JP4200721B2 - 電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シール材によって貼り合わされた一対の基板間に電気光学物質が保持されている電気光学装置の製造方法、電気光学装置、およびこの電気光学装置を用いた電子機器に関するものである。さらに詳しくは、当該電気光学装置におけるシール技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の電気光学装置のうち、例えば、液晶装置は、所定の間隙を介して貼り合わされた第1の基板および第2の基板と、シール材で区画された領域内に充填された電気光学物質としての液晶とを有している。
【0003】
このような電気光学装置を製造するにあたって、従来は、シール材を一部が液晶注入口として途切れるように第2の基板に塗布した後、シール材によって第2の基板と第1の基板とを貼り合わせ、次に、シール材で区画された領域内に液晶注入口から液晶を充填し、しかる後に、液晶注入口を封止材で封口している。
【0004】
しかしながら、このような製造方法では、液晶を充填する際、電気光学装置の外側に液晶が付着してしまうため、液晶を洗浄、除去するための工程が必要であるとともに、液晶を充填した後、液晶注入口を封止材で封口する工程が必要である。このため、従来の方法は、生産効率が低いという問題点がある。
【0005】
そこで、近年は、図13(A)に示すように、各種の構成要素を形成し終えた第1の基板10および第2の基板20のうち、例えば、第2の基板20にシール材52を途切れ部分がないように塗布した後、シール材52で区画された領域51内に液晶50を滴下して充填し、次に、図13(B)に示すように、第2の基板20に第1の基板10を重ねた後、図13(C)に示すように、シール材52を硬化させて第1の基板10と第2の基板20とを貼り合わせる封口レス方式が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
この方法によれば、電気光学装置が液晶で汚れることがなく、かつ、液晶注入口を封止材で封口する必要もないので、洗浄工程および封止工程を省略できる。
【0007】
しかしながら、図13(A)〜(C)に示す方法では、図13(B)に示すように、第2の基板20に第1の基板10を重ねた際、液晶50に大きな圧力が加わる結果、液晶からの圧力(矢印Lで示す)に未硬化のシール材52が耐えることができずに、液晶50の漏れ、さらにはシール材52が途切れて液晶50が流出するという問題点がある。そのため、シール材52として、粘度が400、000cpsとかなり高い粘度のものが使用される傾向にあるが、それでも、未硬化のシール材52は、液晶50の圧力に耐えることができず、液晶50の漏れなどを確実に防止できない。さらに、シール材52を塗布するにあたっては、スクリーン印刷方式やディスペンサー方式が用いられているが、いずれの塗布方式においても、シール材52の粘度が高いと印刷性、塗布性が悪い。このため、低速でシール材52を塗布する必要があり、作業性が悪いという問題点がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−177178号公報
【特許文献2】
特開平11−326922号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、封口レス構造でありながら、電気光学物質の流出を確実に防止でき、かつ、シール材の塗布作業の効率を向上可能な電気光学装置の製造方法、電気光学装置、および電子機器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、電気光学物質を保持するための第1の基板および第2の基板のうち、前記第2の基板にシール材を塗布するシール材塗布工程と、前記シール材で区画された領域内に電気光学物質を充填する充填工程と、前記第2の基板に前記第1の基板を重ねた状態で前記シール材を硬化させる貼り合わせ工程とを有する電気光学装置の製造方法において、前記シール材塗布工程で前記第2の基板に前記シール材を途切れずに塗布した後、該シール材の前記電気光学物質の充填領域に面する部分を除く部分を硬化させる部分硬化工程を行い、次に、前記充填工程を行い、しかる後に、前記貼り合わせ工程で前記シール材の未硬化部分を硬化させて前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせることを特徴とする。
【0011】
本発明では、シール材塗布工程で塗布したシール材の一部を部分硬化工程で硬化させた後、充填工程においてシール材で区画された領域内に電気光学物質を充填し、しかる後に、貼り合わせ工程において第2の基板に第1の基板を重ねた状態でシール材の未硬化部分を硬化させる。このため、液晶注入口を封止材で封口する必要がないなど、生産性を向上することができる。また、第2の基板に第1の基板を重ねた際、電気光学物質に大きな圧力が加わっても、一部が硬化されたシール材であれば、電気光学物質からの圧力に耐えることができるので、電気光学物質の漏れなどを防止できる。さらに、貼り合わせ工程においてシール材の未硬化部分を硬化させるため、第1の基板と第2の基板とを確実に貼り合わせることができる。従って、シール材として比較的、粘度が低いものを用いることができるため、印刷性、塗布性がよいので、シール材をスムーズ、かつ、高速で塗布することができる。それ故、本発明によれば、封口レス構造でありながら、電気光学物質の流出を確実に防止でき、かつ、シール材の塗布作業の効率を向上することができる。
【0012】
本発明において、前記部分硬化工程では、前記電気光学物質の充填領域を囲むようにその全周にわたって前記シール材の一部を硬化させる。これにより、電気光学物質の充填領域の外周側全体においてシール材の強度を高めることができるので、電気光学物質の漏れなどを確実に防止できる。
【0014】
本発明において、前記シール材塗布工程では、スクリーン印刷方式やディスペンサー方式が用いてもよいが、前記シール材を凸版印刷により塗布することが好ましい。スクリーン印刷方式の場合、スクリーン版が他の領域にも接するため、そのメッシュ跡が画像表示領域の配向膜などについてしまい、表示品位を落とす可能性があるが、凸版印刷であれば、このような不具合が発生しない。また、ディスペンサー方式の場合、ノズルにシール材が詰まるという問題点があるが、凸版印刷であればこのような問題が発生しない。
【0015】
本発明において、前記シール材としては、例えば、光硬化性を有しているものを用いる。このようなシール材であれば、シール材の一部を硬化させるのが容易である。また、前記シール材としては、光硬化性、および熱融性を有しているものを用いてもよい。このようなシール材も、一部を硬化させるのが容易である。
【0016】
本発明において、前記貼り合わせ工程を行った後、前記第1の基板および前記第2の基板のうちの少なくとも一方において、前記部分硬化工程で前記シール材を硬化させた部分と平面的に重なる領域の少なくとも一部を切除する切断工程を行うことがある。すなわち、本発明では、シール材を塗布した領域であっても、部分硬化工程でシール材を硬化させた部分では第1の基板と第2の基板とが接触状態にないので、第1の基板および第2の基板から不要な部分を切除することができる。
【0017】
例えば、前記第1の基板に、半導体チップあるいは可撓性基板が接続される端子が形成されている場合には、前記切断工程では、前記第2の基板において前記端子が形成されている領域と平面的に重なる部分を切除することにより、前記第1の基板において前記第2の基板の基板縁から張り出す領域で前記端子を露出させる。
【0018】
本発明において、前記切断工程では、例えば、前記第2の基板のうち、前記部分硬化工程で前記シール材を硬化させた部分と平面的に重なる領域の全てを切除する。
【0019】
また、本発明において、前記切断工程では、例えば、前記第2の基板のうち、前記部分硬化工程で前記シール材を硬化させた部分と平面的に重なる領域の一部のみを切除してもよい。このような製造方法を実施した場合、前記シール材は、電気光学装置として完成した後も、前記第1の基板と接着状態にある第1のシール材部分と、該第1のシール材部分より外周側において前記第1の基板と非接着状態にある第2のシール材部分とを備えている構成となる。
【0020】
本発明において、前記電気光学物質は、例えば、液晶である。
【0021】
本発明を適用して製造した電気光学装置は、モバイルコンピュータや携帯電話機などといった電子機器に用いることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明では、本発明を電気光学装置のうち、TFTアクティブマトリクス型の液晶装置に適用した例を説明する。
【0023】
[電気光学装置の基本的な構成]
図1は、本発明を適用した電気光学装置を各構成要素とともに第2の基板の側から見た平面図であり、図2は、図1のH−H′断面図である。なお、本形態の説明に用いた各図では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0024】
図1および図2において、本形態の電気光学装置1は、TFTアクティブマトリクス型の液晶装置であり、シール材52によって貼り合わされた第1の基板10(TFTアレイ基板)と、第2の基板20(対向基板)との間に電気光学物質としての液晶50が挟持されている。
【0025】
詳しくは後述するが、本形態では、シール30に液晶50を注入するための途切れ部分がなく、この部分を封口する封止材も塗布されていない。
【0026】
第1の基板10において、シール材52の内側領域には、ITO膜などからなる画素電極9a、およびこの画素電極9aを駆動する画素スイッチング用のTFT(図示せず)を備えた画素がマトリクス状に形成されている。また、第1の基板10は、第2の基板20よりも一回り大きく、第1の基板10において第2の基板20の基板辺から張り出す領域(シール材52の外側の領域)には、データ線駆動回路101、および可撓性基板を接続するための実装端子102が第1の基板10の一辺に沿って形成されている。また、第1の基板10において、この一辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路104が形成され、第1の基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104の間をつなぐための複数の配線105が形成されている。ここで、データ線駆動回路101、実装端子102、走査線駆動回路104、および配線105は、第2の基板20の外周部分で露出した状態にある。
【0027】
第2の基板20には、第1の基板10に形成されている画素電極9aの縦横の境界領域と対向する領域にブラックマトリクス、あるいはブラックストライプなどと称せられる遮光膜23が形成され、その上層側には、ITO膜からなる対向電極21が形成されている。また、第2の基板20において、シール材52の形成領域の内側領域には、遮光性材料からなる周辺見切り53が形成され、その内側領域が画像表示領域10aになっている。さらに、第2の基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、第1の基板10と第2の基板20との間で電気的導通をとるための上下導通材106が形成されている。
【0028】
なお、電気光学装置1では、使用する液晶50の種類、すなわち、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード等々の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の向きに配置されるが、ここでは図示を省略してある。また、電気光学装置1をカラー表示用として構成する場合には、第2の基板20において、第1の基板10の画素電極9aに対向する領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜とともに形成するが、カラーフィルタや配向膜などの構成要素などについては、一般的なTFTアクティブマトリクス型の液晶装置と同様であるため、説明を省略する。
【0029】
[電気光学装置の製造方法]
電気光学装置1を製造するにあたって、第1の基板10および第2の基板20は、単品サイズの状態で半導体プロセスなどを利用して前記の各構成要素が形成された後、貼り合わされることもあるが、本形態では、第1の基板10および第2の基板20を各々、多数枚取りできる大型基板の状態で、半導体プロセスなどを利用して前記の各構成要素を形成した後、図3〜図9を参照して、以下に説明するように、大型基板の状態で貼り合わせ、しかる後に、単品サイズに切断する。
【0030】
図3(A)、(B)は、本発明を適用した電気光学装置を製造するのに用いた大型の第1の基板および第2の基板のレイアウトを示す斜視図、および断面図である。図4(A)、(B)は、大型の第1の基板および第2の基板のうち、第2の基板にシール材を塗布するシール材塗布工程の様子を示す斜視図、および断面図である。図5(A)、(B)は、第2の基板に塗布したシール材の一部を硬化させる部分硬化工程の様子を示す斜視図、および断面図である。図6(A)、(B)は、シール材で区画された領域内に液晶を滴下、充填する充填工程の様子を示す斜視図、および断面図である。図7(A)、(B)は、液晶を充填した第2の基板に第1の基板を重ねた様子を示す斜視図、および断面図である。図8(A)、(B)は、第2の基板に第1の基板を重ねた状態で未硬化のシール材を硬化させる貼り合わせ工程の様子を示す斜視図、および断面図である。図9(A)、(B)は、第1の基板と第2の基板を貼り合わせた後、単品の電気光学装置を切り出す切断工程の様子を示す斜視図、および断面図である。
【0031】
なお、実際は大型基板からより多数の電気光学装置が形成される場合があるが、図3(A)〜図9(A)では、9枚の電気光学装置が形成される場合を例示してある。また、図3(B)〜図9(B)には、電気光学装置1、1つ分と、それに隣接する部分を模式的に示してある。
【0032】
また、図3〜図9において、シール材52のうち、未硬化のシール材については符号52bを付して右下がりの広いピッチの斜線で示し、硬化済みのシール材については符号52aを付して右下がりの狭いピッチの斜線で示す。
【0033】
本発明を適用した電気光学装置1を製造するにあたっては、図3(A)、(B)に示すように、第1の基板10および第2の基板20を各々、多数枚取りできる大型の第1基板100、および大型の第2の基板200の状態で、半導体プロセスなどを利用して前記の各構成要素が形成する。図3(A)には、大型の第1の基板100の方には、単品サイズの第1の基板10として切り出される領域を一点鎖線で示してあり、大型の第2の基板200の方には、単品サイズの第1の基板10として切り出される領域と重なる領域を一点鎖線で示し、単品サイズの第2の基板10として切り出される領域については二点鎖線で示してある。
【0034】
このような大型の第1の基板10、および第2の基板200を用いて電気光学装置1を製造するにあたって、本形態では、第2の基板200に、アクリル系などの光硬化性接着剤からなるシール材52を塗布する(シール材塗布工程)。
【0035】
このシール材塗布工程において、シール材52は、スクリーン印刷方式やディスペンサー方式でも塗布することができるが、本形態では、凸版印刷法を用いてシール材52(未硬化のシール材52b)を塗布する。また、第2の基板20には、第1の基板10と第2の基板20との間で電気的導通をとるための上下導通材106を塗布する。
【0036】
次に、図5(A)、(B)に示すように、第2の基板200に塗布したシール材52に対してマスクを介して選択的に光を照射し、シール材52の一部を硬化させる(部分硬化工程)。
【0037】
この部分硬化工程において、本形態では、シール材52のうち、液晶50を充填する領域51に沿う部分を除く全てを硬化させる。その結果、シール材52(硬化済みのシール材52a)は、液晶50を充填する領域51を囲むようにその全周にわたって形成される。なお、この工程では、上下導通材106については硬化させない。
【0038】
次に、図6(A)、(B)に示すように、シール材30で区画された領域51内に向けて、ディスペンサーから液晶50を滴下、充填する(充填工程)。
【0039】
次に、図7(A)、(B)に示すように、液晶50を充填した第2の基板200に第1の基板100を重ね、しかる後に、図8(A)、(B)に示すように、未硬化のシール材52bに向けて光照射を行い、シール材52全体を硬化させ、第1の基板100と第2の基板200とを貼り合わせる(貼り合わせ工程)。この工程では、上下導通材106についても硬化させる。
【0040】
次に、図9(A)、(B)に示すように、シール材52によって貼り合わされた第1の基板100と第2の基板200から単品の電気光学装置1を切り出す(切断工程)。
【0041】
また、切断工程では、第2の基板200において、第1の基板10に実装端子102などが形成されている領域と平面的に重なる部分を切除し、実装端子102などを露出させる。その結果、図1および図2に示す電気光学装置1を得ることができる。
【0042】
[本形態の主な効果]
以上説明したように、本形態では、シール材塗布工程で塗布したシール材52の一部を部分硬化工程で硬化させた後、充填工程においてシール材52で区画された領域51内に液晶50を充填し、しかる後に、貼り合わせ工程において第2の基板200に第1の基板100を重ねた状態でシール材52の未硬化部分を硬化させる。このため、液晶注入口を封止材で封口する必要がないなど、生産性を向上することができる。
【0043】
また、第2の基板200に第1の基板100を重ねた際、液晶50に大きな圧力が加わって、図7(B)に矢印Lで示すように、液晶50に加わった圧力がシール材52に加わっても、一部が硬化されたシール材52であれば、液晶50からの圧力に耐えることができるので、液晶の漏れなどを防止できる。また、このような方法を採用した場合でも、貼り合わせ工程においてシール材52の未硬化部分を硬化させるため、第1の基板100と第2の基板200とを確実に貼り合わせることができる。従って、シール材52として比較的、粘度が低いものを用いることができるため、印刷性、塗布性がよいので、シール材50をスムーズ、かつ、高速で塗布することができる。それ故、本発明によれば、封口レス構造でありながら、液晶50の流出を確実に防止でき、かつ、シール材52の塗布作業の効率を向上することができる。
【0044】
また、部分硬化工程では、シール材のうち、液晶50が充填される領域51を囲むようにその全周にわたって硬化させるので、液晶50を充填する領域51の外周側全体においてシール材52の強度を高めることができる。それ故、液晶50の漏れなどを確実に防止できる。
【0045】
さらに、シール材52を塗布した領域であっても、部分硬化工程でシール材52を硬化させた部分では第1の基板100と第2の基板200とが接触状態にない。従って、第1の基板100および第2の基板200から単品の電気光学装置1を切り出すことができ、かつ、第2の基板200から不要な部分を切除することができる。すなわち、硬化工程では、シール材50のうち、液晶50を充填する領域51に沿う部分を除いて全てを硬化させるが、切断工程において、第1の基板100および第2の基板200のうち、部分硬化工程でシール材52を硬化させた部分を切断して、単品の電気光学装置1を切り出すことができる。また、切断工程において、第2の基板200において端子102が形成されている領域と平面的に重なる部分を切除することにより、第1の基板100において第2の基板200の基板縁から張り出す領域で端子102などを露出させることができる。
【0046】
さらに、本形態では、シール材塗布工程でのシール材52の塗布は、スクリーン印刷方式やディスペンサー方式が用いることもできるが、凸版印刷法を採用しているため、以下の利点がある。まず、スクリーン印刷方式の場合、スクリーン版が他の領域にも接するため、そのメッシュ跡が画像表示領域10aの配向膜などについてしまい、表示品位を落とす可能性があるが、凸版印刷であれば、このような不具合が発生しない。また、ディスペンサー方式の場合、ノズルにシール材52が詰まるという問題点があるが、凸版印刷であればこのような問題が発生しない。
【0047】
さらにまた、本形態では、シール材52として光硬化性の接着剤を用いているので、シール材52の一部を硬化させるのが容易である。その点からいえば、シール材52としては、光硬化性、および熱融性を有しているものを用いてもよい。
【0048】
[その他の実施の形態]
上記形態では、切断工程において、部分硬化工程でシール材52を硬化させた部分の第2の基板200を全て切除したため、図2および図9に示すように、部分硬化工程で硬化させたシール材52が一切、残っていないが、例えば、図10に示すように、部分硬化工程でシール材52を硬化させた部分の第2の基板20のうち、データ線駆動回路101や配線105と平面的に重なる部分の第2の基板20を残してもよい。このような方法を採用した場合、第2の基板20には、シール材52として、第1の基板と接着状態にある第1のシール材部分521と、この第1のシール材部分51より外周側において第1の基板10と非接着状態にある第2のシール材部分521とを備えている構成となる。
【0049】
なお、上記形態では、画素スイッチング用のアクティブ素子としてTFTを用いた液晶装置に本発明を適用した例を説明したが、アクティブ素子としてMIM(Metal Insulator Metal)素子などの薄膜ダイオード素子(TFD素子/Thin Film Diode素子)を用いた液晶装置、あるいはパッシブマトリクス型液晶装置などの製造に本発明を適用してもよい。
【0050】
[電子機器への適用例]
次に、本発明を適用した電気光学装置1、100pを備えた電子機器の一例を、図11、図12(A)、(B)を参照して説明する。
【0051】
図11は、上記の電気光学装置と同様に構成された電気光学装置1を備えた電子機器の構成をブロック図である。図12(A)、(B)はそれぞれ、本発明に係る液晶装置を用いた電子機器の一例としてのモバイル型のパーソナルコンピュータの説明図、および携帯電話機の説明図である。
【0052】
図11において、電子機器は、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1004、電気光学装置1、クロック発生回路1008、および電源回路1010を含んで構成される。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Randam Access Memory)、光ディスクなどのメモリ、テレビ信号の画信号を同調して出力する同調回路などを含んで構成され、クロック発生回路1008からのクロックに基づいて、所定フォーマットの画像信号を処理して表示情報処理回路1002に出力する。この表示情報出力回路1002は、たとえば増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、あるいはクランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成され、クロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKとともに駆動回路1004に出力する。駆動回路1004は、電気光学装置1を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定の電源を供給する。なお、電気光学装置1を構成する第1の基板の上に駆動回路1004を形成してもよく、それに加えて、表示情報処理回路1002も第1の基板の上に形成してもよい。
【0053】
このような構成の電子機器としては、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)、およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、あるいは携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルなどを挙げることができる。
【0054】
すなわち、図12(A)に示すように、パーソナルコンピュータ180は、キーボード181を備えた本体部182と、表示ユニット183とを有する。表示ユニット183は、前述した電気光学装置1を含んで構成される。
【0055】
また、図12(B)に示すように、携帯電話機190は、複数の操作ボタン191と、前述した電気光学装置1からなる表示部とを有している。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明では、シール材塗布工程で塗布したシール材の一部を部分硬化工程で硬化させた後、充填工程においてシール材で区画された領域内に電気光学物質を充填し、しかる後に、貼り合わせ工程において第2の基板に第1の基板を重ねた状態でシール材の未硬化部分を硬化させる。このため、液晶注入口を封止材で封口する必要がないなど、生産性を向上することができる。また、第2の基板に第1の基板を重ねた際、電気光学物質に大きな圧力が加わっても、一部が硬化されたシール材であれば、電気光学物質からの圧力に耐えることができるので、電気光学物質の漏れなどを防止できる。さらに、貼り合わせ工程においてシール材の未硬化部分を硬化させるため、第1の基板と第2の基板とを確実に貼り合わせることができる。従って、シール材として比較的、粘度が低いものを用いることができるため、印刷性、塗布性がよいので、シール材をスムーズ、かつ、高速で塗布することができる。それ故、本発明によれば、封口レス構造でありながら、電気光学物質の流出を確実に防止でき、かつ、シール材の塗布作業の効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される電気光学装置を第2の基板の側からみたときの平面図である。
【図2】 図1のH−H′線における断面図である。
【図3】 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した電気光学装置の製造に用いる大型の基板のレイアウトを示す斜視図、および断面図である。
【図4】 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した電気光学装置の製造工程のうち、シール材塗布工程の様子を示す斜視図、および断面図である。
【図5】 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した電気光学装置の製造工程のうち、部分硬化工程の様子を示す斜視図、および断面図である。
【図6】 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した電気光学装置の製造工程のうち、充填工程の様子を示す斜視図、および断面図である。
【図7】 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した電気光学装置の製造工程で第2の基板に第1の基板を重ねた様子を示す斜視図、および断面図である。
【図8】 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した電気光学装置の製造工程のうち、貼り合わせ工程の様子を示す斜視図、および断面図である。
【図9】 (A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した電気光学装置の製造工程のうち、切断工程の様子を示す斜視図、および断面図である。
【図10】 本発明を適用した別の電気光学装置の断面図である。
【図11】 本発明に係る電気光学装置を表示装置として用いた電子機器の回路構成を示すブロック図である。
【図12】 (A)、(B)はそれぞれ、本発明に係る電気光学装置を用いた電子機器の一実施形態としてのモバイル型のパーソナルコンピュータを示す説明図、および携帯電話機の説明図である。
【図13】 (A)〜(C)はそれぞれ、従来の電気光学装置の製造方法を示す工程断面図である。
【符号の説明】
1 電気光学装置
3a 走査線
6a データ線
10、100 第1の基板
20、200 第2の基板
30 TFT
50 液晶
51 シール材で区画された領域
52 シール材
52a 硬化したシール材
52b 未硬化のシール材
101 データ線駆動回路
102 実装端子
104 走査線駆動回路
105 配線
521 第1のシール材部分
522 第2のシール材部分
Claims (11)
- 電気光学物質を保持するための第1の基板および第2の基板のうち、前記第2の基板にシール材を塗布するシール材塗布工程と、前記シール材で区画された領域内に電気光学物質を充填する充填工程と、前記第2の基板に前記第1の基板を重ねた状態で前記シール材を硬化させる貼り合わせ工程とを有する電気光学装置の製造方法において、
前記シール材塗布工程で前記第2の基板に前記シール材を途切れずに塗布した後、該シール材の前記電気光学物質の充填領域に面する部分を除く部分を硬化させる部分硬化工程を行い、
次に、前記充填工程を行い、
しかる後に、前記貼り合わせ工程で前記シール材の未硬化部分を硬化させて前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせることを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 請求項1において、前記シール材塗布工程では、前記シール材を凸版印刷により塗布することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
- 請求項1または2において、前記シール材は、光硬化性を有していることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
- 請求項1または2において、前記シール材は、光硬化性および熱融性を有していることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
- 請求項1または4のいずれかにおいて、前記貼り合わせ工程を行った後、前記第1の基板および前記第2の基板のうちの少なくとも一方において、前記部分硬化工程で前記シール材を硬化させた部分と平面的に重なる領域の少なくとも一部を切除する切断工程を行うことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
- 請求項5において、前記第1の基板には、半導体チップあるいは可撓性基板が接続される端子が形成されており、
前記切断工程では、前記第2の基板において前記端子が形成されている領域と平面的に重なる部分を切除することにより、前記第1の基板において前記第2の基板の基板縁から張り出す領域で前記端子を露出させることを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 請求項5または6において、前記切断工程では、前記第2の基板のうち、前記部分硬化工程で前記シール材を硬化させた部分と平面的に重なる領域の全てを切除することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
- 請求項5または6において、前記切断工程では、前記第2の基板のうち、前記部分硬化工程で前記シール材を硬化させた部分と平面的に重なる領域の一部のみを切除することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
- 途切れ部分を有しないシール材によって所定の間隙を介して貼り合わされた第1の基板および第2の基板と、前記シール材で区画された領域内に充填された電気光学物質とを有する電気光学装置において、
前記第1の基板および前記第2の基板のうち、前記第2の基板には、前記シール材として、前記第1の基板と接着状態にある前記電気光学物質の充填領域に面する第1のシール材部分と、該第1のシール材部分より外周側において前記第1の基板と非接着状態にある、前記第1のシール材部分と連続し、前記第1のシール材部分と同じ材料からなる第2のシール材部分とを備えていることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項9において、前記電気光学物質は、液晶であることを特徴とする電気光学装置。
- 請求項9または10に規定する電気光学装置を用いたことを特徴とする電子機器。
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