JP4203684B2 - 蓋体の製造方法及びそのためのシャッター装置 - Google Patents

蓋体の製造方法及びそのためのシャッター装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4203684B2
JP4203684B2 JP26774298A JP26774298A JP4203684B2 JP 4203684 B2 JP4203684 B2 JP 4203684B2 JP 26774298 A JP26774298 A JP 26774298A JP 26774298 A JP26774298 A JP 26774298A JP 4203684 B2 JP4203684 B2 JP 4203684B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cavity
main body
soft
lid
hard
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP26774298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000095257A (ja
Inventor
滋 菅本
正行 三島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gifu Plastic Industry Co Ltd
Original Assignee
Gifu Plastic Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gifu Plastic Industry Co Ltd filed Critical Gifu Plastic Industry Co Ltd
Priority to JP26774298A priority Critical patent/JP4203684B2/ja
Publication of JP2000095257A publication Critical patent/JP2000095257A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4203684B2 publication Critical patent/JP4203684B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D43/00Lids or covers for rigid or semi-rigid containers
    • B65D43/02Removable lids or covers
    • B65D43/0202Removable lids or covers without integral tamper element
    • B65D43/0214Removable lids or covers without integral tamper element secured only by friction or gravity
    • B65D43/0218Removable lids or covers without integral tamper element secured only by friction or gravity on both the inside and the outside of the mouth of the container

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Closures For Containers (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉容器の容器本体に嵌合される蓋体の製造方法及びそのためのシャッター装置に関し、特に容器本体側に対する嵌合溝を含む部分を軟質周縁部として、密閉容器として必要とされる機能を向上させるようにした密閉容器のための蓋体の製造方法及びそのためのシャッター装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
所謂密閉容器としては、既に種々なものが提案されてきており、特に食品の鮮度を保つものとして重宝されているものである。ところが、この密閉容器は、例えば実公平7−32432号公報に指摘されている通り、その容器本体及びこれに嵌合されるべき蓋体が合成樹脂材料によって形成してあるため、例えば温度変化によってどちらかが相対的に収縮するものである。このように収縮すると、蓋体と容器本体との間に隙間が生じ、従来の容器は、その密閉性が低下するという問題を有していたものである。
【0003】
特に、密閉性を向上させようとすると、容器本体も蓋体も精度良く形成しなければならないし、密閉性が向上したとすると、今度は蓋体が容器本体にしっかりと密着してしまって、その取外しが困難となるだけでなく、嵌合操作性(嵌合を容易に行えるようにすること)も悪くなってしまうのである。
【0004】
すなわち、この種の密閉容器については、まず、次のような(1)(8)の要望があるのである。
【0005】
(1)この種の密閉容器は、例えば食品を密閉して収納するものであるが、十分 な密閉性を有したもの、特に水分の流通を完全に遮断できる性質・構造のものとする必要がある。食品の変化は、その水分の移動によって生ずるものだからである。(密閉性の確保)
(2)この種の密閉容器は、合成樹脂を材料として、「型」を利用した成形法を駆使して製造されるものである。そうであれば、型成形によるメリットを十分生かせるようなものとして、成形が容易で製造コストを安価にすることができるようにしなければならない。(型成形の容易化)
(3)この種の密閉容器は、手に持って容器本体に対する蓋体の嵌合、及びその取り外しを行うものであるから、上記(1)の密閉性を確保しながら、嵌合操作を簡単に行えるようにするとともに、逆に蓋体の取り外しも簡単に行えるものとしなければならない。(嵌合操作性の向上)
(4)この種密閉容器の蓋体は、容器本体側に嵌合すべき部分が軟質である方が、上記(1)を達成し易いし、その他の部分はある程度の剛性を有していた方がよい。一部に硬い部分を有していると、(3)の嵌合操作性が良くなるからである。(物性の二重性)
【0006】
(5)上記(4)のように、一つの物で部分的に物性を変えようとすると、異なる材料を使用して成形するのが最もよいが、幸い、次に説明する「コアバック成形法」が確立されてきている。この「コアバック成形法」を簡単に適用できる密閉容器となれば、好都合である。(コアバック成形法の適用性)
【0007】
この(5)で述べた「コアバック成形法」は、異なる合成樹脂材料を使用しながら一つの製品を射出成形する方法であるが、このコアバック成形法は、所謂「インサート成形法」とは全く異なって、言わば異種材料から一つの製品を一つの型で略同時に射出成形する方法である。すなわち、例えば、硬質本体部と、その周縁に軟質周縁部を一体化した蓋体を、このコアバック成形法によって同時形成するには、第一材料によって硬質本体部を(一次)射出成形しておき、その後に硬質本体部を形成していた型の一部を後退させること(コアバック)により空間(キャビティ)を形成、またはこの空間への樹脂の流動路を形成しておく。このようにして形成された空間内に、第二材料を注入することにより、軟質周縁部が硬質本体部の周縁に射出成形(二次)されるのである。この間、型開きされることはなく、一次射出されたものの一次冷却時間中に二次射出がなされるのであり、成形時間を短縮しながら、例えば蓋体を同時に射出成形するものである。
【0008】
(6)上記のコアバック成形法を適用した場合、材料が異なる界面での密着性が問題となる。特に、蓋体について異種材料を使用して成形した場合、この蓋体は容器本体に対する嵌合や取り外しを強制的に行わなければならないものであるからその時の引張り力に十分抗することができて、界面での分離がなされないものとなっていなければならない。(界面における密着性の確保)
(7)特に、この種の密閉容器を構成する蓋体に限ってみてみると、この蓋体を通して容器本体内に収納した食品の状態が見えれば、保存状態等の確認を外部から容易に行うことができるから、蓋体の、例えば中心部は、透明性に優れていれば好都合である。(蓋体の透明性)
(8)以上の(1)(7)の要望は、容器本体についてよりも、むしろ蓋体側の改良に よって達成できるものと考えられ、蓋体についてこれらの(1)(7)の要望を解決できれば、密閉容器全体の要望の解決になるものと考えられる。(蓋体改良の重要性)
【0009】
ところで、この種の合成樹脂を材料として成形される密閉容器において更に重要なことは、パーティングライン(P.L.)(製品中の、型が分割される面に対応する線)上に、所謂「バリ」が生じないようにすることである。食品を収納するためのこの種の密閉容器に「バリ」が存在したままになっていると、手触りが非常に悪い製品となるだけでなく、衛生的にも好ましくない。このため、後述する「コアバック成形法」であろうが、二色(二種類の材料)成形で一般的に採用されている所謂「インサート成形法」であろうが、異なる合成樹脂材料を使用しながら、一つの製品を射出成形する場合には、この「バリ」が生じないようにしなければならないのである。
【0010】
そもそも、「バリ」が発生するのは、溶融された合成樹脂が図9に示したような流れを発生させるからである。つまり、溶融した樹脂は、キャビティの周囲を形成している成形型によって冷却されて粘性を失い、冷却が遅いキャビティの中心部分の樹脂が流れていくのであり(図9のA参照)、流れの先端が型に到達すると、図9の(B)に示すように、コーナー部に射出圧力が大きく掛かることになる。このコーナー部には、通常パーティングライン(成形型の分離面に相当する)が存在しており、図9の(C)に示すように、このパーティングラインから樹脂が浸みだして、これが「バリ」となるのである。
【0011】
「バリ」の発生を防止するためには、種々な解決策が既に提案されている。代表的には、型の精度を高めて、上記パーティングラインでの型同士の密着を向上させるとともに、射出される樹脂の圧力を低くすることである。ところが、型の精度で言えば、通常採用されている精度、つまり1/100程度の精度を越えようとすると、型同士の相対移動が困難となるだけでなく、成形サイクルも長くなる。一方、射出される樹脂の圧力を低めることは、製品に「ひけ」を生じ易くて品質上問題がおき、商品価値が下がることとなる。
【0012】
つまり、この種の密閉容器については、上記(1)(8)の要望の他に、
(9)この種の密閉容器を、合成樹脂を材料として型成形した場合、成形型の精度を上げなくても、「バリ」が発生しないようにしなければならない。
という条件をもクリアーしなければならないのである。
【0013】
以上のような要望を解決するために、本発明者等は、特願平10−217835号において、図4〜図6に示すような蓋体10を提案してきている。この蓋体10は、
「密閉容器を構成する容器本体20の開口端縁21に気密的に嵌合される蓋体10を構成して、この蓋体10の中央部を構成する硬質本体部11と、この硬質本体部11の周縁に一体化されて容器本体20の開口端縁21に嵌合される嵌合溝13を有した軟質周縁部12とからなる蓋体10であって、
この軟質周縁部12と硬質本体部11との境界全周に段部30を形成するとともに、この段部30の内側に、軟質周縁部12の一部を突出させた突出リブ31を一体的に形成したことを特徴とする密閉容器の蓋体10」
であるが、上記突出リブ31を形成することによって、「バリ」の発生を簡単に防止することができて、蓋体1の容器本体20に対する密閉性を向上させることのできる密閉容器の蓋体10を提供することができたのであった。
【0014】
そこで、本発明者等は、この種の密閉容器のコスト低減を図りながら、その蓋体10の嵌合操作性や密閉性等を十分なものとしながら、突出リブ13を有する蓋体10を短時間で大量生産するようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとする課題は、上記(1)(9)の要望を満たすことのできる密閉容器の蓋体の製造方法及びそのためのシャッター装置を提供することである。
【0016】
すなわち、請求項1及び請求項3に係る発明の目的とするところは、上記(1)(9)の要望を満たすことのできる密閉容器の蓋体の製造方法を提供することにあり、請求項2及び請求項4に係る発明の目的をするところは、請求項1の蓋体を製造することができて、しかも従来からある成形装置に簡単に適用することができるシャッター装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、まず、請求項1及び請求項3に係る発明の採った手段は、後述する実施の形態の説明中において使用する符号を付して説明すると、
「蓋体10の中央部を構成する硬質本体部11と、この硬質本体部11の外周に形成した段部30と、この段部30を介して硬質本体部11に一体化され、密閉容器を構成する容器本体20の開口端縁21に嵌合される嵌合溝13を有した軟質周縁部12と、段部30の内側に軟質周縁部12の一部を突出させて一体的に形成した突出リブ31とを備えた、容器本体20の開口端縁21に気密的に嵌合される蓋体10の製造方法であって、
型50a・50bによって、硬質本体部11と軟質周縁部12とをそれぞれ形成するための硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52とを構成し、
硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との境界部分に、蓋体10の段部30に該当する段部44を有する分離用突出部43を備えたシャッター装置40を挿入することにより、硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との連通を遮断して、硬質本体部用キャビティ51内に合成樹脂を一次射出した後、
分離用突出部43を、その頂面が硬質本体部11の内面と同一面を形成するように後退させることにより、軟質周縁部用キャビティ52内に、蓋体10の段部30と分離用突出部43側の段部44とを露出させ、
この軟質周縁部用キャビティ52内に合成樹脂を二次射出することにより、軟質周縁部12と、これに連続して後退した分離用突出部43側の段部44内に位置する突出リブ31とを一体成形するようにしたことを特徴とする密閉容器の蓋体10の製造方法」
及び、
「蓋体10の中央部を構成する硬質本体部11と、この硬質本体部11の外周に形成した段部30と、この段部30を介して硬質本体部11に一体化され、容器を構成する容器本体20の開口端縁21に嵌合される嵌合溝13を有した軟質周縁部12と、段部30の内側に軟質周縁部12の一部を突出させて一体的に形成した突出リブ31とを備えた、容器本体20の開口端縁21に気密的に嵌合される蓋体10の製造方法であって、
型50a・50bによって、硬質本体部11と軟質周縁部12とをそれぞれ形成するための硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52とを構成し、
硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との境界部分に、蓋体10の段部30に該当する段部44を有する分離用突出部43を備えたシャッター装置40を挿入することにより、硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との連通を遮断して、硬質本体部用キャビティ51内に合成樹脂を一次射出した後、
分離用突出部43を、その頂面が硬質本体部11の内面と同一面を形成するように後退させることにより、軟質周縁部用キャビティ52内に、蓋体10の段部30と分離用突出部43側の段部44とを露出させ、
この軟質周縁部用キャビティ52内に合成樹脂を二次射出することにより、軟質周縁部12と、これに連続して後退した分離用突出部43側の段部44内に位置する突出リブ31とを一体成形するようにしたことを特徴とする蓋体10の製造方法」
である。
【0018】
すなわち、この請求項1及び請求項3の製造方法は、蓋体10の硬質本体部11と、その外周の段部30と、容器本体20に嵌合される嵌合溝13を有した軟質周縁部12と、段部30の内側に一体的に形成した突出リブ31とを備えた蓋体10を製造するための方法である。
【0019】
この製造方法では、図1及び図2に示すように、型50a・50bによって、硬質本体部11と軟質周縁部12とをそれぞれ形成するための硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52とを構成しなければならない。その理由は、これらの硬質本体部用キャビティ51及び軟質周縁部用キャビティ52によって、蓋体10の硬質本体部11及び軟質周縁部12をそれぞれ別材料によって形成しなければならないからである。
【0020】
このように構成した硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ 52との境界部分に、後述の請求項2に係るシャッター装置40を、例えば図1等に示した下型50bのシャッター装置挿入溝53に挿通することにより、蓋体10の段部30に該当する段部44を有する分離用突出部43を挿入するのである。これにより、硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との連通が遮断されるのであり、その後は、この硬質本体部用キャビティ51内に硬質本体部11となる原料樹脂の注入、つまり一次射出を行うのである。
【0021】
なお、この一次射出によって、硬質本体部11の段部30の下端に、図3に示すように、小さなバリが発生することがある。しかしながら、このバリは、後に二次射出成形される突出リブ31に吸収されてしまうため、何等問題となるものではない。
【0022】
この一次射出の後、シャッター装置40の全体を後退させて、分離用突出部43の段部44を硬質本体部11の外に出るように後退させることにより、軟質周縁部用キャビティ52内に蓋体10の段部30を露出させるのである。その理由は、一次射出によって形成されている硬質本体部11の段部30に、二次射出される軟質周縁部12の原材料を溶着・接着させて、軟質周縁部12を硬質本体部11に一体化するためである。つまり、この軟質周縁部用キャビティ52内に軟質周縁部12のための原料樹脂を注入することにより、硬質本体部11と一体的となる軟質周縁部12と、バリの発生しない突出リブ31とが同時に一体成形されるのである。
【0023】
この突出リブ31にバリが発生しないのは、次の理由による。そもそも、「バリ」が発生するのは、溶融された合成樹脂が図9に示したような流れを発生させるからであった。つまり、溶融した樹脂は、キャビティの周囲を形成している成形型によって冷却されて粘性を失い、冷却が遅いキャビティの中心部分の樹脂が流れていくのであり(図9のA参照)、流れの先端が型に到達すると、図9の(B)に示すように、コーナー部に射出圧力が大きく掛かることになるからであった。ところが、本発明の製造方法では、図9に示したキャビティに該当するキャビティ51が、硬質本体部11と一体化される軟質周縁部12との境界部分に段部30を形成しなければならないから、図7に示すようになる。
【0024】
この段部30の近傍では、図7の(A)に示すように、シャッター装置40を構成している分離用突出部43の段部44が存在していて、この段部44の図示右側の縦線部分が、樹脂の流れが最初に到達するパーティングラインとなる。この右側の縦パーティングラインは、硬質本体部11と一体化される軟質周縁部12との境界部分に段部30を形成するものであるから、これに樹脂の流れが最初に到達しても、図7の(B)に示すように、図示上側左端に位置する縦パーティングラインまでは、まだ樹脂が流れるものである。従って、下側縦パーティングラインの近傍を構成している分離用突出部43の段部44には、図9に示した従来の技術におけるような大きな流動圧力が掛かることはないのである。
【0025】
それのみならず、分離用突出部43の外側上端部には、図2及び図3に示すように、二次射出時に突出リブ31を形成するためのキャビティが段部44として存在しているから、この段部44に一次射出時に圧力が加わって、従来では単なる「バリ」となっていた樹脂の一部が薄肉片(図3中に示したバリ)ができたとしても、このバリに二次射出された突出リブ31が融着一体化されるのである。このため、当該突出リブ31のための段部44が存在することによって、この蓋体10では、「バリ」を生じないことになるのである。以上の通り、一次射出時に仮に「バリ」が生じたとしても、これは突出リブ31にくっついたものとなってしまうため、何等の問題を生じさせないのである。
【0026】
従って、これらの請求項1及び請求項3に係る蓋体10の製造方法によれば、密閉容器のコスト低減を図りながら、その蓋体10の嵌合操作性や密閉性等を十分なものとしながら、突出リブ13を有する蓋体10を短時間で大量生産することができるのである。
【0027】
さて、上記課題を解決するために、請求項2及び請求項4に係る発明の採った手段は、同様に、
「蓋体10の中央部を構成する硬質本体部11と、この硬質本体部11の外周に形成した段部30と、この段部30を介して硬質本体部11に一体化され、密閉容器を構成する容器本体20の開口端縁21に嵌合される嵌合溝13を有した軟質周縁部12と、段部30の内側に軟質周縁部12の一部を突出させて一体的に形成した突出リブ31とを備えた、容器本体20の開口端縁21に気密的に嵌合される蓋体10の製造に使用され、一次射出時に硬質本体部11を、二次射出時に軟質周縁部12をそれぞれ形成するための硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52とを構成する型50a・50b内に挿入されるシャッター装置40であって、
このシャッター装置40を、前記一次射出時に、硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との境界部分に挿入されて両者の連通を遮断するとともに、蓋体10の段部30を成形する段部44を有した分離用突出部43と、
二次射出時に、軟質周縁部用キャビティ52内に突出して、軟質周縁部12内に嵌合溝13を形成することになる嵌合溝用突出部42と、この二次射出時に、分離用突出部43の頂面が硬質本体部11の内面と同一面を形成すべく後退され、軟質周縁部用キャビティ52内に露出されて、軟質周縁部12に連続する突出リブ31を一体成形する分離用突出部43側の段部44とを備えたものとしたことを特徴とする密閉容器の蓋体10の製造に使用するシャッター装置40」
及び、
「蓋体10の中央部を構成する硬質本体部11と、この硬質本体部11の外周に形成した段部30と、この段部30を介して硬質本体部11に一体化され、容器を構成する容器本体20の開口端縁21に嵌合される嵌合溝13を有した軟質周縁部12と、段部30の内側に軟質周縁部12の一部を突出させて一体的に形成した突出リブ31とを備えた、容器本体20の開口端縁21に気密的に嵌合される蓋体10の製造に使用され、一次射出時に硬質本体部11を、二次射出時に軟質周縁部12をそれぞれ形成するための硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52とを構成する型50a・50b内に挿入されるシャッター装置40であって、
このシャッター装置40を、前記一次射出時に、硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との境界部分に挿入されて両者の連通を遮断するとともに、蓋体10の段部30を成形する段部44を有した分離用突出部43と、
二次射出時に、軟質周縁部用キャビティ52内に突出して、軟質周縁部12内に嵌合溝13を形成することになる嵌合溝用突出部42と、この二次射出時に、分離用突出部43の頂面が硬質本体部11の内面と同一面を形成すべく後退され、軟質周縁部用キャビティ52内に露出されて、軟質周縁部12に連続する突出リブ31を一体成形する分離用突出部43側の段部44とを備えたものとしたことを特徴とする容器の蓋体10の製造に使用するシャッター装置40」
である。
【0028】
すなわち、この請求項2及び請求項4に係るシャッター装置40は、上記請求項1及び請求項3の製造方法を具体的に実施するために使用されるものであり、蓋体10の製造に使用される型50a・50b内に挿入されて、これらの型50a・50bの中に、蓋体10の硬質本体部11と軟質周縁部12とをそれぞれ形成するための硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52とを区画するものである。
【0029】
換言すれば、このシャッター装置40は、特に図3に示すように、例えば、下型50bの縦方向に形成してあるシャッター装置挿入溝53内の上下方向に挿入される本体41の先端に、嵌合溝用突出部42(図示左側部分)と分離用突出部43(図示右側部分)とを一体的に突出形成したものであり、分離用突出部43の図示右側上部には、蓋体10側の段部30に対応する段部44が形成してあるものである。嵌合溝用突出部42は、軟質周縁部12内に嵌合溝13を形成するものであり、一方、分離用突出部43は、硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との連通を遮断すべく両者の境界部分に挿入されるものであって、蓋体10の段部30に該当する段部44を有したものである。
【0030】
特に、このシャッター装置40は、軟質周縁部用キャビティ52との連通を遮断した硬質本体部用キャビティ51内に材料樹脂を充填して硬質本体部11を形成した後に、その本体41を、図2に示すように、分離用突出部43に形成してある段部44が硬質本体部11の外(図2では硬質本体部11の底面下)に出るように後退させるようにしたものである。このとき、嵌合溝用突出部42は、軟質周縁部用キャビティ52内に突出するのであり、この軟質周縁部用キャビティ52内に原料樹脂が充填されることにより、この嵌合溝用突出部42が、蓋体10を構成する軟質周縁部12の全周に嵌合溝13を形成することになるのである。
【0031】
従って、このシャッター装置40によれば、請求項1及び請求項3に係る蓋体10の製造方法を具体的に実施することができるのであり、しかも従来からある成形装置にシャッター装置挿入溝53を形成するのみで、従来装置に簡単に適用することができるのである。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、上記のように構成した各発明を、図面に示した実施の形態に基づいて説明するが、請求項1及び請求項3の製造方法は、請求項2及び請求項4に係るシャッター装置40を使用して行うものであるため、以下では、このシャッター装置40の実施形態について先に説明することとする。そして、この請求項2及び請求項4に係るシャッター装置40の 使用状態が、請求項1及び請求項3の製造方法を実質的に説明するものでもあるため、以下では、請求項2及び請求項4のシャッター装置40を中心に説明するが、その前に、製造対象である蓋体10そのものについて概略的に説明する。
【0033】
図4〜図6には、本発明に係る製造方法によって形成した蓋体10を有する密閉容器が示してあるが、図4は、上側半分を底面とした密閉容器の平面図を示すものであり、図5は、左側半分を断面とした密閉容器の正面図を示し、図6は図5の要部拡大断面図である。
【0034】
この密閉容器の容器本体20は、ポリプロピレン等の合成樹脂材料により一体成形したもので、その全体を比較的硬質なものとしてあり、蓋体10が嵌合されるべき開口端縁21の剛性を十分なものとしたものである。また、この容器本体20の側面は、図5及び図6に示したように、その開口端縁21が僅かに外方に拡開するように形成してあり、これによっても蓋体10との密閉性を向上させたものである。なお、この容器本体20の底部下面には、複数の脚部22が一体的に形成してあり、これらの脚部22によって当該容器本体20の底面が机上等に密着しないようにしてある。
【0035】
さて、蓋体10であるが、実施形態のものでは、その軟質周縁部12と硬質本体部11を、所謂「コアバック成形法」を適用した請求項1及び請求項3に係る製造方法によって、異なる材料を時間差を設けて射出成形することにより一体化したものである。
【0036】
この蓋体10を成形するには、シンジオタクチックポリプロピレン(SPP)(透明または半透明である)に、透明なアイソタクチックポリプロピレン(IPP)を添加した材料によって硬質本体部11を(一次)射出成形しておき、その後に、硬質本体部11を形成していた型の一部を後退させること(コアバック)により空間(軟質周縁部12のためのキャビティ)を形成、またはこの空間への樹脂の流動路を形成するのである。そして、この空間内に、100〜70%のシンジオタクチックポリエチレン(SPE)に、0〜30%のSEPS系エラストマーを添加した合成樹脂材料を注入することにより、射出成形(二次)を行うことによりなされる。この間、型開きされることはなく、一次射出されたものの一次冷却時間中に二次射出がなされるのであり、成形時間を短縮しながら、軟質周縁部12の硬質本体部11に対する密着性を確保しているものである。
【0037】
本実施形態における軟質周縁部12の合成樹脂材料としては、シンジオタクチックポリエチレン(SPE)に、重量比で7.5%のSESPを入れたものを採用している。このように、軟質周縁部12の材料としてSPEのベースポリマーとして熱可塑性エラストマーを使用しているのは、このベースポリマーは二重結合を有していなくて、この蓋体10の軟質周縁部12を耐候性や耐熱性に優れたものとすることができるだけでなく、例えば食品を収納するための密閉容器として適しているためである。
【0038】
つまり、本発明に係る製造方法によって成形される蓋体10は、その軟質周縁部12の硬度と、硬質本体部11の硬度との間に硬度差を設けることにより、密閉する際には、硬度の高い硬質本体部11を強く押圧することができるという操作性を向上させる意味があり、硬質本体部11より軟質周縁部12の硬度を低くすることは、容器本体20の開口端縁21に対する嵌合・取外し操作を従来品より行い易くし、かつ密閉性を向上させるという意味がある。
【0039】
ところで、この蓋体10を、図4に示したような略長方形のものに形成した場合に、その大部分は透明または半透明の材料によって形成した硬質本体部11であるから、この硬質本体部11を通して容器本体20内を視認することができるだけでなく、硬質本体部11の周囲には着色された軟質周縁部12を存在させることができるから、この軟質周縁部12によってその内側は見えない。すなわちこの蓋体10は、着色された軟質周縁部12が硬質本体部11の周囲に存在しているというデザイン上でも優れたものとなっているだけでなく、もし蓋体10と容器本体20との間に物が挟っていたとしても、これを軟質周縁部12が外部からは見えなくしているのであり、使用時における全体の見栄えをよくするものである。
【0040】
勿論、この蓋体10の軟質周縁部12には、図5及び図6に示したように、断面略逆U字状の嵌合溝13が形成してあるが、この嵌合溝13内に容器本体20側の開口端縁21が嵌入されることになるのである。この嵌合溝13の周囲は、前述した硬度を有する合成樹脂材料によって形成されている軟質周縁部12なのであるから、当該蓋体10の容器本体20に対する嵌合性が良好でかつ密閉性も良いものであることは前述した通りである。
【0041】
本実施形態の嵌合溝13は、図6に示したように、その中心線が前述した容器本体20の開口端縁21の傾斜方向に合わせて上方外側に傾斜させてあり、かつその外側内面(容器本体20の開口端縁21の外側面が当たる面)を、開口端縁21の上端からの垂線に対して内方に傾斜させてある。また、この嵌合溝13を形成している軟質周縁部12の外側部分を、図6に示したように他の部分よりも肉厚のものとしてある。以上の結果、一部に指掛け14が一体化してある軟質周縁部12の外周縁は、これを成形後に僅かに内方に縮むことにあり、開口端縁21に対する密着をより向上させることになるものである。
【0042】
さて、図1には、蓋体10の製造に使用される型50a・50bが閉じられた状態が示してあって、これにより形成された硬質本体部用キャビティ51内に、硬質本体部11のための原料樹脂が注入された状態が示してある。このとき、 実施形態の下型50bに形成してある図示縦方向のシャッター装置挿入溝53には、本発明に係るシャッター装置40が挿入されているのであり、このシャッター装置挿入溝53の上端に設けてある分離用突出部43によって、硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との境界部分が遮断されている。
【0043】
すなわち、このシャッター装置40は、特に図3に示すように、例えば、下型50bの縦方向に形成してあるシャッター装置挿入溝53内の上下方向に挿入される本体41の先端に、嵌合溝用突出部42(図示左側部分)と分離用突出部43(図示右側部分)とを一体的に突出形成したものであり、分離用突出部43の図示右側上部には、蓋体10側の段部30に対応する段部44が形成してあるものである。嵌合溝用突出部42は、軟質周縁部12内に嵌合溝13を形成するものであり、一方、分離用突出部43は、硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との連通を遮断すべく両者の境界部分に挿入されるものであって、蓋体10の段部30に該当する段部44を有したものである。
【0044】
特に、このシャッター装置40は、軟質周縁部用キャビティ52との連通を遮断した硬質本体部用キャビティ51内に材料樹脂を充填することによって、硬質本体部11のみを一次形成した後に、その本体41全体を、種々な手段によって後退させるのである。このとき、重要なのは、図2に示すように、分離用突出部43に形成してある段部44が硬質本体部11の外(図2では硬質本体部11の底面下)に出るように後退させることである。これによって、嵌合溝用突出部 42は、軟質周縁部用キャビティ52内に突出するのであり、この軟質周縁部用キャビティ52内に原料樹脂が充填されることにより、この嵌合溝用突出部42が、蓋体10を構成する軟質周縁部12の全周に嵌合溝13を形成することになるのである。
【0045】
【発明の効果】
以上、詳述した通り、まず、請求項1及び請求項3に係る発明によれば、上記の実施形態にて例示した如く、
「蓋体10の中央部を構成する硬質本体部11と、この硬質本体部11の外周に形成した段部30と、この段部30を介して硬質本体部11に一体化され、密閉容器を構成する容器本体20の開口端縁21に嵌合される嵌合溝13を有した軟質周縁部12と、段部30の内側に軟質周縁部12の一部を突出させて一体的に形成した突出リブ31とを備えた、容器本体20の開口端縁21に気密的に嵌合される蓋体10の製造方法であって、
型50a・50bによって、硬質本体部11と軟質周縁部12とをそれぞれ形成するための硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52とを構成し、
硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との境界部分に、蓋体10の段部30に該当する段部44を有する分離用突出部43を備えたシャッター装置40を挿入することにより、硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との連通を遮断して、硬質本体部用キャビティ51内に合成樹脂を一次射出した後、
分離用突出部43を、その頂面が硬質本体部11の内面と同一面を形成するように後退させることにより、軟質周縁部用キャビティ52内に、蓋体10の段部30と分離用突出部43側の段部44とを露出させ、
この軟質周縁部用キャビティ52内に合成樹脂を二次射出することにより、軟質周縁部12と、これに連続して後退した分離用突出部43側の段部44内に位置する突出リブ31とを一体成形するようにしたこと」
及び、
「蓋体10の中央部を構成する硬質本体部11と、この硬質本体部11の外周に形成した段部30と、この段部30を介して硬質本体部11に一体化され、容器を構成する容器本体20の開口端縁21に嵌合される嵌合溝13を有した軟質周縁部12と、段部30の内側に軟質周縁部12の一部を突出させて一体的に形成した突出リブ31とを備えた、容器本体20の開口端縁21に気密的に嵌合される蓋体10の製造方法であって、
型50a・50bによって、硬質本体部11と軟質周縁部12とをそれぞれ形成するた めの硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52とを構成し、
硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との境界部分に、蓋体10の段部30に該当する段部44を有する分離用突出部43を備えたシャッター装置40を挿入することにより、硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との連通を遮断して、硬質本体部用キャビティ51内に合成樹脂を一次射出した後、
分離用突出部43を、その頂面が硬質本体部11の内面と同一面を形成するように後退させることにより、軟質周縁部用キャビティ52内に、蓋体10の段部30と分離用突出部43側の段部44とを露出させ、
この軟質周縁部用キャビティ52内に合成樹脂を二次射出することにより、軟質周縁部12と、これに連続して後退した分離用突出部43側の段部44内に位置する突出リブ31とを一体成形するようにしたこと」
ようにしたことにその構成上の特徴があり、これにより、上記(1)(9)の要望を満たすことのできる密閉容器の蓋体10の製造方法を提供することができるのである。
【0046】
そして、この請求項1及び請求項3に係る製造方法によって製造した蓋体10によれば、次のような効果が得られることになる。
【0047】
(1)この蓋体10を採用した密閉容器は、例えば食品を密閉して収納するものであるが、上述したように十分な密閉性を有したものとなっており、特に水分の流通を完全に遮断できる性質・構造のものなっている。
【0048】
(2)この係る蓋体10は、合成樹脂を材料として、「型」を利用した成形法を駆使して製造可能であり、型成形によるメリットを十分生かすことができて、成形を容易に行え、製造コストが安価となる。
【0049】
(3)この蓋体10を採用した密閉容器は、手に持って容器本体20に対する蓋体10の嵌合、及びその取り外しを行う際に、上記(1)の密閉性を確保しながら嵌合操作が簡単に行え、逆に蓋体10の取り外しも簡単に行える。
【0050】
(4)この蓋体10は、容器本体20側に嵌合すべき部分が軟質であるから、上記(1)を達成し、その他の部分を、ある程度の剛性を有したものとして、(3)の嵌合操作性が良くなる。
【0051】
(5)上記(4)のように、一つの物で部分的に物性を変えようとすると、異なる材料を使用して成形するのが最もよいが、この蓋体10は、異なる材料を使用して、「コアバック成形法」の適用が簡単に行える。
【0052】
(6)この蓋体10は、容器本体20に対する嵌合や取り外しを強制的に行わなければならないものであるが、その時の引張力に十分抗するものであり、界面での分離がなされないものとなっている。
【0053】
(7)特に、この蓋体10では、その硬質本体部11を通して容器本体20内に収納した食品の状態がよく見え、その保存状態等の確認を外部から容易に行える。
【0054】
(8)蓋体10側を改良することによって、密閉容器全体の要望の解決を達成することができる。
【0055】
(9)突出リブ31は、これを積極的に形成するようにしたことにより、軟質周縁部12と硬質本体部11との境界部分に、「バリ」を極力発生しないようにしている。換言すれば、仮に「バリ」が発生したとしても、このバリは、当該突出リブ13と略一体的なものとなって殆ど目立つことがない。
【0056】
また、請求項2及び請求項4に係る発明によれば、同様に、
「蓋体10の中央部を構成する硬質本体部11と、この硬質本体部11の外周に形成した段部30と、この段部30を介して硬質本体部11に一体化され、密閉容器を構成する容器本体20の開口端縁21に嵌合される嵌合溝13を有した軟質周縁部12と、段部30の内側に軟質周縁部12の一部を突出させて一体的に形成した突出リブ31とを備えた、容器本体20の開口端縁21に気密的に嵌合される蓋体10の製造に使用され、一次射出時に硬質本体部11を、二次射出時に軟質周縁部12をそれぞれ形成するための硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52とを構成する型50a・50b内に挿入されるシャッター装置40であって、
このシャッター装置40を、前記一次射出時に、硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との境界部分に挿入されて両者の連通を遮断するとともに、蓋体10の段部30を成形する段部44を有した分離用突出部43と、
二次射出時に、軟質周縁部用キャビティ52内に突出して、軟質周縁部12内に嵌合溝13を形成することになる嵌合溝用突出部42と、この二次射出時に、分離用突出部43の頂面が硬質本体部11の内面と同一面を形成すべく後退されて、軟質周縁部用キャビティ52内に露出されて、軟質周縁部12に連続する突出リブ31を一体成形する分離用突出部43側の段部44とを備えたものとしたこと」
及び、
「蓋体10の中央部を構成する硬質本体部11と、この硬質本体部11の外周に形成した段部30と、この段部30を介して硬質本体部11に一体化され、容器を構成する容器本体20の開口端縁21に嵌合される嵌合溝13を有した軟質周縁部12と、段部30の内側に軟質周縁部12の一部を突出させて一体的に形成した突出リブ31とを備えた、容器本体20の開口端縁21に気密的に嵌合される蓋体10の製造に使用され、一次射出時に硬質本体部11を、二次射出時に軟質周縁部12をそれぞれ形成するための硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52とを構成する型50a・50b内に挿入されるシャッター装置40であって、
このシャッター装置40を、前記一次射出時に、硬質本体部用キャビティ51と軟質周縁部用キャビティ52との境界部分に挿入されて両者の連通を遮断するとともに、蓋体10の段部30を成形する段部44を有した分離用突出部43と、
二次射出時に、軟質周縁部用キャビティ52内に突出して、軟質周縁部12内に嵌合溝13を形成することになる嵌合溝用突出部42と、この二次射出時に、分離用突出部43の頂面が硬質本体部11の内面と同一面を形成すべく後退されて、軟質周縁部用キャビティ52内に露出されて、軟質周縁部12に連続する突出リブ31を一体成形する分離用突出部43側の段部44とを備えたものとしたこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、上記(1)(9)の要望を満たすことのできる密閉容器の蓋体10の製造を確実に行うことができて、しかも従来からある成形装置に簡単に適用することができる、密閉容器の蓋体10の製造に使用するシャッター装置40を提供することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造方法を説明するための、蓋体の硬質本体部の全周に位置する段部を中心にして見た部分拡大断面図である。
【図2】本発明に係るシャッター装置の上端部が、図1に示した状態から規定寸法下がった状態を示す、段部を中心にして見た部分拡大断面図である。
【図3】本発明に係るシャッター装置の上端部と硬質本体部の近傍を示す部分拡大断面図である。
【図4】上側半分に容器本体の底面を示し、下側半分に本発明に係る蓋体を示した密閉容器の平面図である。
【図5】左側半分を断面とした密閉容器の正面図である。
【図6】図5の軟質周縁部を中心にして見た要部拡大断面図である。
【図7】本発明に係る方法によって蓋体の型成形を行う場合の状態を示すもので、(A)は溶融樹脂が流れ込む途中の状態を示したキャビティの部分拡大断面図、(B)同樹脂が流れ込み終わる直前の状態を示したキャビティの部分拡大断面図である。
【図8】本発明に係る製造方法によって成形した蓋体の段部を中心にして見た部分拡大断面図である。
【図9】従来の技術における溶融樹脂の流れを、(A)〜(C)の順に示した部分拡大断面図である。
【符号の説明】
10 蓋体
11 硬質本体部
12 軟質周縁部
13 嵌合溝
14 指掛け
20 容器本体
21 開口端縁
22 脚部
30 段部
31 突出リブ
40 シャッター装置
41 本体
42 嵌合溝用突出部
43 分離用突出部
44 段部
50a 上型
50b 下型
51 硬質本体部用キャビティ
52 軟質周縁部用キャビティ
53 シャッター装置挿入溝

Claims (4)

  1. 蓋体の中央部を構成する硬質本体部と、この硬質本体部の外周に形成した段部と、この段部を介して前記硬質本体部に一体化され、密閉容器を構成する容器本体の開口端縁に嵌合される嵌合溝を有した軟質周縁部と、前記段部の内側に前記軟質周縁部の一部を突出させて一体的に形成した突出リブとを備えた、前記容器本体の開口端縁に気密的に嵌合される蓋体の製造方法であって、
    型によって、前記硬質本体部と軟質周縁部とをそれぞれ形成するための硬質本体部用キャビティと軟質周縁部用キャビティとを構成し、
    前記硬質本体部用キャビティと軟質周縁部用キャビティとの境界部分に、前記蓋体の段部に該当する段部を有する分離用突出部を備えたシャッター装置を挿入することにより、前記硬質本体部用キャビティと軟質周縁部用キャビティとの連通を遮断して、前記硬質本体部用キャビティ内に合成樹脂を一次射出した後、
    前記分離用突出部を、その頂面が前記硬質本体部の内面と同一面を形成するように後退させることにより、軟質周縁部用キャビティ内に、前記蓋体の段部と前記分離用突出部側の段部とを露出させ、
    この軟質周縁部用キャビティ内に合成樹脂を二次射出することにより、前記軟質周縁部と、これに連続して後退した前記分離用突出部側の段部内に位置する突出リブとを一体成形するようにしたことを特徴とする密閉容器の蓋体の製造方法。
  2. 蓋体の中央部を構成する硬質本体部と、この硬質本体部の外周に形成した段部と、この段部を介して前記硬質本体部に一体化され、密閉容器を構成する容器本体の開口端縁に嵌合される嵌合溝を有した軟質周縁部と、前記段部の内側に前記軟質周縁部の一部を突出させて一体的に形成した突出リブとを備えた、前記容器本体の開口端縁に気密的に嵌合される蓋体の製造に使用され、一次射出時に前記硬質本体部を、二次射出時に前記軟質周縁部をそれぞれ形成するための硬質本体部用キャビティと軟質周縁部用キャビティとを構成する型内に挿入されるシャッター装置であって、
    このシャッター装置を、前記一次射出時に、前記硬質本体部用キャビティと軟質周縁部用キャビティとの境界部分に挿入されて両者の連通を遮断するとともに、前記蓋体の段部を成形する段部を有した分離用突出部と、
    前記二次射出時に、前記軟質周縁部用キャビティ内に突出して、前記軟質周縁部内に前記嵌合溝を形成することになる嵌合溝用突出部と、この二次射出時に、前記分離用突出部の頂面が前記硬質本体部の内面と同一面を形成すべく後退され、前記軟質周縁部用キャビティ内に露出されて、前記軟質周縁部に連続する突出リブを一体成形する前記分離用突出部側の段部とを備えたものとしたことを特徴とする密閉容器の蓋体の製造に使用するシャッター装置。
  3. 蓋体の中央部を構成する硬質本体部と、この硬質本体部の外周に形成した段部と、この段部を介して前記硬質本体部に一体化され、容器を構成する容器本体の開口端縁に嵌合される嵌合溝を有した軟質周縁部と、前記段部の内側に前記軟質周縁部の一部を突出させて一体的に形成した突出リブとを備えた、前記容器本体の開口端縁に気密的に嵌合される蓋体の製造方法であって、
    型によって、前記硬質本体部と軟質周縁部とをそれぞれ形成するための硬質本体部用キャビティと軟質周縁部用キャビティとを構成し、
    前記硬質本体部用キャビティと軟質周縁部用キャビティとの境界部分に、前記蓋体の段部に該当する段部を有する分離用突出部を備えたシャッター装置を挿入することにより、前記硬質本体部用キャビティと軟質周縁部用キャビティとの連通を遮断して、前記硬質本体部用キャビティ内に合成樹脂を一次射出した後、
    前記分離用突出部を、その頂面が前記硬質本体部の内面と同一面を形成するように後退させることにより、軟質周縁部用キャビティ内に、前記蓋体の段部と前記分離用突出部側の段部とを露出させ、
    この軟質周縁部用キャビティ内に合成樹脂を二次射出することにより、前記軟質周縁部と、これに連続して後退した前記分離用突出部側の段部内に位置する突出リブとを一体成形するようにしたことを特徴とする蓋体の製造方法。
  4. 蓋体の中央部を構成する硬質本体部と、この硬質本体部の外周に形成した段部と、この段部を介して前記硬質本体部に一体化され、容器を構成する容器本体の開口端縁に嵌合される嵌合溝を有した軟質周縁部と、前記段部の内側に前記軟質周縁部の一部を突出させて一体的に形成した突出リブとを備えた、前記容器本体の開口端縁に気密的に嵌合される蓋体の製造に使用され、一次射出時に前記硬質本体部を、二次射出時に前記軟質周縁部をそれぞれ形成するための硬質本体部用キャビティと軟質周縁部用キャビティとを構成する型内に挿入されるシャッター装置であって、
    このシャッター装置を、前記一次射出時に、前記硬質本体部用キャビティと軟質周縁部用キャビティとの境界部分に挿入されて両者の連通を遮断するとともに、前記蓋体の段部を成形する段部を有した分離用突出部と、
    前記二次射出時に、前記軟質周縁部用キャビティ内に突出して、前記軟質周縁部内に前記嵌合溝を形成することになる嵌合溝用突出部と、この二次射出時に、前記分離用突出部の頂面が前記硬質本体部の内面と同一面を形成すべく後退され、前記軟質周縁部用キャビティ内に露出されて、前記軟質周縁部に連続する突出リブを一体成形する前記分離用突出部側の段部とを備えたものとしたことを特徴とする蓋体の製造に使用するシャッター装置
JP26774298A 1998-09-22 1998-09-22 蓋体の製造方法及びそのためのシャッター装置 Expired - Lifetime JP4203684B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26774298A JP4203684B2 (ja) 1998-09-22 1998-09-22 蓋体の製造方法及びそのためのシャッター装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26774298A JP4203684B2 (ja) 1998-09-22 1998-09-22 蓋体の製造方法及びそのためのシャッター装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000095257A JP2000095257A (ja) 2000-04-04
JP4203684B2 true JP4203684B2 (ja) 2009-01-07

Family

ID=17448950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26774298A Expired - Lifetime JP4203684B2 (ja) 1998-09-22 1998-09-22 蓋体の製造方法及びそのためのシャッター装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4203684B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4824927B2 (ja) * 2004-12-27 2011-11-30 岐阜プラスチック工業株式会社 合成樹脂成形品及び合成樹脂成形品を成形するための金型装置
JP4986238B2 (ja) * 2007-01-16 2012-07-25 株式会社ミツバ 射出成形体の製造方法
JP5413975B2 (ja) * 2010-04-06 2014-02-12 三甲株式会社 搬送容器の壁構造
JP6083732B2 (ja) * 2012-11-02 2017-02-22 三甲株式会社 搬送容器の製造方法
JP5633912B2 (ja) * 2013-08-12 2014-12-03 三甲株式会社 搬送容器の壁構造
CN109132174B (zh) * 2018-09-14 2024-03-15 郑天波 一种植物纤维模塑杯盖

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000095257A (ja) 2000-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
IL277684B1 (en) Methods for molding a soft material with a harder material to create a new layer of material around an already formed part and moisture-tight container assemblies produced by these methods
JP4203684B2 (ja) 蓋体の製造方法及びそのためのシャッター装置
JP3629586B2 (ja) 密閉容器のための蓋体
US20030178744A1 (en) Multicolour and multiple material injection moulding of a capsule provided with a cap pivoting about a hinge
JPH11263358A (ja) 密閉容器のための蓋体
JPH07290500A (ja) 樹脂製品の製造方法
KR20230097801A (ko) 의료용 수용체 용기의 캡 성형 방법
JP4028110B2 (ja) チューブ容器の成形方法
KR101405653B1 (ko) 중공부를 갖는 용기의 마개
CN106697643B (zh) 一种撑货器脚垫及其制造方法
JP5730027B2 (ja) 複合ヒンジキャップの成形方法
CN220756819U (zh) 方盒膏霜瓶
JP2559089Y2 (ja) 上下蓋2色ヒンジキャップ
CN212528549U (zh) 一种瓶盖注塑模具的上翻盖脱模结构
JPH1110660A (ja) 防振ダンパーの製造方法
JP3191044B2 (ja) 密閉容器のための蓋体
JP4540805B2 (ja) 二色成形体
KR200465238Y1 (ko) 립스틱 제조용 금형
KR20110031642A (ko) 일체사출형 볼조인트 및 그 제조방법
KR100579072B1 (ko) 절첩부의 절단방지를 위하여 2중사출되는 연질의 도포층에대한 성형조건을 개선한 밀폐 용기 뚜껑
KR20110010176U (ko) 밀폐용 식품 용기
CN209903804U (zh) 一种pfa长管底盖包胶新型模具
CN113291607A (zh) 一种医用新型橡胶塞子
KR20110117520A (ko) 밀폐용 식품 용기 제조 방법
KR200291157Y1 (ko) 장류 용기

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080617

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080808

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080902

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080930

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131024

Year of fee payment: 5

EXPY Cancellation because of completion of term