JP4197457B2 - 蛍光表示管の駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光表示管およびその駆動方法に関し、特にフィラメントの揺れによる表示のちらつきを抑制するための中間線を有する蛍光表示管およびその駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蛍光表示管は、少なくとも一方の面が透明な外囲器(真空容器)の中でフィラメント(カソード/陰極)から放出される電子をアノード(陽極)上に付着した蛍光体に衝突させて発光させることにより、所望のパターンを表示する電子管である。一般的な蛍光表示管は、電子の働きを制御するためのグリッドをフィラメントとアノードとの間に備えた3極管構造をなしている。
このような蛍光表示管の1つに、蛍光体が付着された複数のアノードを所望のパターンに配置した発光表示部と、この発光表示部の発光を制御する制御回路とが一体に形成されたガラス基板で外囲器の一面を構成し、この発光表示部に対向して張架されたフィラメントと、このフィラメントとアノードとの間の空間に横架されたグリッド電極とを外囲器内に備えたものがある。
【0003】
この種の蛍光表示管の構成例を図15に示す。この蛍光表示管は、対向配置されたガラス基板1およびフェースガラス2をスペーサガラス3を介して接着して形成した外囲器9内に、蛍光体12Aを被着形成した複数のアノード12と、これらアノード12と対向して張架されたフィラメント(カソード)11と、アノード12とフィラメント11との間の空間に横架されたグリッド13とから構成されている。これらアノード12およびグリッド13に、フィラメント11の電位に対して正側となる電位を印加することにより、フィラメント11からグリッド13を介してアノード12へ電子が放出され、その電子が蛍光体12Aに衝突した際に生ずる発光により表示を行うものとなっている。
【0004】
このような蛍光表示管では、表示情報の増加に伴い表示面が長大化する傾向にある。この表示面の長大化にともなってフィラメント11が長くなった場合、フィラメント11の振動による表示のちらつきが発生する。このような表示のちらつきは、フィラメント11の振動によって、フィラメント11−グリッド13間の距離が変化して、フィラメント11からアノード12へ到達する電子の量が変化するためと考えられている。
このような表示のちらつきを抑制するため、図15に示すように、フィラメント11とグリッド13との間の空間に中間線15を張架して、フィラメント11−グリッド13間の距離の変化による影響を緩和する構成が考えられる(例えば、特許文献1など参照)。
【0005】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開平05−347136号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の蛍光表示管では、単に中間線を設けたのみでいずれの電位も印加しない場合、輝度ムラが発生するという問題点があった。これは、中間線に電位を印加せずいわゆるオープンな状態であることから、外囲器内の複雑な電位分布の影響を受けて中間線の電位も変化し、その電位変化により電子の軌道に偏が生ずるからと考えられる。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、輝度ムラを発生させることなく、フィラメントの揺れに起因する表示のちらつきを抑制できる蛍光表示管およびその駆動方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明にかかる蛍光表示管の駆動方法は、外囲器内に、蛍光体を被着形成した複数のアノードと、これらアノードと対向して張架されたフィラメントと、アノードとフィラメントとの間の空間に横架されたグリッドと、グリッドとフィラメントの間の空間に張架された中間線とを有する蛍光表示管の駆動方法において、アノードが配置されているガラス基板上にカーボンパターンで形成された、中間線に流れる過電流を抑制するための抵抗素子を介して、フィラメントに印加するバイアス電位に対して正電位のパルス信号であって、かつ中間線の配置位置に対応するグリッドを選択するタイミングに応じた、当該外囲器内の回路で用いられている所定電位のパルス信号を、中間線に対して印加する。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる蛍光表示管について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態にかかる蛍光表示管の全体構成を示す斜視図である。図2は本発明の第1の実施の形態にかかる蛍光表示管の全体構成を示すA−A断面図である。これら図1,2において、前述した図15と同等部分には同一符号を付してある。
この蛍光表示管10は、ガラス基板1と、このガラス基板1と対向配置される透明のフェースガラス2と、これらガラス基板1とフェースガラス2をその周部で接着するためのスペーサガラス3とからなる外囲器9を有し、この外囲器9内に、フィラメント(カソード/陰極)11、アノード(陽極)12およびグリッド13が収容されている。
【0014】
ガラス基板1上には、蛍光体12Aを被着形成した電極からなる複数のアノード12が所望の表示パターンに合わせて形成されており、その上方に所定距離離間して、導電性を有する網状の薄膜からなるグリッド13が横架されている。また、ガラス基板1上には、これらアノード12のほかカソード11およびグリッド13に所定の電位を供給するための配線4が形成されており、これら配線4上に絶縁膜5が形成されている。また、グリッド13の上方には、導電性の細線からなる複数のフィラメント11がグリッド13から所定距離離間して張架されており、このフィラメント11を支持するためのフィラメントサポート11Aがガラス基板1の周部に配置されている。
これら、フィラメント11、アノード12およびグリッド13は、ガラス基板1上の縁に沿って配置された複数のリードピン14と電気的に接続されている。
【0015】
また、フィラメント11とグリッド13との間の空間には、フィラメント11に交差する方向に、導電性の細線からなる1つ以上の中間線15が張架されており、この中間線15を支持するための中間線サポート15Aがガラス基板1の周部に配置されている。
本実施の形態では、この中間線15と電気的に接続され、外囲器9外からその中間線15に所定電位を印加するための中間線リードピン15Bをガラス基板1上の縁に沿って配置している。
【0016】
この中間線リードピン15Bを介して、外囲器9の外部から所定の電位を中間線15へ印加することにより、外囲器内の電位分布の変化に影響されることなく、中間線15を所望の電位に保持することができる。したがって、中間線の電位変化に起因して発生する電子の軌道の偏りを回避でき、この電子の軌道の偏りによる輝度ムラを抑制できる。
【0017】
図3に、フィラメント11からグリッド13へ放出される電子の軌道のシミュレーション結果を示す。図3(a)は中間線15にフィラメント11に対して正の電位を印加した場合の電子軌道である。図3(b)は中間線15を設けていない場合の電子軌道である。
このシミュレーションでは、フィラメント11のバイアス電位を0Vとし、グリッド13の電位を40Vとした。また中間線15の電位をグリッド13と同じ40Vとした。なお、フィラメント11と中間線15との距離は0.2mm、フィラメント11とグリッド13との距離は0.8mmであり、フィラメント11から放出される電子の初速度は0.3eV(=3.25×105m/s)とした。
【0018】
いずれの結果も、横軸はガラス基板1の長手方向に沿った中間線15からの距離、縦軸はグリッド13からの高さを示している。
図3(a)では、中間線15付近で電子がわずかに反対方向すなわち隣接するグリッド側へ放出されているものの、その他の大部分では、中間線のない図3(b)の場合と同等の安定した軌道を描いており、電子軌道の偏りがなく、中間線のない場合と同程度に輝度ムラが抑制されていることがわかる。
【0019】
このように、本実施の形態では、中間線15と電気的に接続され、外囲器9外からその中間線15に所定電位を印加するための中間線リードピン15Bを設けたので、この中間線リードピン15Bを介して、外囲器9の外部から所定の電位を中間線15へ印加することにより、外囲器内の電位分布の変化に影響されることなく、中間線15を所望の電位に保持することができる。したがって、中間線の電位変化に起因して発生する電子の軌道の偏りを回避でき、この電子の軌道の偏りによる輝度ムラを抑制できる。
【0020】
この際、中間線15に、フィラメント11のバイアス電位に対して負の電位を印加した場合、図4に示すような電子軌道のシミュレーション結果が得られた。このシミュレーションでは、フィラメント11のバイアス電位を0Vとし、グリッド13の電位を40Vとした。また中間線15の電位を−20Vとした。なお、図3と同様に、フィラメント11と中間線15との距離は0.2mm、フィラメント11とグリッド13との距離は0.8mmであり、フィラメント11から放出される電子の初速度は0.3eV(=3.25×105m/s)とした。
【0021】
図4では、中間線15付近の電子は、中間線15を避けるように中間線15から遠く離れた位置へ放出されており、図3と比較して電子軌道が偏り、輝度ムラの発生が予想される。この傾向は中間線15の電位がフィラメント11のバイアス電位付近から負側となるにしたがって顕著となることが他のシミュレーション結果で確認された。したがって、中間線15へ印加する電位としては、少なくともフィラメント11のバイアス電位に対して正電位を印加することにより、電子の軌道の偏りによる輝度ムラを抑制できる。
【0022】
図5は、本実施の形態にかかる蛍光表示管の駆動方法の一例を示す回路図である。この回路では、表示データ30Aに対応するアノード12に電源23からの正電位を印加するアノードドライバ30が設けられており、電源23からの正電位がグリッド13へ印加されているとともに、抵抗Rを介して中間線15にも印加されている。この場合、アノード電圧Ebとグリッド電圧Ecは等しくなっている。
フィラメント11の両端は、変圧器22の二次側巻線に接続されており、その二次側巻線のセンタータップには、フィラメント11のバイアス電位として電源23の接地電位GNDが接続されている。また変圧器22の一次側巻線の両端には交流源21が接続されており、二次側巻線からはバイアス電位を中心とした振幅電圧Efの交流電圧がフィラメント11に印加されている。
【0023】
このように、グリッド13と等しい電位を中間線15へ印加するようにしたので、中間線15用の電位を別途発生させるための回路構成が必要がなく、簡素な構成で輝度ムラを発生させることなく、フィラメントの揺れに起因する表示のちらつきを抑制できる。
また、抵抗Rを介して中間線15へ電位を印加するようにしたので、大きな振動などにより中間線15がフィラメント11と接触した場合でも、中間線15を介して流れる過大電流を抑制でき、回路を保護することができる。
【0024】
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる蛍光表示管について説明する。図6は第2の実施の形態にかかる蛍光表示管の駆動方法を示す回路図である。
前述した第1の実施の形態では、中間線リードピン15Bを設けて、外囲器9の外部から中間線15に対して所定の電位を印加する場合について説明した。本実施の形態にかかる蛍光表示管10Aでは、外囲器9内の回路で用いられている所定電位を中間線15に対して印加するものとし、そのための配線16を設けたものである。
【0025】
図6では、外囲器9内の回路で用いられている所定電位として、グリッド13の電位が用いられており、そのグリッド電位Ecが外部から印加されている配線と中間線15とを接続する配線16が設けられている。
このように、外囲器9内の回路で用いられている所定電位を中間線15に対して印加するようにしたので、第1の実施の形態と同様に、外囲器内の電位分布の変化に影響されることなく、中間線15を所望の電位に保持することができる。したがって、中間線の電位変化に起因して発生する電子の軌道の偏りを回避でき、この電子の軌道の偏りによる輝度ムラを抑制できる。さらに、第1の実施の形態のように中間線リードピン15Bを設ける必要がなくなるとともに、外部回路を簡素化できる。
【0026】
また、図5と同様に、この配線16の途中または端点に、配線16と直列して抵抗Rを設けて中間線15に流れる過大電流を抑制してもよい。この場合、抵抗Rとして回路素子をガラス基板1上に実装してもよいが、配線16の一部または全部に、ガラス基板1上に形成したカーボンパターンを用いることにより、抵抗Rを実現してもよい。
図7はカーボンパターンを用いた抵抗Rの実現例を示す斜視図である。図8はその断面図である。この例では、ガラス基板1と絶縁膜5との間に配線16としてカーボンパターンを形成し、このカーボンパターンにより中間線サポート15Aとグリッド13へのグリッド電位が外囲器9外から印加されるリードピン14とを接続している。これにより、抵抗Rとして回路素子を別途実装する必要がなくなり、回路素子の実装面積を用意する必要もなくなる。
【0027】
なお、前述では中間線15に印加する電位としてグリッド電位Ecを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、外囲器9内の回路で用いられている任意の電位を用いることができる。
例えば、外囲器9内にアノードドライバ30が設けられている場合には、そのアノードドライバ30で用いられている電位を中間線15に印加してもよい。図9は外囲器9内にアノードドライバ30を実装した蛍光表示管10Bを示す斜視図である。図10はその回路図である。この蛍光表示管10Bでは、フィラメントサポート11Aとガラス基板1との間の空間に、アノードドライバ30のICチップが実装されており、電源23からアノードドライバ30へ供給されているアノード電位Ebを、前述した配線16を介して中間線15へ印加している。また、前述と同様に配線16の一部に抵抗Rを設けてもよく、その抵抗Rをカーボンパターンで実現してもよい。
【0028】
次に、図11を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる蛍光表示管について説明する。図11は第3の実施の形態にかかる蛍光表示管の駆動方法を示す回路図である。
前述した第1および第2の実施の形態では、各アノード12に対して1つのグリッド13が共通して設けられたスタティックスキャン方式で用いられる蛍光表示管について説明した。本実施の形態では、各アノード12に対してグリッド13が別個に設けられ、所望のアノード12を発光させる場合にのみ対応するグリッド13へ電位を印加するダイナミックスキャン方式で用いられる蛍光表示管10Cについて説明する。
【0029】
ここでは、外囲器9内に設けられたアノード12のブロックごと、例えば各表示桁を構成する複数のアノード12ごとに、個別のグリッド13が設けられており、グリッドドライバ40の出力と個別に接続されている。グリッドドライバ40は、表示位置データ40Aに基づきその表示位置に対応するグリッド13に対してのみ所定のパルス信号を出力して選択する。また、各アノード12はアノードドライバ30の出力にそれぞれ並列的に接続されており、各ブロックで同じアノードが選択される。これにより、フィラメント11から放出された電子が、選択されたグリッド13のみを通過し、対応するブロック内で選択されているアノードに衝突して発光することになる。
【0030】
このようなダイナミックスキャン方式では、フィラメント11へ印加するバイアス電位としてカットオフバイアス電位Ekが用いられる。このカットオフバイアス電位Ekは、電源23から供給されるアノード電位Ebやグリッド電位EcとGND電位との中間電位であり、これが変圧器22の二次側巻線のセンタータップに印加される。これにより、抵抗を介してアノード12およびグリッド13をGND電位にプルダウンしておくだけで、アノードドライバ30により選択されていないアノード12、およびグリッドドライバ40で選択されていないグリッド13の発光を停止させることができる。
【0031】
このカットオフバイアス電圧Ekは、定電圧ダイオードZに電源23からEb(Ec)を供給することにより生成される。図11では、抵抗Rkおよびスイッチング素子(トランジスタ)Qを介して定電圧ダイオードZへ電源23からEb(Ec)が供給されており、Zの両端には電圧安定化のための容量素子Cが並列接続されている。
本実施の形態では、抵抗Rkとスイッチング素子Qとの接続点に中間線15を接続して、カットオフバイアス電位Ekに比較して正電位のパルス信号を、中間線リードピン15Bを介して中間線15へ印加するようにしたものである。
【0032】
図11において、スイッチング素子Qは、表示位置データに基づき、各グリッド13のいずれかが選択されている期間にオンして容量素子Cにカットオフバイアス電位Ekを充電し、グリッド選択の切替時にオフするよう制御される。
したがって、中間線15の電位は、スイッチング素子Qがオンの期間ではカットオフバイアス電位Ekと等しくなるとともに、スイッチング素子Qがオフの期間すなわちグリッド選択期間ではグリッド電位Ecと等しくなり、カットオフバイアス電位Ekに比較して正電位のパルス信号が中間線15に印加されることになる。
【0033】
このように、カットオフバイアス電位Ekに比較して正電位のパルス信号を中間線15に印加するようにしたので、ダイナミックスキャン方式においても、簡素な構成で輝度ムラを発生させることなく、フィラメントの揺れに起因する表示のちらつきを抑制できる。
また、グリッド選択期間に同期して正電位のパルス信号を中間線15に印加するようにしたので、グリッド選択期間以外すなわち表示タイミング以外における、中間線15からフィラメント11への電流を抑制できる。
【0034】
この際、中間線15の配置位置に対応するグリッド13のグリッド選択期間に同期させて正電位のパルス信号を中間線15に印加するようにしてもよい。例えば、図12に示すように、グリッドG2とグリッドG3との間に中間線15が配置されている場合には、図13に示すように、グリッド選択タイミング周期Tのうち、グリッドG2とグリッドG3の選択タイミングT2,T3に同期させて、中間線15へ正電位のパルス信号を印加するようにしてもよい。これにより、その中間線15による輝度ムラ抑制効果が得られる期間T2,T3にだけ中間線15へ正電位が印加されることになり、輝度ムラ抑制効果が得られない期間における中間線15からフィラメント11への電流を抑制できる。
【0035】
なお、図13に示すようなタイミングで中間線15へ正電位のパルス信号を印加する回路構成としては、このようなタイミング信号を生成するドライバ回路を追加してもよいが、グリッドドライバ40の出力のうち、中間線15の配置位置に対応するグリッドへの出力の論理和を用いればよい。
図14にグリッドドライバの構成例を示す。グリッドドライバ40は、シフトレジスタ41、ラッチ42、レベルシフタ43およびドライバ44の各回路部から構成されている。シリアルデータ形式で入力された表示位置データは、シフトレジスタ41でパラレルデータ形式に変換されてラッチ42へ出力される。ラッチ42は、この出力を保持しレベルシフタ43へ出力する。
【0036】
レベルシフタ43は、ラッチ42からの出力をグリッド電位Ecに変換してドライバ44へ出力する。ドライバ44はレベルシフタ43からの出力に基づき、対応するグリッド13を大電流で駆動する。
したがって、例えば図13に示すように、グリッドG2とグリッドG3の選択タイミングT2,T3に同期させて、中間線15へ正電位のパルス信号を印加する場合には、グリッドドライバ40のグリッドG2およびグリッドG3の出力から、例えばダイオードなどを用いた論理和回路で所望の正電位のパルス信号を生成して印加すればよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、外囲器内に、蛍光体を被着形成した複数のアノードと、これらアノードと対向して張架されたフィラメントと、アノードとフィラメントとの間の空間に横架されたグリッドとを有する蛍光表示管において、グリッドとフィラメントとの間の空間に張架された中間線と、この中間線と電気的に接続され、当該外囲器外から当該中間線に所定電位を印加するための中間線リードピンとを設けたものである。
したがって、この中間線リードピンを介して、外囲器の外部から所定の電位を中間線へ印加することにより、外囲器内の電位分布の変化に影響されることなく、中間線を所望の電位に保持することができる。これにより、中間線の電位変化に起因して発生する電子軌道の偏りを回避でき、この電子軌道の偏りによる輝度ムラを抑制できる。
【0038】
また、蛍光表示管において、アノードとフィラメントとの間の空間に張架された中間線と、当該外囲器内の回路で用いられている所定電位を中間線に対して印加するための配線とを設けたので、上記作用効果に加えて、中間線リードピンを設ける必要がなくなるとともに、外部回路を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態にかかる蛍光表示管の全体構成を示す斜視図である。
【図2】 図1のA−A断面図である。
【図3】 フィラメントからグリッドへの放出される電子軌道のシミュレーション結果である。
【図4】 フィラメントからグリッドへの放出される電子軌道の他のシミュレーション結果である。
【図5】 本発明の第1の形態にかかる蛍光表示管の駆動方法の一例を示す回路図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態にかかる蛍光表示管の駆動方法を示す回路図である。
【図7】 カーボンパターンを用いた抵抗を有する蛍光表示管の斜視図である。
【図8】 図7のB−B断面である。
【図9】 外囲器内にアノードドライバを実装した蛍光表示管の斜視図である。
【図10】 図9の蛍光表示管の回路図である。
【図11】 本発明の第3の実施の形態にかかる蛍光表示管の駆動方法を示す回路図である。
【図12】 グリッドと中間線の配置関係を示す説明図である。
【図13】 中間線に印加する正電位のパルス信号を示すタイミングチャートである。
【図14】 グリッドドライバの構成例である。
【図15】 従来の蛍光表示管の全体構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…フェースガラス、3…スペーサガラス、4…配線、5…絶縁膜、9…外囲器、10…蛍光表示管、11…フィラメント、11A…フィラメントサポート、12…アノード、12A…蛍光体、13…グリッド、14…リードピン、15…中間線、15A…中間線サポート、15B…中間線リードピン、16…配線、21…交流源、22…変圧器、23…電源、30…アノードドライバ、30A…表示データ、40…グリッドドライバ、40A…表示位置データ、41…シフトレジスタ、42…ラッチ、43…レベルシフタ、44…ドライバ。
Claims (1)
- 外囲器内に、蛍光体を被着形成した複数のアノードと、これらアノードと対向して張架されたフィラメントと、前記アノードと前記フィラメントとの間の空間に横架されたグリッドと、前記グリッドと前記フィラメントの間の空間に張架された中間線とを有する蛍光表示管の駆動方法において、
前記アノードが配置されているガラス基板上にカーボンパターンで形成された、前記中間線に流れる過電流を抑制するための抵抗素子を介して、前記フィラメントに印加するバイアス電位に対して正電位のパルス信号であって、かつ前記中間線の配置位置に対応するグリッドを選択するタイミングに応じた、当該外囲器内の回路で用いられている所定電位のパルス信号を、前記中間線に対して印加することを特徴とする蛍光表示管の駆動方法。
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