角100°の円弧状部材からなり、皿ボルト109取付用の孔部114が3箇所形成されている。なお、第1パッド107の中心角を100°以上にするとガイドパイプ104をより安定した状態で支柱14に保持させることができるが、180°を超えるとガイドパイプ104を装着する際の作業性が悪くなる。したがって、第1パッド107の中心角は100°〜180°の範囲内で選択することが好ましい。
【0176】
また、第1パッド107の摺動面107aにおける上下角部にはそれぞれ面取り部107bが形成されており、ガイドパイプ104を支柱14に装着しやすくなっている。
【0177】
上記した第1パッド107および第2パッド108を有する軸受部によれば、ガイドパイプ104を支柱14に装着する際に、ガイドパイプ104を若干斜めにして装着することができるため、ガイドパイプ104の取り付けが容易になる。
【0178】
図25は上記回転構造を有するハンガービーム113の全体構成を示したものである。
【0179】
同図に示すハンガービーム113は、連結ピン113aを介してガイドパイプ104に連結されており、このハンガービーム113を水平に保持するためのターンバックル112がハンガービーム113の先端寄り部とガイドパイプ104の上部とに架設されている。
【0180】
それにより、組み立て時やパッド107,108の摩耗等によりハンガービーム113の水平姿勢が維持できなくなった場合には、ターンバックル112を調節することにより水平姿勢に戻すことができるようになっている。
【0181】
なお、図中、115はガス切断用のリールホース、116はエアー工具用のホースリール、117は反転装置3を手元で操作するためのペンダントである。
【0182】
【発明の効果】
請求項1の本発明によれば、廃自動車の車体側面と下面をL字形に支持し水平軸まわりに回転する車体支持フレームと、廃自動車のルーフを押圧する固定用フレームとによって廃自動車を挟み込み、この固定用フレームに設けられた貫通具によって廃自動車のルーフを貫通して固定するように構成したため、簡単な構成で廃自動車を安定保持し、解体作業が簡便に行えるという長所を有する。
【0183】
また、本発明によれば、上記ベースフレームに、廃自動車から漏出する廃油を回収する廃油回収部を備えたため、作業フロアを汚染することなく解体作業を行うことができる。
【0184】
さらに、本発明によれば、搬送時において各オイルパンをベースフレームから取り外してトラックの荷台に積めるサイズとすることができる。
【0185】
請求項4の本発明によれば、必要に応じ、車体下面を支持する下面支持フレームの上方にその下面支持フレームと略平行な状態で補助フレームを張り出すことができるため、車高の高い廃自動車反転装置から車高の低い廃自動車反転装置まで確実に把持できる。
【0186】
請求項5の本発明によれば、水平フレームと固定用フレームを、垂直フレームをガイドとして昇降できるように構成したため、廃自動車を反転させるだけでなく、リフトさせることも可能になる。
【0187】
請求項6の本発明によれば、固定用シリンダ最縮時の貫通具の高さを一定量下げる貫通具降下装置を備えたため、ルーフが潰されたような廃自動車についても確実に把持することができる。
【0188】
請求項7の本発明によれば、車体下面を支持するフレームは、車体下面における車体側面を支持するフレーム寄りの一部を支持するように構成したため、車体下面側において作業の邪魔となるフレームが存在せず、解体作業を簡便に行うことが可能になる。
【0189】
請求項8の本発明によれば、貫通具を少なくとも1本の針状部材で構成し、その針状部材の先端に保護カバーを備えたため、作業者は安全に解体作業を行うことができる。
【0190】
請求項9の本発明によれば、固定用フレームを格子状のフレームで構成し、この格子状のフレームの前後方向両端部に設けられる貫通具を着脱式に構成したため、廃自動車のルーフに複数の貫通具をバランス良く貫通させて確実に把持することができ、また、前後に配置されている貫通具がフロントガラスに当たる場合にはそれを取り外して把持することができるようになる。
【0191】
請求項10の本発明によれば、反転シリンダによって回転させた車体支持フレームの姿勢を保持する姿勢保持手段を備えたため、反転途中の傾斜姿勢であっても廃自動車の姿勢を安定して保持することができる。
【0192】
請求項11の本発明によれば、ベースフレームに各シリンダを駆動するための動力源を備えたため、反転装置を移動または設置したときに電源さえ接続すれば即座に反転装置を運転することが可能になる。
【0193】
請求項12の本発明によれば、廃自動車反転装置のベースフレームにハンガービームを備え、このハンガービームにガス切断用ホースリール、エアー工具用ホースリール、吊上装置の少なくともいずれかひとつが取り付けられるように構成したため、常に整理された作業環境で解体作業を行うことができる。
【0194】
請求項13の本発明によれば、ハンガービームの組み立てを簡単に行うことができる。
【0195】
請求項14の本発明によれば、ハンガービームを円滑に回転させることができる。
【0196】
請求項15の本発明によれば、ハンガービームとガイドパイプの上部とをターンバックルで接続したため、そのターンバックルを調節するだけでハンガービームの水平姿勢を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の廃自動車反転装置の全体構成を示したものであり、(a)は車体が水平にある状態を示した正面図、(b)は反転させた状態を示した正面図である。
【図2】 (a)は廃自動車反転装置の平面図、(b)は側面図である。
【図3】 廃自動車反転装置に廃自動車をセットした状態を示す正面図である。
【図4】 固定用フレームを拡大して示したものであり、(a)は針が安全カバーで保護された状態を示す正面図、(b)は安全カバーが退避して針が露出した状態を示す正面図である。
【図5】 車体支持フレーム7を回転させて廃自動車を傾斜姿勢にした状態を示す正面図である。
【図6】 反転装置を制御する油圧回路である。
【図7】 反転装置を制御する別の油圧回路である。
【図8】 リフト機能を備えた車体支持フレームの構成を示す正面図である。
【図9】 図8の車体支持フレームの構成を示したものであり、(a)は固定用フレームの平面図、(b)は水平フレームの平面図、(c)は昇降フレームの側面図である。
【図10】 エアー工具用ホースリールとガス切断用ホースリールを配置した正面図である。
【図11】 エアー工具用ホースリール、ガス切断用ホースリールに加えてホイストを配置した正面図である。
【図12】 (a)はベースフレームに取り付けられたオイルパンの構成を示す平面図、(b)は同図(a)のE−E矢視断面図である。
【図13】 オープントップの車体を反転させる場合の構成を示した正面図である。
【図14】 補助フレームの取付状態を示す正面図である。
【図15】 (a)は補助フレームの拡大側面図、(b)は拡大正面図である。
【図16】 (a)は補助フレームの格納状態を示す説明図、(b)は張り出し状態を示す説明図である。
【図17】 固定用フレームに設けられる貫通具の配置を示す平面図である。
【図18】 (a)は図17に示す着脱式貫通具を拡大した正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図19】 (a)は着脱式貫通具の別の形態を示す正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図20】 (a)は補助押えフレームの構成を示す平面図、(b)は正面図である。
【図21】 補助押えフレームの使用状態を示す正面図である。
【図22】 ハンガービームが接続されるガイドパイプの組立構造を示す一部切欠きを有する正面図である。
【図23】 ガイドパイプの構造を拡大して示す断面図である。
【図24】 (a)はガイドパイプに取り付けられるパッドの構成を示す平面図、(b)はそのL−L断面図である。
【図25】 図23に示すガイドパイプに接続されるハンガービームの全体構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1 廃自動車解体設備
2 廃自動車
2a 車体ルーフ
3 反転装置
4 ベースフレーム
5 水平フレーム
6 垂直フレーム
7 車体支持フレーム
8 反転シリンダ
9 固定用フレーム
10 固定用シリンダ
11 貫通具
12 パワーユニット
13 ハンガービーム
14 支柱
15 ガス切断用ホースリール
16 エアー工具用ホースリール
17 ペンダント
18 主オイルパン
19 補助オイルパン
Claims (15)
- ベースフレームと、廃自動車の車体側面と下面をL字形に支持するフレームであって、上記ベースフレーム上に設けられた支点を中心として水平軸まわりに回転し得る車体支持フレームと、この車体支持フレームを回転させ車体を反転させる反転シリンダと、上記廃自動車のルーフに当接して廃自動車を上記車体支持フレームとの間に挟み込む固定用フレームと、この固定用フレームを駆動する固定用シリンダと、上記固定用フレームに設けられ上記廃自動車のルーフを貫通する貫通具と、上記廃自動車から漏出する廃油を回収する廃油回収部と、前記ベースフレームに敷設されたデッキプレートとを備え、
上記廃油回収部は、上記ベースフレームを挟んで車体前後方向の両側にそれぞれ配置されたオイルパンと、これらオイルパンを接続するホースとを備え、
上記オイルパンは、当該オイルパン上に落下した廃油を回収可能に構成されているとともに、上記デッキプレート上に落下した廃油を回収可能な状態で上記ベースフレームに着脱可能に取り付けられることを特徴とする廃自動車反転装置。 - 上記デッキプレートは、右下がりに傾斜する左側デッキプレートと、左下がりに傾斜する右側デッキプレートと、両デッキプレートの交わる部分である谷部とを備え、上記デッキプレート上に落下した廃油が前記谷部を介して上記オイルパンに導かれるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の廃自動車反転装置。
- 上記谷部から上記オイルパンへ廃油を排出するためのドレンパイプをさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の廃自動車反転装置。
- 上記車体支持フレームは、車体下面を支持するための下面支持フレーム及び補助フレームを有し、この補助フレームが、車体側面を支持するフレームに沿って位置する退避位置と、上記下面支持フレームの上方に当該下面支持フレームと略平行な状態で張り出す張り出し位置との間で移動可能に構成され、下面支持フレームと上記固定用フレームとの間、及び張り出された補助フレームと上記固定用フレームとの間に廃自動車を挟み込むことが可能に構成されている請求項1〜3の何れか1項に記載の廃自動車反転装置。
- 上記車体支持フレームは、車体下面を支持するフレームとしての水平フレームと車体側面を支持するフレームとしての垂直フレームとからなり、上記水平フレームと上記固定用フレームは、上記垂直フレームをガイドとして昇降する昇降フレームに設けられ、その昇降フレームを昇降させる昇降シリンダが備えられている請求項1〜3の何れか1項に記載の廃自動車反転装置。
- 上記固定用フレーム上に退避する位置と上記固定用フレームの下方に垂下する垂下位置との間で移動可能な可動フレームと、この可動フレームに上記貫通具とは別に設けられた貫通具とを有する貫通具降下装置をさらに備え、この貫通具降下装置は、上記可動フレームを垂下位置とすることにより、上記固定用シリンダ最縮時における上記別の貫通具の高さを一定量下げるように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の廃自動車反転装置。
- 上記車体下面を支持するフレームが、車体下面における、上記車体側面を支持するフレーム寄りの一部を支持するように構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の廃自動車反転装置。
- 上記貫通具が少なくとも1本の針状部材からなり、その針状部材の先端をカバーしておりルーフ貫通時に後退して上記針状部材を突出させる保護カバーが備えられている請求項1〜7のいずれか1項に記載の廃自動車反転装置。
- 上記固定用フレームが上記車体側面を支持するフレームをガイドとして昇降自在に構成されるとともに上記廃自動車のルーフの所定範囲を覆う格子状のフレームから構成され、この格子状のフレームの前後方向両端部に設けられる上記貫通具が着脱式に構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の廃自動車反転装置。
- 上記反転シリンダによって回転させた上記車体支持フレームの姿勢を保持する姿勢保持手段を備えてなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の廃自動車反転装置。
- 上記ベースフレームに上記各シリンダを駆動するための動力源が備えられている請求項1〜10のいずれか1項に記載の廃自動車反転装置。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の廃自動車反転装置のベースフレームにハンガービームが備えられ、このハンガービームにガス切断用ホースリール、エアー工具用ホースリール、吊上装置の少なくともいずれかひとつが取り付けられていることを特徴とする廃自動車解体設備。
- 上記ハンガービームを接続するガイドパイプが、ベースフレームから立設された支柱に軸受部を介して装着されることにより垂直軸まわりに回転できるように構成され、上記軸受部が、ガイドパイプの胴部内壁の上部および下部で且つ上記支柱を挟んでそれぞれ反対側に配置された円弧状の摺動パッドで構成されている請求項12記載の廃自動車解体設備。
- 上記支柱の胴部外壁に、上記ガイドパイプを支持するための台座部が鍔状に設けられ、上記ガイドパイプの下端と上記台座部との間に環状の摺動部材が介装されている請求項13記載の廃自動車解体設備。
- 上記ハンガービームが連結ピンを介して上記ガイドパイプに連結されるとともに、上記ハンガービームと上記ガイドパイプの上部とにターンバックルが架設されている請求項11〜14のいずれか1項に記載の廃自動車解体設備。
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