JP7312374B2 - 電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP7312374B2
JP7312374B2 JP2019135594A JP2019135594A JP7312374B2 JP 7312374 B2 JP7312374 B2 JP 7312374B2 JP 2019135594 A JP2019135594 A JP 2019135594A JP 2019135594 A JP2019135594 A JP 2019135594A JP 7312374 B2 JP7312374 B2 JP 7312374B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrier
electrophotographic image
fine particles
image forming
coating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019135594A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021018390A (ja
Inventor
将志 長山
浩介 鈴木
匡宏 関
宏之 岸田
智美 白井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2019135594A priority Critical patent/JP7312374B2/ja
Publication of JP2021018390A publication Critical patent/JP2021018390A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7312374B2 publication Critical patent/JP7312374B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、電子写真における画像形成用キャリア、画像形成用現像剤、画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジに関する。
一般に電子写真法、静電写真法等の画像形成方法においては、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像するために、トナーとキャリアとを撹拌混合することによって得られる現像剤が使用される。この現像剤は、適当に帯電された混合物であることが要求される。一般に静電潜像を現像する方法としては、トナーとキャリアとを混合して得られる二成分系現像剤を使用する方法と、キャリアを含まない一成分系現像剤を使用する方法が公知である。二成分現像方式は、キャリアを使用することからトナーに対する摩擦帯電面積が広く、一成分方式に比較して帯電特性が安定しており、長期にわたって高画質を維持する上で有利である。また、現像領域へのトナー量供給能力が高いことから、特に高速機に多く採用されている。また、レーザービームなどで感光体上に静電潜像を形成し、この潜像を顕像化するデジタル方式電子写真システムにおいても、前述の特徴が有用であることから二成分現像方式が広く採用されている。
このような二成分系現像方式に使用される粒状キャリアは、キャリア表面へのトナーのスペント防止、キャリア均一表面の形成、表面酸化防止、感湿性低下の防止、現像剤の寿命の延長、感光体のキャリアによるキズあるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御または帯電量の調節等を目的として、適当な樹脂材料で被覆等を施すことにより、高耐久性化を図る検討が成されている。例えば特定の樹脂材料で被覆されたもの(特許文献1)、さらにその被覆層に種々の添加剤を添加するもの(特許文献2~8)、さらに、キャリア表面に添加剤を付着させたものを用いるもの(特許文献9)などが開示されている。また、特許文献10にはグアナミン樹脂と該グアナミン樹脂と架橋可能な熱硬化樹脂でキャリア被覆材を構成するものが開示され、特許文献11には、メラミン樹脂とアクリル樹脂の架橋物をキャリア被覆材として用いることが開示されている。
樹脂被覆キャリアは、樹脂被覆に伴って絶縁化され、現像電極として働かなくなるので、特にベタ画像部でエッジ効果が生じやすくなるといった欠点がある。また、トナー離脱時のカウンターチャージも過大となるので、静電現像による非画像部へのキャリア付着が発生しやすくなる。そこで、この問題を解決するために、例えば、キャリアの被覆層中に導電剤として導電性カーボンや導電性フィラーを分散した樹脂被覆キャリアが提案されている(例えば、特許文献12~15)。
また、特許文献16には、金属酸化物導電性粒子である第一の導電性粒子と、金属酸化物粒子及び/又は金属塩粒子の表面が導電処理されている第二の導電性粒子を含むコート層を有するキャリアが開示されており、第二の導電性粒子の効果により、高画像面積でトナーを収支させたときにキャリアの帯電能力の低下に対して一定の効果を挙げている。特許文献17、18にはコート膜中に硫酸バリウムを含み、XPSにより測定した全元素に対するBa/Si比が0.01~0.08であるキャリアが開示されている。特許文献19には硫酸バリウムを基材として使用した実施例も記載されている。これらの発明ではより高画像面積でトナーを収支させたときのキャリアの帯電能力の低下に対して効果を挙げている。
さらに、特許文献20には、芯材粒子と、芯材粒子の表面を被覆する樹脂層とを有するキャリアであり、被覆層の厚み方向に硫酸バリウム微粒子が濃度勾配を持ち、被覆層の芯材粒子側から外側に向けて硫酸バリウム微粒子の濃度が高くなるキャリアが開示されている。硫酸バリウムの密度がキャリアの外側で高く設定することにより、樹脂層の摩耗耐性を向上させ、またスペントも抑制している。芯材粒子の磁化については記載がない。
本発明は、経時画像濃度の低下、ゴーストの発生を防ぎ、連続出力時の画像濃度を均一に保つことができ、高画像面積でトナーを収支させたときのキャリアの帯電能力の低下を抑えることができる電子写真画像形成用キャリアを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった。本発明はこれに基づいてなされたものである。
上記課題は本発明の下記(1)によって解決される。
(1)芯材粒子と前記芯材粒子を被覆する被覆層とからなる電子写真画像形成用キャリアにおいて、前記被覆層中に1種類以上の微粒子を含有し、前記微粒子の少なくとも1種類は硫酸バリウム微粒子であり、前記被覆層は、厚み方向に前記硫酸バリウム微粒子が濃度勾配を持ち、前記被覆層の被覆層表面から芯材粒子の表面に向かって前記硫酸バリウム微粒子の濃度が低くなり、且つ、前記芯材粒子の磁場500[Oe]における磁化が43[emu/g]以上、52[emu/g]以下である、電子写真画像形成用キャリア。
本発明により、経時画像濃度の低下、ゴーストの発生を防ぎ、連続出力時の画像濃度を均一に保つことができ、高画像面積でトナーを収支させたときのキャリアの帯電能力の低下を抑えることができる電子写真画像形成用キャリアを提供することができる。
プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
本発明の実施形態は、下記(1)に係るものであるが、下記の(2)~(9)も実施の形態として含む。
(1)芯材粒子と前記芯材粒子を被覆する被覆層とからなる電子写真画像形成用キャリアにおいて、前記被覆層中に1種類以上の微粒子を含有し、前記微粒子の少なくとも1種類は硫酸バリウム微粒子であり、前記被覆層は、厚み方向に前記硫酸バリウム微粒子が濃度勾配を持ち、前記被覆層の被覆層表面から芯材粒子の表面に向かって前記硫酸バリウム微粒子の濃度が低くなり、且つ、前記芯材粒子の磁場500[Oe]における磁化が43[emu/g]以上、52[emu/g]以下である、電子写真画像形成用キャリア。
(2)前記電子写真画像形成用キャリアの見掛け密度が2.0[g/cm3]以上、2.6[g/cm3]以下である、(1)に記載の電子写真画像形成用キャリア。
(3)前記芯材粒子の見掛け密度が2.0[g/cm3]以上、2.6[g/cm3]以下である、(1)または(2)に記載の電子写真画像形成用キャリア。
(4)前記被覆層の平均厚さをT[μm]、前記硫酸バリウム微粒子の平均粒径をa[μm]としたとき、前記芯材粒子の表面から被覆層表面に向かって厚さ方向(T-a)[μm]の範囲において、前記硫酸バリウム微粒子の占める体積割合が0~30[%]である、(1)~(3)のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリア。
(5)前記被覆層は、前記硫酸バリウム微粒子のほかに無機微粒子を含有し、前記無機微粒子が、タングステン、インジウム、リンのいずれか、もしくはそれらの酸化物のいずれかをドープした酸化スズ微粒子、または、前記ドープした酸化スズ微粒子を基体表面に有する微粒子である、(1)~(4)のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリア。
(6)(1)~(5)のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリアを含有する、電子写真画像形成用現像剤。
(7)(6)に記載の電子写真画像形成用現像剤を用いて画像形成する、電子写真画像形成方法。
(8)(6)に記載の電子写真画像形成用現像剤を備える、電子写真画像形成装置。
(9)(6)に記載の電子写真画像形成用現像剤を備える、プロセスカートリッジ。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。キャリア被覆層中に硫酸バリウム微粒子を含有させることで、硫酸バリウムの持つ帯電付与機能により、高画像面積でトナーを収支させたときのキャリアの帯電能力の低下を抑えることができる。しかし、帯電付与に機能するのはキャリア被覆層の表層に存在する硫酸バリウムだけであるため、硫酸バリウム微粒子をキャリア被覆層中に均一に含有させた場合、被覆層内部に存在する硫酸バリウムの帯電付与能力は現像剤として使用した当初は機能しない。ところが、現像剤として、特に低面積画像の出力を多く使用を重ねていくと、被覆層の樹脂が削れていくため、被覆層内部に存在している硫酸バリウムが現像剤使用当初よりも露呈していき、初期よりも帯電付与能力が高くなることがある。帯電能力が過度に高まったキャリアは、クーロン力によるトナーとの引力が高くなるため、現像能力が低下し、画像濃度が低下する。この課題については、キャリア被覆層形成の段階で、被覆層内部の硫酸バリウム量を被覆層表層よりも少なくしておくことで、被覆層の樹脂が削れても露呈する硫酸バリウムの量の増加を少なく抑えることができる。
無機微粒子には磁性粒子と非磁性粒子が存在するが、無機微粒子に磁性粒子を用いた場合、現像装置内で被覆層表面から脱離した粒子が現像ローラに付着し、現像剤による均一な磁気穂の形成を妨げるため、被覆層に含有させる無機微粒子には非磁性粒子が多く用いられる。非磁性粒子の含有量が多くなると、キャリアの磁化が下がり、現像機内での現像ローラへの現像剤の汲み上がりが弱くなり、長期使用により現像機内の現像剤量が減少した際に、現像ローラ上に現像剤が安定して汲み上がらずに、現像ローラ上で部分的に現像剤が枯渇し、画像濃度が不均一になることがある。
硫酸バリウムの優れた帯電付与能力を発揮させるために硫酸バリウムの含有量を増加させていくと、キャリア粒子あたりの磁化が減少するため、現像ローラ上の剤枯渇防止の観点では不利になる。そこで、硫酸バリウムを処方しても剤枯渇を発生させない条件を検討したところ、芯材粒子の磁場500[Oe]における磁化を43[emu/g]以上にすることで、現像ローラへ現像剤が汲み上げられやすくなり、実使用上で剤枯渇に問題が発生しないことを見出した。ただし、キャリア芯材のσ500が高すぎると、現像後のトナー濃度の低くなった現像剤が現像ローラから離れず、そのまま再度現像領域に入ってしまい、ベタ画像の現像ローラ2周目以降の画像濃度が低下する、いわゆるゴーストと呼ばれる現象が発生する。本発明者らは、本発明の構成において、σ500が52[emu/g]以下であれば、前述のメカニズムによるゴーストの発生リスクを著しく抑制することができることを見出した。よって、磁場500[Oe]における適切な磁化は43[emu/g]以上、52[emu/g]以下であるという結論に至った。より好ましくは、磁場500[Oe]における磁化が44[emu/g]以上、51[emu/g]以下であり、44[emu/g]以上、48[emu/g]以下が更により好ましい。
被覆層は、厚み方向に硫酸バリウム微粒子が濃度勾配を持ち、被覆層の被覆層表面から芯材粒子の表面に向かって硫酸バリウム微粒子の濃度が低くなり、且つ、芯材粒子の磁場500[Oe]における磁化が43[emu/g]以上、52[emu/g]以下であることにより、硫酸バリウムの持つ帯電付与機能により、高画像面積でトナーを収支させたときのキャリアの帯電能力の低下を抑えつつ、画像面積率5%位までの低画像面積でトナーを収支させたときに、樹脂被覆層の削れに起因して樹脂被覆層内部に存在した硫酸バリウムが新たに露呈して帯電能力が過度に発揮されてしまい、現像能力が低下し、画像濃度が低下することを防ぐことができる。さらに、非磁性材料である硫酸バリウムを被覆層に含有させたことによる副作用である剤枯渇に対しても、芯材粒子の磁化が高いため、現像ローラが現像剤を汲み上げやすくなり、現像ローラ上の現像剤が枯渇しにくくなり、現像剤枯渇に起因する画像濃度の不均一化を抑制することができる。
キャリア芯材の磁化は、室温専用振動試料型磁力計(VSM)(東英工業株式会社製、VSM-P7)を用いて測定を行い、外部磁場0~1000(Oe)の範囲で1サイクル連続的に印加して、外部磁場500Oeにおける磁化σ500を測定した。
本発明において、被覆層が、厚み方向に硫酸バリウム微粒子が濃度勾配を持ち、被覆層の被覆層表面から芯材粒子の表面に向かって硫酸バリウム微粒子の濃度が低くなるとは、硫酸バリウムの濃度が段階的に低くなっても良いし、連続的に低くなっても良い。
本発明において、被覆層中に硫酸バリウム微粒子の濃度に勾配を設ける方法として特に制限はないが、例えば、キャリア芯材に硫酸バリウム微粒子の濃度の異なる樹脂溶液を多数回コーティングする手法を取り、後工程ほど硫酸バリウム微粒子の濃度が高い樹脂溶液を使用する方法等により、段階的に硫酸バリウムの濃度に勾配を設ける方法が挙げられる。また、複数本のスプレーコートノズルを用い、硫酸バリウム微粒子を高濃度で含有させた樹脂溶液をスプレーするノズルと、低濃度、もしくは含有させない樹脂溶液をスプレーするノズルに分け、高濃度で含有させた樹脂溶液のスプレー速度を連続的に低下させつつ、低濃度、もしくは含有させない樹脂溶液のスプレー速度を連続的に上昇させる方法等により、連続的に硫酸バリウムの濃度に勾配を設ける方法が挙げられる。
キャリアの見掛け密度は2.0[g/cm3]以上、2.6[g/cm3]以下であることが好ましい。これにより、現像機内での現像剤の嵩が好適になり、現像ローラが現像剤を汲み上げやすくなることから、現像ローラ上の現像剤が枯渇しにくくなり、現像剤枯渇に起因する画像濃度の不均一化をより抑制することができる。また、キャリア粒子に掛かる磁気束縛力が担保され、キャリア付着のリスクを低減することができる。更に、現像領域でのキャリア粒子の空間占有率が確保されるため、現像領域中でキャリアを経由した電荷の移動が行われやすくなり、帯電したトナーの移動による電界の変化を緩和して、電位起因のゴースト等の異常画像の発生を抑制できる。
キャリアの見掛け密度が低すぎると、粒子1粒あたりに働く現像ローラからの磁気束縛力が弱くなる。そのため、現像ローラへの効果的な汲み上がりが得られなくなるばかりか、キャリア粒子が現像部において、クーロン力により像担持体に移動してしまう、いわゆるキャリア付着のリスクが非常に高くなる。また、キャリアの見掛け密度が高すぎると、現像ローラから像担持体に現像する際の、現像領域に存在するキャリア粒子の占める空間占有率が相対的に低くなる。キャリア粒子の占める空間占有率が低くなると、現像領域中でキャリアを経由した電荷の移動が行われにくくなるため、帯電したトナーの移動による電界の変化を緩和しにくくなり、電位起因のゴースト等の異常画像を発生させやすくなる。
本発明者らは、本発明の構成において、これらのリスクに耐え得る見掛け密度の限界を探索し、キャリアの見掛け密度が2.0[g/cm3]以上2.6[g/cm3]以下であれば、これらのリスクを著しく低減できるとの結論に至った。キャリアの見掛け密度は、2.1[g/cm3]以上、2.5[g/cm3]以下がより好ましく、2.1[g/cm3]以上、2.4[g/cm3]以下が更により好ましい。
また、キャリアの質量は、その多くを芯材が占めているため、キャリアの見掛け密度と芯材の見掛け密度には高い相関関係がある。よって、前述のキャリアの見掛け密度と同様の理由により、芯材の見掛け密度にも好適な範囲が存在し、本発明者らが検討を行なった結果、その範囲は2.0[g/cm3]以上、2.6[g/cm3]以下であった。芯材の見掛け密度は、2.1[g/cm3]以上、2.5[g/cm3]以下がより好ましく、2.1[g/cm3]以上、2.4[g/cm3]以下が更により好ましい。
これにより、キャリアの見掛け密度と同様の理由により、画像の不均一化、キャリア付着、異常画像の発生を抑制することができる。
キャリア及びキャリア芯材の見掛け密度は、JIS-Z2504:2000により測定した。
キャリア被覆層の平均厚さをT[μm]、該硫酸バリウム微粒子の平均粒径をa[μm]としたとき、芯材粒子の表面から被覆層表面に向かって厚さ方向(T-a)[μm]の範囲において、該硫酸バリウム微粒子の占める体積割合は0~30[%]であることが好ましい。
これにより、樹脂被覆層が削れたとき新たに露呈する硫酸バリウムの量をより少なく抑えることができ、その結果、帯電能力が過剰になり現像能力が低下することをより抑制することができる。
該範囲に存在する粒径a[μm]の硫酸バリウム微粒子は、被覆層内部に沈んでいるため、該キャリアを現像剤として使用する当初は被覆層表層に露呈していないが、長期使用により樹脂が削れてくるにつれてキャリア表面に露呈するようになり、キャリアの帯電能力を上昇させてしまう。そのため、沈んでいる硫酸バリウムの量が少ないこと、つまりは該範囲に存在する硫酸バリウムの量が少ないことが、長期使用時にて新たに露呈してくる硫酸バリウムの量を少なくすることに繋がり、帯電能力を過度に発現させてしまうことを抑制する。本発明者らは、この範囲に存在する硫酸バリウムの量をどこまでに抑えることで、帯電能力の過度な発現を抑制できるのか検討を行ない、該範囲に存在する体積割合を30%以下にすることで、長期使用によって帯電能力が過度に発現して現像能力が低下する現象をより効率的に抑制することができることを見出した。
被覆層中の硫酸バリウム微粒子の所在及び、後述する被覆層中の芯材粒子の表面から被覆層表面に向かって厚さ方向(T-a)[μm]の範囲での体積割合を確認する方法としては、従来公知の手法を取ることができる。例えば、FIBにてキャリア表面の被覆層を切断し、断面をSEM、EDXにて観察することで確認をすることができる。以下に例を挙げるが、これに限られるものではない。
カーボンテープ上に試料を付着させ、表面保護及び導電処理のため、オスミウムを約20nmコーティングする。Carl Zeiss(SII)社製NVision40を用いて、加速電圧2.0kV、アパーチャ30μm、High Current ON、検出器SE2, InLens、導電処理なし、W.D5.0mm、試料傾斜54°にてFIB処理を行なう。Thermo Fisher Scientific社製 電子冷却型SDD検出器UltraDry(Φ30mm2)と解析ソフトThermo Fisher Scientific社製 NORAN System6(NSS)を用いて、加速電圧3.0kV、アパーチャ120μm、High Current ON、導電処理Os、ドリフト補正 有り、W.D10.0mm、測定法 Area Scan、積算時間10sec、積算回数100回、試料傾斜54°にてSEM観察、元素のマッピングを行ない、硫酸バリウム微粒子の存在位置、及び、被覆層中の芯材粒子の表面から被覆層表面に向かって厚さ方向(T-a)[μm]の範囲での断面での専有面積を確認する。体積の占める割合は、芯材粒子の表面から被覆層表面に向かって厚さ方向(T-a)[μm]に範囲における断面積の3/2乗に対して、硫酸バリウム微粒子の断面積の3/2乗の割合を計算することにより求める。
キャリア被覆層中の硫酸バリウム微粒子の平均粒径aは以下の方法で測定する。キャリアを包埋樹脂(Devcon社、2液混合、30分硬化型エポキシ樹脂)に混ぜ込み、一晩以上置いて硬化させ、機械研磨により大まかな断面試料を作製する。これにクロスセクションポリッシャー(JEOL製 SM-09010)を用い、加速電圧5.0kV、ビーム電流120μAの条件で断面の仕上げを行った。これを、走査型電子顕微鏡(Carl Zeiss製Merlin)を用いて、加速電圧0.8kV、倍率30000倍の条件で撮影する。撮影した画像をTIFF画像に取り込み、Media Cybernetics社製のImage-Pro Plusを用いて、硫酸バリウム微粒子100粒子の円相当径を測定し、その平均値を使用した。
硫酸バリウム微粒子の平均粒径aは、0.15~0.80μmが好ましい。被覆層の平均厚さTは0.20~1.00μmが好ましい。
また、キャリア表面には硫酸バリウムが存在していることが好ましい。キャリア表面に有意に硫酸バリウムが存在していることは、例えば、AXIS/ULYRA(島津/KRATOS製)でのピーク解析にて算出されるBaのatomic%で検出することができ、0.1atomic%もあれば、確実に、帯電に有意な硫酸バリウムがキャリア表面に存在している。該装置でのビーム照射領域は、おおよそ900μm×600μm程度であり、キャリア25個×17の範囲で検出している。また、侵入深さは0~10nmであり、キャリア表面付近の情報を検出している。
具体的な測定方法は、測定モード:Al:1486.6eV、励起源:モノクローム(Al)、検知方式:スペクトルモード、マグネットレンズ:OFFにて実施する。まず、広域スキャンによって検出元素を特定し、その次に、検出元素毎にナロースキャンにてピークを検出させる。その後、付属のピーク解析ソフトにて全検出元素に対するBaのatomic%を算出する。
被覆層に含有される微粒子としては、無機微粒子が好ましく、該被覆層には、硫酸バリウム微粒子のほかに無機微粒子を含有することが好ましい。前記硫酸バリウム微粒子以外の無機微粒子として抵抗調整を目的とした導電材料を含有させることが好ましい。従来、導電材料としてはカーボンブラックが広く用いられてきたが、現像剤として長期に使用すると、キャリア同士あるいはトナーとの摩擦や衝突等によって、キャリア被覆層からカーボンブラック、もしくはカーボンブラックを含む樹脂片が脱離し、トナー粒子に付着したり、そのまま現像されたりする。特にイエロートナー、もしくは白色トナー、透明トナーと組み合わせた現像剤においては色の濁り(色汚れ)の問題として顕著に現れる。そのため、該導電材料はできるだけ白色、もしくは無色に近いことが好ましく、特に色及び導電機能の良好な材料としては、タングステン、インジウム、リンのいずれか、もしくはそれらの酸化物のいずれかをドープした酸化スズ微粒子、または、前記ドープした酸化スズ微粒子を基体表面に有する微粒子が挙げられ、基体粒子としては、従来既存もしくは新規の材料を用いることが可能であり、例えば酸化アルミニウム、酸化チタン等が挙げられる。
これにより、長期の使用により少しずつ被覆層が削れ、抵抗調整剤として機能する該無機微粒子がキャリア表面に露呈したり離脱したりしたとしても、これらの無機微粒子の着色が少ないために、トナーへの色汚染を抑制することができる。
尚、これらの硫酸バリウム微粒子以外の無機微粒子は、被覆層において、濃度勾配があってもよいし、なくてもよい。
キャリアの被覆樹脂としてはシリコーン樹脂、アクリル樹脂、またはこれらを併用して使用することができる。これは、アクリル樹脂は接着性が強く脆性が低いので耐磨耗性に非常に優れた性質を持つが、その反面、表面エネルギーが高いため、スペントし易いトナーとの組み合わせでは、トナー成分スペントが蓄積することによる帯電量低下など不具合が生じる場合がある。その場合、表面エネルギーが低いためトナー成分のスペントがし難く、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進み難い効果が得られるシリコーン樹脂を併用することで、この問題を解消することができる。しかし、シリコーン樹脂は接着性が弱く脆性が高いので、耐磨耗性が悪いという弱点も有するため、この2種の樹脂の性質をバランス良く得ることが重要であり、これによりスペントがし難く耐摩耗性も有する被覆膜を得ることが可能となる。これは、シリコーン樹脂は表面エネルギーが低いためトナー成分のスペントがし難く、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進み難い効果が得られるためである。
本明細書でいうシリコーン樹脂とは、一般的に知られているシリコーン樹脂全てを指し、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコンや、アルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂などが挙げられるが、これに限るものではない。例えば、市販品としてストレートシリコン樹脂としては、信越化学製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2400、SR2406、SR2410等が挙げられる。この場合、シリコーン樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する他成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。さらに、変性シリコーン樹脂としては、信越化学製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)などが挙げられる。
縮重合触媒としては、チタン系触媒、スズ系触媒、ジルコニウム系触媒、アルミニウム系触媒が挙げられるが、本発明では、これら各種触媒のうち、優れた結果を齎らすチタン系触媒の中でも、特にチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)が触媒として最も好ましい。これは、シラノール基の縮合反応を促進する効果が大きく、且つ触媒が失活しにくいためであると考えられる。
本明細書でいうアクリル樹脂とは、アクリル成分を有する樹脂全てを指し、特に限定するものではない。また、アクリル樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する他成分を少なくとも1つ以上同時に用いることも可能である。ここでいう架橋反応する他成分とは、例えばアミノ樹脂、酸性触媒などが挙げられるが、これらに限るものではない。ここでいうアミノ樹脂とはグアナミン、メラミン樹脂等を指すが、これらに限るものではない。また、ここでいう酸性触媒とは、触媒作用を持つもの全てを用いることができる。例えば、完全アルキル化型、メチロール基型、イミノ基型、メチロール/イミノ基型等の反応性基を有するものであるが、これらに限るものではない。
また、被覆層は、アクリル樹脂とアミノ樹脂の架橋物を含有することがさらに好ましい。これにより、適度な弾性を維持したまま、被覆層同士の融着を抑制することができる。
アミノ樹脂としては、特に限定されないが、キャリアの帯電付与能力を向上させることができるため、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂が好ましい。また、適度にキャリアの帯電付与能力を制御する必要がある場合には、メラミン樹脂及び/又はベンゾグアナミン樹脂と、他のアミノ樹脂を併用してもよい。
アミノ樹脂と架橋し得るアクリル樹脂としては、ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有するものが好ましく、ヒドロキシル基を有するものがさらに好ましい。これにより、芯材粒子や導電性微粒子との密着性をさらに向上させることができ、導電性微粒子の分散安定性も向上させることができる。このとき、アクリル樹脂は、水酸基価が10mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上がさらに好ましい。
本発明において、被覆層用組成物は、シランカップリング剤を含有することが好ましい。これにより、導電性微粒子を安定に分散させることができる。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、r-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、r-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-r-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、r-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、r-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、r-クロルプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r-アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、r-クロルプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1,3-ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3-トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
シランカップリング剤の市販品としては、AY43-059、SR6020、SZ6023、SH6026、SZ6032、SZ6050、AY43-310M、SZ6030、SH6040、AY43-026、AY43-031、sh6062、Z-6911、sz6300、sz6075、sz6079、sz6083、sz6070、sz6072、Z-6721、AY43-004、Z-6187、AY43-021、AY43-043、AY43-040、AY43-047、Z-6265、AY43-204M、AY43-048、Z-6403、AY43-206M、AY43-206E、Z6341、AY43-210MC、AY43-083、AY43-101、AY43-013、AY43-158E、Z-6920、Z-6940(東レ・シリコーン社製)等が挙げられる。
シランカップリング剤の添加量は、シリコーン樹脂に対して、0.1~10質量%であることが好ましい。シランカップリング剤の添加量が0.1質量%以上であると、芯材粒子や導電性微粒子とシリコーン樹脂の接着性が向上して、長期間の使用中に被覆層が脱落することがなく、10質量%以下であると、長期間の使用中にトナーのフィルミングが発生することがない。
本発明において使用されるキャリアの芯材の体積平均粒径は特に制限するものではないが、キャリア付着、キャリア飛散防止の点から、体積平均粒径が20μm以上であるものが好ましく、キャリアスジ等の異常画像発生を防止して、画像品質の低下を防止する観点から、100μm以下のものが好ましく、特に、20~60μmのものを用いることで、近年の高画質化に対して、より好適に応えることができる。なお、体積平均粒径は、例えば、マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320-X100(日機装社製)を用いて測定することができる。
本発明の電子写真画像形成用キャリア(単にキャリアとも称す)に用いる芯材粒子は、磁化が既定の範囲を満たしてさえいれば、磁性体であれば、電子写真用二成分キャリアとして公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、見掛け密度が既定の範囲を満たしていると更に好ましい。
例としては、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金や化合物;これらの磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子等が例として挙げられる。中でも、環境面への配慮から、Mn系フェライト、Mn-Mg系フェライト等が好ましく、芯材粒子の表面に凹凸を形成し、見掛け密度を安定して低く抑えるためにはMn-Mg-Srフェライトが特に好ましい。具体的には、LDC-200(パウダーテック社製)、DFC-400M(DOWAエレクトロニクス社製)が好適な例として挙げられる。
本発明の電子写真画像形成用現像剤(以下、単に現像剤とも称す)は、本発明のキャリアを含有し、本発明のキャリアとトナーを含有することが好ましい。
トナーは結着樹脂を含有し、モノクロトナー、カラートナー、白色トナー及び透明トナーのいずれであってもよい。本発明のキャリアは、カラートナー、特にイエロートナー、もしくは白色トナー、透明トナーと組み合わせた現像剤として利用することができる。
定着ローラにトナー固着防止用オイルを塗布しないオイルレスシステムに適用するために、トナー粒子は、離型剤を含有してもよい。本発明の現像剤は、トナーが離型剤を含有しても、長期に亘り、良好な品質を維持することができる。
トナーは、粉砕法、重合法等の公知の方法を用いて製造することができる。例えば、粉砕法を用いてトナーを製造する場合、まず、トナー材料を混練することにより得られる溶融混練物を冷却した後、粉砕し、分級して、母体粒子を作製する。次に、転写性、耐久性をさらに向上させるために、母体粒子に外添剤を添加し、トナーを作製する。
このとき、トナー材料を混練する装置としては、特に限定されないが、バッチ式の2本ロール;バンバリーミキサー;KTK型2軸押出し機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出し機(東芝機械社製)、2軸押出し機(KCK社製)、PCM型2軸押出し機(池貝鉄工社製)、KEX型2軸押出し機(栗本鉄工所社製)等の連続式の2軸押出し機;コ・ニーダ(ブッス社製)等の連続式の1軸混練機等が挙げられる。
また、冷却した溶融混練物を粉砕する際には、ハンマーミル、ロートプレックス等を用いて粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機、機械式の微粉砕機等を用いて微粉砕することができる。なお、平均粒径が3~15μmとなるように粉砕することが好ましい。
さらに、粉砕された溶融混練物を分級する際には、風力式分級機等を用いることができる。なお、母体粒子の平均粒径が5~20μmとなるように分級することが好ましい。
また、母体粒子に外添剤を添加する際には、ミキサー類を用いて混合攪拌することにより、外添剤が解砕されながら母体粒子の表面に付着する。
結着樹脂としては、特に限定されないが、ポリスチレン、ポリp-スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単独重合体;スチレン-p-クロロスチレン共重合体、スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン-α-クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
圧力定着用の結着樹脂としては、特に限定されないが、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体、エチレン-塩化ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体;エポキシ樹脂、ポリエステル、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル-無水マレイン酸共重合体、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
着色剤(顔料又は染料)としては、特に限定されないが、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等の緑色顔料;カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等の黒色顔料、酸化チタン等の白色顔料等が挙げられ、二種以上を併用してもよく、透明トナーの場合は使用しなくてもよい。
離型剤としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールワックス、シリコーンワニス、カルナウバワックス、エステルワックス等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
また、トナーは、帯電制御剤をさらに含有してもよい。帯電制御剤としては、特に限定されないが、ニグロシン;炭素数が2~16のアルキル基を有するアジン系染料;C.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)等の塩基性染料;これらの塩基性染料のレーキ顔料;C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩;ジブチル、ジオクチル等のジアルキルスズ化合物;ジアルキルスズボレート化合物;グアニジン誘導体;アミノ基を有するビニル系ポリマー、アミノ基を有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂;モノアゾ染料の金属錯塩;サルチル酸;ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体;スルホン化した銅フタロシアニン顔料;有機ホウ素塩類;含フッ素4級アンモニウム塩;カリックスアレン系化合物等が挙げられるが、二種以上併用してもよい。なお、ブラック以外のカラートナーにおいては、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好ましい。
外添剤としては、特に限定されないが、シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機粒子;ソープフリー乳化重合法により得られる平均粒径が0.05~1μmのポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等の樹脂粒子が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、表面が疎水化処理されているシリカ、酸化チタン等の金属酸化物粒子が好ましい。さらに、疎水化処理されているシリカ及び疎水化処理されている酸化チタンを併用し、疎水化処理されているシリカよりも疎水化処理されている酸化チタンの添加量を多くすることにより、湿度に対する帯電安定性に優れるトナーが得られる。
(電子写真画像形成装置及び電子写真画像形成方法)
本発明の電子写真画像形成装置は、本発明の現像剤を備えるものである。
本発明の電子写真画像形成装置の一実施形態としては、静電潜像担持体と、該潜像担持体を帯電させる帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有しており、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなるものであり、現像剤として本発明の現像剤を用いるものである。
なお、本発明において使用される電子写真画像形成装置の構成としては、特に限定されるものではなく、同様の機能を有していれば、他の構成を有する電子写真画像形成装置を使用することも可能である。
本発明の電子写真画像形成方法は、本発明の現像剤を用いて画像形成するものである。
本発明の電子写真画像形成方法の一実施形態としては、潜像担持体を帯電させる帯電工程と、該潜像担持体上に静電潜像を形成する露光工程と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着工程とを有しており、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を有しなるものであり、現像剤として本発明の現像剤を用いるものである。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の現像剤を備えるものである。
図1に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。このプロセスカートリッジは、感光体(20)と、帯電手段(32)、本発明の現像剤を収納する現像手段(40)、クリーニングブレードを少なくとも有するクリーニング手段(61)を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在である。本発明においては、上述の各構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機、プリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱自在に構成することができる。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて説明する。なお、本発明はここに例示される実施例に限定されるものではない。また、以下の記載において、特に明記しない限り「部」は質量部を、「%」は質量%を表す。
[トナーの作製]
(結着樹脂合成例1)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10~15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。
次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(P1)を得た。
次いでプレポリマー(P1)267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステル(U1)を得た。
上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10~15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル(E1)を得た。
ウレア変性ポリエステル(U1)200部と変性されていないポリエステル(E1)800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、結着樹脂(B1)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部減圧乾燥し、結着樹脂(B1)を単離した。
(マスターバッチ作製例1)
顔料:C.I.Pigment Yellow155 :40部
結着樹脂:上記結着樹脂(B1) :60部
水 :30部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ-ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、マスターバッチ(M1)を得た。
(トナー製造例)
ビーカー内に前記の結着樹脂(B1)の酢酸エチル/MEK溶液240部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)20部、マスターバッチ(M1)8部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーにて12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させ、トナー材料液を用意した。
ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。
次いで、60℃に昇温し、TK式ホモミキサーにて12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。
ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、母体トナー粒子Aを得た。
母体トナー粒子A100部に、疎水性シリカ1.0部と、疎水化酸化チタン1.0部をヘンシェルミキサーにて混合して、トナーAを得た。
トナー粒径を、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTA2」を用い、アパーチャ径100μmで測定したところ、トナーAは体積平均粒径(Dv)=6.2μm、個数平均粒径(Dn)=5.1μmであった。
[キャリアの作製]
(実施例1)
<芯材1>
・Mn-Mg-Srフェライト
体積平均粒径:36μm、見掛け密度:1.9g/cm3、σ500:44emu/g
<樹脂液1-1>
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:20%) 200部
・シリコーン樹脂溶液(固形分40%) 2000部
・アミノシラン(固形分濃度:100%) 10部
・酸化タングステンドープ酸化スズ(WTO)表面処理アルミナ 140部
(粉体比抵抗:40[Ω・cm])
・硫酸バリウム 500部
(平均粒径:0.4[μm])
・トルエン 6000部
<樹脂液1-2>
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:20%) 200部
・シリコーン樹脂溶液(固形分40%) 2000部
・アミノシラン(固形分濃度:100%) 10部
・酸化タングステンドープ酸化スズ(WTO)表面処理アルミナ 140部
(粉体比抵抗:40[Ω・cm])
・硫酸バリウム 1000部
(平均粒径:0.4[μm])
・トルエン 6000部
樹脂液1-1、樹脂液1-2のそれぞれにおいて、以上の各材料をホモミキサーにて10分間分散し、樹脂層形成液を調合した。上記樹脂溶液1-1を芯材粒子の表面に厚みが0.2μmとなるようにスピラコーター(岡田精工社製)により55℃の雰囲気下で30g/minに割合でキャリア芯材に塗布し、追って、樹脂溶液1-2を厚み0.4μm分塗布し、その後、乾燥させた。層厚の調整は液量によって行った。得られたキャリアを、電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成し、冷却後に目開き100μmの篩を用いて解砕して、キャリア1を得た。被覆層の芯材粒子の表面から被覆層表面までの平均厚みTは0.6μmであった。
芯材の体積平均粒径の測定は、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社)のSRAタイプを使用し、0.7μm以上、125μm以下のレンジ設定で行ったものを用いた。
前記芯材粒子の表面から被覆層表面までの厚みT(μm)は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面の観察を行ない、芯材粒子の表面から被覆層表面までの厚みを、キャリア表面に沿って0.2μm間隔で50点測定し、得られた測定値を平均して求めた。
(実施例2)
<芯材2>
・Mnフェライト
体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.6g/cm3、σ500:51emu/g
キャリア芯材を芯材2にしたこと以外は実施例1と同様にしてキャリア2を得た。
(比較例1)
<樹脂液3>
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:20%) 200部
・シリコーン樹脂溶液(固形分40%) 2000部
・アミノシラン(固形分濃度:100%) 10部
・酸化タングステンドープ酸化スズ(WTO)表面処理アルミナ 140部
(粉体比抵抗:40[Ω・cm])
・硫酸バリウム 750部
(平均粒径:0.4[μm])
・トルエン 6000部
樹脂液1-1、1-2をどちらも樹脂液3に置き換えたこと以外は実施例1と同様にしてキャリア3を得た。
(実施例3)
<樹脂液4-1>
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:20%) 200部
・シリコーン樹脂溶液(固形分40%) 2000部
・アミノシラン(固形分濃度:100%) 10部
・酸化タングステンドープ酸化スズ(WTO)表面処理アルミナ 140部
(粉体比抵抗:40[Ω・cm])
・硫酸バリウム 125部
(平均粒径:0.4[μm])
・トルエン 6000部
<樹脂液4-2>
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:20%) 200部
・シリコーン樹脂溶液(固形分40%) 2000部
・アミノシラン(固形分濃度:100%) 10部
・酸化タングステンドープ酸化スズ(WTO)表面処理アルミナ 140部
(粉体比抵抗:40[Ω・cm])
・硫酸バリウム 250部
(平均粒径:0.4[μm])
・トルエン 6000部
樹脂液1-1、1-2をそれぞれ樹脂液4-1、4-2に置き換えたこと以外は実施例1と同様にしてキャリア4を得た。
(比較例2)
<芯材5>
・Mnフェライト
体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.6g/cm3、σ500:54emu/g
キャリア芯材を芯材5にしたこと以外は実施例1と同様にしてキャリア5を得た。
(比較例3)
<芯材6>
・Mn-Mg-Srフェライト
体積平均粒径:36μm、見掛け密度:1.9g/cm3、σ500:41emu/g
キャリア芯材を芯材6にしたこと以外は実施例1と同様にしてキャリア6を得た。
(実施例4)
<芯材7>
・Mnフェライト
体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.4g/cm3、σ500:51emu/g
キャリア芯材を芯材7にしたこと以外は実施例1と同様にしてキャリア7を得た。
(実施例5)
<芯材8>
・Mn-Mg-Srフェライト
体積平均粒径:36μm、見掛け密度:2.1g/cm3、σ500:44emu/g
キャリア芯材を芯材8にしたこと以外は実施例1と同様にしてキャリア8を得た。
(実施例6)
<樹脂液9-1>
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:20%) 200部
・シリコーン樹脂溶液(固形分40%) 2000部
・アミノシラン(固形分濃度:100%) 10部
・酸化タングステンドープ酸化スズ(WTO)表面処理アルミナ 140部
(粉体比抵抗:40[Ω・cm])
・硫酸バリウム 420部
(平均粒径:0.4[μm])
・トルエン 6000部
樹脂液1-1を樹脂液9-1に置き換えたこと以外は実施例5と同様にしてキャリア9を得た。
(実施例7)
<樹脂液10-1>
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:20%) 200部
・シリコーン樹脂溶液(固形分40%) 2000部
・アミノシラン(固形分濃度:100%) 10部
・酸化タングステンドープ酸化スズ(WTO)表面処理アルミナ 140部
(粉体比抵抗:40[Ω・cm])
・トルエン 6000部
樹脂液1-1を樹脂液10-1に置き換えたこと以外は実施例5と同様にしてキャリア10を得た。
(実施例8)
<樹脂液11-1>
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:20%) 200部
・シリコーン樹脂溶液(固形分40%) 2000部
・アミノシラン(固形分濃度:100%) 10部
・カーボン(ケッチェンブラック) 90部
・トルエン 6000部
<樹脂液11-2>
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:20%) 200部
・シリコーン樹脂溶液(固形分40%) 2000部
・アミノシラン(固形分濃度:100%) 10部
・カーボン(ケッチェンブラック) 90部
・硫酸バリウム 1000部
(平均粒径:0.4[μm])
・トルエン 6000部
樹脂液1-1を樹脂液11-1、樹脂液1-2を樹脂液11-2に置き換えたこと以外は実施例5と同様にしてキャリア11を得た。
(実施例9)
<樹脂液12-1>
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:20%) 200部
・シリコーン樹脂溶液(固形分40%) 2000部
・アミノシラン(固形分濃度:100%) 10部
・酸化リンドープ酸化スズ(PTO)表面処理アルミナ 200部
(粉体比抵抗:190[Ω・cm])
・トルエン 6000部
<樹脂液12-2>
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:20%) 200部
・シリコーン樹脂溶液(固形分40%) 2000部
・アミノシラン(固形分濃度:100%) 10部
・酸化リンドープ酸化スズ(PTO)表面処理アルミナ 200部
(粉体比抵抗:190[Ω・cm])
・硫酸バリウム 1000部
(平均粒径:0.4[μm])
・トルエン 6000部
樹脂液1-1を樹脂液12-1、樹脂液1-2を樹脂液12-2に置き換えたこと以外は実施例5と同様にしてキャリア12を得た。
(実施例10)
<樹脂液13-1>
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:20%) 200部
・シリコーン樹脂溶液(固形分40%) 2000部
・アミノシラン(固形分濃度:100%) 10部
・酸化インジウムドープ酸化スズ(ITO)表面処理アルミナ 100部
(粉体比抵抗:30[Ω・cm])
・トルエン 6000部
<樹脂液13-2>
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:20%) 200部
・シリコーン樹脂溶液(固形分40%) 2000部
・アミノシラン(固形分濃度:100%) 10部
・酸化インジウムドープ酸化スズ(ITO)表面処理アルミナ 100部
(粉体比抵抗:30[Ω・cm])
・硫酸バリウム 1000部
(平均粒径:0.4[μm])
・トルエン 6000部
樹脂液1-1を樹脂液13-1、樹脂液1-2を樹脂液13-2に置き換えたこと以外は実施例5と同様にしてキャリア13を得た。
(実施例11)
実施例5の樹脂液1-1と樹脂液1-2の酸化タングステンドープ酸化スズ(WTO)表面処理アルミナ140部を、酸化タングステンドープ酸化スズ(WTO)200部(粉体比抵抗:35[Ω・cm])に変更したこと以外は実施例5と同様にしてキャリア14を得た。
(実施例12)
実施例5の樹脂液1-1と樹脂液1-2の酸化タングステンドープ酸化スズ(WTO)表面処理アルミナ140部を、酸化リンドープ酸化スズ(PTO)300部(粉体比抵抗:180[Ω・cm])に変更したこと以外は実施例5と同様にしてキャリア15を得た。
(実施例13)
実施例5の樹脂液1-1と樹脂液1-2の酸化タングステンドープ酸化スズ(WTO)表面処理アルミナ140部を、酸化インジウムドープ酸化スズ(ITO)150部(粉体比抵抗:25[Ω・cm])に変更した以外は実施例と同様にしてキャリア16を得た。
実施例1~13、比較例1~3のキャリアの物性を表1に示す。
Figure 0007312374000001
トナー製造例で得たトナーAを7部と、実施例1で得たキャリア1を93部用い、ミキサーで10分攪拌して現像剤1を作製した。
市販のデジタルフルカラープリンター(株式会社リコー製、imagio MP C6004SP)に現像剤をセットし、画像面積5%の文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)を10万枚出力し、以下の評価を行なった。
(色汚れ、経時ベタ画像濃度)
ベタ画像を出力してX-Riteにより測定した。具体的には、現像剤をセットしセット直後のベタ画像をX-Rite(アムテック株式会社製 X-Rite 938 D50)により測定した値(L0 、a0 及びb0 、ID)と、上記画像面積5%の文字チャートを10万枚出力後にベタ画像を出力し、その画像をX-Riteにより測定した値(L1 、a1 及びb1 、ID’)を用いて、次式によりΔE、ΔIDを求め、ΔEにより色汚れ評価を、およびΔIDにより経時ベタ画像濃度(現像能力)評価を以下のようにランク付けした。
色汚れ評価
色差ΔE={(L0 -L1 2+(a0 -a1 2+(b0 -b1 21/2
0 、a0 及びb0 :初期測定値
1 、a1 及びb1 :10万枚画像出力後測定値
◎ :ΔE≦2
〇 :2<ΔE≦4
△ :4<ΔE≦6
× :6<ΔE
経時ベタ画像濃度評価
ΔID=ID-ID’
ID=初期測定値
ID’=10万枚画像出力後測定値
◎ :ΔID≦0.1
〇 :0.1<ΔID≦0.2
△ :0.2<ΔID≦0.3
× :0.3<ΔID
(ゴースト)
10万枚出力を行う前にベタ画像を出力して、画像先端と、現像ローラ1周分後方の画像濃度の差を目視にて観察し、ランク評価を行なった。
○:良好、△:許容、×:実用上許容できないレベル
(白斑点(キャリア付着))
10万枚出力の前と後のそれぞれにおいて、A3紙にてベタ画像及び副走査方向に2ドットライン(100lpi/inch)の画像パターンの画像を出力し、ベタ画像上及び2ドットラインのライン間に付着したキャリアによって発生する白抜けの個数を目視で観察し、ランクにて評価を行った。
◎:非常に良好、○:良好、△:許容、×:実用上許容できないレベル
(連続出力時のベタ画像濃度均一性)
連続出力におけるベタ画像濃度均一性は、A4紙にてベタ画像を10枚連続で出力し、10枚中の画像の濃度ムラの程度を目視にて確認した。
○:濃度ムラの変化が目視で確認できない。
△:濃度ムラが悪化しているが許容できる。
×:濃度ムラが明らかに悪化しており、許容できない。
キャリアとして、キャリア2~16を用い、現像剤2~16としたこと以外は現像剤1と同様にして評価を行なった。
各実施例、比較例に用いた現像剤のキャリア及び評価結果を表2に示す。
Figure 0007312374000002
上記の評価結果より、本発明のキャリアを用いることにより、経時画像濃度の低下、ゴースト、白斑点の発生を防ぎ、連続出力時の画像濃度を均一に保つことができることが分かる。また、キャリア1~16は硫酸バリウム微粒子を含有しているので、高画像面積でトナーを収支させたときのキャリアの帯電能力の低下を抑えることができることが分かる。
比較例1のキャリアは、被覆層において、硫酸バリウム微粒子の濃度勾配がないため、経時で帯電が上がりすぎてしまい、画像濃度が低下し、経時ベタ画像の評価結果が悪くなっている。比較例2のキャリアは、芯材粒子の磁場500[Oe]における磁化が高すぎて現像スリーブからの剤離れが悪くなり、剤の連れ回りが発生するためゴーストが発生している。比較例3のキャリアは、芯材粒子の磁場500[Oe]における磁化が低すぎて剤枯渇が発生したため、ベタ画像濃度均一性の評価結果が悪くなった。
20 感光体
32 帯電手段
40 現像手段
61 クリーニング手段
特開昭58-108548号公報 特開昭54-155048号公報 特開昭57-40267号公報 特開昭58-108549号公報 特開昭59-166968号公報 特公平1-19584号公報 特公平3-628号公報 特開平6-202381号公報 特開平5-273789号公報 特開平8-6307号公報 特許第2683624号公報 特開昭56-75659号公報 特開平4-360156号公報 特開平5-303238号公報 特開平11-174740号公報 特開2010-117519号公報 特許5534409号公報 特開2011-209678号公報 特開2006-079022号公報 特開2018-155932号公報

Claims (9)

  1. 芯材粒子と前記芯材粒子を被覆する被覆層とからなる電子写真画像形成用キャリアにおいて、前記被覆層中に1種類以上の微粒子を含有し、前記微粒子の少なくとも1種類は硫酸バリウム微粒子であり、前記被覆層は、厚み方向に前記硫酸バリウム微粒子が濃度勾配を持ち、前記被覆層の被覆層表面から芯材粒子の表面に向かって前記硫酸バリウム微粒子の濃度が低くなり、且つ、前記芯材粒子の磁場500[Oe]における磁化が43[emu/g]以上、52[emu/g]以下である、電子写真画像形成用キャリア。
  2. 前記電子写真画像形成用キャリアの見掛け密度が2.0[g/cm3]以上、2.6[g/cm3]以下である、請求項1に記載の電子写真画像形成用キャリア。
  3. 前記芯材粒子の見掛け密度が2.0[g/cm3]以上、2.6[g/cm3]以下である、請求項1または2に記載の電子写真画像形成用キャリア。
  4. 前記被覆層の平均厚さをT[μm]、前記硫酸バリウム微粒子の平均粒径をa[μm]としたとき、前記芯材粒子の表面から被覆層表面に向かって厚さ方向(T-a)[μm]の範囲において、前記硫酸バリウム微粒子の占める体積割合が0~30[%]である、請求項1~3のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリア。
  5. 前記被覆層は、前記硫酸バリウム微粒子のほかに無機微粒子を含有し、前記無機微粒子が、タングステン、インジウム、リンのいずれか、もしくはそれらの酸化物のいずれかをドープした酸化スズ微粒子、または、前記ドープした酸化スズ微粒子を基体表面に有する微粒子である、請求項1~4のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリア。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリアを含有する、電子写真画像形成用現像剤。
  7. 請求項6に記載の電子写真画像形成用現像剤を用いて画像形成する、電子写真画像形成方法。
  8. 請求項6に記載の電子写真画像形成用現像剤を備える、電子写真画像形成装置。
  9. 請求項6に記載の電子写真画像形成用現像剤を備える、プロセスカートリッジ。
JP2019135594A 2019-07-23 2019-07-23 電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジ Active JP7312374B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019135594A JP7312374B2 (ja) 2019-07-23 2019-07-23 電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019135594A JP7312374B2 (ja) 2019-07-23 2019-07-23 電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021018390A JP2021018390A (ja) 2021-02-15
JP7312374B2 true JP7312374B2 (ja) 2023-07-21

Family

ID=74566136

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019135594A Active JP7312374B2 (ja) 2019-07-23 2019-07-23 電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7312374B2 (ja)

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007240615A (ja) 2006-03-06 2007-09-20 Ricoh Co Ltd キャリア、現像剤、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2008197630A (ja) 2007-01-18 2008-08-28 Ricoh Co Ltd 電子写真現像剤用キャリア、現像剤、画像形成方法、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JP2009157078A (ja) 2007-12-26 2009-07-16 Dowa Electronics Materials Co Ltd 電子写真現像用の磁性キャリア芯材およびその製造方法、磁性キャリア並びに電子写真現像剤
JP2011180296A (ja) 2010-02-26 2011-09-15 Powdertech Co Ltd 電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤
JP2012058448A (ja) 2010-09-08 2012-03-22 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像剤用キャリア及び静電潜像現像剤
JP2012058483A (ja) 2010-09-08 2012-03-22 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像用現像剤、静電潜像現像用現像剤の製造方法、現像剤入り容器、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP2014077974A (ja) 2012-09-18 2014-05-01 Ricoh Co Ltd 二成分現像剤用キャリア、静電潜像現像剤、および画像形成方法
JP2018084608A (ja) 2016-11-21 2018-05-31 株式会社リコー 静電潜像現像剤用キャリア、二成分現像剤、補給用現像剤、画像形成装置、トナー収容ユニット、及び画像形成方法
JP2018155932A (ja) 2017-03-17 2018-10-04 株式会社リコー キャリア、現像剤、補給用現像剤、画像形成装置、画像形成方法並びにプロセスカートリッジ
JP2018155970A (ja) 2017-03-17 2018-10-04 株式会社リコー 現像装置、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2019074676A (ja) 2017-10-18 2019-05-16 株式会社リコー キャリア、現像剤、現像剤収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007240615A (ja) 2006-03-06 2007-09-20 Ricoh Co Ltd キャリア、現像剤、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2008197630A (ja) 2007-01-18 2008-08-28 Ricoh Co Ltd 電子写真現像剤用キャリア、現像剤、画像形成方法、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JP2009157078A (ja) 2007-12-26 2009-07-16 Dowa Electronics Materials Co Ltd 電子写真現像用の磁性キャリア芯材およびその製造方法、磁性キャリア並びに電子写真現像剤
JP2011180296A (ja) 2010-02-26 2011-09-15 Powdertech Co Ltd 電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤
JP2012058448A (ja) 2010-09-08 2012-03-22 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像剤用キャリア及び静電潜像現像剤
JP2012058483A (ja) 2010-09-08 2012-03-22 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像用現像剤、静電潜像現像用現像剤の製造方法、現像剤入り容器、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP2014077974A (ja) 2012-09-18 2014-05-01 Ricoh Co Ltd 二成分現像剤用キャリア、静電潜像現像剤、および画像形成方法
JP2018084608A (ja) 2016-11-21 2018-05-31 株式会社リコー 静電潜像現像剤用キャリア、二成分現像剤、補給用現像剤、画像形成装置、トナー収容ユニット、及び画像形成方法
JP2018155932A (ja) 2017-03-17 2018-10-04 株式会社リコー キャリア、現像剤、補給用現像剤、画像形成装置、画像形成方法並びにプロセスカートリッジ
JP2018155970A (ja) 2017-03-17 2018-10-04 株式会社リコー 現像装置、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2019074676A (ja) 2017-10-18 2019-05-16 株式会社リコー キャリア、現像剤、現像剤収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021018390A (ja) 2021-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5522452B2 (ja) 2成分現像剤用キャリア
JP6691322B2 (ja) 静電潜像現像剤用キャリア、二成分現像剤、補給用現像剤、画像形成装置、およびトナー収容ユニット
JP6743392B2 (ja) キャリア、現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジおよび画像形成方法
JP5434412B2 (ja) 静電潜像現像用キャリア、二成分現像剤、補給用現像剤、及びプロセスカートリッジ、並びに画像形成方法
JP6769233B2 (ja) 静電潜像現像剤用キャリア、現像剤、及び画像形成装置
JP6930358B2 (ja) キャリア、現像剤、現像剤収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法
JP6862965B2 (ja) 現像装置、画像形成装置、及び画像形成方法
US20220283523A1 (en) Carrier for forming electrophotographic image, developer for forming electrophotographic image, electrophotographic image forming method, electrophotographic image forming apparatus, and process cartridge
JP6699331B2 (ja) キャリア、現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
US11513447B2 (en) Carrier for forming electrophotographic image, developer for forming electrophotographic image, electrophotographic image forming method, electrophotographic image forming apparatus, and process cartridge
JP7312374B2 (ja) 電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2022092170A (ja) 電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP7001954B2 (ja) 静電潜像現像用キャリア、二成分現像剤、補給用現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法
JP7151413B2 (ja) 電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2021063895A (ja) キャリア、現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
US11934145B2 (en) Developing apparatus, developer for electrophotographic image formation, electrophotographic image forming method, and electrophotographic image forming apparatus
JP6862944B2 (ja) 現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
US20230205108A1 (en) Carrier, developer, image forming method, and process cartridge
JP6977542B2 (ja) キャリアセット、二成分現像剤セット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法。
US20230305439A1 (en) Carrier for electrophotographic image formation, developer for electrophotographic image formation, electrophotographic image forming method, electrophotographic image forming apparatus, and process cartridge
JP6862934B2 (ja) キャリア、現像剤、補給用現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法
JP2021076820A (ja) 電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2023094505A (ja) キャリア、現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2017021199A (ja) キャリア、現像剤および画像形成方法
JP2023178047A (ja) 電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230609

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230622

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7312374

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151