JP4052689B2 - 回転伝達装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の駆動経路上において、駆動力の伝達と遮断の切り換えに用いられる回転伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
前後輪を直結した4輪駆動車(4WD)が舗装のタイトコーナを旋回すると、いわゆるタイトコーナブレーキング現象が発生するが、この問題を解決する手段として、本出願人は、特願平8−172598号によってローラー型ツーウェイクラッチと電磁コイルを使用した回転伝達装置を提案している。
【0003】
この回転伝達装置は、図18と図19に示すように、前輪1、1の各端部にハブクラッチ2が装着されているFRベースの4WD車において、エンジン3に連なるトランスミッション4からの出力をトランスファ5の内部の入力軸6を介して直接後輪7、7の推進軸8に伝達し、トランスファ5の内部に、入力軸6と前輪1の推進軸の回転伝達と遮断を行なうためのローラ係合型のツーウェイクラッチ9と、該ツーウェイクラッチ9のロックとフリーを制御する電磁クラッチ10を設け、これによって、従来の典型的な4WDの走行モード(2WD、4WD−Hi、4WD−L0 )に加えて、4WDの制御モードおよび4WDのロックモードが追加される。
【0004】
この回転伝達装置によれば、4WD制御モードを選択すれば、車両が通常一定走行中は後輪駆動(2WD)状態であり、車両が加速した場合、後輪7のスリップを感知すると電磁クラッチ10に電流が流れ、ツーウェイクラッチ9がロックされ4WDとなる。
【0005】
また、低μ路で急なエンジンブレーキを掛けた場合なども後輪7のスリップを感知して電磁クラッチ10に電流を流し、4WDとする制御をおこなっていた。
【0006】
このように、ツーウェイクラッチ9を適宜必要に応じてロックさせることにより、路面条件を問わず、スムーズな走行ができる4WD駆動装置であった。
【0007】
また、この装置を用いれば、図18のように、2WDモード、4WDLOCKモード、4WDAUTO(制御)モード等の車両の走行モードを運転者の意志により選択できるものであり、2WDモード選択時は図18に斜線で表示したように前輪1、1のハブクラッチ2を切り離し、フロント駆動系の回転を停止させ、燃費経済的な走行ができるものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この回転伝達装置では2WDモードから4WDLOCK或は4WDAUTOモードに切り換える時に以下に示す改良の余地が生じる。
【0009】
2WD走行中は前述したように図18に斜線で示すフロント駆動系が停止しているが、車両が走行中に上記の4WDモードに切り換えようとすれば、ツーウェイクラッチ9をロックさせるしか手段が無い。しかし、走行中、フロント駆動系の回転が停止した状態から、ツーウェイクラッチ9をロックさせるとその機械的な係合により、車両は大きな衝撃をともなうことになる。当然、ツーウェイクラッチ9部や他の駆動系も故障する恐れもある。
【0010】
したがって、この回転伝達装置のままでは走行中に2WDモードから4WDモードに切り換えることは不可能である。すなわち、4WDモードにするためには一旦車両を停止させる必要がある。
【0011】
そこでこの発明の課題は、上記の回転伝達装置にシンクロ機能(同調装置)を付加し、車両が走行中であっても2WDモードから4WDモードへ切り換えられる回転伝達装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、トランスミッションからの出力が、トランスファ内部で入力軸を介して直接後輪推進軸へ伝達され、また、サイレントチェンを介して前輪推進軸へ動力が分岐されるFRベースの4WD車であり、かつ、2WD走行時は前輪推進軸を回転停止させるよう設定されたパートタイム4WD車において、トランスファ内部の入力軸に、内方部材を同軸上に回転不可能に連結し、入力軸に軸受を介して同軸上回転可能に嵌合されたチェンスプロケットに外輪を同軸上に回転不可能に連結させ、内方部材と外輪の一方に複数のカム面と他方に円筒面を設けて両面間に回転方向の両側が狭幅となる楔形空間を形成し、この楔形空間内に配置した保持器の複数のポケットに係合子としてのローラを組み込み、カム面を有する内方部材または外輪と保持器の間に係止され、ローラが円筒面とカム面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢するスイッチバネを設けて形成されたツーウェイクラッチと、上記スイッチバネの付勢力に対向して保持器と内方部材または外輪の周方向位相を切り換えるため、保持器と相対回転不可能で軸方向に移動可能となるアマチュアとこれと対向するロータを磁力で圧接させる電磁コイルで形成された電磁クラッチとを設けた回転伝達機構と、トランスファ内部の入力軸にチェンスプロケットを介してその回転伝達機構に対向して同軸上に回転不可能に取り付けられた内輪を設け、前記チェンスプロケットに内輪と同軸上回転可能に嵌合させたアウターケースを同軸上に回転不可能に連結し、アウターケースとスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合した複数のアウタープレートと、内輪または入力軸とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合した複数のインナープレートを交互に重ね合わせ、その両プレートを内輪またはアウターケースに固定された摩擦フランジと、内輪とアウターケースの間に同軸上スライド可能に嵌合したアマチュアの間に挾み込んで設けることにより多板クラッチを形成し、電磁コイルが上記摩擦フランジとアマチュアを磁力により圧着させるようになっているシンクロ機構とを組み合せて形成され、上記電磁クラッチの電磁コイルと、シンクロ機構の電磁コイルは、2WDモードの選択時に電流が流れず、モードの変更時に電流を切り換えて使用するようにした構成を採用したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0016】
図1乃至図16に示す第1の実施形態において、図1はこの発明の回転伝達装置11を組込んだ4WD駆動レイアウトを示し、図2は回転伝達装置を収納したトランスファの断面図、図3は回転伝達装置11におけるシンクロ機構の詳細を示している。
【0017】
図1において、前輪1、1の各端部にハブクラッチ2が装着されているFRベース4WD車のトランスファ5の内部に回転伝達機構11aとシンクロ機構11bからなる回転伝達装置11が組み込まれ、これによって、従来の典型的な4WDの走行モード(2WD、4WD−Hi、4WD−Lo)に加えて、4WD制御オートモードおよび4WDロックモードが追加される。
【0018】
図1と図2に示すように、エンジン3に接続されたトランスミッション4からの出力は、トランスファ5を介してリヤプロペラシャフト12に伝達され、かつ、回転伝達機構11aを介してフロントプロペラシャフト13に動力を分岐し得るようになっている。
【0019】
トランスファ5は、シャフト14がトランスミッション4の出力軸とハイ・ローセレクトギヤ15を介して結合され、このハイ・ローセレクトギヤ15は既知の技術であり、例えば、プラネタリーギヤセット16とセレクト用のスライドギヤ17との組合せからなり、ハイギヤを通過する場合は1対1の関係で回転トルクを伝達し、ローギヤを通過する場合は回転が減速され、トルクは増大する。
【0020】
上記シャフト14と、フロントプロペラシャフト13に結合するフロントアウトプットシャフト18は、それぞれのシャフト14、18に装着したチェン用スプロケット19、20をサイレントチェン21で連動し、動力を前輪1へ分岐するようになっており、上記シャフト14に対するスプロケット19は、シャフト14に回転自在に嵌合され、回転伝達機構11aを介してシャフト14と結合される。
【0021】
回転伝達機構11aは、シャフト14のリヤプロペラシャフト12に通じる軸が入力軸22となり、図1と図2に示すように、この入力軸22に装着され、入力軸22とスプロケット19の結合と切り離しを行なうためのツーウェイクラッチ23と、このツーウェイクラッチ23のオン、オフを操作するための電磁クラッチ24との組み合わせによって構成されている。
【0022】
先ず、ツーウェイクラッチ23は、図4(A)に示すように、入力軸22に内方部材となるカムリング26を同軸上にセレーションで回転不可能に外嵌固定し、入力軸22に軸受27を介して回転可能となるよう外嵌挿入したハウジング28の筒状部がカムリング26に外嵌する外輪29となり、該ハウジング28はチェンスプロケット19とセレーション30等で一体に回転するよう結合されている。
【0023】
図4(B)の如く、上記カムリング26の外周に複数のカム面31が設けられ、外輪29の内径は円筒面32となり、各カム面31と円筒面32間に楔形空間を形成していると共に、この楔形空間内にカムリング26へ外嵌する保持器33を設け、この保持器33の各カム面31と対応する位置に形成したポケット34内に係合子としてのローラ35が組込まれ、ツーウェイクラッチ23を形成している。
【0024】
上記ローラ35は、図5の如く、カム面31に対して中央の中立位置に位置するとき円筒面32との間に隙間Hを生じ、カムリング26の回転を外輪29に伝えないオフの状態となり、図6(A)、(B)の如く、保持器33でローラ35を楔空間の一方に片寄らすと、ローラ35はカム面31と円筒面32間にかみ込み、カムリング26の回転を外輪29に伝達するオンの状態になる。
【0025】
図7に示すように、保持器33とカムリング26の両者には、周方向の一部にそれぞれ切り欠き26a、33aがあり、そこに弾性部材であるスイッチバネ36をたわませて両端をセットされ、図5の如く、ローラ35がカム面31と円筒面32に係合しない中立位置へ保持器33を支持付勢している。
【0026】
次に、電磁クラッチ24は、ツーウェイクラッチ23の保持器33の切欠部に相対回転不可能で軸方向に移動可能となるよう嵌め込まれたアマチュア37と、このアマチュア37と対向するロータ38と、ロータ38内に納まる電磁コイル41とで構成されている。
【0027】
電磁クラッチ24の電磁コイル41は、トランスファケース5aにボルト42等で回転不能に固定し、該コイル41の電極はトランスファケース5aを通して外部コントローラ(以下ECU)43に接続される。このECU43は、図1のように、前輪1と後輪7の回転数、モード選択スイッチ44、ABS作動信号45等から入力された各信号を演算および判断して、電磁コイル41に流す電流を制御する。なお、図1と図2の如く、前輪1の回転数は、フロントスピードセンサ46で、後輪7の回転数はリヤスピードセンサ47によって検出する。
【0028】
上記電磁コイル41に対して回転可能となるよう外嵌するロータ38は、外輪29に固定されて一体に回転する摩擦フランジとなり、電磁コイル41に通電すると、ロータ38とアマチュア37を磁力により圧着させ、外輪29と保持器33を回転方向に固定化するようになっている。
【0029】
電磁クラッチ24の磁力は電磁コイル41に流す電流の大きさによって変わり、保持器33に連結したアマチュア37と外輪29に圧入されたロータ38間に押し付け力を付与する。
【0030】
次に、シンクロ機構11bは、図2の如く、回転伝達機構11aとチェン用スプロケット19を介して対向するように、入力軸22に装着され、図3に示すように、内輪51、アウターケース52、電磁コイル53、ロータ54、複数のインナープレート55、複数のアウタープレート56、アマチュア57とで構成されている。
【0031】
上記内輪51は、入力軸22に回転不可能となるよう嵌合され、この内輪51に対して同軸上回転可能となるよう外嵌するアウターケース52が前記スプロケット19の端部にもセレーション58等を介して回転方向に一体となるよう連結され、ロータ54はアウターケース52に圧入固定され、軸受59を介して入力軸22に回転可能に嵌合される。
【0032】
上記ロータ54内に納まる電磁コイル53は、トランスファケース5aに固定部材60と固定ボルト61を用いて回転不能に固定配置され、アウタープレート56はセレーションを介してアウターケース52に回転方向に一体で軸方向に可動となり、インナープレート55は、内輪51にセレーションを介して回転方向に一体で軸方向に可動となり、両プレート55と56を順次交互に重ね合わせることにより多板クラッチを形成している。
【0033】
アマチュア57はそのプレート55、56群の最端に位置し、アウターケース52又は内輪51にセレーション等で軸方向に可動となるよう嵌合され、ロータ54のプレート55、56群と重なり合う面が摩擦フランジになる。なお、プレート55、56群のトルクだけで充分な場合は、アマチュア57は、セレーション等でアウターケース52又は内輪51に対して係止する必要はない。
【0034】
前記電磁コイル53の電極はトランスファケース5aを通して前述した外部コントローラ(以下ECU)43に接続され、電磁コイル53に流す電流を制御する。
【0035】
上記電磁コイル53に対して回転可能となるよう外嵌するロータ54は、アウターケース52に固定されて一体に回転する摩擦フランジとなり、電磁コイル53に通電すると、ロータ54とアマチュア57を磁力によりその間にプレート55、56を直接圧着させ、入力軸22とスプロケット19間に回転方向に摩擦トルクを与えるようになっている。
【0036】
電磁コイル53の磁力は該コイル53に流す電流の大きさによって変わり、アマチュア57とロータ54間に押し付け力を付与する。
【0037】
この発明の回転伝達装置では基本的にシンクロ(同調)機構11b用とローラ型回転伝達機構11a用の2つの電磁コイル41、53へ流す電流を切り換えて使用する。
【0038】
シンクロ機構11bの電磁コイル53に適当な電流を流すと、アマチュア57とロータ54が吸引され、その力によってプレート55、56群が直接押圧され、プレート55、56群の摩擦力によりアウターケース52と内輪51間にトルクを発生する仕組になっている。
【0039】
まず、この回転伝達装置を組み込んだトランスファの2WDモードを説明する。図8に該装置の原理図を、図9に2WD時の動力の伝達径路を示す。トランスミッションからの動力は、Hiレンジのギヤを通過し、回転伝達装置の入力軸22に入力される。
【0040】
また、別途設けられた走行モード選択スイッチにより、2WDを選択しているときは、両方の電磁コイル41、53に電流は流れないようになっており、ツーウェイクラッチ23は図5のようにニュートラル状態に保持されるため、入力軸22と外輪29は切り離される。また、シンクロ機構11bもトルクを発生せず、入力軸22とチェーンスプロケット19間には何ら抵抗の無い状態となる。
【0041】
したがって、外輪29、アウターケース28すなわち前輪駆動系には動力は伝達されずに切り離され、また、2WDモードでは前記ハブクラッチ2の接続が切れているため、図8のように車両走行中でもドライブシャフト、フロントデフ、フロントプロペラシャフト、サイレントチェーンおよびシンクロ機構11bのアウターケース52、アウタープレート56およびローラ型回転伝達機構11aの外輪29を停止させることができ、燃費経済的な走行ができる。
【0042】
次に、上記2WD走行モードから走行中に4WDロックモード或いは4WD制御モードに切り換わる時の作用を説明する。(図9参照)
2WDモードの走行中は前記フロント駆動系、シンクロ機構11bのアウターケース52およびアウタープレート56が回転停止しているのに対し、リヤ駆動系、シンクロ機構11bの内輪51およびインナープレート55はその走行速度に応じて回転している。
【0043】
回転伝達装置11は2WDモードから4WDモードに切り換える時、まず、シンクロ機構11bの電磁コイル53に電流を流す。このときローラ型回転伝達機構11aの電磁コイル41には電流を流さないのでツーウェイクラッチ23はロックしないでニュートラルを維持し、シンクロ機構11bの停止しているアウタープレート56と回転しているインナープレート55の間で、すなわち入力軸22、内輪51とアウターケース52間に摩擦トルクが発生する。この摩擦トルクは回転停止しているフロント駆動系部品、アウターケース52、アウタープレート56を徐々にリヤ駆動系の回転数に近づけ、違和感無くフロント駆動系をリヤ駆動系に同調させる。一旦同調した後は、前輪1のハブクラッチ2がアクチュエータ等で自動に接続され、フロント駆動系と前輪1が連結される。
【0044】
その後は従来例と同様の、後述するような制御によって、ツーウェイクラッチ23のロックとフリーを制御する。
【0045】
先ず、4WD−Hiレンジのロックモード時の動力伝達経路を図10に示す。本装置は、別途設けられたモード選択スイッチのロックモードが選択されると、前述の同調作用が行われた後、電磁コイル41に電流が常時流れて、ツーウェイクラッチ23を図6(A)、(B)の状態に保持する。この図6(A)、(B)の状態は、保持器33と外輪29が電磁コイル41の吸引力によりアマチュア37とローター38を介して圧接されるため、入力軸22と外輪29が相対回転しようとすると、ローラ35が両方向に噛み込むようになっている。したがって、トランスミッション4から、Hiレンジギヤを通過してきた動力は、本装置のツーウェイクラッチ23によって、前輪側にも配分され、機械的に直結な4WDとして走行できる。
【0046】
次に、4WD−L0 レンジのロックモードについて、図11に示す。4WD−L0 は、L0 レンジギヤを通過する以外、上記Hiレンジのロックモードと本装置の作動は同じである。
【0047】
次に、制御モードについて説明する。2WDモードからの同調作用は前記と同様であるので省略する。制御モードはHiレンジギヤを通過した動力が本装置の入力軸に入力される。
【0048】
先ず、制御モードの加速時を図12に示す。滑りやすい路面上の加速等では、後輪(入力軸)がスリップし、前輪(外輪)に対して後輪の回転が上回る(「前輪回転数<後輪回転数」)。この回転数差が設定値以上になると電磁コイル41に電流が流れ、ツーウェイクラッチ23がロックされ、前輪に動力が伝達される。
【0049】
次に、制御モードの定速走行時、および旋回時を図13に示す。
【0050】
定速走行時は前後輪間の回転数差が少なく、設定値に到達しない、また旋回時は前輪の方が回転が上回るので、電磁コイル41に電流は流れずツーウェイクラッチ23はフリーの状態にあり、前輪1に動力は伝達されない。
【0051】
次に、エンジンブレーキが作用した場合について説明する。車両にエンジンブレーキが加わった場合、エンジンブレーキのトルクは本装置の入力軸22を介して後輪側に直接伝達される。路面がアスファルト等の高μ路であれば、エンジンブレーキのような比較的弱いトルクでは後輪はスリップしない。したがって、この状況では電磁クラッチ24に電流を流さない制御になっている(図14)。したがって、高μ路でのエンジンブレーキ時はツーウェイクラッチ23がロックすることが無く、タイトコーナブレーキを起こすことはない。
【0052】
一方、雪道等の低μ路ではエンジンブレーキトルクだけでも後輪7が回転減少方向にスリップすることが有り、後輪1は急激に減速しようとする。本装置はこのとき電磁クラッチ24に電流を流し、ツーウェイクラッチ23をロックさせ、後輪のスリップを防ぎ、前輪1にもエンジンブレーキトルクを配分することができる(図15)。
【0053】
なお、基本的には上記のような2WDモードから4WDモードに切り換える時のみ、シンクロ機構11bおよびその機能は使われるが、4WD制御モードにおいても、ローラ型回転伝達機構11aの空転時に予圧を与え空転時の安定性を図る目的で、シンクロ機構11bに電流を流し、予圧抵抗用に用いることもできる。
【0054】
ツーウェイクラッチ23の構造は、図16のように外輪29に多角形のカム面31、入力軸22側に円筒面をもった構造としてもよい。この時、電磁クラッチ24の吸引力は保持器33と内輪(図では内輪と入力軸22を一体にしている)を圧接することになる。
【0055】
従って図16のように内輪側と回転不能、軸方向スライド可能に設けた摩擦プレートをアマチュアとロータ間に挟んで使用する。
【0056】
また、本実施形態では、外輪29を出力側(前輪)としているが、逆に、外輪29を入力軸に結合し、外輪29からエンジン動力を入力させ、内輪側をチェーンスプロケットに結合してもよい(図示省略)。
【0057】
また、本装置をフロントアウトプットシャフトとフロントスプロケット間の動力の断続に用いるような位置に装着することもこの発明の範疇である。
【0058】
また、実施形態では、2WDモード走行時は、自動ハブクラッチによって前輪とフロント駆動系を断続した例を用いたが、図17の様に、ハブクラッチを使用せず、フロントデフとドライブシャフト間にドッグクラッチ48等を用いて、そのクラッチの断続によってフロントプロペラシャフトやフロントデフの一部を2WDモード走行時に停止させる種類の車両もあるが、この発明はこのような車両でも当然成立する。
【0059】
また、この発明のシンクロ機構は、他の回転伝達機構と組み合わせてもシンクロ機能として利用することはこの発明の範疇である。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、入力軸とスプロケットの結合と切り離しをツーウェイクラッチで行なう回転伝達装置に加え、スプロケットと該入力軸の間に、多板クラッチ式の同調機構を組み合せて設け、前記ツーウェイクラッチを、内方部材と外輪の一方にカム面と他方に円筒面を設けて両面間に楔形空間を形成し、この楔形空間内に配置した保持器の複数のポケットに係合子としてのローラを組み込み、カム面を有する内方部材または外輪と保持器の間に係止され、ローラが円筒面とカム面に係合しない中立位置へ保持器を支持付勢する弾性部材を設けて形成したので、2WD走行モードの時はフロント駆動系の回転を停止させ燃費経済性を保ち、かつ、4WD走行モードへの切り換えは車両が走行中でも可能となり、快適で安全な走行ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の回転伝達装置を組み込んだ4WD駆動車の第1実施形態のレイアウトを示す平面図
【図2】回転伝達装置を組み込んだトランスファの断面図
【図3】同上におけるシンクロ機構の拡大断面図
【図4】(A)は回転伝達機構の断面図、(B)は(A)のb−b断面図
【図5】ツーウェイクラッチのニュートラル状態を示す要部の拡大断面図
【図6】(A)と(B)はツーウェイクラッチのロック状態を示す要部の拡大断面図
【図7】ツーウェイクラッチのスイッチバネの部分を示す断面図
【図8】回転伝達装置の原理を示す説明図
【図9】回転伝達装置の原理と動力伝達径路を示す2WDモード時の説明図
【図10】4WD−Hiロックモード時の動力伝達径路を示す説明図
【図11】4WD−Loロックモード時の動力伝達径路を示す説明図
【図12】4WD制御モード加速時の動力伝達径路を示す説明図
【図13】4WD制御モード定速、旋回時の動力伝達径路を示す説明図
【図14】4WD制御モードエンジンブレーキ時(高μ路)の動力伝達径路を示す説明図
【図15】同4WD制御モードエンジンブレーキ時(低μ路)の動力伝達径路を示す説明図
【図16】(A)は回転伝達装置の外輪カム面の例を示す断面図、(B)は(A)のb−b断面図
【図17】回転伝達装置を組み込んだ4WD駆動車の第2の実施形態を示す平面図
【図18】従来の回転伝達装置を組み込んだ4WD駆動車のレイアウトを示す平面図
【図19】同上のトランスファの断面図
【符号の説明】
1 前輪
5 トランスファ
11 回転伝達装置
11a 回転伝達機構
11b シンクロ機構
14 シャフト
15 ハイ・ローセレクトギヤ
19、20 チェン用スプロケット
21 サイレントチェン
22 入力軸
23 ツーウェイクラッチ
24 電磁クラッチ
25 多板クラッチ
26 カムリング
29 外輪
31 カム面
32 円筒面
33 保持器
34 ポケット
35 ローラ
36 スイッチバネ
37 アマチュア
38 ロータ
41 電磁コイル
51 内輪
52 アウターケース
53 電磁コイル
54 ロータ
55 インナープレート
56 アウタープレート
57 アマチュア

Claims (1)

  1. トランスミッションからの出力が、トランスファ(5)内部で入力軸(22)を介して直接後輪推進軸へ伝達され、また、サイレントチェン(21)を介して前輪推進軸へ動力が分岐されるFRベースの4WD車であり、かつ、2WD走行時は前輪推進軸を回転停止させるよう設定されたパートタイム4WD車において、
    トランスファ(5)内部の入力軸(22)に、内方部材を同軸上に回転不可能に連結し、入力軸(22)に軸受を介して同軸上回転可能に嵌合されたチェンスプロケット(19)に外輪(29)を同軸上に回転不可能に連結させ、内方部材と外輪(29)の一方に複数のカム面(31)と他方に円筒面(32)を設けて両面間に回転方向の両側が狭幅となる楔形空間を形成し、この楔形空間内に配置した保持器(33)の複数のポケット(34)に係合子としてのローラ(35)を組み込み、カム面(31)を有する内方部材または外輪(29)と保持器(33)の間に係止され、ローラ(35)が円筒面(32)とカム面(31)に係合しない中立位置へ保持器(33)を支持付勢するスイッチバネ(36)を設けて形成されたツーウェイクラッチ(23)と、上記スイッチバネ(36)の付勢力に対向して保持器(33)と内方部材または外輪(29)の周方向位相を切り換えるため、保持器(33)と相対回転不可能で軸方向に移動可能となるアマチュア(37)とこれと対向するロータ(38)を磁力で圧接させる電磁コイル(41)で形成された電磁クラッチ(24)とを設けた回転伝達機構(11a)と、
    トランスファ(5)内部の入力軸(22)にチェンスプロケット(19)を介してその回転伝達機構(11a)に対向して同軸上に回転不可能に取り付けられた内輪(51)を設け、前記チェンスプロケット(19)に内輪(51)と同軸上回転可能に嵌合させたアウターケース(52)を同軸上に回転不可能に連結し、アウターケース(52)とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合した複数のアウタープレート(56)と、内輪(51)または入力軸(22)とスライド可能かつ相対回転不可能に嵌合した複数のインナープレート(55)を交互に重ね合わせ、その両プレート(55)、(56)を内輪(51)またはアウターケース(52)に固定された摩擦フランジと、内輪(51)とアウターケース(52)の間に同軸上スライド可能に嵌合したアマチュア(57)の間に挾み込んで設けることにより多板クラッチ(25)を形成し、電磁コイル(53)が上記摩擦フランジとアマチュア(57)を磁力により圧着させるようになっているシンクロ機構(11b)とを組み合せて形成され
    上記電磁クラッチ(24)の電磁コイル(41)と、シンクロ機構(11b)の電磁コイル(53)は、2WDモードの選択時に電流が流れず、モードの変更時に電流を切り換えて使用するようにしたことを特徴とする回転伝達装置。
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