JPWO2014167672A1 - スクリーン装置 - Google Patents
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Abstract
スクリーン装置は、スクリーンと、スクリーンの面内における一の方向に沿った第1の軸まわりと、スクリーンの面内における当該一の方向と交差する他の方向に沿った第2の軸まわりとに、スクリーンを揺動可能に支持する支持部と、第1の軸及び第2の軸とは方向が異なる第3の軸まわりに、スクリーンを駆動する駆動部と、を備える。
Description
本発明は、スクリーンを用いた技術分野に関する。
従来から、レーザースキャン型プロジェクタなどで像を生成する場合や、レーザースキャンエンジンを用いたヘッドアップディスプレイやヘッドマウントディスプレイで中間像を生成する場合に、スクリーンが用いられている。また、そのようなスクリーンに関する技術として、スクリーンに投影される光をスクリーン上で拡散反射(若しくは拡散透過)させることで、視野角の拡大や観察可能範囲の拡大を図る技術が提案されている。更に、スクリーンにて光を拡散させることで発生するスペックル(反射面のランダムな凹凸に起因する干渉により発生する)を低減する技術が提案されている。例えば、スクリーン面を駆動(並進運動など)することで、スペックルを低減する技術が提案されている。
上記したようなスクリーンに関する技術は、例えば下記の特許文献1乃至7に開示されている。
従来のスクリーンを並進運動等させる技術では、スクリーン面内でスクリーンの回転が生じてしまう場合があった。スクリーン面内でスクリーンが回転すると、スペックル低減効果が低下するなどの不具合が発生する場合があるため、これを抑制することが望ましい。更に、従来の技術では、設計自由度が低い傾向にあり、また、低コスト化や小型化が困難であった。なお、このような課題については、「2.比較例の問題点」のセクションで詳細を説明する。
本発明が解決しようとする課題は上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、スペックルを適切に低減しつつ、設計自由度が高く、低コスト化や小型化が実現可能なスクリーン装置を提供することを課題とする。
請求項に記載の発明では、スクリーン装置は、スクリーンと、前記スクリーンの面内における一の方向に沿った第1の軸まわりと、前記スクリーンの面内における前記一の方向と交差する他の方向に沿った第2の軸まわりとに、前記スクリーンを揺動可能に支持する支持部と、前記第1の軸及び前記第2の軸とは方向が異なる第3の軸まわりに、前記スクリーンを駆動する駆動部と、を備えることを特徴とする。
本発明の1つの観点では、スクリーン装置は、スクリーンと、前記スクリーンの面内における一の方向に沿った第1の軸まわりと、前記スクリーンの面内における前記一の方向と交差する他の方向に沿った第2の軸まわりとに、前記スクリーンを揺動可能に支持する支持部と、前記第1の軸及び前記第2の軸とは異なる第3の軸まわりに、前記スクリーンを駆動する駆動部と、を備える。
上記のスクリーン装置では、スクリーンは、入射される光を拡散する拡散面などを有する。支持部は、スクリーンの面内における一の方向に沿った第1の軸まわりと、スクリーンの面内における当該一の方向と交差する他の方向(例えば当該一の方向に直交する方向)に沿った第2の軸まわりとに、スクリーンを揺動可能に支持する。駆動部は、第1の軸及び第2の軸とは異なる第3の軸まわりに、スクリーンを駆動する。具体的には、駆動部は、第1の軸及び第2の軸で規定される面内に位置する、第3の軸まわりのモーメントをスクリーンに付与する。
上記のスクリーン装置によれば、スクリーンを揺動させることにより、スクリーンを並進させる構成と同様に、スクリーンにて光を拡散させることで発生するスペックル(スクリーン面のランダムな凹凸に起因する干渉により発生する)を平均化することで低減することができる。また、上記のスクリーン装置によれば、第1の軸及び第2の軸で規定される面内でスクリーンが回転しないため、当該回転に起因する種々の不具合の発生(スペックル低減効果の低下など)を抑制することができる。また、上記のスクリーン装置によれば、スクリーンを揺動させるため、支持部を簡略化することができ、低コスト化を実現することが可能となる。更に、上記のスクリーン装置によれば、スクリーンを並進駆動させる構成と比較して、設計自由度が高く、低コスト小型化設計が可能となる。
上記のスクリーン装置の一態様では、前記スクリーンにおける前記第1の軸まわりの第1共振周波数と前記第2の軸まわりの第2共振周波数とが異なるように構成すると良い。
上記のスクリーン装置の他の一態様では、前記第1共振周波数及び前記第2共振周波数の成分を有する信号で前記駆動部を制御する制御部を更に有する。このように駆動部を制御することで、同時に2軸(第1の軸及び第2の軸)まわりの傾き運動を適切にスクリーンに与えることができる。
上記のスクリーン装置の他の一態様では、前記制御部は、前記第1共振周波数と前記第2共振周波数との周波数比及び振幅比を設定して、前記スクリーンの面における前記第1の軸まわりの第1角度と前記第2の軸まわりの第2角度とがリサージュ図形を描くように前記駆動部を制御する。これにより、2軸(第1の軸及び第2の軸)まわりの傾き運動をより適切にスクリーンに与えることができ、スペックルを効果的に平均化することが可能となる。
上記のスクリーン装置において好適には、前記制御部は、前記第1角度の角速度及び前記第2角度の角速度が同時に「0」にならないように、前記周波数比及び前記振幅比を設定すると良い。
上記のスクリーン装置の他の一態様では、前記駆動部は、前記スクリーンの一箇所にのみ力を付与することで、前記スクリーンを駆動する。これにより、駆動部を簡便に構成することができる。
上記のスクリーン装置の他の一態様では、前記駆動部は、前記スクリーンが揺動する際の中心位置を基準にして対称となる前記スクリーン上の二箇所に力を付与することで、前記スクリーンを駆動する。その場合、前記駆動部は、前記二箇所の一方と前記二箇所の他方とで互いに逆向きとなる力を付与する。これにより、スクリーンには揺動させるトルクのみが生じるので、動作時の振動を低減することができる。
好適な例では、前記支持部は、前記第1の軸まわりの断面2次モーメントと、前記第2の軸まわりの断面2次モーメントとが異なる弾性体である。これにより、第1の軸まわりの第1共振周波数と第2の軸まわりの第2共振周波数とを適切に異ならせることができる。例えば、前記弾性体は、前記一の方向に沿った長さと、前記他の方向に沿った長さとが異なる断面形状を有する。
他の好適な例では、前記支持部は、前記スクリーンを前記第1の軸まわりに揺動可能に支持する第1トーションバーと、前記スクリーンを前記第2の軸まわりに揺動可能に支持する第2トーションバーと、を有していても良い。
更に他の好適な例では、前記支持部は、球面軸受けと、前記スクリーンが前記球面軸受けから離れないように当該スクリーンに付勢力を少なくとも付与するばねと、を有していても良い。
また、好適な例では、前記スクリーンは、前記第1の軸まわりの慣性モーメントと、前記第2の軸まわりの慣性モーメントとが異なる。第1の軸まわりの慣性モーメントと第2の軸まわりの慣性モーメントとを適宜設定することで、第1の軸まわりの第1共振周波数と第2の軸まわりの第2共振周波数とを容易に設定することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
1.本実施例に係るスクリーン装置
まず、本実施例に係るスクリーン装置について説明する。
まず、本実施例に係るスクリーン装置について説明する。
1−1.システム構成
図1は、本実施例に係るスクリーン装置100を適用した表示システムの具体例を示している。図1(a)は、例えばレーザースキャン型のプロジェクタ200によって、スクリーン装置100のスクリーン1に画像(実像)を投影する表示システム400aを示している。図1(b)は、レーザースキャンエンジンなどを用いたプロジェクタ200から投影された画像により、スクリーン装置100のスクリーン1上に中間像を形成し、その中間像に対応する光をコンバイナ300で反射させることで画像を虚像として視認させる表示システム400bを例示している。
図1は、本実施例に係るスクリーン装置100を適用した表示システムの具体例を示している。図1(a)は、例えばレーザースキャン型のプロジェクタ200によって、スクリーン装置100のスクリーン1に画像(実像)を投影する表示システム400aを示している。図1(b)は、レーザースキャンエンジンなどを用いたプロジェクタ200から投影された画像により、スクリーン装置100のスクリーン1上に中間像を形成し、その中間像に対応する光をコンバイナ300で反射させることで画像を虚像として視認させる表示システム400bを例示している。
図1(a)及び(b)に示すように、スクリーン装置100は、主に、スクリーン1と、スクリーン1を駆動するアクチュエータとしての駆動部2と、駆動部2を制御するCPU(Central Processing Unit)などの制御部10と、を有する。スクリーン1は、反射型拡散面を有しており、入射される光(以下では適宜「ビーム」と呼ぶ。)を反射すると共に拡散するように機能する。なお、スクリーン1に反射型拡散面を適用することに限定はされず、反射型拡散面の代わりに透過型拡散面を適用しても良い。以下の説明では、反射型拡散面を有するスクリーン1を例に挙げる。
1−2.スクリーン装置の構成
図2は、本実施例に係るスクリーン装置100の構成を示す図である。図2では、左上にスクリーン装置100の正面図を示し、右上に正面図中の矢印Ar11方向から観察したスクリーン装置100の側面図を示し、左下に正面図中の矢印Ar12方向から観察したスクリーン装置100の側面図を示している。なお、後述するスクリーン装置の図においても正面図及び側面図の定義は同様であるものとする。
図2は、本実施例に係るスクリーン装置100の構成を示す図である。図2では、左上にスクリーン装置100の正面図を示し、右上に正面図中の矢印Ar11方向から観察したスクリーン装置100の側面図を示し、左下に正面図中の矢印Ar12方向から観察したスクリーン装置100の側面図を示している。なお、後述するスクリーン装置の図においても正面図及び側面図の定義は同様であるものとする。
図2に示すように、本実施例に係るスクリーン装置100は、主に、スクリーン1と、駆動部2と、支持部3と、ベース4と、固定部5と、を有する。スクリーン1は、矩形形状の平面を有する略平板として構成されており、上記したプロジェクタ200からの光を反射させると共に拡散させる反射型拡散面を有する。反射型拡散面としては、公知の種々のものを適用することができる。スクリーン1は、当該スクリーン1の重心Gを含む箇所に設けられた支持部3によって支持され、支持部3及び固定部5を介してベース4に対して固定されている。スクリーン1と支持部3と固定部5とベース4とは、離れ合わないように固定されている。なお、固定部5を用いずに、支持部3とベース4とを直接接続しても良い。
支持部3は、弾性体で構成されている。スクリーン1は、そのような弾性体としての支持部3により、x軸まわり(以下ではx軸まわりの方向を適宜「β方向」と呼ぶ。)とy軸まわり(以下ではy軸まわりの方向を適宜「α方向」と呼ぶ。)とに揺動可能に支持されている。x軸は、スクリーン1の重心Gを通り、スクリーン1における1つの辺の長さ方向に沿った軸であり、y軸は、スクリーン1の重心Gを通り、スクリーン1における当該1つの辺に垂直な辺の長さ方向に沿った軸である。なお、スクリーン1は、一様な面密度に構成されており、当該スクリーン1の矩形の中心位置と重心Gの位置とが一致するものとする。また、x軸は、本発明における「第1の軸」の一例に相当し、y軸は、本発明における「第2の軸」の一例に相当する。
更に、支持部3は、y方向の寸法L2がx方向の寸法L1よりも長い矩形の断面形状(xy平面に沿った断面)を有する。そのため、支持部3は、β方向の曲げ剛性(ばね定数)がα方向の曲げ剛性(ばね定数)よりも大きい。したがって、β方向の共振周波数とα方向の共振周波数とが異なるものとなる。具体的には、β方向の共振周波数がα方向の共振周波数よりも高くなる。なお、β方向の共振周波数は、本発明における「第1共振周波数」の一例に相当し、α方向の共振周波数は、本発明における「第2共振周波数」の一例に相当する。
駆動部2は、xy平面内においてx軸及びy軸とは異なる軸pまわりのモーメントを発生する。具体的には、駆動部2は、スクリーン1の1つの隅(正面図において右上に位置する隅)に設けられていると共に、スクリーン1の面に固定されており(つまりスクリーン1の面と常に接触した状態になっている)、スクリーン1を押し上げる方向及びスクリーン1を押し下げる方向に力を付与する。これにより、駆動部2は、スクリーン1の対角線に直交し、重心Gを通る軸pまわりのモーメントを発生する。図2では、スクリーン1を押し上げる方向の力Fが付与され、「F*L3」のモーメントが発生している場合を例示している(「L3」はスクリーン1の対角線の半分の長さである)。なお、駆動部2には、電磁型や静電型や電歪型など種々の形式を適用することができる。また、駆動部2は、前述した制御部10(図1参照)によって制御される。また、p軸は、本発明における「第3の軸」の一例に相当する。
なお、支持部3に、y方向の寸法L2がx方向の寸法L1よりも長い矩形の断面形状を適用することに限定はされず、x方向の寸法L1がy方向の寸法L2よりも長い矩形の断面形状を適用しても良い。また、支持部3を、スクリーン1の重心Gを含む箇所に設けなくても良い。つまり、スクリーン1の重心Gから外れた箇所に、支持部3を設けても良い。更に、スクリーン1を、一様な面密度に構成しなくても良い。その場合には、スクリーン1の矩形の中心位置と重心Gの位置とが一致しない傾向にある。
また、上記では、支持部3の構成によって、α方向の共振周波数とβ方向の共振周波数とを異ならせていたが、支持部3をそのような構成にせずに(例えばy方向の寸法L2とx方向の寸法L1とを等しくする)、スクリーン1におけるα方向の慣性モーメント及びβ方向の慣性モーメントを適宜設定することで、α方向の共振周波数とβ方向の共振周波数とを異ならせても良い。これについては、後述する「3−3.共振周波数の設定」のセクションで詳細を述べる。
1−3.スクリーンの駆動方法
図3を参照して、本実施例におけるスクリーン1の駆動方法について説明する。図3(a)に示すように、スクリーン面におけるy軸まわりの角度、つまりα方向における角度を「角度α」と定義すると共に、スクリーン面におけるx軸まわりの角度、つまりβ方向における角度を「角度β」と定義する。本実施例では、制御部10は、2種類の共振周波数成分を有する信号を駆動部2に入力することで、角度α及び角度βが図3(b)〜(d)に示すようなリサージュ図形を描くように制御する。スクリーン面の角度α及び角度βについてのリサージュ図形は、2種類の共振周波数における周波数比及び振幅比に応じて変わる。なお、角度βは、本発明における「第1角度」の一例に相当し、角度αは、本発明における「第2角度」の一例に相当する。
図3を参照して、本実施例におけるスクリーン1の駆動方法について説明する。図3(a)に示すように、スクリーン面におけるy軸まわりの角度、つまりα方向における角度を「角度α」と定義すると共に、スクリーン面におけるx軸まわりの角度、つまりβ方向における角度を「角度β」と定義する。本実施例では、制御部10は、2種類の共振周波数成分を有する信号を駆動部2に入力することで、角度α及び角度βが図3(b)〜(d)に示すようなリサージュ図形を描くように制御する。スクリーン面の角度α及び角度βについてのリサージュ図形は、2種類の共振周波数における周波数比及び振幅比に応じて変わる。なお、角度βは、本発明における「第1角度」の一例に相当し、角度αは、本発明における「第2角度」の一例に相当する。
図3(b)は、振幅比が「1:1」であり、周波数比が「1:1.5」である場合に、角度α及び角度βが描くリサージュ図形を示している。この場合には、「α=sin(ωt)」であり、「β=sin(1.5ωt)」である。図3(c)は、振幅比が「1:1」であり、周波数比が「0.5:1」である場合に、角度α及び角度βが描くリサージュ図形を示している。この場合には、「α=sin(0.5ωt)」であり、「β=sin(ωt)」である。図3(d)は、角度αと角度βとの振幅比が「1:1」であり、角度αと角度βとの周波数比が「1:1」である場合に、角度α及び角度βが描くリサージュ図形を示している。この場合には、「α=sin(ωt)」であり、「β=sin(ωt)」である。
本実施例では、スクリーン1におけるα方向(y軸まわり)の回転角速度dα/dt及びβ方向(x軸まわり)の回転角速度dβ/dtの両方が同時に「0」にならないように、駆動部2に入力する2種類の共振周波数を設定する。例えば、図3(b)及び図3(c)に示したリサージュ図形が得られるような2種類の共振周波数を設定する。図3(d)に示したリサージュ図形では、両端でα方向及びβ方向の両方とも回転角速度が「0」となるため、そのようなリサージュ図形となる共振周波数は採用しない。
ここで、図4を参照して、2種類の共振周波数成分を有する信号を駆動部2に入力する理由について説明する。図4は、横軸に周波数を示し、縦軸にスクリーン1の傾きの角速度振幅を示している。太線で表したグラフG1は、x軸まわり(β方向)についての周波数と傾きの角速度振幅との関係を示しており、細線で表したグラフG2は、y軸まわり(α方向)についての周波数と傾きの角速度振幅との関係を示している。また、周波数f1は、x軸まわりの傾きの共振周波数を示しており、周波数f2は、y軸まわりの傾きの共振周波数を示している。共振周波数f1と共振周波数f2とを異なる周波数に設定することで、共振周波数f1に基づいてスクリーン1を駆動した場合には、ほぼx軸まわりの傾きが得られ、共振周波数f2に基づいてスクリーン1を駆動した場合には、ほぼy軸まわりの傾きが得られる。また、共振周波数f1及び共振周波数f2に基づいてスクリーン1を駆動した場合には、x軸まわりの傾き及びy軸まわりの傾きが得られる。
したがって、本実施例では、同時に2軸(x軸及びy軸)まわりの傾き運動をスクリーン1に与えるべく、共振周波数f1及び共振周波数f2の周波数成分を有する信号を駆動部2に入力することとした。また、本実施例では、x軸まわり及びy軸まわりの傾き角速度を常に有する運動をスクリーン1に行わせるべく、図3で述べたように、共振周波数f1と共振周波数f2とにおける振幅比及び周波数比を適当な値に設定する。こうすることで、スペックルを適切に平均化することができる。
1−4.支持部の補足
図5を参照して、上記した支持部3について補足する。図5は、x方向の長さが「b」であり、y方向の長さが「h」である直方体のゴムブロック50に、モーメントMが作用した場合を示している。この場合、ゴムブロック50の一辺は縮み、ゴムブロック50の他辺は伸びる。伸縮の生じない線(中立軸)の曲率半径を「r」とすると、「M=EI/r」の関係がある(E:ヤング率、I:x軸まわりの断面2次モーメント)。また、矩形断面のx軸まわりの断面2次モーメントIxは「Ix=bh3/12」であり、矩形断面のy軸まわりの断面2次モーメントIyは「Iy=hb3/12」である。したがって、「h」と「b」とを異なる適当な長さに設定することで、所定の特性を得ることができる。つまり、上記した支持部3の「L1」と「L2」とを異なる適当な長さに設定することで、α方向の共振周波数及びβ方向の共振周波数のそれぞれを所望の周波数にすることができる。
図5を参照して、上記した支持部3について補足する。図5は、x方向の長さが「b」であり、y方向の長さが「h」である直方体のゴムブロック50に、モーメントMが作用した場合を示している。この場合、ゴムブロック50の一辺は縮み、ゴムブロック50の他辺は伸びる。伸縮の生じない線(中立軸)の曲率半径を「r」とすると、「M=EI/r」の関係がある(E:ヤング率、I:x軸まわりの断面2次モーメント)。また、矩形断面のx軸まわりの断面2次モーメントIxは「Ix=bh3/12」であり、矩形断面のy軸まわりの断面2次モーメントIyは「Iy=hb3/12」である。したがって、「h」と「b」とを異なる適当な長さに設定することで、所定の特性を得ることができる。つまり、上記した支持部3の「L1」と「L2」とを異なる適当な長さに設定することで、α方向の共振周波数及びβ方向の共振周波数のそれぞれを所望の周波数にすることができる。
次に、図6を参照して、上記した支持部3の変形例について説明する。図6(a)〜(d)は、変形例に係る支持部31〜34の断面形状(詳しくはxy平面に沿って切断した断面図)を示している。変形例に係る支持部31〜34も弾性体で構成される。図6(a)に示す支持部31では断面2次モーメントは「I=(bh3−b1h1 3)/12」であり、図6(b)に示す支持部32では断面2次モーメントは「I=b(h3−h1 3)/12」であり、図6(c)に示す支持部33では断面2次モーメントは「I=(BH3−bh3)/12」であり、図6(d)に示す支持部34では断面2次モーメントは「I=(BH3+bh3)/12」である。
2.比較例の問題点
次に、本実施例と比較するための比較例を挙げ、その比較例の問題点について説明する。ここでは、スクリーン1からの光の射出角の拡大及びスペックル低減のために、スクリーン1をその面内方向に並進運動させる比較例1、2を挙げる。
次に、本実施例と比較するための比較例を挙げ、その比較例の問題点について説明する。ここでは、スクリーン1からの光の射出角の拡大及びスペックル低減のために、スクリーン1をその面内方向に並進運動させる比較例1、2を挙げる。
2−1.比較例1
図7は、比較例1に係るスクリーン装置100x1の構成を示す図である。比較例1に係るスクリーン装置100x1では、x方向及びy方向にスクリーン1を並進運動させるために、平行ばねとしての支持部3x1を4つ用いてスクリーン1を支持する。また、比較例1に係るスクリーン装置100x1では、x方向とy方向とで共振周波数を同一にしている。更に、比較例1に係るスクリーン装置100x1では、スクリーン1をx方向に駆動するための駆動部2x1aと、スクリーン1をy方向に駆動するための駆動部2x1bとを別々に用いて、x方向とy方向とで位相差90°を有する信号を駆動部2x1a、2x1bに入力することでスクリーン1を駆動する。こうすることで、スクリーン1を円運動させる。
図7は、比較例1に係るスクリーン装置100x1の構成を示す図である。比較例1に係るスクリーン装置100x1では、x方向及びy方向にスクリーン1を並進運動させるために、平行ばねとしての支持部3x1を4つ用いてスクリーン1を支持する。また、比較例1に係るスクリーン装置100x1では、x方向とy方向とで共振周波数を同一にしている。更に、比較例1に係るスクリーン装置100x1では、スクリーン1をx方向に駆動するための駆動部2x1aと、スクリーン1をy方向に駆動するための駆動部2x1bとを別々に用いて、x方向とy方向とで位相差90°を有する信号を駆動部2x1a、2x1bに入力することでスクリーン1を駆動する。こうすることで、スクリーン1を円運動させる。
このような比較例1に係るスクリーン装置100x1には、以下のような問題がある。まず、比較例1に係るスクリーン装置100x1では、2つの駆動部2x1a、2x1bを用いるため、小型化及び低コスト化が困難である。また、並進運動を実現するためには駆動力Fx、Fyが重心Gを通る必要があるので、駆動部2x1a、2x1bの精密な位置調整が必要となる。また、共振周波数での駆動は、並進運動の共振周波数と回転運動(つまりスクリーン1の面内回転)の共振周波数とが近いため、回転運動を極力排除する必要がある。これは、スクリーン1の面内で速度むらが生じるためである(詳細は図9で説明する)。更に、共振周波数以外の駆動は、共振周波数での駆動に対し効率が悪い。
2−2.比較例2
図8は、比較例2に係るスクリーン装置100x2の構成を示す図である。比較例2に係るスクリーン装置100x2では、x方向及びy方向にスクリーン1を並進運動させるために、平行ばねとしての支持部3x2を4つ用いてスクリーン1を支持する。また、比較例2に係るスクリーン装置100x2では、x方向よりもy方向のほうが硬い支持部3x2を用いることで、x方向とy方向とで共振周波数を異ならせている。更に、比較例2に係るスクリーン装置100x2では、x軸及びy軸の両方に対して傾けて配置された1つの駆動部2x2を用い、2種類の共振周波数を合成した信号を駆動部2x2に入力することでスクリーン1を駆動する。
図8は、比較例2に係るスクリーン装置100x2の構成を示す図である。比較例2に係るスクリーン装置100x2では、x方向及びy方向にスクリーン1を並進運動させるために、平行ばねとしての支持部3x2を4つ用いてスクリーン1を支持する。また、比較例2に係るスクリーン装置100x2では、x方向よりもy方向のほうが硬い支持部3x2を用いることで、x方向とy方向とで共振周波数を異ならせている。更に、比較例2に係るスクリーン装置100x2では、x軸及びy軸の両方に対して傾けて配置された1つの駆動部2x2を用い、2種類の共振周波数を合成した信号を駆動部2x2に入力することでスクリーン1を駆動する。
このような比較例2に係るスクリーン装置100x2には、以下のような問題がある。まず、比較例2に係るスクリーン装置100x2では、並進運動を実現するためには駆動力Fが重心Gを通る必要があるので、駆動部2x2の精密な位置調整が必要となる。また、共振周波数での駆動のため、回転運動(つまりスクリーン1の面内回転)の共振を避ける必要があるが、支持部3x2(4本の平行ばね)は回転運動を制御しなければならないので機構が複雑化する。これは、スクリーン1の面内で速度むらが生じるためである(詳細は図9で説明する)。更に、2種類の共振周波数の設定パラメータはばね定数のみであるため、設計自由度が低い。つまり、x方向及びy方向ともに可動部質量が同一であるため、共振周波数の設定はx方向及びy方向のばね定数のみで決定するしかない。
2−3.比較例1、2の補足
図9を参照して、上記した比較例1、2について補足する。図9(a)は、スクリーン1の重心駆動が実現されている場合を示している。具体的には、重心Gを通る駆動力Fがスクリーン1に付与されている場合を示している。この場合には、重心Gまわりのトルクは発生せず、スクリーン1は並進運動するので、スクリーン1内のどの位置の速度も等しい。例えば、重心Gでのy方向速度VGと、重心Gから距離L4だけ離れた2つの位置P1、P2でのy方向速度VP1、VP2とは等しい(VG=VP1=VP2)。
図9を参照して、上記した比較例1、2について補足する。図9(a)は、スクリーン1の重心駆動が実現されている場合を示している。具体的には、重心Gを通る駆動力Fがスクリーン1に付与されている場合を示している。この場合には、重心Gまわりのトルクは発生せず、スクリーン1は並進運動するので、スクリーン1内のどの位置の速度も等しい。例えば、重心Gでのy方向速度VGと、重心Gから距離L4だけ離れた2つの位置P1、P2でのy方向速度VP1、VP2とは等しい(VG=VP1=VP2)。
図9(b)及び(c)は、スクリーン1が非重心駆動されている場合を示している。具体的には、図9(b)に示すように、重心Gから「ε」だけずれた位置から駆動力Fがスクリーン1に付与されている場合を示している。この場合には、図9(c)に示すように、重心駆動力Fと重心GまわりのトルクT(T=F*ε)との合成された表現と同様の運動となる。したがって、例えば、重心Gでのy方向速度VGと、位置P1でのy方向速度VP1と、位置P2でのy方向速度VP2とがそれぞれ異なってしまう(VG≠VP1、VG≠VP2、VP1≠VP2)。そのため、スクリーン1の中央付近ではスペックルが消滅する速度を実現していても、例えば位置P1では、速度が低いためにスペックルが消滅しないといった現象が生じる場合がある。実際は、x方向の運動についても回転運動は影響するため、スクリーン1の面内での回転運動は極力低減する必要がある。
3.本実施例の作用・効果
次に、本実施例の作用・効果について説明する。
次に、本実施例の作用・効果について説明する。
3−1.スペックル低減
図10は、スペックル(スペックルノイズ)の低減効果を説明するための図を示している。図10(a)〜(c)は、一様な強度分布を有する入射ビームがスクリーン1で拡散反射される様子を概略的に示している。このようにスクリーン1によりビームを拡散反射させると、視野角の拡大や観察可能範囲の拡大が実現される。
図10は、スペックル(スペックルノイズ)の低減効果を説明するための図を示している。図10(a)〜(c)は、一様な強度分布を有する入射ビームがスクリーン1で拡散反射される様子を概略的に示している。このようにスクリーン1によりビームを拡散反射させると、視野角の拡大や観察可能範囲の拡大が実現される。
図10(a)は、スクリーン1を移動させずに固定する比較例を示している。この場合には、スクリーン1のランダムな凹凸(凹凸による位相差)に起因する干渉により、スクリーン1の凹凸に対応した強度分布が生じる、つまりスペックルが生じる。図10(b)は、スクリーン1を並進させる比較例を示している。この場合には、スクリーン1の凹凸に対応した強度分布が変化する。これにより、当該強度分布が平均化することで、スペックルが低減する。
図10(c)は、スクリーン1を揺動させる本実施例を示している。本実施例では、高速(例えばリフレッシュレートより高い周波数)でスクリーン1を揺動させることにより、図10(b)に示した例と同様に、スクリーン1の凹凸に対応した強度分布を高速で変化させることで平均化する。したがって、本実施例によれば、スペックルを適切に低減することができる。
なお、本実施例では、スクリーン1を傾けるため光軸方向も変化するが、この影響も高速変位することで平均化することができる。また、入射ビームは平行光に近く、焦点深度が広いため、スポットぼけも無視することができる。
3−2.xy平面内の回転
本実施例によれば、図2に示したように、駆動部2によってx軸及びy軸とは異なる軸pまわりにトルクを発生することで、スクリーン1に対してx軸まわりの傾きとy軸まわりの傾きとを発生させる。そのため、基本的には、スクリーン1はxy平面内(つまりスクリーン面内)で回転しない。したがって、本実施例によれば、「2.比較例の問題点」のセクションで述べたような回転運動による不具合(スペックル低減効果の低下など)を適切に抑制することができる。
本実施例によれば、図2に示したように、駆動部2によってx軸及びy軸とは異なる軸pまわりにトルクを発生することで、スクリーン1に対してx軸まわりの傾きとy軸まわりの傾きとを発生させる。そのため、基本的には、スクリーン1はxy平面内(つまりスクリーン面内)で回転しない。したがって、本実施例によれば、「2.比較例の問題点」のセクションで述べたような回転運動による不具合(スペックル低減効果の低下など)を適切に抑制することができる。
3−3.共振周波数の設定
本実施例によれば、例えば比較例2と比較して、共振周波数の設定が容易である。これについて、図11を参照して説明する。図11では、本実施例に係るスクリーン装置100において、x軸上のy軸から離れた位置に質量を追加した例を示している(符号60a、60b参照)。この場合、y軸まわりの慣性モーメントは大きくなるが、x軸まわりの慣性モーメントはほとんど変化しない。そのため、図11に示すように質量を追加すると、x軸まわりの共振周波数をほとんど変化させることなく、y軸まわりの共振周波数を下げることができる。これと同様の原理にて、y軸上のx軸から離れた位置に質量を追加した場合には、y軸まわりの共振周波数をほとんど変化させることなく、x軸まわりの共振周波数を下げることができる。また、質量を追加する位置を適宜変えることで、x軸まわりの共振周波数及びy軸まわりの共振周波数の両方を適宜変えることができる。
本実施例によれば、例えば比較例2と比較して、共振周波数の設定が容易である。これについて、図11を参照して説明する。図11では、本実施例に係るスクリーン装置100において、x軸上のy軸から離れた位置に質量を追加した例を示している(符号60a、60b参照)。この場合、y軸まわりの慣性モーメントは大きくなるが、x軸まわりの慣性モーメントはほとんど変化しない。そのため、図11に示すように質量を追加すると、x軸まわりの共振周波数をほとんど変化させることなく、y軸まわりの共振周波数を下げることができる。これと同様の原理にて、y軸上のx軸から離れた位置に質量を追加した場合には、y軸まわりの共振周波数をほとんど変化させることなく、x軸まわりの共振周波数を下げることができる。また、質量を追加する位置を適宜変えることで、x軸まわりの共振周波数及びy軸まわりの共振周波数の両方を適宜変えることができる。
このように、本実施例に係るスクリーン装置100によれば、可動部(スクリーン1)におけるx軸まわりの慣性モーメント及びy軸まわりの慣性モーメントのそれぞれを独立に設定することができる。よって、共振周波数の設定を容易に行うことができる、つまり設計の自由度が高くなる。
3−4.まとめ
以上をまとめると、本実施例によれば、スクリーン1を並進駆動させる構成と同等のスペックル低減効果が得られる。また、本実施例によれば、スクリーン1を揺動させるため、支持部3を簡略化することができ、低コスト化を実現することができる。更に、本実施例によれば、スクリーン1を並進駆動させる構成と比較して、設計自由度が高く、低コスト小型化設計が可能となる。
以上をまとめると、本実施例によれば、スクリーン1を並進駆動させる構成と同等のスペックル低減効果が得られる。また、本実施例によれば、スクリーン1を揺動させるため、支持部3を簡略化することができ、低コスト化を実現することができる。更に、本実施例によれば、スクリーン1を並進駆動させる構成と比較して、設計自由度が高く、低コスト小型化設計が可能となる。
4.変形例
次に、上記した実施例の変形例について説明する。なお、下記の変形例は、任意に組み合わせて実施することができる。
次に、上記した実施例の変形例について説明する。なお、下記の変形例は、任意に組み合わせて実施することができる。
4−1.変形例1
上記した実施例では、スクリーン1の隅に駆動部2を設けていたが、これに限定はされない。言い換えると、スクリーン1の対角線に直交する軸を、スクリーン1に付与するモーメントについての軸pとすることに限定はされない。つまり、駆動部2はスクリーン1に駆動力Fを付与できる位置であれば種々の位置に設けることができ、駆動部2の位置に応じて軸pの傾き(方向)も種々に変わる。
上記した実施例では、スクリーン1の隅に駆動部2を設けていたが、これに限定はされない。言い換えると、スクリーン1の対角線に直交する軸を、スクリーン1に付与するモーメントについての軸pとすることに限定はされない。つまり、駆動部2はスクリーン1に駆動力Fを付与できる位置であれば種々の位置に設けることができ、駆動部2の位置に応じて軸pの傾き(方向)も種々に変わる。
図12は、駆動部2を種々の位置に設けた場合の一例を示している。図12(a)に示すように、スクリーン1の隅の位置以外にも、例えば矢印Ar21、Ar22で示す位置に駆動部2を設けることができる。ここで、駆動部2の位置座標を(x、y)とすると、p軸の傾きφは「φ=tan−1(y/x)+90°」と表される。また、駆動部2の位置と重心Gとを結んだ直線と、x軸とが成す角度を「θ」とすると、p軸の傾きφは「φ=θ+90°」と表される。図12(b)は、矢印Ar21、Ar22で示す位置に駆動部2を設けた場合の、角度θの例(θ1及びθ2)と、p軸の傾きφの例(p1軸の傾きφ1及びp2軸の傾きφ2)とを例示している。
次に、図13を参照して、p軸の好適な傾きについて説明する。ここでは、図13に示すように、p軸の傾きγを定義する。x軸まわりのスクリーン1の慣性モーメントIxと、y軸まわりのスクリーン1の慣性モーメントIyとを用いて、p軸の傾きγを「γ=tan−1(Ix/Iy)」とする。そうすると、x軸まわりの角速度振幅とy軸まわりの角速度振幅とをほぼ等しくし制御を容易にすることができる。このような関係はスクリーン1がほぼ一様な面密度とみなせる範囲では、「γ=tan−1(L62/L52)」と表すことができる(「L5」はスクリーン1の矩形の横方向の長さであり、「L6」はスクリーン1の矩形の縦方向の長さである)。
4−2.変形例2
変形例2は、上記した実施例に係る支持部3についての他の例に関する。
変形例2は、上記した実施例に係る支持部3についての他の例に関する。
図14は、変形例2の第1の例に係るスクリーン装置100aの構成を示す図である。図14に示すように、スクリーン装置100aは、支持部3の代わりに、トーションバーとしての支持部3a1、3a2を有すると共に、ベース4の代わりに、ベース4a1及びサブフレーム4a2を有する点で、実施例に係るスクリーン装置100と異なる。スクリーン装置100aでは、スクリーン1はx軸に沿った支持部3a1及びy軸に沿った支持部3a2によって支持されている。具体的には、スクリーン1は、支持部3a1を介してサブフレーム4a2に固定され、サブフレーム4a2は、支持部3a2を介してベース4a1に固定されている。支持部3a1は、スクリーン1をx軸まわりに揺動可能に支持し、支持部3a2は、サブフレーム4a2をy軸まわりに揺動可能に支持する。このような変形例2の第1の例に係るスクリーン装置100aも、上記した実施例に係るスクリーン装置100と同様に機能する。
図15は、変形例2の第2の例に係るスクリーン装置100bの構成を示す図である。図15に示すように、スクリーン装置100bは、支持部3の代わりに、球面軸受けとしての支持部3b1及びばねとしての支持部3b2を有する点で、実施例に係るスクリーン装置100と異なる。スクリーン装置100bでは、スクリーン1は、x軸を対称軸として線対称な位置に配置された2つの支持部3b1と、y軸を対称軸として線対称な位置に配置された2つの支持部3b2とによって支持される。ばねとしての支持部3b2は、球面軸受けとしての支持部3b1からスクリーン1が離れないように付勢力も発生する。このような変形例2の第2の例に係るスクリーン装置100bも、上記した実施例に係るスクリーン装置100と同様に機能する。
4−3.変形例3
上記した実施例では、1つの駆動部2のみを用いていたが、変形例3では、2以上の駆動部を用いる。
上記した実施例では、1つの駆動部2のみを用いていたが、変形例3では、2以上の駆動部を用いる。
図16は、変形例3の第1の例に係るスクリーン装置100cの構成を示す図である。図16に示すように、スクリーン装置100cは、2つの駆動部2c1、2c2を用いる点で、実施例に係るスクリーン装置100と異なる。駆動部2c1、2c2は、スクリーン1の対角線上において重心Gを挟んで対称な位置(重心Gから概ね距離L3だけ離れた位置)に配置されている。また、駆動部2c1、2c2は、逆相で駆動される。つまり、駆動部2c1、2c2の一方がスクリーン1を押し上げる力Fを付与している際には、駆動部2c1、2c2の他方がスクリーン1を押し下げる力「−F」を付与するように、駆動部2c1、2c2が駆動される。こうすると、xy平面に垂直な方向の力が「0」となるため、スクリーン1には揺動させるトルクのみが生じる。そのため、動作時の振動を低減することができる。
図17は、変形例3の第2の例に係るスクリーン装置100dの構成を示す図である。図17に示すように、スクリーン装置100dは、4つの駆動部2d1〜2d4を用いる点で、実施例に係るスクリーン装置100と異なる。駆動部2d1、2d2は、y軸を対称軸として線対称な位置に配置されており、駆動部2d3、2d4は、x軸を対称軸として線対称な位置に配置されている。駆動部2d1、2d2は、逆相で駆動される。つまり、駆動部2d1、2d2の一方がスクリーン1を押し上げる力Fyを付与している際には、駆動部2d1、2d2の他方がスクリーン1を押し下げる力「−Fy」を付与するように、駆動部2d1、2d2が駆動される。また、駆動部2d3、2d4も、逆相で駆動される。つまり、駆動部2d3、2d4の一方がスクリーン1を押し上げる力Fxを付与している際には、駆動部2d3、2d4の他方がスクリーン1を押し下げる力「−Fx」を付与するように、駆動部2d3、2d4が駆動される。このような変形例3の第2の例によっても、xy平面に垂直な方向の力が「0」となるため、スクリーン1には揺動させるトルクのみが生じるので、動作時の振動を低減することができる。
5.適用例
本発明は、1つの例では、レーザープロジェクタのスクリーンに適用することができる。これにより、レーザー特有のスペックルが無く、高解像度で色再現性の良い画像を実現することができる。他の例では、本発明は、レーザースキャン型光源から中間像を生成するヘッドアップディスプレイやヘッドマウントディスプレイに適用することができる。更に他の例では、本発明は、LCD(Liquid Crystal Display)やDLP(Digital Light Processing)の光源に適用することができる。これにより、色再現性の良いディスプレイを実現することができる。
本発明は、1つの例では、レーザープロジェクタのスクリーンに適用することができる。これにより、レーザー特有のスペックルが無く、高解像度で色再現性の良い画像を実現することができる。他の例では、本発明は、レーザースキャン型光源から中間像を生成するヘッドアップディスプレイやヘッドマウントディスプレイに適用することができる。更に他の例では、本発明は、LCD(Liquid Crystal Display)やDLP(Digital Light Processing)の光源に適用することができる。これにより、色再現性の良いディスプレイを実現することができる。
1 スクリーン
2 駆動部
3 支持部
4 ベース
10 制御部
100 スクリーン装置
200 プロジェクタ
400a、400b 表示システム
2 駆動部
3 支持部
4 ベース
10 制御部
100 スクリーン装置
200 プロジェクタ
400a、400b 表示システム
請求項に記載の発明では、スクリーン装置は、スクリーンと、前記スクリーンの面内における一の方向に沿った第1の軸まわりと、前記スクリーンの面内における前記一の方向と交差する他の方向に沿った第2の軸まわりとに、前記スクリーンを揺動可能に支持する支持部と、前記スクリーンの面内に位置し、前記第1の軸及び前記第2の軸とは方向が異なる第3の軸まわりに、前記スクリーンを駆動する駆動部と、を備えることを特徴とする。
Claims (13)
- スクリーンと、
前記スクリーンの面内における一の方向に沿った第1の軸まわりと、前記スクリーンの面内における前記一の方向と交差する他の方向に沿った第2の軸まわりとに、前記スクリーンを揺動可能に支持する支持部と、
前記第1の軸及び前記第2の軸とは方向が異なる第3の軸まわりに、前記スクリーンを駆動する駆動部と、
を備えることを特徴とするスクリーン装置。 - 前記スクリーンにおける前記第1の軸まわりの第1共振周波数と前記第2の軸まわりの第2共振周波数とが異なるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン装置。
- 前記第1共振周波数及び前記第2共振周波数の成分を有する信号で前記駆動部を制御する制御部を更に有することを特徴とする請求項2に記載のスクリーン装置。
- 前記制御部は、前記第1共振周波数と前記第2共振周波数との周波数比及び振幅比を設定して、前記スクリーンの面についての前記第1の軸まわりの第1角度と前記第2の軸まわりの第2角度とがリサージュ図形を描くように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項3に記載のスクリーン装置。
- 前記制御部は、前記第1角度の角速度及び前記第2角度の角速度が同時に「0」にならないように、前記周波数比及び前記振幅比を設定することを特徴とする請求項4に記載のスクリーン装置。
- 前記駆動部は、前記スクリーンの一箇所にのみ力を付与することで、前記スクリーンを駆動することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスクリーン装置。
- 前記駆動部は、前記スクリーンが揺動する際の中心位置を基準にして対称となる前記スクリーン上の二箇所に力を付与することで、前記スクリーンを駆動することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスクリーン装置。
- 前記駆動部は、前記二箇所の一方と前記二箇所の他方とで互いに逆向きとなる力を付与することを特徴とする請求項7に記載のスクリーン装置。
- 前記支持部は、前記第1の軸まわりの断面2次モーメントと、前記第2の軸まわりの断面2次モーメントとが異なる弾性体であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のスクリーン装置。
- 前記弾性体は、前記一の方向に沿った長さと、前記他の方向に沿った長さとが異なる断面形状を有することを特徴とする請求項9に記載のスクリーン装置。
- 前記支持部は、前記スクリーンを前記第1の軸まわりに揺動可能に支持する第1トーションバーと、前記スクリーンを前記第2の軸まわりに揺動可能に支持する第2トーションバーと、を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のスクリーン装置。
- 前記支持部は、球面軸受けと、前記スクリーンが前記球面軸受けから離れないように当該スクリーンに付勢力を少なくとも付与するばねと、を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のスクリーン装置。
- 前記スクリーンは、前記第1の軸まわりの慣性モーメントと、前記第2の軸まわりの慣性モーメントとが異なることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のスクリーン装置。
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170214 |