JP4201022B2 - スクリーン、プロジェクタ及び画像表示装置 - Google Patents
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本発明のスクリーンは、複数の層を有するスクリーンであって、前記複数の層のうち少なくとも1層を構成し、入射した光を拡散させる拡散層と、該拡散層における画像形成領域外に設けられるとともに、前記拡散層を移動可能に支持する支持部材と、前記拡散層を連続的に移動させる駆動手段とを備えることを特徴とする。
さらに、駆動手段は、拡散層を連続的に移動(揺動)させるため、死点(動きが一瞬でも止まる点)を持たないので、一瞬たりとも干渉が生じる瞬間がない。したがって、フリッカ(スクリーンにおける画像のちらつき)的なスペックルの抑制の効果を連続的に持続することが可能となる。
本発明に係るスクリーンでは、拡散層が、駆動手段に設けられた接続部材により接続されているため、駆動部の駆動が接続部材を介して拡散層に伝わるので、拡散層を揺動させ易くすることが可能となる。
本発明に係るスクリーンでは、規制部材を備えることにより、拡散層は、入射した光の光軸方向への移動が規制される。これにより、拡散層を揺動させた際の焦点の変動による画像ボケの発生を確実に抑えることができるので、より鮮明な画像を表示することが可能となる。
本発明に係るスクリーンでは、支持部材により、拡散層に入射した光の光軸に沿った斥力で、拡散層の光軸方向の動きが固定される。このように、斥力により拡散層の動きを規制することで、焦点の変動による画像ボケの発生を確実に抑えつつ、光軸に垂直方向の拡散層の揺動の自由度が増すため、簡易な構成で、拡散層を効率良く揺動させることが可能となる。
本発明に係るスクリーンでは、駆動手段として、例えば、小型のソレノイドを用いることができるため、スクリーン全体の小型化を図ることが可能となる。
本発明に係るスクリーンでは、駆動手段が、回転運動を行うアクチュエータであるため、音及び振動の発生を抑制することができる。したがって、駆動手段の駆動に伴う騒音の発生を防止し、静粛性の高いスクリーンを提供することが可能となる。
図1(a)は本実施形態に係るリアプロジェクタ(プロジェクタ)1の概略構成を示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示すリアプロジェクタ1の側面断面図である。本実施形態に係るリアプロジェクタ1は、光源装置から射出された光を光変調手段により変調し、この変調した光をスクリーン10に拡大投射するものである。
図1(b)に示すように、リアプロジェクタ1の筐体2内部の下方には投射光学系20が配設されている。投射光学系20とスクリーン10との間には反射ミラー5,6が設けられており、投射光学系20から出射された光が反射ミラー5,6によって反射され、スクリーン10に拡大投影されるようになっている。
図2は、リアプロジェクタ1の投射光学系20の構成を示す概略図である。なお、図2中においては、簡略化のためリアプロジェクタ1を構成する筐体2は省略している。
スクリーン10は、図3に示すように、スクリーン本体10aと、弾性を有するゴム部(支持部材:弾性部材)17と、駆動部(駆動手段:アクチュエータ)30とを備えている。
スクリーン本体は、図4に示すように、入射した光の角度を変換するフレネル板11と、光透過性を有するレンチキュラ板(拡散層)13と、フレネル板11とレンチキュラ板13との間に配置され、入射した光を拡散させる拡散板(拡散層)12とを備えている。
また、筐体2の前面には、図5に示すように、開口部2aが形成されており、この開口部2a内に拡散板12が設けられている。そして、開口部2aの内壁面2bと拡散板12の外周とには、間隙2cが設けられている。また、スクリーン本体10aにおいて、投射レンズ27により画像が表示される画像表示領域(画像形成領域)Aは、図5の一点鎖線に示すように、拡散板12の内側の周縁部に沿った領域となっている。
ゴム部17は、図5に示すように、拡散板12の周縁部の画像表示領域Aの外側に設けられており、入射した光の光軸O方向への拡散板12の移動を規制し、拡散板12を揺動可能に支持するものである。また、ゴム部17は、平板状のものであり、図5に示すように、筐体2の内壁面2bと拡散板12の右辺の面16aとの間に、間隙2cを埋めるように設けられたゴム17aを備えている。また、ゴム部17は、ゴム17aと同様に、筐体2の内壁面2bと拡散板12の左辺の面16bとの間、筐体2の内壁面2bと拡散板12の上辺の面16cとの間、筐体2の内壁面2bと拡散板12の下辺の面16dとの間に、それぞれに設けられたゴム17b,ゴム17c,ゴム17dを備えている。これにより、ゴム17a,17b,17c,17dの弾性力が、x方向(拡散板の拡散面内の所定の方向:スクリーンを設置した状態における水平方向)及びy方向(所定の方向に交差する方向:スクリーンを設置した状態における垂直方向)に加わるようになっている。
また、ゴム17a,17b,17c,17dは、それぞれ各面16a,16b,16c,16dの中央付近に配置されている。これにより、拡散板12を筐体2の開口部2a内で均一に揺動させることが可能になっている。
なお、ゴムは平板状のものとしたが、L字型のゴムを2つ用いて、拡散板の対角2箇所に配置した構成であっても良い。
まず、フレネル板11について説明する。
フレネル板11は、図3に示すように、入射面11aと反対の射出面11bに略同心円状に形成されたプリズム形状のフレネルレンズ11cが形成されている。このフレネルレンズ11cは、投射レンズ27から射出され入射面11aより入射したレーザ光を屈折させ、平行光に変換し射出面11bより射出するものである。
また、フレネルレンズ11cの先端には、面取りが施されている。なお、フレネルレンズ11cの先端に、R付けが施されていても良い。
レンチキュラ板13は、図3に示すように、入射面13aに複数の蒲鉾状のマイクロレンズ素子13cがレーザ光の入射側に設けられている。この複数のマイクロレンズ素子13cは、光軸Oに垂直な平面(xy平面)において、y方向(スクリーンを設置した状態における垂直方向)に長手方向を有し、x方向に並列に配置されている。また、マイクロレンズ素子13cの先端には、R付けが施されている。なお、マイクロレンズ素子13cの先端に、面取りが施されていても良い。
さらに、レンチキュラ板13は、入射面13aから入射したレーザ光を所定の角度範囲に拡散させ、射出面13bから射出させるものであり、画像の視野角を広くし、スクリーン10を正面から水平方向にずれた位置で観察しても良好な画像を観察可能にするものである。なお、レンチキュラ板13の材料としては、光を透過する材料であれば良い。
拡散板12は、図3に示すように、フレネル板11の射出面11bから射出したレーザ光を拡散させ、レンチキュラ板13の入射面13aに射出するものである。また、拡散板12は、内部に拡散性を有する粒子12cが分散されている。具体的には、微粒子状(ビーズ状)のシリカ、ガラス、樹脂等を用いることができる。粒子12cの平均粒径は、特に限定されないが、0.5μm〜50μmであるのが好ましい。
また、拡散板の材料としては、例えば、シクロオレフィン系樹脂が挙げられる。
すなわち、拡散板12を当該拡散板12の厚みLよりわずかに大きい間隙15内で動かすことにより、焦点方向に拡散板12が大きくずれることがないので、焦点ボケによる画像の乱れが生じることはない。また、この間隙15により、拡散板12の動きを規制することができるので、薄い拡散板(例えば、厚み:0.5mm、サイズ;数十インチ)12を保持する保持部材を使用することなく、拡散板12をたるみのないように張りつつ、動かすことができる。
また、これにより、拡散板12の質量を小さくすることができるので、拡散板12を簡単に動かすことができ、さらには、スクリーン10全体の小型化を図ることが可能となる。
また、フレネル板11,レンチキュラ板13,拡散板12は、それぞれアクリル樹脂等からなるプラスチック材料で形成されている。これにより、スクリーン10全体の軽量化が図られ、特に、拡散板12は振動する部材となるだけに軽量化が必要である。しかしながら、拡散板12をプラスチック材料で形成することにより、静電力が発生し、拡散板12が振動する際の大きな抵抗力になってしまう。このとき、拡散板12の入射面12a及び射出面12bに静電防止処理を施すことで、静電力による抵抗を軽減することが可能となる。静電防止処理の仕方としては、プラスチック材料の内部に静電防止処理剤を練り込んでも良く、また、表面に静電防止処理剤を塗布した構成であっても良い。
スクリーン10には、図5に示すように、自身が回転運動を行い、拡散板12を連続的に揺動させる駆動部30が設けられている。駆動部30の具体的な構成は、拡散板12の下面16d側に設けられ、ゴム部17を介して拡散板12を当該拡散板12の射出面(拡散面)12bに対して平行に揺動させるものである。また、この駆動部30は、間欠的に駆動し、拡散板12を連続的に振動させるものである。駆動部30は、拡散板12をレーザ光が拡散する射出面12bに交差する方向(xy平面方向)、すなわち、図3に示すレーザ光の光軸Oに対して垂直方向に連続的に振動させるものである。なお、拡散板12を振動させる周波数は、人間が感知可能なフリッカの周波数よりも高い周波数に設定されている。
また、駆動部30は、図5に示すように、中心軸Pを中心に時計回りに回転する円盤状の駆動板32を備えている。拡散板12は、図5の破線に示すように、駆動板32に接触可能となっており、駆動板32に拡散板12の面16dが接触すると、回転方向(上方)に押し上げられ、円軌道に沿って揺動するようになっている。
なお、拡散板12を楕円軌道に沿って動かすことも可能であり、また、拡散板を8の字軌道に沿って動かしても良い。
まず、各レーザ光源21R,21G,21Bから射出されたレーザ光は、図2に示すように、それぞれ照明光学系22R,22G,22Bにより、照度分布が略均一化され液晶ライトバルブ24R,24G,24Bに入射する。そして、入射したレーザ光は、液晶ライトバルブ24R,24G,24Bによりそれぞれ変調され、クロスダイクロイックプリズム26に入射する。その後、クロスダイクロイックプリズム26は、各透過型液晶ライトバルブ24R,24G,24Bでそれぞれ変調されたR光、G光及びB光を合成し、クロスダイクロイックプリズム26で合成された光は、投射レンズ27によってスクリーン10へ投射される。
その後、拡散板12は、あらかじめ決められた量の減衰が進むと、図5の点線に示すように、駆動板32に接触するので、再び、上方に押し上げられる。
また、ゴム部17により、拡散板12を画像表示領域Aの外側の周縁部で支持しているため、表示される画像に影響を及ぼすことがなく、拡散板12の光軸O方向への移動を規制することができるので、鮮明な画像を表示することが可能となる。
さらに、駆動部30は、拡散板12を連続的に揺動させるため、死点(動きが一瞬でも止まる点)を持たないので、一瞬たりとも干渉が生じる瞬間がない。したがって、スクリーン本体10aから射出される光のスペックルの抑制の効果を連続的に持続することが可能となる。
さらに、支持部材として弾性を有するゴムを用いたが、シリコンまたは発泡材等の弾性を有する部材であれば良く、例えば、コイルスプリングや板バネであっても良い。
次に、本発明に係る第2実施形態について、図9を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態において、上述した第1実施形態に係るリアプロジェクタのスクリーン10と構成を共通とする箇所には同一符号を付けて、説明を省略することにする。
本実施形態に係るスクリーン40では、往復運動を行う駆動部(駆動手段:アクチュエータ)45の構成において、第1実施形態と異なる。
また、拡散板12は、上辺(一方の辺)の中央付近で、上方から弾性を有する吊り糸(支持部材:伸縮部材)41により吊るされている。この吊り糸41は、拡散板12の周縁部の画像表示領域Aの外側に設けられている。さらに、拡散板12は、吊り糸41の支点以外は自由度の大きな動きができるようになっている。
ソレノイド47により、可動部46が拡散板12の下面12dを45°上方に力を与えることにより、拡散板12は、図9に示すように、8の字の軌道に沿って動く。そして、拡散板12の動きは吊り糸41の弾性によって、一定時間で減衰をしながら8の字の軌道に沿って振動を続ける。このように、拡散板12が8の字の軌道に沿って振動を続けている間は、ソレノイド47から拡散板12には力を与えない。その後、あらかじめ決められた量の減衰が進むと、ソレノイド47が再び作動して、拡散板12を45°上方に押し上げる。
次に、本発明に係る第3実施形態について、図10(a)、図10(b)及び図10(c)を参照して説明する。
本実施形態に係るスクリーン50では、回転運動を行う駆動部(駆動手段:アクチュエータ)51の構成及びゴム部17に代えて支持部(支持部材)55により拡散板12が支持されている点において、第1実施形態と異なる。
駆動部51は、図10(a)に示すように、偏心軸52と、駆動板53と、接続部(接続部材)54とを備えている。
駆動板53は、モータ(図示略)により、軸Pを中心に回転するようになっている。また、偏心軸52は、駆動板53の軸Pとずれた位置に取り付けられている。
接続部54は、拡散板12の右下側に設けられ拡散板12と接続されている。また、接続部54には、図10(b)に示すように、偏心軸52と略同一径を有する穴部54aが形成され、この穴部54aに偏心軸52が挿通されている。
また、画像表示領域Aの外側である拡散板12の下辺の面16dに支持部55を備えることにより、簡易な構成で、拡散板12が光軸O方向への動きを防止することができる。
さらに、支持部55を備えることにより、図10(a)に示す矢印P方向への拡散板12の動きに自由度を持たせ、拡散板12の光軸O方向への動きを規制することが可能となる。したがって、シンチレーションを抑えつつ、焦点の変動による画像ボケの発生を抑え、鮮明な画像を表示することが可能となる。
また、接続部54に穴部54aが形成された構成としたが、より確実に拡散板12の光軸O方向への移動を規制するには、図10(a)のQ−Q線矢視断面図である図11に示すように、偏心軸52に拡散板12の厚み寸法と略同等の幅を有する溝58を形成し、その溝58の中に接続部54を挿入させた構成としても良い。これにより、拡散板12の右辺側及び左辺側において、拡散板12の光軸O方向の動きを規制することができるので、接続部54を介して拡散板12が焦点方向に移動するのをさらに抑制することが可能になる。
次に、本発明に係る第4実施形態について、図12(a)及び図12(b)を参照して説明する。
本実施形態に係るスクリーン60では、支持部61の構成において、第3実施形態と異なる。
拡散板65には、図12(a)に示すように、左下側に拡散板12のx方向及びy方向への移動を可能にする大きさの穴部65aが形成されている。そして、図12(b)に示すように、穴部65aに突起部63が貫通された状態になっている。これにより、拡散板12が、円軌道に沿って揺動した際、入射した光の光軸O方向への拡散板12の移動を規制し、拡散板12をxy平面内において揺動可能に支持しているため、拡散板65がたるむことがない構成になっている。
なお、支持板62を用いず、円柱状の突起部63によりフレネル板11及びレンチキュラ板13を接続しても良い。
また、拡散板65に穴部65aを形成せずに、突起部63が画像表示領域Aの外側の拡散板65に固定されていても良い。この構成の場合、突起部63が接続されている拡散板65上の点は死点(動きが止まる点)となるが、画像表示領域A内では、拡散板65は、連続的に揺動しているため、連続的にシンチレーションを低減させることが可能となる。
次に、本発明に係る第5実施形態について、図13を参照して説明する。
本実施形態に係るスクリーン70では、基本構成は第1実施形態と同様であるが、
レンチキュラ板13を用いず、スクリーン本体70aが2層構造である点において、第1実施形態と異なる。
スクリーン本体70aは、フレネル板71と、第1実施形態と同様の拡散板(拡散層)72とを備えている。
フレネル板71は、図13に示すように、拡散板72と対向する面、すなわち、フレネルレンズ71cが形成された射出面71bの外周に沿って接触部73が設けられている。接触部73は、滑らかな形状を有していれば良く、本実施形態で、R付けが施されている。また、フレネル板71の入射面71aから射出面71bの接触部73の先端までの厚みTは、フレネル板71の入射面71aから射出面71bのフレネルレンズ71cが形成されている面までの厚みSより厚くなっている。これにより、フレネル板71は、接触部73が、拡散板72に接触することになるため、フレネルレンズ71cの先端の鋭利部分が拡散板72に接触することがない構成になっている。
また、規制部材74には、拡散板72側の凹部74aの内側面にゴム75が設けられており、凹部74aにゴム75,拡散板72,フレネル板71が嵌め込まれた状態になっているため、スクリーン70aはゴム75を介して規制部材74に保持されている。これにより、拡散板72の光軸O方向への動きを確実に規制している。
また、接触部73により、フレネルレンズ71cの先端の鋭利部分が接触しないため、拡散板72の損傷を防止することができる。また、接触部73には、R付けが施されているため、フレネル板71と拡散板72とが接触した際に生じる磨耗を抑制することができる。
また、拡散板72をフレネル板71の射出面71b側(視聴者側)に設けたが、フレネル板71の入射面71a側に設けても良い。
また、本実施形態ではゴム75を用いて説明したが、弾性を有する部材であれば良いため、コイルスプリング等であっても良い。また、ゴム75は、規制部材74の凹部74a内のフレネル板71と拡散板72との間に設けられていても良い。
また、拡散板72が揺動する際、フレネル板71と拡散板72との摺動面や拡散板72と規制部材74との接触面は、潤滑処理が施されていることが好ましい。これは、湿式の潤滑処理であっても良いが、外に滲み出て行きにくいことを考慮すると、乾式のフッ素化処理などが効果的である。また、拡散板72とフレネル板71とが擦れ合う部分などには、少なくとも一方をPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂や金属部材表面に潤滑処理を施したもので構成することにより、潤滑効果を得ることができる。
また、フレネル板71及び拡散板72の精度が高い場合や、拡散板72が光軸O方向(焦点方向)に動いても画像ボケに寄与しない場合は、ゴム75を用いなくても良い。
次に、本発明に係る第6実施形態について、図14を参照して説明する。
本実施形態に係るスクリーン80では、ゴム部(支持部材)17に代えて拡散板12の動きを固定する固定部(支持部材)81である点及びフレネル板84が第5実施形態のフレネル板71である点において、第1実施形態と異なる。
磁石83は、光軸Oに沿って互いに反発し合う第1磁石83aと第2磁石83bとを備え、第1磁石83aが、固定板82の光軸Oと垂直な面それぞれに設けられた溝82bに嵌め込まれている。また、第2磁石83bは、規制部材74の光軸Oと垂直な面に設けられた溝74bに嵌め込まれている。これにより、第1磁石83aと第2磁石83bとは、光軸Oに沿って所定の間隔をあけて、固定板82に嵌め込まれた拡散板12を光軸O方向において一定の位置で保持している。すなわち、両方の対の磁石83の斥力が釣り合った状態となっている。
なお、固定板82が、第1磁石83aにより構成されていても良い。また、磁石83による斥力に代えて、静電力により、規制部材74と固定板82とを反発させても良い。
具体的な構成としては、断面L字状の規制部材93と拡散板72との空間93a内に所定の間隔をあけて固定板91が配置されている。そして、固定板91の光軸Oと垂直な一端面91aと拡散板72とが接着され、一端面91aと反対の他端面91bの溝91cに第1磁石92aが設けられている。また、規制部材93の光軸Oと垂直な面に設けられた溝93bには第2磁石92bが嵌め込まれている。これにより、第1磁石92aと第2磁石92bとの引力により、拡散板72がフレネル板71側に引かれているが、接触部73により、第1磁石92aと第2磁石92bとは、光軸Oに沿って所定の間隔をあけて、拡散板72を光軸O方向において一定の位置で保持している。この構成では、一つの一対の磁石92により、拡散板72の光軸O方向への動きを固定しているため、部品点数の削減を図ることが可能となる。
次に、本発明に係る第7実施形態について、図16を参照して説明する。
本実施形態に係る画像表示装置は、第1実施形態におけるスクリーン10を画像表示装置に適用したものである。
画像表示装置100は、図16に示すように、R光を射出するレーザ光源102R,G光を射出するレーザ光源102G,B光を射出するレーザ光源102Bを有する光源装置101と、コリメート光学系104及びビーム整形光学系105を含むレンズ光学系103と、入射されたレーザ光を2次元方向に走査するスキャナ(走査手段)106と、スキャナ106により走査されたレーザ光を拡大投射する投射レンズ108と、投射レンズ108により投射された光をスクリーン10に向けて反射する反射ミラー109とによって概略構成されている。この画像表示装置100では、光源装置101、レンズ光学系103、スキャナ106、投射レンズ108、反射ミラー109は、スクリーン10を備えた筐体110の内部に収容されており、筐体110内を走らせたレーザ光をスクリーン10上に走査することによって画像が表示されるようになっている。
なお、本実施形態では、第1実施形態のスクリーン10を用いて説明したが、第2実施形態のスクリーン40、第3実施形態のスクリーン50、第4実施形態のスクリーン60、第5実施形態のスクリーン70、第6実施形態のスクリーン80であっても良い。
例えば、拡散板と接触するゴムの側面には、第3実施形態の支持部に形成された溝が形成されていても良い。この構成により、拡散板の光軸方向への動きをより確実に規制することが可能となる。
また、第3,第4実施形態において、フレネル板11と拡散板12とレンチキュラ板13との3層構造としたが、フレネル板11と拡散板12との2層構造や、フレネル板11とレンチキュラ板13との2層構造であっても良い。フレネル板11とレンチキュラ板13との2層構造の場合は、レンチキュラ板13を拡散板12と同様に揺動させることにより、スクリーン本体から射出される光のシンチレーションを低減することが可能となる。
さらに、2層構造であるスクリーン70及びスクリーン90において、拡散板72に代えて、第1実施形態で用いたレンチキュラ板13を用い、このレンチキュラ板13を拡散層として揺動させても良い。この構成では、拡散板72を揺動させた場合と同様に、スクリーンから射出された光は、シンチレーションが抑えられた光となっているため、良好な画像を表示することが可能となる。
また、弾性部材(ゴム、吊り糸)を筐体に取り付けたが、拡散板の外周に沿って額縁状のフレームを設けても良い。この構成の場合、フレームにより弾性部材を介して拡散層を保持するため、用途に応じた振動を行うスクリーン本体を筐体の開口部に嵌め込むことができる。
また、静電防止処理に代えて、フレネル板の射出面,レンチキュラ板の入射面,拡散板の入射面及び射出面に、潤滑性樹脂による被膜を形成してもよい。また、弾性部材(ゴム)と拡散板とが擦れ合う部分には、少なくとも一方をPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂や金属部材表面に潤滑処理を施したもので構成することにより、潤滑効果を得ることができる。
さらに、蒲鉾状のマイクロレンズ素子が形成されたレンチキュラ板を用いたが、これに限らず、例えば、レンチキュラ板を平面視したときの形状が略円形または略楕円形のマイクロレンズ素子が形成された光学素子であっても良い。また、光学部材は、光透過性を有する板状の部材であれば良く、例えば、ガラス等であっても良い。
また、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、反射型の液晶ライトバルブ、および、微小ミラーアレイデバイスを光変調素子として用いることができる。その際には、投射光学系の構成は適宜変更される。
また、スクリーンは、xy平面内で不規則(ランダム)に振動する構成であっても良い。この構成では、駆動部によりスクリーンを不規則に振動させるように設定することにより、シンチレーションを低減させることができる。
また、レンチキュラ板の射出面にブラックマトリックス(遮光層)が形成されていても良い。この構成では、マイクロレンズ素子で集光したレーザ光が再び入射面側に戻ってくるのを効果的に防止し、かつ、レーザ光を射出面から効率良く拡散させることができる。したがって、輝度が高く、コントラストの良い鮮明な画像が表示されることになる。
Claims (8)
- 複数の層を有するスクリーンであって、
前記複数の層のうち少なくとも1層を構成し、入射した光を拡散させる拡散層と、
該拡散層における画像形成領域外に設けられるとともに、前記拡散層を移動可能に支持する支持部材と、
前記拡散層を連続的に移動させる駆動手段と、
前記拡散層に入射した光の光軸方向への前記拡散層の移動を規制する規制部材と、を備え、
前記規制部材と前記拡散層とが他の部材を介して連結されておらず、非接触の状態で、前記規制部材と前記拡散層との間の空間で前記拡散層に入射した光の光軸に沿った方向に生じる斥力もしくは引力により、前記光軸に沿った方向への前記拡散層の移動が規制されることを特徴とするスクリーン。 - 前記駆動手段には、前記拡散層に接続され、前記拡散層を移動可能とする接続部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
- 前記駆動手段が、前記拡散層を間欠的に駆動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスクリーン。
- 前記拡散層の光入射面および光射出面に静電防止処理が施されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 前記駆動手段が、往復運動を行うアクチュエータであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 前記駆動手段が、回転運動を行うアクチュエータであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 光を射出する光源装置と、
該光源装置から射出された光を画像信号に応じて変調する光変調装置と、
該光変調装置により変調された光を投射する投射装置と、
該投射装置から射出された画像が投射される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のスクリーンとを備えることを特徴とするプロジェクタ。 - 光を射出する光源装置と、
該光源装置から射出されたレーザ光を走査する走査手段と、
該走査手段により走査された光が投影される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のスクリーンとを備えることを特徴とする画像表示装置。
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