JP4203552B2 - 分電盤 - Google Patents

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泰道 岡本
博章 竹之内
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富士電機アセッツマネジメント株式会社
セイリツ工業株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、末端負荷の保護を目的とする比較的電流容量の小さい配線用遮断器や漏電遮断器などの回路遮断器を分岐遮断器として搭載する分電盤に関し、特にそのブスバーの配置構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
この出願の発明者らは、2列の上記分岐遮断器が差込み接続可能な小形の分電盤及びそれに用いる分岐遮断器、特に協約形1極サイズ・2極式の回路遮断器として好適な分岐遮断器を開発し、これについて先に特許出願した(特願平10−076655号)。この出願に係る分電盤及び分岐遮断器は単相3線式回路を対象とするもので、分電盤は主遮断器と分岐遮断器とを接続するブスバーを絶縁ブッシュを介して3段に平積み配置し、また分岐遮断器はその電源側端子が3段のブスバーのいずれか2本に差込み接続する構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、配電方式として1つの中性相と3つの電圧相とを持つ三相4線式があるが、この配電線から2線を引き出して分岐回路を構成する分電盤も広く採用されている。そこで、この発明の課題は、上記特許出願に係る分岐遮断器をそのまま使用して三相4線式回路に対応可能な分電盤を構成することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、主遮断器と分岐遮断器とを接続する平角導体からなるブスバーが上下3段に平積み配置され、前記3段の少なくとも1段には互いに分離した左右2本のブスバーを平行に設けた分電盤において、
前記ブスバーの反主遮断器側の端末を絶縁物の端末保持ブロックで保持するようにし、この端末保持ブロックには前記ブスバーの端末を挿入する袋状の凹部を上下3箇所に設けるとともに、この凹部の内奥部に前記ブスバーの複数種類の幅に対応する突き当て嵌合面を左右対称の階段状に形成したことを特徴とする(請求項1)。
【0005】
上段に前記の互いに分離した左右2本のブスバーを設け、その双方と下段のブスバーとに三相4線式回路のいずれかの電圧相をそれぞれ接続し、中段の前記ブスバーに同じく中性相を接続するのがよい(請求項2)。
また、前記突き当て嵌合面の一つに凸形の調整駒を嵌め込み、その両側に前記2本のブスバーの突き当て嵌合面を形成することができる(請求項3)。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の実施の形態を示すもので、(A)は分電盤の要部正面図、(B)はその底面図である。図1において、1は三相4線式の配電線に対応する4極の主遮断器で、図1(A)の左3極が三相の電圧線(R,S,T相)に接続され、右1極が中性線(N相)に接続されている。主遮断器1の下側には、平角導体からなるブスバー2〜5が図示しない絶縁ブッシュを介して上下3段に平積み配置され、その特に上段には互いに分離された左右2本のブスバー2及び3が平行に設けられている。ブスバー2〜5の主遮断器側(図1(A)の上側)の端末は、上段から下段に向かって階段状に順次長くなっており、ブスバー2,3,4及び5のこれら端末には主遮断器1のR,S,T及びN相端子とそれぞれ中継ケーブル6を介してねじ締めにより接続されている。一方、ブスバー2〜5の反主遮断器側(図1(A)の下側)の端末は、後述する構成の端末保持ブロック7に保持されている。
【0007】
ブスバー2〜5の両側には各複数台の分岐遮断器8が配列され、これらの分岐遮断器8はその電源側端部に上下に配列されたプラグ端子を介して、ブスバー2〜5に差込み接続されている。分岐遮断器8は特願平10−076655号に係る構成のものであり、電源側端部の上下3箇所の凹部のいずれか2箇所にプラグ端子が装着され、その装着位置により200V対応と100V対応とに分けられる。すなわち、上記凹部の最上部と最下部とに端子プラグが装着されたものは200V対応として構成されており、最上部と中間部又は中間部と最下部とに端子プラグが装着されたものは100V対応として構成されている(この構成の詳細については、上記出願の明細書を参照されたい。)。
【0008】
一方、図1のブスバー2〜5の相配置において、ブスバー2,3(R,S相)−ブスバー4(N相)間及びブスバー4(N相)−ブスバー5(T相)間は100Vであり、ブスバー2,3(R,S相)−ブスバー5(T相)間は200Vである。そこで、図1のブスバー2〜5の配置の下で、上記構成の分岐遮断器8を図示の通り差込み接続することにより、分岐遮断器8の上記した端子プラグ配置に応じて、100V及び200Vの分岐回路が自在に形成される。また、その場合、分岐遮断器8は単相3線式分電盤用に構成されたものが何ら改変を加えられることなく、そのまま使用される。なお、図1では2本のブスバー2及び3は上段に配置したが、下段に配置することも可能であり、また相配置は中段を中性相(N相)とするのが合理的であるとしても、上下段に対する電圧相(R,S,T相)の配置は原則的に自由である。
【0009】
図2は、端末保持ブロック7を示す一部を破談した斜視図である。端末保持ブロック7は絶縁性の樹脂から成形された図示の通りの箱状体で、ブスバーの端末を挿入する袋状の凹部9がブスバーの上下間隔に対応して上下3箇所に設けられ、また左右側面に取付穴を有する取付片が一体形成されている。そして、凹部9の内奥部に、ブスバーの複数種類(図示は4種類)の幅に対応する突き当て嵌合面9aが左右対称の階段状に形成されている。
【0010】
図3は、端末保持ブロック7に、図1におけるブスバー2〜5の端末を保持させた状態を示すもので、上段の凹部9における最小幅の突き当て嵌合面9aに絶縁板からなる凸形の調整駒10が嵌め込まれ、その両側に形成された幅の狭い突き当て嵌合面9bに2本のブスバー2,3が嵌合保持されている。また、中段及び下段の凹部9には、ブスバー4及び5が挿入され、該当する幅の突き当て嵌合面9aにそれぞれ嵌合保持されている。
【0011】
図4は図1におけるよりも定格の大きい、つまり幅の広いブスバー2〜5に使用した実施の形態を示すもので、図示の通り調整駒10のみを交換し、突き当て嵌合面9aを選ぶことにより、端末保持ブロック7は複数種類(図示の場合は4種類)の定格に共通に使用することができる。また、端末保持ブロック7は3線式にも適用可能であり、図5にその場合の使用例を示す。図5では同幅のブスバー11〜13が用いられ、調整駒は不要である。
【0012】
なお、この発明は主として三相4線式の配電線を対象とし、その場合には上下段の何れか1つの段に2本のブスバーを設けるものであるが、3線式の分電盤において、3段全てを2本のブスバーでそれぞれ構成し、各2本のブスバーを同相として各段の電流容量を増やすのにも有効である。ちなみに、大電流用の幅の広いブスバー導体は取り扱いが困難であるが、各相のブスバーを2分割構成として幅の狭い導体を各段に2本ずつ配置すれば、幅の狭い導体を用いて容易に電流容量を増やすことができる。
【0013】
【発明の効果】
以上の通り、この発明によれば、単相3線用の差込み形分岐遮断器を用いて容易に三相4線式の分電盤を構成することができるとともに、単相3線式の分電盤においてもブスバーの電流容量を容易に増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態を示し、(A)は分電盤の要部正面図、(B)はその底面図である。
【図2】 図1における端末保持ブロックの斜視図である。
【図3】 図2の端末保持ブロックにブスバーを挿入した状態を示す斜視図である。
【図4】 図2の端末保持ブロックに定格の大きいブスバーを挿入した状態を示し、(A)は分電盤の要部正面図、(B)はその底面図である。
【図5】 図2の端末保持ブロックを単相3線式のブスバーに用いた状態を示し、(A)は分電盤の要部正面図、(B)はその底面図である。
【符号の説明】
1 主遮断器
2 ブスバー
3 ブスバー
4 ブスバー
5 ブスバー
6 中継ケーブル
7 端末保持ブロック
8 分岐遮断器
9 凹部
9a 突き当て嵌合面
10 調整駒
11 ブスバー
12 ブスバー
13 ブスバー

Claims (3)

  1. 主遮断器と分岐遮断器とを接続する平角導体からなるブスバーが上下3段に平積み配置され、前記3段の少なくとも1段には互いに分離した左右2本のブスバーを平行に設けた分電盤において、
    前記ブスバーの反主遮断器側の端末を絶縁物の端末保持ブロックで保持するようにし、この端末保持ブロックには前記ブスバーの端末を挿入する袋状の凹部を上下3箇所に設けるとともに、この凹部の内奥部に前記ブスバーの複数種類の幅に対応する突き当て嵌合面を左右対称の階段状に形成したことを特徴とする分電盤。
  2. 上段に前記の互いに分離した左右2本のブスバーを設け、その双方と下段のブスバーとに三相4線式回路のいずれかの電圧相をそれぞれ接続し、中段の前記ブスバーに同じく中性相を接続するようにしたことを特徴とする請求項1記載の分電盤。
  3. 前記突き当て嵌合面の一つに凸形の調整駒を嵌め込み、その両側に前記2本のブスバーの突き当て嵌合面を形成するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の分電盤。
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