JP3722940B2 - 回転伝達装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の駆動経路上において、駆動力の伝達と遮断の切換えに用いられる回転伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
前後輪を直結した4輪駆動車(4WD)が舗装のタイトコーナを旋回すると、いわゆるタイトコーナブレーキング現象が発生するが、この問題を解決する手段として、本出願人は、ローラクラッチと電磁コイルを使用した回転伝達装置を提案している。
【0003】
図27は、上記回転伝達装置の車両装着例を示し、エンジン1及びトランスミッション2に連なるトランスファ3によって、前輪4側のフロントプロペラシャフト5とリヤプロペラシャフト6が分岐されたFRベースの4輪駆動車において、フロントプロペラ5上に回転伝達装置7が装着され、該回転伝達装置7によって2駆走行と4駆走行の切換えが行われるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、回転伝達装置をフロントプロペラシャフト5に装着した状態では、フロントプロペラシャフトが回転伝達装置の軸方向長さ分だけ短くなるため、回転伝達装置とフロントプロペラシャフト5間のジョイント角度は大きくなり、走行時に大きな振動の原因になったり、プロペラシャフト5のいわゆるアンバランスの修正が困難である。
【0005】
また、従来の装着位置であると、例えば、この4WD車が2駆走行モードを切替選択できるとし、前輪各端にハブクラッチ等の切り離し機構を有したとしても、2駆走行時にフロントプロペラシャフト5を停止させることができない。仮に従来の回転伝達装置7のクラッチ係合をオフにしても、ドライブシャフト8とフロントデフ9が停止するだけであり、トランスファ3内に別途、ドッグクラッチ等の駆動切り離し機構が無い限りはフロントプロペラシャフト5は2駆走行時も回転してしまい、燃費悪化、振動を引き起こす。また、トランスファ3内に別途、ドッグクラッチ等の駆動切り離し機構を設けることは、せっかく、回転伝達装置7が駆動切り離し機構を有していることからすれば、合理的でなく、コストアップにつながる。
【0006】
そこで、この発明の課題は、電磁クラッチを用いて電気的にツーウェイクラッチのロック、フリー制御を行う回転伝達機構をトランスファ内部に組込むことによって、車両の振動防止と2駆走行切換時の燃費向上が図れる回転伝達装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、トランスミッションからの出力を内部の入力軸を介して直接後輪推進軸へ伝達し、かつ、前輪推進軸へ動力を分岐し得るFRベースの4WD車用トランスファの内部に、係合子が中立位置に弾性部材で保持付勢され、入力軸と前輪推進軸の回転伝達と遮断を行うためのツーウェイクラッチと、このツーウェイクラッチのロックとフリーを制御する電磁コイルとを有し、2WDと4WDの切換えを行う回転伝達機構を組込んだ回転伝達装置において、回転伝達機構が、トランスファ内部の入力軸に内方部材を同軸上に回転不能に連結し、入力軸に同軸上回転可能に嵌合されたチェンスプロケットに外輪を同軸上に回転不能に連結し、内方部材と外輪の一方に複数のカム面と他方に円筒面を設けて両面間に楔形空間を形成し、この楔形空間内に保持器を設け、該保持器に形成した複数のポケットに係合子を組込み、この係合子がカム面と円筒面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢する弾性部材を、保持器とカム面を有する内方部材または外輪の間で係止してツーウェイクラッチを形成し、外輪または内方部材に固定された摩擦フランジと、保持器の端部に該保持器と軸方向にスライド可能で相対回転不可能に嵌合したアマチュアを適当な隙間を介して重ね合わせ、その摩擦フランジとアマチュアを磁力により圧接させるための電磁コイルを設けて形成されている構成を採用したものである。
【0009】
請求項の発明は、回転伝達機構が、トランスファ内部の入力軸に外輪を同軸上に回転不能に連結し、入力軸に同軸上回転可能に嵌合されたチェンスプロケットに内方部材を同軸上に回転不能に連結し、内方部材と外輪の一方に複数のカム面と他方に円筒面を設けて両面間に楔形空間を形成し、この楔形空間内に保持器を設け、該保持器に形成した複数のポケットに係合子を組込み、この係合子がカム面と円筒面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢する弾性部材を、保持器とカム面を有する内方部材または外輪の間で係止してツーウェイクラッチを形成し、外輪または内方部材に固定された摩擦フランジと、保持器の端部に該保持器と軸方向にスライド可能で相対回不可能に嵌合したアマチュアを適当な隙間を介して重ね合わせ、その摩擦フランジとアマチュアを磁力により圧接させるための電磁コイルを設けて形成されている構成を採用したものである。
【0010】
請求項の発明は、請求項1又は2の発明の、前記回転伝達機構において、車両がエンジンブレーキによって減速するとき、後輪回転数と前輪回転数を各々微分演算し、その微分値の差の大きさに応じて電磁コイルの電流を制御する構成を採用したものである。
【0011】
請求項の発明は、請求項1又は2の発明において、前記回転伝達機構のツーウェイクラッチに並列に、内方部材または入力軸と外輪との間に、両者にそれぞれ回転不能に嵌合された摩擦板を交互に重ね合わせ、この重なり方向の一方端部から押圧バネでこれらを圧接させ、エンジンブレーキトルクを前輪にも分配するために充分な大きさで、かつ、タイトコーナブレーキングを起さない大きさに設定された摩擦トルクを加えた湿式多板クラッチを設けた構成を採用したものである。
【0012】
請求項の発明は、請求項の発明の湿式多板クラッチにおいて、摩擦板を内方部材または入力軸にワンウェイクラッチを介して嵌合させ、このワンウェイクラッチを、内方部材または入力軸が外輪に対して、車両の前進方向に対応する向きに相対回転するとき空転するように形成した構成を採用したものである。
【0013】
請求項の発明は、請求項記載の回転伝達機構を組み込んだトランスファにおいて、2WD走行を選択した場合に、前輪の駆動系を完全に切り離すために、前輪推進軸に連結されたアウトプットシャフトとアウトプットシャフトに同軸上に回転可能に嵌合されたチェーンの出力側スプロケットとの間にドッグクラッチを設けた構成を採用したものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0018】
図1乃至図11に示す第1の実施形態において、図1はこの発明の回転伝達装置11を組込んだ4WD駆動レイアウトを示し、図2は回転伝達装置であるトランスファの断面図、図3は回転伝達機構の詳細を示している。
【0019】
図1は、前輪4、4の各端部にハブクラッチ10が装着されているFRベース4WD車のトランスファ3の内部に回転伝達機構12が組込まれ、これによって、従来の典型的な4WDの走行モード(2WD、4WD−Hi、4WD−Lo)に加えて、4WD制御オートモードおよび4WDロックモードが追加される。
【0020】
図1と図2に示すように、エンジン1に接続されたトランスミッション2からの出力は、トランスファ3を介してリヤプロペラシャフト6に伝達され、かつ、フロントプロペラシャフト5に動力を分岐し得るようになっている。
【0021】
トランスファ3は、シャフト13がトランスミッション2の出力軸とハイ・ローセレクトギヤ14を介して結合され、このハイ・ローセレクトギヤ14は既知の技術であり、プラネタリーギヤセット15とセレクト用のスライドギヤ16との組合せからなり、ハイギヤを通過する場合は1対1の関係で回転トルクを伝達し、ローギヤを通過する場合は回転が減速され、トルクは増大する。
【0022】
上記シャフト13と、フロントプロペラシャフト5に結合するフロントアウトプットシャフト17は、それぞれのシャフト13、17に装着したチェン用スプロケット18、19をサイレントチェン20で連動し、動力を前輪4へ分岐するようになっており、上記シャフト13に対するスプロケット18は、シャフト13に回転自在に嵌合され、回転伝達機構12を介してシャフト13と結合される。
【0023】
回転伝達機構12は、シャフト13のリヤプロペラシャフト6に通じる部分が入力軸21となり、図3に示すように、入力軸21に内方部材となるカムリング22を同軸上にセレーションで回転不能に外嵌固定し、入力軸21に軸受23を介して回転可能となるよう外嵌挿したハウジング24の筒状部がカムリング22に外嵌する外輪25となり、該ハウジング24はチェンスプロケット18とセレーション26で一体に回転するよう結合されている。
【0024】
図3(B)の如く、上記カムリング22の外周に複数のカム面27が設けられ、外輪25の内径は円筒面28となり、各カム面27と円筒面28間に楔形空間を形成していると共に、この楔形空間内にカムリング22へ外嵌する保持器29を設け、この保持器29の各カム面27と対応する位置に形成したポケット30内に係合子としてのローラ31が組込まれ、ツーウェイクラッチ32を形成している。
【0025】
上記ローラ31は、図5の如く、カム面27に対して中央の中立位置に位置するとき円筒面28との間に隙間Hを生じ、カムリング22の回転を外輪25に伝えないオフの状態となり、図8(A)、(B)の如く、保持器29でローラ31を楔空間の一方に片寄らすと、ローラ31はカム面27と円筒面28間にかみ込み、カムリング22の回転を外輪25に伝達するオンの状態になる。
【0026】
上記保持器29に一方の端部を係止したスイッチバネ33の他方端部がカムリング22に係止され、図5の如く、ローラ31がカム面27と円筒面28に係合しない中立位置へ保持器29を支持付勢している。
【0027】
前記入力軸21と外輪25の間でツーウェイクラッチ32を挾む一方側の位置に、ツーウェイクラッチ32をオン・オフ制御する電磁クラッチ34と、他方側の位置にワンウェイクラッチ35を介して入力軸21の回転を外輪25に伝達する湿式多板クラッチ36が設けられている。
【0028】
電磁クラッチ34は、電磁コイル37をトランスファケース38にボルト39等で回転不能に固定し、該コイル37の電極はトランスファケース38を通して外部コントローラ(以下ECU)40に接続される。このECU40は、図1のように、前輪4と後輪4aの回転数、モード選択スイッチ41、ABS作動42等から入力された各信号を演算および判断して、電磁コイル37に流す電流を制御する。なお、図2の如く、前輪4の回転数は、フロントスピードセンサ43で、後輪4aの回転数はリヤスピードセンサ44によって検出する。
【0029】
上記電磁コイル37に対して回転可能となるよう外嵌するロータ45は、外輪25に固定されて一体に回転するよう摩擦フランジとなり、このロータ45と保持器29の端部の間に、該保持器29と軸方向のスライド可能で相対回転不能に嵌合したアマチュア46をロータ45と適当な隙間を介して重なるように配置し、電磁コイル37に通電すると、ロータ45とアマチュア46を磁力により圧接させ、外輪25と保持器29を回転方向に固定化するようになっている。
【0030】
前記湿式多板クラッチ36は、ワンウェイクラッチ35と回転方向に一体で軸方向に可動となる複数のインナープレート47と、外輪25と回転方向に一体で軸方向に可動となる複数のアウタープレート48を順次交互に重ね合わせ、重なり方向の一方端部から押圧バネ49でこれらを圧接させた構造になっており、ワンウェイクラッチ35は、入力軸21が外輪25に対して、車両の前進方向に対応する向きに相対回転するとき空転するようになっている。
【0031】
この発明の第1の実施形態は上記のような構成であり、図4と図7、図9、図10に示す動力伝達経路図を主体に用いてその作用を説明する。
【0032】
図4(a)は2WD前進時の動力の伝達経路を示し、トランスミッションからの動力は、Hiレンジのハイ・ローセレクトギヤ14を通過し、回転伝達機構12の入力軸21に入力される。入力軸21の回転方向が車両の前進方向の場合は、ワンウェイクラッチ35は空転する方向に装着しており、湿式多板クラッチ36と入力軸21は切り離されている。
【0033】
また、別途設けられたモード選択スイッチ41により、2WDを選択しているときは、電磁コイル37に電流は流れないようになっており、ツーウェイクラッチ32は図5のようにニュートラル状態に保持されるため、入力軸21と外輪25は切り離される。
【0034】
従って、外輪25すなわち前輪駆動系には動力は伝達されずに切り離され、また、2WDモードでは前記ハブクラッチ10が切れているため、図6のように車両走行中でもフロントプロペラシャフト5、フロントデフ9、ドライブシャフト8を停止させることができる。
【0035】
次に、図4(B)に2WD後退時の動力の伝達経路を示す。入力軸21の回転方向が車両後退方向の場合は、ワンウェイクラッチ35はロックし、入力軸21と外輪25が湿式多板クラッチ36のトルク(Tmp)で結合される。従って、フロントプロペラシャフト5を走行中に連れ回すこととなる。ツーウェイクラッチ32は前進時と同様に図5の状態が保持される。ただし、ハブクラッチ10は切れているので前輪4にはトルクはつながらない。また、後退時に連れ回すことは燃費や振動に対する影響は極めて少なく問題無い。
【0036】
次に、4WD−Hiレンジのロックモードについて、前進時を図7(A)に、後退時を図7(B)に示す。回転伝達機構12は、別途設けられたモード選択スイッチ41のロックモードが選択されると、電磁コイル37に電流が常時流れて、ツーウェイクラッチ32を図8(A)、(B)の状態に保持する。この図8(A)の状態は、保持器29と外輪25が電磁コイル37の吸引力により圧接されるため、入力軸21と外輪25が相対回転しようとすると、ローラ31が両方向に噛み込むようになっている。したがって、トランスミッション3から、Hiレンジのハイ・ローセレクトギヤ14を通過してきた動力は、回転伝達機構12のツーウェイクラッチ32によって、前輪側に配分され、機械的に直結な4WDとして走行できる。
【0037】
次に、4WD−Loレンジのロックモードについて、前進時を図9(A)に、後退時を図9(B)に示す。4WD−Loは、Loレンジのハイ・ローセレクトギヤ14を通過する以外、回転伝達機構12の作動は同じである。
【0038】
次に、制御モードについて説明する。制御モードではHiレンジのハイ・ローセレクトギヤ14を通過した動力が回転伝達機構12の入力軸に入力される。
【0039】
まず、制御モードの前進加速時を図10(A)に示す。滑りやすい路面上の加速等で、後輪4(入力軸)がスリップし、前輪4a(外輪)に対して後輪4の回転が上回る(「前輪回転数<後輪回転数」)。この回転数差が設定値以上になると電磁コイル37に電流が流れ、ツーウェイクラッチ32がロックされ、前輪4に動力が伝達される。
【0040】
次に、制御モードの前進定速走行、減速、旋回時を図10(B)に示す。
定速走行時は前後輪間の回転数差が少なく、設定値に到達しないので、電磁コイル37に電流は流れず、ツーウェイクラッチ32はフリーの状態にあり、前輪4に動力は伝達されない。
【0041】
また、エンジンブレーキによる減速時においては、エンジンと直結された後輪4a(入力軸)側の回転が低下し、前輪4(外輪)よりも下回る。この時は電磁コイル37には電流を流さない制御となっているので、ツーウェイクラッチ32はフリーの状態である。但し、車両が前進している場合、「前輪回転数>後輪回転数」のような関係になった場合は、ワンウェイクラッチ35は噛み込む方向であるため、湿式多板クラッチ36のトルク(約3〜6kgfm)が減速トルクとして前輪4に伝達される。この程度のトルクがあれば、雪道などの滑りやすい路面での、エンジンブレーキによる後輪4aのスリップを防止できる。
【0042】
旋回時も同様に、「前輪回転数>後輪回転数」の関係が成り立つため、前後輪の間には、湿式多板クラッチ36のトルクによる前後輪の回転差を拘束する力が発生するが、この程度の小さいトルクではタイトコーナブレーキング現象は起こらない。
【0043】
制御モードでの後退加速時を図11(A)に示す。滑りやすい路面の加速時には、前進時と同様に、「前輪回転数<後輪回転数」の関係が成り立つため、ツーウェイクラッチ32はロックされ、前輪に動力を伝達する。
【0044】
制御モードでの後退定速走行、減速、旋回時を図11(B)に示す。
後退の定速走行時は、回転数差が設定値に到達しないので、電磁コイル37に電流は流れず、ツーウェイクラッチ32はフリーの状態にあり、前輪4に動力は伝達されない。
【0045】
後退時の、エンジンブレーキなどの減速においては、エンジンと直結された後輪4a(入力軸)側の回転が低下し、前輪4(外輪)よりも下回る。入力軸21と湿式多板クラッチ36の間のワンウェイクラッチ35は、入力軸21が車両後退方向に回転しているときは、入力軸21の回転が、外輪(湿式多板のアウタープレートが接続)の回転を下回ったときには空転するように組み込まれているため、上記のような場合は、前輪4に動力は伝達されない。したがって、制御モードでは、車両の後退時に限り、エンジンブレーキトルクは前輪4には配分されない。しかし、後退時にエンジンブレーキが必要となることは希であり、通常はフットブレーキが併用されるため問題では無い。
【0046】
後退の旋回時は、エンジンブレーキ時と同様の回転関係(「前輪回転数>後輪回転数」)が起こり、回転方向は車両後退方向であるため、ツーウェイクラッチ32もワンウェイクラッチ35もフリーとなり、前輪に動力を伝達せず、タイトコーナーブレーキングを回避する。
【0047】
一方、アンチロックブレーキシステム(ABS)が作動した場合、ABSコントローラから作動信号を検知して、回転伝達機構12内の電磁コイル37に、一切の電流を流さないような制御とする。そうすることによって、ツーウェイクラッチ32はフリーの状態(図5)に保持されるため、ABS作動時の前後輪間に及ぼす動力循環は、湿式多板クラッチ36の3〜6kgfmに抑えられる。これぐらいのトルク(抵抗力)が、ABSの作動に与える影響は極僅かである。
【0048】
すなわち、制御モードにおいて、加速時には前進時も後退時もツーウェイクラッチ32によって十分な駆動力が伝達されるが、定速走行時、エンジンブレーキ時、旋回時、ABS作動時は前進時のみ、湿式多板クラッチ36のトルクが前輪4に伝達される。
【0049】
更に、その湿式多板クラッチ36のトルクはエンジンブレーキトルクを前輪にも配分するために充分な大きさであり、かつ、タイトコーナブレーキングを起こさない大きさに設定されている。
【0050】
なお、回転伝達機構12において、この湿式多板クラッチ36を無くすことも可能であり、その場合は、エンジンブレーキ作用時に後輪がスリップした場合をセンサーで感知し、ツーウェイクラッチ32をロックさせるようにすれば良い。(以降の実施形態においても同様である。)
次に、図12と図13は回転伝達装置の第2の実施形態を示している。この第2の実施形態の4WD車は2WD選択時にフロントデフ9やプロペラシャフト5を停止させるためのハブクラッチ等の断続装置が装備されていない場合である。コストを重視した4WD車に見られる。回転伝達装置11はこのような4WDレイアウトにも対応できる。図13にトランスファの断面図を示す。第1の実施形態と異なる点は、湿式多板クラッチ36と入力軸21との間にワンウェイクラッチが必要無いことである。回転伝達機構12の制御と作動は第1の実施形態のものとほとんど同じであるため省略する。但し、2WDモードでもフロント駆動系が停止せずに回転していることが第1の実施形態とは異なる。湿式多板クラッチ36が入力軸21(後輪)と外輪25(前輪)の間で、常に摩擦トルクを伝達するため、2WDモードでも湿式多板クラッチ36のトルクが前輪4に配分される。但し、加速時のトルクとしては小さいのでほとんど2WD同等である。
【0051】
図14は回転伝達装置の第3の実施形態であるトランスファの断面図である。第1の実施形態では2WDモード時に車両後退時のみではあるが、フロントペラシャフト5を回転させてしまう。第3の実施形態ではこの連れ回りを防止するために、フロントアウトプットシャフト17とフロントスプロケット19との間に、ドッグクラッチ50を設け、運転者が2WDを選択した場合には、上記クラッチ50を離脱させ、回転伝達機構12の湿式多板のクラッチ36のトルクをフロントプロペラシャフト5に全く伝達しないようにする。これにより、2WD時は前輪に一切のトルクを伝達しない。また、第1の実施形態に対して第3の実施形態では内部のワンウェイクラッチは必要無くなる。
【0052】
4WD(ロックモード、制御モード)時は、上記ドッグクラッチ50は嵌合しており、作動、制御内容は第2の実施形態と同じであるため省略する。
【0053】
次に、図15は回転伝達装置の第4の実施形態を示している。図15の断面図のように、第1乃至第3の実施形態において、回転伝達機構12の外輪25に連結されたチェンスプロケット18及び入力軸21にスプロケット51、52を形成し、ドライバーが4WDローギヤを選択した場合に、スライドギヤ16を移動させて、両者をスプロケット51、52に嵌合させる。これにより、前輪4と後輪4aの駆動系がこのスプロケット嵌合により直結されるため、ツーウェイクラッチ32を動力は通過しない。第1乃至第3の実施形態では、4WDロックモードでは回転伝達機構12の電磁コイル37に電流を流し続ける必要があったが、この第4の実施形態では動力が回転伝達装置を通過しないために電磁コイル37に電流を流す必要が無く経済的である。
【0054】
なおかつ、この第4の実施形態では4WDローギヤが選択されると入力されるトルクが減速比分大きくなるが、この時は回転伝達装置をその大トルクが通過しないので、回転伝達装置の許容トルクは小さくて良く、より軽量、コンパクトにすることができる。
【0055】
また、上記した第1乃至第4の各実施形態に使用される、ツーウェイクラッチ32の構造は、図16(A)、(B)のように外輪25に多角形のカム面27、内輪22a側に円筒面28をもった構造としてもよい。この時、電磁クラッチ34の吸引力は保持器29と内輪22a(図16では内輪22aと入力軸21を一体にしている)を圧接することになる。更に、ツーウェイクラッチ32は、ローラ31に代えてスプラグを用いたものを採用してもよい。
【0056】
ここで、上記した第1乃至第4の各実施形態における回転伝達装置11は、入力軸21と出力外輪25との間にツーウェイクラッチ32に並列に湿式多板クラッチ36を付加し、車両が通常一定速走行中は後輪駆動(2WD)状態である。
【0057】
また、車両が加速した場合、後輪のスリップを感知すると電磁クラッチ34に電流が流れ、ツーウェイクラッチ32がロックされ4WDとなり、かつ、低μ路で急なエンジンブレーキを掛けた場合、エンジンブレーキの減速トルクはツーウェイクラッチ32を通らず、湿式多板クラッチ35を通じて前輪4にも適度に配分される構成となっている。
【0058】
ところが、この湿式多板クラッチ36は弾性部材によって、常時、一定に押圧されているため摩擦面に潤滑油が入り難く、耐久性が低く、また、この定圧式湿式多板クラッチ36は、車両が旋回中にも前後輪間に引きずり抵抗を作用させるため、ステアリングが重くなり、振動を起こすことがあり、さらに、湿式多板クラッチ36はこの回転伝達装置の軸方向に長さをとる。
【0059】
そこで、図17乃至図26に示す第5の実施形態は、前記第1乃至第4の各実施形態における回転伝達装置11の湿式多板クラッチ36を排除し、湿式多板クラッチ36の役目であったエンジンブレーキによる減速トルクの前輪4側への分配機能を、ツーウェイクラッチ32を電気的な制御によりロックさせることによって代替した、シンプル、コンパクトで廉価な回転伝達装置である。
【0060】
図17はこの第5の実施形態の回転伝達機構12を組込んだFRベース4WD駆動レイアウト、図18はこの回転伝達装置であるトランスファの断面図、図19は同上の詳細図であり、具体的には、図2と図3で示した第1の実施形態の外輪25内から湿式多板クラッチ36を排除した以外は、機構的にほとんど同等であり、この回転伝達装置11は、典型的なパートタイム4輪駆動車の走行モード(2WD、4WD−Hi、4WD−Lo)に加えて、本装置による4WD制御モードおよび4WDロックモードが追加される。
【0061】
図18のように、トランスミッションからの出力はハイ・ローセレクトギヤ14を通って、リヤプロペラシャフト6に伸びている。ハイ・ローセレクトギヤ14は既知の技術であり、プラネタリギヤから成り、ハイギヤを通過する場合は1対1の関係で回転トルクを伝達し、ローギヤを通過する場合は回転が減速され、トルクは増大する。
【0062】
このリヤプロペラシャフト6に通じる軸は回転伝達装置の入力軸21となる。回転伝達装置の外輪25は、動力を前輪へ分岐するためのチェーン用スプロケット18にセレーション26にて結合されている。尚、このスプロケット18は入力軸21に対して回転自在に嵌合されている。
【0063】
この回転伝達装置のカムリング22は入力軸21とセレーションによって固定され、外輪25との間に保持器29、ローラ31を設け、ツーウェイクラッチ32を構成している。
【0064】
図19のように、電磁コイル37はトランスファケース38にボルト39等で回転不可能に固定され、電磁コイル37の電極はトランスファケース38を通して外部コントローラ40(ECU)に接続される。
【0065】
ECUは、図17のように前後回転数、モード選択スイッチ41、ABS作動信号42等から入力された各信号を演算および判断して、回転伝達装置の電磁コイル37に流す電流を制御する。
【0066】
まず、回転伝達装置を組み込んだトランスファの2WDモードを説明する。図20に回転伝達装置の原理と2WD時の動力の伝達経路を示す。トランスミッションからの動力は、Hiレンジのギヤを通過し、回転伝達装置の入力軸21に入力される。
【0067】
また、別途設けられたモード選択スイッチ41により、2WDを選択しているときは、電磁コイル37に電流は流れないようになっており、ツーウェイクラッチ32部は図5で示したようにニュートラル状態に保持されるため、入力軸21と外輪25は切り離される。
【0068】
従って、外輪25すなわち前輪駆動系には動力は伝達されずに切り離され、また、2WDモードでは前記ハブクラッチ10の接続が切れているため、図21のように車両走行中でもフロントプロペラシャフト5、フロントデフ9、ドライブシャフト8を停止させることができ燃費経済的な走行ができる。
【0069】
次に、4WD−Hiレンジのロックモード時の動力伝達経路を図22(A)に示す。回転伝達装置は、別途設けられたモード選択スイッチ41のロックモードが選択されると、電磁コイルに電流が常時流れて、ツーウェイクラッチ32を図8(A)、(B)の状態に保持する。この図8(A)、(B)の状態は、保持器29と外輪25が電磁コイル37の吸引力によりアマチュア46を介して摩擦抵抗を受けるため、入力軸21と外輪25が相対回転しようとすると、ローラ31が両方向に噛み込むようになっている。したがって、トランスミッションからハイ・ローセレクトのHiレンジギヤを通過してきた動力は、回転伝達装置のツーウェイクラッチ32部によって、前輪側にも配分され、機械的に直結な4WDとして走行できる。
【0070】
次に、4WD−Loレンジのロックモードについて、図22(B)に示す。4WD−Loは、Loレンジギヤを通過する以外、上記Hiレンジのロックモードと回転伝達装置の作動は同じである。
【0071】
次に、制御モードについて説明する。制御モードはHiレンジギヤを通過した動力が回転伝達装置の入力軸21に入力される。
【0072】
まず、制御モードの加速時を図23(A)に示す。滑りやすい路面上の加速等で、後輪(入力軸)がスリップし、前輪(外輪)に対して後輪の回転が上回る(「前輪回転数<後輪回転数」)。この回転数差が設定値以上になると電磁コイル37に電流が流れ、ツーウェイクラッチ32がロックされ、前輪に動力が伝達される。
【0073】
次に、制御モードの定速走行時、および旋回時を図23(B)に示す。
定速走行時は前後輪間の回転数差が少なく、設定値に到達しないので、電磁コイル37に電流は流れずツーウェイクラッチ32はフリーの状態にあり、前輪に動力は伝達されない。
【0074】
次に、エンジンブレーキが作用した場合について説明する。車両にエンジンブレーキが加わった場合、エンジンブレーキのトルクは回転伝達装置の入力軸21を介して後輪側に直接伝達される。路面がアスファルト等の高μ路であれば、エンジンブレーキのような比較的弱いトルクでは後輪はスリップしない。したがって、この状況では電磁クラッチ34に電流を流さない制御になっている(図24(A))。したがって、高μ路でのエンジンブレーキ時はツーウェイクラッチ32がロックすることが無く、タイトコーナブレーキを起こすことはない。
【0075】
一方、雪道等の低μ路ではエンジンブレーキトルクだけでも後輪がスリップすることが有り、後輪は急激に減速しようとする。回転伝達装置はこのとき電磁クラッチ34に電流を流し、ツーウェイクラッチ32をロックさせ、後輪のスリップを防ぎ、前輪4にもエンジンブレーキトルクを配分することができる(図24(B))。
【0076】
図25にエンジンブレーキ時の制御のフローチャートを示す。この制御方法は前輪(外輪側)と後輪(入力軸側)の回転数の微分値を演算し、後輪が減速方向にスリップし、その減速度(後輪微分値)が前輪の減速度(前輪微分値)を上回り、設定値に達した時、ツーウェイクラッチ32をロックせさ、4WDにさせるものである。
【0077】
このことを式に表すと、下記のようになる。
【0078】
|dVR /dt−dVF /dt|>D1
R :後輪回転速度
F :前輪回転速度
1 :設定値
図26(A)から(D)に高μ路の場合と低μ路の場合のエンジンブレーキ時の回転速度波形とその前後輪回転速度微分値(減速度)を示す。低μ路の場合の後輪だけの減速スリップによって後輪微分値が大きくなり、設定値を上回ることによって、電磁クラッチ34に電流が流れ、4WDとなる。高μ路ではエンジンブレーキによるスリップがほとんどないため電流は流れず2WDのままである。
【0079】
なお、ツーウェイクラッチ34部の構造は、図16(B)で示したように外輪に多角形のカム面、内輪側に円筒面をもった構造としてもよい。この時、電磁クラッチの吸引力は保持器と内輪(図では内輪と入力軸を一体にしている)を圧接することになる。
【0080】
また、第1乃至第5の各実施形態では、外輪25を出力側(前輪)としているが、逆に、外輪25を入力軸に結合し、外輪からエンジン動力を入力させ、内輪側をチェーンスプロケットに結合してもよい。
【0081】
更に、回転伝達装置をフロントアウトプットシャフト17とフロントスプロケット19間の動力の断続に用いるような位置に装着することも本発明の範疇である。
【0082】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、回転伝達機構をトランスファ内に組み込むことによって、フロントプロペラシャフトに必要以上の角度がつくこともなく、走行中の振動も低減される。
【0083】
また、回転伝達装置を利用して、2WD、LOCK、制御モードを選択利用でき、運転者が選択できる駆動モードを増やすことができる。
【0084】
また、制御モードでは、舗装路等の高μ路から雪道等の低μ路にいたるまで、自動的に回転伝達装置が2WD、4WDを切替えるため、路面状況に応じた快適で安全な走行が可能となる。
【0085】
更に請求項4は、後輪のスリップを感知することによりエンジンブレーキトルクまでも必要に応じてツーウェイクラッチをロックさせることによって全輪に配分でき、これによって湿式多板クラッチの併用が省け、回転伝達装置を軽量コンパクト化、低コスト化することができ、湿式多板クラッチによるステアリングへの影響も無くなり、高μ路、低μ路を問わずスムーズな走行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態の回転伝達装置を組込んだ4WD駆動車のレイアウトを示す平面図
【図2】回転伝達装置を組込んだトランスファの断面図
【図3】(A)は同上における要部の拡大断面図、(B)は(A)の矢印b−bに沿う断面図
【図4】(A)は回転伝達装置の原理と動力伝達経路を示す2WD前進時の説明図、(B)は同じく2WD後退時の説明図
【図5】ツーウェイクラッチのニュートラル状態を示す要部の拡大断面図
【図6】4WD駆動車の2WD走行時を示す平面図
【図7】(A)は回転伝達装置の原理と動力伝達経路を示す4WD−Hi前進時の説明図、(B)は同じく4WD−Hi後退時の説明図
【図8】(A)と(B)はツーウェイクラッチのロック状態を示す拡大断面図
【図9】(A)は4WD−Lo前進時の動力伝達経路を示す説明図、(B)は同じく4WD−Lo後退時の動力伝達経路を示す説明図
【図10】(A)4WD制御モード前進加速時の動力伝達経路を示す説明図、(B)は4WD制御モード前進減速時の動力伝達経路を示す説明図
【図11】(A)は4WD制御モード後退加速時の動力伝達経路を示す説明図、(B)は同4WD制御モード後退減速時の動力伝達経路を示す説明図
【図12】回転伝達装置の第2の実施形態を組込んだ4WD駆動車のレイアウトを示す平面図
【図13】同上のトランスファを示す断面図
【図14】回転伝達装置の第3の実施形態を示すトランスファの断面図
【図15】回転伝達装置の第4の実施形態を示すトランスファの断面図
【図16】(A)は回転伝達装置のツーウェイクラッチの他の実施形態を示す要部の拡大断面図、(B)は図16の矢印b−bに沿う断面図
【図17】第5の実施形態を組込んだ4WD駆動車のレイアウトを示す平面図
【図18】同上の回転伝達装置を組込んだトランスファの断面図
【図19】同上における要部の拡大断面図
【図20】同じく回転伝達装置の原理と動力伝達経路を示す2WD時の説明図
【図21】2WD走行時のレイアウトを示す平面図
【図22】(A)は4WD−Hi時の動力伝達経路を示す説明図、(B)は4WD−Lo時の動力伝達経路を示す説明図
【図23】(A)は4WD制御モード加速時の動力伝達経路を示す説明図、(B)は4WD制御モード定速、旋回時の動力伝達経路を示す説明図
【図24】(A)は4WD制御モードエンジンブレーキ時の高μ路での動力伝達経路を示す説明図、(B)は4WD制御モードエンジンブレーキ時の低μ路での動力伝達経路を示す説明図
【図25】エンジンブレーキ作用時のロック制御を示すフローチャート図
【図26】(A)は高μ路でのエンジンブレーキ時の車輪速度、(B)は高μ路でのエンジンブレーキ時の車輪速度微分値の差、(C)は低μ路でのエンジンブレーキ時の車輪速度、(D)は低μ路でのエンジンブレーキ時の車輪速度微分値の差を各々示す説明図
【図27】従来の回転伝達装置における車両装着実施形態を示す平面図
【符号の説明】
3 トランスファ
4 前輪
5 フロントプロペラシャフト
11 回転伝達装置
12 回転伝達機構
13 シャフト
14 ハイ・ローセレクトギヤ
17 フロントアウトプットシャフト
18、19 チェン用スプロケット
20 サイレントチェン
21 入力軸
22 カムリング
24 ハウジング
25 外輪
27 カム面
28 円筒面
29 保持器
30 ポケット
31 ローラ
32 ツーウェイクラッチ
33 スイッチバネ
34 電磁クラッチ
35 ワンウェイクラッチ
36 湿式多板クラッチ
37 電磁コイル
38 トランスファケース
45 ロータ
46 アマチュア
47 インナープレート
48 アウタープレート
49 押圧バネ

Claims (6)

  1. トランスミッションからの出力を内部の入力軸を介して直接後輪推進軸へ伝達し、かつ、前輪推進軸へ動力を分岐し得るFRベースの4WD車用トランスファの内部に、係合子が中立位置に弾性部材で保持付勢され、入力軸と前輪推進軸の回転伝達と遮断を行うためのツーウェイクラッチと、このツーウェイクラッチのロックとフリーを制御する電磁コイルとを有し、2WDと4WDの切換えを行う回転伝達機構を組込んだ回転伝達装置において、回転伝達機構が、トランスファ内部の入力軸に内方部材を同軸上に回転不能に連結し、入力軸に同軸上回転可能に嵌合されたチェンスプロケットに外輪を同軸上に回転不能に連結し、内方部材と外輪の一方に複数のカム面と他方に円筒面を設けて両面間に楔形空間を形成し、この楔形空間内に保持器を設け、該保持器に形成した複数のポケットに係合子を組込み、この係合子がカム面と円筒面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢する弾性部材を、保持器とカム面を有する内方部材または外輪の間で係止してツーウェイクラッチを形成し、外輪または内方部材に固定された摩擦フランジと、保持器の端部に該保持器と軸方向にスライド可能で相対回転不可能に嵌合したアマチュアを適当な隙間を介して重ね合わせ、その摩擦フランジとアマチュアを磁力により圧接させるための電磁コイルを設けて形成されていることを特徴とする回転伝達装置。
  2. 回転伝達機構が、トランスファ内部の入力軸に外輪を同軸上に回転不能に連結し、入力軸に同軸上回転可能に嵌合されたチェンスプロケットに内方部材を同軸上に回転不能に連結し、内方部材と外輪の一方に複数のカム面と他方に円筒面を設けて両面間に楔形空間を形成し、この楔形空間内に保持器を設け、該保持器に形成した複数のポケットに係合子を組込み、この係合子がカム面と円筒面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢する弾性部材を、保持器とカム面を有する内方部材または外輪の間で係止してツーウェイクラッチを形成し、外輪または内方部材に固定された摩擦フランジと、保持器の端部に該保持器と軸方向にスライド可能で相対回転不可能に嵌合したアマチュアを適当な隙間を介して重ね合わせ、その摩擦フランジとアマチュアを磁力により圧接させるための電磁コイルを設けて形成されている請求項1記載の回転伝達装置。
  3. 前記回転伝達機構において、車両がエンジンブレーキによって減速するとき、後輪回転数と前輪回転数を各々微分演算し、その微分値の差の大きさに応じて電磁コイルの電流を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の回転伝達装置。
  4. 前記回転伝達機構のツーウェイクラッチに並列に、内方部材または入力軸と外輪との間に、両者にそれぞれ回転不能に嵌合された摩擦板を交互に重ね合わせ、この重なり方向の一方端部から押圧バネでこれらを圧接させ、エンジンブレーキトルクを前輪にも分配するために充分な大きさで、かつ、タイトコーナブレーキングを起さない大きさに設定された摩擦トルクを加えた湿式多板クラッチを設けた請求項1又は2に記載の回転伝達装置。
  5. 湿式多板クラッチにおいて、摩擦板を内方部材または入力軸にワンウェイクラッチを介して嵌合させ、このワンウェイクラッチを、内方部材または入力軸が外輪に対して、車両の前進方向に対応する向きに相対回転するとき空転するように形成した請求項記載の回転伝達装置。
  6. 請求項記載の回転伝達機構を組込んだトランスファにおいて、2WD走行を選択した場合に、前輪の駆動系を完全に切り離すために、前輪推進軸に連結されたアウトプットシャフトとアウトプットシャフトに同軸上に回転可能に嵌合されたチェーンの出力側スプロケットとの間にドッグクラッチを設けた回転伝達装置。
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