JP4204078B2 - 回転伝達装置 - Google Patents

回転伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4204078B2
JP4204078B2 JP33215096A JP33215096A JP4204078B2 JP 4204078 B2 JP4204078 B2 JP 4204078B2 JP 33215096 A JP33215096 A JP 33215096A JP 33215096 A JP33215096 A JP 33215096A JP 4204078 B2 JP4204078 B2 JP 4204078B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer ring
input shaft
rotation transmission
cage
inner member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33215096A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10166887A (ja
Inventor
健一郎 伊藤
誠 安井
司郎 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP33215096A priority Critical patent/JP4204078B2/ja
Priority to US08/989,168 priority patent/US5951428A/en
Priority to KR1019970068225A priority patent/KR100463710B1/ko
Priority to DE19755395A priority patent/DE19755395A1/de
Publication of JPH10166887A publication Critical patent/JPH10166887A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4204078B2 publication Critical patent/JP4204078B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の駆動経路上において、駆動力の伝達と遮断の切替に用いられる回転伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
前後輪を直結した4輪駆動車(4WD)が舗装のタイトコーナを旋回すると、いわゆるタイトコーナブレーキング現象が発生するが、この問題を解決する手段として、本出願人は、特願平8−172598号によってローラー型ツーウェイクラッチと電磁コイルを使用した回転伝達装置を提案している。
【0003】
この回転伝達装置は、図19と図20に示すように、前輪1、1の各端部にハブクラッチ2が装着されているFRベースの4WD車において、エンジン3に連なるトランスミッション4からの出力をトランスファ5の内部の入力軸6を介して直接後輪7、7の推進軸8に伝達し、トランスファ5の内部に、入力軸6と前輪1、1の推進軸13の回転伝達と遮断を行なうためのローラ係合型のツーウェイクラッチ9と、該ツーウェイクラッチ9のロックとフリーを制御する電磁クラッチ10を設け、これによって、従来の典型的な4WDの走行モード(2WD、4WD−Hi、4WD−L0 )に加えて、4WDの制御モードおよび4WDのロックモードが追加される。
【0004】
この回転伝達装置によれば、車両が通常一定走行中は後輪駆動(2WD)状態であり、車両が加速した場合、後輪7のスリップを感知すると電磁クラッチ10に電流が流れ、ツーウェイクラッチ9がロックされ4WDとなる。
【0005】
また、低μ路で急なエンジンブレーキを掛けた場合なども後輪7のスリップを感知して電磁クラッチ10に電流を流し、4WDとする制御をおこなっていた。
【0006】
このように、ツーウェイクラッチ9を適宜必要に応じてロックさせることにより、路面条件を問わず、スムーズな走行ができる4WD駆動装置であった。
【0007】
また、この装置を用いれば、図19のように、2WDモード、4WDLOCKモード、4WDAUTO(制御)モード等の車両の走行モードを運転者の意志により選択できるものであり、2WDモード選択時は図19に斜線で表示したように前輪1、1のハブクラッチ2を切り離し、フロント駆動系の回転を停止させ、燃費経済的な走行ができるものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この回転伝達装置では2WDモードから4WDLOCK或は4WDAUTOモードに切り換える時に以下に示す改良の余地が生じる。
【0009】
2WD走行中は前述したように図19に斜線で示すフロント駆動系が停止しているが、車両が走行中に上記の4WDモードに切り換えようとすれば、ツーウェイクラッチ9をロックさせるしか手段が無い。しかし、走行中、フロント駆動系の回転が停止した状態から、ツーウェイクラッチ9をロックさせるとその機械的な係合により、車両は大きな衝撃をともなうことになる。当然、ツーウェイクラッチ9部や他の駆動系も損傷に至る恐れがある。
【0010】
したがって、この回転伝達装置のままでは走行中に2WDモードから4WDモードに切り換えることは不可能である。すなわち、4WDモードにするためには一旦車両を停止させる必要がある。
【0011】
そこでこの発明の課題は、上記の回転伝達装置にシンクロ機能(同調装置)を付加し、車両が走行中であっても2WDモードから4WDモードへ切り換えられる回転伝達装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、トランスミッションからの出力がトランスファ内部で入力軸を介して直接後輪推進軸へ伝達され、また、回転伝達手段を介して前輪推進軸へ動力が分岐されるFRベースの4WD車において、トランスファ内部の入力軸に、入力軸と回転伝達手段の回転伝達と遮断を行なうツーウェイクラッチと、このツーウェイクラッチのロックとフリーを制御するための電磁コイルと、前記ツーウェイクラッチと電磁コイルの間に位置し、電磁コイルの励磁時に回転伝達手段の入出力間に摩擦抵抗を与えるための多板クラッチとを設け、前記ツーウェイクラッチが、トランスファ内部の入力軸に内方部材を同軸上に回転不可能に連結し、入力軸に同軸上回転可能に嵌合した回転伝達部材のチェンスプロケットに外輪を同軸上に回転不可能に連結し、内方部材と外輪の一方に複数のカム面と他方に円筒面を設けて両面間に回転方向の両側が狭くなる楔空間を形成し、この楔空間内に配置した保持器の複数のポケットに係合子としてのローラを組み込み、カム面を有する内方部材または外輪と保持器の間に係止され、ローラが円筒面とカム面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢する弾性部材を設けて形成され、多板クラッチは、外輪とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合したアウタープレートと、内方部材又は入力軸とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合したインナープレートを交互に重ね合わせ、その両プレートを外輪または内方部材に固定された摩擦フランジと、保持器の端部に該保持器とスライド可能で相対回転不可能に嵌合したアマチュアの間に挟んで設けることにより形成し、電磁コイルが上記摩擦フランジとアマチュアを磁力により圧接させるようになっている構成を採用したものである。
【0013】
請求項2の発明は、トランスミッションからの出力がトランスファ内部で入力軸を介して直接後輪推進軸へ伝達され、また、回転伝達手段を介して前輪推進軸へ動力が分岐されるFRベースの4WD車において、トランスファ内部の入力軸に、入力軸と回転伝達手段の回転伝達と遮断を行なうツーウェイクラッチと、このツーウェイクラッチのロックとフリーを制御するための電磁コイルと、前記ツーウェイクラッチと電磁コイルの間に位置し、電磁コイルの励磁時に回転伝達手段の入出力間に摩擦抵抗を与えるための多板クラッチとを設け、前記ツーウェイクラッチが、トランスファ内部の入力軸に外輪を同軸上に回転不可能に連結し、入力軸に同軸上回転可能に嵌合した回転伝達手段のチェンスプロケットに内方部材を同軸上に回転不可能に連結し、内方部材と外輪の一方に複数のカム面と他方に円筒面を設けて両面間に回転方向の両側が狭くなる楔空間を形成し、この楔空間内に配置した保持器の複数のポケットに係合子としてのローラを組み込み、カム面を有する内方部材または外輪と保持器の間に係止され、ローラが円筒面とカム面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢する弾性部材を設けて形成され、多板クラッチは、外輪とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合したアウタープレートと、内方部材又は入力軸とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合したインナープレートを交互に重ね合せ、その両プレートを外輪または内方部材に固定された摩擦フランジと、保持器の端部に該保持器とスライド可能で相対回転不可能に嵌合したアマチュアの間に挟んで設けることにより形成し、電磁コイルが上記摩擦フランジとアマチュアを電磁力により圧接させるようになっている構成を採用したものである。
【0014】
請求項3の発明は、車両の前後車輪または前後推進軸の回転数をセンサで測定し、それらの回転数差または回転数変化に応じて電磁コイルの電流を制御するようにした構成を採用したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0017】
図1乃至図16に示す第1の実施形態において、図1はこの発明の回転伝達装置11を組込んだ4WD駆動レイアウトを示し、図2は回転伝達装置11を組込んだトランスファの断面図、図3は回転伝達装置11の詳細を示している。
【0018】
図1において、前輪1、1の各端部にハブクラッチ2が装着されているFRベース4WD車のトランスファ5の内部に回転伝達装置11が組込まれ、これによって、従来の典型的な4WDの走行モード(2WD、4WD−Hi、4WD−Lo)に加えて、4WD制御オートモードおよび4WDロックモードが追加される。
【0019】
図1と図2に示すように、エンジン3に接続されたトランスミッション4からの出力は、トランスファ5を介してリヤプロペラシャフト12に伝達され、かつ、回転伝達機構を介してフロントプロペラシャフト13に動力を分岐し得るようになっている。
【0020】
トランスファ5は、シャフト14がトランスミッション4の出力軸とハイ・ローセレクトギヤ15を介して結合され、このハイ・ローセレクトギヤ15は既知の技術であり、プラネタリーギヤセット16とセレクト用のスライドギヤ17との組合せからなり、ハイギヤを通過する場合は1対1の関係で回転トルクを伝達し、ローギヤを通過する場合は回転が減速され、トルクは増大する。
【0021】
上記シャフト14と、フロントプロペラシャフト13に結合するフロントアウトプットシャフト18は、それぞれのシャフト13、14に装着したチェン用スプロケット19、20をサイレントチェン21で連動し、動力を前輪1へ分岐するようになっており、上記シャフト14に対するスプロケット19は、シャフト14に回転自在に嵌合され、回転伝達装置11を介してシャフト14と結合される。
【0022】
回転伝達装置11は、シャフト14のリヤプロペラシャフト12に通じる軸が入力軸22となり、図2と図3に示すように、この入力軸22に装着され、入力軸22とスプロケット19の結合と切り離しを行なうためのツーウェイクラッチ23と、このツーウェイクラッチ23のオン、オフを操作するための電磁クラッチ24と、ツーウェイクラッチ23と電磁クラッチ24との間に位置する多板クラッチ25との組み合わせによって構成されて、多板クラッチ25がシンクロ機能を有するものである。
【0023】
先ず、ツーウェイクラッチ23は、入力軸22に内方部材となるカムリング26を同軸上にセレーションで回転不能に外嵌固定し、入力軸22に軸受27を介して回転可能となるよう外嵌挿したハウジング28の筒状部がカムリング26に外嵌する外輪29となり、該ハウジング28はチェンスプロケット19とセレーション30等で一体に回転するよう結合されている。
【0024】
図3(B)の如く、上記カムリング26の外周に複数のカム面31が設けられ、外輪29の内径は円筒面32となり、各カム面31と円筒面32間に楔形空間を形成していると共に、この楔形空間内にカムリング26へ外嵌する保持器33を設け、この保持器33の各カム面31と対応する位置に形成したポケット34内に係合子としてのローラ35が組込まれ、ツーウェイクラッチ23を形成している。
【0025】
上記ローラ35は、図5の如く、カム面31に対して中央の中立位置に位置するとき円筒面32との間に隙間Hを生じ、カムリング26の回転を外輪29に伝えないオフの状態となり、図6(A)、(B)の如く、保持器33でローラ35を楔空間の一方に片寄らすと、ローラ35はカム面31と円筒面32間にかみ込み、カムリング26の回転を外輪29に伝達するオンの状態になる。
【0026】
上記保持器33に一方の端部を係止したスイッチバネ36の他方端部がカムリング26に係止され、図5の如く、ローラ35がカム面31と円筒面32に係合しない中立位置へ保持器33を支持付勢している。
【0027】
次に、多板クラッチ25は、ツーウェイクラッチ23の保持器33の切欠部に相対回転不可能で軸方向に移動可能となるよう嵌め込まれたアマチュア37と、電磁クラッチ24のロータ38との間に、複数枚のアウタープレート39とインナープレート40を挾み込んで構成されている。
【0028】
アウタープレート39は、外輪29と回転方向に一体で軸方向に可動となり、インナープレート40は入力軸22と回転方向に一体で軸方向に可動となり、複数の両プレート39と40順次交互に重ね合わせることによりシンクロ部を形成している。
【0029】
電磁クラッチ24の電磁コイル41は、トランスファケース5aにボルト42等で回転不能に固定し、該コイル41の電極はトランスファケース5aを通して外部コントローラ(以下ECU)43に接続される。このECU43は、図1のように、前輪1と後輪7の回転数、モード選択スイッチ44、ABS作動信号45等から入力された各信号を演算および判断して、電磁コイル41に流す電流を制御する。なお、図1と図2の如く、前輪1の回転数は、フロントスピードセンサ46で、後輪7の回転数はリヤスピードセンサ47によって検出する。
【0030】
上記電磁コイル41に対して回転可能となるよう外嵌するロータ38は、外輪29に磁気が逃げるのを防ぐアルミ材等の非磁性体48を介して圧入固定されて一体に回転する摩擦フランジとなり、電磁コイル41に通電すると、ロータ38とアマチュア37を磁力によりその間に多板クラッチ25を介して圧着させ、外輪29と保持器33を回転方向に固定化するようになっている。
【0031】
電磁クラッチ24の磁力は電磁コイル41に流す電流の大きさによって変わり、保持器33に連結したアマチュア37と外輪29に圧入されたロータ間に押し付け力を付与する。
【0032】
その押し付け力によって、アマチュア37と外輪29間、また多板プレート群を介して入力軸22と外輪29間に摩擦トルクが発生するが、それらのトルクとスイッチバネ36のトルクの関係を図4に示す。
【0033】
この発明では電磁コイル41へ流す電流を2段階に設定している。図4の(A)の大きさの電流を流したとき、アマチュア37に付加されるトルクはスイッチバネ36のトルクを下回っているため、ツーウェイクラッチ23はニュートラル(図5)が維持される。一方、多板クラッチ25のプレート群は入力軸22と外輪29間に一定の摩擦トルクを発生させ、このトルクが上述のシンクロ機能に利用される。
【0034】
一方、図4で(B)の大きさの電流を流すとアマチュア37に付加されるトルクはスイッチバネ36のトルクを上回り、外輪29と入力軸が相対回転しようとすると、図6(A)又は(B)のようにツーウェイクラッチ23はロック状態となり、外輪29と入力軸22が相対回転できない直結状態となる。
【0035】
なお、多板クラッチ25のプレート群に作用する摩擦トルクの大きさは、回転停止しているフロント駆動系を緩やかにリヤ駆動系の回転数まで同調させる大きさで十分であり、図4の(B)まで電流が流れても数kgm以下に設定されている。
【0036】
先ず、この発明の回転伝達装置を組み込んだトランスファの2WDモードを説明する。図7に本装置の原理図を、図8に2WD時の動力の伝達経路を示す。トランスミッションからの動力は、Hiレンジのギヤを通過し、本装置の入力軸22に入力される。
【0037】
また、別途設けられたモード選択スイッチにより、2WDを選択しているときは、電磁コイル41に電流は流れないようになっており、ツーウェイクラッチ23は図5のようにニュートラル状態に保持されるため、入力軸22と外輪29は切り離される。また、多板クラッチ25のプレート群もトルクを発生せず、入力軸22と外輪29間には何ら抵抗の無い状態となる。
【0038】
従って、外輪29すなわち前輪駆動系には動力は伝達されずに切り離され、また、2WDモードでは前記ハブクラッチ2の接続が切れているため、図9のように車両走行中でもドライブシャフト、フロントデフ、フロントプロペラシャフト13、サイレントチェーン21および外輪29、アウタープレート39を停止させることができ燃費の向上により、経済的な走行ができる。
【0039】
次に上記2WD走行モードから走行中に4WDロックモード或いは4WD制御モードに切り換わる時の作用を説明する。
【0040】
2WDモードの走行中はフロント駆動系、外輪29およびアウタープレート39が回転停止しているのに対し、リヤ駆動系、入力軸22およびインナープレート40はその走行速度に応じて回転している(図9参照)。
【0041】
もしこの状態で、ツーウェイクラッチ23をいきなりロックさせると衝撃や破損をともなってしまう。しかし、この発明では2WDモードから4WDモードに切り換える時、まず、図4に示したように電流値を(A)まで上げる。前述のように、この状態ではツーウェイクラッチ23はロックしないで、停止しているアウタープレート39と回転しているインナープレート40の間で、すなわち入力軸22と外輪間29に摩擦トルクが発生する。この摩擦トルクは回転停止しているフロント駆動系部品、外輪29、アウタープレート39を徐々にリヤ駆動系の回転数に近づけ、違和感無くフロント駆動系をリヤ駆動系に同調させる。一旦同調した後は、前輪1のハブクラッチ2がアクチュエータ等で自動に接続され、フロント駆動系と前輪1が連結される。
【0042】
その後は従来例と同様の、後述するような制御によって、ツーウェイクラッチ23のロックとフリーを制御する。
【0043】
先ず、4WD−Hiレンジのロックモード時の動力伝達経路を図11に示す。本装置は、別途設けられたモード選択スイッチのロックモードが選択されると、前述の同調作用が行われた後、電磁コイル41に図4の(B)の電流が常時流れて、ツーウェイクラッチ23を図6(A)、(B)の状態に保持する。この図6(A)、(B)の状態は、保持器33と外輪29が電磁コイル41の吸引力によりアマチュア37とローターを介して圧接されるため、入力軸22と外輪29が相対回転しようとすると、ローラ35が両方向に噛み込むようになっている。したがって、トランスミッション4から、Hiレンジギヤを通過してきた動力は、本装置のツーウェイクラッチ23によって、前輪側にも配分され、機械的に直結な4WDとして走行できる。
【0044】
次に、4WD−L0 レンジのロックモードについて、図12に示す。4WD−L0 は、L0 レンジギヤを通過する以外、上記Hiレンジのロックモードと本装置の作動は同じである。
【0045】
次に、制御モードについて説明する。2WDモードからの同調作用は前記と同様であるので省略する。制御モードはHiレンジギヤを通過した動力が本装置の入力軸に入力される。
【0046】
先ず、制御モードの加速時を図13に示す。滑りやすい路面上の加速等では、後輪(入力軸)がスリップし、前輪(外輪)に対して後輪の回転が上回る(「前輪回転数<後輪回転数」)。この回転数差が設定値以上になると電磁コイル41に図4の(B)の大きさの電流が流れ、ツーウェイクラッチ23がロックされ、前輪に動力が伝達される。
【0047】
次に、制御モードの定速走行時、および旋回時を図14に示す。
【0048】
定速走行時は前後輪間の回転数差が少なく、設定値に到達しないので、電磁コイル41に電流は流れずツーウェイクラッチ23はフリーの状態にあり、前輪1に動力は伝達されない。
【0049】
次に、エンジンブレーキが作用した場合について説明する。車両にエンジンブレーキが加わった場合、エンジンブレーキのトルクは本装置の入力軸22を介して後輪側に直接伝達される。路面がアスファルト等の高μ路であれば、エンジンブレーキのような比較的弱いトルクでは後輪はスリップしない。したがって、この状況では電磁クラッチ24に電流を流さない制御になっている(図15)。したがって、高μ路でのエンジンブレーキ時はツーウェイクラッチ23がロックすることが無く、タイトコーナブレーキを起こすことはない。
【0050】
一方、雪道等の低μ路ではエンジンブレーキトルクだけでも後輪7がスリップすることが有り、後輪7は急激に減速しようとする。本装置はこのとき電磁クラッチ24に図4の(B)の電流を流し、ツーウェイクラッチ23をロックさせ、後輪のスリップを防ぎ、前輪1にもエンジンブレーキトルクを配分することができる(図16)。
【0051】
なお、4WD制御モードにおいて、定速走行時等で後輪のスリップが無い時は電流を流さないと記述しているが、ツーウェイクラッチ23をロックさせる大きさの電流は流さないという意味である。したがって、本回転伝達装置の空転に予圧を与え、空転時の安定性を図る目的で、図4の(A)の大きさの電流は予備電流として流しておくことも可能であり、ツーウェイクラッチ23の空転時も前記多板クラッチ25のプレート群により入力軸と外輪間に適度な予圧抵抗を与えることができる。
【0052】
ツーウェイクラッチ23の構造は、図17のように外輪29に多角形のカム面31、入力軸22側に円筒面32をもった構造としてもよい。この時、電磁クラッチ24の吸引力は保持器33と内輪(図では内輪と入力軸22を一体にしている)を圧接することになる。なお、ロータ38は、非磁性体48を介して外輪29に圧入固定され、ロータ38の内周と入力軸22の間に軸受を介在させ、入力軸22とロータ38は相対回転可能になっている。
【0053】
また、本実施形態では、外輪29を出力側(前輪)としているが、逆に、外輪29を入力軸に結合し、外輪29からエンジン動力を入力させ、内輪側をチェーンスプロケットに結合してもよい(図示省略)。
【0054】
また、本装置をフロントアウトプットシャフト18とチェン用スプロケット20間の動力の断続に用いるような位置に装着することもこの発明の範疇である。
【0055】
また、実施形態では、2WDモード走行時は、自動ハブクラッチによって前輪とフロント駆動系を断続した例を用いたが、図18の様に、ハブクラッチを使用せず、フロントデフとドライブシャフト間にドッグクラッチ48等を用いて、そのクラッチの断続によってフロントプロペラシャフトやフロントデフの一部を2WDモード走行時に停止させる種類の車両もあるが、この発明はこのような車両でも当然成立する。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、トランスミッションからの出力がトランスファ内部で入力軸を介して直接後輪推進軸へ伝達され、また、回転伝達手段を介して前輪推進軸へ動力が分岐されるFRベースの4WD車において、入力軸に装着したツーウェイクラッチと電磁コイルの間に多板クラッチを設け、前記ツーウェイクラッチを、内方部材と外輪の一方にカム面と他方に円筒面を設けて両面間に楔空間を形成し、この楔空間内に配置した保持器の複数のポケットに係合子としてのローラを組み込み、カム面を有する内方部材または外輪と保持器の間に係止され、ローラが円筒面とカム面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢する弾性部材を設けて形成したので、2WD走行モードの時はフロント駆動系の回転を停止させ燃費経済性を保ち、かつ、4WD走行モードへの切り換えは車両が走行中でも可能となり、快適で安全な走行ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の回転伝達装置を組み込んだ4WD駆動車の第1実施形態のレイアウトを示す平面図
【図2】回転伝達装置を組込んだトランスファの断面図
【図3】(A)は同上における要部の拡大断面図、(B)は(A)の矢印b−bに沿う断面図
【図4】回転伝達装置の電磁コイルの電流と各部のトルクの関係を示す説明図
【図5】ツーウェイクラッチのニュートラル状態を示す要部の拡大断面図
【図6】(A)と(B)はツーウェイクラッチのロック状態を示す要部の拡大断面図
【図7】回転伝達装置の原理を示す説明図
【図8】回転伝達装置の原理と動力伝達径路を示す2WDの説明図
【図9】同じく2WD走行時を示す平面図
【図10】シンクロ時の動力伝達径路を示す説明図
【図11】4WD−Hi時の動力伝達径路を示す説明図
【図12】4WD−Lo時の動力伝達径路を示す説明図
【図13】4WD制御モード加速時の動力伝達径路を示す説明図
【図14】4WD制御モード定速、減速時の動力伝達径路を示す説明図
【図15】4WD制御モードエンジンブレーキ時(高μ路)の動力伝達径路を示す説明図
【図16】同4WD制御モードエンジンブレーキ時(低μ路)の動力伝達径路を示す説明図
【図17】(A)は回転伝達装置の外輪カム面の例を示す断面図、(B)は(A)のb−b断面図
【図18】回転伝達装置を組み込んだ4WD駆動車の第2の実施形態を示す平面図
【図19】従来の回転伝達装置を組み込んだ4WD駆動車のレイアウトを示す平面図
【図20】同上のトランスファの断面図
【符号の説明】
1 前輪
5 トランスファ
11 回転伝達装置
14 シャフト
15 ハイ・ローセレクトギヤ
19、20 チェン用スプロケット
21 サイレントチェン
22 入力軸
23 ツーウェイクラッチ
24 電磁クラッチ
25 多板クラッチ
26 カムリング
29 外輪
31 カム面
32 円筒面
33 保持器
34 ポケット
35 ローラ
36 スイッチバネ
37 アマチュア
38 ロータ
39 アウタープレート
40 インナープレート
41 電磁コイル

Claims (3)

  1. トランスミッションからの出力がトランスファ内部で入力軸を介して直接後輪推進軸へ伝達され、また、回転伝達手段を介して前輪推進軸へ動力が分岐されるFRベースの4WD車において、
    トランスファ内部の入力軸に、入力軸と回転伝達手段の回転伝達と遮断を行なうツーウェイクラッチと、このツーウェイクラッチのロックとフリーを制御するための電磁コイルと、前記ツーウェイクラッチと電磁コイルの間に位置し、電磁コイルの励磁時に回転伝達手段の入出力間に摩擦抵抗を与えるための多板クラッチとを設け、
    前記ツーウェイクラッチが、トランスファ内部の入力軸に内方部材を同軸上に回転不可能に連結し、入力軸に同軸上回転可能に嵌合した回転伝達部材のチェンスプロケットに外輪を同軸上に回転不可能に連結し、内方部材と外輪の一方に複数のカム面と他方に円筒面を設けて両面間に回転方向の両側が狭くなる楔空間を形成し、この楔空間内に配置した保持器の複数のポケットに係合子としてのローラを組み込み、カム面を有する内方部材または外輪と保持器の間に係止され、ローラが円筒面とカム面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢する弾性部材を設けて形成され、
    多板クラッチは、外輪とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合したアウタープレートと、内方部材又は入力軸とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合したインナープレートを交互に重ね合わせ、その両プレートを外輪または内方部材に固定された摩擦フランジと、保持器の端部に該保持器とスライド可能で相対回転不可能に嵌合したアマチュアの間に挟んで設けることにより形成し、電磁コイルが上記摩擦フランジとアマチュアを磁力により圧接させるようになっていることを特徴とする回転伝達装置。
  2. トランスミッションからの出力がトランスファ内部で入力軸を介して直接後輪推進軸へ伝達され、また、回転伝達手段を介して前輪推進軸へ動力が分岐されるFRベースの4WD車において、
    トランスファ内部の入力軸に、入力軸と回転伝達手段の回転伝達と遮断を行なうツーウェイクラッチと、このツーウェイクラッチのロックとフリーを制御するための電磁コイルと、前記ツーウェイクラッチと電磁コイルの間に位置し、電磁コイルの励磁時に回転伝達手段の入出力間に摩擦抵抗を与えるための多板クラッチとを設け、
    前記ツーウェイクラッチが、トランスファ内部の入力軸に外輪を同軸上に回転不可能に連結し、入力軸に同軸上回転可能に嵌合した回転伝達手段のチェンスプロケットに内方部材を同軸上に回転不可能に連結し、内方部材と外輪の一方に複数のカム面と他方に円筒面を設けて両面間に回転方向の両側が狭くなる楔空間を形成し、この楔空間内に配置した保持器の複数のポケットに係合子としてのローラを組み込み、カム面を有する内方部材または外輪と保持器の間に係止され、ローラが円筒面とカム面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢する弾性部材を設けて形成され、
    多板クラッチは、外輪とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合したアウタープレートと、内方部材又は入力軸とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合したインナープレートを交互に重ね合せ、その両プレートを外輪または内方部材に固定された摩擦フランジと、保持器の端部に該保持器とスライド可能で相対回転不可能に嵌合したアマチュアの間に挟んで設けることにより形成し、電磁コイルが上記摩擦フランジとアマチュアを電磁力により圧接させるようになっていることを特徴とする回転伝達装置。
  3. 車両の前後車輪または前後推進軸の回転数をセンサで測定し、それらの回転数差または回転数変化に応じて電磁コイルの電流を制御するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転伝達装置。
JP33215096A 1996-12-12 1996-12-12 回転伝達装置 Expired - Fee Related JP4204078B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33215096A JP4204078B2 (ja) 1996-12-12 1996-12-12 回転伝達装置
US08/989,168 US5951428A (en) 1996-12-12 1997-12-11 Rotation transmission device
KR1019970068225A KR100463710B1 (ko) 1996-12-12 1997-12-12 회전전달장치
DE19755395A DE19755395A1 (de) 1996-12-12 1997-12-12 Rotationsübertragungsvorrichtung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33215096A JP4204078B2 (ja) 1996-12-12 1996-12-12 回転伝達装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10166887A JPH10166887A (ja) 1998-06-23
JP4204078B2 true JP4204078B2 (ja) 2009-01-07

Family

ID=18251715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33215096A Expired - Fee Related JP4204078B2 (ja) 1996-12-12 1996-12-12 回転伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4204078B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10166887A (ja) 1998-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100463710B1 (ko) 회전전달장치
US5924510A (en) Rotation transmission device
US6536570B2 (en) Power transmission device for hybrid cars
US6132332A (en) Four-wheel drive system
US5545103A (en) Vehicle transfer case with dual electrically-actuated magnetic clutches
US6945899B2 (en) Axle module with axle shaft electronic management
US20020020596A1 (en) Two-way clutch with limited slip feature
US4966265A (en) Clutch
JPH0218117A (ja) 動力伝達装置
JP4204078B2 (ja) 回転伝達装置
US6035988A (en) Four-wheel drive control system
JPH1059011A (ja) 回転伝達装置
JP4052689B2 (ja) 回転伝達装置
US6082480A (en) Rotation transmission device
JPH1053044A (ja) 回転伝達装置
JP3597353B2 (ja) 回転伝達装置
JP3722940B2 (ja) 回転伝達装置
JP3641358B2 (ja) 回転伝達装置
JPH09202152A (ja) 4輪駆動車の回転伝達装置
JPH11129779A (ja) 回転伝達装置
JPH11129778A (ja) 回転伝達装置とその制御方法
JP2000326748A (ja) 車両の前輪アクスル用回転伝達装置
JPH09202153A (ja) 4輪駆動車の回転伝達装置
JPH10211829A (ja) 4輪駆動システム
JPH10211828A (ja) 4輪駆動システム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051025

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051216

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070316

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070323

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20071116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081014

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees