JP4200564B2 - Ito蒸着材料およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、真空蒸着法によってITO薄膜を作製する際に使用されるITO蒸着材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ITO(Indium Tin Oxide)薄膜は高導電性、高透過率といった特徴を有し、更に微細加工も容易に行えることから、フラットパネルディスプレイ用表示電極、太陽電池用窓材、帯電防止膜等の広範囲な分野に渡って用いられている。特に液晶表示装置を始めとしたフラットパネルディスプレイ分野では近年大型化および高精細化が進んでおり、その表示用電極であるITO薄膜に対する需要もまた急速に高まっている。このようなITO薄膜の製造方法はスプレー熱分解法、CVD法等の化学的成膜法と電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の物理的成膜法に大別することができる。真空蒸着法は、スプレー熱分解法などと比べて高い透過性および導電性を有すること、フィルム上への成膜に有利なことからよく利用されている。
【0003】
ITO薄膜を真空蒸着法によって成膜する場合に用いられる蒸着材料は、大きく2種類に分類される。1つは、1粒子の大きさが直径で5mm以下の粒からなる蒸着材料であり、もう1つは例えば直径30mm高さ10mm程度のペレット状のものである。粒状のものは、例えばロート状の貯蔵用容器を有する給粉機に蒸着材料を充填し、蒸着材料を適量ずつ蒸発源に供給して電子ビーム加熱することにより所望の基板上にITO薄膜を形成することができる。また、ペレット状のものでは、坩堝にペレットを設置した状態で、電子ビーム加熱することにより所望の基板上にITO薄膜を形成することができる。
【0004】
蒸着材料として粒状のものを用いて供給器により蒸着源に供給しながら電子ビームを照射して蒸着を行う場合には、蒸着材料を次々と蒸着源に供給することが可能であるため、フィルムを順次巻き取りながら長時間連続蒸着を行う場合などに有効な成膜手段として知られている。このような装置で使用されている従来の蒸着材料は、粉末状の物、粉末を粒状に成形しただけの物、あるいは一端焼結密度4.4g/cm3程度に固めた後、粉砕して粒状とした物が使用されていた。
【0005】
しかしながら、上記の従来の蒸着材料は、流動性が悪く供給器から蒸着源への供給経路の途中で蒸着材料が詰まってしまい、安定して連続成膜出来ないという問題点があった。また、粒子の形状や大きさのむらが大きいため成膜速度が安定せず、前述のような巻き取り方式でフィルム上に成膜する場合においては、フィルム上の膜厚が場所によって異なってしまうとい問題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、蒸着材料が供給器で詰まることなく、さらに成膜速度が安定したITO蒸着材料および該蒸着材料を製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、粒状ITO蒸着材料の密度および形状と流動性および成膜速度の安定性について検討を行い、1)粉末を蒸着材料として使用すると、粉末自身の付着力が強く供給経路の途中で詰まりやすい、2)粉末を成形しただけの密度の低い蒸着材料では、それ自身の強度が低く供給経路の途中で破損し、詰まりの原因となる、3)蒸着材料個々の粒子の大きさが大きく異なると、電子ビームを照射した際の加熱のされ方が異なるため、投入電流を一定にして成膜した場合においても、成膜速度の振れ幅が大きく安定しない、また、粒子の大きさにより流動性が異なるため供給経路の途中で詰まりやすい、4)蒸着材料に鋭角にとがった部分があると、この部分が加熱されやすくなるため、電子ビーム照射の際に急激に蒸着速度が大きくなり成膜速度が不安定になる、との知見を得た。
【0008】
そこで以上の知見を基に更に実験を行った結果、粒子の粒度を1.0mm以上2.0mm以下にするとともに、4.0g/cm3以上に焼結させて、かつ個々の粒子が鋭角に尖った部分を持たず丸みを帯びた球体あるいは楕円体状であり、該楕円体の3軸の内最も長い軸(以降、最大径と称する)と最も短い軸(以降、最小径と称する)の比、すなわち、最大径と最小径の比(最小径/最大径)が0.8以上1.0以下の粒状ITO蒸着材料を使用することにより、蒸着材料が供給器の途中で詰まることなく、また成膜速度が安定することを見出した。
【0009】
また、このような蒸着材料は、インジウム、スズおよび酸素からなる粉末を
(1)7.0g/cm3以上の密度に焼結する工程と
(2)得られた焼結体を0.5mm以下の粒度の粉末に粉砕する工程と
(3)得られた粉末をCIP(冷間静水圧プレス)により成形する工程と
(4)得られた成形体を粒度1.0mm〜2.0mmの顆粒に粉砕するとともに、各粒子の最大径と最小径の比(最小径/最大径)を0.8以上1.0以下に調整する工程と
(5)得られた顆粒を焼結することにより得られることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明のITO蒸着材料は、焼結密度が4.0g/cm3以上のITO焼結体の粒子からなり、該粒子の粒度が1.0mm以上2.0mm以下であり、かつ、個々の粒子の、最小径の最大径に対する比(最小径/最大径)が0.8以上1.0以下である粒子からなる粒状ITO蒸着材料である。
【0011】
なお、該粒子の全体的な形状は球状ないし楕円体状であることが好ましく、また、粒子の表面に鋭角に尖った部分がなく、表面に存在する突出部は全て丸みを帯びたものであることがさらに好ましい。ここで、粒子の全体的な形状とは、粒子表面の微視的な凹凸には捕らわれない、粒子の外形の大まかな形状を意味するものである。
【0012】
また、本発明における粒子の最大径とは、上記のように楕円体状粒子の場合、その最も長い軸の長さを意味するが、より一般的には、平行な2つの平面で、その粒子を任意の方向に挟んだときの2つの平面間の距離の最大値であり、同様に、最小径とは前記距離の最小値である。
【0013】
本発明のITO蒸着材料の製造方法は、酸化インジウムと酸化スズとの混合粉末、又は、実質的に、インジウム、スズおよび酸素からなるスズ固溶酸化インジウム粉末を
(1)7.0g/cm3以上の密度に焼結する工程と
(2)得られた焼結体を0.5mm以下の粒度の粉末に粉砕する工程と
(3)得られた粉末をCIP(冷間静水圧プレス)により成形する工程と
(4)得られた成形体を粉砕・整粒して、粒子の粒度が1.0mm以上2.0mm以下、個々の粒子の、最小径の最大径に対する比(最小径/最大径)が0.8以上1.0以下の顆粒に調整する工程と
(5)得られた顆粒を再度焼結して、焼結密度が4.0g/cm3以上のITO焼結体の顆粒とする工程からなる上記の粒状ITO蒸着材料の製造方法である。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明における粒状ITO蒸着材料は、2回の焼結工程を含んだ5つの工程によって作製することができる。
【0016】
第1の工程では、7.0g/cm3以上の焼結密度を有する焼結体を作製する。作製方法としては得られる焼結密度が7.0g/cm3であれば、特に限定されるものでないが、例えば、以下のような方法で製造することができる。
【0017】
始めに酸化インジウム粉末と酸化スズ粉末との混合粉末或いはITO粉末等にバインダー等を加え、プレス法或いは鋳込法等の成形方法により成形してITO成形体を作製する。この際、使用する粉末の平均粒径が大きいと焼結後の密度が充分に上がらず本発明に関わる焼結密度7.0g/cm3以上の焼結体を得難くなることがあるので、使用する粉末の平均粒径は1.5μm以下であることが望ましく、更に好ましくは0.1〜1.5μmである。
【0018】
また、混合粉末またはITO粉末中の酸化スズ含有量は、真空蒸着法により薄膜を作製した際に比抵抗が低下する2〜15wt.%とすることが望ましい。
【0019】
次に得られた成形体に必要に応じて、CIP等の圧密化処理を行う。この際CIP圧力は充分な圧密効果を得るため2ton/cm2以上、好ましくは2〜5ton/cm2であることが望ましい。ここで始めの成形を鋳込法により行った場合には、CIP後の成形体中に残存する水分およびバインダー等の有機物を除去する目的で脱バインダー処理を施してもよい。また、始めの成形をプレス法により行った場合でも、成型時にバインダーを使用したときには、同様の脱バインダー処理を行うことが望ましい。
【0020】
このようにして得られた成形体を焼結炉内に投入して焼結を行う。焼結方法としては、焼結体の密度が7.0g/cm3以上となる焼結方法であればいかなる方法でも良いが、生産設備のコスト等を考慮すると大気中焼結が望ましい。しかしこの他HP法、HIP法および酸素加圧焼結法等の従来知られている他の焼結法を用いることができることは言うまでもない。また焼結条件についても焼結体の密度が7.0g/cm3以上となる焼結条件を適宜選択することができるが、充分な密度上昇効果を得るため、また酸化スズの蒸発を抑制するため、焼結温度が1450〜1650℃であることが望ましい。また焼結時の雰囲気としては大気或いは純酸素雰囲気であることが好ましい。また焼結時間についても充分な密度上昇効果を得るために5時間以上、好ましくは5〜30時間であることが望ましい。
【0021】
このようにして得られたITO焼結体は、7.0g/cm3以上の焼結密度を有する。この工程で7.0g/cm3以上という高密度に焼結させることで、電子ビームを照射した際に、その加熱温度で急激な蒸着材料の焼結にともなう蒸着材料の割れを防ぐことができ、蒸発速度が安定化される。
【0022】
第2の工程では、第1の工程で得られた焼結体を0.5mm以下の粒度の粉末に粉砕する。粉砕は粗粉砕と微粉砕の2段階に分けて行うことが好ましい。
【0023】
粗粉砕は焼結体を乳鉢、ロールクラッシャーまたはジョークラッシャー等により、その粒径が1mm以下となるように粗粉砕する。
【0024】
このようにして得られた粉末をボールミル等により微粉砕する。得られた粉末は、直径0.5mm以下好ましくは0.2mm以下である。
【0025】
またボールミルで微粉砕する場合には、使用するボールはナイロンコーティングしたボールもしくはジルコニアボールが好ましい。このようなボールを使用することにより、得られる粉末に混入する不純物が少なくなる。アルミナボールを使用した場合には、得られる粉末にアルミナが多量に混入し、好ましくない。
【0026】
第3の工程では、例えば、得られた粉末をゴム型等に入れ、ダイレクトCIPにより成形する。CIPの圧力は、2.5〜5.0ton/cm2であることが好ましい。
【0027】
第4の工程では、得られた成形体を粉砕し整粒する。粉砕は、アルミナ製の乳鉢やハンマーを用いて軽く粉砕し、粒度1.4〜2.0mmの顆粒を作製する。こうして得られた顆粒をボールミルなどを用いて整粒する。ポットに上記の顆粒を投入しボールミル処理することにより、各粒子から鋭角的な角が取れた楕円体状の粒子となる。ボールミル処理の条件を適宜選択することにより、これら粒子の粒度を1.0〜2.0mm、1つの粒子における最大径と最小径の比(最小径/最大径)を0.8以上1.0以下とすることができ、蒸着材料に適した形状の粒子を得ることができる。ボールミルによる処理時間としては、1〜5時間が好ましい。この時間が短いと、最大径と最小径の比が0.8以上1.0以下とならないような形状のものが多くなり、逆に時間が長すぎると得られる顆粒の粒度が小さくなってしまうからである。なお、ボールミル処理の後に、ふるいなどを用いて、1.0〜2.0mmの粒度となるように分級するとより好ましい。
【0028】
ここで、得られた顆粒の最大径と最小径の比が0.8未満となると、蒸着材料が供給器内で詰まりやすくなるので好ましくない。また、粒度が1.0から2.0mmの範囲を超えるような分布を有した場合には、蒸着速度が不安定となり好ましくない。
【0029】
第5の工程では、得られた顆粒を焼結し、密度を4.0g/cm3以上とする。焼結条件は、焼結後の顆粒が4.0g/cm3以上となる条件であれば、特に制限されないが、生産設備のコスト等を考慮すると大気中焼結が望ましい。また、焼結条件についても特に限定されないが、酸化スズの蒸発を抑制するため、焼結温度は1600℃以下であることが望ましい。また焼結時の雰囲気としては大気或いは純酸素雰囲気であることが好ましい。顆粒の密度が、4.0g/cm3以下だと、機械的な強度が弱くなり供給器内で破損して詰まりやすくなるので好ましくない。
このようにして得られた顆粒は、粒子の粒度が1.0mm以上2.0mm以下で、焼結密度が4.0g/cm3以上で、かつ1つの粒子における最大径と最小径の比(最小径/最大径)が0.8以上1.0以下であり、供給器付き蒸着装置のITO蒸着材料として好適である。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例をもって更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
(実施例1)
平均粒径1.0μmの酸化インジウム粉末と平均粒径0.7μmの酸化スズ粉末をボールミル用ポットに入れ、これに直径10mmのナイロンボールを加え、5時間乾式ボールミル混合して混合粉末を作製した。次に得られた混合粉末を水、分散材およびバインダーとともに混合してスラリー化し、これを鋳込用の樹脂型の中へ注入して240mmφ×10mmの成形体を作製した。次に、これら成形体を乾燥炉内に設置し乾燥処理を施した。その後これらの成形体を3ton/cm2の圧力でCIP処理した。次にこれら成形体を脱脂炉に設置し、大気雰囲気中で450℃で10時間加熱して成形体に残存する有機物を除去した。次に、これら成形体を酸素雰囲気焼結炉内に設置して焼結を行った。焼結条件は、昇温速度25℃/時間、焼結温度1500℃、保持時間3時間、降温速度25℃/時間、とした。得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ7.0g/cm3であった。
【0032】
このようにして得られたITO焼結体をロールクラッシャーにより粗粉砕し、粒度1.0mm以下の粒にした。次に、1.0mm以下の粒度を有する粒2kgとジルコニアボール(15mmφ)をポットに入れ16時間ボールミルにより微粉砕し、粒度0.5mm以下の顆粒とした。
【0033】
得られた顆粒をゴム型に入れ、2.8ton/cm2の圧力でダイレクトCIPにより成形した。
【0034】
得られた成形体をアルミナ製の乳鉢で粉砕し、粒度1.4〜2.0mmの顆粒状にした。この状態では、各粒子に尖った角が多く、多くの粒子の最大径と最小径の比(最小径/最大径)が0.5以下であった。
【0035】
次に、得られた顆粒0.5kgを容量2リットルのポットに入れ2時間整粒処理を行った。得られた顆粒から、尖った角が取れ球状に近い形となり、最大径と最小径の比(最小径/最大径)が0.8以上1.0以下となった。また、顆粒の粒度は1.0〜2.0mmであった。
【0036】
次に、得られた顆粒の焼結を行った。焼結条件は、昇温速度=50℃/時間、焼結温度=1300℃、焼結時間=5時間、雰囲気=大気中、とした。得られた粒の密度は5.8g/cm3であった。
【0037】
このようにして得られたITOの顆粒を蒸着材料供給器付きの蒸着機に投入して電子ビームにより加熱して成膜試験を実施した。供給器内での蒸着材量の詰まりはなく、成膜速度も安定しており、良好な蒸着材料であった。具体的には、表1にまとめる。
【0038】
【表1】
Figure 0004200564
【0039】
(実施例2)
焼結、粉砕、成形、粉砕、整粒を行った後の最終段での焼結温度を1350℃とした以外は、実施例1と同様の条件でITO蒸着材料を作製した。得られた粒の密度は6.2g/cm3であった。
【0040】
このようにして得られたITOの顆粒を蒸着材料供給器付きの蒸着機に投入して電子ビームにより加熱して成膜試験を実施した。供給器内での蒸着材量の詰まりはなく、成膜速度も安定しており、良好な蒸着材料であった。具体的には、表1にまとめる。
【0041】
(比較例1)
平均粒径1.0μmの酸化インジウム粉末と平均粒径0.7μmの酸化スズ粉末をボールミル用ポットに入れ、これに直径10mmのナイロンボールを加え、5時間乾式ボールミル混合して混合粉末を作製した。次に得られた混合粉末を水、分散材およびバインダーとともに混合してスラリー化し、これを鋳込用の樹脂型の中へ注入して240mmφ×10mmの成形体を作製した。次に、これら成形体を乾燥炉内に設置し乾燥処理を施した。その後これらの成形体を3ton/cm2の圧力でCIP処理した。次にこれら成形体を脱脂炉に設置し、大気雰囲気中で450℃で10時間加熱して成形体に残存する有機物を除去した。次に、これら成形体を酸素雰囲気焼結炉内に設置して焼結を行った。焼結条件は、昇温速度25℃/時間、焼結温度1500℃、保持時間3時間、降温速度25℃/時間とした。得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ7.0g/cm3であった。
【0042】
このようにして得られたITO焼結体をロールクラッシャーにより粗粉砕し、粒度1.0mm以下の粒にした。次に、1.0mm以下の粒度を有する粒2kgとジルコニアボール(15mmφ)をポットに入れ16時間ボールミルにより微粉砕し、粒度0.5mm以下の顆粒とした。
【0043】
得られた顆粒をゴム型に入れ、2.8ton/cm2の圧力でダイレクトCIPにより成形した。成形密度は、4.0g/cm3であった。
【0044】
得られた成形体をアルミナ製の乳鉢で粉砕し、粒度1.4〜2.0mmの顆粒状にした。各粒子の密度が低いため比較的丸みを帯びた形状となり、各粒子の最大径と最小径の比(最小径/最大径)は、0.7〜1.0であった。
【0045】
このようにして得られたITOの顆粒を蒸着材料供給器付きの蒸着機に投入して電子ビームにより加熱して成膜試験を実施した。供給器内で蒸着材料の詰まりが発生した。成膜速度も、不安定であった。具体的には、表1にまとめる。
【0046】
(比較例2)
平均粒径1.3μmの酸化インジウム粉末と平均粒径0.7μmの酸化スズ粉末をボールミル用ポットに入れ、これに直径10mmのナイロンボールを加え、5時間乾式ボールミル混合して混合粉末を作製した。次に得られた混合粉末を水、分散材およびバインダーとともに混合してスラリー化し、これを鋳込用の樹脂型の中へ注入して240mmφ×10mmの成形体を作製した。次に、これら成形体を乾燥炉内に設置し乾燥処理を施した。その後これらの成形体を3ton/cm2の圧力でCIP処理した。次にこれら成形体を脱脂炉に設置し、大気雰囲気中で450℃で10時間加熱して成形体に残存する有機物を除去した。次に、これら成形体を酸素雰囲気焼結炉内に設置して焼結を行った。焼結条件は、昇温速度25℃/時間、焼結温度1500℃、保持時間3時間、降温速度25℃/時間とした。得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ7.0g/cm3であった。
【0047】
このようにして得られたITO焼結体を乳鉢により粗粉砕し、粒度1.0〜3.0mmの粒にした。次にこのようにして得られた顆粒を、ナイロンボールとともにポットに入れ、16時間ボールミルで処理した。得られた顆粒の粒度を測定したところ、0.1〜3.0mmであった。また、各粒子には、尖った角が多く、最大径と最小径の比(最小径/最大径)が0.5以下であった。
【0048】
このようにして得られたITOの顆粒を蒸着材料供給器付きの蒸着機に投入して電子ビームにより加熱して成膜試験を実施した。供給器内で蒸着材料の詰まりが発生した。成膜速度も、極めて不安定であった。具体的には、表1にまとめる。
【0049】
(比較例3)
平均粒径1.3μmの酸化インジウム粉末と平均粒径0.7μmの酸化スズ粉末をボールミル用ポットに入れ、これに直径10mmのナイロンボールを加え、5時間乾式ボールミル混合して混合粉末を作製した。次に得られた混合粉末を水、分散材およびバインダーとともに混合してスラリー化し、これを鋳込用の樹脂型の中へ注入して240mmφ×10mmの成形体を作製した。次に、これら成形体を乾燥炉内に設置し乾燥処理を施した。その後これらの成形体を3ton/cm2の圧力でCIP処理した。次にこれら成形体を脱脂炉に設置し、大気雰囲気中で450℃で10時間加熱して成形体に残存する有機物を除去した。次に、これら成形体を酸素雰囲気焼結炉内に設置して焼結を行った。焼結条件は、昇温速度25℃/時間、焼結温度1500℃、保持時間3時間、降温速度25℃/時間とした。得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定したところ7.0g/cm3であった。
【0050】
このようにして得られたITO焼結体を乳鉢により粗粉砕し、粒度1.0〜3.0mmの粒にした。次にこのようにして得られた顆粒を、ナイロンボールとともにポットに入れ、16時間ボールミルで処理した。得られた顆粒の粒度を測定したところ、0.1〜3.0mmであった。
【0051】
得られた粉末からふるいを用いて粒度1.0〜2.0mmのものだけ選別した。これらの各粒子には、尖った角が多く、最大径と最小径の比(最小径/最大径)が0.5以下であった。
【0052】
このようにして得られたITOの顆粒を蒸着材料供給器付きの蒸着機に投入して電子ビームにより加熱して成膜試験を実施した。供給器内で蒸着材料の詰まりが発生した。成膜速度も、極めて不安定であった。具体的には、表1にまとめる。
【0053】
【発明の効果】
本発明のITO蒸着材料を用いることにより、蒸着材料の供給器内で材料が詰まることなく供給ができる。また、成膜中の成膜速度が安定しており、均一な膜の成膜が可能となる。

Claims (2)

  1. 7.0g/cm 以上の焼結密度を有するITO焼結体から製造された、粒子の粒度が1.0mm以上2.0mm以下で、焼結密度が4.0g/cm以上で、かつ1つの粒子における最大径と最小径の比(最小径/最大径)が0.8以上1.0以下であることを特徴とする粒状ITO蒸着材料。
  2. 酸化インジウムと酸化スズとの混合粉末あるいは、スズ固溶酸化インジウム粉末を
    (1)7.0g/cm以上の密度に焼結する工程と
    (2)得られた焼結体を0.5mm以下の粒度の粉末に粉砕する工程と
    (3)得られた粉末をCIP(冷間静水圧プレス)により成形する工程と
    (4)得られた成形体を粒度1.0mm〜2.0mmの顆粒に粉砕するとともに、各粒子の最大径と最小径の比(最小径/最大径)を0.8以上1.0以下に調整する工程と
    (5)得られた顆粒を焼結し、4.0g/cm 以上の焼結密度とする工程からなる請求項1に記載の粒状ITO蒸着材料の製造方法。
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