JP2008197630A - 電子写真現像剤用キャリア、現像剤、画像形成方法、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真現像剤用キャリア、現像剤、画像形成方法、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】現像装置内の帯電性を安定に保ち長期での使用におけるベタ画像部のキャリア付着の発生を抑制しつつ、画像濃度、粒状性が良好で、トナー濃度変動に伴う帯電量変化によって生じる画像濃度変動が少ない電子写真現像剤用キャリアを提供すること。
【解決手段】芯材粒子と該粒子を被覆する被覆層とからなるキャリアであって、現像装置に補給されるキャリア及び/又は現像装置に収容されているキャリアの重量平均粒径Dwが22μm以上32μm以下で、個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1.00≦Dw/Dp≦1.20、粒径x[μm]が0<x<20の範囲である粒子の含有量が7重量%以下、粒径y[μm]が0<y<36の範囲である粒子の含有量が90重量%以上100重量%以下である電子写真現像剤用キャリア。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真現像剤用キャリア、現像剤、二成分現像剤を用いた画像形成方法、画像形成装置、現像剤補給装置、およびプロセスカートリッジに関する。
複写機やプリンタ等の電子写真方式による画像形成装置では、一様に帯電した像担持体表面に露光を行って潜像を形成し、潜像を現像してトナー像とした後、トナー像を記録紙等の転写材に転写している。トナー像を担持した転写材は定着装置を通過し、熱や圧力によってトナーを転写材上に定着する。
上記画像形成装置において、像担持体上の潜像を現像する現像装置には、磁性材料を含むトナーを用いて現像を行う一成分現像方式のものと、トナーとキャリアからなる現像剤を用いて現像を行う二成分現像方式のものがある。
このうち、二成分現像方式の現像装置は現像性に優れているため、現在では画像形成装置の主流となっている。特に近年では、フルカラーやマルチカラー画像を形成するカラー画像形成装置に多く使用されており、二成分現像方式の現像装置に対する需要は、さらに高まってきている。
上記二成分現像方式の画像形成装置では、トナーとキャリアは現像装置内にて撹拌され、摩擦によりトナーはキャリアから電荷を付与される。トナーはキャリア外面に静電的に付着した状態となり、トナーを担持したキャリアは、現像領域へと搬送される。現像バイアスが印加された条件下でトナーはキャリアから離れ、像担持体の潜像部分に静電的に付着し、トナー画像が形成される。二成分現像方式において、高耐久で、且つ高い安定性を満足した画像を提供するためには、攪拌時に、トナーに対してキャリアから安定した帯電量が付与されることが重要であり、そのためには、長時間使用の前後においても、キャリアの帯電付与能力が安定していることが重要である。
しかし、通常の二成分現像方式における現像装置では、トナーが現像動作によって消費されていく一方、キャリアは消費されずに現像槽内に残る。そのため、現像槽内でトナーと共に撹拌されるキャリアは、撹拌頻度が多くなるにつれて劣化する。具体的には、キャリア表面の樹脂コートの剥がれや、キャリア表面へのトナーの付着(トナースペント)といった事態が発生し、その結果、キャリア抵抗値および現像剤の帯電性が徐々に低下し、現像剤の現像性が過度に上がり、画像濃度の上昇やかぶりが発生するといった不具合が誘発される。
上記問題を解決するものとして、例えば、特許文献1には、現像によって消費されるトナーと共にキャリアを追加し、現像装置内のキャリアを少しずつ入れ替えることにより、帯電量の変化を抑制し、画像濃度を安定化する現像装置、いわゆるトリクル現像方式の現像装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示の現像装置においても、長時間使用していくうちに、現像槽内には劣化したキャリアの割合が次第に増加し、画像濃度の上昇等の不具合を抑えることは困難であった。
また、特許文献2には、現像装置内に適宜補給する現像剤として、予め現像装置内に収容されているキャリアと比べて、高い抵抗値を有するキャリアを、トナーと共に含む現像剤を用いることで、帯電性の維持、画質低下を抑制することが開示されている。
さらに、特許文献3には、補給用現像剤として、より高い帯電量をトナーに対して付与するキャリアをトナーと共に含む現像剤を使用することで、帯電性の維持、画質低下を抑制することが開示されている。
しかしながら、現像装置内で入れ替わるキャリア量は、トナー消費量の差に伴い、各時点で異なってくることから、特許文献2又は3に開示の方法では、現像装置内の現像剤の抵抗値あるいは帯電量が変化して、画像濃度の変動が発生しやすくなるという不具合が生じた。
さらに、特許文献4には、予め現像装置内部に収容されているキャリアと物性の異なるキャリアをトナーと共に含有させた補給用現像剤を複数種用い、各現像剤を順次補給する方法が開示されている。
しかしながら、実際には、キャリアとトナーの比重が極端に異なるため、特許文献4に開示のように、一つのトナー補給容器内で、物性の異なる複数のキャリアのうちの一つを、トナーと共に含有させた補給現像剤を、互いに混ざり合わないように現像装置内に順次補給することは非常に困難であり、また、現像剤中のキャリアに対するトナー量が多いために、キャリアの劣化が生じやすく、長期にわたり安定した画像を得ることができない。
また、特許文献4に記載されているように、補給用キャリアの抵抗値を高めるため、そのキャリアコア材にコーティングするシリコーンコート層のコート量を単に増やした場合には、抵抗値が高められる一方でキャリアの帯電量が低下してしまい、その結果、現像される画像の像再現性が低下したり、背景部汚れが発生したりするという問題がある。
このため、トリクル現像方式において、より安定した現像特性を得るためには、キャリアが長期の使用においても安定した帯電付与能力を維持できるものであることが重要である。
また、トリクル現像方式では、トナーだけでなくキャリアの量についても変動が発生するため、現像剤中のトナーとキャリアの比率の制御が難しい。特に現像装置にトナーやキャリアが追加されたタイミングでは、現像剤中に局所的にトナーもしくはキャリアの濃度が高い部分が発生しやすい。現像装置へトナーやキャリアを追加する際、追加分のトナーとキャリアを事前に混合しておき、現像剤として供給すれば、このような局所的な濃度上昇を和らげることができるが、その場合、現像剤の供給量はトナーの消費量に依存してしまうため、キャリアの供給量が最適でなくなる可能性がある。前述のように、現像装置内現像剤のトナーとキャリアの比率が著しく変動すると、帯電量が変化するために画像濃度の変動が発生しやすくなるという不具合が生じる。
二成分系現像方式に使用される粒状キャリアは、キャリア表面へのトナーのフィルミング防止、キャリア均一表面の形成、表面酸化防止、感湿性低下の防止、現像剤の寿命の延長、感光体のキャリアによるキズあるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御または帯電量の調節等の目的で、通常、適当な樹脂材料で被覆したり(例えば、特許文献5参照。)、更に、その被覆層に種々の添加剤を添加する方法(例えば、特許文献6〜8参照。)が行われたりしている。
さらに、特許文献9には、キャリア表面に添加剤を付着させたものが提案されており、特許文献10には、被覆層厚よりも大きい導電性粒子を被覆層に含有させたものが提案されている。
また、特許文献11には、ベンゾグアナミン−n−ブチルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を主成分とするキャリア被覆材を用いることが提案されており、また、特許文献12には、メラミン樹脂とアクリル樹脂の架橋物をキャリア被覆材として用いることが提案されている。
しかし、依然として耐久性あるいは耐熱性に問題があり、また、トナーのキャリア表面へのスペント化、それに伴う帯電量の不安定化、ならびにトナーカブリ等の発生の問題がある。さらに、耐環境性を改良する必要がある。
近年、電子写真画像の更なる安定化と高画質化の要求が非常に高まってきている。特に、高画質化を目的とした潜像最小単位(1ドット)の極小化、高密度化等が試みられており、そのためにも極小化した潜像を忠実に現像することが重要な課題となっている。また、安定した画質のためには、現像剤の帯電量分布のばらつきを少なくすることが重要な課題となっている。
潜像を忠実に現像するためにはキャリアの小粒径化が有効であると考えられており、様々な小粒径キャリアの使用が提案されている。
特許文献13では、スピネル構造をもつフェライト粒子からなる、平均粒径が30μm未満の磁性キャリアが提案されている。しかし、これは樹脂コートされていないキャリアであって、低い現像電界のもとで使用するものであり、現像能力に乏しく、また樹脂コートされていないため、寿命が短い。
また、特許文献14には、キャリア粒子を有する電子写真用キャリアにおいて、該キャリアは、50%平均粒径(D50)15〜45μmを有し、該キャリアは、22μmより小さいキャリア粒子を1〜20%含有しており、16μmより小さいキャリア粒子を3%以下含有しており、62μm以上のキャリア粒子を2〜15%含有しており、かつ88μm以上のキャリア粒子を2%以下含有しており、該キャリアは、空気透過法によって測定される該キャリアの比表面積Sと、下記式1によって算出される該キャリアの比表面積Sとが下記式2の条件を満たすことを特徴とする電子写真用キャリアが記載されている。
式1 S2=(6/ρ・D50)×10 (ρはキャリアの比重)
式2 1.2≦S/S≦2.0
この小粒径キャリアを使用すると次のような利点を得ることができる。
[1]単位体積当りの表面積が広いため、個々のトナーに充分な摩擦帯電を与えることができる。そのため、低帯電量トナー、逆帯電量トナーの発生が少なく、地汚れが発生しにくくなる。また、ドット周辺のトナーのちり、にじみが少なくドット再現性が良好となる。
[2]単位体積当りの表面積が広く、地汚れが発生しにくいことから、トナーの平均帯電量を低くすることができ、充分な画像濃度が得られる。
[3]キャリアが小粒径であるため、緻密な磁気ブラシを形成することができる。また、穂の流動性がよいため、画像に穂跡が発生しにくい。
更に、特許文献15では、磁性を有する芯材粒子と該粒子表面を被覆する樹脂層とからなる、重量平均粒径Dwが22〜32μmで、かつ個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1<Dw/Dp<1.20である電子写真現像剤用キャリアであって、20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜7重量%、36μmより小さい粒子の含有量が90〜100重量%、44μmより小さい粒子の含有量が98〜100重量%であることを特徴とする電子写真現像剤用キャリアが記載されており、微粉を減少させ、粒度分布を狭くすることで、小粒径化に起因して発生するキャリア付着を抑制している。
また、従来のキャリアを小粒径化すると、芯材表面の凹凸が収縮され、巨視的に見ると表面性が向上し、滑らかな状態に近くなる。芯材表面を滑らかしたキャリアは、二成分現像剤において、キャリア粒子に対するストレスが均一的に分散されるため、ストレスが集中することによって発生する局所的な被膜削れを抑制することができ、被膜耐久性が向上する傾向がある。
しかし、ストレスを均一に分散してもキャリア被覆層の削れは発生する。キャリア芯材の表面性を高くした場合、ストレスを均一に分散させて被膜削れの速度を遅らせることはできても、長期に渡って使用すると粒子表面の全面に渡っての削れとなり、被膜残のほとんどない粒子になってしまう。被膜の残っていない粒子はトナーに対する帯電付与能力が著しく弱く、キャリアとしての機能を果たさなくなる。また、被膜削れによって芯材表面が露呈されてしまった部分は電気抵抗が低くなってしまうため、注入帯電に起因するキャリア付着が発生しやすいが、被膜が残っていない粒子は粒子前面が低抵抗であるために、電荷が注入される確率が高く、結果としてキャリア付着が発生しやすい。
特公平2−21591号公報 特開平3−145678号公報 特開平11−223960号公報 特開平8−234550号公報 特開昭58−108548号公報 特公平1−19584号公報 特公平3−628号公報 特開平6−202381号公報 特開平5−273789号公報 特開平9−160304号公報 特開平8−6307号公報 特許第2683624号公報 特開昭58−144839号公報 特許第3029180号公報 特開2005−250424号公報
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、二成分現像方式の画像形成装置において、現像装置内の帯電性を安定に保ち長期での使用におけるベタ画像部のキャリア付着の発生を抑制しつつ、画像濃度、粒状性(ザラツキ)が良好で、トナー濃度変動に伴う帯電量変化によって生じる画像濃度変動が少ない電子写真現像剤用キャリアを提供すること、キャリア同士の接触による衝撃を緩和し、長期の使用においても結着樹脂の膜削れを抑制でき、かつ、キャリア同士の摩擦接触によるトナースペント成分掻き落とし効果は保持するキャリアを提供すること、さらに該キャリアを用いる現像剤、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。本発明はこれに基づいてなされたものである。
上記課題は本発明の(1)〜(16)によって解決される。
(1)芯材粒子と該粒子を被覆する被覆層とからなる電子写真現像剤用キャリアであって、トナーとキャリアが収容されている現像装置に対して、トナーとキャリアを該現像装置に補給するとともに、該現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行う画像形成装置に用いられ、前記現像装置に補給されるキャリア及び/又は前記現像装置に収容されているキャリアの重量平均粒径Dwが22μm以上32μm以下で、個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1.00≦Dw/Dp≦1.20、粒径x[μm]が0<x<20の範囲である粒子の含有量が7重量%以下、粒径y[μm]が0<y<36の範囲である粒子の含有量が90重量%以上100重量%以下であることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
(2)前記キャリアの芯材粒子を被覆する被覆層が、結着樹脂と少なくとも1種類の硬質粒子を含み、該硬質粒子の粒径D1(μm)と該被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)とが、1<(D1/h)<10の関係を満たすことを特徴とする、前記(1)に記載の電子写真現像剤用キャリア。
(3)前記硬質粒子が、アルミナ粒子又はアルミナを基体とする粒子であることを特徴とする、前記(2)に記載の電子写真現像剤用キャリア。
(4)前記キャリアの芯材粒子を被覆する被覆層が、前記硬質粒子以外に第2硬質粒子を含み、前記硬質粒子の粒径D1と第2硬質粒子の粒径D2とがD2<D1の関係を満たし、かつ第2硬質粒子の粒径D2(μm)と該被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)とが、0.001<(D2/h)<1の関係を満たすことを特徴とする、前記(2)または(3)に記載の電子写真現像剤用キャリア。
(5)前記第2硬質粒子が、酸化チタン粒子又は表面処理された酸化チタン粒子であることを特徴とする、前記(4)に記載の電子写真現像剤用キャリア。
(6)前記芯材粒子表面から該芯材粒子を被覆する被覆層の表面までの平均厚みT(μm)が、0.1≦T≦3.0の範囲であることを特徴とする前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
(7)前記結着樹脂が、少なくともアクリル樹脂とアミノ樹脂との反応物かシリコーン樹脂のいずれかを含むことを特徴とする前記(1)ないし(6)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
(8)前記キャリアに1000エルステッドの磁界を印加したときの磁化が、50emu/g以上、100emu/g以下であることを特徴とする、前記(1)ないし(7)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
(9)前記芯材粒子が、Mn−Mg−Sr系フェライト、Mn系フェライト又はマグネタイトであることを特徴とする、前記(1)ないし(8)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
(10)前記(1)ないし(9)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアとトナーとを含有することを特徴とする電子写真現像剤。
(11)前記補給用現像剤中のキャリアの重量比率が、3wt%以上30wt%未満であることを特徴とする前記(10)に記載の電子写真現像剤。
(12)前記現像装置に収容されている現像剤中のキャリアの重量比率が、85wt%以上98wt%未満であることを特徴とする前記(10)又は(11)に記載の電子写真現像剤。
(13)像担持体上に形成された静電潜像を、トナーとキャリアが収容されている現像装置に対して、トナーとキャリアを該現像装置に補給するとともに、該現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行い、可視像とする画像形成方法であって、前記キャリアとして前記(1)ないし(9)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアを用いることを特徴とする画像形成方法。
(14)静電潜像が形成される像担持体と、該静電潜像をトナー及びキャリアを含む現像剤により可視像とする現像装置と、該現像装置にトナー及びキャリアを補給する現像剤補給装置と、該現像装置内の余剰となった現像剤を排出する現像剤排出装置と、を備え、前記キャリアとして、前記(1)ないし(9)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアを用いることを特徴とする画像形成装置。
(15)前記(14)に記載の画像形成装置であって、トナーとキャリアを補給する現像剤補給装置が、補給用現像剤を収納する形状が容易に変形する収納容器と該収納容器内の補給用現像剤を吸引して現像装置に供給する吸引ポンプを有することを特徴とする画像形成装置。
(16)像担持体と、少なくとも像担持体上に形成された静電潜像をトナー及びキャリアを含む現像剤により可視像とする現像装置とを、一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能に備えられるプロセスカートリッジであって、前記画像形成装置本体側に前記現像装置にトナーとキャリアを補給する手段と、前記現像装置内の余剰となった現像剤を排出する現像剤排出手段とを備えさせ、前記キャリアとして前記(1)ないし(9)のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、トナーとキャリアが収容されている現像装置に対して、トナーとキャリアを前記現像装置に補給するとともに、前記現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行なうことで、キャリアの劣化に起因する帯電量の変化を抑制しつつ、キャリアを小粒径化することでキャリアの比表面積を増大させ、上記現像方法にてトナー及びキャリアを現像装置内に供給する際に起こりやすいトナー濃度変動に起因する帯電量変動を少なくさせることができるということを見出した。ただし、上記利点を得るためにキャリアの粒径を小さくすると、粒子一粒あたりにかかる磁気束縛力が弱くなるため耐キャリア付着性が悪化する。本発明者らは、前述の利点を得ながらも、トレードオフの関係にある上記欠点を克服するためには、キャリアの微粉成分を減少させ、かつ、粒度分布の狭いものとすることが最も有効であるという結論に達し、最適な粒度分布のキャリアを上記現像方法に適用することで上記課題を解決することができるということを見出した。
また、前記の現像方法に用いられるキャリアの表面に硬質粒子による凸部を設けることで、キャリア被覆層の結着樹脂に対しては、キャリア同士の接触による衝撃を緩和し、長期の使用においても結着樹脂の膜削れを抑制することができ、かつ、キャリア表面へのトナースペント成分に対しては、硬質粒子による凸部がスペント成分を掻き落とす効果(クリーニング効果)を発揮し、トナースペントを防止することができるということを見出した。
帯電量の変動が生じると、画像濃度の変動が発生する。そのため、帯電量は常に一定であることが望ましい。
帯電量は現像剤中のトナーとキャリアの比率と相関があり、一般的にトナー濃度が高くなると帯電量は低くなる。これは、キャリア粒子表面に対するトナーの被覆率が変化することに起因しており、被覆率が高くなるとキャリア粒子の単位表面積あたりのトナー量が増加し、帯電作用が分散されるためにトナーの帯電量が低くなる。
したがって、帯電量を安定させるためにはトナー濃度の変化に対しての被覆率変動が少ない(感度が低い)ことが好ましい。
本発明者らは、前記の、トナーとキャリアを現像装置に補給するとともに、現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら行なう現像方法において発生するトナー濃度変動に対して、帯電量の変動を抑える方法について鋭意検討を行なった結果、上記のようにキャリア表面積に対するトナー被覆率の変動を少なくすることが有効であるという結論に達した。
キャリア表面積に対するトナーの被覆率は次式にて算出することができる。
被覆率[%]=(Wt/Wc)×(ρc/ρt)×(Dc/Dt)×(1/4)×100
式中、Dはキャリアの重量平均粒径[μm]、Dtはトナーの重量平均粒径[μm]、Wはトナーの重量[g]、Wはキャリアの重量[g]、ρはトナー真密度[g/cm]、ρはキャリア真密度[g/cm]をそれぞれ表わす。この式より、被覆率はキャリアの粒径Dの関数であり、キャリアの粒径Dが小さいほどトナー濃度(Wt/Wc)が変化した際の被覆率の変動が小さくなることがわかる。そのため、キャリアの粒径Dが小さいほどトナー濃度が変化した際の帯電量の変動は少なくなり、帯電量を安定化させることができる。
本発明のキャリアにおいて、その重量平均粒径Dwが22〜32μmであり、好ましくは23μm〜30μmの範囲である。重量平均粒径Dwが22μmよりも小さいと、粒子にかかる磁気束縛力が弱くなるため、粒度分布をシャープなものにしたとしてもキャリア付着の発生を防ぐことが困難になる。重量平均粒径Dwが32μmよりも大きいと、キャリア付着はより起こりにくくなるが、潜像に対してトナーが忠実に現像されなくなって、ドット径のバラツキが大きくなり粒状性が低下する。
前記キャリア付着は、静電潜像の画像部又は地肌部にキャリアが付着する現象を示す。キャリア付着は、感光体ドラムや定着ローラーの傷の原因となる等の不都合を生じるので好ましくない。また、個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1.20より大きいと、微粒子の比率が大きくなり、耐キャリア付着性が悪化する。
該キャリア中の20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量は好ましくは7重量%以下、更に好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。
20μmより小さい粒子が7重量%より多くなると、粒径分布が広がってきて、磁気ブラシの至るところに磁化の小さな粒子が存在するようになりキャリア付着が急激に悪くなる。
20μmより小さい粒径を有するキャリア粒子の含有割合は好ましくは0.5重量%以上である。0.5重量%以上だと、コストをかけずに所望の値を得ることが可能となる。
更に、重量平均粒径Dwが22〜32μmのキャリア粒子において、36μmより小さい粒子が90重量%以上、より好ましくは、92重量%以上となるシャープな粒径分布のキャリアは、各キャリア粒子に対する磁気束縛力のばらつきが小さくなり、耐キャリア付着性を大幅に改善できる。
本発明においてキャリア、キャリア芯材及びトナーに関して言う重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。
この場合の重量平均粒径Dwは次式で表わされる。
={1/Σ(nD)}×{Σ(nD)}・・・(1)
式(1)中、Dは各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示す。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すもので、本発明の場合には、2μmの長さを採用した。
また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子粒径の下限値を採用した。
また、本発明においてキャリア及びキャリア芯材粒子における個数平均粒径Dpは、個数基準で測定された粒子の粒径分布に基づいて算出されたものである。この場合の個数平均粒径Dpは以下の式で表わされる。
=(1/ΣN)×(ΣnD) ・・・(2)
式(2)中、Nは計測した全粒子数を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示し、Dは各チャネル(2μm)に存在する粒子粒径の下限値を示す。
本発明において粒径分布を測定するための粒度分析計としては、マイクロトラック粒度分析計(モデルHRA9320−X100:Honewell社製)を用いた。
その測定条件は以下の通りである。
[1]粒径範囲:100〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
二成分現像方式の画像形成装置において、現像装置内の帯電性を安定に保ち長期での使用におけるベタ画像部のキャリア付着の発生を抑制しつつ、画像濃度、粒状性(ザラツキ)が良好で、トナー濃度変動に伴う帯電量変化によって生じる画像濃度変動が少ない電子写真現像剤用キャリアを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態で使用されるキャリアの被覆層を示す説明図である。本発明で使用されるキャリアは、図1に示すように、芯材26と、この芯材26を被覆する被覆層27とを有してなり、この被覆層27は、結着樹脂、硬質粒子(以下、第1粒子G1と示す。)を含み、第1粒子G1の粒径D1(μm)は、被覆層27における樹脂部分の平均厚みh(μm)に対し、次式1<(D1/h)<10を満たすことが好ましい。
芯材26を被覆する層としては、被覆層27の他に他の層を有することも可能である。また更に、被覆層27は、結着樹脂、第1粒子G1、第2粒子G2の他に、必要に応じて他の成分を含むことも可能である。
被覆層27における樹脂部分の平均厚みhは、芯材26表面に対して垂直方向に存在する膜の厚みを表すものであり、芯材26表面から被覆層27表面までの厚みにおいて、粒子部分を除いた樹脂部分の平均厚みを示すものである。
被覆層27における樹脂部分の厚みとしては、芯材26表面と粒子との間に存在する樹脂部の厚みhaと、各粒子間に存在する樹脂部の厚みhbと、粒子上に存在する樹脂部の厚みhcと、芯材26上に存在する樹脂部の厚みhdとがある。
被覆層27における樹脂部分の平均厚みhは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリアの断面を観察して測定することができる。具体的には、キャリア表面に沿って、0.2μm間隔で被覆層27における樹脂部分の厚み(芯材表面と粒子との間に存在する樹脂部の厚みha、粒子間に存在する樹脂部の厚みhb、粒子上の樹脂部の厚みhc、及び芯材上の樹脂部の厚みhd)を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定し、50個の測定値を得て、この測定値を平均した値を被覆層27における樹脂部分の平均厚みhとする。
具体的な算出方法としては、被覆層27における樹脂部分の平均厚みhの値は、上述の方法で得られた各測定値を合計し、得られた値を、測定値の個数で割った値である。この測定値の個数は、芯材26表面と粒子との間に存在する樹脂部の厚みha、粒子間に存在する樹脂部の厚みhb、粒子上の樹脂部の厚みhc、及び芯材26上の樹脂部の厚みhdをそれぞれ1つと捉えて数える。
例えば、図1で示される測定点Aでは、前記hb及び前記hcが存在するので、測定点Aにおける測定値の個数は2つとなる。
また、上述の測定方法において、50個ある測定値のうち、最後に測定した箇所において、被覆層27における樹脂部分の厚みの測定値として複数の測定値(例えば、前記ha及び前記hc)を得た場合には、上記測定値の合計値を、測定値の個数である「49+(最後の測定点における測定値の数)」の値で割った値を、被覆層27における樹脂部分の平均厚みhの値とする。
被覆層27に含まれる硬質粒子(以下、第1粒子G1と示す。)の粒径D1(μm)は、被覆層27における樹脂部分の平均厚みh(μm)に対し、1<(D1/h)<10の関係を満たすものとし、より好ましくは1<(D1/h)<5の関係を満たすものである。
第1粒子G1の粒径D1と被覆層27における樹脂部分の平均厚みhとが、上述の関係式を満たすと、キャリアの被覆層27に対して第1粒子G1の方が凸となる。この凸部分によって、現像剤を摩擦帯電させるための攪拌を行った時に、トナーとキャリア、又はキャリア同士の摩擦接触によってキャリア被覆層27の結着樹脂に与えられる強い衝撃を緩和することができる。これにより、帯電発生箇所である、キャリア被覆層27の結着樹脂の膜削れが発生することを抑制することができる。
また、キャリア同士が摩擦接触することによって、上述の被覆層27表面に対して凸となって存在する粒子が、キャリア表面に付着したトナーのスペント成分を掻き落とす、クリーニングの効果を得ることができる。これにより、トナースペントの現象が発生するのを効果的に防止することができる。
(D/h)が1以下であると、第1粒子が結着樹脂中に埋没して、被覆層27中に添加された第1粒子G1の効果を十分に得ることができないことがある。また、(D/h)が10以上であると、第1粒子G1と結着樹脂との接触面積が小さくなり、第1粒子G1のキャリア粒子に対する充分な拘束力が得られず、第1粒子G1がキャリア粒子表面から容易に脱離してしまうことがある。
被覆層27は、被覆層に平均的に適度な強度を持たせるために第2の硬質微粒子(以下、第2粒子G2と示す。)を含有することが好ましい。第2粒子G2の粒径D2(μm)は、第1粒子G1の粒径D1とD2<D1の関係にあり、被覆層27における樹脂部分の平均厚みh(μm)に対し、0.001<(D2/h)<1を満たすものが好ましく、より好ましくは0.01<(D2/h)<0.5を満たすものが好ましい。
第2粒子G2の粒径D2を、被覆層27の平均厚みよりも小さくすることで、第2粒子G2を被覆層27中に分散させながら内包することができる。そのため、被覆層の強度を平均的に向上させることができる。
第2粒子G2の体積固有抵抗値は、好ましくは1.0×1012Ω・cm以下、より好ましくは1.0×1010Ω・cm以下、更に好ましくは1.0×10Ω・cm以下である。第2粒子G2の体積固有抵抗を1.0×1012Ω・cm以下と低抵抗のものとすることによって、被覆層27の帯電付与能力を適切な低さに制御し、最終的に得られる画像の濃度を高めることができる。
第1粒子G1は導電性の高い微粒子を用いてもよい。導電性を高める処理を施した粒子と施していない粒子をブレンドして導電率を調節してもよい。導電性を高める処理の度合いを調節して、導電性微粒子自身の導電率を調節してもよい。
微粒子に導電性を持たせる手法として、特に限定はないが、例えば基体粒子表面に導電性の被覆層を形成する方法がある。特に、基体粒子表面に二酸化スズ層と該二酸化スズ層上に設けた二酸化スズと酸化インジウムからなる導電性被膜層を設けた構造とすることで、カーボンブラックと同等レベルの導電性付与効果を発揮させることができる。
ただ、基体表面に直接に二酸化スズと酸化インジウムからなる導電性被膜層を形成しても、基体粒子の電気的な影響も大きく、良好な導電性が得られない場合がある。また、基体上へ直接、二酸化スズの水和物と酸化インジウムの水和物の混合液を被覆させても、基体表面に均一に被覆をさせることは難しく、品質の面で問題が発生する場合がある。
基体粒子表面を酸化アルミニウム、酸化亜鉛や酸化ジルコニウム等の、コーティング材として一般的に使用されている材料にてコートした後に二酸化スズの水和物と酸化インジウムの水和物の混合液を基体粒子に被覆させると、均一な導電性被覆層を形成することができる。しかし、これらのコート材料を下層に用いても、そのコート材料の電気的影響から、良好な導電性を得られないことが多い。そこで、下層を形成するコート材料に二酸化スズを用いたところ、上層の導電被覆層を均一かつ強固に固定化することができ、また、下層からの電気的な悪影響を受けることもなく良好な導電性を得ることができた。なお、下層には該粒子の効果を損ねない程度であれば、少量の酸化インジウム成分が混入していても問題ない。
導電性微粒子の基体は、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、酸化ジルコニウムのいずれかを、単独或いは複数を併用して用いることで、改善効果が顕著である。これは、粒子表面の導電処理との相性が良く、導電処理効果が良好に発揮されるためであると考えられる。特に、酸化アルミニウム、二酸化チタンは前述の色調条件を満たしやすく、中でも特に酸化アルミニウムは好ましい色調を得やすい。ただし、本発明は上記粒子に限定するものではなく、これら以外にも、良好に効果を発揮するものについては用いることができる。二酸化チタンの場合、ルチル型、アナターゼ型、もしくはそれ以外の構造であっても構わない。
本発明に適した導電性微粒子のより詳細な製造方法として、以下のような態様が挙げられる。しかし、これは作成方法の一例であり、本発明の導電性微粒子の作成方法はこの方法に限定されるものではない。
下層の二酸化スズの水和物の被膜を形成させる方法としては、種々の方法があるが、例えば、白色無機顔料の水懸濁液に、スズ塩またはスズ酸塩の溶液を添加した後、アルカリまたは酸を添加する方法、スズ塩またはスズ塩酸とアルカリまたは酸とを別々に並行して添加し被覆処理する方法等がある。白色無機顔料粒子表面に酸化スズの含水物を均一に被覆処理するには、後者の並行添加の方法がより適しており、この時、水懸濁液を50〜100℃に加温保持することがより好ましい。又、スズ塩またはスズ酸塩とアルカリまたは酸とを並行添加する際のpHを2〜9とする。二酸化スズ水和物の等電点はpH=5.5であるので、好ましくはpH=2〜5あるいはpH6〜9を維持することが重要で、これによりスズの加水反応生成物を白色無機顔料粒子表面に均一に沈着させることができる。
スズ塩としては、例えば、塩化スズ、硫酸スズ、硝酸スズ等を使用することができる。また、スズ酸塩としては、例えば、スズ酸ナトリウム、スズ酸カリウム等を使用することができる。
アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、アンモニア水、アンモニアガス等、酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等を使用することができる。
二酸化スズの水和物の被覆量は基体粒子に対して、SnOとして0.5〜50重量%であり、好ましくは1.5〜40重量%である。0.5重量%未満であると、上に被覆する酸化スズを含む酸化インジウムの水和物の被覆状態が不均一となり、しかも、基体粒子の影響を受け、粉体の体積固有抵抗が高くなる。50重量%を超えると、基体粒子表面に密着していない酸化スズの水和物の量が多くなり、被覆が不均一になり易い。
次に上層の二酸化スズを含む酸化インジウムの水和物の被覆を形成させる方法も種々の方法があるが、先に被覆した二酸化スズの水和物の被膜を溶解させないため、スズ塩及びインジウム塩の混合溶液とアルカリとを別々に並行して添加し被膜を形成させる方法がより好ましい。この時、水懸濁液を50〜100℃に加温することがより好ましい。また、混合溶液とアルカリとを並行添加する際のpHは2〜9とし、好ましくはpH2〜5あるいは、pH6〜9で維持することが重要で、これによりスズ及びインジウムの加水反応生成物を均一に沈着させることができる。
スズの原料としては、例えば、塩化スズ、硫酸スズ、硝酸スズ等を使用することができる。インジウムの原料としては、例えば、塩化インジウム、硫酸インジウム等を使用することができる。
二酸化スズ添加量は、Inに対してSnOとして0.1〜20重量%、好ましくは、2.5〜15重量%であり、少な過ぎても、多過ぎても所望の導電性が得られない。
酸化インジウムの処理量は基体の無機顔料に対して、Inとして5〜200重量%、好ましくは8〜150重量%であり、少な過ぎると所望の導電性が得られず、多過ぎても導電性はほとんど向上せず、また、高価になりコスト面からも好ましくない。
なお、本明細書において「導電性」粉末とは、粉体の体積固有抵抗値として1〜500Ω・cmの値を有するものを意味する。後述する実施例においても示されるように、本発明により、アンチモン含有品と同程度の100Ω・cm以下、場合により10Ω・cm以下という非常に導電性に優れた白色導電性粉末を得ることができる。
加熱処理を行う際には、350〜750℃で非酸化性雰囲気にて行うことが好ましく、空気中で加熱処理したものと比べると粉体の体積固有抵抗を2〜3桁低くすることができる。
非酸化性雰囲気とするためには、不活性ガスが使用できる。不活性ガスとしては例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス等を使用することができる。工業的には、窒素ガスを吹き込みながら加熱処理を行うことがコスト的に有利であり、特性の安定したものが得られる。
加熱する際の温度は350〜750℃、好ましくは400〜700℃であり、この範囲より低い場合にも、高い場合にも、所望の導電性が得がたい。また、加熱時間は、短かすぎる場合には加熱効果がなく、長すぎてもそれ以上の効果が望めないことから、15分〜4時間程度が適当であり、好ましくは、1〜2時間程度である。
更に、導電性微粒子の粉体比抵抗が200(Ω・cm)を超える場合には、該導電性微粒子の抵抗引き下げ能力は低く、キャリアの抵抗値を適切な値にする為には、該導電性微粒子量は多く必要となる。この時キャリア表面での結着樹脂の占める割合に比べ、該粒子の占める割合が過多となるため、帯電発生箇所である結着樹脂の占める割合が不十分となり、十分な帯電能力を発揮できない。それに加え、結着樹脂量に比べ粒子量が多過ぎるので、結着樹脂による粒子の保持能力が不十分となり、粒子が脱離し易くなるので、帯電量や抵抗等の変動量が増え十分な耐久性が得られず好ましくない。
本発明における導電性微粒子、第1粒子G1及び第2粒子G2の体積固有抵抗は、例えば、以下のようにして測定することができる。
内径1インチの円筒状の塩化ビニル管の中に試料を入れ、その上下を電極で挟む。これら電極をプレス機により、15kg/cmの圧力を1分加える。続いて、この加圧した状態で、LCRメータによる測定を行い、抵抗(r)を得る。得られた抵抗値を、下記数式1により計算して、体積固有抵抗を求めることができる。
体積固有抵抗(Ω・cm)=(2.54/2)×(π/H×r)・・・(1)
(ただし、式(1)中、Hは試料の厚みを表す値であり、rは試料の抵抗値を表す値である。)
(D2/h)の値が1以上であると、第2粒子G2が被覆層27の厚みに対して大きすぎるため、分散して被覆層の強度を平均的に向上させるという効果が発揮されにくくなる。また、(D2/h)が0.001以下であると、被覆層27厚みに対して第2粒子G2の粒径が小さ過ぎるため、効果が得られにくくなる。
芯材26表面から被覆層27表面までの平均厚みT(μm)は、0.1≦T≦3.0であることが好ましく、0.1≦T≦2.0であることがより好ましい。
芯材26表面から被覆層27表面までの平均厚みTが0.1μm未満であると、キャリア芯材26を覆う膜としての被覆層27の総厚が薄すぎるため、ランニング経時において、被覆層27が削られてキャリア芯材26が剥き出しになる現象が起こりやすくなり、キャリアの耐久性が低下する。
また、芯材26から被覆層27表面までの平均厚みTが3.0μmを超えると、芯材26表面に形成される膜厚が厚すぎるため、キャリアの磁化が下がりやすくなり、キャリア付着を生じさせることがある。
被覆層27における樹脂部分の平均厚みh(μm)は、0.04〜2μmが好ましく、0.04〜1μmがより好ましい。
第1粒子G1の体積平均粒子径D1は、0.05〜3μmであることが好ましく、0.05〜1μmがより好ましい。
第2粒子G2の粒径D2は、0.005〜1μmであることが好ましく、0.01〜0.2μmがより好ましい。
芯材26表面から被覆層27表面までの厚みTは、図1に示すように、上述した、被覆層27における樹脂部分の平均厚みhとは異なる厚みを表しており、キャリア表面の各地点における芯材26表面から被覆層27表面までの厚みを示すものである。
図1に示すように、被覆層27中に添加された粒子の粒径が、被覆層27における樹脂部分の厚みよりも大きい場合には、この粒子の粒径が、芯材26表面から被覆層27表面までの厚みTに相当する値となる。
芯材26表面から被覆層27表面までの平均厚みTは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてキャリア断面を観察し、芯材26表面から被覆層27表面までの厚みを、キャリア表面に沿って0.2μm間隔で50点測定し、これらの測定値を平均して得られる値である。
第1粒子G1としては、例えば、アルミナ粒子、シリカ粒子、チタニア粒子、酸化亜鉛粒子などが挙げられ、これらの中でも、アルミナ粒子は、キャリアの被覆材料に用いられる結着樹脂との相性も良く、分散性、接着性の面でも優れているだけではなく、硬度が非常に高いので、現像装置10内でのストレスに対し、磨耗、割れが生じ難く、長期にわたって被覆層の保護効果、スペント物掻き取り効果を発揮できるので特に好ましい。
アルミナ粒子としては、粒径5μm以下のアルミナ粒子が好ましく、表面処理をしていないもの、疎水化処理などの表面処理したもの等、全てを用いることができる。
シリカとしては、トナー用に用いられているもの、及びそれ以外のものも用いることができ、表面処理していないもの、疎水化処理など表面処理したもの等全てを用いることができる。また、前記導電性微粒子を、第1粒子G1として用いてもよい。
被覆層27中に含まれる第1粒子G1の含有量は10〜80wt%であることが好ましく、20〜60wt%がより好ましい。
第1粒子G1の被覆層27における含有量が10wt%未満であると、キャリア粒子表面での結着樹脂の占める割合に比べ、第1粒子G1の占める割合が少なすぎるため、結着樹脂への強い衝撃を伴う接触を緩和する効果が小さいので、十分な耐久性が得られないことがある。
一方、80wt%を超えると、キャリア表面での結着樹脂の占める割合に比べ、第1粒子G1の占める割合が多すぎるため、帯電発生箇所である結着樹脂の占める割合が不十分となり、十分な帯電能力を発揮できないことがある。更に、結着樹脂量に比べて第1粒子G1の量が多すぎるので、結着樹脂による第1粒子G1の保持能力が不十分となり、第1粒子G1が脱離し易くなり、帯電量や抵抗等の変動量が増加して、十分な耐久性が得られないことがある。
ここで、第1粒子G1の被覆層27における含有量は、下記式(2)で表される。
第1粒子G1の含有量(wt%)=[第1粒子G1の含有量
/被覆層27に含まれる材料の総量(第1粒子G1+第2粒子G2+結着樹脂 +その他の成分)]×100 ・・・(2)
第2粒子G2としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、表面処理された酸化チタン、表面処理された酸化亜鉛、及び表面処理された酸化スズから選択される少なくとも1種の粒子が好適に用いられる。
これらの粒子は、適度な硬度を持ち、且つ、キャリアのコート材料に用いられる樹脂との相性もよく、分散性、接着性の面でも優れており、特に酸化チタンや表面処理を施した酸化チタンは第2粒子G2として好ましい。
また、粒子母体として上記以外のものを使用した場合でも、粒子表面に疎水化処理等の表面処理を施すことで分散性を向上させたり、導電性処理等の表面処理を施すことで粒径及び体積固有抵抗を上述した範囲内にさせたりしたものであれば、上述したのと同様の理由から、良好な効果を得ることができる。
被覆層27に含まれる第2粒子G2の含有量は、2〜50wt%であることが好ましく、2〜30wt%であることがより好ましい。
被覆層27における第2粒子G2の含有量が多いほど、強度を高める効果は大きいが、第2粒子G2の含有量が50wt%を超えると、被覆層27内部における第2粒子G2の分散状態が大幅に悪化する。粒子の分散状態が悪化すると、被覆層27内部で第2粒子G2の一部が互いに凝集してしまうため、第2粒子G2の効果が平均的には発揮されにくくなる。
一方、第2粒子G2の被覆層27における含有量が2wt%未満であると、含有量が少なすぎるために、第2粒子G2を添加した効果を十分に得ることができない。
第2粒子G2の被覆層27における含有量は、下記式(3)によって表される。
第2粒子G2の含有量(wt%)=[第2粒子G2の含有量
/被覆層27に含まれる材料の総量(第1粒子G1+第2粒子G2+結着樹脂
+その他の成分)]×100 ・・・(3)
キャリア粒子の被覆層27に用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂とアミノ樹脂との反応物、及びシリコーン樹脂のいずれかが好適に挙げられる。
アクリル樹脂とアミノ樹脂との反応物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アクリル樹脂とアミノ樹脂との架橋反応物が好適である。
アクリル樹脂としては、特に制限はなく、全てのアクリル樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)は20〜100℃が好ましく、25〜80℃がより好ましい。アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)がこの範囲内であると、アクリル樹脂は適度な弾性を有しており、現像剤を摩擦帯電させるための攪拌における、トナーとキャリアとの摩擦あるいはキャリア同士の摩擦で、結着樹脂への強い衝撃を伴う接触の際、該衝撃を吸収することができ、被覆層を破損することなく維持することが可能となる。
ガラス転移温度(Tg)が20℃未満であると、常温においても結着樹脂がブロッキングするため、保存性が悪く実用上使用できないことがある。一方、ガラス転移温度(Tg)が100℃を超えると、結着樹脂が硬く脆性が高くなり過ぎて衝撃を吸収することができず、その脆さから結着樹脂が削れると共に、該粒子を保持することができず、脱離しやすくなることがある。
また、アミノ樹脂としては、特に制限はなく、従来から知られているアミノ樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グアナミン、メラミンを用いることで、帯電量付与能力を著しく向上させることができる。
シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などで変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂は、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、信越化学工業社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2400、SR2406、SR2410、等が挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
キャリア粒子の被覆層27に用いられる結着樹脂としては、上述の樹脂以外にも、必要に応じてキャリア用被覆樹脂として一般的に用いられているものを使用することができ、例えば、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
被覆層27は、例えば、第1粒子G1、第2粒子G2、結着樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を芯材26の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、転動流動層法、スプレー法などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、ブチルセロソルブなどが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
芯材26としては、特に制限はなく、電子写真用二成分キャリアとして公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケルが好適に挙げられる。また、近年著しく進む環境面への影響を配慮し、フェライトであれば、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、例えば、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライト等を用いることが好適である。また、Mn−Mg−Srフェライト、Mn系フェライト、マグネタイトは、詳細は後述するが、高い磁化を持つため、キャリア付着を抑制するために有効な材料である。
従来の小粒径キャリアは、キャリア付着が発生し易いことが非常に大きな課題であり、感光体の傷や定着ローラー傷の発生原因となっていたので、実用化が難しかった。
特に、平均粒径が32μmより小さいキャリアになると、ざらつきが大幅に改良され高画質となるがキャリア付着が非常に起こり易く、課題が大きかった。この課題について、本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下のことが判明した。
画像の地肌部や画像部へのキャリア付着はFm<Fcとなったときに、キャリア粒子、または切断された磁気ブラシの形態で付着することにより生じる。(Fm:磁気束縛力、Fc:キャリア付着を引き起こす力)
キャリア付着を引き起こす力Fcは、現像ポテンシャル、地肌ポテンシャル、キャリアにかかる遠心力、キャリアの抵抗、および現像剤帯電量に関係している。従って、キャリア付着を防止するためには、Fcを小さくするように各パラメーターを設定することが有効であるが、現像能力、地汚れ、およびトナー飛散などに密接に関係するため大幅には変えることは難しいのが現状である。
一方、磁気束縛力Fmについてみると、
で表わされる。ここで、Kはキャリアの質量であり、
Mは単位質量当りの磁化である。また、
は、キャリアの存在する位置における磁界の強さ(H)の勾配である。
キャリアに対する磁気束縛力(Fm)は、キャリア半径(r)の3乗に比例するから、キャリアの小粒径化に伴って、粒径の3乗の割合で急激に小さくなり、キャリア付着が非常に起き易くなる。
そこで、本発明者らは、キャリアの磁化を振ったサンプルを試作して検討し、1000エルステッド(Oe)の磁場を印加したときの磁化が、50emu/g以上、より好ましくは70emu/g以上とすることにより、キャリア付着が改良されることを見出した。また、キャリア付着の観点からはその上限値に特に制約はなく、通常、150emu/g程度が上限となるが、強すぎる磁化は磁気ブラシの滑らかさを損なう場合があり、高画質化の観点から100emu/g以下であることが好ましい。
キャリア付着が発生すると、感光体ドラムや定着ローラーの傷の原因となり、画像品質の低下を招く。キャリア芯材粒子の磁化が前記範囲よりも小さくなると、十分な強さの磁気束縛力Fmが得られないため、キャリア付着が生じやすくなるので実用上好ましくない。
前記磁化は、以下のようにして測定することができる。
B−Hトレーサー(BHU−60/理研電子(株)製)を使用し、円筒のセルにキャリア芯材粒子1.0gを詰めて装置にセットする。磁場を徐々に大きくし、3000エルステッドまで変化させ、次に徐々に小さくして零にした後、反対向きの磁場を徐々に大きくし3000エルステッドとする。更に、徐々に磁場を小さくして零にした後、最初と同じ方向に磁場をかける。このようにして、BHカーブを図示し、その図より1000エルステッドの磁化を算出する。
本発明のキャリアで使用する、1000エルステッドの磁場を印加したときに50emu/g以上となる芯材粒子としては、例えば、鉄、コバルトなどの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ba系フェライト、Mn系フェライトなどが挙げられる。
フェライトとは、一般に下記式で表わされる焼結体である。
(MO)x(NO)y(Fe)z
但し、x+y+z=100mol%であって、M、Nはそれぞれ、Ni、Cu、Zn、Li、Mg、Mn、Sr、Caなどであり、2価の金属酸化物と3価の鉄酸化物との完全混合物から構成されている。
本発明のキャリアを構成する芯材粒子の材料としては、従来公知の各種の磁性材料が用いられるが、より好ましく用いられる1000エルステッドの磁場を印加したときの磁化が70emu/g以上の芯材粒子としては、前述したように、例えばマグネタイト、Mn−Mg−Sr系フェライト、Mn系フェライトなどが挙げられる。
本発明において、キャリア抵抗率の限定はしないが、好ましくは1×1011〜1×1016[Ω・cm]、より好ましくは1×1012〜1×1014[Ω・cm]である。
キャリアの抵抗率が1×1011[Ω・cm]よりも低いと、現像ギャップ(感光体と現像スリーブ間の最近接距離)が狭くなった場合、キャリアに電荷が誘導されてキャリア付着が発生し易くなる。感光体の線速度、および、現像スリーブの線速度が大きい場合、悪化の傾向が見られる。また、ACバイアスを印加する場合は顕著である。通常、カラートナー現像用キャリアは充分なトナー付着量を得るため、低抵抗のものが使用されることが一般的である。
上記の抵抗範囲のキャリアは、適正なトナー帯電量のもとで使用することにより、充分な画像濃度が得られる。
また、1×1016[Ω・cm]より大きいとトナーと反対極性の電荷が溜まりやすくなり、キャリアが帯電してキャリア付着が起き易くなる。
上記キャリア抵抗率は、次の方法により、測定することができる。
図2に示すように、電極間距離2mm、表面積2×4cmの電極(22a)、(22b)を収容したフッ素樹脂製容器からなるセル(21)にキャリア(23)を充填し、両極間に100Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(4329A+LJK 5HVLVWDQFH OHWHU;横川ヒューレットパッカード株式会社製)にて直流抵抗を測定する。
キャリア抵抗測定の際の充填の度合いは、キャリアをセルにあふれるまで入れたのち、セル全体を20回タッピングしたのち、セルの上面を非磁性でできた水平なへらを用いてセルの上端に沿って一回の操作で平らにかきとる。充填の際に加圧は不要である。
上記キャリアの抵抗率の調整は、導電性微粒子の量や樹脂被覆層の膜厚の制御等によって可能である。
本発明の実施形態では、現像剤収容器230(図4参照)内に、芯材26表面を被覆する被覆層27中に第1粒子G1及び第2粒子G2が含まれた、上記詳細に説明したキャリア(図1参照。)が収容されている。画像形成装置100(図3参照)では、現像剤収容器230(図4参照)内部から現像剤収容部14(図4参照)内に、このキャリアを含んだ補給用現像剤が補給される。
図4において、現像剤収容部14内に補給されたトナーとキャリアは、搬送スクリュー11a、11bによって、初期から収容されているトナーとキャリアと共に混合される。トナーとキャリア、あるいはキャリア同士が互いに強く接触するため、この部位では摩擦によってキャリア表面の膜削れが特に発生しやすい。
しかし、本発明における現像剤に含まれるキャリアは、第1粒子G1の一部が、被覆層27に対して凸となって存在している。このため、上述したように、攪拌混合の際に被覆層27に対してトナーや他のキャリア粒子が接触しても、この被覆層27表面の凸部によって、その衝撃が緩和される。このため、キャリア表面の膜削れが発生する割合を、大きく抑えることができる。
更に、攪拌時においてキャリア表面に付着したトナーのスペント成分が、この凸となって存在する第1粒子によって掻き落とされるため、トナースペントの発生が防止される。また更に、第2粒子G2によって被覆層の強度が高くなっており、膜削れ自体が発生しにくい。そのため、現像剤収容部14内の現像剤は、より安定した帯電制御効果を長く維持することができる。
現像装置10では、劣化したキャリアの大半は、現像剤排出装置330によって排出される。しかし、劣化したキャリアの一部は、長期にわたって現像剤収容部14内に残留する可能性もゼロではなく、また、画像形成装置100において、トナーの消費量が少ない場合には、現像剤収容部14におけるキャリアの交換量が少なく、キャリアが現像剤収容部14内に滞留する期間が長くなる場合がある。
本実施形態では、現像剤収容器230内の補給用現像剤が補給される前から、現像剤収容部14内に収容されている現像装置内現像剤にも、補給用現像剤に使用したキャリアと同一キャリアが使用されている。このため、現像剤の交換量が低い場合や、初期から収容されているキャリアの一部が現像剤収容部14から排出されずに残留した場合にも、上述したのと同様の機構によって、現像剤収容部14内におけるキャリアの劣化が抑えられて、長期間の使用後においても、現像剤の帯電性が安定した状態を保つことができる。
図3は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
画像形成装置本体100内には、4個の像担持体である感光体1を有するプロセスカートリッジたる画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dを、画像形成装置100に対してそれぞれ着脱可能に装着している。画像形成装置100の略中央に転写ベルト8を複数のローラ間に矢示A方向に回動可能に装着した転写装置を配置している。
その転写ベルト8の下側の面に、画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dにそれぞれ設けられている感光体1が接触するように配置している。そして、その画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dに対応させて、それぞれ使用するトナーの色が異なる現像装置10A、10B、10C、10Dを配置している。
画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dは、同一の構成をしたユニットであり、画像形成ユニット2Aはマゼンタ色に対応する画像を形成し、画像形成ユニット2Bはシアン色に対応する画像を形成し、画像形成ユニット2Cはイエロー色に対応する画像を形成し、画像形成ユニット2Dはブラック色に対応する画像を形成する。
画像形成ユニット2A、2B、2C、2D内にそれぞれ配置されている現像装置10A、10B、10C、10Dでは、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤が用いられ、後述する現像剤補給装置200(図5参照)から、現像剤収容部14に備えられる図示省略したトナー濃度センサの出力に応じてトナー補給を行うとともに、キャリアも補給して古い現像剤を排出し、現像剤を交換することが可能な現像方式が採用されている。
画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dの上方空間には、現像剤補給装置200A、200B、200C、200Dが配置されている。現像剤補給装置200は、感光体ドラム1に供給されようとしているトナーとは別の、新規なトナーと新規なキャリアを現像装置10に補給するための構成であり、その構成が図4に示されている。
また、その画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dの下方には書込みユニットとしての露光装置6を配置している。
露光装置6は、各色毎に用意されたレーザダイオード(LD)方式の4つの光源と、6面のポリゴンミラーとポリゴンモータから構成される1組のポリゴンスキャナと、各光源の光路に配置されたfθレンズ、長尺シリンドルカルレンズ等のレンズやミラーから構成されている。レーザダイオードから射出されたレーザ光はポリゴンスキャナにより偏向走査され感光体5上に照射される。
転写ベルト8と現像剤補給装置200との間には、画像が転写された転写紙の画像を定着する定着装置9が設けられている。その定着装置9の転写紙搬送方向下流側には、排紙路51を形成し、そこに搬送した転写紙を排紙ローラ対52により排紙トレイ53上に排出可能にしている。
また、画像形成装置100の下部には、転写紙を収納可能な給紙カセット7を配設している。
次に、この画像形成装置100の画像形成における動作について説明する。画像形成の動作を開始させると、各感光体1が図3で時計回り方向にそれぞれ回転する。そして、その各感光体1の表面が帯電ユニット3の帯電ローラ301により一様に帯電される。そして、画像形成ユニット2Aの感光体1aには、露光装置6によりマゼンタの画像に対応するレーザ光が、画像形成ユニット2Bの感光体1bにはシアンの画像に対応するレーザ光が、画像形成ユニット2Cの感光体1cにはイエローの画像に対応するレーザ光が、さらに画像形成ユニット2Dの感光体1dにはブラックの画像に対応するレーザ光がそれぞれ照射され、各色の画像データに対応した潜像がそれぞれ形成される。各潜像は、感光体1が回転することにより現像装置10A、10B、10C、10Dの位置に達すると、そこでマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各トナーにより現像されて、4色のトナー像となる。
一方、給紙カセット7から転写紙が分離給紙部により給紙され、それが転写ベルト8の直前に設けられているレジストローラ対55により、各感光体1上に形成されているトナー像と一致するタイミングで搬送される。転写紙は、転写ベルト8の入口付近に配設している紙吸着ローラ54によりプラスの極性に帯電され、それにより転写ベルト8の表面に静電的に吸着される。そして、転写紙は、転写ベルト8に吸着した状態で搬送されながら、マゼンタ、シアン、イエロー及びブラック色の各トナー像が順次転写されていき、4色重ね合わせのフルカラーのトナー画像が形成される。その転写紙は、定着装置9で熱と圧力が加えられることによりトナー像が溶融定着され、その後は排紙系を通って、画像形成装置1上部の排紙トレイ53に排紙される。
次に、現像装置周辺の構成について説明する。図4は、本発明の画像形成装置に備えられる現像装置とその周辺の構造を示す概略断面図である。図4において、現像装置10の上方には現像装置10内に新規なトナーとキャリアからなる現像剤を補給する現像剤補給装置200(図5参照)が備えられており、現像装置10の下方には、現像装置10内で過剰となった現像剤を排出する現像剤排出装置300が備えられている。
現像装置10は、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を収容する現像剤収容部14を有するハウジング15(図5参照)と、このハウジング15の開口部側に像担持体としての感光体1と近接した状態で回転するように配設される現像剤担持搬送体としての現像ロール12と、現像剤収容部14内で回転するように配設される現像剤攪拌搬送部材としての2つの搬送スクリュー11a、11bと、現像ローラ12の表面に圧接又は近接した状態で配設される層厚規制部材13とでその主要部が構成されている。
このうち、現像ローラ12は、内部に固定されたマグネットロール120を備えた回転駆動する円筒状のスリーブ121である。また、現像剤収容部14は、中央側の隔壁14cにより2分され、両端側の連通部により連通された収容空間14a、14bからなり、その各収容空間14a、14bで回転する搬送スクリュー11a、11bにより現像剤が攪拌さながら収容空間14a、14bとの間を循環搬送されるようになっている。層厚規制部材13は、非磁性部材と磁性部材の二重構造からなり、その先端がマグネットロール120の所定の磁極に対向するように配設されている。
現像剤補給装置200は、補給用の二成分現像剤を収容する現像剤収容器230と、現像剤収容器230内の二成分現像剤を現像剤収容部14に送り出して供給する現像剤補給器220(図5参照)とから構成されている。現像剤補給器220は、現像剤収容器230と現像装置10との間に、それぞれに接続して備えられている。
現像剤補給装置200の詳細な構成については、図5を用いて後述する。
現像剤排出装置300は、現像剤収容部14内で過剰になった二成分現像剤を回収する回収容器330と、過剰になって現像剤収容部14から溢れ出る現像剤を回収容器330に送る現像剤排出手段としての排出パイプ331とで構成されている。排出パイプ331は、その上部開口331aが現像剤収容部14内の所定高さに位置するように配設されており、その所定高さにある上部開口331aを乗り越える分の現像剤を排出するようになっている。
なお、本発明の現像剤排出装置としては、上記の構成に限られるものではなく、例えばハウジング15の所定の箇所に現像剤排出口を開設し、排出パイプ331の代わりに、現像剤排出口の近傍に現像剤排出手段としての排出スクリュー等の搬送部材を設置して、現像剤排出口から排出された現像剤を回収容器330に搬送することとしてもよい。
また、本実施形態の排出パイプ331の端部又は内部に、この排出スクリューを備えることも可能である。
次に、現像装置の現像動作について、図4を参照して説明する。
まず、現像剤収容部14内に予め収容されている現像装置内現像剤が、搬送スクリュー11a、11bより攪拌されて十分に混合されるとともに摩擦帯電された後、現像ローラ12に供給されて、そのスリーブ121表面に層状に付着する。
この現像ローラ12に付着する層状の現像剤は、層厚規制部材13により所定の厚さに規制されて均一な層にされた後、スリーブ121の回転に伴って感光体1と対向する現像領域Dに搬送される。そして、この現像領域Dにおいて、画像形成装置本体100(図3参照。)側で原稿の画像に応じて感光体1上に形成された潜像に二成分現像剤のトナーが静電吸着して現像が行われ、感光体1上にトナー像が形成される。
感光体1上に形成されたトナー像は、画像形成装置本体100側において記録用紙上に転写され、定着部により記録用紙上に定着される。
この現像動作が繰り返されることにより、現像剤収容部14内の現像装置内現像剤に含まれるトナーが消費されて徐々に減るが、このトナーの減量が、前記したトナー濃度センサにより検知されると、現像剤補給装置200の現像剤補給器220が駆動する。これにより、現像剤収容器230の現像剤収容部材231内部に収容されている、下記詳述するキャリアとトナーとを含んだ補給用現像剤が補給される。現像剤収容部14内に補給された新たな二成分現像剤は、現像剤収容部14内で搬送スクリュー11a、11bにより攪拌され、補給前から収容されている現像装置内現像剤と十分に混合される。
現像剤収容部14内には、現像剤補給装置200からの補給用現像剤の補給により、トナーと共にキャリアも所定の割合で補給されるため、現像剤収容部14内の現像剤量は次第に過剰となる。現像剤収容部14内で過剰になった二成分現像剤は、収容部14の規制高さを越えて溢れ出し現像剤排出装置300の排出パイプ331を通して回収容器330内に収容される。
本発明の補給用現像剤とは、少なくともトナーとキャリアとを含む物である。現像剤収容器230に収容されている、補給用現像剤のトナーとしては後述のトナーが使用可能であり、そのキャリアとしては、図1に示すように、芯材26に所定の粒子を有してなる被覆層27を形成した、磁性のキャリアが使用可能である。
また、現像装置内現像剤のトナーとしては、現像剤収容器230に収容されているトナーと同じものでも、異なるトナーでも使用することができ、また、キャリアとしても、現像剤収容器230に収容されているキャリアと同じものでも、異なるキャリアでも使用することができる。
現像装置内に収容されている現像剤中のキャリアの重量比率は85wt%以上98wt%未満であることが望ましい。キャリアの重量比率が85wt%より少ないと、トナーの比率が高すぎるためにトナーに十分な帯電を与えることができなくなる。また、トナー飛散が発生し、機内汚染の原因となる。キャリアの重量比率が98wt以上だと、キャリアの比率が高すぎるため、現像装置内でキャリア同士の衝突の確率が高くなり、耐久性に対して不利となる。また、帯電量が高くなりすぎるため、適切な画像濃度を得にくくなる。
本実施形態の画像形成装置100は、図5に示すように、形状が容易に変形する現像剤収納部材231に補給用現像剤を充填させ、スクリューポンプ223によってこの補給用現像剤を吸引して、現像装置10に供給する現像剤補給装置200を備えている。
以下に、図5〜図9を参照して、現像剤補給装置200の構成を詳細に説明する。
図5は、本発明で使用される現像剤補給装置200の概略構成図である。現像剤補給装置200に備えられた現像剤収容器230の内部には、減容可能な袋状部材としての現像剤収納部材231が備えられている。現像装置10の現像剤収容部14に補給される新規な補給用現像剤は、現像剤収納部材231内部に収容されている。現像剤収納部材231は、この現像剤が現像剤収容部14に補給されることによる内部の圧力の減少に伴って減容する。
現像剤補給器220は、ハウジング15の所定箇所に開設された補給口15aの上端に連結して備えられたスクリューポンプ223と、スクリューポンプ223に接続して備えられたノズル240と、ノズル240に接続して備えられた空気供給手段260とを備えており、現像剤収容部14に設置されるトナー濃度センサ(図示無し)等の検知信号に応じて駆動し、適量の現像剤を現像剤収容器230から現像剤収容部14に供給する。
スクリューポンプ223とノズル240の間には、このスクリューポンプ223に連通される現像剤搬送通路としての搬送チューブ221を有している。この搬送チューブ221は、好ましくは、フレキシブルで耐トナー性に優れたポリウレタン、ニトリル、EPDM等のゴム材料で形成されたものを利用する。
また、現像剤補給装置200は、現像剤収納容器としての現像剤収容器230を支持するための容器ホルダ222を有しており、この容器ホルダ222は樹脂等の剛性の高い材料で形成されている。
現像剤収容器230は、柔軟なシート材で形成される袋状部材としての現像剤収納部材231と、現像剤排出口を形成する排出口形成部材としての口金部232を有している。
現像剤収容部材231の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好適に用いられる。例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の樹脂が好適に挙げられる。
また、口金部232には、スポンジ、ゴム等で形成されるシール材233が設けられており、このシール材233には十字型の切り込みが設けられている。そして、この切り込みに現像剤補給器220のノズル240を通すことで、現像剤収容器230と現像剤補給器220が連通し固定される。
本実施形態では、口金部232が、現像剤収容器230の下方に備えられている。ここで、口金部232が下方に備えられている状態とは、現像剤収容器230が現像剤補給装置200に配設された状態において、口金部232が、現像剤収容器230における下方向きの鉛直成分を含んだ位置に備えられていることを表している。
なお、口金部232が、現像剤収容器本体に備えられる位置としては、これに限られるものではなく、現像剤収容器230が現像剤補給装置200に配設された状態において、現像剤収容器230本体の水平方向に備えられてもよく、また、斜め方向に備えられることとしてもよい。
現像剤収容器は、トナーの消耗に応じて順次新しい物と交換されるが、本実施形態の現像剤収容器230は、上述した構成を備えることで、その着脱を容易に行うことが可能であり、また、交換時や使用時におけるトナー漏れを防止することが可能である。
なお、現像剤収容部材231としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
現像剤収容部材231の形状としては、例えば、上述した円筒状等のものを好ましく用いることができ、また、その内周面には、スパイラル状の凹凸が形成されていることが好ましい。このような凹凸が形成されていることで、現像剤収容器230を回転させることによって、収容部材231内部に収容されているトナーを、排出口側に円滑に移行させることができる。また更に、上記スパイラル部の一部又は全部が、蛇腹機能を有しているものを用いることが、特に好ましい。
本発明の現像剤収容器230は、画像形成装置100の現像剤補給装置200への着脱が容易であり、また、保存や、搬送に適していて、取扱性に優れている。
図6(a)は、現像剤補給器220に設けられるノズル240の概略構成を示す外観図であり、図6(b)は、その軸方向断面図であり、図6(c)は、図6(b)中符号A−Aの断面図である。このノズル240は、図6(b)に示すように、内管241とその内管241を内部に収容する外管242とからなる2重管構造を有している。内管241の内部は、現像剤収容器230内の現像剤を排出するための現像剤搬送通路としての現像剤流路241aとなっている。現像剤収容器230内のトナーは、スクリューポンプ223による吸引力により、吸引され、現像剤流路241aを通ってスクリューポンプ223内に引き込まれることになる。
図7は、スクリューポンプ223の概略構成を示す断面図である。このスクリューポンプ223は、一軸偏芯スクリューポンプと呼ばれるもので、内部にロータ224及びステータ225を備えている。ロータ224は、円形断面が螺旋状に捻れた形状を有し、硬い材質で形成されており、ステータ225の内部に嵌合される。一方、ステータ225は、ゴム状の柔軟な材料で形成され、長円形断面が螺旋状に捻れた形状の穴を有しており、この穴にロータ224が嵌合される。また、ステータ225の螺旋のピッチは、ロータ224の螺旋のピッチの2倍の長さに形成されている。また、ロータ224は、ユニバーサルジョイント227及び軸受228を介して、ロータ224を回転駆動させるための駆動モータ226に接続されている。
この構成において、現像剤収容器230からノズル240の現像剤流路241a及び搬送チューブ221を通って搬送されてきたトナー及びキャリアは、スクリューポンプ223のトナー吸引口223aから内部に入り込む。そして、ロータ224とステータ225の間に形成されるスペースに入り込み、ロータ224の回転に伴って、図5中右側方向に吸引搬送される。そして、ロータ224とステータ225の間のスペースを通過したトナーは、トナー落下口223bから下方に落下し、現像装置10の現像剤補給口14を介して、現像装置10の内部に供給される。
また、図5に示すように、本実施形態で使用される現像剤補給器220は、現像剤収容器230内に空気を供給する空気供給手段260(260a及び260b)を備えている。
図5に示すように、各エア流路244a、244bは、それぞれ、気体供給通路としてのエア供給路261a、261bを介して、別個の気体送出装置としてのエアポンプ260a、260bに接続されている。
エア流路244は、図6(b)に示すように、現像剤補給器220のノズル240の内管241と外管242との間に、空気供給通路として設けられているものであり、このエア流路44は、図6(c)に示すように、互いに独立した断面半円状の2つの流路244a、244bから構成されている。
また、エアポンプ260a、260bとしては、通常のダイアフラム型のエアポンプを利用することができる。これらエアポンプ260a、260bから送り出される空気は、それぞれ、エア流路244a、244bを通って、各エア流路の気体供給口としてのエア供給口246a、246bからトナー収容器230内に供給される。各エア供給口246a、246bは、トナー流路241aの現像剤排出口としてのトナー流出口247の図中下方に位置している。これにより、各エア供給口246a、246bから供給される空気は、トナー流出口247付近のトナーに対して供給されることになり、使用されないまま長期間放置されてトナー流出口247にトナーが詰まった状態になったとしても、そのトナー流出口247を塞いでいるトナーを崩すことができる。
また、エア供給路261a、261bには、図示省略した気体送出制御手段としての制御部からの制御信号により、開閉動作する閉塞手段としての開閉弁262a、262bが設けられている。開閉弁262a、262bは、制御部からON信号を受け取ると弁を開けて空気を通過させ、制御部からOFF信号を受け取ると弁を閉めて空気の通過を阻止するように動作する。
次に、本実施形態における現像剤補給器220の動作について図5を用いて説明する。
上記制御部は、現像装置10からトナー濃度が不足した旨の信号を受け取ることで、現像剤補給動作を開始する。この現像剤補給動作では、まず、エアポンプ260a、260bをそれぞれ駆動させ、現像剤収容器230内に空気を供給するとともに、スクリューポンプ223の駆動モータ226を駆動させて、現像剤の吸引搬送を行う。
エアポンプ260a、260bから空気が送り出されると、その空気は、エア供給路261a、261bからノズル240のエア流路244a、244bに入り込み、エア供給口246a、246bから現像剤収容器230内に供給される。この空気によって、現像剤収容器230内の現像剤は、攪拌されて、空気を多く内包した状態となり、流動化が促進される。
また、現像剤収容器230内に空気が供給されると、現像剤収容器230内の内圧が高まることになる。従って、現像剤収容器230の内圧と外圧(大気圧)との間に圧力差が生じ、流動化した現像剤には、圧力の引く方向へ移動する力が働く。これにより、現像剤収容器230内の現像剤は、圧力の引く方向すなわち現像剤流出口247から流出することになる。
本実施形態では、スクリューポンプ223による吸引力も作用して、現像剤収容器230内の現像剤が現像剤流出口247から流出する。
上述のようにして、現像剤収容器230から流出した現像剤は、現像剤流出口247からノズル240の現像剤流路241aを通り、搬送チューブ221を介してスクリューポンプ223内に移動する。そして、スクリューポンプ223内を移動した後、現像剤落下口223bから下方に落下し、現像剤補給口14から現像装置10内に現像剤が補給される。一定量の現像剤補給が完了したら、制御部は、エアポンプ260a、260b及び駆動モータ226の駆動を停止させ、かつ、開閉弁262a、262bを閉じ、トナー補給動作を終了する。このように、トナー補給動作終了時に開閉弁262a、262bを閉じることで、トナー収容器230内のトナーがノズル240のエア供給路244a、244bを通ってエアポンプ260a、260b側に逆流するのを防止している。
また、エアポンプ260a、260bから供給される空気の供給量は、スクリューポンプ223によるトナー及び空気の吸引量よりも少なく設定されている。よって、トナーを消費するにつれて、現像剤収容器230の内圧が減少することになる。ここで、本実施形態における現像剤収容器230の現像剤収納部材231は、柔軟なシート材で形成されているため、内圧の減少に伴って減容する。
図8は、現像剤収容部材231に現像剤を充填した状態の斜視図である。
図9は、現像剤収容部材231内部の現像剤が排出されて減容した(しぼんだ)状態を示す正面図である。ここで、現像剤収容部材231は60%以上減容されるものが望ましい。
図8に示す現像剤収容器230の現像剤収容部231内部には、上述したように、現像装置10に補給するための、キャリアとトナーからなる補給用現像剤が収容されている。
補給用現像剤は、補給用現像剤中のキャリアの重量比率が、3wt%以上30wt%未満であることが好ましい。
現像剤収容器230内における補給用現像剤中のキャリアの重量比率が、3wt%未満であると、補給されるキャリアの量が非常に少ないため、補給の効果が充分に得られない。一方、30wt%を超えると、補給用現像剤の現像剤収容部への安定した供給が得られない。
補給用現像剤及び現像装置内現像剤に含まれるトナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含んで構成され、更に離型剤、帯電制御剤、またこれらの他に、必要に応じてその他の成分を含んでなる。
トナーの製造方法としては、特に一つのものに限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、粉砕法、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等が挙げられる。
本発明において用いられるトナーの結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが単独あるいは混合して使用できる。
着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤のトナーにおける含有量は1〜15重量%が好ましく、3〜10重量%がより好ましい。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、等が好適に挙げられる。
ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックス等が挙げられる。
離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が特に好ましい。
融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1,000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜40重量%が好ましく、3〜30重量%がより好ましい。
前記含有量が、40重量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
帯電制御剤としては、特に制限はなく、感光体に帯電される電荷の正負に応じて正又は負の荷電制御剤を適宜選択して用いることができる。
負の帯電制御剤としては、例えば、電子供与性の官能基を持つ樹脂又は化合物、アゾ染料、有機酸の金属錯体、などを用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:S−31、S−32、S−34、S−36、S−37、S−39、S−40、S−44、E−81、E−82、E−84、E−86、E−88、A、1−A、2−A、3−A)(以上、オリエント化学工業社製)、カヤチャージ(品番:N−1、N−2)、カヤセットブラック(品番:T−2、004)(以上、日本化薬社製))、アイゼンスピロンブラック(T−37、T−77、T−95、TRH、TNS−2)(以上、保土谷化学工業社製)、FCA−1001−N、FCA−1001−NB、FCA−1001−NZ、(以上、藤倉化成社製)、などが挙げられる。
正の荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料等の塩基性化合物、4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物、高級脂肪酸の金属塩等を用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:N−01、N−02、N−03、N−04、N−05、N−07、N−09、N−10、N−11、N−13、P−51、P−52、AFP−B)(以上、オリエント化学工業社製)、TP−302、TP−415、TP−4040(以上、保土谷化学工業社製)、コピーブルーPR、コピーチャージ(品番:PX−VP−435、NX−VP−434)(以上、ヘキスト社製)、FCA(品番:201、201−B−1、201−B−2、201−B−3、201−PB、201−PZ、301)(以上、藤倉化成社製)、PLZ(品番:1001、2001、6001、7001)(以上、四国化成工業社製)、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤の添加量は、結着樹脂の種類、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、結着樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。前記添加量が10重量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがあり、0.1重量部未満であると、帯電立ち上り性や帯電量が十分でなく、トナー画像に影響を及ぼしやすいことがある。
トナー材料には、結着樹脂、離型剤、着色剤、及び帯電制御剤の他に、必要に応じて無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等を添加することができる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等を用いることができ、シリコーンオイルやヘキサメチルジシラザンなどで疎水化処理されたシリカ微粒子や、特定の表面処理を施した酸化チタンを用いることがより好ましい。
前記シリカ微粒子としては、例えば、アエロジル(品番:130、200V、200CF、300、300CF、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84、RX200、RY200、R972、R974、R976、R805、R811、R812、T805、R202、VT222、RX170、RXC、RA200、RA200H、RA200HS、RM50、RY200、REA200)(以上、日本アエロジル社製)、HDK(品番:H20、H2000、H3004、H2000/4、H2050EP、H2015EP、H3050EP、KHD50)、HVK2150(以上、ワッカーケミカル社製)、カボジル(品番:L−90、LM−130、LM−150、M−5、PTG、MS−55、H−5、HS−5、EH−5、LM−150D、M−7D、MS−75D、TS−720、TS−610、TS−530)(以上、キャボット社製)等を用いることができる。
無機微粒子の添加量としては、トナー母体粒子100重量部に対し0.1〜5.0重量部が好ましく、0.5〜3.2重量部がより好ましい。
本発明におけるトナーの製造方法としては、前述のとおり特に限定するものではないが、粉砕法の製造方法として、以下を例示する。
前記のトナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所社製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所社製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、バインダー樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナーを製造する。
また、トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナー母体粒子に更に疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。添加剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。なお、添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次添加剤を加えていけばよい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。又はじめに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。次いで、粗大粒子、凝集粒子の除去を目的に、篩を通過させることでトナーを得ることができる。
本実施形態では、上述したキャリアとトナーを含んで構成される現像剤を、補給用現像剤及び現像装置内用現像剤として、図3に示す画像形成装置において使用することで、長期間の使用後においても、キャリア表面の膜削れや、キャリア表面におけるトナースペントの発生が防止されて、現像剤収容器14内における現像剤の帯電量の低下やキャリアの電気抵抗値の低下が抑えられ、安定した現像特性が得られる。
本実施形態で使用されるキャリアは、導電性粒子として、二酸化スズと酸化インジウムからなる導電性被覆層を設けた粒子を用いることで、色汚れの防止と、抵抗を下げる方向への効果的な制御の両立が可能となり、その結果、色汚れの原因となるカーボンブラックを含有させる必要なく、その抵抗値を調整することが可能となり、安定した帯電性を維持しながらも、カラー用の画像形成装置で使用したときにも、画像上に色汚れを生じさせることなく、色再現性、精細性の高い高品質なカラー画像を提供することができる。
なお、本発明において使用される画像形成装置の構成としては、本実施形態において説明した、上述の構成を有するものに限られるものではなく、同様の機能を有していれば、他の構成を有する画像形成装置を使用することも可能である。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて説明する。なお、本発明はここに例示される実施例に限定されるものではない。また、以下において「部」は重量部を、「%」は重量%を表す。
[トナーの作製]
(結着樹脂合成例1)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(P1)を得た。
次いでプレポリマー(P1)267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステル(U1)を得た。
上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル(E1)を得た。
ウレア変性ポリエステル(U1)200部と変性されていないポリエステル(E1)800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、結着樹脂(B1)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部減圧乾燥し、結着樹脂(B1)を単離した。Tgは62℃であった。
(ポリエステル樹脂合成例A)
テレフタル酸 :60部
ドデセニル無水コハク酸 :25部
無水トリメリット酸 :15部
ビスフェノールA(2,2)プロピレンオキサイド :70部
ビスフェノールA(2,2)エチレンオキサイド :50部
上記組成物を、温度計、攪拌器、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、窒素ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気下に保った状態で昇温し、次いで0.05gのジブチルスズオキシドを加えて温度を200℃に保って反応させポリエステルAを得た。このポリエステルAのピーク分子量は4200であり、ガラス転移点は59.4℃であった。
(マスターバッチ作成例1)
顔料:C.I.Pigment Yellow 155 :40部
結着樹脂:ポリエステル樹脂A :60部
水 :30部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、マスターバッチ(M1)を得た。
(トナー製造例A)
ビーカー内に前記の結着樹脂(B1)の酢酸エチル/MEK溶液240部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)20部、マスターバッチ(M1)8部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーにて12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させ、トナー材料液を用意した。
ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。
ついで60℃に昇温し、TK式ホモミキサーにて12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。
ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、トナー粒子を得た。
ついで、このトナー粒子100部に疎水性シリカ1.0部と、疎水化酸化チタン1.0部をヘンシェルミキサーにて混合して、「トナーA」を得た。
この「トナーA」の超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡(日立社製H−9000H)を用いて、トナーの断面写真(倍率×100,000)を撮影し、写真から、ランダム選択した100点の着色剤部分の分散径から平均値を求めた。ここで、1粒子の分散径は最長径と最短径の平均とし、また、凝集状態にあるものは凝集体自身を1粒子とした。
着色剤の平均分散粒径は、0.40μmであった。また、0.7μm以上の分散粒径を持つ着色剤は、4.5%であった。
次に「トナーA」の粒径を、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTA2」を用い、アパーチャー径100μmで測定したところ、体積平均粒径(Dv)=6.2μm、個数平均粒径(Dn)=5.1μmであった。
引き続き、「トナーA」の円形度を、フロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測した。測定は、前記装置に、予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩)を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlに調整した測定液をセットして行った。得られた「トナーA」の円形度は0.96であった。
(キャリア製造例)
(製造例1)
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:50重量%) 2130重量部
・アミノシラン(固形分濃度:100重量%) 4重量部
・シリカ微粒子(体積平均粒径0.07μm) 1500重量部
・トルエン 6000重量部
以上の各材料をホモミキサーにて10分間分散し、樹脂層形成液を調合した。キャリア芯材として表1の芯材aを用い、上記樹脂溶液を芯材表面に厚みhが0.15μmとなるようにスピラコーター(岡田精工社製)により55℃の雰囲気下で30g/minの割合で塗布し、乾燥させた。層厚の調整は液量によって行った。得られたキャリアを、電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成し、冷却後に目開き100μmの篩を用いて解砕して、キャリアIを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
芯材の体積平均粒径の測定は、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社)のSRAタイプを使用し、0.7μm以上、125μm以下のレンジ設定で行ったものを用いた。
前記被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察し、芯材表面と粒子との間に存在する樹脂部の厚みhaと、粒子間に存在する樹脂部の厚みhbと、芯材や粒子上の樹脂部の厚みhcとを、キャリア表面に沿って0.2μm間隔で50点測定し、得られた測定値を平均して求めた。
前記芯材表面から被覆層表面までの厚みT(μm)は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面の観察をし、芯材表面から被覆層表面までの厚みTを、キャリア表面に沿って0.2μm間隔で50点測定し、得られた測定値を平均して求めた。
(製造例2)
キャリア芯材として表1の芯材bを用いたこと以外は製造例1と全く同様にして、表2のキャリアIIを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
(製造例3)
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:50重量%) 1500重量部
・シリコーン樹脂溶液(固形分20重量%) 1575重量部
・アミノシラン(固形分濃度:100重量%) 4重量部
・シリカ微粒子(体積平均粒径0.07μm) 1500重量部
・トルエン 6000重量部
樹脂層形成液の材料を上記のものに変更したこと以外は製造例1と同様にして、キャリアIIIを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
(製造例4)
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:50重量%) 1500重量部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 450重量部
・アミノシラン(固形分濃度:100重量%) 4重量部
・シリカ微粒子(体積平均粒径0.07μm) 1500重量部
・トルエン 6000重量部
樹脂層形成液の材料を上記のものに変更したこと以外は製造例1と同様にして、キャリアIVを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
(製造例5)
キャリア芯材として表1の芯材cを用いたこと以外は製造例4と全く同様にして、表2のキャリアVを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
(製造例6)
キャリア芯材として表1の芯材dを用いたこと以外は製造例4と全く同様にして、表2のキャリアVIを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
(製造例7)
キャリア芯材として表1の芯材eを用いたこと以外は製造例4と全く同様にして、表2のキャリアVIIIを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
(製造例8)
キャリア芯材として表1の芯材fを用いたこと以外は製造例4と全く同様にして、表2のキャリアVIIIを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
(製造例9)
キャリア芯材として表1の芯材gを用いたこと以外は製造例4と全く同様にして、表2のキャリアIXを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
(製造例10)
キャリア芯材として表1の芯材hを用いたこと以外は製造例4と全く同様にして、表2のキャリアXを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
(製造例11)
キャリア芯材として表1の芯材iを用いたこと以外は製造例4と全く同様にして、表2のキャリアXIを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
(製造例12)
キャリア芯材として表1の芯材jを用いたこと以外は製造例4と全く同様にして、表2のキャリアXIIを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
(製造例13)
キャリア芯材として表1の芯材kを用いたこと以外は製造例4と全く同様にして、表2のキャリアXIIIを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
(製造例14)
キャリア芯材として表1の芯材lを用いたこと以外は製造例4と全く同様にして、表2のキャリアXIVを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
(製造例15)
キャリア芯材として表1の芯材mを用いたこと以外は製造例4と全く同様にして、表2のキャリアXVを得た。平均厚さTは0.20μmであった。
(製造例16)
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:50重量%) 2130重量部
・アミノシラン(固形分濃度:100重量%) 4重量部
・シリカ微粒子(体積平均粒径0.35μm) 1500重量部
・トルエン 6000重量部
樹脂層形成液の材料を上記のものに変更したこと以外は製造例15と同様にして、キャリアXVIを得た。平均厚さTは0.40μmであった。
(製造例17)
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:50重量%) 2130重量部
・アミノシラン(固形分濃度:100重量%) 4重量部
・アルミナ微粒子(体積平均粒径0.37μm) 1500重量部
・トルエン 6000重量部
樹脂層形成液の材料を上記のものに変更したこと以外は製造例15と同様にして、キャリアXVIIを得た。平均厚さTは0.41μmであった。
(製造例18)
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:50重量%) 2130重量部
・アミノシラン(固形分濃度:100重量%) 4重量部
・アルミナ微粒子(体積平均粒径0.37μm) 1500重量部
・酸化亜鉛粒子(体積平均粒径0.020μm) 500重量部
・トルエン 6000重量部
樹脂層形成液の材料を上記のものに変更したこと以外は製造例15と同様にして、キャリアXVIIIを得た。平均厚さTは0.41μmであった。
(製造例19)
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:50重量%) 2130重量部
・アミノシラン(固形分濃度:100重量%) 4重量部
・アルミナ微粒子(体積平均粒径0.37μm) 1500重量部
・酸化チタン粒子(体積平均粒径0.015μm) 500重量部
・トルエン 6000重量部
樹脂層形成液の材料を上記のものに変更したこと以外は製造例15と同様にして、キャリアXIXを得た。平均厚さTは0.41μmであった。
(製造例20)
厚みhが0.05μmとなるように樹脂溶液の塗布量を変更した以外は製造例15と同様にして、キャリアXXを得た。平均厚さTは0.09μmであった。
(製造例21)
厚みhが2.40μmとなるように樹脂溶液の塗布量を変更した以外は製造例19と同様にして、キャリアXXIを得た。平均厚さTは3.03μmであった。
(実施例1)
トナー製造例で得たトナーAを7重量部と、キャリア製造例1で得られたキャリアIを93重量部用いて、ミキサーで10分攪拌し、現像機内に収容する現像剤を作成した。また、トナー製造例で得たトナーAを80重量部と、キャリア製造例1で得られたキャリアIを20重量部用いて、ミキサーで10分攪拌し、補給用現像剤を作成した。
(画像の精細性)
市販のデジタルフルカラープリンター(株式会社リコー製、imagio Neo C600)に図4に示す現像装置を搭載した改造機に、現像機内現像剤と補給用現像剤をセットし、画像面積5%の文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)を出力し、その文字再現性から画像の精細性の評価を行った。評価のランク分けは次のように行った。
◎:非常に良好、○:良好、△:許容、×:実用上使用できないレベル
(耐久性)
上記の画像精細性評価の画像出力を100k枚行い、耐久性評価用のランニング試験とした。このランニング試験後と試験前での、キャリアの帯電能力低下量および抵抗変化量をもって耐久性の評価を行った。
キャリアの帯電能力低下量の測定は以下の方法にて行った。
まず、初期のキャリア93重量%に対しトナー7重量%の割合で混合し摩擦帯電させたサンプルを、一般的なブローオフ法(東芝ケミカル株式会社製、TB−200)にて測定し、この値を初期帯電量とする。次に、ランニング後の現像剤からトナーを前記ブローオフ装置にて除去し、得られたキャリア93重量%に対し新規にトナーを7重量%の割合で混合し、初期のキャリアと同様に摩擦帯電させたサンプルを、初期のキャリアと同様に帯電量測定を行い、初期帯電量との差を帯電能力低下量とする。帯電能力低下量の目標値は10.0μC/g以内である。帯電能力の低下の主なる原因はキャリア表面へのトナースペントと考えられ、トナースペントを減らすことで、帯電能力の低下を抑えることができる。
キャリア抵抗値変化量の測定は以下の方法にて行った。
キャリアを抵抗計測平行電極の電極間(ギャップ2mm)に投入し、DC1,000Vを印加して30sec後の抵抗値をハイレジスト計で計測した。得られた値を体積抵抗率に変換した値を初期抵抗値とする。次に、ランニング後の現像剤中のトナーを前記ブローオフ装置にて除去し、得たキャリアに対して前記抵抗測定方法と同様の方法で抵抗測定を行い、得られた値を体積抵抗率に変換し、初期抵抗値との差をキャリア抵抗値変化量とする。キャリア抵抗値変化量の目標値は絶対値で3.0〔Log(Ω・cm)〕以内である。抵抗変化の原因は、キャリアの被覆層の削れ、トナー成分のスペント、キャリア被覆層中の大粒子脱離などであるため、これらを減らすことで、キャリア抵抗の変化を抑えることができる。
(トナー濃度変化に対する帯電安定性)
初期のキャリア90重量%に対しトナー10重量%の割合で混合し摩擦帯電させたサンプルを、上記耐久性試験の初期帯電量測定と同様の方法にて帯電量を測定し、上記耐久性試験の初期帯電量との差(帯電量変化)をもってトナー濃度変化に対する帯電安定性の指標とした。帯電量変化の目標値は絶対値で4.0〔μC/g〕以内である。
(地肌部キャリア付着)
市販のデジタルフルカラープリンター(株式会社リコー製、imagio Neo C600)に図4に示す現像装置を搭載した改造機に、現像機内現像剤と補給用現像剤をセットし、地肌ポテンシャルを150Vに固定し、画像面積1%のA3文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)を出力し、その地肌部のキャリア付着発生個数により評価を行った。評価のランク分けは次のように行った。
◎:0個、○:2個以上5個以下、△:6個以上10個以下、×:11個以上
(比較例1)
評価用装置に改造を施していない(図4に示す現像装置を搭載していない)imagio Neo C600を用い、現像剤の補給/回収を行わず、トナーのみを現像機に補給するシステムに変更したこと以外は実施例1と同様にして評価を行った。
(比較例2〜6、実施例2〜16)
現像機内現像剤と補給用現像剤に用いるキャリアを、製造例2〜21にて作成したキャリアを用いて表2の組み合わせにて使用したこと以外は実施例1と同様にして評価を行った。
(実施例17)
トナー製造例で得たトナーAを98重量部と、キャリア製造例19で得られたキャリアXIXを2重量部用いて補給用現像剤を作成したこと以外は実施例1と同様にして評価を行った。
(実施例18)
トナー製造例で得たトナーAを69重量部と、キャリア製造例19で得られたキャリアXIXを31重量部用いて補給用現像剤を作成したこと以外は実施例1と同様にして評価を行った。
(実施例19)
トナー製造例で得たトナーAを16重量部と、キャリア製造例19で得られたキャリアXIXを84重量部用いて現像機内現像剤を作成したこと以外は実施例1と同様にして評価を行った。
(実施例20)
トナー製造例で得たトナーAを1重量部と、キャリア製造例19で得られたキャリアXIXを99重量部用いて現像機内現像剤を作成したこと以外は実施例1と同様にして評価を行った。
製造例に用いたキャリア芯材を表1、製造例にて作成したキャリアを表2、上記実施例1〜20、比較例1〜6の組み合わせと評価結果を表3に示す。
図1は、本発明の電子写真用キャリアの被覆層を示す説明図である。 図2は、キャリアの抵抗率の測定に用いる抵抗測定セルの斜視図である。 図3は、本発明に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。 図4は、本発明の実施形態に係る現像装置の現像部周辺の構造を示す概略構成を示す図である。 図5は、本発明で使用される現像剤補給部の概略構成図である。 図6は、(a)は、現像剤補給装置に設けられるノズルの概略構成を示す外観図であり、(b)は、その軸方向断面図であり、(c)は、(b)中符号A−Aの断面図である。 図7はスクリューポンプの概略構成を示す断面図である。 図8は、現像剤収容部材に現像剤を充填した状態の斜視図である。 図9は、現像剤収容部材内部の現像剤が排出されて減容した状態を示す正面図である。
符号の説明
21 セル
22a 電極
22b 電極
23 キャリア
100 装置本体
1 感光体
2A、2B、2C、2D 画像形成ユニット
3 帯電ユニット
301 帯電ローラ
6 露光装置
7 給紙カセット
8 転写ベルト
9 定着装置
10A、10B、10C、10D 現像装置
10a 仕切部材
10b トナー濃度センサ
11a,11b 搬送スクリュー
12 現像ローラ
13 層厚規制部材
14 現像剤収容部
15 ハウジング
15a 補給口
200A、200B、200C、200D 現像剤補給装置
220 現像剤補給器
221 搬送チューブ
222 容器ホルダ
223 スクリューポンプ
224 ロータ
225 ステータ
226 駆動モータ
227 ユニバーサルジョイント
230 現像剤収容器
231 現像剤収納部材
232 口金部
233 シール材
240 ノズル
241 内管
241a 現像剤流路
242 外管
244 エア流路
246a,46b エア供給口
247 現像剤流出口
260 空気供給手段
260a,260b エアポンプ
261a,261b エア供給路
262a,262b 開閉弁
300 現像剤排出装置
330 回収容器
331 排出パイプ
51 排紙路
52 排紙ローラ対
53 排紙トレイ
54 紙吸着ローラ
55 レジストローラ対
26 芯材
27 被覆層
ha、hb、hc 被覆層の厚み
T 芯材表面から被覆層表面までの平均厚み
G1 第1粒子
G2 第2粒子

Claims (16)

  1. 芯材粒子と該粒子を被覆する被覆層とからなる電子写真現像剤用キャリアであって、トナーとキャリアが収容されている現像装置に対して、トナーとキャリアを該現像装置に補給するとともに、該現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行う画像形成装置に用いられ、前記現像装置に補給されるキャリア及び/又は前記現像装置に収容されているキャリアの重量平均粒径Dwが22μm以上32μm以下で、個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1.00≦Dw/Dp≦1.20、粒径x[μm]が0<x<20の範囲である粒子の含有量が7重量%以下、粒径y[μm]が0<y<36の範囲である粒子の含有量が90重量%以上100重量%以下であることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
  2. 前記キャリアの芯材粒子を被覆する被覆層が、結着樹脂と少なくとも1種類の硬質粒子を含み、該硬質粒子の粒径D1(μm)と該被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)とが、1<(D1/h)<10の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の電子写真現像剤用キャリア。
  3. 前記硬質粒子が、アルミナ粒子又はアルミナを基体とする粒子であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真現像剤用キャリア。
  4. 前記キャリアの芯材粒子を被覆する被覆層が、前記硬質粒子以外に第2硬質粒子を含み、前記硬質粒子の粒径D1と第2硬質粒子の粒径D2とがD2<D1の関係を満たし、かつ第2硬質粒子の粒径D2(μm)と該被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)とが、0.001<(D2/h)<1の関係を満たすことを特徴とする請求項2または3に記載の電子写真現像剤用キャリア。
  5. 前記第2硬質粒子が、酸化チタン粒子又は表面処理された酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真現像剤用キャリア。
  6. 前記芯材粒子表面から該芯材粒子を被覆する被覆層の表面までの平均厚みT(μm)が、0.1≦T≦3.0の範囲であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
  7. 前記結着樹脂が、少なくともアクリル樹脂とアミノ樹脂との反応物かシリコーン樹脂のいずれかを含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
  8. 前記キャリアに1000エルステッドの磁界を印加したときの磁化が、50emu/g以上、100emu/g以下であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
  9. 前記芯材粒子が、Mn−Mg−Sr系フェライト、Mn系フェライト又はマグネタイトであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアとトナーとを含有することを特徴とする電子写真現像剤。
  11. 前記補給用現像剤中のキャリアの重量比率が、3wt%以上30wt%未満であることを特徴とする請求項10に記載の電子写真現像剤。
  12. 前記現像装置に収容されている現像剤中のキャリアの重量比率が、85wt%以上98wt%未満であることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の電子写真現像剤。
  13. 像担持体上に形成された静電潜像を、トナーとキャリアが収容されている現像装置に対して、トナーとキャリアを該現像装置に補給するとともに、該現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行い、可視像とする画像形成方法であって、前記キャリアとして請求項1ないし9のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアを用いることを特徴とする画像形成方法。
  14. 静電潜像が形成される像担持体と、該静電潜像をトナー及びキャリアを含む現像剤により可視像とする現像装置と、該現像装置にトナー及びキャリアを補給する現像剤補給装置と、該現像装置内の余剰となった現像剤を排出する現像剤排出装置と、を備え、前記キャリアとして、請求項1ないし9のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアを用いることを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項14に記載の画像形成装置であって、トナーとキャリアを補給する現像剤補給装置が、補給用現像剤を収納する形状が容易に変形する収納容器と該収納容器内の補給用現像剤を吸引して現像装置に供給する吸引ポンプを有することを特徴とする画像形成装置。
  16. 像担持体と、少なくとも像担持体上に形成された静電潜像をトナー及びキャリアを含む現像剤により可視像とする現像装置とを、一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能に備えられるプロセスカートリッジであって、前記画像形成装置本体側に前記現像装置にトナーとキャリアを補給する手段と、前記現像装置内の余剰となった現像剤を排出する現像剤排出手段とを備え、前記キャリアとして請求項1ないし9のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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