JP4196581B2 - デジタルカメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCDイメージセンサなどの固体撮像素子を用いたデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
CCDイメージセンサに代表される固体撮像素子は、デジタルカメラなどに広く使用されている。CCDイメージセンサは、各画素に蓄積された信号電荷が垂直転送クロック信号にしたがって垂直転送され、垂直転送後に水平転送クロック信号にしたがって水平転送される。信号電荷は、水平転送によってCCDイメージセンサから1つずつ出力され、増幅回路で増幅される。増幅後の画像信号は、相関二重サンプリング(CDS)回路でノイズ低減処理が施された後、A/D変換回路でデジタル信号に変換される。デジタル変換後の信号はデジタルクランプ処理される。デジタルクランプ処理は、CCDイメージセンサの遮光された画素に対応する信号を用いて画像の黒に相当する基準信号レベルを決定し、決定した基準信号レベルで撮像領域の全画素に対応する信号を基準化するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、CCDイメージセンサの遮光された画素に対応する信号は、CCDイメージセンサの周囲温度によって信号レベルが変化する。CCDイメージセンサの画素を構成するフォトダイオードに流れる暗電流が、温度上昇とともに増加するためである。基準信号レベルの決定に用いる遮光画素の暗電流が他の画素に比べて増加すると、デジタルクランプ処理後の画像が暗くなってしまう。とくに、電荷蓄積時間を長く設定する長秒時撮影や、撮像感度を高く設定する撮影の場合に問題になりやすい。
【0004】
本発明の目的は、デジタルクランプ処理に用いる遮光画素領域を変更するようにしたデジタルカメラを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1に記載の発明によるデジタルカメラは、撮像領域の画素に対応する信号および遮光領域の画素に対応する信号をそれぞれ出力する撮像素子と、撮像素子から出力された信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路と、A/D変換回路から出力され、遮光領域に含まれる画素に対応するデジタル信号を用いて基準信号レベルを決定し、決定した基準信号レベルで撮像領域の画素に対応するデジタル信号を基準化するデジタルクランプ回路と、撮影時のシャッター秒時、温度、および撮像感度のうち少なくともいずれか1つに応じて、遮光領域内において温度の上昇に違いのある異なる領域の画素から出力された信号を用いて基準信号レベルを決定するようにデジタルクランプ回路を制御する制御回路とを備えることを特徴とする。
(2)請求項5に記載の発明によるデジタルカメラは、撮像領域の画素に対応する信号および遮光領域の画素に対応する信号をそれぞれ出力する撮像素子と、撮像素子から出力された信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路と、A/D変換回路から出力され、撮像素子によって信号の出力が開始される水平ラインから第1の所定数の水平ラインまでの各水平ライン上に位置する遮光領域の複数の画素に対応するデジタル信号を用いて基準信号レベルを決定し、決定した基準信号レベルで撮像領域の画素に対応するデジタル信号を基準化する第1のデジタルクランプ回路と、A/D変換回路から出力され、撮像素子によって信号の出力が開始される水平ラインから第1の所定数までの水平ラインと異なる第2の所定数の各水平ライン上に位置する遮光領域の複数の画素に対応するデジタル信号を用いて基準信号レベルを決定し、決定した基準信号レベルで撮像領域の画素に対応するデジタル信号を基準化する第2のデジタルクランプ回路と、撮影時のシャッター秒時、温度、および撮像感度のうち少なくともいずれか1つに応じて、第1のデジタルクランプ回路および第2のデジタルクランプ回路の一方を選択する制御回路とを備えることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による電子スチルカメラの概要を示すブロック図である。図1において、電子スチルカメラは、撮像素子1と、CDS回路2と、A/D変換器3と、デジタルクランプ回路4と、信号処理回路5と、駆動回路6と、コントロール回路7と、温度検出センサ8とを含む。
【0007】
撮像装置を構成する固体撮像素子1は、たとえば、CCDイメージセンサによって構成される。CCDイメージセンサは、撮像面上に結像された被写体像の明るさに応じて、当該撮像面に構成されている各画素に対応して信号電荷を蓄積する。撮像素子1には、駆動回路6から垂直駆動パルス信号および水平駆動パルス信号がそれぞれ供給される。撮像素子1の各画素に対応する蓄積電荷は、垂直駆動パルス信号によって1回垂直転送された後に、水平駆動パルス信号によって水平ラインを構成する画素数に応じて水平転送される。水平転送された蓄積電荷は、撮像素子1から1つずつ出力され、後述する増幅回路で増幅後に撮像信号としてCDS回路2に入力される。水平ラインを構成する画素数は、たとえば、1000以上であり、3000超のものもある。垂直方向の画素数(水平ラインの数)は、たとえば、600以上であり、2000超のものもある。
【0008】
CDS回路2は、入力された撮像信号に含まれるノイズを除去する。ノイズ除去された撮像信号は、不図示の直流再生回路によってDCレベル調整が施された後に、A/D変換器3によってアナログ信号からデジタル信号に変換される。デジタル変換後の画像データは、デジタルクランプ回路4に入力される。
【0009】
デジタルクランプ回路4は、撮像素子1の遮光された画素に対応する信号を用いて画像の黒に相当する基準信号レベルを決定し、決定した基準信号レベルを用いて撮像素子1の撮像領域の画素に対応する画像データを基準化する。遮光画素および基準化などクランプ処理の詳細については後述する。デジタルクランプ回路4で基準化された画像データは、信号処理回路5に逐次入力される。デジタルクランプ回路4は、後述するコントロール回路7によってクランプ処理を行うか否かが指示される。
【0010】
信号処理回路5は、画像データに対してガンマ補正、色温度調整などの画像処理を施す。画像処理後の画像データは、所定の記録フォーマットに処理された後で不図示のメモリカードなどの記録媒体に記録されたり、不図示の表示用モニタに対する表示用の画像データに処理されて出力される。なお、信号処理回路5は、デジタルクランプ処理も行うように構成されている。信号処理回路5がクランプ処理を行うか否かは、後述するコントロール回路7によって指示される。
【0011】
コントロール回路7はカメラ全体の制御を行う。コントロール回路7には、不図示の輝度検出回路によって検出された被写体輝度を示す情報が入力される。コントロール回路7にはさらに、不図示の絞り値設定操作部材、シャッタ秒時設定操作部材、および撮像感度設定操作部材による各設定値を示す情報もそれぞれ入力される。コントロール回路7は、カメラがレリーズ操作されると、上記各設定操作部材による設定値の情報、および被写体輝度の情報に基づいて所定の露出演算を行い、駆動回路6に対して動作指示信号を出力するとともに、不図示のシャッタ装置に対して幕開指示信号を出力する。駆動回路6に出力される動作指示には、撮像素子1の電荷蓄積時間および撮像感度の指示が含まれる。
【0012】
また、コントロール回路7は、デジタルクランプ回路4および信号処理回路5のそれぞれに対し、デジタルクランプ処理を行うか否かの指示を出力する。
【0013】
駆動回路6は、撮像素子1が不要電荷排出、電荷蓄積、および蓄積電荷を出力するために必要な駆動信号をそれぞれ発生し、各駆動信号を撮像素子1へ供給する。駆動回路6はさらに、撮像感度の指示に応じて撮像素子1の増幅回路の増幅利得を設定する。シャッタ装置(不図示)は、幕開指示信号に応じて不図示のシャッタ幕を開閉制御する。温度検出センサ8は、撮像素子1の近傍に配設され、撮像素子1もしくは撮像素子1の近傍の温度を検出し、温度検出情報をコントロール回路7へ出力する。
【0014】
本発明は、上述した電子スチルカメラで行われるデジタルクランプ処理に特徴を有し、デジタルクランプ回路4によるデジタルクランプ処理と、信号処理回路5によるデジタルクランプ処理とを使い分けるようにしたものである。
【0015】
図2は、撮像素子1の画素配置を説明する図である。撮像素子1に設けられている画素のうち、被写体光が入射される画素領域、すなわち、有効画素領域21の外側に遮光された画素領域であるOB(オプティカルブラック)部22および23が設けられている。ここで、撮像素子1の水平方向の画素並びのうち、図2の上部に位置する水平ラインを1Hとする。また、図2の上から2番目の水平ラインを2Hとする。以降同様に、上から3番目に位置する水平ラインを3H、上から4番目に位置する水平ラインを4H…とする。OB部22および23は、たとえば、水平方向にそれぞれ20画素分の領域を有する。
【0016】
撮像素子1から蓄積電荷を出力させる際に、図2の上部の画素位置に対応する蓄積電荷から出力させる場合は、水平ライン1H、水平ライン2H、水平ライン3H、…の順に蓄積電荷が出力される。蓄積電荷の垂直転送方向が図2の下から上へ向かう向きであり、蓄積電荷の水平転送方向が図2の右から左へ向かう方向である場合は、蓄積電荷を増幅する増幅回路24は図2の左上部に配設される。
【0017】
デジタルクランプ回路4は、OB部22に対応する信号を用いて画像の黒に相当する基準信号レベルを決定する。具体的には、水平ライン1Hに対応する画像データがデジタルクランプ回路4に入力されると、水平ライン1Hの画像データのうち先頭の20データ、すなわち、OB部22に対応するデータの平均を算出し、この平均値を水平ライン1Hの基準信号レベルにする。
【0018】
上述したように、OB部22は遮光されているので、OB部22に対応するデータは被写体光が入射されない部分、つまり、被写体像の黒色に相当するデータとみなせる。OB部22の画素に蓄積される電荷は、当該画素を構成する光電変換素子(フォトダイオード)に流れる暗電流によって蓄積される。暗電流は、フォトダイオードの入射光量に関係なく流れるもので、その値は画素ごとにバラツキを有する。そこで、OB部22に対応するデータから基準信号レベルを決定する際に、OB部22に含まれるデータの平均を算出して基準信号レベルとする。
【0019】
デジタルクランプ回路4は、水平ライン1Hのうち有効画素領域21の全ての画素に対応するデータから上記水平ライン1Hの基準信号レベルをそれぞれ減算し、減算結果を逐次信号処理回路5へ出力する。減算後の画像データは、画像の黒色に相当する信号値で基準化されたデータである。
【0020】
デジタルクランプ回路4は、水平ライン2Hに対応する画像データが入力されると、水平ライン2Hの画像データのうちOB部22に対応する先頭の20データと、上記水平ライン1HのOB部22に対応する20データとの計40データの平均を算出し、この平均値を水平ライン2Hの基準信号レベルにする。デジタルクランプ回路4は、水平ライン2Hのうち有効画素領域21の全ての画素に対応するデータから上記水平ライン2Hの基準信号レベルをそれぞれ減算し、減算結果を逐次信号処理回路5へ出力する。
【0021】
デジタルクランプ回路4は、以降同様に、水平ライン64Hまでの画像データが入力されると、水平ライン1Hから当該水平ラインまでのOB部22に対応する20×水平ライン数のデータの平均を算出し、この平均値を当該水平ラインの基準信号レベルにする。デジタルクランプ回路4は、当該水平ラインのうち有効画素領域21の全ての画素に対応するデータから当該水平ラインの基準信号レベルをそれぞれ減算し、減算結果を逐次信号処理回路5へ出力する。
【0022】
デジタルクランプ回路4は、水平ライン65H以降の水平ラインの画像データが入力されると、水平ライン64Hの画像データ入力時に算出された64ライン分のOB部22に対応するデータの平均値を水平ライン65H以降の基準信号レベルにする。デジタルクランプ回路4は、水平ライン65H以降の有効画素領域21の全ての画素に対応するデータから上記64ライン分のOB部22に対応するデータの平均値をそれぞれ減算し、減算結果を逐次信号処理回路5へ出力する。
【0023】
一般に、増幅回路は増幅動作に発熱を伴う。図2のように増幅回路24が左上部に配設される場合、撮像素子1の温度は増幅回路24に近い領域25の温度が他の領域の温度に比べて高くなる。上述したフォトダイオードに流れる暗電流は、フォトダイオードの温度上昇とともに増加する特性を有し、たとえば、10℃の上昇で約2倍に増加する。暗電流が増加すると、当該暗電流によって蓄積される電荷が増加するので、領域25に含まれる画素に対応する画像データの値が大きくなる。このため、上述した基準信号レベルの決定に用いるOB部22が領域25に含まれると基準信号レベルが高くなってしまう。基準信号レベルが所定の信号レベルより高いと基準化後の画像データの値が小さくなり、画像を暗くする。
【0024】
コントロール回路7は、デジタルクランプ回路4で決定される基準信号レベルが高くなる場合に、デジタルクランプ回路4にクランプ処理を中止する指令を出力するとともに、信号処理回路5にクランプ処理を行うように指令を出力する。信号処理回路5は、たとえば、OB部22のうち水平ライン300Hから363Hまでの64ライン分の領域26に対応するデータの平均を算出し、この平均値を基準信号レベルにする。信号処理回路5は、有効画素領域21に対応する全データから基準信号レベルをそれぞれ減算して基準化処理を行う。
【0025】
デジタルクランプ回路4で決定される基準信号レベルが高くなるのは、上述したように温度が上昇した状態と、電荷蓄積時間が長い場合と、撮像感度が高い場合である。電荷蓄積時間が長いと、暗電流によって蓄積される電荷が増加する。また、撮像感度が高いと、蓄積電荷による信号が増幅されて信号レベルが大きくなる。そこで、コントロール回路7は、
▲1▼シャッタ秒時設定操作部材によってシャッタ秒時が所定時間より長く設定されたとき、
▲2▼撮像感度設定操作部材によって撮像感度が所定感度より高く設定されたとき、▲3▼温度検出センサ8によって所定温度より高い温度が検出されたとき、
デジタルクランプ回路4によるクランプ処理に代えて、信号処理回路5によるクランプ処理を選択する。ただし、温度検出センサ8は、撮像素子1のOB部22のうち基準信号レベルの決定に用いられる水平ライン1H〜64H付近の温度を検出するように配設される。
【0026】
図3は、上記▲1▼〜▲3▼の関係例を説明する表である。図3において、縦方向に温度検出センサ8による検出温度が示され、横方向に撮像感度の設定値が示される。図3に記載されたシャッタ秒時は、コントロール回路7がデジタルクランプ回路4によるクランプ処理と信号処理回路5によるクランプ処理とを切り替える閾値である。たとえば、撮像感度がISO400相当に設定され、温度検出センサ8によって撮像素子1の領域25の温度が20℃であることが検出されているとき、シャッタ秒時が1/2秒未満の場合はデジタルクランプ回路4によるクランプ処理を行って信号処理回路5によるクランプ処理を行わない。一方、シャッタ秒時が1/2秒以上の場合は、信号処理回路5によるクランプ処理を行ってデジタルクランプ回路4によるクランプ処理を行わない。
【0027】
以上説明した実施の形態についてまとめる。
(1)デジタルクランプ回路4は、撮像素子1の有効画素領域21に対応するデータより先に撮像素子1から出力されるOB部22に対応する画素のデータを用いてクランプ処理に使用する基準信号レベルを決定するようにしたので、有効画素領域21に対応するデータがA/D変換器3から1つ出力されるごとに、当該出力データを逐次基準化することができる。この結果、撮像素子1にデータを出力させながら基準化処理を行うことができるので、撮像素子1に1画面分の画像データを出力させた後から有効画素領域21に対応する全データに基準化処理を行う場合に比べて処理時間を短縮することができる。
(2)撮像素子1のOB部22のうちデジタルクランプ回路4が基準信号レベル決定に用いる水平ライン1H〜64H付近の温度を温度検出センサ8によって検出し、温度検出値に応じて、デジタルクランプ回路4によるクランプ処理に代えて信号処理回路5によるクランプ処理を行うようにした。信号処理回路5は、OB部22のうち水平ライン300Hから363Hまでの64ライン分の領域26に対応するデータの平均を算出し、この平均値を基準信号レベルにする。したがって、デジタルクランプ回路4が基準信号レベル決定に用いる領域を含む領域25が撮像素子1上の他の領域より温度上昇する場合に、領域25より温度上昇が少ない水平ライン300Hから363Hまでの領域26のデータで基準信号レベルが決定されるから、デジタルクランプ処理によって基準化された後の画像が暗くなることが防止される。
(3)撮像素子1は、OB部22に画素を有する(フォトダイオードを有する)CCDイメージセンサで構成するようにしたので、撮像素子1の温度上昇、撮像素子1の電荷蓄積時間の長延化(シャッタ秒時の長秒時)、および撮像感度の高感度化に伴う基準信号レベルの増加分を、それぞれ基準化時の減算処理によって除去することができる。これにより、暗電流に起因するノイズを軽減することができる。
(4)デジタルクランプ回路4によるクランプ処理と信号処理回路5によるクランプ処理とを切り替える温度の閾値を、シャッタ秒時が長く設定されるほど低くするようにした。すなわち、温度検出センサ8による検出温度が低いほど、デジタルクランプ回路4によるクランプ処理から信号処理回路5によるクランプ処理に切り替えるシャッタ秒時の閾値を長くし、温度検出センサ8による検出温度が高いほど、デジタルクランプ回路4によるクランプ処理から信号処理回路5によるクランプ処理に切り替えるシャッタ秒時の閾値を短くする。これにより、撮像素子1の温度変化およびシャッタ秒時の変化によらず、適切なデジタルクランプ処理を行うことができる。
(5)デジタルクランプ回路4によるクランプ処理と信号処理回路5によるクランプ処理とを切り替える温度の閾値を、撮像感度が高く設定されるほど低くするようにした。すなわち、撮像感度が低いほど、デジタルクランプ回路4によるクランプ処理から信号処理回路5によるクランプ処理に切り替えるシャッタ秒時の閾値を長くし、撮像感度が高いほど、デジタルクランプ回路4によるクランプ処理から信号処理回路5によるクランプ処理に切り替えるシャッタ秒時の閾値を短くする。これにより、撮像素子1の温度変化および撮像感度の変化によらず、適切なデジタルクランプ処理を行うことができる。
【0028】
以上の説明では、OB部22が20画素分の領域を有する撮像素子1を例にあげたが、OB部22は20画素分に限らず10画素分の領域を有するものでもよく、50画素分の領域を領域を有するものでもよい。
【0029】
デジタルクランプ回路4は、水平ライン64Hまでの画像データに対し、水平ライン1Hから当該水平ラインまでのOB部22に対応するデータの平均を算出し、この平均値を当該水平ラインの基準信号レベルにする一方、水平ライン65H以降の画像データに対し、水平ライン1Hから水平ライン64Hまでの64ライン分のOB部22に対応するデータの平均値を算出し、この平均値を水平ライン65H以降の基準信号レベルにするようにした。水平ライン数は上記64ラインに限らず、20ラインにしてもよいし、128ラインにしてもよい。
【0030】
信号処理回路5は、OB部22の水平ライン300Hから363Hまでの64ライン分の領域26に対応するデータの平均を算出し、この平均値を基準信号レベルにしたが、OB部23の水平ライン300Hから363Hまでの64ライン分の領域に対応するデータの平均を算出し、この平均値を基準信号レベルにしてもよい。信号処理回路5によるデジタルクランプ処理は、デジタルクランプ回路4によるクランプ処理と異なり、撮像素子1による1画面分の画像データが信号処理回路5に入力された後から基準化処理を行うので、撮像素子1において他の領域より温度上昇する領域25と異なる領域であれば、OB部22以外のOB部23を用いてもよい。
【0031】
なお、信号処理回路5によるデジタルクランプ処理はシャッタ秒時が長い場合に行われるので、信号処理回路5によるクランプ処理がデジタルクランプ回路4によるクランプ処理に比べて処理時間が長くなっても、この処理時間の長さが問題にされることはない。つまり、信号処理回路5によるクランプ処理時間は設定されているシャッタ秒時より十分に短いので、クランプ処理の切り替えによって電子スチルカメラの撮影時間に影響を与えることはない。
【0032】
信号処理回路5は、水平ライン300Hから363Hまでの64ライン分のOB部22に対応するデータの平均を算出し、この平均値を基準信号レベルにするようにした。水平ラインの位置は、撮像素子1において他の領域より温度上昇する領域25と異なる領域であれば、水平ライン100H〜163Hでもよいし、水平ライン512H〜575Hでもよい。
【0033】
また、信号処理回路5が平均値を算出する水平ライン数は、上記64ラインに限らず、16ラインにしてもよいし、100ラインにしてもよい。
【0034】
撮像素子1は、有効画素領域21の左右両側にOB部22および23を有する例を説明したが、OB部22のみを有するものでもよい。
【0035】
以上の説明では、撮像素子1の温度が増幅回路24の発熱によって上昇する場合を例にあげて説明したが、撮像素子1以外の熱源によって撮像素子1の温度が上昇する場合にも本発明を適用できる。
【0036】
電子スチルカメラを例にあげて説明したが、複数コマの画像を連続して撮像するカメラ、いわゆる動画を撮像するカメラにも本発明を適用してよい。
【0037】
特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明する。撮像領域は、たとえば、有効画素領域21が対応する。遮光領域は、たとえば、水平ライン1H〜64H上に位置するOB部22が対応する。デジタルクランプ回路は、デジタルクランプ回路4および信号処理回路5によって構成される。所定の条件は、たとえば、基準信号レベルが所定の信号レベルより高くなる条件が対応する。制御回路は、たとえば、コントロール回路7によって構成される。異なる遮光領域は、たとえば、水平ライン300Hから363H上に位置するOB部22の領域26が対応する。第1の所定数は、たとえば、1〜64のいずれかの値である。第1のデジタルクランプ回路は、たとえば、デジタルクランプ回路4によって構成される。第1の所定数までの水平ラインと異なる第2の所定数の水平ラインは、たとえば、水平ライン300Hから363Hが対応する。第2のデジタルクランプ回路は、たとえば、信号処理回路5によって構成される。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【0038】
【発明の効果】
本発明によるデジタルカメラでは、デジタルクランプ処理用の遮光画素領域を変更するようにしたので、デジタルクランプ処理後の画像が暗くなることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による電子スチルカメラの概要を示すブロック図である。
【図2】撮像素子の画素配置を説明する図である。
【図3】シャッタ秒時、撮像感度、および温度検出センサによる検出温度の関係を説明する図である。
【符号の説明】
1…撮像素子、 4…デジタルクランプ回路、
5…信号処理回路、 7…コントロール回路、
8…温度検出センサ、 21…有効画素領域、
22、23…OB部、 24…増幅回路、
26…水平ライン300Hから363HまでのOB部22の領域
Claims (8)
- 撮像領域の画素に対応する信号および遮光領域の画素に対応する信号をそれぞれ出力する撮像素子と、
前記撮像素子から出力された信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路と、
前記A/D変換回路から出力され、前記遮光領域に含まれる画素に対応するデジタル信号を用いて基準信号レベルを決定し、決定した基準信号レベルで前記撮像領域の画素に対応するデジタル信号を基準化するデジタルクランプ回路と、
撮影時のシャッター秒時、温度、および撮像感度のうち少なくともいずれか1つに応じて、前記遮光領域内において温度の上昇に違いのある異なる領域の画素から出力された信号を用いて前記基準信号レベルを決定するように前記デジタルクランプ回路を制御する制御回路とを備えることを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、
前記制御回路は、設定された前記シャッター秒時が所定時間より長い場合に前記遮光領域内で前記基準信号レベルの決定に用いる画素の領域を異ならせるように前記デジタルクランプ回路を制御することを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1または2に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮像素子もしくは前記撮像素子近傍の温度を検出する温度検出センサをさらに備え、
前記制御回路は、前記温度検出センサによる検出温度が所定温度より高い場合に前記遮光領域内で前記基準信号レベルの決定に用いる画素の領域を異ならせるように前記デジタルクランプ回路を制御することを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、
前記制御回路は、設定された前記撮像感度が所定感度より高い場合に前記遮光領域内で前記基準信号レベルの決定に用いる画素の領域を異ならせるように前記デジタルクランプ回路を制御することを特徴とするデジタルカメラ。 - 撮像領域の画素に対応する信号および遮光領域の画素に対応する信号をそれぞれ出力する撮像素子と、
前記撮像素子から出力された信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路と、
前記A/D変換回路から出力され、前記撮像素子によって前記信号の出力が開始される水平ラインから第1の所定数の水平ラインまでの各水平ライン上に位置する遮光領域の複数の画素に対応するデジタル信号を用いて基準信号レベルを決定し、決定した基準信号レベルで前記撮像領域の画素に対応するデジタル信号を基準化する第1のデジタルクランプ回路と、
前記A/D変換回路から出力され、前記撮像素子によって前記信号の出力が開始される水平ラインから第1の所定数までの水平ラインと異なる第2の所定数の各水平ライン上に位置する遮光領域の複数の画素に対応するデジタル信号を用いて基準信号レベルを決定し、決定した基準信号レベルで前記撮像領域の画素に対応するデジタル信号を基準化する第2のデジタルクランプ回路と、
撮影時のシャッター秒時、温度、および撮像感度のうち少なくともいずれか1つに応じて、前記第1のデジタルクランプ回路および前記第2のデジタルクランプ回路の一方を選択する制御回路とを備えることを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項5に記載のデジタルカメラにおいて、
前記制御回路は、設定された前記シャッター秒時が所定時間以下の場合に前記第1のデジタルクランプ回路を選択し、前記シャッター秒時が前記所定時間より長い場合に前記第2のデジタルクランプ回路を選択することを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項5または6に記載のデジタルカメラにおいて、
前記撮像素子もしくは前記撮像素子近傍の温度を検出する温度検出センサをさらに備え、
前記制御回路は、前記温度検出センサによる検出温度が所定温度以下の場合に前記第1のデジタルクランプ回路を選択し、前記検出温度が前記所定温度より高い場合に前記第2のデジタルクランプ回路を選択することを特徴とするデジタルカメラ。 - 請求項5〜7のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、
前記制御回路は、設定された前記撮像感度が所定感度以下の場合に前記第1のデジタルクランプ回路を選択し、前記撮像感度が前記所定感度より高い場合に前記第2のデジタルクランプ回路を選択することを特徴とするデジタルカメラ。
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