JP4201797B2 - 老化防止用貼付材および架橋ゴムの老化防止方法 - Google Patents

老化防止用貼付材および架橋ゴムの老化防止方法 Download PDF

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Description

本発明は、老化防止用貼付材および架橋ゴムの老化防止方法に関する。
タイヤ、ホース、防舷材等の屋外で使用されるゴム製品には、紫外線、オゾン、熱等による劣化を防ぐことを目的として老化防止剤が添加されている。
しかし、上記ゴム製品が長期間屋外で使用される場合、この老化防止剤は経時的に消費されて減少するため、架橋ゴムの劣化が生じて要求特性が発揮できなくなる問題がある。
このような問題に対して、従来より、塗料・溶剤タイプの老化防止用組成物を架橋ゴムの表面に塗布して、塗膜を形成し、ゴム製品の劣化を防止する方法が提案されている。
上記塗料・溶剤タイプの老化防止用組成物としては、例えば、「硬化性ポリウレタンおよびまたは硬化性シリコンからなる塗料組成物において、芳香族アミン誘導体、フェノール誘導体、キノリン誘導体、ジチオカルバミン酸塩類およびイミダゾール類から選ばれる1種または2種以上の老化防止剤を上記塗料組成物に対し、0.1重量%〜10重量%含むことを特徴とするゴム材料老化防止用塗料組成物」等が挙げられる(特許文献1参照。)。
特開平6−172707号公報
しかしながら、従来の塗料・溶剤タイプの老化防止用組成物は、下記のような問題を有する。
(A)垂直面等に用いた場合にタレを発生する。
(B)溶剤を含有するため、ゴム製品の表面を傷めたり、変色させるおそれがある。
(C)環境汚染を引き起こすおそれがある。
(D)密閉された空間での使用に適さない。
(E)屋外で使用する場合、風雨の影響により均一な塗膜を形成できない。
(F)形成される塗膜は、膜厚が比較的薄いので効果の持続性が短い。
そこで、本発明は、下記(a)〜(g)の効果を有する老化防止用貼付材を提供することを目的とする。
(a)架橋ゴムに老化防止剤を移行することができ、架橋ゴムの耐老化性を復活できる。
(b)水平面以外(垂直面等)にも使用できる。
(c)ゴム製品の表面を傷めたり、変色させることがない。
(d)環境汚染の問題がない。
(e)密閉された空間でも使用できる。
(f)屋外で使用する場合、風雨の影響がほとんどない。
(g)ゴム製品の状態に応じて、適切な老化防止性を付与できる。
また、本発明は、上記(a)〜(g)の効果を有する架橋ゴムの老化防止方法を提供することを目的とする。
本発明者は、ゴム、熱可塑性エラストマーおよび樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー成分100質量部と、老化防止剤5〜50質量部と、カーボンブラック3〜10質量部とを含有すると、上記(a)〜(g)の効果を有する老化防止用貼付材となることを見出した。
また、本発明者は、ゴム、熱可塑性エラストマーおよび樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー成分と、老化防止剤とを含有する老化防止用貼付材を架橋ゴムに貼付し、上記老化防止剤を上記架橋ゴムに移行させることにより、上記(a)〜(g)の効果を有し、架橋ゴムの老化を防止できることを見出した。
本発明者は、これらの知見に基づき、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記(1)〜(9)を提供する。
(1)ゴム、熱可塑性エラストマーおよび樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー成分100質量部と、老化防止剤5〜50質量部と、カーボンブラック3〜10質量部とを含有する老化防止用貼付材。
(2)前記ポリマー成分が、可撓性および粘着性を有する上記(1)に記載の老化防止用貼付材。
(3)前記老化防止剤が、フェノール誘導体、芳香族アミン誘導体、アミン−ケトン縮合物、ベンズイミダゾール誘導体、ジチオカルバミン酸誘導体およびチオウレア誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である上記(1)または(2)に記載の老化防止用貼付材。
(4)更に、オイルを前記ポリマー成分100質量部に対して30質量部以下含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の老化防止用貼付材。
)シート状である上記(1)〜()のいずれかに記載の老化防止用貼付材。
ゴム、熱可塑性エラストマーおよび樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー成分100質量部と、老化防止剤5〜50質量部とを含有する老化防止用貼付材であって、
シート状であり、
前記シート状老化防止用貼付材の片面または両面に、バックアップ材を有する老化防止用貼付材。
)ゴム、熱可塑性エラストマーおよび樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー成分と、老化防止剤とを含有する老化防止用貼付材を架橋ゴムに貼付し、前記老化防止剤を前記架橋ゴムに移行させて、前記架橋ゴムの老化を防止する、架橋ゴムの老化防止方法。
)前記老化防止剤を前記架橋ゴムに移行させた後、前記老化防止用貼付材を前記架橋ゴムから剥離する上記()に記載の架橋ゴムの老化防止方法。
)前記老化防止用貼付材が、ゴム、熱可塑性エラストマーおよび樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー成分100質量部と、老化防止剤5〜50質量部とを含有する老化防止用貼付材である、上記()または()に記載の架橋ゴムの老化防止方法。
本発明の老化防止用貼付材および本発明の架橋ゴムの老化防止方法は、下記の効果を有する。
(a)架橋ゴムに老化防止剤を移行することができ、架橋ゴムの耐老化性を復活できる。
(b)水平面以外(垂直面等)にも使用できる。
(c)ゴム製品の表面を傷めたり、変色させることがない。
(d)溶剤を含有しないので、環境汚染の問題がない。
(e)溶剤を含有しないので、密閉された空間でも使用できる。
(f)屋外で使用する場合、風雨の影響がほとんどない。
(g)厚さの調整や貼り換え等により、製品の状態に応じて、適切な老化防止性を付与できる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の老化防止用貼付材(以下、単に「貼付材」ともいう。)は、ゴム、熱可塑性エラストマーおよび樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー成分100質量部と、老化防止剤5〜50質量部とを含有する。
上記ポリマー成分としては、ゴム、熱可塑性エラストマーおよび樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であれば特に限定されないが、可撓性および粘着性を有するものが好ましく、ガラス転移点が室温(25℃)以下であることがより好ましい。
上記ゴムは、架橋ゴム、未架橋ゴムのいずれであってもよいが、一般的に、可撓性および粘着性に優れる点から、未架橋ゴムが好ましい。
未架橋ゴムとしては、具体的には、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、1,2−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等のジエン系ゴムおよびこれらの水素添加物;エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−ブテンゴム(EBM)、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンゴム、ポリプロピレンゴム等のオレフィン系ゴム;エピクロロヒドリンゴム;シリコーンゴム;およびウレタンゴム等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、粘着性が高く、加工性と物性が良好であるという点から、天然ゴム、イソプレンゴムが好ましい。
架橋ゴムとしては、例えば、上記未架橋ゴムを加硫したもの等が挙げられる。中でも、天然ゴムが好ましい。
上記熱可塑性エラストマーとしては、具体的には、例えば、水添されていてもよいポリスチレン系エラストマー性ポリマー(SBS、SIS、SEBS等)、ポリオレフィン系エラストマー性ポリマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー性ポリマー、ポリウレタン系エラストマー性ポリマー、ポリエステル系エラストマー性ポリマー、ポリアミド系エラストマー性ポリマー等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記樹脂としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル樹脂(エステル、ビニル系共重合体を含む)、ABS樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリマー成分の分子量は、特に限定されず、貼付材に要求される柔軟性等に応じて適宜設定することができる。
本発明に用いられる老化防止剤としては、特に限定されず、従来公知のゴム組成物に用いられる老化防止剤を使用できる。具体的には、例えば、フェノール誘導体、芳香族アミン誘導体、アミン−ケトン縮合物、ベンズイミダゾール誘導体、ジチオカルバミン酸誘導体、チオウレア誘導体等が好適に挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記フェノール誘導体としては、具体的には、例えば、スチレン化フェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)等が挙げられる。
上記芳香族アミン誘導体としては、具体的には、例えば、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
上記アミン−ケトン縮合物としては、具体的には、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、ジフェニルアミンとアセトンの反応物等が挙げられる。
上記ベンズイミダゾール誘導体としては、具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩等が挙げられる。
上記ジチオカルバミン酸誘導体としては、具体的には、例えば、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられる。
上記チオウレア誘導体としては、具体的には、例えば、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、トリブチルチオ尿素等が挙げられる。
老化防止剤の含有量は、上記ポリマー成分100質量部に対して、5〜50質量部である。本発明の貼付材における老化防止剤の含有量は、通常のゴム製品における老化防止剤の含有量よりもかなり高く設定されているので、本発明の貼付材を架橋ゴムに密着させた場合、貼付材と架橋ゴムとの間に老化防止剤の濃度差が生じる。老化防止剤は低含有量の領域に移行する性質があるため、老化防止剤の含有量が上記の範囲であると、本発明の老化防止用貼付材から架橋ゴムへの老化防止剤の移行を容易に達成でき、ゴム製品自身の耐老化性を復活することができる。
老化防止剤の移行が速く、かつ、移行量が多く、長期間の耐老化性を付与できる点から、老化防止剤の含有量は、上記ポリマー成分100質量部に対して、5〜30質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
本発明の老化防止用貼付材は、更に、オイルを上記ポリマー成分100質量部に対して30質量部以下含有するのが好ましい。オイルを含有すると、老化防止用貼付材の可撓性が向上し、更に、老化防止剤の架橋ゴムへの移行が容易になる。
オイルの種類は、特に限定されず、従来公知のゴム製品に軟化剤として用いられるオイル等を用いることができる。具体的には、例えば、石油系オイル、植物油系オイル、合成系オイル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
石油系オイルとしては、具体的には、例えば、パラフィン系、ナフテン系、アロマ系等が挙げられる。
上記オイルの含有量は、老化防止用貼付材の可撓性と老化防止剤の架橋ゴムへの移行のし易さの点から、上記ポリマー成分100質量部に対して、30質量部以下であり、5〜20質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましい。
本発明の老化防止用貼付材は、更に、カーボンブラックを含有するのが好ましい。カーボンブラックは、着色剤、増量剤としての機能を有する。また、カーボンブラックは、老化防止剤等の分散性を向上できるので、老化防止剤等の配合量を多くできる。
カーボンブラックの含有量は、上記ポリマー100質量部に対して、3〜20質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましい。
本発明の老化防止用貼付材は、更に、粘着付与剤を含有するのが好ましい態様の1つである。粘着付与剤としては、具体的には、例えば、芳香族系炭化水素樹脂、飽和または不飽和脂肪族系炭化水素樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性または芳香族変性テルペン樹脂等が挙げられる。
本発明の老化防止用貼付材は、必要に応じて、本発明の目的を損わない範囲で、充填剤、顔料(染料)、可塑剤、難燃剤、分散剤、脱水剤、帯電防止剤等の各種添加剤等を含有することができる。
本発明の老化防止用貼付材は、液状でなく、架橋ゴムに貼付できるものであれば形状は特に限定されない。例えば、シート状(フィルム状を含む)、ペースト状、ペレット状等が挙げられる。これらの中でも、シート状が好ましい。
本発明の老化防止用貼付材の大きさおよび厚さは、特に限定されず、適宜選択することができる。本発明の老化防止用貼付材の厚さは、0.5〜10mmが好ましく、1〜6mmがより好ましい。
上記シート状老化防止用貼付材の片面または両面に、バックアップ材を有するのが好ましい態様の1つである。架橋ゴムに接触させる面の反対側の面にバックアップ材を有することにより、バックアップ材を有する面への老化防止剤の析出を抑制でき、架橋ゴムへの老化防止剤の移行を効率的に行うことが可能となる。また、貼付材の片面にバックアップ材を設けることにより、手に貼付材が張り付かないので貼付し易さ(作業性)を向上でき、更に、貼付材を補強できる。
バックアップ材を貼付材の両面に有する場合は、使用前の老化防止剤の表面への析出を抑制できる。この場合、片面のバックアップ材を剥がして使用することができる。
バックアップ材としては、具体的には、例えば、プラスチックフィルム、布、紙、繊維等が挙げられる。
本発明の貼付材は、貼付材自体が粘着性を有していることが好ましいが、粘着性を補うために貼付材表面の一部または全部に、両面テープ、接着剤等の粘着部材を使用してもよい。
本発明の貼付材の製造方法は、特に限定されず、例えば、上記の各成分(バックアップ材を除く。)を、バンバリーミキサー等のかくはん機を用いて十分に混練した後、所定の形状に成形する方法を用いることができる。必要に応じて、混練する際に加熱してもよい。必要に応じて、所定の形状にした後、バックアップ材を接着させてもよい。
上述したように、本発明の老化防止用貼付材は、架橋ゴムに老化防止剤を移行することができ、架橋ゴムの耐老化性を復活できる。また、液ダレを生じず、水平面以外(垂直面等)にも使用できる。また、溶剤を使用しないので、ゴム製品の表面を傷めたり、変色させることがない。また、溶剤を含有しないので、環境汚染の問題がなく、密閉された空間でも使用できる。また、屋外で使用する場合、風雨の影響がほとんどない。また、貼付材の厚さや老化防止剤の含有量を調整したり、貼り換えを行うことにより、製品の状態に応じて、適切な老化防止性を付与できる。
以下、本発明の架橋ゴムの老化防止方法(以下、本発明の老化防止方法という。)について詳細に説明する。
本発明の老化防止方法は、ゴム、熱可塑性エラストマーおよび樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー成分と、老化防止剤とを含有する老化防止用貼付材を架橋ゴムに貼付し、上記老化防止剤を上記架橋ゴムに移行させて、上記架橋ゴムの老化を防止する、架橋ゴムの老化防止方法である。
本発明の老化防止方法に用いられるポリマー成分(ゴム、熱可塑性エラストマー、樹脂)、老化防止剤は、上述した本発明の老化防止用貼付材に用いられるものと同様である。
本発明の老化防止方法に用いられる老化防止用貼付材としては、上述した本発明の老化防止用貼付材が好ましい。
本発明の老化防止方法において、老化防止の対象となる架橋ゴムとしては、例えば、硫黄により架橋(加硫)されたジエン系ゴム、過酸化物により架橋されたジエン系ゴムおよび非ジエン系ゴム等が挙げられる。
上記貼付材は、架橋ゴム表面の老化を防止したい箇所またはその付近に貼付する。例えば、架橋ゴム表面に老化現象による亀裂が生じている場合において、その部分の老化の進行を抑制するため、または、耐老化性を復活させるために、当該亀裂部分を覆うようにシート状の貼付材を貼付すればよい。また、当該亀裂内部にペースト状の貼付材を充填して密着させることもできる。
本発明の老化防止方法において、上記老化防止用貼付材を架橋ゴムに貼付する方法としては、例えば、シート状の上記老化防止用貼付材を膨張および収縮が可能な装置の外面または内面に貼付し、その後上記装置を膨張させて、上記老化防止用貼付材を架橋ゴムに密着させて貼付する方法が好ましい態様の1つである。
上記膨張および収縮が可能な装置としては、例えば、バルーン、空気式防舷材等が挙げられる。バルーン、空気式防舷材は、内部圧力を増減することにより膨張、収縮することができ、簡便であるので好ましい。この方法によれば、直接手が届かない部位、例えば、ホースの内面等への貼付材の貼付を容易に行なうことができる。
また、上記装置がチューブ状またはドーナツ状である場合、装置の内面に上記貼付材を貼付し、この装置を膨張させて、架橋ゴムに貼付材を密着させて貼付することができる。この方法は、例えば、筒型防舷材等の棒状のゴム製品に好適に使用できる。
上記貼付材を架橋ゴムに貼付すると、貼付材から架橋ゴムに老化防止剤が移行し始める。また、上記貼付材は、架橋ゴムに貼付されている間は、紫外線、オゾン等を遮断して、製品に直接作用させることがなく、延命効果が得られる。
上記老化防止用貼付材は、架橋ゴムに貼付したままでもよいが、老化防止剤が架橋ゴムに移行した後、前記架橋ゴムから剥離するのが外観を損なわないという点から好ましい使用方法の1つである。
老化防止剤の移行速度は貼付材と架橋ゴム表面との間の老化防止剤の濃度差や、周辺の温度等により影響を受けるので、貼付時間は使用状況に応じて適宜設定すればよい。通常、50℃で1週間貼付した場合には老化防止剤の移行は十分達成できると考えられる。
上述したように、本発明の老化防止方法は、架橋ゴムに老化防止剤を移行することができ、架橋ゴムの耐老化性を復活できる。また、液ダレを生じず、水平面以外(垂直面等)にも使用できる。また、溶剤を使用しないので、ゴム製品の表面を傷めたり、変色させることがない。また、溶剤を含有しないので、環境汚染の問題がなく、密閉された空間でも使用できる。また、屋外で使用する場合、風雨の影響がほとんどない。また、貼付材の厚さや老化防止剤の含有量を調整したり、貼り換えを行うことにより、製品の状態に応じて、適切な老化防止性を付与できる。
本発明の老化防止用貼付材および老化防止方法は、架橋ゴム製品に対して特に制限なく使用できる。応用例としては、タイヤを段積みして保管する際に、各タイヤ間にシート状の本発明の老化防止用貼付材を挟んでタイヤ表面の老化を防止することができる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<老化防止剤の移行実験>
1.サンプルの作成
(実施例1)
未架橋の天然ゴム100質量部と、老化防止剤(N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、フレキシス社製)5質量部と、オイル(アロマオイル、昭和石油社製)3質量部と、カーボンブラック(HTC#100、新日化カーボン社製)5質量部とをバンバリーミキサーに投入し、十分に混練した後、厚さ4mmのシート状に成形して、老化防止用貼付材を得た。
(実施例2)
老化防止剤の配合量を10質量部に変更した以外は、実施例1と同様にシート状の老化防止用貼付材を得た。
(比較例1)
メチルエチルケトンと、老化防止剤(N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、フレキシス社製)とを質量比7/3で混合して、老化防止用組成物を得た。
(比較例2)
従来の溶剤タイプの老化防止用組成物(SUPER Anti Crack、横浜ゴム社製)と、老化防止剤(N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、フレキシス社製)とを質量比9/1で混合して、老化防止用組成物を得た。
(比較例3)
実施例2のシート状老化防止用貼付材に、変性ゴム揮発油(日石三菱社製)を質量比(貼付材/揮発油)1/9となるように加えて十分に混合し、揮発油に貼付材を溶解させて、老化防止用組成物を得た。
得られた実施例1〜2の老化防止用貼付材および比較例1〜3の老化防止用組成物について、下記の方法により、架橋ゴム(加硫ゴム)への老化防止剤の移行量を測定した。
2.移行実験
防舷材用天然ゴムで作成したシート(以下、防舷材用ゴムシートという。)(150×100×2mm)をアセトン抽出し、防舷材用ゴムシートに含まれる配合剤を抜いた。
次に、配合剤を抜いた防舷材用ゴムシートの表面に、実施例1〜2については各老化防止用貼付材を貼付け、比較例1〜3については各老化防止用組成物を刷毛で1回塗りして厚さ0.2mmの膜を形成した。次に、オーブン内で50℃で1週間加温した。
その後、老化防止用貼付材または老化防止用組成物を加硫ゴムシートから剥離して、加硫ゴムシートの表面(貼付面または塗布面)から0.5mmずつ2層スライスして、表面側から第1層、第2層の試料とした。
上記で得られた第1層、第2層の試料を、アセトン100mlでソックスレー抽出器(JIS K6229に準拠)を用いて48時間抽出して、試料全体に占める移行した老化防止剤およびオイルの含有量の割合(アセトン抽出量)を求めた。
また、試料中に移行した老化防止剤をガスクロマトグラフィーで定量して、試料全体に占める老化防止剤の含有量の割合(老化防止剤移行量)を求めた。
結果を第1表に示す。
Figure 0004201797
第1表に示す結果から明らかなように、実施例1〜2の老化防止用貼付材は、比較例1〜3の老化防止用組成物に比べて、老化防止剤の移行量がはるかに多かった。
<耐老化性の評価>
1.サンプルの作成
(比較例4)
防舷材用ゴムシート(150×100×2mm)をダンベル状試験片(JISダンベル3号)に打ち抜きサンプル1とした。
(比較例5)
アセトン抽出して配合剤を抜いた防舷材用ゴムシート(150×100×2mm)をダンベル状試験片(JISダンベル3号)に打ち抜きサンプル2とした。
(実施例3)
アセトン抽出して配合剤を抜いた防舷材用ゴムシート(150×100×2mm)の表面に、実施例1の老化防止用貼付材を貼付け、ギアオーブン内で50℃で1週間加温した。その後、老化防止用貼付材をゴムシートから剥離してダンベル状試験片(JISダンベル3号)に打ち抜きサンプル3とした。
2.引張試験
上記サンプル1〜3について、JIS K6251−2004に準じて、破断強度(TB)〔MPa〕および破断伸び(EB)〔%〕を測定した。
また、上記サンプル1〜3を80℃のギアオーブンに入れ、120時間および240時間老化させたものについて、同様に破断強度(TB)〔MPa〕および破断伸び(EB)〔%〕を測定した。
得られた結果から、破断強度保持率[100×老化後TB/老化前TB (%)]および破断伸び保持率[100×老化後EB/老化前EB (%)]を求めた。
結果を第2表に示す。
Figure 0004201797
第2表に示す結果から明らかなように、アセトン抽出により老化防止剤を抜いたサンプル2(比較例5)は、老化後の破断強度が大きく低下して保持率が低かった。
一方、アセトン抽出により老化防止剤を抜いたもの(サンプル2に相当)に本発明の老化防止用貼付材を貼り付けて老化防止剤を移行させたサンプル3(実施例3)は、比較例5に比べて老化後の破断強度および破断伸びの低下が少なく、耐老化性を復活できることが分かった。また、比較例4に比べて破断強度保持率および破断伸び保持率は同等またはそれ以上であったことから、本発明の老化防止用貼付材を使用することにより、耐老化性が失われた製品を初期の耐老化性レベル以上にすることが可能であり、防舷材等の製品の状態に応じて適切な耐老化性を付与し得ることが明らかとなった。

Claims (9)

  1. ゴム、熱可塑性エラストマーおよび樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー成分100質量部と、老化防止剤5〜50質量部と、カーボンブラック3〜10質量部とを含有する老化防止用貼付材。
  2. 前記ポリマー成分が、可撓性および粘着性を有する請求項1に記載の老化防止用貼付材。
  3. 前記老化防止剤が、フェノール誘導体、芳香族アミン誘導体、アミン−ケトン縮合物、ベンズイミダゾール誘導体、ジチオカルバミン酸誘導体およびチオウレア誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の老化防止用貼付材。
  4. 更に、オイルを前記ポリマー成分100質量部に対して30質量部以下含有する請求項1〜3のいずれかに記載の老化防止用貼付材。
  5. シート状である請求項1〜のいずれかに記載の老化防止用貼付材。
  6. ゴム、熱可塑性エラストマーおよび樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー成分100質量部と、老化防止剤5〜50質量部とを含有する老化防止用貼付材であって、
    シート状であり、
    前記シート状老化防止用貼付材の片面または両面に、バックアップ材を有する老化防止用貼付材。
  7. ゴム、熱可塑性エラストマーおよび樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー成分と、老化防止剤とを含有する老化防止用貼付材を架橋ゴムに貼付し、前記老化防止剤を前記架橋ゴムに移行させて、前記架橋ゴムの老化を防止する、架橋ゴムの老化防止方法。
  8. 前記老化防止剤を前記架橋ゴムに移行させた後、前記老化防止用貼付材を前記架橋ゴムから剥離する請求項に記載の架橋ゴムの老化防止方法。
  9. 前記老化防止用貼付材が、ゴム、熱可塑性エラストマーおよび樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のポリマー成分100質量部と、老化防止剤5〜50質量部とを含有する老化防止用貼付材である、請求項またはに記載の架橋ゴムの老化防止方法。
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