JP2019074676A - キャリア、現像剤、現像剤収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

キャリア、現像剤、現像剤収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な抵抗制御及び帯電制御が得られ、現像領域に安定した現像剤量を供給することが可能であり、低温定着トナーを使用した高速機においても高画像面積率、低画像面積率の印字密度での連続通紙を可能にするキャリアを提供する。【解決手段】芯材粒子と、該芯材粒子の表面を被覆する樹脂層とを有するキャリアであって、前記樹脂層は、少なくとも2種類の微粒子を含有し、該微粒子のうちの1つが硫酸バリウム粒子であり、前記キャリアを共焦点顕微鏡で測定したときの表面粗さRzが2.6μm以上3.6μm以下であることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、キャリア、現像剤、現像剤収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナーを付着させてトナー像を形成した後、トナー像を記録媒体に転写し、定着され、出力画像となる。近年、電子写真方式を用いた複写機やプリンタの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。
フルカラー画像形成では、一般に、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はこれに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行う。したがって、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、定着されたトナー像の表面を平滑にして光散乱を減少させる必要がある。このような理由から、従来のフルカラー複写機等の潜像画像には、トナー像の平滑性達成のため静電潜像のトナー付着量を多くして高光沢を実現させるものが多かった。そのため、長期印刷の際には劣化したトナーがキャリア表面に付着するトナースペントが問題になっている。トナースペントによるキャリア劣化の中で問題になるのが、キャリア抵抗の上昇とキャリア帯電能力の低下である。キャリアの帯電能力が低下した場合には、静電引力によってトナーを保持しにくくなり、現像機内にトナーを飛散させてしまう、いわゆるトナー飛散が発生し、機内を汚染することでセンサー誤検知などの不具合原因となる。
また、近年市場が拡大しているプロダクションプリンティングの分野では、これまで以上の高画質化が求められている。さらに、高速現像を行うことにより、現像機内部で強いストレスを受け、キャリア被覆樹脂が摩耗し芯材が露出することで、キャリアが静電潜像担持体上に転移する、いわゆるキャリア付着が発生し、画像端部や中央部に白抜けとして現れるという不具合が発生する。近年、この問題に対する要求はさらにシビアになりつつある。
一方で、キャリア付着防止のため、キャリア抵抗を初期の段階から高いレベルで設計することで抵抗を高い水準で維持させることは可能ではあるが、その際にはキャリア表面の帯電が現像直後で適切にリークせず、例えばハーフトーンを印字する際に端部が薄くなるという不具合が生じる。
以上のことから、キャリアの抵抗としては被覆樹脂中に導電性物質と帯電性物質を併せて含有することで、適切な水準に抵抗と帯電を維持させることが、高品質の安定化には必要不可欠である。
前記技術構想を達成すべく、さまざまな試みが行われている。例えば特許文献1では、キャリア被覆樹脂に非相応の複数の樹脂を用いることで被覆層中の導電性微粒子を偏在させ、キャリア被覆樹脂の耐スペント性を生かし、かつ、導電性微粒子によるキャリアの低抵抗化を実現させている。
しかしながら、プリント速度の高速化に伴い、被覆樹脂によるトナースペントを抑制する効果だけでは足りず、印刷枚数とともに抵抗は上昇し、ハーフトーンを印字する際に端部が薄くなるという不具合を避けられない。
また、トナースペントによる帯電能力低下に対して、特許文献2では、金属酸化物導電性粒子である第一の導電性粒子と、金属酸化物粒子及び/又は金属塩粒子の表面が導電処理されている第二の導電性粒子を含むコート層を有するキャリアが開示されている。特許文献2では、高画像面積でトナーを収支させたときにキャリアの帯電能力の低下に対して一定の効果が期待できる。
しかしながら、トナー外添剤が多いトナーを使用した場合、高画像面積で連続通紙を行うと、やはり帯電低下が生じ、効果が充分であるとはいえなかった。
これを受けて、特許文献3や特許文献4にはコート膜中に硫酸バリウムを含み、XPSにより測定した全元素に対するBa/Si比が0.01〜0.08であるキャリアが開示されている。また、特許文献5には硫酸バリウムを基材として使用した実施例が記載されている。また、特許文献6には被覆層に所定の量の金属酸化物導電性粒子(I)及びそれ以外の金属酸化物または金属塩または両方(II)とを含むことが記載され、例として硫酸バリウムが挙げられている。これらの発明では、より高画像面積でトナーを収支させたときにおけるキャリアの帯電能力の低下に対して効果が期待できる。
しかしながら、近年は消費電力低減のためにトナーが低温定着化する傾向にあり、また、プリント速度の高速化も相まって、キャリアへのトナースペントが一段と生じやすくなっている。さらに、高画質化の要求からトナーは多くの添加剤を含有する傾向にあり、これらがキャリアにスペントして、トナー帯電量の低下、トナー飛散及び地肌汚れに対する余裕度が低下しているのが現状である。また、トナーの低温定着化のために荷電微粒子等の量を減らしているため、補給時のトナーが現像剤に十分に混ざらないために帯電せず、トナー飛散してしまうといった問題も発生している。
こういった新たな問題に対しては、上記のような硫酸バリウムを酸化スズなどの物質で覆った微粒子では十分な効果を発揮できていない。そこで、特許文献7には被覆樹脂最表面に硫酸バリウムを含有するキャリアが開示されており、所期の効果が期待されている。
しかしながら、特許文献7では、被覆層に対して大粒の絶縁性の硫酸バリウム粒子を使用するため、導電性粒子によってキャリアを低抵抗化しにくくなる。その結果、抵抗調整用のフィラーが増加することで、粒子の投入量が増加し、被覆層の形成に悪影響を与えてしまう。このため、低抵抗領域や経時帯電性を高めた場合の粒子投入量が多くなるケースにおいては、キャリア付着などの不具合が発生する。
本発明は、上記諸問題を鑑み、良好な抵抗制御及び帯電制御が得られ、現像領域に安定した現像剤量を供給することが可能であり、低温定着トナーを使用した高速機においても高画像面積率、低画像面積率の印字密度での連続通紙を可能にするキャリアを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、芯材粒子と、該芯材粒子の表面を被覆する樹脂層とを有するキャリアであって、前記樹脂層は、少なくとも2種類の微粒子を含有し、該微粒子のうちの1つが硫酸バリウム粒子であり、前記キャリアを共焦点顕微鏡で測定したときの表面粗さRzが2.6μm以上3.6μm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、良好な抵抗制御及び帯電制御が得られ、現像領域に安定した現像剤量を供給することが可能であり、低温定着トナーを使用した高速機においても高画像面積率、低画像面積率の印字密度での連続通紙を可能にするキャリアを提供することができる。
樹脂層に含有される微粒子の状態を模式的に説明するための図(A)及び(B)である。 樹脂層に含有される微粒子の状態を模式的に説明するための他の図(A)及び(B)である。 本発明のキャリアの体積固有抵抗を測定する際に用いられるセルを示す図である。 本発明で用いるプロセスカートリッジの一例を示す図である。
以下、本発明に係るキャリア、現像剤、現像剤収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
(キャリア)
本発明は、芯材粒子と、該芯材粒子の表面を被覆する樹脂層とを有するキャリアであって、前記樹脂層は、少なくとも2種類の微粒子を含有し、該微粒子のうちの1つが硫酸バリウム粒子であり、前記キャリアを共焦点顕微鏡で測定したときの表面粗さRzが2.6μm以上3.6μm以下であることを特徴とする。
本発明のキャリアは電子写真法、静電記録法に使用される静電潜像現像用キャリアとして用いることができ、本発明によれば、プロダクションプリンティングの分野において求められる画質に対して十分な抵抗制御及び帯電制御が可能となる。また、現像領域に安定した現像剤量を供給することが可能であり、低温定着トナーを使用した高速機においても高画像面積率、低画像面積率の印字密度での連続通紙を可能にすることができる。
以下詳細を説明する。
<樹脂層>
<<微粒子及び表面形状>>
本発明では、樹脂層(被覆層、被覆樹脂層などとも称することがある)中に少なくとも2種類の微粒子を含有し、前記微粒子のうちの1つが硫酸バリウム粒子であることが非常に重要である。硫酸バリウムはトナーの帯電性を高くでき、キャリア表層に硫酸バリウムが存在することで長時間の画像出力後も、帯電性を保つことができる。
加えて、本発明のキャリアは、共焦点顕微鏡で測定したときの表面粗さRzが2.6μm以上3.6μm以下であることが非常に重要である。
樹脂層に硫酸バリウム粒子と導電性微粒子の2種類を含有させる場合、帯電性の硫酸バリウムが導電の阻害となるため、同じ抵抗水準に合わせようとしたとき、硫酸バリウムが導入されている場合は硫酸バリウムが導入されていない場合に比べて、導電性微粒子の導入量が多くなる。この導電性微粒子が帯電性ではない場合は、キャリアの最表層の帯電性成分が減るため、導入する導電性微粒子が多いほど、帯電性保持能力が低下する。すなわち、抵抗を低抵抗領域に調整しながら十分な帯電保持能力をもたせる場合には、硫酸バリウム粒子と導電性微粒子の導入総量が非常に多くなってしまい、樹脂層中を占める微粒子体積割合が増大する。
そのような樹脂層を形成するために、流動床を用いたスプレーコーティングを行うと、希釈溶媒を十分に用いた場合でも塗膜時のレベリング性が低下し、表面凹凸が大きい塗膜が形成されて膜が脆化する他、結着樹脂量が不足することによる微粒子脱離が発生してしまう。加えて、投入する微粒子の量が増大することにより、原材料コストが増大してしまうケースが多い。
本発明における樹脂層は、単層であってもよいし、複数の層であってもよい。中でも、内層と外層からなる2層の構成であることが好ましい。
樹脂層が単層である場合の製造方法としては、例えば、硫酸バリウム粒子と硫酸バリウム粒子以外の微粒子を含む樹脂層形成用塗布液を芯材粒子に塗布乾燥させて樹脂層を形成する方法が挙げられる。
樹脂層が2層構成である場合、例えば、硫酸バリウム粒子以外の微粒子を含む内層形成用塗布液を芯材粒子に塗布乾燥させ、内層を形成した後に、硫酸バリウム粒子を含む外層形成用塗布液を塗布乾燥させて外層を形成することにより、樹脂層を形成することができる。なお、上記塗布乾燥は公知の方法により行うことができる。
以下、2層構成の場合の例を挙げて説明するが、これに限られるものではない。
2層構成である場合、外層の厚みが導入する粒子径に対して薄くなりすぎないことが重要である。ここで、樹脂層に含有される微粒子(ここでは硫酸バリウム粒子)の状態を模式的に説明するための図を図1、図2に示す。図1及び図2では、外層21及び内層22からなる樹脂層が例示されており、樹脂層に含有された硫酸バリウム粒子20が図示されている。なお、図1及び図2は模式的に説明するための図であり、硫酸バリウム粒子20の粒子径や樹脂層の厚みは実際のものとは異なることがある。
図1(A)では、外層21の厚みが硫酸バリウム粒子20の粒子径に対して小さくなっており、外層に導入された硫酸バリウム粒子20が樹脂層に接着する面(図中太線)が十分確保されていないため、外層の硫酸バリウム粒子20が脱離してしまう可能性がある。外層の粒子が脱離すると脱離した粒子の帯電機能が失われる他、その部分の剛性が失われ、強いハザードがかかる場合には削れがその部分において優先的に進行し、芯材の露出が生じる。なお、図1(A)では、外層21の厚みと内層22の厚みの比率は、おおよそ外層21の厚み:内層22の厚み=3:7としている。
図1(B)は、外層21の厚みと内層22の厚みが図1(A)と同じ比率であるが、樹脂層全体の厚みが図1(A)よりも小さい場合の例である。図1(B)では上記同様外層21の硫酸バリウム20が脱離する他、埋没している内層22の粒子すら十分な接着面が確保できず、強いハザードによって削れが進行した場合に硫酸バリウム粒子20が樹脂層から脱離し、芯材粒子の露出が生じてしまう(図の破線部分)。
一方、図2は図1に対して外層21の厚みと内層22の厚みの比率を変更した場合の例である。図2において、外層21の厚みと内層22の厚みの比率は、おおよそ外層21の厚み:内層22の厚み=8:2としている。
図2(A)では、外層21が硫酸バリウム粒子20の粒子径に対して充分な厚みとなっており、図示されるように、微粒子20が樹脂層に接着する面が十分に確保され、硫酸バリウム粒子20の脱離が生じにくくなる。
また、図2(B)は、外層21の厚みと内層22の厚みが図2(A)と同じ比率であるが、樹脂層全体の厚みが図2(A)よりも小さい場合の例である。外層のフィラーが十分な接着量を得られない場合は、削れが進行するとともにフィラー脱離が発生するが、図2(B)では芯材との間に内層22が存在し、芯材露出の進行を抑制することができる。
従って、上述したように、硫酸バリウム粒子の粒子径、樹脂層の厚み、外層と内層の厚みの比率を適宜調整し、硫酸バリウム粒子の脱離をより抑制できる関係にすることが好ましい。外層の厚みと内層の厚みを調整する方法としては、適宜変更することができる。例えば、樹脂層を形成する際に塗布する外層形成用塗布液と内層形成用塗布液の固形分濃度を適宜調整し、成膜後における外層と内層の固形分体積割合を変更することが挙げられる。外層と内層の固形分体積割合としては、6:4〜9:1が好ましい。
本発明者等は、硫酸バリウム粒子の脱離を抑制できる構成について更に検討を進めたところ、キャリアの表面凹凸が所定の形状を満たす場合に所期の効果が得られることがわかった。しかし、キャリアの表面凹凸の形状を規定するにあたり、例えばBETによる方法等が考えられるが、BETによる方法では芯材粒子の中空形状に影響され、上記諸問題を解決できるような形状や数値範囲を規定することが困難であった。そのため、更に検討を進め、共焦点顕微鏡で測定したときの表面粗さRzを用いることにより、上記諸問題を解決できるような表面粗さRzの範囲を規定できることがわかった。
なお、以下、「表面粗さRz」、「Rz」と表記することがあるが、特に断りのない限り、共焦点顕微鏡で測定したときのキャリアの表面粗さRzを意味する。
共焦点顕微鏡で測定したときのキャリアの表面粗さRzが3.6μm以下であることにより、含有したフィラーが経時印刷ストレスによって脱離することを抑制でき、部分的に芯材が露出することで抵抗が低下してベタキャリア付着が生じてしまうことを防ぐことができる。
また、Rzが2.6μm以上であることにより、硫酸バリウム粒子は樹脂層において凸の状態で存在することができる。凸となった硫酸バリウム表面は現像器内において、トナー、キャリア、現像スクリュ等との摩擦によって、常にストレスが与えられる。このため、一時的にトナー樹脂やワックス、添加剤などがスペントしても、すぐに上記ストレスによって削られ、硫酸バリウムが露出した状態を保ちやすくなる。
一方、表面粗さRzが3.6μmより大きいと、膜表面が脆化し、含有したフィラーが経時印刷ストレスによって脱離しやすくなり、部分的に芯材が露出してしまうことで、抵抗が低下してベタキャリア付着を引き起こす。また、キャリアの表面性が変化することで汲み上げ量が低下し、現像部に適切な量の現像剤が供給されず、頁内での画像濃淡差が悪化するなどの不具合を起こす。
Rzが2.6μmより小さいと、導入した硫酸バリウムが被覆膜中に包埋されてしまい、突出しない。これにより、硫酸バリウムなど帯電性の微粒子は最表面にあって、印刷経時でトナー樹脂やトナー添加剤による付着物で埋もれるいわゆるスペントが起こることで、トナーと接触できなくなり、帯電性が低下する。
一方、硫酸バリウム凸部の間に存在する凹部にはトナー樹脂やワックス、添加剤などがスペントするが、これらに覆われることによって電気的にはトナーと同帯電性となるため、これ以上スペント物が堆積することがない。これらのスペント物によって凹部となるキャリア表層は、トナーを帯電することはできないが、凹部となっているためにトナーとの摩擦確率も低く、トナー帯電に対する寄与が小さい。これにより、硫酸バリウムが凸となって存在している部位がキャリアの帯電能力を決定するため、表面粗さRzがより大きくなる方が長期に渡って安定した帯電能力を保持することができる。
上記を考慮し、表面粗さRzは3.0μm以上3.2μm以下がより好ましい。この場合、十分な量の微粒子を含有した上で膜を脆化させることなく、経時での帯電保持に十分な硫酸バリウムの露出が期待できる。
表面粗さRzを調整する方法としては、上述したような層構成にする方法の他にも、例えば、硫酸バリウム粒子の円相当径、樹脂層に対する微粒子総量の充填率、樹脂層の厚み等を変更することでもキャリアの表面粗さRzを調整することができる。また、これらの条件を適宜複数変更してもよく、例えば、2層構成の場合、硫酸バリウム粒子の円相当径と、外層と内層の厚みの比率との関係を適宜変更することによって表面粗さRzを調整することができる。
上記の他にも、樹脂層の製造条件を適宜変更することによっても可能である。例えば、樹脂層を流動床によるコーティングにより製造する場合、コーティング時に導入する浮遊エアー量を半減することでもレベリング性が改善され、Rzを低減することができる。
上記の他にも、例えば以下の方法によってもRzを調整することができる。硫酸バリウム粒子以外の微粒子として、体積の小さい導電性微粒子を用いることが好ましく、中でも、カーボンブラックなどの安価かつ体積の小さい微粒子を使用することで、低コスト化を図りながら樹脂層中を占める微粒子体積割合を低減することができ、レベリング性が改善され、Rzを低減することができる。
一方、例えばカーボンブラックを使用した場合、カーボンブラック粒子のトナーへの移行による色味変化が懸念される。そのため、キャリア芯材近傍にはカーボンブラックと硫酸バリウムからなる樹脂層を塗膜した後、更にその外層に立て続けに導電微粒子と硫酸バリウムからなる樹脂層を塗膜することが好ましい。これにより、トナーの色味変化を抑制しつつ、キャリア最表層のRzを低減することができる。
キャリアの表面粗さRzを共焦点顕微鏡で測定する方法としては、公知の方法で行うことができるが、本発明においては以下の方法で測定する。共焦点顕微鏡(レーザーテック社製OPTELICS C130)を用いて、前記キャリア表面の三次元構造を解析し、下記の指定範囲において高さ測定を行って平行線を求め、この範囲での平行線から測定曲線までの偏差の絶対値を合成し、平均化することで算出する。
[測定条件]
対物レンズ倍率:50倍
解像度:0.20
解析:1サンプルにつき10μm四方の指定範囲を20個選び、表面粗さRzの平均値データとした。
なお、キャリア表面の凹凸を測定する方法としては、BETによる指標もあるが、中空が多い芯材を使用したキャリアの場合、BET測定用吸着ガス成分が芯材中空に付着してしまい、最表面の表面積を正確に表すことができないため、望ましくない。
キャリアの樹脂層の膜厚としては、平均値として0.80μm以上であることが好ましい。平均膜厚が0.80μm以上であると、膜の欠損箇所がなく微粒子を十分に保持することが可能な塗膜を形成することができる。一方、樹脂層の膜厚は磁化の低下を防ぐために1.5μm以下であることが好ましい。
また、樹脂層における硫酸バリウム粒子の円相当径が、0.4μm以上0.9μm以下であることが好ましい。この場合、表面粗さRzを安定して前述の範囲に調整した上で塗膜形成することが可能になり、硫酸バリウム粒子が樹脂層において凸の状態で存在しやすくなる。
また、硫酸バリウム粒子の円相当径は、安定した帯電能力、現像能力を確保する観点から、0.6μm以上であることがより好ましい。
なお、硫酸バリウム粒子の円相当径が0.9μm以下の場合、樹脂層の厚みに対して硫酸バリウム粒子が大きくなることを防ぎ、樹脂層から離脱することを抑制できる。
樹脂層に含まれる硫酸バリウム粒子の以外の微粒子としては、適宜変更することが可能であるが、キャリアの体積固有抵抗を調整するために、導電性微粒子を含有することが好ましい。硫酸バリウムの以外の微粒子としては、例えば、金属粉、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、アルミナ、酸化インジウムスズ(ITO)、リンドープスズ(PTO)、タングステンドープスズ(WTO)、カーボンブラック、ポリアニリン等の導電性高分子等が挙げられる。これらは2種以上併用してもよい。
また、樹脂層に対する微粒子総量の充填率は65%以上95%以下であることが好ましく、75%以上85%以下がより好ましい。
充填率が95%以下であると、微粒子をキャリア表面に包埋する結着樹脂量が足りなくなり、表面が脆化する部分と、より多くの微粒子を含有し、硬度が増す部分が混在するといったことを防ぐことができる。この場合、印刷による強いストレスがかかっても、脆化部分は擦れて削りが発生せず、芯材が露出して抵抗が低下することを防ぐことができ、硬化部分にはスペントが優先的に発生することもなく、帯電の低下を抑制することができる。更に、微粒子の結着が弱いためにストレスによって脱離した微粒子が白粉となって現像機内を汚染してしまうことを防ぐことができる。
充填率が65%以上の場合、樹脂層の硬さ成分が損なわれて、印刷ストレスにより削れることを防ぐことができ、芯材が露出しにくくなる他、十分な量の硫酸バリウムを表面に露出させることができ、印刷経時で帯電が低下することを抑制できる。
前記微粒子の粒径、充填率、樹脂層の膜厚の確認は、公知の方法で行うことができるが、例えば本発明においては以下の方法で測定する。キャリアを包埋樹脂(Devcon社、2液混合、30分硬化型エポキシ樹脂)に混ぜ込み、一晩以上置いて硬化させ、機械研磨により大まかな断面試料を作製する。これにクロスセクションポリッシャー(JEOL社製、SM−09010)を用い、加速電圧5.0kV、ビーム電流120μAの条件で断面の仕上げを行う。これを、走査型電子顕微鏡(Carl Zeiss社製Merlin)を用いて加速電圧0.8kV、倍率30000倍の条件で撮影する。撮影した画像をTIFF画像に取り込み、Media Cybernetics社製のImage−Pro Plusを用いて、硫酸バリウム100粒子の円相当径を測定し、その平均値を使用した。また、充填率と膜厚に関しては、Image−Pro Plusを用いて、キャリア100粒子に対して白色と黒色の面積から樹脂層に対する導電性微粒子の充填率と平均膜厚を定義した。
<<樹脂成分>>
樹脂層中の樹脂成分としては、適宜変更することができるが、例えば、下記モノマーA成分(A成分ともいう)と下記モノマーB成分(B成分ともいう)を含む共重合体を加熱処理して得られた樹脂が挙げられる。
A成分の式を以下に示す。
式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、mは1〜8の整数を表し、従って、(CHはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基を表し、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。また、X=10〜90モル%であり、より好ましくは、30〜70モル%である。
前記A成分は、側鎖にメチル基が多数存在する原子団・トリス(トリメチルシロキシ)シランを有しており、樹脂全体に対してA成分の比率が高くなると表面エネルギーが小さくなり、トナーの樹脂成分、ワックス成分などの付着が少なくなる。A成分が10モル%以上だと十分な効果が得られ、トナー成分の付着を抑制できる。また、90モル%以下だと、B成分、及び後述のC成分が減らず、架橋が進み、強靭性を向上させることができると共に、芯材と樹脂層の接着性が低下せず、キャリア被膜の耐久性を向上させることができる。
は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、このようなA成分としては、次式で示されるトリス(トリアルキルシロキシ)シラン化合物が例示される。
下式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基である。
CH=CMe−COO−C−Si(OSiMe
CH=CH−COO−C−Si(OSiMe
CH=CMe−COO−C−Si(OSiMe
CH=CMe−COO−C−Si(OSiEt
CH=CH−COO−C−Si(OSiEt
CH=CMe−COO−C−Si(OSiEt
CH=CMe−COO−C−Si(OSiPr
CH=CH−COO−C−Si(OSiPr
CH=CMe−COO−C−Si(OSiPr
前記A成分の製造方法は特に限定されないが、トリス(トリアルキルシロキシ)シランを白金触媒の存在下にアリルアクリレート又はアリルメタクリレートと反応させる方法や、カルボン酸と酸触媒の存在下でメタクリロキシアルキルトリアルコキシシランとヘキサアルキルジシロキサンとを反応させる方法などにより得られる。
B成分(架橋成分)の式を以下に示す。
式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、mは1〜8の整数を表し、従って、(CHはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基を表し、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜8のアルキル基、又は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
B成分は、ラジカル重合性の2官能、又は3官能性のシラン化合物であり、Y=10〜90モル%であり、より好ましくは30〜70モル%である。B成分が10モル%以上だと、強靭さが十分得られる。一方、90モル%以下であれば、被膜は固くて脆くなり、膜削れが発生しやすくなるという問題を防ぐことができる。また、環境特性の悪化を防ぐことができる。加水分解した架橋成分がシラノール基として多数残ると、環境特性(湿度依存性)を悪化させることも考えられるからである。
このようなB成分としては、例えば3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリトキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シラン等が例示される。
本発明では、上記モノマーA成分と上記モノマーB成分とをラジカル共重合して得られる下記の共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し、触媒を用いて縮合することにより架橋、被覆した後、加熱処理して樹脂層を形成するのが好ましい。
ここで、式中において、R、m、R、R、X及びYは上述した通りである。
本発明は、前記A成分及びB成分に、C成分としてアクリル系化合物(モノマー)を加えてもよい。このようなC成分を加えたものとして、下記の共重合体が挙げられる。
ここで、式中において、R、m、R、及びRは上述した通りである。
上記共重合体において、X=10〜40モル%、Y=10〜40モル%、Z=30〜80モル%であり、かつ、60モル%<Y+Z<90モル%である。
C成分の式を以下に示す。
式中において、R、及びRは上述した通りである。
C成分は、樹脂層に可撓性を付与し、かつ、芯材と被膜との接着性を良好にするものであるが、C成分が30モル%以上であれば、十分な接着性が得られ、80モル%以下であれば、X成分及びY成分のいずれかが10モル%以下となることを防ぎ、キャリア被膜の撥水性、硬さと可撓性(膜削れ)を両立させることができる。
C成分のアクリル系化合物(モノマー)としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが好ましく、具体的には、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレートが例示される。
これらのうち、アルキルメタクリレートが好ましく、特にメチルメタクリレートが好ましい。また、これらの化合物の1種類を単独で使用してもよく、2種類以上の混合物を使用してもよい。
樹脂層を形成するために使用する樹脂としては、上記した樹脂の他に、シリコン樹脂、アクリル樹脂、またはこれらを併用して使用することができる。これは、アクリル樹脂は接着性が強く脆性が低いので耐磨耗性に非常に優れた性質を持つが、その反面、表面エネルギーが高いため、スペントし易いトナーとの組み合わせでは、トナー成分スペントが蓄積することによる帯電量低下など不具合が生じる場合がある。その場合、表面エネルギーが低いためトナー成分のスペントがし難く、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進み難い効果が得られるシリコン樹脂を併用することで、この問題を解消することができる。一方、シリコン樹脂は接着性が弱く脆性が高いので、耐磨耗性に劣るという面がある。そこで、これら2種の樹脂を併用する場合には、スペントがし難く、耐摩耗性を有する樹脂層が形成できるよう、両樹脂のバランスを考慮するとよい。
前記シリコン樹脂としては、一般的に知られているシリコン樹脂全てを指し、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコンや、アルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性したシリコン樹脂などが挙げられる。
例えば、市販品としてのストレートシリコン樹脂としては、信越化学社製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2400、SR2406、SR2410等が挙げられる。この場合、シリコン樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する他成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
さらに、変性シリコン樹脂としては、信越化学社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)などが挙げられる。
また、縮重合触媒としては、チタン系触媒、スズ系触媒、ジルコニウム系触媒、アルミニウム系触媒が挙げられるが、本発明では、これら各種触媒のうち、優れた結果を齎らすチタン系触媒の中でも、特にチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)が触媒として最も好ましい。これは、シラノール基の縮合反応を促進する効果が大きく、且つ触媒が失活しにくいためであると考えられる。
樹脂層はシランカップリング剤を含有することが好ましい。これにより、微粒子を安定に分散させることができる。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、r−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−r−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、r−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、r−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、r−クロルプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、r−クロルプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられ、2種以上併用してもよい。
シランカップリング剤の市販品としては、AY43−059、SR6020、SZ6023、SH6026、SZ6032、SZ6050、AY43−310M、SZ6030、SH6040、AY43−026、AY43−031、sh6062、Z−6911、sz6300、sz6075、sz6079、sz6083、sz6070、sz6072、Z−6721、AY43−004、Z−6187、AY43−021、AY43−043、AY43−040、AY43−047、Z−6265、AY43−204M、AY43−048、Z−6403、AY43−206M、AY43−206E、Z6341、AY43−210MC、AY43−083、AY43−101、AY43−013、AY43−158E、Z−6920、Z−6940(東レ・シリコーン社製)等が挙げられる。
シランカップリング剤の添加量は、樹脂成分に対して、0.1〜10重量%であることが好ましい。シランカップリング剤の添加量が0.1重量%以上であると、芯材粒子や導電性微粒子と樹脂との接着性が低下して、長期間の使用中に樹脂層が脱落するという問題を防ぐことができる。10重量%以下であると、長期間の使用中にトナーのフィルミングが発生するという問題を防ぐことができる。
<芯材粒子>
本発明において、芯材粒子としては、磁性体であれば、特に限定されないが、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金や化合物;これらの磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子等が挙げられる。中でも、環境面への配慮から、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライト等が好ましい。
<キャリアの特性>
本発明のキャリアは、体積平均粒径が28μm以上40μm以下であることが好ましい。キャリア粒子の体積平均粒径が28μm以上であると、キャリア付着の発生をより防ぐことができ、40μm以下であると、画像細部の再現性が低下し、精細な画像を形成できなくなる問題を防ぐことができる。
なお、体積平均粒径は、例えば、マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320−X100(日機装社製)を用いて測定することができる。
本発明のキャリアは、体積固有抵抗が8〜16(LogΩ・cm)であることが好ましい。体積固有抵抗が8(LogΩ・cm)以上であると、非画像部でキャリア付着が発生することを防ぐことができ、16(LogΩ・cm)以下であると、エッジ効果が許容できないレベルになることを防ぐことができる。
キャリア抵抗値変化量の測定は以下の方法にて行う。図3に示されるように、キャリアを抵抗計測平行電極の電極(32a、32b)間距離2mm、表面積2×4cmの電極32a、電極32bを収容したフッ素樹脂製容器からなるセル31にキャリア33を投入し、DC1000Vを印加して30秒後の抵抗値をハイレジスト計で計測する。得られた値を体積抵抗率に変換した値を初期抵抗値(R1)とする。次に、ランニング後の現像剤中のトナーをブローオフ装置にて除去し、得たキャリアに対して前記抵抗測定方法と同様の方法で抵抗測定を行い、得られた値を体積抵抗率に変換し、劣化抵抗値とする(R2)。次いで、下記式によりキャリア抵抗値変化量を求めることができる。
|(R1−R2)|/R1×100
また、キャリアの帯電量の変化率としては、初期のキャリアの帯電量(Q1)は、キャリアとトナーを混合し、摩擦帯電させたサンプルを、ブローオフ装置を用いて測定する。また、経時ランニング後のキャリアの帯電量(Q2)は、ブローオフ装置を用いてランニング後における現像剤中の各色のトナーを除去したキャリアを用いる。帯電量の変化率は(Q1−Q2)/Q1×100の絶対値とした。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明のキャリア、及びトナーを有する。
<トナー>
トナーは、結着樹脂と着色剤を含有するが、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。また、定着ローラにトナー固着防止用オイルを塗布しないオイルレスシステムに適用するために、トナー粒子は、離型剤を含有してもよい。このようなトナーは、一般に、フィルミングが発生しやすいが、本発明のキャリアは、フィルミングを抑制することができるため、本発明の現像剤は、長期に亘り、良好な品質を維持することができる。さらに、カラートナー、特に、イエロートナーは、一般に、キャリアの被覆層の削れによる色汚れが発生するという問題があるが、本発明の現像剤は、色汚れの発生を抑制することができる。
<<トナーの製造方法>>
トナーは、粉砕法、重合法等の公知の方法を用いて製造することができる。例えば、粉砕法を用いてトナーを製造する場合、まず、トナー材料を混練することにより得られる溶融混練物を冷却した後、粉砕し、分級して、母体粒子を作製する。次に、転写性、耐久性をさらに向上させるために、母体粒子に外添剤を添加し、トナーを作製する。
このとき、トナー材料を混練する装置としては、特に限定されないが、バッチ式の2本ロール;バンバリーミキサー;KTK型2軸押出し機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出し機(東芝機械社製)、2軸押出し機(KCK社製)、PCM型2軸押出し機(池貝鉄工社製)、KEX型2軸押出し機(栗本鉄工所社製)等の連続式の2軸押出し機;コ・ニーダ(ブッス社製)等の連続式の1軸混練機等が挙げられる。
また、冷却した溶融混練物を粉砕する際には、ハンマーミル、ロートプレックス等を用いて粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機、機械式の微粉砕機等を用いて微粉砕することができる。なお、平均粒径が3〜15μmとなるように粉砕することが好ましい。
さらに、粉砕された溶融混練物を分級する際には、風力式分級機等を用いることができる。なお、母体粒子の平均粒径が5〜20μmとなるように分級することが好ましい。
また、母体粒子に外添剤を添加する際には、ミキサー類を用いて混合攪拌することにより、外添剤が解砕されながら母体粒子の表面に付着する。
<<結着樹脂>>
結着樹脂としては、特に限定されないが、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単独重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、2種以上併用してもよい。
圧力定着用の結着樹脂としては、特に限定されないが、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体;エポキシ樹脂、ポリエステル、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂等が挙げられ、2種以上併用してもよい。
<<着色剤>>
着色剤(顔料又は染料)としては、特に限定されないが、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等の緑色顔料;カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等の黒色顔料等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
<<離型剤>>
離型剤としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールワックス、シリコーンワニス、カルナウバワックス、エステルワックス等が挙げられ、2種以上併用してもよい。
<<帯電制御剤>>
また、トナーは、帯電制御剤をさらに含有してもよい。帯電制御剤としては、特に限定されないが、ニグロシン;炭素数が2〜16のアルキル基を有するアジン系染料(特公昭42−1627号公報参照);C.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)等の塩基性染料;これらの塩基性染料のレーキ顔料;C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩;ジブチル、ジオクチル等のジアルキルスズ化合物;ジアルキルスズボレート化合物;グアニジン誘導体;アミノ基を有するビニル系ポリマー、アミノ基を有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂;モノアゾ染料の金属錯塩;サルチル酸;ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体;スルホン化した銅フタロシアニン顔料;有機ホウ素塩類;含フッ素4級アンモニウム塩;カリックスアレン系化合物等が挙げられるが、2種以上併用してもよい。なお、ブラック以外のカラートナーにおいては、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好ましい。
<<外添剤>>
外添剤としては、特に限定されないが、シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機粒子;ソープフリー乳化重合法により得られる平均粒径が0.05〜1μmのポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等の樹脂粒子が挙げられ、2種以上併用してもよい。中でも、表面が疎水化処理されているシリカ、酸化チタン等の金属酸化物粒子が好ましい。さらに、疎水化処理されているシリカ及び疎水化処理されている酸化チタンを併用し、疎水化処理されているシリカよりも疎水化処理されている酸化チタンの添加量を多くすることにより、湿度に対する帯電安定性に優れるトナーが得られる。
<補給用現像剤>
本発明のキャリアを、キャリアとトナーから成る補給用現像剤とし、現像装置内の余剰の現像剤を排出しながら画像形成を行う画像形成装置に適用することで、極めて長期に渡って安定した画像品質が得られる。つまり、現像装置内の劣化したキャリアと、補給用現像剤中の劣化していないキャリアを入れ替え、長期間に渡って帯電量を安定に保ち、安定した画像が得られる。
本方式は、特に高画像面積印字時に有効である。高画像面積印字時は、キャリアへのトナースペントによるキャリア帯電劣化が主なキャリア劣化であるが、本方式を用いることで、高画像面積時には、キャリア補給量も多くなるため、劣化したキャリアが入れ替わる頻度が上がる。これにより、極めて長期間に渡って安定した画像を得られる。
補給用現像剤の混合比率は、キャリア1重量部に対してトナーを2〜50重量部の配合割合とすることが好ましい。トナーが2重量部未満の場合には、補給キャリア量が多すぎ、キャリア供給過多となり現像装置中のキャリア濃度が高くなりすぎるため、現像剤の帯電量が増加しやすい。また、現像剤帯電量が上がることにより、現像能力が下がり画像濃度が低下しやすくなる。また、50重量部を超えると、補給用現像剤中のキャリア割合が少なくなるため、画像形成装置中のキャリアの入れ替わりが少なくなり、キャリア劣化に対する効果が得られにくくなる。
(現像剤収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の現像剤収容ユニットは、本発明の現像剤を収容している。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体を帯電させる帯電手段と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、を有する。更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有する。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体を帯電させる帯電工程と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像を本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着工程と、を有する。更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を有する。
本発明によれば、上述の本発明のキャリアによって得られる効果に加え、信頼性の高い現像剤収容ユニット、画像形成方法、画像形成装置を提供することができる。
本発明における現像剤収容ユニットとは、現像剤を収容する機能を有するユニットに、現像剤を収容したユニットのことをいう。
ここで、現像剤収容ユニットの態様としては、現像剤入り容器、現像器、プロセスカートリッジがある。
前記現像剤入り容器とは、現像剤を収容した容器のことをいう。
前記現像器は、現像剤を収容し現像する手段を有するものをいう。
前記プロセスカートリッジとは、少なくとも静電潜像担持体と本発明の現像剤を有する現像手段とを一体とし、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。また、前記プロセスカートリッジは、静電潜像担持体と現像手段の他に、帯電手段、露光手段、クリーニング手段の少なくとも一つと一体で形成されてもよい。
図4に、本発明に用いられるプロセスカートリッジの一例を示す。プロセスカートリッジ10は、感光体11(静電潜像担持体)、感光体11を帯電する帯電装置12、感光体11上に形成された静電潜像を本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像装置13及び感光体11上に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、感光体11上に残留したトナーを除去するクリーニング装置14が一体に支持されており、プロセスカートリッジ10は、複写機、プリンター等の画像形成装置の本体に対して着脱可能である。
以下、プロセスカートリッジ10を搭載した画像形成装置を用いて画像を形成する方法について説明する。まず、感光体11が所定の周速度で回転駆動され、帯電装置12により、感光体11の周面が正又は負の所定電位に均一に帯電される。次に、スリット露光方式の露光装置、レーザービームで走査露光する露光装置等の露光装置から感光体11の周面に露光光が照射され、静電潜像が順次形成される。さらに、感光体11の周面に形成された静電潜像は、現像装置13により、本発明の現像剤を用いて現像され、トナー像が形成される。
次に、感光体11の周面に形成されたトナー像は、感光体11の回転と同期されて、給紙部から感光体11と転写装置の間に給紙された転写紙に、順次転写される。さらに、トナー像が転写された転写紙は、感光体11の周面から分離されて定着装置に導入されて定着された後、複写物(コピー)として、画像形成装置の外部へプリントアウトされる。一方、トナー像が転写された後の感光体11の表面は、クリーニング装置14により、残留したトナーが除去されて清浄化された後、除電装置により除電され、繰り返し画像形成に使用される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、「部」は重量部を表す。
(キャリアの製造)
<樹脂合成例1>
撹拌機付きフラスコにトルエン300gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温
した。次いでこれに、CH=CMe−COO−C−Si(OSiMe(式中、Meはメチル基である。)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン84.4g(200ミリモル、サイラプレーン TM−0701T、チッソ社製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン39g(150ミリモル)、メタクリル酸メチル65.0g(650ミリモル)、及び、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)、90〜100℃で3時間混合してラジカル共重合させて[メタクリル系共重合体R1]を得た。
<キャリア製造実施例1>
樹脂合成例1で得られた重量平均分子量35,000の[メタクリル系共重合体R1](固形分100重量%)20部、シリコン樹脂溶液(固形分20重量%)100部、アミノシラン(固形分100重量%)3.0部、微粒子として硫酸バリウム粒子(堺化学社製、円相当径0.7μm)82部、酸素欠損型スズ微粒子(三井金属社製、一次粒子径30nm)85部をトルエンで希釈して、固形分20重量%の[樹脂溶液1]を得た。その樹脂溶液をホモジナイザー(PRIMIX社製T.K.ホモミクサーMARKII)にて、10000rpm、3分の分散処理を実施後、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)2部を投入し、[樹脂被覆層塗布液1]とした。
さらに、[樹脂溶液1]の酸素欠損型スズ微粒子85部をケッチェンブラックEC600JD(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)10部に変更する以外は、[樹脂被覆層塗布液1]を得るのと同様の手法で、[樹脂被覆層塗布液2]を得た。
次いで、[樹脂被覆層塗布液1]と[樹脂被覆層塗布液2]について、成膜・乾燥後における固形分体積割合が8:2になるように液量を調整した。次に、芯材として重量平均粒径が35μm、かさ密度が2.1g/cmのMnフェライト粒子を用いて、芯材表面において平均膜厚が1.00μmになるように、流動床型コーティング装置に微粒化ノズルを使用して、流動槽内の温度を各60℃に制御して、[樹脂被覆層塗布液2]をまず先に塗布乾燥させた。立て続けに[樹脂被覆層塗布液1]を塗布乾燥させた。なお、流動床型コーティング装置の風量条件としては、流動装置下部より導入するエアーを2.4Nm/分とし、流動床装置上部より導入するエアーを1.0Nm/分とした。
次いで、得られたキャリアを電気炉中にて、210℃、1時間焼成し、[キャリア1]を得た。
<キャリア製造実施例2>
キャリア製造実施例1において、[樹脂被覆層塗布液1]と[樹脂被覆層塗布液2]の固形分体積割合を8:2ではなく、6:4に変更する以外は同様にして[キャリア2]を得た。
<キャリア製造実施例3>
キャリア製造実施例1において、[樹脂被覆層塗布液1]と[樹脂被覆層塗布液2]の固形分体積割合を8:2ではなく、[樹脂被覆層塗布液1]のみを使用し、流動床コーティング装置において導入する全風量を一律に半分にする以外は同様にして[キャリア3]を得た。
<キャリア製造実施例4>
キャリア製造実施例1において、硫酸バリウム粒子の円相当径を0.7μmではなく、0.4μmに変更する以外は同様にして[キャリア4]を得た。
<キャリア製造実施例5>
キャリア製造実施例1において、硫酸バリウム粒子の円相当径を0.7μmではなく、0.3μmに変更する以外は同様にして[キャリア5]を得た。
<キャリア製造実施例6>
キャリア製造実施例1において、硫酸バリウム粒子の円相当径を0.7μmではなく、0.9μmに変更する以外は同様にして[キャリア6]を得た。
<キャリア製造実施例7>
キャリア製造実施例1において、硫酸バリウム粒子の円相当径を0.7μmではなく、1.0μmに変更する以外は同様にして[キャリア7]を得た。
<キャリア製造実施例8>
キャリア製造実施例1において、[樹脂被覆層塗布液1]及び[樹脂被覆層塗布液2]の硫酸バリウム粒子の添加量を82部から62部に、[樹脂溶液1]の酸素欠損型スズ微粒子の添加量を85部から65部に、[樹脂溶液2]のケッチェンブラックEC600JDの添加量を10部から7部に変更する以外は同様にして[キャリア8]を得た。
<キャリア製造実施例9>
キャリア製造実施例1において、[樹脂被覆層塗布液1]及び[樹脂被覆層塗布液2]の硫酸バリウム粒子の添加量を82部から42部に、[樹脂溶液1]の酸素欠損型スズ微粒子の添加量を85部から45部に、[樹脂溶液2]のケッチェンブラックEC600JDの添加量を10部から5部に変更する以外は同様にして[キャリア9]を得た。
<キャリア製造実施例10>
キャリア製造実施例1において、[樹脂被覆層塗布液1]及び[樹脂被覆層塗布液2]の硫酸バリウム粒子の添加量を82部から102部に、[樹脂溶液1]の酸素欠損型スズ微粒子の添加量を85部から105部に、[樹脂溶液2]のケッチェンブラックEC600JDの添加量を10部から12部に変更する以外は同様にして[キャリア10]を得た。
<キャリア製造実施例11>
キャリア製造実施例1において、[樹脂被覆層塗布液1]及び[樹脂被覆層塗布液2]の硫酸バリウム粒子の添加量を82部から122部に、[樹脂溶液1]の酸素欠損型スズ微粒子の添加量を85部から125部に、[樹脂溶液2]のケッチェンブラックEC600JDの添加量を10部から15部に変更する以外は同様にして[キャリア11]を得た。
<キャリア製造比較例1>
キャリア製造実施例1において、硫酸バリウム粒子の円相当径を0.7μmではなく、0.8μmに変更し、[樹脂被覆層塗布液1]と[樹脂被覆層塗布液2]の固形分体積割合を8:2ではなく、4:6に変更する以外は同様にして[キャリア12]を得た。
<キャリア製造比較例2>
キャリア製造実施例1において、硫酸バリウム粒子の円相当径を0.7μmではなく、0.4μmに変更し、[樹脂被覆層塗布液1]と[樹脂被覆層塗布液2]の固形分体積割合を8:2ではなく、[樹脂被覆層塗布液1]のみを使用し、流動床コーティング装置において導入する全風量を一律に半分にする以外は同様にして[キャリア13]を得た。
<キャリア製造比較例3>
キャリア製造実施例1において、硫酸バリウム粒子をチタン酸バリウム(堺化学工業製)に変更する以外は同様にして[キャリア14]を得た。
<キャリア製造比較例4>
キャリア製造実施例1において、芯材を重量平均粒径が35μm、かさ密度が1.7g/cmの中空構造のあるMnフェライト粒子に変更する以外は同様にして[キャリア15]を得た。
(キャリアの測定)
<共焦点顕微鏡による表面粗さRz>
上記得られた各キャリアについて、以下の測定を行い、共焦点顕微鏡による表面粗さRzを求めた。共焦点顕微鏡(レーザーテック社製OPTELICS C130)を用いて、キャリア表面の三次元構造を解析し、下記の指定範囲において高さ測定を行って平行線を求め、この範囲での平行線から測定曲線までの偏差の絶対値を合成し、平均化することで算出した。
[測定条件]
対物レンズ倍率:50倍
解像度:0.20
解析:1サンプルにつき10μm四方の指定範囲を20個選び、表面粗さRzの平均値データとした。
<BETによる表面粗さ>
参考値として、上記得られた各キャリアについて、BETによる比表面積を求めた。BETによる比表面積は、キャリア3.5gに対してBET比表面積測定装置(MOUNTECH社製Macsorb model−1201)を用いて測定した。
得られたキャリア特性を表1に示す。
(トナー製造例)
<ポリエステル樹脂Aの合成>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物65部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物86部、テレフタル酸274部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で15時間反応させた。次に、5〜10mmHgの減圧下、6時間反応させて、[ポリエステル樹脂A]を合成した。得られた[ポリエステル樹脂A]は、数平均分子量(Mn)が2,300、重量平均分子量(Mw)が8,000、ガラス転移温度(Tg)が58℃、酸価が25mgKOH/g、水酸基価が35mgKOH/gであった。
<スチレンアクリル樹脂Aの合成>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル300部、スチレン185部、アクリルモノマー115部及びアゾビスイソブチルニトリル5部を投入して、窒素雰囲気下、65℃(常圧)で8時間反応させた。次に、メタノール200部を加え、1時間攪拌した後、上澄みを除去し、減圧乾燥させて、[スチレンアクリル樹脂A]を合成した。得られた[スチレンアクリル樹脂A]は、Mwが20,000、Tgが58℃であった。
<プレポリマー(活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)の合成>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、[中間体ポリエステル]を合成した。
得られた[中間体ポリエステル]は、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル]411部、イソホロンジイソシアネート89部、及び酢酸エチル500部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、[プレポリマー](活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られた[プレポリマー]の遊離イソシアネート含有量は、1.60重量%であり、[プレポリマー]の固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50重量%であった。
<ケチミン化合物(活性水素基含有化合物)の合成>
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30部及びメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、[ケチミン化合物](活性水素基含有化合物)を合成した。得られた[ケチミン化合物](活性水素基含有化合物)のアミン価は423であった。
<マスターバッチの作製>
水1,000部、DBP吸油量が42mL/100g、pHが9.5のカーボンブラックPrintex35(デグサ社製)540部、及び1,200部の[ポリエステル樹脂A]を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。次に、二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、[マスターバッチ]を作製した。
<水系媒体の調製>
イオン交換水306部、リン酸三カルシウムの10質量%懸濁液265部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0部を混合攪拌し、均一に溶解させて、[水系媒体]を調製した。
<臨界ミセル濃度の測定>
界面活性剤の臨界ミセル濃度は以下の方法で測定した。表面張力計Sigma(KSV Instruments社製)を用いて、Sigmaシステム中の解析プログラムを用いて解析を行った。界面活性剤を[水系媒体]に対して0.01重量%ずつ滴下し、攪拌、静置後の界面張力を測定した。得られた表面張力カーブから、界面活性剤の滴下によっても界面張力が低下しなくなる界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度として算出した。[水系媒体]に対するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの臨界ミセル濃度を表面張力計Sigmaで測定を行ったところ、[水系媒体]の重量に対して0.05重量%であった。
<トナー材料液の調製>
ビーカー内に、[ポリエステル樹脂A]70部、[プレポリマー]10部及び酢酸エチル100部を入れ、攪拌して溶解させた。離型剤としてパラフィンワックス5部(日本精鑞社製HNP−9、融点75℃)、MEK−ST(日産化学工業社製)2部、及び[マスターバッチ]10部を加えて、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスクの周速度6m/秒で、粒径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスした後、[ケチミン化合物]2.7部を加えて溶解させ、[トナー材料液]を調製した。
<乳化乃至分散液の調製>
[水系媒体]150部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに[トナー材料液]100部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
<有機溶剤の除去>
攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、前記乳化スラリー100部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間脱溶剤した。これにより[分散スラリー]を得た。
<洗浄>
[分散スラリー]100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。更に得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
<界面活性剤量調整>
上記洗浄により得られた濾過ケーキに、イオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した際のトナー分散液の電気伝導度を測定し、事前に作成した界面活性剤濃度の検量線より、トナー分散液の界面活性剤濃度を算出した。その値から、界面活性剤濃度が狙いの界面活性剤濃度0.05重量%になるように、イオン交換水を追加し、[トナー分散液]を得た。
<表面処理工程>
前記所定の界面活性剤濃度に調整された[トナー分散液]を、TK式ホモミキサーで5000rpmで混合しながら、ウォーターバスで加熱温度T1=55℃で10時間加熱を行った。その後トナー分散液を25℃まで冷却し、濾過を行った。更に得られた濾過ケーキに、イオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
<乾燥>
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体粒子1]を得た。
<外添処理>
さらに、[トナー母体粒子1]を100部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ3.0部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を1.5部とをヘンシェルミキサーにて混合し、[トナー1]を得た。
<現像剤の作製>
実施例及び比較例で得られた各キャリア930部、及び[トナー1]70部をそれぞれ混合して、タービュラーミキサーを用いて81rpmで5分間攪拌し、評価用の[現像剤1]〜[現像剤15]を作製した。また、補給用現像剤は、トナー濃度が95重量%となるように、前記キャリア及び前記トナーを用いて作製した。
(評価)
<現像剤特性評価(80%画像面積率)>
リコー社製RICOH Pro C7110S(リコー製デジタルカラー複写機・プリンタ複合機)に実施例及び比較例の[現像剤1]〜[現像剤15]と、[トナー1]を用いて、初期と画像面積率80%で100万枚のランニング後のキャリアの帯電量及び抵抗を測定し、帯電量及び抵抗の変化率を算出した。また、100万枚ランニング後のトナー飛散、地肌かぶりを評価した。
<<帯電安定性>>
初期のキャリアの帯電量(Q1)は、[キャリア1]〜[キャリア15]と、[トナー1]を、質量比93:7で混合し、摩擦帯電させたサンプルを、ブローオフ装置TB−200(東芝ケミカル社製)を用いて測定した。また、100万枚ランニング後のキャリアの帯電量(Q2)は、ブローオフ装置を用いてランニング後の現像剤中の各色のトナーを除去したキャリアを用いた以外は、上記と同様にして測定した。
帯電量の変化率は(Q1−Q2)/Q1×100の絶対値と規定した。
評価基準を以下に示す。
◎(大変良好) :0以上5未満
○(良好) :5以上10未満
△(使用可能) :10以上20未満
×(不良) :20以上
<<抵抗安定性>>
また、キャリア抵抗値変化量の測定は以下の方法にて行った。キャリアを抵抗計測平行電極の電極(32a、32b)間距離2mm、表面積2×4cmの電極32a、電極32bを収容したフッ素樹脂製容器からなるセル31にキャリア33を投入し(図3参照)、DC1000Vを印加して30秒後の抵抗値をハイレジスト計で計測した。得られた値を体積抵抗率に変換した値を初期抵抗値(R1)とする。次に、ランニング後の現像剤中のトナーをブローオフ装置にて除去し、得られたキャリアに対して前記抵抗測定方法と同様の方法で抵抗測定を行い、得られた値を体積抵抗率に変換し、劣化抵抗値とする(R2)。次いで、下記式によりキャリア抵抗値変化量を求めた。
|(R1−R2)|/R1×100
評価基準を以下に示す。
◎(大変良好) :0以上3未満
○(良好) :3以上6未満
△(使用可能) :6以上10未満
×(不良) :10以上
<<トナー飛散>>
100万枚ランニング後に現像剤担持体下部に溜まったトナーの量を吸引、回収し、トナー重量を測定した。
評価基準を以下に示す。
◎(大変良好) :0mg以上50mg未満
○(良好) :50mg以上100mg未満
△(使用可能) :100mg以上250mg未満
×(不良) :250mg以上
<<地肌かぶり>>
100万枚ランニング後に白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体(静電潜像担持体)上のトナーをテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差(ΔID)を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定を行った。
評価基準を以下に示す。
◎(大変良好) :0以上0.005未満
○(良好) :0.005以上0.01未満
△(使用可能) :0.01以上0.02未満
×(不良) :0.02以上
<現像剤特性評価(0.5%画像面積率)>
また、リコー社製 RICOH Pro C7110S(リコー製デジタルカラー複写機・プリンタ複合機)を用いて、実施例及び比較例の[現像剤1]〜[現像剤15]と、[トナー1]を用いて、画像面積率0.5%で100万枚のランニングを実施し、帯電安定性、抵抗安定性、ベタキャリア付着、現像剤量安定性の評価を行った。
<<帯電安定性及び抵抗安定性>>
0.5%画像面積率の帯電安定性、抵抗安定性については、上記の80%画像面積率と同様の方法を用いて評価した。
<<ベタキャリア付着>>
100万枚ランニング後にベタ画像を所定の現像条件(帯電電位(Vd):−600V、画像部(ベタ原稿)にあたる部分の感光後の電位:−100V、現像バイアス:DC−500V)にて作像中に電源をOFFにする等の方法で作像を中断し、転写後の感光体上のキャリア付着の個数を数えて評価を実施した。なお、評価する領域は感光体上の10mm×100mmの領域とした。
評価基準を以下に示す。◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。
◎(合格) :キャリア付着の個数が0個の状態
○(合格) :キャリア付着の個数が1〜3個の状態
△(合格) :キャリア付着の個数が4〜10個の状態
×(不合格) :キャリア付着の個数が11個以上の状態
<<現像剤量安定性>>
現像器の現像ドクタ通過後の現像剤量を測定用の冶具(1cmの現像剤を回収できる冶具)を用いて回収し、その重量を測定する。現像スリーブの長手方向に3箇所測定し、その平均値をスリーブ上の現像剤量とした。これを初期と100万枚ランニング後で測定し、その差分の絶対値で評価した。
評価基準を以下に示す。
◎(大変良好) :0mg以上1mg未満
○(良好) :1mg以上2mg未満
△(使用可能) :2mg以上4mg未満
×(不良) :4mg以上
評価結果を表2に示す。
10 プロセスカートリッジ
11 感光体
12 帯電装置
13 現像装置
14 クリーニング装置
20 硫酸バリウム粒子
21 外層
22 内層
特許第2714590号公報 特開2010−117519号公報 特許第5534409号公報 特開2011−209678号公報 特開2006−079022号公報 特開2011−145388号公報 特開2016−212254号公報

Claims (7)

  1. 芯材粒子と、該芯材粒子の表面を被覆する樹脂層とを有するキャリアであって、
    前記樹脂層は、少なくとも2種類の微粒子を含有し、該微粒子のうちの1つが硫酸バリウム粒子であり、
    前記キャリアを共焦点顕微鏡で測定したときの表面粗さRzが2.6μm以上3.6μm以下であることを特徴とするキャリア。
  2. 前記硫酸バリウム粒子の円相当径が、0.4μm以上0.9μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のキャリア。
  3. 前記樹脂層に対する前記微粒子総量の充填率が、65%以上95%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャリア。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のキャリア、及びトナーを有することを特徴とする現像剤。
  5. 請求項4に記載の現像剤を収容したことを特徴とする現像剤収容ユニット。
  6. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体を帯電させる帯電手段と、
    前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、
    前記静電潜像を請求項4に記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 静電潜像担持体を帯電させる帯電工程と、
    前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する露光工程と、
    前記静電潜像を請求項4に記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
    前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着工程と、を有することを特徴とする画像形成方法。
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