JP4197273B2 - 電磁駆動弁の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁駆動弁の制御装置に係り、特に、制御演算の負荷が小さい電磁駆動弁の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁駆動弁の制御装置としては、例えば,特開2002−81329号公報に記載のように、弁体の位置に基づくフィードフォワード制御と、目標速度と実際の弁体の速度との偏差に基づくフィードバック制御を行うものが知られている。これらの制御は離散時間で行われており、演算周期を十分に短くすれば、電磁力をきめ細かに制御することができ、弁体を確実に開閉動作させるとともに開閉動作を終了する直前の弁体の速度を十分に小さくすることができる。それによって、電磁駆動弁の騒音,振動,劣化などを抑えられる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−81329号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2002−81329号公報記載のものにおいて、演算周期を短くするためには、時間あたりの演算量を多くする必要があり、マイコンの性能を高くしたり、数を多くしたりする必要があるため、コストが増大するという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、弁体を確実に開閉動作させるとともに開閉動作を終了する直前の弁体の速度を十分に小さくすることができ、しかも、時間あたりの演算量を少なくできる電磁駆動弁の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、弁体を電磁コイルの発する電磁力により開閉駆動する電磁駆動弁に対して、この電磁駆動弁の開閉駆動を開始するタイミングを決定する開閉タイミング決定処理部と、この開閉タイミング決定処理部が決定したタイミングから演算周期毎に前記電磁コイルの電圧もしくは電流の指令値を決定する駆動信号決定処理部を有する電磁駆動弁の制御装置において、前記演算周期を、前記弁体の位置もしくは開閉駆動を開始してからの時間に応じて変更する演算周期変更処理部を備え、前記駆動信号決定処理部は、この演算周期変更処理部によって変更された演算周期毎に前記電磁コイルの電圧もしくは電流の指令値を決定するようにしたものである。
かかる構成により、弁体を確実に開閉動作させるとともに開閉動作を終了する直前の弁体の速度を十分に小さくすることができ、しかも、時間あたりの演算量を少なくできるものとなる。
【0007】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記演算周期変更処理部は、前記弁体が開閉動作を終了する位置の近くにあるときは、前記弁体が開閉動作を終了する位置から遠くにあるときよりも、前記演算周期を短くするようにしたものである。
【0008】
(3)上記(1)において、好ましくは、前記演算周期変更処理部は、前記弁体の開閉駆動を開始してから一定時間が経過した後に、前記演算周期を短くするようにしたものである。
【0009】
(4)上記(1)において、好ましくは、前記開閉タイミング決定処理部は、同時に多数の前記弁体の前記演算周期が短くなると予測される場合は、そうならないように開閉駆動を開始するタイミングをずらすようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6を用いて、本発明の一実施形態による電磁駆動弁の制御装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による電磁駆動弁の制御装置を用いた内燃機関の全体構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による電磁駆動弁の制御装置を用いた内燃機関の全体構成を示すシステム構成図である。
【0011】
内燃機関は、#1気筒から#4気筒までの4つの気筒1a,1b,1c,1dを備えている。気筒1a,…,1dは、吸気弁2a,2b,2c,2d及び排気弁2e,2f,2g,2hを備えている。吸気弁2a,…,2d及び排気弁2e,…,2hは、電磁力により開閉駆動される電磁駆動弁である。制御装置3は、電磁駆動弁2a,…,2hを制御する装置で、1つもしくは複数のマイコンで実現される。
【0012】
なお、内燃機関の気筒の数は4つでなくてもよいものである。また、気筒毎に吸気弁及び排気弁をそれぞれ2つ以上備えてもよいものである。さらに、すべての吸気弁及び排気弁を電磁駆動弁とせずに、一部の弁のみを電磁駆動弁として残りの弁をカム式の弁としてもよいものである。
【0013】
次に、図2を用いて、本発明の一実施形態による制御装置によって制御される電磁駆動弁の構成について説明する。ここでは、電磁駆動弁2aの構成について説明するが、他の電磁駆動弁2b,…,2hも同様の構成である。
図2は、本発明の一実施形態による制御装置によって制御される電磁駆動弁の構成を示す断面図である。
【0014】
電磁駆動弁2aの弁軸20aは、図2の上下方向へ往復可能に支持されている。弁軸20aには、弁体21a及びアーマチャ22aが固定されている。アーマチャ22aの上下には、アッパーコイル23a及びロアコイル24aが設置されている。アッパースプリング25aは、一端をアーマチャ22aに固定され、他端をアッパーコイル23aに固定されている。ロアスプリング26aは、一端をアーマチャ22aに固定され、他端をロアコイル24aに固定されている。リフトセンサ27aは、弁体21aの上下方向の変位を検出するものである。なお、アッパースプリング25a及びロアスプリング26aは、アッパーコイル23a及びロアコイル24aの代わりに、別の動かない箇所に固定してもよいものである。
【0015】
アーマチャ22aは、電磁力により吸引される素材で構成される。アッパーコイル23a及びロアコイル24aは、駆動信号100a,101aにより電磁力を発生し、アーマチャ22aを上下方向へ吸引する。アーマチャ22aが移動すると、弁軸20a及び弁体21aはアーマチャ22aと一体となって移動し、弁体21aは、給排気ポート4aの燃焼室5aへ通じる口を開閉する。弁体21aが最も下にあるときを全開と呼び、弁体21aが最も上にあるときを全閉と呼ぶ。全開の状態では、アーマチャ22aとロアコイル24aが接するが、ストッパを設けてアーマチャ22aとロアコイル24aが接しないようにしてもよいものである。全閉の状態では、アーマチャ22aとアッパーコイル23aが接すると同時に弁体21aと弁座6aが接するが、弁体21aと弁座6aだけが接するようにしてもよいものである。また、全開の状態から全閉の状態までの距離は、十分な給排気が行えるだけの間隔、例えば8ミリメートルとなるように構成される。
【0016】
アッパースプリング25a及びロアスプリング26aは、アーマチャ22aがアッパーコイル23aとロアコイル24aの中間へ向かう方向へ、ばね力を発生する。全閉の状態ではアッパースプリング25a及びロアスプリング26aによって開き方向の力が生じるため、この状態を維持するときは、アッパーコイル23aの電流を、アッパースプリング25a及びロアスプリング26aによって生じる開き方向の力を上回る電磁力を発生する一定の電流値(以下、「保持電流値」と称する)にする必要がある。
【0017】
全閉から全開に移行するとき(以下、「開き過程」と称する)は、アッパーコイル23aの電流を0にして、アッパースプリング25a及びロアスプリング26aに蓄えられているばねエネルギーを開放する。もし、筒内圧や摩擦などによる抵抗がなければ、弁体21aは、ばねと慣性の力により自由振動して全開の位置まで移動する。しかし、実際にはそれらの抵抗があるので、ロアコイル24aにそれらの抵抗を打ち消す電磁力を発生する電流を供給する必要がある。そうすることで弁体21aは全開の位置に到達することができ、その後、ロアコイル24aの電流を保持電流値に設定すると、全開の状態に維持することができる。全開から全閉に移行するとき(以下、「閉じ過程」と称する)も同様である。
【0018】
以上のように、弁体21aの開閉動作は、ばねと慣性の力を利用するので、開閉動作にかかる時間は、ばねと慣性力による自由振動の周期の半分,例えば,4ミリ秒でほぼ一定となる。
【0019】
リフトセンサ27aは、弁軸20a,弁体21a,アーマチャ22aのいずれかの上下方向の変位を検出することによって、弁体21aの上下方向の変位(以下、「リフト量」と称する)を検出する。その検出量は、リフト量信号102aとして制御装置3へ出力される。
【0020】
次に、図3を用いて、本発明の一実施形態による電磁駆動弁の制御装置におけるタスクの構成について説明する。
図3は、本発明の一実施形態による電磁駆動弁の制御装置におけるタスク構成図である。
【0021】
制御装置3は、開閉タイミング決定タスク30と、駆動信号決定タスク31a,31b,…,31hと、演算周期変更タスク32a,32b,…,32hとから構成され、1つもしくは複数のマイコンで実現される。なお、図3では、駆動信号決定タスク31c,31d,31e,31f,31gと、演算周期変更タスク32c,32d,32e,32f,32gの図示を省略しているが、これらは、駆動信号決定タスク31aと演算周期変更タスク32aと同様の構成である。
【0022】
開閉タイミング決定タスク30は、内燃機関の回転数や目標トルクなどに応じて、電磁駆動弁2a,2b,…,2hの開閉駆動を開始するタイミングを決定する。その際、内燃機関の出力,燃費,排気,振動などの性能が最適となるように開閉タイミングを決定する。なお、それらの性能を考慮しつつ、多数の弁体が同時に精密制御区間に来ないように開閉タイミングを決定してもよいものである。この精密制御区間については、後述する。
【0023】
駆動信号決定タスク31a,31b,…,31hは、開閉タイミング決定タスク30が決定したタイミングから演算周期毎に、駆動信号100a,100b,…,100h及び駆動信号101a,101b,…,101hを決定する。この駆動信号100a,100b,…,100h及び駆動信号101a,101b,…,101hは、アッパーコイル23aやロアコイル24aにかかる電圧、もしくは、アッパーコイル23aやロアコイル24aに流れる電流である。演算周期変更タスク32a,32b,…,32hは、駆動信号決定タスク31a,31b,…,31hが駆動信号100a,100b,…,100hや駆動信号101a,101b,…,101hを決定する周期、すなわち演算周期を決定する。
【0024】
以下、駆動信号決定タスク31aと演算周期変更タスク32aについて説明する。なお、駆動信号決定タスク31b,…,31hと演算周期変更タスク32b,…,32hも同様の構成である。
【0025】
駆動信号決定タスク31aは、開き駆動を開始するタイミングになると、アッパーコイル23aの駆動信号100aを0として、ロアコイル24aの駆動信号101aの演算を開始する。ロアコイル24aの駆動信号101aの演算では、まず、リフト量信号102aもしくは開き駆動を開始してからの時間に基づいて、フィードフォワード量と弁体21aの目標速度を決定する。次に、リフト量信号102aから弁体21aの実際の速度を計算し、目標速度との偏差が小さくなる方向へ弁体21aを駆動するためのフィードバック量を決定する。最後に、フィードフォワード量とフィードバック量を加算する。その値の信号が、図示しない出力手段により、駆動信号101aとして出力される。
【0026】
フィードフォワード量は、筒内圧や摩擦などによる抵抗を打ち消すことができる値とする。もしくは、フィードバック制御も併用することを考慮して、それらの抵抗を打ち消すことができる値よりも小さい値にしてもよいものである。また、弁体21aの目標速度は、筒内圧や摩擦などによる抵抗が無く、ばねと慣性の力により自由振動した場合の速度とする。もしくは、電磁力は加速方向にしか力を発生できないことを考慮して、自由振動した場合の速度よりも小さい速度にしてもよいものである。また、フィードバック量は、PID制御器や位相遅れ進み補償器などを用いて決定する。また、フィードフォワード量やフィードバック量は、電磁力はコイルから離れると急激に小さくなることを考慮した補正を行う。
【0027】
ロアコイル24aの駆動信号101aの演算及び出力は、演算周期変更タスク32aにより決定された演算周期毎に行われる。これを繰り返し、弁体21aが全開の位置に到達したならば、駆動信号決定タスク31aは、ロアコイル24aの駆動信号101aを保持電流値に設定する。閉じ駆動も同様である。
【0028】
ところで、弁体21aを確実に開閉動作させるためには、駆動信号100a,101aは大きめにした方がよいものである。しかし、駆動信号100a,101aを大きめにすると、消費電力が増加するし、また、弁体21aの速度が大きくなりすぎて、開き過程のときはアーマチャ22aとロアコイル24aが激しく衝突し、閉じ過程のときはアーマチャ22aとアッパーコイル23a、弁体21aと弁座6aが激しく衝突し、騒音,振動,劣化などの原因になる。それらを抑えるためには、開閉動作を終了する直前の弁体21aの速度を小さくする必要がある。
【0029】
そのためには、演算周期を短くする必要があるが、特に、弁体21aが開閉動作を終了する位置の近くにあるときの演算周期を短くすることが重要で、弁体21aが開閉動作を終了する位置から遠くにあるときの演算周期は必ずしも短くする必要はないものである。
【0030】
そこで、演算周期変更タスク32aは、弁体21aが開閉動作を終了する位置から遠くにあるときは演算周期を長く、例えば0.4ミリ秒に設定し、弁体21aが開閉動作を終了する位置の近くにあるときは演算周期を短く、例えば0.1ミリ秒に設定する。この演算周期を短く設定する区間を、「精密制御区間」と称する。
【0031】
精密制御区間は、制御要求(弁体を確実に開閉動作させるとともに開閉動作を終了する直前の弁体の速度を十分に小さくすること)を満たすことができる範囲で、できるだけ短くなるように設定する。例えば、開閉動作を終了する位置から0.2ミリメートルの区間とする。もしくは、前述したように弁体21aの位置は開閉駆動を開始してからの時間でほぼ決まるので、例えば、開閉駆動を開始してから3.6ミリ秒以降(開閉動作を終了する直前の0.4ミリ秒間)としてもよいものである。
【0032】
なお、1回の開閉動作で演算周期の変更を2回以上行ってもよいものであるし、演算周期を連続的に変更してもよいものである。
【0033】
また、駆動信号決定タスク31aに位相遅れ進み補償器を用いる場合は、演算周期を変更したときに、補償器の係数も合わせて変更する必要がある。このとき、駆動信号100a,101aが不連続に変化したり、応答が遅れたりしないように、補償器の状態変数の値も合わせて変更してもよいものである。
【0034】
さらに、駆動信号決定タスク31aは、弁体21aが全開もしくは全閉の位置に到達して駆動信号100a,101aを保持電流値に設定した後は、動作を停止してもよいものであるし、長い演算周期、例えば10ミリ秒で、弁体21aが全開もしくは全閉の位置から離れないかを監視し、もし離れたら、全開もしくは全閉の位置へ戻るような電流値を設定してもよいものである。
【0035】
次に、図4を用いて、本発明の一実施形態による電磁駆動弁の制御装置における電磁駆動弁2a,2b,…,2hの開閉タイミングについて説明する。
図4は、本発明の一実施形態による電磁駆動弁の制御装置における電磁駆動弁の開閉タイミングを示すタイムチャートである。図4において、横軸はクランク角(°CA)を示している。図4(A)は、#1気筒1aの吸気弁2aの開閉タイミングを示している。図4(B)は、#3気筒1cの排気弁2gの開閉タイミングを示している。図4(C)は、#3気筒1cの吸気弁2cの開閉タイミングを示している。図4(D)は、#4気筒1dの排気弁2hの開閉タイミングを示している。図4(E)は、#4気筒1dの吸気弁2dの開閉タイミングを示している。図4(F)は、#2気筒1bの排気弁2fの開閉タイミングを示している。図4(G)は、#2気筒1bの吸気弁2bの開閉タイミングを示している。図4(H)は、#1気筒1aの排気弁2eの開閉タイミングを示している。
【0036】
ここでは、#1気筒1a、#3気筒1c、#4気筒1d、#2気筒1bの順に、180°CA(クランク角)の間隔で点火している。各気筒では、まず、吸気弁を開き、その約180°CA後に吸気弁を閉じ、その約360°CA後に排気弁を開き、その約180°CA後に排気弁を閉じている。
【0037】
ここで、例えば180°CAの時点は、図4(A)に示すように#1気筒の吸気弁2aが閉じ過程、図4(B)に示すように#3気筒の排気弁2gが閉じ過程、図4(C)に示すように#3気筒の吸気弁2cが開き過程、図4(D)に示すように#4気筒の排気弁2hが開き過程になっており、同時に4弁を駆動する必要がある。しかし、その4弁の開閉駆動を開始するタイミングは、時間に換算すると、それぞれ0.4ミリ秒以上(内燃機関の回転数が2400rpmであるとすると5.76°CA以上)離れており、多数の弁体が同時に精密制御区間に来るタイミングにはなっていないものである。
【0038】
なお、電磁駆動弁2a,2b,…,2hの開閉タイミングは、内燃機関の回転数や目標トルクに応じて大きく変化するが、その場合も同様に本発明を適用できる。
【0039】
次に、図5及び図6を用いて、本発明の一実施形態による電磁駆動弁の制御装置における図4の180°CA近傍における電磁駆動弁2a,2g,2c,2hの演算周期と、制御装置全体での時間当たりの演算量について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による電磁駆動弁の制御装置における電磁駆動弁の演算周期と、制御装置全体での時間当たりの演算量を示すタイムチャートである。図6は、比較のために示した従来方式による電磁駆動弁の演算周期と、制御装置全体での時間当たりの演算量を示すタイムチャートである。
【0040】
図5及び図6において、横軸は180°CA付近のクランク角(°CA)を示している。図5(A)及び図6(A)は、#1気筒1aの吸気弁2aのリフト量を示しており、図4(A)に対応している。図5(B)及び図6(B)は、#3気筒1cの排気弁2gのリフト量を示しており、図4(B)に対応している。図5(C)及び図6(C)は、#3気筒1cの吸気弁2cのリフト量を示しており、図4(C)に対応している。図5(D)及び図6(D)は、#4気筒1dの排気弁2hのリフト量を示しており、図4(D)に対応している。図5(J)及び図6(J)は、0.1ミリ秒当たりの演算量を示している。
【0041】
図6に示す従来方式では、それぞれの弁につき、開閉駆動を開始してから終了するまでの4ミリ秒の間、図6(A),図6(B),図6(C),図6(D)の演算周期の欄に示すように、演算周期が0.1ミリ秒で一定になっている。
【0042】
しかし、図5に示す本実施形態では、それぞれの弁につき、図5(A),図5(B),図5(C),図5(D)の演算周期の欄に示すように、開閉駆動を開始してから3.6ミリ秒の間は演算周期が0.4ミリ秒で、その後の0.4ミリ秒の間は演算周期が0.1ミリ秒になっている。
【0043】
従来方式では、最も演算負荷の大きい時点(図示の180°CAの近辺)では、演算周期0.1ミリ秒の弁が4つあり、制御装置全体では0.1ミリ秒間に4弁分の演算を行う必要がある。
【0044】
しかし、本実施形態では、最も演算負荷の大きい時点でも、演算周期0.1ミリ秒の弁は1つで、残り3弁は演算周期0.4ミリ秒なので、制御装置全体では0.1ミリ秒間に1.75弁分の演算を行えばよいものである。
【0045】
したがって、本実施形態では、従来方式よりも制御演算を行うマイコンの性能を低くしたり数を少なくしたりできる。もしくは、空いた時間を使って、他の処理、例えば他のマイコンとの通信や監視処理などを行ってもよいものである。
【0046】
なお、開閉タイミング決定タスク30は、同時に多数の弁体の演算周期が短くなると予測される場合は、そうならないように開閉駆動を開始するタイミングをずらすようにする。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、制御要求(弁体を確実に開閉動作させるとともに開閉動作を終了する直前の弁体の速度を十分に小さくすること)を満たしつつ、時間あたりの演算量を少なくすることができる。それにより、マイコンの性能を低くしたり数を少なくしてコストを低減したり、通信や監視処理などの機能を強化したりできる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、弁体を確実に開閉動作させるとともに開閉動作を終了する直前の弁体の速度を十分に小さくすることができ、しかも、時間あたりの演算量を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による電磁駆動弁の制御装置を用いた内燃機関の全体構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による制御装置によって制御される電磁駆動弁の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による電磁駆動弁の制御装置におけるタスク構成図である。
【図4】本発明の一実施形態による電磁駆動弁の制御装置における電磁駆動弁の開閉タイミングを示すタイムチャートである。
【図5】本発明の一実施形態による電磁駆動弁の制御装置における電磁駆動弁の演算周期と、制御装置全体での時間当たりの演算量を示すタイムチャートである。
【図6】従来方式による電磁駆動弁の演算周期と、制御装置全体での時間当たりの演算量を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…気筒
2…電磁駆動弁
3…制御装置
20…弁軸
21…弁体
22…アーマチャ
23…アッパーコイル
24…ロアコイル
25…アッパースプリング
26…ロアスプリング
27…リフトセンサ
30…開閉タイミング決定タスク
31…駆動信号決定タスク
32…演算周期変更タスク
100…アッパーコイルの駆動信号
101…ロアコイルの駆動信号
102…リフト量信号
Claims (4)
- 弁体を電磁コイルの発する電磁力により開閉駆動する電磁駆動弁に対して、この電磁駆動弁の開閉駆動を開始するタイミングを決定する開閉タイミング決定処理部と、
この開閉タイミング決定処理部が決定したタイミングから演算周期毎に前記電磁コイルの電圧もしくは電流の指令値を決定する駆動信号決定処理部を有する電磁駆動弁の制御装置において、
前記演算周期を、前記弁体の位置もしくは開閉駆動を開始してからの時間に応じて変更する演算周期変更処理部を備え、
前記駆動信号決定処理部は、この演算周期変更処理部によって変更された演算周期毎に前記電磁コイルの電圧もしくは電流の指令値を決定することを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。 - 請求項1記載の電磁駆動弁の制御装置において、
前記演算周期変更処理部は、前記弁体が開閉動作を終了する位置の近くにあるときは、前記弁体が開閉動作を終了する位置から遠くにあるときよりも、前記演算周期を短くすることを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。 - 請求項1記載の電磁駆動弁の制御装置において、
前記演算周期変更処理部は、前記弁体の開閉駆動を開始してから一定時間が経過した後に、前記演算周期を短くすることを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。 - 請求項1記載の電磁駆動弁の制御装置において、
前記開閉タイミング決定処理部は、同時に多数の前記弁体の前記演算周期が短くなると予測される場合は、そうならないように開閉駆動を開始するタイミングをずらすことを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。
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