JP4196488B2 - キャリア、2成分現像剤および画像形成方法 - Google Patents
キャリア、2成分現像剤および画像形成方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はキャリアおよび当該キャリアを用いた2成分現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から2成分現像剤に使用されるキャリアとして、バインダー樹脂中に磁性粉を分散してなるバインダー型キャリアが広く知られている。また、使用される磁性粉としては、硫酸第一鉄水溶液等のような第一鉄塩水溶液と、水酸化ナトリウム水溶液等のようなアルカリ水溶液を混合し、水酸化第一鉄を生成した後、得られた水酸化第一鉄スラリーに空気を吹き込んで酸化させ、脱水してなるマグネタイト粒子がよく使用されている。
【0003】
しかしながら、上記のようなマグネタイト粒子をバインダー樹脂中に分散してなるバインダー型キャリアを用いると、連続複写時、トナーが消費されるに従ってキャリアもトナーに追随して消費される現象(キャリア付着)が起こり、複写画像上、部分的に画像が抜けるという問題が生じていた(ボイドの発生)。また、長期の連続複写にともなってキャリアのトナー帯電能が低下し、複写画像上、トナー像が形成されるべきでないところにトナーが付着し、黒点が点在するという問題も生じていた(カブリの発生)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、長期の連続複写によってもキャリア付着やトナー帯電能の低下が起こらず、複写画像上にボイドやカブリを生じないキャリアを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁性粒子をバインダー樹脂中に分散してなるバインダー型キャリアであって、該磁性粒子が表面に鉄以外の金属を含有しているマグネタイト粒子であり、マグネタイト粒子が3級アミン化合物により表面処理されていることを特徴とするキャリアに関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のキャリアに使用されるマグネタイト粒子はマグネタイト核部分と表層部分からなり、表層は鉄以外の金属を含んでなる。すなわち、本発明において使用可能なマグネタイト粒子はマグネタイト核部分の表面に、鉄以外の金属が共沈されたマグネタイト結晶相を有する。
【0007】
マグネタイト核部分は従来から2成分現像剤に使用されている公知のマグネタイトと同様にスピネル型の構造を有し、一般式;Fe3O4で表される。
【0008】
マグネタイト核部分表面に形成される表層はFe3O4(マグネタイト)結晶格子中に鉄以外の金属が共沈してなる。ここで共沈とはFe3O4結晶格子中に鉄原子以外の金属原子が取りこまれることをいう。Fe3O4結晶格子中における鉄原子以外の金属原子の存在形態としては、当該結晶格子中に鉄原子以外の金属原子が存在していれば特に限定されるものではなく、例えば、Fe3O4結晶格子における鉄原子の固有位置を鉄原子以外の金属原子が置換した置換型形態(混晶形態)であっても、Fe3O4結晶格子の隙間に鉄原子以外の金属原子が位置した侵入型形態であってもよい。混晶形態において、鉄原子以外の金属原子は結晶格子の鉄原子と不規則にあるいは規則的に置換されていてよい。
【0009】
本発明において使用されるマグネタイト粒子に含まれる鉄以外の金属としては特に制限されないが、例えば、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、ケイ素、ニッケル、コバルト、銅、カドミウムからなるグループから選択される1または2以上の金属が挙げられる。このうち、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛を用いることが好ましく、さらには環境性の観点からアルミニウム、マグネシウムを用いることがより好ましい。
【0010】
表層に鉄以外の金属を含むマグネタイト粒子(以下、金属含有マグネタイト粒子という)中において鉄原子以外の金属原子の含有割合は、当該金属が金属含有マグネタイト粒子最表面に共沈していれば特に制限されないが、金属含有マグネタイト粒子中に存在する全ての金属原子数に対して0.01〜10.00mol%、好ましくは0.1〜3.0mol%であることが望ましい。鉄以外の金属の含有割合が0.01mol%未満であると本発明の効果が得られない。すなわち、当該含有割合が小さすぎると鉄以外の金属を含有させる効果が得られず、長期の連続複写によってキャリア付着やトナー帯電能の低下が起こり、複写画像上にボイドやカブリが発生する。一方、当該含有割合が10mol%を越えると得られる金属含有マグネタイト粒子とバインダー樹脂との濡れ性が悪化し、製造時の混練性が悪化する。
【0011】
鉄以外の金属を含む表層中においては、鉄原子以外の金属原子の含有割合は当該表層中に存在する全ての金属原子数に対して1.0〜60mol%、好ましくは3〜55mol%であることが特に望ましい。表層中における鉄以外の金属の含有割合が1mol%未満であると本発明の効果が得られないおそれがある。一方、当該含有割合が60mol%を越えるとバインダー樹脂との濡れ性が悪化し、製造時の混練性が悪化するおそれがある。ここで、鉄以外の金属が共沈されてなる表層の厚さは、金属含有マグネタイト粒子の最表面において鉄以外の金属が共沈していれば特に制限されるものではなく、一般に5〜50nm、好ましくは10〜30nmが望ましい。
【0012】
このような金属含有マグネタイト粒子の平均粒径は特に制限されないが、一般に、0.15〜0.50μm、好ましくは0.20〜0.30μmであることが望ましい。平均粒径が0.15μm未満であると製造時の樹脂との混練性が悪くなり、0.50μmを越えるとマグネタイト粒子の製造性が低下する(0.5μm以上は製造しにくい)。
【0013】
上記のような金属含有マグネタイト粒子は、得られるマグネタイト粒子の最表面において鉄以外の金属が共沈されればいかなる方法によって製造されてよい。例えば、公知の方法によって一旦、マグネタイト粒子を得た後、その系中に、上記の鉄以外の金属の化合物と第一鉄塩を含む水溶液(混合液)を添加し、これに空気を吹き込んで酸化させ、脱水して、金属含有マグネタイト粒子を得ることができる。また、市販のマグネタイト粒子を上記の鉄以外の金属の化合物と第一鉄塩を含む水溶液(混合液)に添加し、これに空気を吹き込んで酸化させ、脱水して、金属含有マグネタイト粒子を得てもよい。
【0014】
詳しくは、まず、第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液を混合して水酸化第一鉄を生成した後、得られた水酸化第一鉄スラリーを60〜100℃、好ましくは80〜90℃に保持し、これに空気を吹き込んで酸化させる(第1酸化工程)。次に、この反応物に、上記の鉄以外の金属の化合物と第一鉄塩を含む水溶液(混合液)を添加し、所定温度に保持しながら、これに再度空気を吹き込んで酸化させる(第2酸化工程)。そして、得られた沈殿物を窒素雰囲気下または不活性ガス雰囲気下で乾燥して金属含有マグネタイト粒子を得ることができる。
【0015】
原料として使用される第一鉄塩としては水溶性を有する化合物であれば特に制限されるものではなく、例えば、硫酸第一鉄等を例示することができる。第1酸化工程で使用される第一鉄塩と第2酸化工程で使用される第一鉄塩は上記のうち異なる化合物を用いてよいが、同一の化合物を用いることが好ましい。また、鉄以外の金属の化合物としては系中において溶解可能な化合物であれば特に制限されず、例えば、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛等が使用可能である。アルカリ水溶液としては遊離する第一鉄イオンを水酸化第一鉄として沈殿させ得るものであれば、とくに制限されるものではなく、例えば、水酸化ナトリウム水溶液等を例示することができる。
【0016】
第1酸化工程において使用される第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液の濃度および使用量は、アルカリが当量以上使用されれば、すなわち系中の全ての第一鉄イオンが水酸化第一鉄に変換できれば特に制限されない。
【0017】
本発明においては、上記のような方法によって得られる金属含有マグネタイト粒子を用いることが好ましい。
【0018】
本発明において、金属含有マグネタイト粒子の組成比(鉄原子(酸化数2の鉄原子および酸化数3の鉄原子を含む)および鉄原子以外の金属原子の含有割合)は、原料として使用される鉄原子の数と鉄原子以外の金属原子の数、すなわちそれらの仕込み比に従う。このため、本明細書中、「金属含有マグネタイト粒子中における全ての金属原子数に対する鉄原子以外の金属原子の含有割合」は、「第1酸化工程および第2酸化工程で使用された鉄原子数と鉄原子以外の金属原子数との和に対する、第2酸化工程で使用された鉄原子以外の金属原子数の割合」として表している。また、上記の金属含有マグネタイト粒子の製法においては、第1酸化工程において金属含有マグネタイト粒子の核部分が形成され、第2酸化工程において鉄以外の金属が含有される表層が形成されると考えられることから、「金属含有マグネタイト粒子表層中における全ての金属原子数に対する鉄原子以外の金属原子数の含有割合」は、第2酸化工程で使用された鉄原子数と鉄原子以外の金属原子数との和に対する、第2酸化工程で使用された鉄原子以外の金属原子数の割合」として表している。
【0019】
以上のような金属含有マグネタイト粒子は、本発明において、3級アミン化合物により表面処理されていることが好ましい。金属含有マグネタイト粒子を3級アミン化合物により表面処理して用いることにより、より長期にわたって本発明の効果を得ることができる。すなわち、3級アミン化合物により表面処理された金属含有マグネタイト粒子を用いると、より長期の連続複写によってもキャリア付着やトナー帯電能の低下が起こらず、複写画像上にボイドやカブリを生じない。
【0020】
表面処理は、金属含有マグネタイト粒子と3級アミン化合物を、圧力を加えて混合処理(「圧密処理」という)した後、乾燥し、解砕することにより達成することができる。
【0021】
3級アミン化合物としては、例えば、下記一般式;
【化1】
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素原子数1〜4、好ましくは1または2のアルキル基であり、R3は炭素原子数15〜25、好ましくは18〜22のアルキル基である。)
【0022】
で表される化合物が挙げられる。具体的には、3級アミン化合物として、ジメチルオクタデシルアミン(DM18D;三井化学社製)、ジメチルベヘニルアミン(DM22D;三井化学社製)、ジメチルヘキサデシルアミン(DM16D;三井化学社製)等が挙げられる。このうち、ジメチルオクタデシルアミン、ジメチルベヘニルアミンを使用することが好ましい。
【0023】
3級アミン化合物の使用量は金属含有マグネタイト粒子に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%であることが望ましい。当該使用量が0.1重量%未満であると表面処理の効果が得られず、一方、10重量%を越えるとアミンが遊離して樹脂との濡れ性が悪化し、製造時の混練性が悪化する。
【0024】
本発明のキャリアは、少なくとも上記金属含有マグネタイト粒子を含んでなる。本発明のキャリアは所望によりカーボンブラック、シリカ、他の無機微粉末等をさらに含んでよい。
【0025】
本発明のキャリアは、上記金属含有マグネタイト粒子を含んでいれば、いかなる構成を有していてよく、例えば、金属含有マグネタイト粒子をバインダー樹脂中に分散してなる構成(バインダー型)、金属含有マグネタイト粒子をキャリア母材表面に固着してなる構成(表面固着型)、または金属含有マグネタイト粒子をキャリア母材表面にコート樹脂でコートしてなる構成(コート型)を有していて良い。本発明のキャリアはキャリア表面に上記金属含有マグネタイト粒子が露出していることが好ましい。本発明のキャリアによるトナー帯電をより有効に達成できるためである。
【0026】
本発明のキャリアが金属含有マグネタイト粒子をバインダー樹脂中に分散してなる構成を有するときについて説明する。本発明のバインダー型キャリアは公知のバインダー型キャリアの製造方法と同様にして調製することができる。本発明のバインダー型キャリアは、例えば、バインダー樹脂および金属含有マグネタイト粒子、ならびに所望によりカーボンブラック、シリカを十分混合し、溶融混練した後、粗粉砕および微粉砕を行い、所望により分級および表面処理して得ることができる。キャリアの平均粒径は20〜100μm、好ましくは30〜60μmであることが望ましい。
【0027】
本発明のキャリアがバインダー型であるとき、金属含有マグネタイト粒子の添加量はバインダー樹脂100重量部に対して200〜800重量部、好ましくは300〜700重量部であることが望ましい。当該添加量が200重量部未満であるとキャリアとして磁力が不十分になるとともに、金属含有マグネタイト粒子がキャリア表面に露出されにくくなり、本発明の効果が得られにくい。一方、800重量部を超えると製造性(混練性)が低下し、金属含有マグネタイト粒子が遊離し易くなって、キャリア付着や色にごりの原因となる。
【0028】
バインダー樹脂としては従来からキャリアのバインダー樹脂として使用されている公知の樹脂が使用可能であり、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、アミノ基含有スチレン−アクリル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリロニトリル樹脂等が挙げられる。このうちポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
【0029】
バインダー樹脂の軟化点(Tm)は100〜160℃、好ましくは110〜140℃、ガラス転移点(Tg)は50〜90℃、好ましくは60〜80℃であることが望ましい。Tmが160℃を越えると混練しにくくなり、一方、100℃未満であると混練時に(樹脂の粘度が低くなり)磁性粉等の分散性が悪くなる。Tgが90℃を越えると混練しにくくなり、一方、50℃未満であると耐熱性が悪くなり、現像器内で凝集物が発生しやすくなる。
【0030】
さらに好ましくは、バインダー樹脂としてシリコーン変性アクリル樹脂とアミノ基含有スチレン−アクリル樹脂との混合樹脂を用いる。このような混合樹脂を用いることにより、本発明の効果をより長期にわたって得ることができる。
【0031】
シリコーン変性アクリル樹脂は、アクリル系官能性基を有するポリジオルガノシロキサンマクロマーとラジカル重合性有機モノマーを共重合したものである。アクリル系官能性基を有するポリジオルガノシロキサンマクロマーは、一般式(I):
【化2】
で表される。
【0032】
上記式中、R1は水素原子又はC1〜C4、好ましくはC1〜C2の低級アルキル基を表す。
R2はC1〜C5、好ましくはC2〜C4の低級アルキレン基を表す。
R3〜R6はC1〜C4、好ましくはC1〜C2の低級アルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基またはアルケニル基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0033】
R7はC1〜C4、好ましくはC1〜C2の低級アルキル基、水酸基、および一般式(II):
【化3】
で示されるアクリル系官能性基からなる群から選択される基である。
【0034】
上記式中、R8は水素原子又はC1〜C4、好ましくはC1〜C2の低級アルキル基を表す。R9はC1〜C5、好ましくはC2〜C4の低級アルキレン基を表す。
mは1〜500の整数、好ましくは25〜300、より好ましくは50〜200の整数である。
【0035】
上記アクリル系官能性基を有するポリジオルガノシロキサンマクロマーと共重合されるラジカル重合性有機モノマーは、下記一般式(III):
【化4】
で示されるアクリル系有機モノマーである。
R10は水素原子又はC1〜C4、好ましくはC1〜C2の低級アルキル基を表す。R11はC1〜C4、好ましくはC1〜C2の低級アルキル基を表す。
【0036】
シリコーン変性アクリル樹脂中の
【化5】
で示される繰り返し単位(Mac)と
【化6】
で示される繰り返し単位(Msi)との比(Mac/Msi)は1/4〜4/1、好ましくは1/3〜3/1、より好ましくは1/2〜2/1の範囲内であることが望ましい。
【0037】
アミノ基含有スチレン−アクリル樹脂としては、従来からキャリアやトナーの製造で使用されている公知のスチレン−アクリル樹脂にアミノ基を導入したものであれば特に制限されることはない。
【0038】
シリコーン変性アクリル樹脂とアミノ基含有スチレン−アクリル樹脂との混合重量比は5/95〜95/5、好ましくは10/90〜90/10であることが望ましい。混合樹脂中のシリコーン変性アクリル樹脂の含有割合が小さすぎると耐久性の向上が期待できない。一方、当該含有割合が大きすぎると荷電性が低下する。
【0039】
このような混合樹脂において、シリコーン変性アクリル樹脂を構成するモノマー(ラジカル重合性有機モノマー)が未反応でシリコーン変性アクリル樹脂に対し、3〜50重量%含まれていることがより好ましい。
【0040】
本発明のバインダー型キャリアには所望によりカーボンブラックが含まれる。カーボンブラックを含有させることにより表面の抵抗を調整することができる。例えば、REGAL330(キャボット社製)、♯970(三菱化学社製)、ケッチェンブラックEC(ライオン油脂社製)、EC-DJ500(ライオン油脂社製)、Mogul L(キャボット社製)等が使用可能である。カーボンブラックの含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは1〜3重量部であることが望ましい。
【0041】
また、バインダー型キャリアには所望によりシリカが含まれる。シリカを含有させることにより製造時の混合の均一性が向上する。このようなシリカとしては平均一次粒径が10〜100nm、好ましくは15〜50nmのものであれば特に制限されるものではなく、市販のシリカが使用可能である。例えば、♯200(日本アエロジル社製)、H2000(ワッカー社製)、H3004F(ワッカー社製)、R976(日本アエロジル社製)、R972(日本アエロジル社製)等が使用可能である。
【0042】
上記シリカの代わりに、または上記シリカと組み合わせて他の無機微粒子を用いることもできる。他の無機微粒子としては、シリカと同様の粒径範囲の二酸化チタン、アミルナ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、マグネタイト粒子、二硫化モリブデン、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。なお、シリカを含む無機微粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理されていることが望ましい。
【0043】
シリカを含む無機微粒子の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部、好ましくは1〜3重量部であることが望ましい。
【0044】
表面処理するための表面改質装置としては、例えば、サーフュージングシステム(日本ニューマチック工業社製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)等を用いることが好ましい。上記の表面改質装置の中でも、サーフュージングシステム(日本ニューマチック工業社製)は球形度を大きく制御できる点で最も好ましい。装置の設定条件については使用されるバインダー樹脂の種類に依存して適宜決定される。
【0045】
本発明のキャリアが金属含有マグネタイト粒子をキャリア母材表面に固着してなる構成を有するときについて説明する。本発明の表面固着型キャリアは、一旦、キャリア母材を得た後、これに前記金属含有マグネタイト粒子を固着させることによって得ることができる。キャリア母材は樹脂中に磁性粉を分散させたバインダー型でも、磁性粒子を樹脂で被覆したコート型でもよい。ここで固着とは金属含有マグネタイト粒子の一部がキャリア母材に埋没し、金属含有マグネタイト粒子がキャリア母材と一体化されることをいう。本発明の表面固着型キャリアは、例えば、バインダー樹脂および磁性粉、ならびに所望によりカーボンブラック、無機微粒子を用いて、上記のバインダー型キャリアの製造方法と同様にして、一旦、キャリア母材を得るか、または磁性粒子を樹脂で被覆して、一旦キャリア母材を得た後、これに金属含有マグネタイト粒子を添加し、メカノフュージョンシステム、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)等によりローター回転数1000〜2000rpm、好ましくは1200〜1800rpmで3〜10分間、好ましくは5〜8分間混合処理することによって得ることができる。ローター回転数が1000rpm未満であったり、混合時間が3分間未満であると、キャリア母材への負荷が小さく、温度が上昇し難いため、金属含有マグネタイト粒子の固着が達成されにくい。一方、ローター回転数が2000rpmを越えたり、混合時間が10分間を越えると、キャリア母材への負荷が大きすぎ、キャリア母材同士の融着が起こるおそれがある。キャリア母材の平均粒径は20〜100μm、好ましくは30〜60μmであることが望ましい。
【0046】
キャリア母材に金属含有マグネタイト粒子を固着させる手段としては、上記のようなメカノフュージョンシステムを用いる方法に限定されるものではなく、例えば、サーフュージングシステム(日本ニューマチック社製)等の気流中加熱処理システムを用いてキャリア母材粒子表面を溶融しつつ、当該粒子に金属含有マグネタイト粒子の一部を埋めこむ方法、ハイブリダイゼーションシステム等の機械的衝撃力によって粒子表面に金属含有マグネタイト粒子を固着させる方法等を採用してもよい。
【0047】
金属含有マグネタイト粒子の添加量はキャリア母材100重量部に対して0.1〜3重量部、好ましくは0.3〜2重量部、より好ましくは0.3〜1.5重量部であることが望ましい。当該添加量が0.1重量部未満であると金属含有マグネタイト粒子がキャリア母材に埋没され易くなり、本発明の効果が得られにくい。一方、3重量部を超えると金属含有マグネタイト粒子が遊離し易くなって、キャリア付着や色にごりの原因となる。
【0048】
キャリア母材がバインダー型のとき、キャリア母材に含まれる磁性粉はいかなる公知の磁性粉であってよく、例えば、マグネタイト粒子、フェライト等を挙げることができる。磁性粉の添加量はバインダー樹脂100重量部に対して200〜800重量部、好ましくは300〜700重量部であることが望ましい。当該添加量が200重量部未満であるとキャリアとしての磁力が不足する。一方、添加量が800重量部を越えると遊離磁性粉の発生等により、色にごり等の画像ノイズが発生する。このようにキャリア母材に、金属含有マグネタイト粒子以外の磁性粉を含有させることによって、材料コストの低減を図ることができる。
【0049】
また、キャリア母材に含まれるバインダー樹脂、カーボンブラックおよび無機微粒子としては上記バインダー型キャリアにおいてと同様の材料を例示することができるが、バインダー樹脂としては前記のポリエステル樹脂またはスチレン−アクリル樹脂を使用することがより好ましい。カーボンブラックおよび無機微粒子の含有量は上記のバインダー型キャリアにおけるそれぞれの含有量と同様であることが望ましい。
【0050】
キャリア母材がコート型のとき、樹脂で被覆される磁性粒子はいかなる公知の磁性体であってよく、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄粉等が挙げられる。好ましくはフェライトを用いる。磁性粒子の平均粒径は、キャリア母材の平均粒径が上記範囲内であれば特に制限されないが、20〜100μmが好適である。コート樹脂の使用量は磁性粒子100重量部に対して0.1〜10重量部が好適である。コート樹脂は上記バインダー型キャリアにおけるバインダー樹脂と同様の材料が使用可能である。
【0051】
本発明のキャリアが金属含有マグネタイト粒子をキャリア母材表面にコート樹脂でコートしてなる構成を有するときについて説明する。本発明のコート型キャリアは、一旦、キャリア母材を得た後、これに金属含有マグネタイト粒子をコート樹脂でコートすることによって得ることができる。本発明のコート型キャリアは、例えば、コート樹脂を溶剤に溶解し、これに金属含有マグネタイト粒子を投入、混合して、金属含有マグネタイト粒子が含有された樹脂溶液を作製し、当該樹脂溶液をスピラコータ(岡田精工社製)によりキャリア母材に噴霧して得ることができる。なお、キャリア母材は、上記の表面固着型キャリアにおけるキャリア母材と同様のものを使用することができる。また、表面を樹脂で被覆されていない磁性粒子をキャリア母材に用いることもできる。このとき磁性粒子はいかなる公知の磁性体であってよく、例えばフェライト、マグネタイト、鉄粉等が挙げられる。好ましくはフェライトを用いる。キャリアがコート型であるときのキャリア母材の平均粒径は20〜100μm、好ましくは30〜60μmであることが望ましい。
【0052】
キャリア母材に金属含有マグネタイト粒子をコート樹脂でコートする手段としては、上記のようなスピラコータを用いる方法に限定されるものではなく、例えば、スプレードライ法、浸漬法等の方法を採用してもよい。
【0053】
キャリア母材に噴霧される樹脂溶液中の金属含有マグネタイト粒子の含有量はコート樹脂溶液全量に対して20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%であることが望ましい。当該含有量が20重量%未満であると金属含有マグネタイト粒子がキャリア表面から露出されにくくなり、本発明の効果が得られにくい。一方、80重量%を超えると金属含有マグネタイト粒子が遊離し易くなって、キャリア付着や色にごりの原因となる。
【0054】
このような樹脂溶液をキャリア母材に噴霧するに際して使用される樹脂溶液の量は当該樹脂溶液の粘度等に依存するため一概に規定できないが、一般に樹脂溶液中に含まれるコート樹脂の量がキャリア母材100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部となるような量であることが望ましい。使用される樹脂溶液に含まれるコート樹脂の量がキャリア母材100重量部に対して0.1重量部未満であるとコート層が不均一になり帯電性が悪化し、10重量部を超えると製造上コートが困難になる。
【0055】
このようなコート型キャリアにおいて金属含有マグネタイト粒子はキャリア母材100重量部に対して0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部コートされている。
【0056】
以上のような構成を有する本発明のキャリアはトナーと混合され、2成分現像剤として使用され得る。本発明のキャリアと混合されるトナーは公知のいかなるトナーであってよく、すなわち、磁性トナーまたは非磁性トナーであっても、黒色トナーまたはフルカラートナーであってもよい。トナーとしてフルカラートナーを用いることにより本発明の効果をより有効に得ることができる。一般にフルカラートナーはトナー消費量が比較的多いため、従来のキャリアを用いた場合、キャリアがトナーに追随して消費されるキャリア付着の問題や帯電性低下の問題が顕著に起こるが、本発明のキャリアを用いることにより、このような問題を回避することができるためである。
【0057】
本発明のキャリアとともに使用されるトナーは少なくともトナーバインダー樹脂および着色剤を含み、所望により荷電制御剤、オフセット防止剤(ワックス)、磁性粉を含む。トナーバインダー樹脂、着色剤、荷電制御剤、ワックス、磁性粉としては従来から電子写真用トナーの分野で使用されている公知のいかなる材料も使用可能である。
【0058】
本発明のキャリアとトナーとの混合重量比(キャリア/トナー)は特に制限されないが、97/3〜80/20が好適である。好ましくは、キャリアがバインダー型である場合は95/5〜85/15、キャリアが表面固着型またはコート型である場合は97/3〜88/12である。
【0059】
以上のような本発明のキャリアを用いた2成分現像剤は以下に示す画像形成方法に好適に適用され得る。上記2成分現像剤を好ましく適用可能な画像形成方法は、磁力作用により現像剤を感光体に供給し、感光体表面に形成された静電潜像を現像することを特徴とする。
【0060】
上記のような画像形成方法を採用した現像装置の一例を図1に示す。
ここで、図1に示す現像装置(10)においては、その内部にトナーTとキャリアとを含む現像剤(1)を収容させており、この現像剤(1)を搬送させる現像剤搬送部材(11)として、複数の磁極N1、S1、N2、S2、N3を有するマグネットローラ(11a)が内周側に設けられた円筒状の現像スリーブ(11)を用い、この現像スリーブ(11)を、現像領域において像担持体である感光体(22)と適当な間隔(Ds)を介して対向するようにして回転可能に保持されている。また、現像装置(10)においては、収容されている現像剤(1)の現像剤搬送部材(11)への移動を促すためにアジテータ(16)が備えられている。
【0061】
そして、この現像スリーブ(11)を感光体(22)とは逆方向、すなわち現像スリーブ(11)と感光体(22)とが対向する現像領域では現像スリーブ(11)と感光体(22)とが同方向に移動するように回転させ、この現像スリーブ(11)の回転に伴って現像装置(10)内に収容された現像剤(1)を、上記マグネットローラ(11a)による磁力作用により磁気ブラシの状態で感光体(22)側に搬送させるようにする。
【0062】
また、上記の現像スリーブ(11)には現像バイアス電源(12)を接続させており、この現像バイアス電源(12)から交流電圧あるいは交流電圧に直流電圧を重畳させた現像バイアスを印加させて、現像領域に振動電界を作用させるようにしている。
【0063】
さらに、上記の現像スリーブ(11)と感光体(22)とが対向する現像領域よりも現像剤(1)の搬送方向上流側で、前記のマグネットローラ(11a)の磁極N1と対向する位置には、現像スリーブ(11)上における現像剤(1)の量を規制する規制部材(13)として、磁性ブレード(13a)を現像スリーブ(11)と所用間隔を介するようにして設け、この磁性ブレード(13a)によって現像スリーブ(11)上における現像剤(1)の量を規制するようにしている。
【0064】
また、この現像装置(10)においては、その上部にトナーTを収容させたトナー収容部(14)を設けており、現像スリーブ(11)から現像剤(1)中におけるトナーTを感光体(22)に供給して現像を行った結果、現像装置(10)内における現像剤(1)中のトナー濃度が低下した場合には、このトナー収容部(14)内に収容されたトナーTを補給ローラ(15)により現像装置(10)内の現像剤(1)に補給させるようにしている。
【0065】
本発明を以下の実施例によりさらに詳しく説明する。なお、特記しない限り「部」は「重量部」を意味するものとする。
【0066】
【実施例】
磁性粒子の製造例
(磁性粒子A)
硫酸第一鉄水溶液(1.54mol/L)65Lと水酸化ナトリウム水溶液(2.38mol/L)88Lを混合し、水酸化第一鉄を生成した。得られた水酸化第一鉄スラリーを所定温度に保持し、これに空気を十分に吹き込んで酸化させた(第1酸化工程)。この反応物に硫酸亜鉛水溶液と硫酸第一鉄水溶液との混合液2.25Lを添加し、所定温度に保持しながら、これに再度十分に空気を吹き込んで酸化させた(第2酸化工程)。得られた沈殿物を脱水して磁性粒子Aを得た。第2酸化工程において添加された硫酸亜鉛水溶液と硫酸第一鉄水溶液との混合液中の硫酸亜鉛濃度は0.50mol/Lであり、硫酸第一鉄濃度は1.27mol/Lであった。また、得られた磁性粒子中における全ての金属原子の数に占める鉄原子以外の金属原子の数の割合、および磁性粒子表層中における全ての金属原子の数に占める鉄原子以外の金属原子の数の割合を、使用された原料濃度およびその使用量から算出したところ、それぞれ1.08mol%、28.2mol%であった。
【0067】
(磁性粒子B〜M)
第1酸化工程において使用される硫酸第一鉄水溶液および水酸化ナトリウム水溶液の濃度および使用量、第2酸化工程において使用される混合液中の「鉄以外の金属の化合物」の種および濃度ならびに硫酸第一鉄の濃度、ならびに混合液の使用量を表1に記載のように変更したこと以外、磁性粒子Aの製造方法と同様にして磁性粒子B〜Mを得た。得られた磁性粒子中における全ての金属原子の数に占める鉄原子以外の金属原子の数の割合、および磁性粒子表層中における全ての金属原子の数に占める鉄原子以外の金属原子の数の割合を、製造条件とともにまとめて表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
(磁性粒子O)
上記の磁性粒子Iに対してジメチルベヘニルアミン0.5重量%を添加し、圧密処理することにより、磁性粒子表面に3級アミン化合物の被覆層を設けた。得られた磁性粒子を磁性粒子Oとした。
【0070】
(磁性粒子P〜V)
処理される磁性粒子の種、ならびに使用される3級アミン化合物の種および添加量を表2に記載のように変更したこと以外、磁性粒子Oの製造方法と同様にして磁性粒子P〜Vを得た。磁性粒子O〜Vの処理条件をまとめて表2に示す。なお、ジメチルベヘニルアミンとしてアーミンDM22D(三井化学社製)を、ジメチルオクタデシルアミンとしてアーミンDM18D(三井化学社製)を用いた。
【0071】
【表2】
【0072】
バインダー樹脂の製造例
(シリコーン変性アクリル樹脂a〜d)
撹拌装置、温度計、還流冷却管をつけた200ml−4つ口フラスコに、ポリジメチルシロキサンA(p=100);
【化7】
(式中、pはジメチルシロキサンの繰り返し単位数を示す。)
ポリジメチルシロキサンB(q=100);
【化8】
(式中、qはジメチルシロキサンの繰り返し単位数を示す。)
ポリジメチルシロキサンC(r=100);
【化9】
(式中、rはジメチルシロキサンの繰り返し単位数を示す。)
メチルメタクリレートおよびトルエンを仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら加熱した。その後、この系にα,α’−アゾビスイソブチロニトリルを加え、加熱撹拌した。次いで、アスピレーターにて減圧下、加熱撹拌することにより、トルエンの一部を除去した後、トルエン溶液をステンレス皿に移して、減圧乾燥することにより、シリコーン変性アクリル樹脂a〜dを調製した。
【0073】
得られたシリコーン変性アクリル樹脂a〜dの遊離モノマー(未反応メチルメタクリレート)の量をガスクロマトグラフィーにより求めたところ、その量はそれぞれ順に、シリコーン変性アクリル樹脂全量に対して0重量%、20重量%、33重量%、50重量%であった。
【0074】
(実験例1)
キャリアの製造例(バインダー型キャリア)
(キャリア1)
・ポリエステル樹脂(花王社製) 100部
(軟化点(Tm)120℃、ガラス転移点(Tg)65℃)
・磁性粒子A 400部
・カーボンブラック(REGAL330;キャボット社製) 2部
・シリカ(♯200;日本アエロジル社製) 1.5部
上記成分をヘンシェルミキサーで十分混合した後、ベント2軸押し出し混練機(PCM-30;池貝鉄工(株)社製)により180℃で溶融混練し、フェザーミルにて粗粉砕し、ジェット粉砕機(IDS-2型;日本ニューマチック工業(株)社製)により微粉砕し、風力分級機(MS-1型;ホソカワミクロン(株)社製)により分級を行った後、さらにサフュージングシステム(SFS-2型;日本ニューマチック工業(株)社製)により350℃で加熱処理を行い、平均粒径60μmのキャリアを得た。ここで得られたキャリアをキャリア1とする。
【0075】
(キャリア2〜30)
表記したバインダー樹脂、磁性粒子、カーボンブラックおよびシリカを表記した量だけ用いたこと以外、キャリア1の製造方法と同様にしてキャリア2〜30を得た。製造条件を以下の表に示す。
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】
表中、バインダー樹脂についてPES-Aはポリエステル樹脂A(花王社製、Tm120℃、Tg65℃)を、StAc-Aはスチレン−アクリル樹脂A(三井化学社製、Tm117℃、Tg67℃)を、SiAc-a〜SiAc-dはそれぞれ上記のシリコーン変性アクリル樹脂a〜dを、AminoStAc-Aはアミノ基含有スチレン−アクリル樹脂A(アミン価20)を、AminoStAc-Bはアミノ基含有スチレン−アクリル樹脂B(アミン価180)を意味する。
カーボンブラックについてREGAL330はカーボンブラック(REGAL330;キャボット社製)を、♯970はカーボンブラック(♯970;三菱化学社製)を、ECはカーボンブラック(ケッチェンブラックEC;ライオン油脂社製)、EC-DJ500はカーボンブラック(EC-DJ500;ライオン油脂社製)を意味する。
シリカについて♯200はシリカ(♯200;日本アエロジル社製)を、H2000はシリカ(H2000;ワッカー社製)を、H3004Fはシリカ(H3004F;ワッカー社製)を、R976はシリカ(R976;日本アエロジル社製)を意味する。
【0079】
トナーの製造例
ポリエステル樹脂(Tm100℃、Tg58℃)とマゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド184)を樹脂:顔料が7:3の重量比になるように加圧ニーダーに仕込み混練した。得られた混練物を冷却した後、フェザーミルにより粉砕し顔料マスターバッチを得た。
上記ポリエステル樹脂93部、上記マスターバッチ10部、およびサリチル酸亜鉛錯体(E-84;オリエント化学工業社製)2部を十分混合し、ベント2軸混練装置により140℃で溶融混練し、この混練物を冷却した後、フェザーミルにて粗粉砕し、さらにジェット粉砕機により微粉砕し、風力分級して体積平均粒径8.5μmのトナー粒子を得た。このトナー粒子100部に対して疎水性シリカ(H-2000;ヘキストジャパン社製)0.5部および酸化チタン微粒子(STT-30A;チタン工業社製)0.6部を添加し、ヘンシェルミキサーにより1000rpmで1分間処理してトナーを得た。
【0080】
実施例1〜12、参考例1〜12、および比較例1〜6
キャリアと上記トナーを、トナー:キャリアの重量比が6:94となるように調合し、ロールミルで1時間混合して現像剤を得た。それぞれの実施例および比較例において使用されたキャリアは以下の通りである。
【0081】
【表5】
【0082】
評価
得られた現像剤を、図1に概略的に示す構成を有する現像装置を搭載した複写機(CF−70;ミノルタ社製)に装填し、以下に従って評価した。装置の設定条件:現像スリーブ(11)と磁性ブレード(13)との間隔;0.4mm、現像スリーブ(11)により現像領域に搬送される現像剤(1)の搬送量;5.0mg/cm2、感光体(22)の周速度;165mm/s、現像スリーブ(11)の周速度を300mm/s、感光体(22)においてトナーTを供給する部分の表面電位;−450V、感光体(22)においてトナーTを供給しない部分の表面電位;−100V。なお、現像スリーブ(11)と感光体(22)とが対抗する現像領域において、現像バイアス電源(12)から−350Vの直流電圧と、ピーク・ピーク値Vp-pが1.5kV、周波数が3kHzの矩形波でduty比(現像:回収)が1:1になった交流電圧と重畳させた現像バイアス電圧を印加させて反転現像を行った。
【0083】
(ボイド)
B/W比15%の画像をN/N(25℃、50%)環境下で15万枚複写し、初期(0枚)、1万枚、3万枚、5万枚、8万枚、10万枚および15万枚複写時の画像における網点領域を観察し、以下のランク付けに従って評価した。また、B/W比15%の画像をH/H(30℃、80%)環境下で16万枚複写し、6万枚、11万枚および16万枚複写時の画像についても同様に評価した。なお、ボイドとは複写画像上、部分的に画像が抜ける現象をいう。
◎;複写画像上、ボイドは全く発生していなかった;
○;顕微鏡観察でボイドは若干観察できたが目視では確認できなかったか、または目視観察でボイドは確認できたが実用上問題なかった;
△;目視観察でボイドは確認でき、実用上問題であった;
×;目視観察で多数のボイドが確認できた。
【0084】
ボイドの評価結果を以下に示す。なお、本明細書の表中、kは「1000」を意味し、例えば、10kは10,000枚、100kは100,000枚を示す。以下の表において同様とする。
【表6】
【0085】
(カブリ)
B/W比15%の画像をN/N(25℃、50%)環境下で15万枚複写し、初期(0枚)、1万枚、3万枚、5万枚、8万枚、10万枚および15万枚複写時の画像における地肌領域を観察し、以下のランク付けに従って評価した。また、B/W比15%の画像をH/H(30℃、80%)環境下で16万枚複写し、6万枚、11万枚および16万枚複写時の画像についても同様に評価した。なお、カブリとは複写画像上、トナー像が形成されるべきでないところにトナーが付着し、黒点が点在する現象をいう。
◎;複写画像上、カブリは全く発生していなかった;
○;顕微鏡観察でカブリは若干観察できたが目視では確認できなかったか、または目視観察でカブリは確認できたが実用上問題なかった;
△;目視観察でカブリは確認でき、実用上問題であった;
×;目視観察で多数のカブリが確認できた。
【0086】
カブリの評価結果を以下に示す。
【表7】
【0087】
(キャリア付着)
B/W比15%の画像をN/N(25℃、50%)環境下で15万枚複写し、初期(0枚)、1万枚、3万枚、5万枚、8万枚、10万枚および15万枚複写時の現像剤におけるキャリア消費量を求め、複写1000枚あたりのキャリア消費量を算出し、以下のランク付けに従って評価した。なお、それぞれの複写枚数複写時の現像剤におけるキャリア消費量は、当該現像剤を焙焼にかけて残留磁性粒子重量からキャリア重量を算出し、当該キャリア重量を、装填された現像剤に含まれるキャリア重量から減じることによって求めた。また、B/W比15%の画像をH/H(30℃、80%)環境下で16万枚複写し、6万枚、11万枚および16万枚複写時のキャリア付着についても同様に評価した。
◎;複写1000枚あたりのキャリア消費量は80mg未満であった;
○;上記キャリア消費量は80mg以上120mg未満であった;
△;上記キャリア消費量は120mg以上150mg未満であった;
×;上記キャリア消費量は150mg以上であった。
【0088】
キャリア付着の評価結果を以下に示す。
【表8】
【0089】
(実験例2)
キャリアの製造例(表面固着型キャリアおよびコート型キャリア)
(キャリア母材I)
・ポリエステル樹脂(花王社製) 100部
(軟化点(Tm)125℃、ガラス転移点(Tg)66℃)
・磁性粒子(MFP-2;TDK社製) 300部
・カーボンブラック(♯970;三菱化学社製) 2部
・シリカ(♯200;日本アエロジル社製) 1部
上記成分をヘンシェルミキサーで十分混合した後、ベント2軸押し出し混練機(PCM-65;池貝鉄工(株)社製)により180℃で溶融混練し、フェザーミルにて粗粉砕し、機械式粉砕機(ACM-10型;ホソカワミクロン(株)社製)により微粉砕し、風力分級機(MS-1型;ホソカワミクロン(株)社製)により分級を行った後、さらにサフュージングシステム(SFS-2型;日本ニューマチック工業(株)社製)により300℃で加熱処理を行い、平均粒径30μmのキャリア母材を得た。ここで得られたキャリア母材をキャリア母材Iとする。
【0090】
(キャリア母材II)
磁性粒子としてMFP-2の代わりにRB-BL(チタン工業社製)を用いたこと、カーボンブラックとして♯970の代わりにケッチェンブラックEC(ライオン油脂社製)を用いたこと、およびシリカの添加量を1.5部に変更したこと以外、キャリア母材Iの製造方法と同様にして、平均粒径35μmのキャリア母材IIを得た。
【0091】
(キャリア31)
キャリア母材Iに対して磁性粒子F0.5重量%を添加し、メカノフュージョンシステムオングミル(ホソカワミクロン社製)を用いてローター回転数1500rpmで10分間混合処理し、キャリア母材表面に磁性粒子が固着されたキャリア31を得た。
【0092】
(キャリア32〜36、41および43)
表記したキャリア母材および磁性粒子を表記した量だけ用いたこと以外、キャリア31の製造方法と同様にしてキャリア32〜36、41および43を得た。製造条件を以下の表に示す。なお、キャリア43としては、キャリア母材IIをそのまま用いた。
【0093】
【表9】
表中、RB-BLは鉄以外の金属を含有しないマグネタイト(RB-BL;チタン工業社製)を意味する。
【0094】
(キャリア37)
ポリエステル樹脂(花王社製、Tm120℃、Tg65℃)1部を溶剤に溶解し、これに磁性粒子F0.5部を投入、混合して磁性粒子含有の樹脂溶液を作製した。次に、スピラコータ(岡田精工社製)にキャリア母材II100部を投入し、上記樹脂溶液を噴霧し、磁性粒子含有樹脂溶液を被覆されたキャリア37を得た。磁性粒子の添加量はキャリア母材に対して0.5重量%であった。また、キャリア37の平均粒径は37μmであった。
【0095】
(キャリア38〜40および42)
表記したキャリア母材、磁性粒子および被覆樹脂を表記した量だけ用いたこと以外、キャリア37の製造方法と同様にしてキャリア38〜40および42を得た。製造条件を以下の表に示す。得られたキャリアの平均粒径もまとめて示す。
【0096】
【表10】
【0097】
表中、RB-BLはマグネタイト(鉄以外の金属を含まない)(RB-BL;チタン工業社製)を意味する。ポリエステル樹脂はポリエステル樹脂(花王社製、Tm120℃、Tg65℃)を、スチレンアクリル樹脂はスチレン−アクリル樹脂(三井化学社製、Tm117℃、Tg67℃)を意味する。
【0098】
参考例13〜22および比較例7〜9
キャリアと、実験例1で使用したトナーを、トナー:キャリアの重量比が15:85となるように調合し、ロールミルで1時間混合して現像剤を得た。それぞれの実施例および比較例において使用されたキャリアは以下の通りである。
【0099】
【表11】
【0100】
評価
得られた現像剤を、図1に概略的に示す構成を有する現像装置を搭載した複写機(CF-70;ミノルタ社製)に装填し、以下に従って評価した。装置の設定条件等は実験例1においてと同様である。
(帯電量推移)
B/W比15%の画像をN/N(25℃、50%)環境下で15万枚複写し、初期(0枚)、1万枚、3万枚、5万枚、8万枚、10万枚および15万枚複写時の現像剤におけるトナー帯電量を測定した。また、B/W比15%の画像をH/H(30℃、80%)環境下で16万枚複写し、6万枚、11万枚および16万枚複写時の現像剤におけるトナー帯電量も測定した。
【0101】
帯電量(μC/g)を測定するにあたっては、図2に示す装置を用いた。詳しくは、まず、精密天秤で計量した現像剤1gを導電性スリーブ(1)の表面全体に均一になるように載せると共に、この導電性スリーブ(1)内に設けられたマグネットロール(2)の回転数を1000rpmにセットした。そしてバイアス電源(3)よりバイアス電圧をトナーの帯電電位と逆に3kV印加し、30秒間上記導電性スリーブ(1)を回転させ、この導電性スリーブ(1)を停止させた時点での円筒電極(4)における電位Vmを読み取るとともに、円筒電極(4)に付着したトナーの重量を精密天秤で計量して、トナーの平均帯電量(μC/g)を求めた。
【0102】
帯電量の測定結果を以下に示す。
【表12】
【0103】
(カブリ)
実験例1で行ったカブリの評価方法と同様にして、カブリを評価した。なお、ここでH/H環境とは30℃、80%を指すものとする。
【0104】
カブリの評価結果を以下に示す。
【表13】
【0105】
(キャリア付着)
実験例1で行ったキャリア付着の評価方法と同様にして、キャリア付着を評価した。なお、ここでH/H環境とは30℃、80%を指すものとする。
【0106】
キャリア付着の評価結果を以下に示す。
【表14】
【0107】
本明細書中、キャリアの平均粒径の測定は、コールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)を用い、280μmのアパチャーチューブで粒径別相対重量分布を測定することにより行った。なお、トナーの平均粒径の測定では100μmのアパチャーチューブを使用した。
【0108】
【発明の効果】
本発明のキャリア、2成分現像剤または画像形成方法を用いることにより、長期の連続複写によってもキャリア付着やトナー帯電能の低下が起こらず、複写画像上にボイドやカブリを生じないという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のキャリアを用いた現像剤を使用することができる現像装置の一例の概略構成図を示す。
【図2】 帯電量測定装置の概略構成図を示す。
【符号の説明】
1;導電性スリーブ、2;マグネットロール、3;バイアス電源、4;円筒電極、10;現像装置、11;現像剤搬送部材(現像スリーブ)、11a;マグネットローラ、12;現像バイアス電源、13;規制部材、13a;磁性ブレード、14;トナー収容部、15;補給ローラ、16;アジテータ、22;感光体。
Claims (6)
- 磁性粒子をバインダー樹脂中に分散してなるバインダー型キャリアであって、該磁性粒子が表面に鉄以外の金属を含有しているマグネタイト粒子であり、マグネタイト粒子が3級アミン化合物により表面処理されていることを特徴とするキャリア。
- 鉄以外の金属が、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、ケイ素、ニッケル、コバルト、銅、カドミウムからなるグループから選択される1または2以上の金属である請求項1に記載のキャリア。
- マグネタイト粒子がキャリア表面に露出していることを特徴とする請求項1または2に記載のキャリア。
- バインダー樹脂がアミノ基含有スチレン−アクリル樹脂およびシリコーン変性アクリル樹脂からなり、シリコーン変性アクリル樹脂を構成するモノマーが未反応で当該シリコーン変性アクリル樹脂に対して3〜50重量%含まれていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のキャリア。
- 請求項1〜4いずれかに記載のキャリアとトナーからなる2成分現像剤。
- 磁力作用により現像剤を感光体に供給し、感光体表面に形成された静電潜像を現像することを含み、現像剤が請求項5に記載の2成分現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
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