JP4197818B2 - ベンズアミドオキシム類の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、農医薬中間体として有用なアミドオキシム類の製造方法に関する。更に本発明の製造法により製造される化合物のうち、特に2,3−ジフルオロ−6−トリフルオロメチルベンズアミドオキシムは農園芸用殺菌剤の中間体として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
アミドオキシム類は一般にニトリル類とヒドロキシルアミン類を反応させることにより合成されることが知られている(Houben-Weyl Methoden der Organischen Chemie Band VIII Sauerstoff ver Bindungen III p.692) 。
【0003】
WO99/35127号公報には、ベンゾニトリル類とヒドロキシルアミンをキレート剤存在下、例えばメタノール−水混合溶媒中、好ましくはメタノールに対して水を過剰に用いた混合溶媒中で反応させることによりベンズアミドオキシムを製造できることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アミドオキシム化合物の収率はいずれも80%以下であり充分とはいえず、特にベンゼン環上ニトリル基のオルト位にフッ素基等の脱離しやすい官能基が存在すると副生物として一般式(III)
【0005】
【化4】
【0006】
(式中X2、mは前記と同じ基を表す。)で表されるヘテロ環化合物が多く生成してしまうという問題があった。
また、前記公報中の実施例において記載されている水とメタノールの混合比では、後処理工程において、メタノールをある程度留去しないと分液性が悪くなり、収率の低下を引き起こし、多量の溶媒を使用しなければならないという問題があった。
【0007】
本発明は、式(I)で表されるベンゾニトリルとヒドロキシルアミンから式(II)で表されるベンズアミドオキシムをより高収率、高純度で製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明は、反応の溶媒組成をある範囲に規定することで上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、
(1)一般式(I)
【化5】
(式中、Xは、ハロゲン原子、C1−5アルキル基、C1−3アルコキシ基、C1−3アルキルチオ基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ニトロ基又はC1−5ハロアルキル基を表し、nが2以上の場合、Xはそれぞれ独立に同一又は相異なる基を表し、nは、0又は1〜5のいずれかの整数を表す。)で表されるベンゾニトリルとヒドロキシルアミンを、容積基準で極性溶媒(アセトニトリルを除く)と水の混合比の値が0〜0.30:1、好ましくは0〜0.08:1の範囲で反応させることを特徴とする、一般式(II)
【化6】
(式中X、nは前記と同じ基を表す。)で表されるベンズアミドオキシムの製造方法に関する。
【0010】
(2)また、極性溶媒がメタノール、エタノール、イソプロパノール、及びn−プロパノールの群から選ばれる少なくとも一種以上であることを特徴とする上記(1)に記載のアミドオキシムの製造方法に関する。
【0011】
(3)一般式(I)で表されるベンゾニトリルとヒドロキシルアミンを、キレート剤存在下反応させることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のベンズアミドオキシムの製造方法に関し、一般式(I)で表されるベンゾニトリルとヒドロキシルアミンを、塩基存在下反応させることを特徴とする上記上記(1)又は(2)に記載のベンズアミドオキシムの製造方法に関する。
【0012】
(4)また、ヒドロキシルアミン鉱酸塩を用いた場合、塩基を、鉱酸を中和するのに必要な量に加えて一般式(I)で表されるベンゾニトリルに対して、1〜30mol%用いること、又は鉱酸塩以外のヒドロキシルアミンを用いた場合、一般式(I)で表されるベンゾニトリルに対して1〜30mol%用いることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のベンズアミドオキシムの製造方法に関する。
【0013】
(5)更に詳しくは、塩基が無機炭酸塩、及び無機重炭酸塩の群から選ばれる少なくとも1種以上であること、好ましくは炭酸水素ナトリウムであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のベンズアミドオキシムの製造方法に関する。
【0014】
(6)また、キレート剤を一般式(I)で表されるベンゾニトリルに対して0.1〜1mol%用いること特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のベンズアミドオキシムの製造方法に関する。
【0015】
(7)又、一般式(I)で表されるベンゾニトリルが、一般式(I−1)
【化7】
(式中、X1はハロゲン原子又はハロアルキル基を表し、X2は、ハロゲン原子、C1−5アルキル基、C1−3アルコキシ基、C1−3アルキルチオ基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ニトロ基又はC1−5ハロアルキル基を表し、mが2以上の場合X2はそれぞれ独立に同一又は相異なる基を表し、mは0又は1〜4のいずれかの整数を表す。)で表されるベンゾニトリル、更に好ましくは2,3−ジフルオロ−6−トリフルオロメチルベンゾニトリルであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のアミドオキシムの製造方法に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明中、一般式(I)で表される化合物中、Xは、ハロゲン原子、C1−5アルキル基、C1−3アルコキシ基、C1−3アルキルチオ基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、ニトロ基又はC1−5ハロアルキル基を表す。具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基等のC1−C5アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、クロロエトキシ基、トリフルオロメトキシ基等のC1−C3のアルコキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基等のC1−C3のアルキルチオ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、モノメチルアミノ基等のアミノ基、クロロメチル基、クロロエチル基、フルオロメチル基、ジフロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基等のC1−5ハロアルキル基等を例示することができる。またnは、0又は1〜5のいずれかの整数を表し、nが2以上の場合、Xはぞれぞれ独立に同一又は相異なる基を表し、nが1〜4のいずれかの整数の場合その置換位置は特に限定されない。
【0017】
中でも、一般式(I−1)で表される化合物が好ましい。X1はハロゲン原子、C1−3ハロアルキル基、又はC1−3ハロアルコキシ基を表し、具体的には、フッ素原子、クロル原子、ブロム原子、沃素原子、モノフルオロメチル基、ジフロロメチル基、1−フルオロエチル基、トリクロロメチル基、フルオロエトキシ基、クロロエトキシ基、トリフルオロメトキシ基等を例示することができる。
また、X2に関しては、先に記載したXと同様の基を例示することができる。mが2以上の場合、X2はそれぞれ独立に同一又は相異なる基を表し、mが1〜4のいずれかの整数の場合、その置換位置は特に限定されない。
【0018】
本発明の製造方法が適用できる化合物として具体的には、第1表に示す化合物を例示することができる。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
本発明の製造方法は極性溶媒−水の混合溶媒中、一般式(I)で表されるベンゾニトリルに、ヒドロキシルアミン(以下実施例以外の本文中はHAと略す)を作用させて行う。極性溶媒としては、アセトニトリル以外であれば特に制限されないが、水と混和する溶媒が好ましく、中でもメタノール、エタノール、イソプロパノール、及びn−プロパノールの群から選ばれる少なくとも一種以上である溶媒組成が好ましい。この極性溶媒−水の混合比は、容積基準で0〜0.30の範囲で行われ、好ましくは0〜0.08の範囲で行われる。
【0022】
反応には、蒸留水あるいはイオン交換水を使用することもできる。その場合でも極微量の金属イオンの影響を避けるため、キレート剤を添加して反応を行うのが好ましい。
【0023】
キレート剤としては、金属を捕捉する力があれば、特に制限されないが具体的には、8−ヒドロキシキノリン、o−フェナントロリン等を例示することができる。キレート剤は、ベンゾニトリル(I)に対して触媒量あれば充分であり、ベンゾニトリル(I)に対して0.1〜1mol%用いるのが好ましい。
キレート剤を使用する場合には、キレート剤を溶解させるだけの量の極性溶媒を用いるのが好ましい。
【0024】
HAの使用量は、ベンゾニトリル(I)に対して過剰であれば特に制限されないが、ベンゾニトリル(I)に対して1.5〜3当量用いるのが好ましい。また、HAは、塩酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩を塩基存在下に中和して使用するここともできるが、鉱酸塩でないHA、特に、鉱酸塩でないHAの水溶液、更に鉱酸塩でないHAの50%水溶液を用いるのが好ましい。
【0025】
また、塩基存在下反応を行うことで副生成物を更に抑えることができる。塩基は、有機塩基、無機塩基とも使用することができるが、無機塩基が好ましく、更に、無機炭酸塩及び無機重炭酸塩の群から選ばれる少なくとも1種以上用いるのが好ましい。
塩基としては、具体的には、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等無機重炭酸塩等を例示することができ、炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。
【0026】
塩基は、反応液のpHが6〜13の範囲、好ましくはpH7〜10の範囲になるように添加すれば、特にその量は制限されない。ヒドロキシルアミン鉱酸塩を用いた場合、塩基を、鉱酸を中和するのに必要な量に加え更に一般式(I)で表されるベンゾニトリルに対して、1〜30mol%用いのが好ましく、又は鉱酸塩以外のヒドロキシルアミンを用いた場合、一般式(I)で表されるベンゾニトリルに対して1〜30mol%用いるのが好ましい。
【0027】
反応の方法は、例えば(1)極性溶媒―水の混合溶媒系にHAを混合し、ベンゾニトリルを添加する方法、(2)極性溶媒−水の混合溶媒にベンゾニトリルを混合し、HAを添加する方法を例示することができ、いずれの方法でも行うことができる。
反応温度は用いるベンゾニトリルの反応性により異なるが、0℃〜80℃の範囲で行われる。
【0028】
本発明の方法を用いれば、反応終了後、極性溶媒を特に留去することなく目的物を抽出することができる。抽出溶媒として具体的には、メチル−t−ブチルエーテル(以下MTBEと略す)等の難水溶性の有機溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチルや酢酸プロピル等のエステル類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒等を例示することができる。
【0029】
反応で得られてくる副生物を除去する方法としては、例えば、まずアミドオキシムを抽出した有機層から塩酸等の酸で抽出し、アミドキシムを塩として水層に抽出し、水層を水酸化ナトリウムなどのアルカリで再び中和した後、MTBE等の有機溶媒で再度抽出する方法等を例示することができる。
【0030】
【実施例】
次に実施例を挙げ本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものでない。
【0031】
実施例1
無色透明ガラス製反応容器にてあらかじめ50%ヒドロキシルアミン水溶液9.91g(150mmol)、8−ヒドロキシキノリン7.3mg(0.05mmol)、炭酸水素ナトリウム0.63g(7.5mmol)にメタノール−蒸留水(体積比1:19)160ml加えて溶解した。ここへ2,3−ジフルオロ−6−トリフルオロメチルベンゾニトリル(I−2)10.36g(50mmol)を添加し、反応液を70℃で18時間熟成した後、室温に戻した。反応液を高速液体クロマトグラフィー(以下HPLCと略す)[分析条件:カラム;Inertsil ODS-3 4.6 mm φ×250mm(GL Sciences Inc.)、移動相;CH3CN-H2O-10% H3PO4 500:500:10(v/v/v)、流量;1.0ml/min 、検出波長;225nm 、実施例2以降も同条件]で分析したところ、(I−2)(tR 16.0min)のピークが消失し、2,3−ジフルオロ−6−トリフルオロメチルベンズアミドオキシム(II−2)の主生成物(収率84.5%、tR 3.6min)を、また3−アミノ−4−トリフルオロメチル−7−フルオロ−2,1−ベンゾイソオキサゾール(III−2)の副生(収率7.5%、tR 7.6min)を確認後、反応液中のメタノールを留去せずにMTBE60ml、40mlで2回抽出し、有機層を水10mlで洗浄した。有機層から塩酸65mmol水20ml、35mmol水7.5mlで2回抽出し、抽出した水層を合わせ、28%水酸化ナトリウム水溶液5.7gを加えて中和し、MTBE20ml、15mlで2回抽出した。抽出した有機層をあわせ、水10mlにて洗浄後、減圧濃縮して目的の2,3−ジフルオロ−6−トリフルオロメチルベンズアミドオキシム(II−2)9.97g(収率83%、純度99.3%)を得た。
【0032】
実施例2
無色透明ガラス製反応容器にてあらかじめ50%ヒドロキシルアミン水溶液9.91g(150mmol)、8−ヒドロキシキノリン7.3mg(0.05mmol)、炭酸水素ナトリウム0.63g(7.5mmol)に蒸留水160ml加えて溶解した。ここへ2,3−ジフルオロ−6−トリフルオロメチルベンゾニトリル(I−2)10.36g(50mmol)を添加し、反応液を70℃で20時間熟成した後、室温に戻した。反応液をHPLCで分析したところ、(I−2)のピーク(tR 16.0min)が消失し、2,3−ジフルオロ−6−トリフルオロメチルベンズアミドオキシム(II−2)の主生成(収率85.1%、tR 3.6min)をまた3−アミノ−4−トリフルオロメチル−7−フルオロ−2,1−ベンゾイソオキサゾール(III−2)の副生(収率6.4%、tR 7.6min)をそれぞれ確認した。
【0033】
実施例3
無色透明ガラス製反応容器にてあらかじめ50%ヒドロキシルアミン水溶液9.91g(150mmol)、8−ヒドロキシキノリン7.3mg(0.05mmol)、炭酸水素ナトリウム0.63g(7.5mmol)にメタノール−蒸留水(体積比1:39)245ml加えて溶解した。ここへ2,3−ジフルオロ−6−トリフルオロメチルベンゾニトリル(I−2)10.36g(50mmol)を添加し、反応液を70℃で18時間熟成した後、室温に戻した。反応液をHPLCで分析したところ、(I−2)のピーク(tR 16.0min)が消失し、2,3−ジフルオロ−6−トリフルオロメチルベンズアミドオキシム(II−2)の主生成(収率86.1%、tR 3.6min)をまた3−アミノ−4−トリフルオロメチル−7−フルオロ−2,1−ベンゾイソオキサゾール(III−2)の副生(収率6.5%、tR 7.6min)をそれぞれ確認した。
【0034】
実施例4
無色透明ガラス製反応容器にてあらかじめ50%ヒドロキシルアミン水溶液9.91g(150mmol)、8−ヒドロキシキノリン7.3mg(0.05mmol)、炭酸水素ナトリウム0.63g(7.5mmol)にメタノール−蒸留水(体積比1:39)160ml加えて溶解した。ここへ2,3−ジフルオロ−6−トリフルオロメチルベンゾニトリル(I−2) 10.36g(50mmol)を添加し、反応液を70℃で18時間熟成した後、室温に戻した。反応液をHPLCで分析したところ。(I−2)のピーク(tR 16.0min)が消失し、2,3−ジフルオロ−6−トリフルオロメチルベンズアミドオキシムの主生成(収率84.6%、tR 3.6min)をまた3−アミノ−4−トリフルオロメチル−7−フルオロ−2,1−ベンゾイソオキサゾールの副生(収率6.5%、tR 7.6min)をそれぞれ確認した。
【0035】
比較例1
無色透明ガラス製反応容器にてあらかじめ50%ヒドロキシルアミン水溶液9.91g(150mmol)、8−ヒドロキシキノリン7.3mg(0.05mmol)、炭酸水素ナトリウム0.63g(7.5mmol)にメタノール−蒸留水(体積比2:3)160ml加えて溶解した。ここへ2,3−ジフルオロ−6−トリフルオロメチルベンゾニトリル(I−2)10.36g(50mmol)を添加し、反応液を60℃で6時間熟成した後、室温に戻した。反応液をHPLCで分析したところ、(I−2)のピーク(tR 16.0min)は消失し、2,3−ジフルオロ−6−トリフルオロメチルベンズアミドオキシム(II−2)の主生成(収率79.1%、tR 3.6min)を、また3−アミノ−4−トリフルオロメチル−7−フルオロ−2,1−ベンゾイソオキサゾール(III−2)の副生(収率11.2%、tR 7.6min)をそれぞれ確認した。MTBEを60ml加えて分液したところ、有機溶媒が水中に懸濁し2層に分離しなかった。更にMTBE100mlを加えて分液したところ、2層に分離した。また、MTBEを添加する前に減圧下60℃に加熱して溶媒を留去したのち、MTBEを60ml加えて分液したところ2層に分離した。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の方法を用いれば、高価なベンゾニトリルとヒドロキシルアミンとからベンズアミドオキシム類をより高収率にて得ることができる。すなわち、混合溶媒の組成を選択することによって副生物の生成が抑えられて収率が向上する。加えて反応後生成物を抽出する前に水溶性の有機溶媒の留去も不要になることから、本発明の製造方法は工業的に優れた製造方法である。
Claims (7)
- メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びn−プロパノールからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の極性溶媒と水からなり、容積基準で極性溶媒と水の混合比の値が0〜0.30:1の範囲である混合溶媒中、キレート剤及び塩基の存在下で、一般式(I−1)
- 容積基準で極性溶媒と水の混合比の値が0〜0.08:1の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のベンズアミドオキシムの製造方法。
- ヒドロキシルアミン鉱酸塩を用いた場合、塩基を、鉱酸を中和するのに必要な量に加えて一般式(I−1)で表されるベンゾニトリルに対して、1〜30mol%用いること、又は鉱酸塩以外のヒドロキシルアミンを用いた場合、一般式(I−1)で表されるベンゾニトリルに対して1〜30mol%用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のベンズアミドオキシムの製造方法。
- 塩基が無機炭酸塩、及び無機重炭酸塩の群から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のベンズアミドオキシムの製造方法。
- 塩基が炭酸水素ナトリウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のベンズアミドオキシムの製造方法。
- キレート剤を一般式(I−1)で表されるベンゾニトリルに対して0.1〜1mol%用いること特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のベンズアミドオキシムの製造方法。
- 一般式(I−1)で表されるベンゾニトリルが、2,3−ジフルオロ−6−トリフルオロメチルベンゾニトリルであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のベンズアミドオキシムの製造方法。
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