JP4204823B2 - スパッタリング用ターゲット、その製造方法及びターゲット部材 - Google Patents

スパッタリング用ターゲット、その製造方法及びターゲット部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンのスパッタリング用ターゲット、その製造方法及びターゲット部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコンのスパッタリング用ターゲットは、等軸晶の多結晶シリコンが用いられており、インゴットから切り出した板材を組み合わせたターゲットが採用されている。
また、Fe、Co、Ni系合金のターゲットとしては、一方向凝固させたインゴットを加工してターゲットとする技術が特開昭63−238268号公報や特許公報第2952853号に提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、シリコン自体は導電性を有していないので、スパッタリング用ターゲットとして用いる場合には、BやP等のドーパントを添加して用いることになる。しかしながら、上記従来におけるシリコンのスパッタリング用ターゲットでは、等軸晶の多結晶シリコンが用いられているため、結晶粒界に存在する最終凝固部にドーパントが偏析して比抵抗値にムラが生じ、スパッタ時の成膜特性が悪化してしまうという問題があった。
また、このような最終凝固部には応力歪みが生じており、スパッタ時の加熱による反りが発生しやすく、この反りに起因したボンディング不良等が生じるおそれもあった。さらに、この応力歪みは、ドーパントの偏析による局所的な脆化現象とも相俟って、パーティクル発生の大きな要因となっていた。特に、この傾向は、大面積のターゲットで顕著となる。この対策として応力歪みを吸収するような柔らかい金属を使用してボンディングを行っても良いが、この場合、良好に接合できたとしても依然としてスパッタ時の成膜特性が悪いという問題が残る。
【0004】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、ドーパントの偏析及び応力歪みを抑制できるスパッタリング用ターゲット、その製造方法及びターゲット部材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、以下の構成を採用した。すなわち、本発明のスパッタリング用ターゲットは、ルツボ内で溶融させたシリコンにドーパントを添加し、この溶融させたシリコンを前記ルツボの底面から冷却して下部から上方に一方向凝固させて一方向凝固多結晶組織を有するシリコンインゴットを作製し、該シリコンインゴットを凝固方向に直交する方向にスライスして得られた柱状晶の多結晶シリコンからなり、前記凝固方向に直交する面内には、同時に凝固した部位が分布し、前記ドーパントが均一に分散されていることを特徴とする。
すなわち、ルツボ内で溶融したシリコンが一方向凝固していくことから、その凝固方向に直交する面内には、同時に凝固した部位が分布する。それゆえ、この一方向凝固したシリコンインゴットを凝固方向に直交する方向にスライスして得られた柱状晶の多結晶シリコンからなるスパッタリング用ターゲットでは、ドーパントが均一に分散して偏析を抑制でき、比抵抗値のムラを抑制することが可能となるので、良好な成膜特性を得る。
しかも、溶融したシリコンを上方に向かって一方向凝固させていくことにより、凝固していく部位の上方には常に液面が存在して凝固時の体積変化による応力集中が生じにくくなっており、作製されたシリコンターゲットに内在する応力歪みを抑制できる。これにより、加熱冷却時においても反りが生じ難く、さらには、ドーパントの偏析による脆化が少ないこととも相俟って、パーティクルが生じ難いシリコンターゲットを得ることができる。
【0006】
また、本発明のスパッタリング用ターゲットは、前記シリコンインゴットをその凝固方向の後端部を除いて凝固方向に直交する方向にスライスして得られた柱状晶の多結晶シリコンからなることを特徴とする。
すなわち、このスパッタリング用ターゲットでは、一方向凝固したシリコンインゴットにおけるドーパント濃度が急激に高くなった最終凝固部が除外されるため、これをスライスして得られたシリコンターゲットについても、そのドーパント濃度が必要以上に高くなってしまうのをなくすことができる。
【0007】
また、本発明のスパッタリング用ターゲットは、含まれる不可避不純物量が、10ppm以下であることを特徴とする。
すなわち、このスパッタリング用ターゲットでは、柱状晶の多結晶シリコンであって、含まれる不可避不純物量が、10ppm以下であるので、応力割れが減少するとともに、不可避不純物が極めて少ないことから比抵抗値のばらつきを抑制することができる。なお、通常、比抵抗値は不可避不純物の量によって変動するが、通常の鋳造法ではこれを制御することが困難であった。
【0008】
また、本発明のスパッタリング用ターゲットは、素材が角形板状又は円形板状であることを特徴とする。
すなわち、このスパッタリング用ターゲットでは、素材が角形板状又は円形板状であるので、従来の単結晶ターゲット材に見られるように、製品の部位による凝固の時期の違いによるドーパント濃度の差、すなわち、比抵抗値の差が発生せず、均一な比抵抗値分布となる。
【0009】
また、本発明のスパッタリング用ターゲットは、前記柱状晶は、結晶の面方位(001)面に垂直になるように配置されていることを特徴とする。
すなわち、このスパッタリング用ターゲットでは、柱状晶が、結晶の面方位(001)面に垂直になるように配置されているので、結晶方位に起因する強度のムラあるいはエッチングレートの違いが発生せず、均一なスパッタリング特性を得ることができる。
【0010】
また、本発明のスパッタリング用ターゲットは、前記不可避不純物は、Al、Fe及びCであることを特徴とする。
すなわち、このスパッタリング用ターゲットでは、不可避不純物がAl、Fe及びCであるので、凝固時の偏析現象により、これら不可避不純物がインゴット端部に集積し、不純物濃度の少ない製品の製造が可能である。
【0011】
本発明のスパッタリング用ターゲットの製造方法は、本発明のスパッタリング用ターゲットを製造する製造方法であって、ルツボ内で溶融させたシリコンにドーパントを添加し、この溶融させたシリコンを下部から上方に一方向凝固させてシリコンインゴットを作製する工程と、該シリコンインゴットを凝固方向に直交する方向にスライスして板状のシリコンターゲットを作製する工程とを有していることを特徴とする。
すなわち、このスパッタリング用ターゲットの製造方法では、ルツボ内で溶融したシリコンが一方向凝固していくことから、その凝固方向に直交する面内には、同時に凝固した部位が分布する。それゆえ、この一方向凝固したシリコンインゴットを凝固方向に直交する方向にスライスして得られた柱状晶の多結晶シリコンからなるスパッタリング用ターゲットでは、ドーパントが均一に分散して偏析を抑制でき、比抵抗値のムラを抑制することが可能となるので、良好な成膜特性を得る。
しかも、溶融したシリコンを上方に向かって一方向凝固させていくことにより、凝固していく部位の上方には常に液面が存在して応力集中が生じにくくなっており、作製されたシリコンターゲットに内在する応力歪みを抑制できる。これにより、加熱冷却時においても反りが生じ難く、さらには、ドーパントの偏析による脆化が少ないこととも相俟って、パーティクルが生じ難いシリコンターゲットを得ることができる。
【0012】
また、本発明のスパッタリング用ターゲットの製造方法は、前記シリコンインゴットをその凝固方向の後端部を除いて凝固方向に直交する方向にスライスして板状のシリコンターゲットを作製する工程を有していることを特徴とする。
すなわち、このスパッタリング用ターゲットの製造方法では、一方向凝固したシリコンインゴットにおけるドーパント濃度が急激に高くなった最終凝固部が除外されるため、これをスライスして得られたシリコンターゲットについても、そのドーパント濃度が必要以上に高くなってしまうのを防止することができる。
【0013】
また、本発明のスパッタリング用ターゲットの製造方法は、角形板状をなす前記シリコンターゲットを複数枚並べて大型角形ターゲットとする工程を有していることを特徴とし、従来法では不可能であった大径の素材についても均一な特性を得ることが可能となる。
すなわち、この大型のスパッタリング用ターゲットの製造方法では、角形板状をなすシリコンターゲットを複数枚並べて大型角形ターゲットとするので、本発明によるドーパントの偏析や応力歪みを抑制した大面積のターゲットを使用することで、大型スパッタリング用ターゲットの製造が容易になる。
【0014】
また、本発明のターゲット部材は、本発明のスパッタリング用ターゲットをバッキングプレートに接合してなることを特徴とする。
このようなターゲット部材では、良好な成膜特性を得ることができるとともに、反りによるボンディング不良やパーティクルの発生を抑制できる。
また、前記バッキングプレートの材料組成が、無酸素銅、脱リン酸銅、高純度銅及び高純度アルミ部材のうちのいずれかであることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図1乃至図3を参照しながら説明する。
本実施形態のスパッタリング用ターゲットを製造する方法としては、まず、図1に示すように、シリコンインゴットの製造装置を用い、ルツボ1内のシリコン融液Lから一方向凝固させた多結晶シリコンインゴットCを得るものである。このシリコンインゴットの製造装置は、床下ヒータ2上に中空チルプレート3を載置し、この中空チルプレート3上に例えば水平断面形状が角形(四角形)のシリカ製ルツボ1を載置している。また、ルツボ1の上方には、天井ヒータ4が設けられていると共に、ルツボ1の周囲には、断熱材5が設けられている。なお、符号6は、Arガスの供給パイプである。
【0016】
この製造装置によりシリコンインゴットCを作製するには、ルツボ1内でシリコン原料を溶融させてシリコン融液Lとしてから、このシリコン融液L内にBやP等のドーパントを添加した後、床下ヒータ2の通電を停止させると共に、中空チルプレート3に供給パイプ6からArガスを供給してルツボ1底部を冷却する。さらに、天井ヒータ4の通電を徐々に減少させることにより、シリコン融液Lは、底部から冷却されて下部から上方に向けて一方向凝固し、図2の(a),(b)に示すように、最終的に断面角形状の一方向凝固多結晶組織C0を有するシリコンインゴットCが育成される。すなわち、下部から上方に向けた柱状晶からなる多結晶シリコンインゴットCが得られる。
なお、一方向凝固の凝固スピードは、1mm/min以下に制御することが望ましい。これは、凝固スピードが上記スピードより速いと応力歪みや引け巣が発生し易く、これによる反りが制御できないためである。
【0017】
このように育成したシリコンインゴットCを、図2の(b)に示すように、最終凝固部(インゴットの上部)を除いて凝固方向(インゴットの上下方向)に直交する方向に切削(スライス)し、研磨加工して角形板状の複数のシリコンターゲットT1を作製する。
【0018】
ここで、上記のように一方向凝固させたシリコンインゴットCは、図3に示すように、凝固するのが後になればなるほど(凝固方向の後端側(上方側)に向かうにしたがい)ドーパント濃度が上昇し、とくに最終凝固部(凝固方向の後端部)ではドーパント濃度が急激に高くなっている。このように、ドーパント濃度が高くなりすぎると、脆化現象が顕著になって、反りやパーティクルの発生の要因となるから、最終凝固部(凝固方向の後端部)を除外することにより、作製される製品に悪影響を与えない範囲のドーパント濃度を有するシリコンターゲットT1を得ることができる。
より詳しく言えば、上記の除外する最終凝固部は、シリコンインゴットCの凝固方向に沿った所定長さに対するドーパント濃度の変化率(Δd/Δh)が、所定のしきい値Xを超える範囲の部分に設定される。そして、しきい値Xは、シリコンターゲットT1に要求される特性に応じて適宜設定されることになる。
【0019】
このシリコンターゲットT1は、柱状晶の多結晶シリコンであって、一方向凝固によって不可避不純物が最終凝固部に濃縮されるため、含まれる不可避不純物量が、10ppm以下である。なお、この不可避不純物は、Al、Fe及びCである。また、シリコンターゲットT1の上記柱状晶は、結晶の面方位(001)面に垂直になるように配置されている。
【0020】
そして、これらのシリコンターゲットT1を、図2(c)に示すように、バッキングプレート7上にAu(金)やAg(銀)等を用いたボンディング又は拡散接合することにより、ターゲット部材10を得る。
なお、この接合手段として、高純度のシリコン成膜が可能な拡散接合や溶接を用いることが好ましい。
【0021】
また、場合によっては、上記のシリコンターゲットT1を、図4に示すように、複数枚並べてバッキングプレート7上にAu(金)やAg(銀)等を用いたボンディング又は拡散接合することにより、大型角形ターゲットT2がバッキングプレート7に接合された大型ターゲット部材20を得る。
【0022】
上記ボンディングや接合等の条件としては、反りや接合不良をより防止するために、Auボンディングではターゲット同士をろう材溶解温度以下に加熱しつつAu系ろう材(例えば、Au−Sn、Au−Ag−Sn系)を400℃程にして溶解してターゲット接合面下部に塗布し、接合させる。Agソルダボンドでは、例えばSn−Agハンダを上記同様の手法でターゲット同士を加熱しつつおよそ240℃〜280℃で溶解し接合させることが好ましい。また、拡散接合の場合は、あらかじめターゲット同士を融点近似の温度でかつ柱状晶がくずれない温度およそ115℃程度に加熱し、HIPで真空下で250kgで加圧プレスする。加圧プレスの条件としては、加圧プレス後、冷却を徐々に行う。なお、加圧プレスは静水圧プレスで5hour〜1hour程行うと良い。溶接による場合は、ターゲットと同一部材でアーク又は電気溶接して溶接することが好ましい。なお、ボンディングにおいてはソルダであらかじめ蒸着、メッキを接合面にしておいてもよい。また、できれば、ターゲット同士の接合面にろう材がしみ出さぬようろう材量、接合条件等を調節することが好ましい。上記のようにすれば、一方向凝固ターゲットの為、初期の反りもなく、反り返りも少ないボンディング法による接合の為、反り、割れがまったく発生しない。
【0023】
上記シリコンターゲットT1は、例えば一辺60cm以上の四角形状で厚さ10mm程度であり、大型角形ターゲットT2は例えば1500mm×150mmの大きさである。また、シリコンターゲットT1は、温度1200℃での応力歪みによる反りは0.01〜4mm以内であり、これを常温まで冷却したものの反りは、0.001〜0.5mm以下である。さらに、大型角形ターゲットT2は、反りによる表面凹凸が0.01〜1mm以内となり、加熱された1200℃付近でも反りは0.01〜2mmを越えることが無く、反り及びそれに基づく割れ等は発生しなかった。
【0024】
本実施形態によれば、ルツボ1内のシリコン融液Lが一方向凝固していくことから、その凝固方向に直交する面内には、同時に凝固した部位ばかりが存在することとなる。
それゆえ、この一方向凝固したシリコンインゴットCを凝固方向に直交する方向にスライスすることによって得られた柱状晶の多結晶シリコンからなるスパッタリング用ターゲットT1は、ドーパントが均一に分散されて偏析が抑制されており、比抵抗値にムラが生じていないので、良好な成膜特性を得ることが可能となる。
【0025】
しかも、シリコン融液Lを上方に向かって一方向凝固させていくことにより、凝固工程中においては、凝固していく部位の上方に常に液面が存在している状態となるので、応力集中が生じにくく、作製されたシリコンターゲットT1に内在する応力歪みを抑制できる。
これにより、加熱冷却時(スパッタリング時やボンディング時など)においても反りが生じ難く、さらには、ドーパントの偏析による脆化が少ないこととも相俟って、パーティクルの生じ難いシリコンターゲットT1を得ることができる。
【0026】
また、本実施形態のシリコンターゲットT1は、柱状晶の多結晶シリコンであって、含まれる不可避不純物量が、10ppm以下であるので、応力割れが減少するとともに、不可避不純物が極めて少ないことから比抵抗値のばらつきを抑制することができる。
【0027】
さらに、本実施形態では、角形のルツボ1を用いているため、通常の丸形のルツボによるインゴットを角形に加工する場合よりも応力歪みが少なく、シリコンターゲットT1に反りが発生し難い。そして、このような角形板状のシリコンターゲットT1を複数枚並べて大型の多結晶シリコンの角形ターゲットT2を作製すると、ドーパントの偏析や応力歪みが抑制された大面積のターゲットを有する大型のターゲット部材20を容易に得ることができる。
ここで、大型角形ターゲットT2を構成する複数枚のシリコンターゲットT1は、一方向凝固されたシリコンインゴットCをスライスして得られたものであるため、上述したように、凝固方向でドーパント濃度が多少異なることになる。
しかしながら、急激にドーパント濃度が上昇している最終凝固部を除いたシリコンインゴットCをスライスすることにより、シリコンターゲットT1を作製しているため、大型角形ターゲットT2に影響を与えるほど、ドーパント濃度に差異が生じることはなく、何ら不具合が生じることはない。
【0028】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、角形板状のシリコンターゲットT1を用いたが、他の外形、特に、図5に示すような円形板状をなすシリコンターゲットT1であっても構わない。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の一例によるスパッタリング用ターゲットと、従来のスパッタリング用単結晶ターゲット及び多結晶ターゲットとを用いて比較試験を行った。
製品寸法は、1000mm×100mmの大きさのものを使用した。
【0030】
【表1】
Figure 0004204823
【0031】
表1に示されるように、本発明の一例によるスパッタリング用ターゲットでは、比抵抗値誤差が6%となっていて、被抵抗値のムラが生じにくいことが分かる。これに対して、従来のスパッタリング用単結晶ターゲットでは、長尺になると、20%の誤差が発生してしまい、また、従来のスパッタリング用多結晶ターゲットでは、被抵抗値誤差が12%となってしまっていて、比抵抗値のムラが生じやすいことが分かる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、ルツボ内で溶融したシリコンが一方向凝固していくことから、その凝固方向に直交する面内には、同時に凝固した部位が分布する。それゆえ、この一方向凝固したシリコンインゴットを凝固方向に直交する方向にスライスして得られた柱状晶の多結晶シリコンからなるスパッタリング用ターゲットでは、ドーパントが均一に分散して偏析を抑制でき、比抵抗値のムラを抑制することが可能となるので、良好な成膜特性を得る。
しかも、溶融したシリコンを上方に向かって一方向凝固させていくことにより、凝固していく部位の上方には常に液面が存在して応力集中が生じにくくなっており、作製されたシリコンターゲットに内在する応力歪みを抑制できる。これにより、加熱冷却時においても反りが生じ難く、さらには、ドーパントの偏析による脆化が少ないこととも相俟って、パーティクルが生じ難いシリコンターゲットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態によるスパッタリング用ターゲットを製造するために用いられるシリコンインゴットの製造装置を示す概略断面図である。
【図2】 本発明の実施形態によるスパッタリング用ターゲットを製造するための製造方法を工程順に示した説明図である。
【図3】 一方向凝固させたシリコンインゴットにおけるドーパント濃度と凝固方向での距離との関係を示すグラフである。
【図4】 本発明の実施形態によるスパッタリング用ターゲットの変形例を示す説明図である。
【図5】 本発明の実施形態によるスパッタリング用ターゲットの他の変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ルツボ
7 バッキングプレート
10,20 ターゲット部材
C シリコンインゴット
L シリコン融液
T1 シリコンターゲット
T2 大型角形ターゲット

Claims (11)

  1. ルツボ内で溶融させたシリコンにドーパントを添加し、この溶融させたシリコンを前記ルツボの底面から冷却して下部から上方に一方向凝固させて一方向凝固多結晶組織を有するシリコンインゴットを作製し、該シリコンインゴットを凝固方向に直交する方向にスライスして得られた柱状晶の多結晶シリコンからなり、前記凝固方向に直交する面内には、同時に凝固した部位が分布し、前記ドーパントが均一に分散されていることを特徴とするスパッタリング用ターゲット。
  2. 請求項1に記載のスパッタリング用ターゲットにおいて、
    前記シリコンインゴットをその凝固方向の後端部を除いて凝固方向に直交する方向にスライスして得られた柱状晶の多結晶シリコンからなることを特徴とするスパッタリング用ターゲット。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスパッタリング用ターゲットにおいて、
    含まれる不可避不純物量が、10ppm以下であることを特徴とするスパッタリング用ターゲット。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスパッタリング用ターゲットにおいて、
    素材が角形板状又は円形板状であることを特徴とするスパッタリング用ターゲット。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスパッタリング用ターゲットにおいて、
    前記柱状晶は、結晶の面方位(001)面に垂直になるように配置されていることを特徴とするスパッタリング用ターゲット。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスパッタリング用ターゲットにおいて、
    前記不可避不純物は、Al、Fe及びCであることを特徴とするスパッタリング用ターゲット。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のスパッタリング用ターゲットを製造する製造方法であって、
    ルツボ内で溶融させたシリコンにドーパントを添加し、この溶融させたシリコンを下部から上方に一方向凝固させてシリコンインゴットを作製する工程と、
    該シリコンインゴットを凝固方向に直交する方向にスライスして板状のシリコンターゲットを作製する工程とを有していることを特徴とするスパッタリング用ターゲットの製造方法。
  8. 請求項7に記載のスパッタリング用ターゲットの製造方法において、
    前記シリコンインゴットをその凝固方向の後端部を除いて凝固方向に直交する方向にスライスして板状のシリコンターゲットを作製する工程を有していることを特徴とするスパッタリング用ターゲットの製造方法。
  9. 請求項7または請求項8に記載のスパッタリング用ターゲットの製造方法において、
    角形板状をなす前記シリコンターゲットを複数枚並べて大型角形ターゲットとする工程を有していることを特徴とするスパッタリング用ターゲットの製造方法。
  10. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のスパッタリング用ターゲットをバッキングプレートに接合してなることを特徴とするターゲット部材。
  11. 請求項10に記載のターゲット部材において、
    前記バッキングプレートの材料組成が、無酸素銅、脱リン酸銅、高純度銅及び高純度アルミ部材のうちのいずれかであることを特徴とするターゲット部材。
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