JP2006091381A - 電子写真用キャリアおよび電子写真用現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 キャリアのコーティング樹脂中のカーボンナノチューブを高分散な状態に維持し、高耐久性を有する電子写真用キャリアおよび電子写真用現像剤を提供する。
【解決手段】 コーティング樹脂で表面をコーティングした電子写真用キャリアであって、前記コーティング樹脂中に、少なくともカップリング処理を施したカーボンナノチューブを含有したことを特徴とする電子写真用キャリアである。
また、トナーとキャリアとを含有する電子写真用現像剤であって、前記キャリアが上記電子写真用キャリアであることを特徴とする電子写真用現像剤である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プリンタ、複写機、FAX等の画像形成装置に使用される電子写真用キャリアおよび電子写真用現像剤に関する。
従来、電子写真法としては、例えば、特許文献1等に記載された方法が周知である。これは一般には光導電性絶縁体である感光体(フォトコンドラム等)を利用し、コロナ放電等によりこの感光体上に一様な静電荷を与える。この感光体上に様々な手段により光像を照射することによって、静電潜像を形成する。次いで、上記潜像をトナーと呼ばれる微粉末を用いて前記静電潜像を可視像(トナー像)化する。このトナー像を必要に応じて紙等に転写した後、加圧、加熱、溶剤蒸気、光等の照射等の定着手段によって紙等の記録媒体上に定着させて複写物を得るものである。このような、電子写真技術を用いた画像形成装置としては、例えば、プリンタ、複写機、FAX等がよく知られている。
画像形成装置に用いる現像剤としては、トナー粒子のみからなるいわゆる1成分現像剤と、トナー粒子とキャリアとを含むいわゆる2成分現像剤が知られている。近年において、より高速に画像形成を行うことが可能な画像形成装置への要求が強く、そのためには2成分現像剤がより適している。
上記2成分現像剤は、一般に磁性を有するキャリア粒子と絶縁性のトナー粒子とから成っている。感光体上の静電潜像を現像する場合は、現像器内でキャリアとトナーとが攪拌されながらトナーのみが消費され、キャリアは繰り返し使用される。この攪拌でトナーがキャリアから所定の電荷を付与されるので感光体側に移動して、上記トナー像を形成することができる。しかし、この攪拌ストレスによって、トナーとキャリアとは、帯電と放電とのバランスが崩れ過剰帯電となったり、キャリア表面のコーティング樹脂の剥離や、トナーのキャリア表面へのフィルミングにより電気抵抗変化を招く場合がある。
トナーの現像性はトナーの電荷量と現像部における電界の強さに依存するため、トナーの帯電量が過剰に上昇すれば潜像を埋めるトナー数が減少するので、印字濃度が低下することになる。また、キャリア表面のコーティング樹脂の剥離やトナーによるフィルミングがあるとキャリアの電気的抵抗が上昇する。このような場合には現像電界が弱まり、現像性が下り、結果として印字濃度が低下することになる。このように、トナーとキャリアとの状態が悪くなり、印字濃度が許容以下になると2成分現像剤は交換することが必要となる。その一方で、1m/s以上のスピードで用紙を搬送し、1分間に150枚以上印刷を行うヘビーデューティな高速プリンタでは、メンテナンス性、ランニングコスト低減の点から2成分現像剤の交換周期をより長くすることへの要求が益々強くなっている。
カーボンナノチューブを添加したシリコーン樹脂コートキャリアとしては、特許文献2のような技術がある。しかし、カーボンナノチューブ自体をカップリング処理していないことで長寿命化できないことがわかった。そのために、カーボンナノチューブの樹脂分散性を向上させ、滑り性向上、導電性付与、高温高湿での耐吸水性向上により、キャリアの耐久性をアップさせることが最大の課題となる。
従来、例えば、特許文献3等に開示されるように、シリコーン樹脂をフッ素変性することで2成分現像剤の長寿命化を図る技術が開示されている。さらに、高速化を考えると、トナースペントしにくいキャリアが求められる。そこで、樹脂に分散性の良好なカーボンナノチューブを開発し、電子写真用キャリアのコート剤に添加できれば、高耐久のキャリアを提案することができる。
米国特許第2297691号公報 特開2004−45773号公報 特開2002−23429公報
以上から、本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、キャリアのコーティング樹脂中のカーボンナノチューブを高分散な状態に維持し、高耐久性を有する電子写真用キャリアおよび電子写真用現像剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明者らは、下記本発明に想到し当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の電子写真用キャリアは、コーティング樹脂で表面をコーティングした電子写真用キャリアであって、前記コーティング樹脂中に、少なくともカップリング処理を施したカーボンナノチューブを含有したことを特徴とする。
本発明の電子写真用キャリアは、下記第1〜3の態様のうち少なくともいずれか1の態様を備えることが好ましい。
(1)第1の態様は、前記コーティング樹脂中に、さらに導電性カーボンを含有する態様である。
(2)第2の態様は、前記カップリング処理を施すためのカップリング剤が、チタンカップリング剤である態様である。
(3)第3の態様は、前記カップリング処理を施したカーボンナノチューブの添加量が、前記コーティング樹脂100質量部に対し、10〜40質量部である態様である。
また、本発明の電子写真用現像剤は、トナーとキャリアとを含有し、前記キャリアが既述の本発明の電子写真用キャリアであることを特徴とする。
本発明によれば、キャリアのコーティング樹脂中のカーボンナノチューブを高分散な状態に維持し、高耐久性を有する電子写真用キャリアおよび電子写真用現像剤を提供することができる。
[電子写真用キャリア]
本発明の電子写真用キャリアは、コーティング樹脂でコア材の表面をコーティングした電子写真用キャリアである。そして、そのコーティング樹脂中に、少なくともカップリング処理を施したカーボンナノチューブが含有されている。
カーボンナノチューブは一般に、樹脂中で分散しにくい。しかし、本発明の電子写真用キャリアに含有されるカーボンナノチューブは、カップリング剤によりカップリング処理が施されているため、トナースペント性能を向上させ、大幅に耐久性を向上させることができる。また、樹脂中で高分散な状態を維持できる。
このようなカーボンナノチューブのカップリング処理には、チタネート系、シリコーン系又はアルミニウム系のカップリング処理剤を用いることができるが、特にチタン系のカップリング剤で処理するとその特性が顕著となりより好ましい。これは、チタンカップリング剤がカーボンナノチューブの表面になじみやすいことによると考えられる。
カップリング処理方法は、n−ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルムといった溶媒にカップリング剤を溶解してカップリング剤溶液を調製し、カーボンナノチューブに噴霧してもよいし、反対にその溶液にカーボンナノチューブを添加し、乾燥させてもよい。
上記カップリング処理(疎水化処理)のためのカップリング剤としては、以下のものを具体例として挙げることができる。まず、チタネート系カップリング剤として、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフエート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
また、シリコーン系カップリング剤として、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、P−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、P−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジベンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アルミニウム系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
カップリング剤溶液中の既述のようなカップリング剤の含有量は、0.1〜10質量%とすることが好ましい。
カーボンナノチューブは、例えば、昭和電工製のものを使用することができる。カーボンナノチューブは、樹脂に練り込むことですべり性を大幅に向上させる効果、導電性向上、耐吸水性向上の働きがあるが、樹脂に分散しにくいため、樹脂分散を向上させる目的でカップリング処理を行っている。カップリング処理で樹脂の濡れ性が向上し、分散が向上し、カーボンナノチューブ添加量が少なくても上記のような性能を十分に発揮することができる。
カップリング処理を施したカーボンナノチューブの添加量は、コーティング樹脂100質量部に対し、10〜40質量部であることが好ましく、12〜30質量部であることが好ましい。10〜40質量部とすることで、確実にカーボンナノチューブの添加効果を発揮させることができる。また、生産技術的な観点からも上記範囲とすることが好ましい。
次に、キャリアの本体である磁性粒子としてのコア材について説明する。
磁性粒子の材質としては、フェライト、マグネタイト、鉄粉等を用いることができるが、中でも、マンガンフェライトは磁力が高くほぼ真球形であるため、長寿命化の観点から有利である。特に、下記一般式(I)で示されるマンガンフェライトであることが好ましい。
(MnO)x(Fe23)y・・・(I)
[式(I)中のx,yはmol比を示し、かつ、条件x+y=100、x=10〜45を満足する。]
MnOのmol比xが10mol%未満であると、フェライト化反応後の安定性が悪くなる傾向があり、ストレス等により抵抗が変化して、現像性が劣ることがある。また、MnOのmol比xが45mol%を越えると、形状が悪くなり、現像器内でのストレス等によりトナーがキャリア表面に付着して、フィルミングによる抵抗変化を招き易くなるので好ましくない。
上記マンガンフェライトの製造方法としては、例えば、MnO換算で20mol%、Fe23換算で80mol%になるように、各原材料の金属酸化物、金属炭酸塩、金属水酸化物を適量配合し、水を加え、湿式ボールミルで10時間粉砕・混合し、乾燥させた後、950℃で4時間保持する。これを湿式ボールミルで24時間粉砕し5μm以下の粒径とする。このスラリーを造粒乾燥し、窒素雰囲気中、1300℃で6時間保持した後、解砕しさらに所望の粒度分布に分級して得ることができる。
磁性粒子の重量平均粒径は、30〜90μmであることが好ましく、50〜80μmのであることが好ましい。重量平均粒径が30μm未満であると、キャリア付着が発生し易くなり、また、90μmを越えると画像品質が劣化する傾向が現われることがある。キャリアはこのコア材に、公知の方法、例えば流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等により、樹脂をコーティングすることにより得ることができる。キャリア表面の被覆率をアップさせるためには、流動床による方法が推奨される。
コア材(磁性粒子)表面を被覆するために用いられるコーティング樹脂としては、各種の樹脂を用いることは可能である。例えば、フッ素系樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル・スチレン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂・ポリエステル樹脂・エポキシ樹脂・アルキッド樹脂・ウレタン樹脂等で変性した変性シリコーン樹脂および架橋型のフッ素変性シリコーン樹脂等が挙げられる。好ましくはシリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂が良く、さらに好ましくはフッ素変性シリコーン樹脂が良い。
コーティング樹脂の層の厚さは、0.1〜5μmであることが好ましく、1〜3μmであることがより好ましい。
コーティング樹脂中には、カップリング処理を施したカーボンナノチューブの他に、導電性カーボンを添加することが好ましい。導電性カーボンを含有させることで、抵抗の減少を防ぎ、印字濃度の低下を防止することができる。導電性カーボンの含有量は、コーティング樹脂100質量部に対し、5〜30質量部であることが好ましく、10〜20質量部であることがより好ましい。導電性カーボンと共にシリカ、チタンを併用することができる。
さらに、必要に応じて荷電制御剤、抵抗制御剤等を添加しても良い。シリコーン樹脂の例としては、例えば下記(II)または(III)で示される繰り返し単位を有するものなどが挙げられる。
Figure 2006091381
(但し、R1,R2,R3は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、C1〜4のアルキル基、フェニル基等の有機基である)
また、フッ素変性シリコーン樹脂の例としては、例えば、上記(II)、(III)とパーフロロアルキル基含有の有機ケイ素化合物を加水分解させて得られる架橋型フッ素変性シリコーン樹脂などが挙げられる。
パーフロロアルキル基含有の有機ケイ素化合物の例としては、CF3CH2CH2Si(OCH33、C49CH2CH2Si(CH3)(OCH32、C817CH2CH2Si(OCH33、C817CH2CH2Si(OC253、(CF32CF(CF28CH2CH2Si(OCH33等が挙げられる。
このような樹脂の被覆量としては、キャリアコア材に対して0.05〜10.0wt%が好ましく、特に0.5〜7wt%が好ましい。0.05wt%未満ではキャリア表面に均一な被覆層を形成することが難しくなることがあり、10.0wt%を越えるとキャリア同士の凝集が過度に発生してしまうことがある。
樹脂をコア材に被覆後、焼き付けする場合は、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれを用いてもよい。例えば、固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉、又はマイクロウェーブによる焼き付けを用いてもよい。焼き付けの温度は用いる樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度が必要である。熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、十分に硬化が進む温度まで上昇させることが必要である。例えば、シリコーン樹脂の場合、200〜300℃の温度で物温を30分程度保持する。
このようにして、コア材の表面に樹脂を被覆、焼き付けされた後、冷却され、解砕、粒度調整を経て樹脂コーティング済のキャリア粒子が得られる。
また、解砕処理の後に、コート膜表面の粗れやバリを除去したり、コーティングにより凝集したキャリア粒子の解しをより十分に行うために、後処理を行うこともできる。後処理の方法はキャリア粒子に機械的ストレスを与えることがきるものであればよく、周知の方法が使用できる。例えば、ナウターミキサ、ボールミル、バイブロミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、前述したキャリアの凝集度を変化させる方法としては種々の方法があるが、例えば、コーティング、焼き付け後に機械的ストレスによる後処理を行い、凝集した粒子を解す方法がある。また、単位時間あたりに噴霧するコーティング剤の量を変化させることで凝集度を変えることができる。さらに、コーティング樹脂の種類、希釈溶媒の種類によって、コーティング剤の乾燥速度が変更でき、それらによっても凝集度を変えることができる。
また、コーティング樹脂の硬化度合を変化させる方法としても種々の方法があるが、例えば、キュア温度、キュア時間によって変えることができ、コーティング樹脂の種類、架橋剤や硬化触媒の種類、添加量によっても変えることができる。
また、被覆率については、例えば、コア材表面性状、コア材形状、コーティング量や単位時間あたりに噴霧するコーティング剤の量、あるいは機械的ストレスによる後処理条件によって変えることができる。
[電子写真用現像剤]
本発明の電子写真用現像剤は、トナーとキャリアとを含有し、当該キャリアが既述の本発明の電子写真用現像剤である。
以下、本発明の電子写真用現像剤で使用可能な上記トナーについて説明する。本発明の電子写真用キャリアと組合わせて使用することができるトナーとしては、以下のビスフェノールAをアルコール側の成分とし、そのアルキレンオキサイド付加物を含むバインダを用いたポリエステル系トナーが推奨される。このようなトナーはキャリア粒子への耐フィルミング性に優れている点で好ましい。
トナーは、粉砕法等の公知の方法で製造できる。例えば、バインダ樹脂、着色剤、帯電制御剤等を、例えば、加圧ニーダ、ロールミル、エクストルーダ等により、溶融混練して均一分散し、冷却後に、ジェットミル等により微粉砕化し、分級機、例えば、風力分級機等により分級して所望の粒径のトナーを得ることができる。構成成分としては、熱可塑性バインダ樹脂、カーボンブラック、帯電制御剤等から成り、必要に応じて、ワックス、磁性粉、粘性調整剤、その他の添加剤を含ませても良い。
また、トナーは、着色剤や添加剤等とバインダー樹脂のモノマーを水媒体中で分散させながら重合して製造することも可能である。当該製造方法としては、一段階の反応でトナーサイズの粒子を形成し、形状が球形となる懸濁重合法と、重合した微粒子をいくつか凝集させてトナーサイズとする乳化重合法とがある。
上記バインダ樹脂としては、前記樹脂を単独で用いることができるが、ポリエステルのほかにスチレンアクリル、ポリエーテルポリオール、ウレタン、シリコーン等の樹脂を必要に応じて、2種類以上併用することもできる。
なお、トナーは帯電制御剤を含有することが好ましく、ニグロシン、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、キレート錯体等を用いることができる。トナーの重量平均粒径は、5〜13μmの範囲が好ましい。また、外添剤として、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素微粒子、アクリル微粒子等を併用して用いることもできる。シリカ微粉末としては、TG820(キャボット社製)、HVK2150(クラリアント社製)等の市販品が使用できる。
本発明の電子写真用キャリアとトナーとからなる本発明の電子写真用現像剤中のトナー濃度は、1〜10質量%であることが好ましく、2〜6質量%であることがより好ましい。電子写真用キャリアとトナーとの混合は、ナウターミキサ等で行うことができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に述べるが、本発明はこれによって限定されるものではない。
[トナーの製造]
下記表1に示す組成に基づき、各色のトナー組成物をヘンシェルミキサーに投入し、予備混合を行った後、PCM−30(混練機、池貝製)により溶融混練し、ついでハンマーミルにて粗粉砕し、ジェットミルにて微粉砕して気流分級機にて分級を行い、平均粒子径8μmのトナー(イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、モノクロトナー)を得た。
Figure 2006091381
[キャリアの製造]
(キャリア1の製造(カーボンナノチューブなし))
MnO換算で20mol%、Fe23換算で80mol%になるように各原材料を配合し、水を加え、湿式ボールミルで10時間粉砕・混合し乾燥させ、950℃で4時間保持した後、湿式ボールミルで24時間粉砕を行ったスラリーを造粒乾燥し、窒素雰囲気中で1300℃で6時間保持した後、解砕し粒度調整を行いマンガンフェライト粒子(コア材)を得た。このマンガンフェライト粒子は、印可磁場が3000エルステッドの時の磁化が95emu/gであった。
次に、15%のトリフロロプロピル基を含有する架橋型フッ素変性シリコーン樹脂を固形分換算で200g秤量し、1000mlのトルエン溶剤に溶解させ、導電性カーボン(ライオン社製ケッチェンブラックEC600JD、BET比表面積1270m2/g)を樹脂固形分に対し15質量%となるようにパールミルにて分散した。
マンガンフェライト粒子10kgに対し、上述のカーボンを分散させたコーティング樹脂溶液を流動床コーティング装置を用いコート時間が1時間になるように単位時間あたりの噴霧量を調整し、コーティングを行った。その後270℃で1時間焼き付けを行い、解砕処理、振動型ミルにて30分間後処理を行い、キャリア1を得た。
(キャリア2〜8およびキャリア9の製造(カーボンナノチューブ入り))
上記「キャリア1の製造」で使用した架橋型フッ素変性シリコ−ン樹脂に対し、5質量%のチタンカップリング剤を含有する処理液(溶媒は、n−ヘキサン)により、カップリング処理を行ったカーボンナノチューブを下記表2の量で分散させた以外は、「キャリア1製造」と同様の工程でコーティングを行い、キャリア2〜9を得た。なお、キャリア9の場合は、チタンカップリング剤でなく、シランカップリング剤を使用した。
ここで、カップリング処理方法を以下に説明する。
まず、カップリング剤0.02g、n−ヘキサン500gからなる溶液を攪拌しながら粒状のカーボンナノチューブ(VGCF−G,昭和電工製)20gを加え、さらに1時間攪拌を続けた。その後、溶液を濾過し、100℃で3時間加熱乾燥することによってカップリング剤で表面に疎水処理を施したカーボンナノチューブ微粒子を得た。
(キャリア10の製造)
上記「キャリア1の製造」で使用した架橋型フッ素変性シリコ−ン樹脂に対し、5質量%のチタンカップリング剤を含有する処理液(カップリング剤0.02g、n−ヘキサン500gからなる溶液)と、カップリング処理を行っていないカーボンナノチューブ20gとを混合し、1時間攪拌を続けた。その後、導電性カーボン(ライオン社製ケッチェンブラックEC600JD、BET比表面積1270m2/g)を樹脂固形分に対し15質量%となるようにパールミルにて分散した。その後は、「キャリア1の製造」と同様にして、キャリア10を作製した。
[現像剤の製造]
トナー6質量部、各キャリア94質量部の比率で2時間、10リットルのボールミルにて混合し、各現像剤7kgを製造した。キャリア1,8,10を使用した現像剤をそれぞれ比較例1〜3とし、キャリア2〜7および9を使用した現像剤を実施例1〜7とした。
[フラッシュプリンタによる印刷試験]
実施例1〜7および比較例1〜3の現像剤について、フラッシュプリンタによる印刷試験を行った。試験方法としては、実施例および比較例のそれぞれの現像剤を使用し、画像形成装置を用いて、印刷試験を行い、帯電量が初期の値から10μC/g以上低下した場合をキャリアの寿命と判断し、その寿命となったときまでの印刷枚数を調べた。結果を下記表2および図1に示す。
Figure 2006091381
なお、印刷試験に用いた画像形成装置は、光定着器として700〜1500nmの波長範囲に高い発光強度を有するキセノンフラッシュランプを搭載した商品番号CF1100のプリンタ(富士ゼロックス製)で、4連タンデムカラー機にし、フラッシュ定着の発光強度を4J/cm2に改造した改造機である。
当該改造機の概略構成を図2に示す。画像形成装置10は、ロール状に巻かれた記録媒体Pを紙送りローラ28によって矢印方向に送るようにし、このように送られる記録媒体Pの片面側上に、この記録媒体Pの送り方向上流側から下流側に向けて、並列して4つの画像形成ユニット12(ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C))が設けられ、さらに、当該画像形成ユニット12の下流側にフラッシュ定着方式の定着器26が設けられている。
ブラック用画像形成ユニット12Kは、公知の電子写真方式の画像形成ユニットである。具体的には、感光体14Kの周辺に、帯電器16K、露光手段18K、現像器20K、クリーナ22Kが設けられ、記録媒体Pを介して転写器24Kが設けられている。他のイエロー用、マゼンタ用、シアン用画像形成ユニット12Y、12M、12Cについても同様である。
図2に示す画像形成装置10では、ロール状態から引き出された記録媒体P上に、各画像形成ユニット12K、12Y、12M、12Cにより電子写真方式でトナー画像が順次転写され、当該トナー画像に定着器26により光定着が施されて、画像が形成される。
比較例1〜3の現像剤は、いずれもキャリア寿命が100万枚程度であった。比較例3では、カップリング剤を含有して入るものの、カーボンナノチューブだけを効率よくカップリングしていないため、キャリア寿命があまり高くならなかったと考えられる。これに対し、カップリング処理したカーボンナノチューブをコーティング樹脂中に含有するキャリアを用いることで、大幅な長寿命化が確認できた。特に、カップリング処理を施したカーボンナノチューブを12質量%以上含有する現像剤では、当該カーボンナノチューブの添加効果が顕著に見られた。
カーボンナノチューブの添加量とキャリア寿命との関係を示す図である。 画像形成装置の概略構成図である。
符号の説明
10 画像形成装置
12 画像形成ユニット
14 感光体
16 帯電器
18 露光手段
20 現像器
22 クリーナ
24 転写器
26 定着器
28 紙送りローラ
P 記録媒体

Claims (5)

  1. コーティング樹脂で表面をコーティングした電子写真用キャリアであって、
    前記コーティング樹脂中に、少なくともカップリング処理を施したカーボンナノチューブを含有したことを特徴とする電子写真用キャリア。
  2. 前記コーティング樹脂中に、さらに導電性カーボンを含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用キャリア。
  3. 前記カップリング処理を施すためのカップリング剤が、チタンカップリング剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用キャリア。
  4. 前記カップリング処理を施したカーボンナノチューブの添加量が、前記コーティング樹脂100質量部に対し、10〜40質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用キャリア。
  5. トナーとキャリアとを含有する電子写真用現像剤であって、前記キャリアが請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用キャリアであることを特徴とする電子写真用現像剤。
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