JP2007286078A - キャリア、補給用現像剤、現像装置内現像剤、現像剤補給装置、画像形成装置、プロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トナーとキャリアとが収容されている現像装置に対してトナーとキャリアとを現像装置に補給すると共に現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行う画像形成装置に用いられるキャリアにおいて、現像装置に補給されるキャリアは、芯材26と芯材26を被覆する被覆層27とを有し、被覆層27は少なくとも結着樹脂、第1粒子G1、第2粒子G2を含み第1粒子G1の粒径D1と第2粒子G2の粒径D2とが被覆層27における樹脂部分の平均厚みhに対して所定の関係を満たし、且つ第2粒子G2の体積固有抵抗は1.0×1012Ω・cm以下であることを特徴とするキャリアである。
【選択図】図8
Description
このうち、二成分現像方式の現像装置は、現像性に優れているため、現在使用されている大半の画像形成装置において用いられている。特に近年では、フルカラーやマルチカラー画像を形成するカラー画像形成装置が多く使用されており、二成分現像方式の現像装置に対する需要は、さらに高まってきている。
しかしながら、特許文献1に開示の現像装置においても、長時間使用していくうちに、現像槽内には劣化したキャリアの割合が次第に増加し、画像濃度の上昇等の不具合を抑えることは困難であった。
さらに、特許文献3には、補給用現像剤として、より高い帯電量をトナーに対して付与するキャリアをトナーと共に含む現像剤を使用することで、帯電性の維持、画質低下を抑制することが開示されている。
しかしながら、現像装置内で入れ替わるキャリア量は、トナー消費量の差に伴い、各時点で異なってくることから、特許文献2又は3に開示の方法では、現像装置内の現像剤の抵抗値あるいは帯電量が変化して、画像濃度の変動が発生しやすくなるという不具合が生じた。
しかしながら、実際には、キャリアとトナーの比重が極端に異なるため、特許文献4に開示のように、一つのトナー補給容器内で、物性の異なる複数のキャリアのうちの一つを、トナーと共に含有させた補給現像剤を、互いに混ざり合わないように現像装置内に順次補給することは非常に困難であり、また、現像剤中のキャリアに対するトナー量が多いために、キャリアの劣化が生じやすく、長期にわたり安定した画像を得ることができない。
二成分系現像方式に使用される粒状キャリアは、キャリア表面へのトナーのフィルミング防止、キャリア均一表面の形成、表面酸化防止、感湿性低下の防止、現像剤の寿命の延長、感光体のキャリアによるキズあるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御または帯電量の調節等の目的で、通常、適当な樹脂材料で被覆したり(例えば、特許文献5参照。)、更に、その被覆層に種々の添加剤を添加する方法(例えば、特許文献6〜8参照。)が行われている。
更に、特許文献9には、キャリア表面に添加剤を付着させたものが提案されており、特許文献10には、被覆層厚よりも大きい導電性粒子を被覆層に含有させたものが提案されている。
また、特許文献11には、ベンゾグアナミン−n−ブチルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を主成分とするキャリア被覆材を用いることが提案されており、また、特許文献12には、メラミン樹脂とアクリル樹脂の架橋物をキャリア被覆材として用いることが提案されている。
しかし、カラー画像を形成する画像形成装置において、このようなキャリアを使用した場合には、キャリア表面が膜削れしたり、カーボンブラックが脱離したりすることによって、カラー画像中にカーボンブラックが移行し、色汚れが生じることが懸念される。
このような現象が生じるのを抑制するための手段として、これまで様々な方法が提案されている。
また、特許文献14には、被覆層がその厚み方向にカーボンブラックの濃度勾配を持ち、該被覆層は表面に向かうほどカーボンブラック濃度が低くなり、しかも、該被覆層の表面にはカーボンブラックが存在しないキャリアが提案されている。
また、特許文献15には、芯材粒子表面に導電性カーボンを含有した内部被覆層を設け、更に、その上に白色系導電性材料を含有した表面被覆層を設けてなる2層コート型キャリアが提案されている。
しかし近年では、需要者からの要望を受けて、上記電子写真方式の画像形成装置において高速化の傾向が著しく、これに伴って、現像剤が受けるストレスも飛躍的に増大している。このため、特許文献13〜特許文献15の提案においても、カーボンブラックが画像中に移行することによって発生する色汚れを、完全に防止するのは困難である。
本発明は、トナーとキャリアとが収容されている現像装置に対して、トナーとキャリアとを前記現像装置に補給するとともに、前記現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行う画像形成装置に用いられるキャリアであって、前記現像装置に補給されるキャリアは、芯材と、前記芯材を被覆する被覆層とを有してなり、前記被覆層は、少なくとも結着樹脂、第1粒子、及び第2粒子を含み、前記第1粒子の粒径D1(μm)と、前記被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)とが、次式1<(D1/h)<10を満たし、前記第2粒子の粒径D2(μm)と、前記被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)とが、次式0.001<(D2/h)<1を満たし、且つ前記第2粒子の体積固有抵抗は、1.0×1012Ω・cm以下であることを特徴とする。
また、前記キャリアは、前記芯材表面から前記被覆層表面までの平均厚みT(μm)が、0.1≦T≦3.0であることが好ましい。
また、前記第1粒子の体積固有抵抗は、1.0×1012Ω・cm以上であることが好ましい。
また、前記第1粒子は、アルミナ粒子であることが好ましい。
また、前記キャリアは、前記被覆層に含まれる前記第1粒子の含有量が、10〜80wt%であることが好ましい。
また、前記第2粒子は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、表面処理された酸化チタン、表面処理された酸化亜鉛、及び表面処理された酸化スズから選択される少なくとも1種の粒子とすることができる。
また、前記キャリアは、前記被覆層に含まれる前記第2粒子の含有量が、2〜50wt%であることが好ましい。
また、前記結着樹脂は、アクリル樹脂とアミノ樹脂との反応物、シリコーン樹脂のいずれかの樹脂を含むものとすることができる。
また、前記キャリアは、前記芯材表面から前記被覆層表面までの平均厚みT(μm)が、0.1≦T≦3.0であることが好ましい。
また、前記第1粒子の体積固有抵抗は、1.0×1012Ω・cm以上であることが好ましい。
また、前記第1粒子は、アルミナ粒子であることが好ましい。
また、前記キャリアは、前記被覆層に含まれる前記第1粒子の含有量が、10〜80wt%であることが好ましい。
また、前記第2粒子は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、表面処理された酸化チタン、表面処理された酸化亜鉛、及び表面処理された酸化スズから選択される少なくとも1種の粒子とすることができる。
また、前記キャリアは、前記被覆層に含まれる前記第2粒子の含有量が、2〜50wt%であることが好ましい。
また、前記結着樹脂は、アクリル樹脂とアミノ樹脂との反応物、シリコーン樹脂のいずれかの樹脂を含むものとすることができる。
また、前記補給用現像剤のキャリアは、請求項2ないし8のいずれかに記載のキャリアであることが好ましい。
また、前記補給用現像剤は、補給用現像剤中のキャリアの重量比率が、3wt%以上30wt%未満であることが好ましい。
また、前記現像装置内現像剤のキャリアは、請求項10ないし16のいずれかに記載のキャリアであることが好ましい。
また、前記現像装置内現像剤は、現像装置内現像剤中のキャリアの重量比率が、85重量%以上98重量%以下であることが好ましい。
また、前記画像形成装置は、前記現像装置に請求項17ないし19のいずれかに記載の補給用現像剤が補給されることが好ましい。
また、前記画像形成装置は、前記現像剤補給手段として、形状が容易に変形する収納容器に補給用現像剤を充填させ、吸引ポンプでこの補給用現像剤を吸引して現像装置に供給する現像剤補給装置が備えられることが好ましい。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
画像形成装置本体100内には、4個の像担持体である感光体1を有するプロセスカートリッジたる画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dを、画像形成装置100に対してそれぞれ着脱可能に装着している。画像形成装置100の略中央に転写ベルト15を複数のローラ間に矢示A方向に回動可能に装着した転写装置3を配置している。
その転写ベルト15の下側の面に、画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dにそれぞれ設けられている感光体1が接触するように配置している。そして、その画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dに対応させて、それぞれ使用するトナーの色が異なる現像装置10A、10B、10C、10Dを配置している。
画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dは、同一の構成をしたユニットであり、画像形成ユニット2Aはマゼンタ色に対応する画像を形成し、画像形成ユニット2Bはシアン色に対応する画像を形成し、画像形成ユニット2Cはイエロー色に対応する画像を形成し、画像形成ユニット2Dはブラック色に対応する画像を形成する。
露光装置6は、各色毎に用意されたレーザダイオード(LD)方式の4つの光源と、6面のポリゴンミラーとポリゴンモータから構成される1組のポリゴンスキャナと、各光源の航路に配置されたfθレンズ、長尺シリンドルカルレンズ等のレンズやミラーから構成されている。レーザダイオードから射出されたレーザ光はポリゴンスキャナにより偏向走査され感光体5上に照射される。
また、画像形成装置100の下部には、転写紙を収納可能な給紙カセット7を配設している。
次に、現像装置周辺の構成について説明する。図2は、本発明の画像形成装置に備えられる現像装置とその周辺の構造を示す概略断面図である。図2において、現像装置10の上方には現像装置10内に新規なトナーとキャリアからなる現像剤を補給する現像剤補給装置200が備えられており、現像装置10の下方には、現像装置10内で過剰となった現像剤を排出する現像剤排出装置300が備えられている。
現像剤補給装置200の詳細な構成については、後に図3を用いて説明する。
なお、本発明の現像剤排出装置としては、上記の構成に限られるものではなく、例えばハウジング15の所定の箇所に現像剤排出口を開設し、排出パイプ331の代わりに、現像剤排出口の近傍に現像剤排出手段としての排出スクリュー等の搬送部材を設置して、現像剤排出口から排出された現像剤を回収容器330に搬送することとしてもよい。
また、本実施形態の排出パイプ331の端部又は内部に、この排出スクリューを備えることも可能である。
本発明の補給用現像剤とは、少なくともトナーとキャリアとを含むものである。現像剤収容器230に収容されている、補給用現像剤のトナーとしては、下記に示すトナーが使用され、そのキャリアとしては、図8に示すように、芯材26に所定の粒子を有してなる被覆層27を形成した、磁性のキャリアが使用される。
また、現像装置内現像剤のトナーとしては、現像剤収容器230に収容されているトナーと同じものを使用してもよく、また、これとは異なるトナーを使用してもよい。
また、現像装置内現像剤に使用されるキャリアとしても、現像剤収容器230に収容されているキャリアと同じものを使用してもよく、また、これとは異なるキャリアを使用してもよい。
本実施形態で使用されるキャリアの詳細な構成については、後に詳述する。
まず、現像剤収容部14内に予め収容されている現像装置内現像剤が、搬送スクリュー11a、11bより攪拌されて十分に混合されるとともに摩擦帯電された後、現像ローラ12に供給されて、そのスリーブ121表面に層状に付着する。
この現像ローラ12に付着する層状の現像剤は、層厚規制部材13により所定の厚さに規制されて均一な層にされた後、スリーブ121の回転に伴って感光体1と対向する現像領域Dに搬送される。そして、この現像領域Dにおいて、画像形成装置本体100(図1参照。)側で原稿の画像に応じて感光体1上に形成された潜像に二成分現像剤のトナーが静電吸着して現像が行われ、感光体1上にトナー像が形成される。
感光体1上に形成されたトナー像は、画像形成装置本体100側において記録用紙上に転写され、定着部により記録用紙上に定着される。
本実施形態の画像形成装置100は、形状が容易に変形する現像剤収納部材231に補給用現像剤を充填させ、スクリューポンプ223によってこの補給用現像剤を吸引して、現像装置10に供給する現像剤補給装置200を備えている。
以下に、図3〜図7を参照して、現像剤補給装置200の構成を詳細に説明する。
図3は、本発明で使用される現像剤補給装置200の概略構成図である。現像剤補給装置200に備えられた現像剤収容器230の内部には、減容可能な袋状部材としての現像剤収納部材231が備えられている。現像装置10の現像剤収容部14に補給される、新規なトナーとキャリアからなる補給用現像剤は、現像剤収納部材231内部に収容されている。現像剤収納部材231は、この現像剤が現像剤収容部14に補給されることによる内部の圧力の減少に伴って減容する。
現像剤補給器220は、ハウジング15の所定箇所に開設された補給口15aの上端に連結して備えられたスクリューポンプ223と、スクリューポンプ223に接続して備えられたノズル240と、ノズル240に接続して備えられた空気供給手段260とを備えており、現像剤収容部14に設置されるトナー濃度センサ(図示無し)等の検知信号に応じて駆動し、適量の現像剤を現像剤収容器230から現像剤収容部14に供給する。
スクリューポンプ223とノズル240の間には、このスクリューポンプ223に連通される現像剤搬送通路としての搬送チューブ221を有している。この搬送チューブ221は、好ましくは、フレキシブルで耐トナー性に優れたポリウレタン、ニトリル、EPDM等のゴム材料で形成されたものを利用する。
また、現像剤補給装置200は、現像剤収納容器としての現像剤収容器230を支持するための容器ホルダ222を有しており、この容器ホルダ222は樹脂等の剛性の高い材料で形成されている。
現像剤収容部材231の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好適に用いられる。例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の樹脂が好適に挙げられる。
また、口金部232には、スポンジ、ゴム等で形成されるシール材233が設けられており、このシール材233には十字型の切り込みが設けられている。そして、この切り込みに現像剤補給器220のノズル240を通すことで、現像剤収容器230と現像剤補給器220が連通し固定される。
本実施形態では、口金部232が、現像剤収容器230の下方に備えられている。ここで、口金部232が下方に備えられている状態とは、現像剤収容器230が現像剤補給装置200に配設された状態において、口金部232が、現像剤収容器230における下方向きの鉛直成分を含んだ位置に備えられていることを表している。
なお、口金部232が、現像剤収容器本体に備えられる位置としては、これに限られるものではなく、現像剤収容器230が現像剤補給装置200に配設された状態において、現像剤収容器230本体の水平方向に備えられてもよく、また、斜め方向に備えられることとしてもよい。
現像剤収容器は、トナーの消耗に応じて順次新しい物と交換されるが、本実施形態の現像剤収容器230は、上述した構成を備えることで、その着脱を容易に行うことが可能であり、また、交換時や使用時におけるトナー漏れを防止することが可能である。
現像剤収容部材231の形状としては、例えば、上述した円筒状等のものを好ましく用いることができ、また、その内周面には、スパイラル状の凹凸が形成されていることが好ましい。このような凹凸が形成されていることで、現像剤収容器230を回転させることによって、収容部材231内部に収容されているトナーを、排出口側に円滑に移行させることができる。また更に、上記スパイラル部の一部又は全部が、蛇腹機能を有しているものを用いることが、特に好ましい。
本実施形態の現像剤収容器230は、画像形成装置100の現像剤補給装置200への着脱が容易であり、また、保存や、搬送に適していて、取扱性に優れている。
図3に示すように、各エア流路244a、244bは、それぞれ、気体供給通路としてのエア供給路261a、261bを介して、別個の気体送出装置としてのエアポンプ260a、260bに接続されている。
エア流路244は、図4(b)に示すように、現像剤補給器220のノズル240の内管241と外管242との間に、空気供給通路として設けられているものであり、このエア流路44は、図4(c)に示すように、互いに独立した断面半円状の2つの流路244a、244bから構成されている。
また、エアポンプ260a、260bとしては、通常のダイアフラム型のエアポンプを利用することができる。これらエアポンプ260a、260bから送り出される空気は、それぞれ、エア流路244a、244bを通って、各エア流路の気体供給口としてのエア供給口246a、246bからトナー収容器230内に供給される。各エア供給口246a、246bは、トナー流路241aの現像剤排出口としてのトナー流出口247の図中下方に位置している。これにより、各エア供給口246a、246bから供給される空気は、トナー流出口247付近のトナーに対して供給されることになり、使用されないまま長期間放置されてトナー流出口247にトナーが詰まった状態になったとしても、そのトナー流出口247を塞いでいるトナーを崩すことができる。
上記制御部は、現像装置10からトナー濃度が不足した旨の信号を受け取ることで、現像剤補給動作を開始する。この現像剤補給動作では、まず、エアポンプ260a、260bをそれぞれ駆動させ、現像剤収容器230内に空気を供給するとともに、スクリューポンプ223の駆動モータ226を駆動させて、現像剤の吸引搬送を行う。
エアポンプ260a、260bから空気が送り出されると、その空気は、エア供給路261a、261bからノズル240のエア流路244a、244bに入り込み、エア供給口246a、246bから現像剤収容器230内に供給される。この空気によって、現像剤収容器230内の現像剤は、攪拌されて、空気を多く内包した状態となり、流動化が促進される。
本実施形態では、スクリューポンプ223による吸引力も作用して、現像剤収容器230内の現像剤が現像剤流出口247から流出する。
図6は、現像剤収容部材231に現像剤を充填した状態の斜視図である。
図7は、現像剤収容部材231内部の現像剤が排出されて減容した(しぼんだ)状態を示す正面図である。ここで、現像剤収容部材231は60%以上減容されるものが望ましい。
補給用現像剤は、補給用現像剤中のキャリアの重量比率が、3wt%以上30wt%未満であることが好ましい。
現像剤収容器230内における補給用現像剤中のキャリアの重量比率が3wt%未満であると、現像剤収容部14に補給されるキャリアの量が非常に少ないため、現像剤を補給する効果が充分に得られない。
一方、補給用現像剤中のキャリアの重量比率が30wt%を超えると、補給用現像剤の現像剤収容部14への安定した供給が得られない。
本実施形態で使用されるキャリアは、芯材26と、この芯材26を被覆する被覆層27とを有してなり、この被覆層27は、少なくとも結着樹脂、第1粒子G1、第2粒子G2を含み、第1粒子(以下、第1粒子G1と示す。)の粒径D1(μm)は、被覆層27における樹脂部分の平均厚みh(μm)に対し、次式1<(D1/h)<10を満たし、第2粒子(以下、第2粒子G2と示す。)の粒径D2(μm)は、被覆層27における樹脂部分の平均厚みh(μm)に対し、次式0.001<(D2/h)<1を満たし、且つ第2粒子G2の体積固有抵抗は、1.0×1012Ω・cm以下である。
図8は、本実施形態で使用されるキャリアの被覆層を示す説明図である。図8に示すように、被覆層27における樹脂部分の厚みとしては、芯材26表面と粒子との間に存在する樹脂部の厚みhaと、各粒子間に存在する樹脂部の厚みhbと、粒子上に存在する樹脂部の厚みhcと、芯材26上に存在する樹脂部の厚みhdとがある。
例えば、図8で示される測定点Aでは、前記hb及び前記hcが存在するので、測定点Aにおける測定値の個数は2つとなる。
また、上述の測定方法において、50個ある測定値のうち、最後に測定した箇所において、被覆層27における樹脂部分の厚みの測定値として複数の測定値(例えば、前記ha及び前記hc)を得た場合には、上記測定値の合計値を、測定値の個数である「49+(最後の測定点における測定値の数)」の値で割った値を、被覆層27における樹脂部分の平均厚みhの値とする。
第1粒子G1の粒径D1と被覆層27における樹脂部分の平均厚みhとが、上述の関係式を満たすと、キャリアの被覆層27に対して第1粒子G1の方が凸となる。この凸部分によって、現像剤を摩擦帯電させるための攪拌を行った時に、トナーとキャリア、又はキャリア同士の摩擦接触によってキャリア被覆層27の結着樹脂に与えられる強い衝撃を緩和することができる。
これにより、帯電発生箇所である、キャリア被覆層27の結着樹脂の膜削れが発生することを抑制することができる。
また、キャリア同士が摩擦接触することによって、上述の被覆層27表面に対して凸となって存在する粒子が、キャリア表面に付着したトナーのスペント成分を掻き落とす、クリーニングの効果を得ることができる。これにより、トナースペントの現象が発生するのを効果的に防止することができる。
また、(D/h)が10以上であると、第1粒子G1と結着樹脂との接触面積が小さくなり、第1粒子G1のキャリア粒子に対する充分な拘束力が得られず、第1粒子G1がキャリア粒子表面から容易に脱離してしまうことがある。
また、第2粒子G2の体積固有抵抗の値は、1.0×1012Ω・cm以下であり、より好ましくは1.0×1010Ω・cm以下であり、1.0×108Ω・cm以下であることがより好ましい。
第2粒子G2の体積固有抵抗の測定は、後に述べる、第1粒子G1の体積固有抵抗の測定方法と同様ににして行うことができる。
また、(D2/h)が0.001以下であると、被覆層27厚みに対して第2粒子G2の粒径が小さ過ぎるため、帯電制御機能の効果を十分に得られなくなるため好ましくない。
また、帯電制御効果を得るために、第2粒子G2を多量に添加した場合には、結着樹脂に対する第2粒子G2の割合が多くなり過ぎて、第2粒子G2の被覆層における保持能力が不十分となりやすい。
芯材26表面から被覆層27表面までの平均厚みTが0.1μm未満であると、キャリア芯材26を覆う膜としての被覆層27の総厚が薄すぎるため、ランニング経時において、被覆層27が削られてキャリア芯材26が剥き出しになる現象が起こりやすくなり、キャリアの耐久性が低下する。
また、芯材26から被覆層27表面までの平均厚みTが3.0μmを超えると、芯材26表面に形成される膜厚が厚すぎるため、キャリアの磁化が下がりやすくなり、キャリア付着を生じさせることがある。
図8に示すように、被覆層27中に添加された粒子の粒径が、被覆層27における樹脂部分の厚みよりも大きい場合には、この粒子の粒径が、芯材26表面から被覆層27表面までの厚みTに相当する値となる。
芯材26表面から被覆層27表面までの平均厚みTは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてキャリア断面を観察し、芯材26表面から被覆層27表面までの厚みを、キャリア表面に沿って0.2μm間隔で50点測定し、これらの測定値を平均して得られる値である。
第1粒子G1の体積固有抵抗が1.0×1012Ω・cm未満であると、第1粒子G1の粒径が、被覆層27の厚みよりも大きくなり、キャリア粒子表面において、芯材26と被覆層27表面とが、一粒の第1粒子G1で結ばれる現象が生じる場合がある。
芯材26と被覆層27表面とが、一粒の第1粒子G1で結ばれると、ベタ部でのキャリア付着を生じてしまうことがある。
内径1インチの円筒状の塩化ビニル管の中に試料を入れ、その上下を電極で挟む。これら電極をプレス機により、15kg/cm2の圧力を1分加える。続いて、この加圧した状態で、LCRメータによる測定を行い、抵抗(r)を得る。得られた抵抗値を、下記数式1により計算して、体積固有抵抗を求めることができる。
・・・(1)
(ただし、式(1)中、Hは試料の厚みを表す値であり、rは試料の抵抗値を表す値である。)
アルミナ粒子としては、粒径5μm以下のアルミナ粒子が好ましく、表面処理をしていないもの、疎水化処理などの表面処理したもの等、全てを用いることができる。
シリカとしては、トナー用に用いられているもの、及びそれ以外のものも用いることができ、表面処理していないもの、疎水化処理など表面処理したもの等全てを用いることができる。
第1粒子G1の被覆層27における含有量が10wt%未満であると、キャリア粒子表面での結着樹脂の占める割合に比べ、第1粒子G1の占める割合が少なすぎるため、結着樹脂への強い衝撃を伴う接触を緩和する効果が小さいので、十分な耐久性が得られないことがある。
一方、80wt%を超えると、キャリア表面での結着樹脂の占める割合に比べ、第1粒子G1の占める割合が多すぎるため、帯電発生箇所である結着樹脂の占める割合が不十分となり、十分な帯電能力を発揮できないことがある。更に、結着樹脂量に比べて第1粒子G1の量が多すぎるので、結着樹脂による第1粒子G1の保持能力が不十分となり、第1粒子G1が脱離し易くなり、帯電量や抵抗等の変動量が増加して、十分な耐久性が得られないことがある。
ここで、第1粒子G1の被覆層27における含有量は、下記式(2)で表される。
=[第1粒子G1の含有量/被覆層27に含まれる材料の総量(第1粒子G1+第2粒子G2+結着樹脂+その他の成分)]×100 ・・・(2)
これらの粒子は、帯電制御効果を十分に発揮できるとともに、キャリアのコート材料に用いられる樹脂との相性もよく、分散性、接着性の面でも優れている。
また、粒子母体として上記以外のものを使用した場合でも、粒子表面に、例えば導電性処理、疎水化処理等の表面処理を施し、粒径及び体積固有抵抗が上述した範囲内にあるものであれば、上述したのと同様の理由から、良好な効果を得ることができる。
被覆層27における第2粒子G2の含有量が多いほど、帯電制御の効果を大きく得ることができるが、第2粒子G2の含有量が50wt%を超えると、被覆層27内部における第2粒子G2の分散状態が悪化する。粒子の分散状態が悪化すると、被覆層27内部で第2粒子G2の一部が互いに凝集し、実質的に、大粒径の粒子と同様の機能を持つこととなる。
これにより、キャリアの抵抗値が低下し、ベタ画像部でのキャリア付着等の不具合を生じさせることとなる。
一方、第2粒子G2の被覆層27における含有量が2wt%未満であると、含有量が少なすぎるために、第2粒子G2を添加した効果を十分に得ることができない。
第2粒子G2の被覆層27における含有量は、下記式(3)によって表される。
[第2粒子G2の含有量/被覆層27に含まれる材料の総量(第1粒子G1+第2粒子G2+結着樹脂+その他の成分)]×100 ・・・(3)
キャリア粒子の被覆層27に用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂とアミノ樹脂との反応物、及びシリコーン樹脂のいずれかが好適に挙げられる。
アクリル樹脂としては、特に制限はなく、全てのアクリル樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)は20〜100℃が好ましく、25〜80℃がより好ましい。アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)がこの範囲内であると、アクリル樹脂は適度な弾性を有しており、現像剤を摩擦帯電させるための攪拌における、トナーとキャリアとの摩擦あるいはキャリア同士の摩擦で、結着樹脂への強い衝撃を伴う接触の際、該衝撃を吸収することができ、被覆層を破損することなく維持することが可能となる。
ガラス転移温度(Tg)が20℃未満であると、常温においても結着樹脂がブロッキングするため、保存性が悪く実用上使用できないことがある。一方、ガラス転移温度(Tg)が100℃を超えると、結着樹脂が硬く脆性が高くなり過ぎて衝撃を吸収することができず、その脆さから結着樹脂が削れると共に、該粒子を保持することができず、脱離しやすくなることがある。
また、アミノ樹脂としては、特に制限はなく、従来から知られているアミノ樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グアナミン、メラミンを用いることで、帯電量付与能力を著しく向上させることができる。
前記シリコーン樹脂は、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、信越化学工業社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2400、SR2406、SR2410、等が挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、ブチルセロソルブなどが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
本実施形態において使用されるキャリアの芯材26の体積平均粒径は特に制限するものではないが、像担持体1へのキャリア付着、キャリア飛散防止の点から、体積平均粒径が20μm以上であるものが好ましく、キャリアスジ等の異常画像発生を防止して、画像品質の低下を防止する観点から、100μm以下のものが好ましく、特に、20〜60μmのものを用いることで、近年の高画質化に対して、より好適に応えることができる。
芯材26としては、特に制限はなく、電子写真用二成分キャリアとして公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、が好適に挙げられる。また、近年著しく進む環境面への影響を配慮し、フェライトであれば、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、例えば、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライト等を用いることが好適である。
現像剤収容部14内に補給されたトナーとキャリアは、搬送スクリュー11a、11bによって、初期から現像装置内現像剤として収容されているトナーとキャリアと共に混合されるが、この時、トナーとキャリア、あるいはキャリア同士が互いに接触し、その摩擦によってキャリア表面では膜削れが発生しやすい。
補給用現像剤に含まれるキャリアは、第1粒子G1の一部が、被覆層27に対して凸となって存在している。このため、上述したように、攪拌混合の際に被覆層27に対してトナーや他のキャリア粒子が接触しても、この被覆層27表面の凸部によって、その衝撃が緩和される。このため、キャリア表面の膜削れが発生する割合を、大きく抑えることができる。また、攪拌時においてキャリア表面に付着したトナーのスペント成分が、この凸となって存在する第1粒子によって掻き落とされるため、トナースペントの発生が防止される。また更に、第2粒子G2によって、大きな抵抗低下を招くことなく、キャリアの抵抗値が調整されており、現像剤収容部14内の現像剤の、より安定した帯電制御効果を得ることができる。
このため、現像剤の交換量が低い場合や、初期から収容されているキャリアの一部が現像剤収容部14から排出されずに残留した場合にも、上述したのと同様の機構によって、現像剤収容部14内におけるキャリアの劣化が抑えられて、長期間の使用後においても、現像剤の帯電性が安定した状態を保つことができる。
また、補給用現像剤及び現像装置内現像剤に含まれるトナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含んで構成され、更に離型剤、帯電制御剤、またこれらの他に、必要に応じてその他の成分を含んでなる。
トナーの製造方法としては、特に一つのものに限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、粉砕法、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等が挙げられる。
本発明において用いられるトナーの結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが単独あるいは混合して使用できる。
着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤のトナーにおける含有量は1〜15重量%が好ましく、3〜10重量%がより好ましい。
離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類等が好適に挙げられる。
ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックス等が挙げられる。
融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
離型剤の溶融粘度としては、このワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1,000cpsであることが好ましく、10〜100cpsであることがより好ましい。溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
離型剤の含有量が、40重量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
帯電制御剤としては、特に制限はなく、感光体に帯電される電荷の正負に応じて正又は負の荷電制御剤を適宜選択して用いることができる。
負の帯電制御剤としては、例えば、電子供与性の官能基を持つ樹脂又は化合物、アゾ染料、有機酸の金属錯体、などを用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:S−31、S−32、S−34、S−36、S−37、S−39、S−40、S−44、E−81、E−82、E−84、E−86、E−88、A、1−A、2−A、3−A)(以上、オリエント化学工業社製))、カヤチャージ(品番:N−1、N−2)、カヤセットブラック(品番:T−2、004)(以上、日本化薬社製))、アイゼンスピロンブラック(T−37、T−77、T−95、TRH、TNS−2)(以上、保土谷化学工業社製)、FCA−1001−N、FCA−1001−NB、FCA−1001−NZ、(以上、藤倉化成社製)、などが挙げられる。
正の荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料等の塩基性化合物、4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物、高級脂肪酸の金属塩等を用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:N−01、N−02、N−03、N−04、N−05、N−07、N−09、N−10、N−11、N−13、P−51、P−52、AFP−B)(以上、オリエント化学工業社製)、TP−302、TP−415、TP−4040(以上、保土谷化学工業社製)、コピーブルーPR、コピーチャージ(品番:PX−VP−435、NX−VP−434)(以上、ヘキスト社製)、FCA(品番:201、201−B−1、201−B−2、201−B−3、201−PB、201−PZ、301)(以上、藤倉化成社製)、PLZ(品番:1001、2001、6001、7001)(以上、四国化成工業社製)、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シリカ微粒子としては、例えば、アエロジル(品番:130、200V、200CF、300、300CF、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84、RX200、RY200、R972、R974、R976、R805、R811、R812、T805、R202、VT222、RX170、RXC、RA200、RA200H、RA200HS、RM50、RY200、REA200)(以上、日本アエロジル社製)、HDK(品番:H20、H2000、H3004、H2000/4、H2050EP、H2015EP、H3050EP、KHD50)、HVK2150(以上、ワッカーケミカル社製)、カボジル(品番:L−90、LM−130、LM−150、M−5、PTG、MS−55、H−5、HS−5、EH−5、LM−150D、M−7D、MS−75D、TS−720、TS−610、TS−530)(以上、キャボット社製)等を用いることができる。
無機微粒子の添加量としては、トナー母体粒子100重量部に対し0.1〜5.0重量部が好ましく、0.5〜3.2重量部がより好ましい。
前記のトナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所社製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所社製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、バインダー樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナーを製造する。
また、上記キャリアは、キャリア抵抗値が大幅に低下したり、キャリア表面において局所的に抵抗値の低い箇所が発生したりすることが防止されているため、ベタ画像部におけるキャリア付着の発生が大幅に抑えられる。
このため、画像上へのキャリア付着によって画像の精細性が低下したり、現像剤収容器14内の現像剤量が減少することによって、画質劣化、耐久性悪化等の不具合が発生したりすることが、効果的に防止される。このため、経時での使用において、長期にわたり良好な画像品質を維持することができる。
また、本実施形態で使用されるキャリアは、色汚れの原因となるカーボンブラックを含有せずに、その抵抗値が調整されているため、安定した帯電性を維持しつつ、カラー用の画像形成装置で使用したときにも、画像上に色汚れを生じさせることなく、色再現性、精細性の高い高品質なカラー画像を提供することができる。
[キャリア1の作製]
下記組成をホモミキサーで10分間分散して、被覆層形成用溶液を調製した。
[被覆層形成用溶液の組成]
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:50重量%)・・・1500重量部
・グアナミン溶液(固形分濃度:70重量%)・・・450重量部
・酸性触媒(固形分濃度:40重量%)・・・9重量部
・アルミナ粒子(体積平均粒径:0.35μm、体積固有抵抗:1.0×1014Ω・cm)・・・1500重量部
・酸化チタン粒子(体積平均粒径:0.015μm、体積固有抵抗:1.0×106Ω・cm)・・・500重量部
・トルエン・・・6000重量部
得られたキャリアを電気炉中にて180℃で1時間放置して焼成した。冷却後、フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕して、「キャリア1」を作製した。
得られた「キャリア1」の厚みhは0.15μm、厚みTは0.2μm、第1粒子(アルミナ)の含有量は48重量%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)含有量は16重量%、D2/hは0.10であった。
前記芯材表面から被覆層表面までの厚みT(μm)は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面の観察をし、芯材表面から被覆層表面までの厚みTを、キャリア表面に沿って0.2μm間隔で50点測定し、得られた測定値を平均して求めた。
(結着樹脂合成例1)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。
次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(P1)を得た。
次いでプレポリマー(P1)267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステル(U1)を得た。
上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル(E1)を得た。
ウレア変性ポリエステル(U1)200部と変性されていないポリエステル(E1)800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、結着樹脂(B1)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部減圧乾燥し、結着樹脂(B1)を単離した。Tgは62℃であった。
(ポリエステル樹脂合成例A)
テレフタル酸 :60部
ドデセニル無水コハク酸 :25部
無水トリメリット酸 :15部
ビスフェノールA(2,2)プロピレンオキサイド :70部
ビスフェノールA(2,2)エチレンオキサイド :50部
上記組成物を、温度計、攪拌器、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、窒素ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気下に保った状態で昇温し、次いで0.05gのジブチルスズオキシドを加えて温度を200℃に保って反応させポリエステルA得た。このポリエステルAのピーク分子量は4200であり、ガラス転移点は59.4℃であった。
顔料:C.I.Pigment Yellow 155 :40部
結着樹脂:ポリエステル樹脂A :60部
水 :30部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行ない、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、 マスターバッチ(M1)を得た。
ビーカー内に前記の結着樹脂(B1)の酢酸エチル/MEK溶液240部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)20部、マスターバッチ(M1)8部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーにて12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させ、トナー材料液を用意した。
ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。
ついで60℃に昇温し、TK式ホモミキサーにて12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。
ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、トナー粒子を得た。
この「トナー1」の超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡(日立社製H−9000H)を用いて、トナーの断面写真(倍率×100,000)を撮影し、写真から、ランダム選択した100点の着色剤部分の分散径から平均値を求めた。ここで、1粒子の分散径は最長径と最短径の平均とし、また、凝集状態にあるものは凝集体自身を1粒子とした。
着色剤の平均分散粒径は、0.40μmであった。また、0.7μm以上の分散粒径を持つ着色剤は、4.5%であった。
次に「トナー1」の粒径を、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTA2」を用い、アパーチャー径100μmで測定したところ、体積平均粒径(Dv)=6.2μm、個数平均粒径(Dn)=5.1μmであった。
引き続き、「トナー1」の円形度を、フロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測した。測定は、前記装置に、予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩)を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加え、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlに調整した測定液をセットして行った。得られた「トナー1」の円形度は0.96であった。
得られた現像剤について、以下のようにして、画像の精細性、耐久性(帯電低下量、抵抗変化量)、及びベタ画像キャリア付着を評価した。評価結果を表1に示す。
帯電量は、キャリア93重量%に対しトナー7重量%の割合で混合し摩擦帯電させたサンプルを、一般的なブローオフ法[東芝ケミカル(株)製、TB−200]にて測定した値をいう。
体積固有抵抗は、キャリアを抵抗計測平行電極の電極間(ギャップ2mm)に投入し、DC1000Vを印加し、30sec後の抵抗値をハイレジスト計で計測した値を体積抵抗率に変換した値を求めた。
画像の精細性については、出力画像における文字画像部の再現性によって評価した。
画像の出力には、市販のデジタルフルカラープリンター(株式会社リコー製、imagio Neo C600)に図2に示す現像装置を搭載した改造機を使用した。
評価方法は、このデジタルフルカラープリンターの現像剤収容部14に現像剤を充填し、また現像剤収容器230内に充填する補給用現像剤としては、この補給用現像剤中のキャリアの重量比率を20wt%としたものを使用し、画像面積5%の文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)を出力して、この出力画像における文字再現性を評価し、次のようにランク分けした。
◎:非常に良好、○:良好、△:許容、×:実用上使用できないレベル、なお、◎○△を合格とし×を不合格とした。
地肌部キャリア付着については、出力画像における地肌部のキャリア付着発生個数によって評価を行った。
画像の出力には、市販のデジタルフルカラープリンター(株式会社リコー製、imagio Neo C600)に図2に示す現像装置を搭載した改造機を使用した。
評価方法は、このデジタルフルカラープリンターの現像剤収容部14に現像剤を充填し、また現像剤収容器230内に充填する補給用現像剤としては、この補給用現像剤中のキャリアの重量比率を20wt%としたものを使用し、地肌ポテンシャルを150Vに固定して、画像面積1%のA3文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)を出力し、この出力画像における地肌部のキャリア付着発生個数によって評価し、次のようにランク分けした。
◎:0個、○:2個以上5個以下、△:6個以上10個以下、×:11個以上とした。なお、◎○△を合格とし、×を不合格とした。
耐久性の評価には、市販のデジタルフルカラープリンター(株式会社リコー製、imagio Neo C600)に図2に示す現像装置を搭載した改造機を使用した。
評価方法は、このデジタルフルカラープリンターの現像剤収容部14に現像剤を充填し、また現像剤収容器230内に充填する補給用現像剤としては、この補給用現像剤中のキャリアの重量比率を20wt%としたものを使用し、単色での100,000枚のランニング評価を行った。そして、このランニングを終えた後のキャリアの帯電低下量、及び抵抗低下量を測定し、これら低下量によって、耐久性の評価を行った。
ここで、帯電量低下量とは、初期のキャリア95重量%に対しトナー7重量%の割合で混合し摩擦帯電させたサンプルを、一般的なブローオフ法(東芝ケミカル株式会社製、TB−200)によって測定した帯電量(Q1)から、ランニング後における現像剤中のトナーを上記ブローオフ装置にて除去し得たキャリアを、上述したのと同様の方法で測定した帯電量(Q2)を差し引いた量を意味する。
目標値は10.0μc/g以内である。また、帯電量の低下の原因はキャリア表面へのトナースペントであるため、このトナースペントを減らすことで、帯電量低下を抑えることができる。
ここで、前記抵抗変化量とは、初期のキャリアを抵抗計測平行電極の電極間(ギャップ2mm)に投入し、DC1,000Vを印加して30sec後の抵抗値をハイレジスト計で計測した。得られた値を体積抵抗率に変換した値(R1)から、ランニング後の現像剤中のトナーを前記ブローオフ装置にて除去し得たキャリアを、前記抵抗測定方法と同様の方法で測定した値(R2)を差し引いた量のことを意味する。目標値は絶対値で3.0〔Log(Ω・cm)〕以内である。また、抵抗変化の原因は、キャリアの被覆層の削れ、トナー成分のスペント、キャリア被覆層中の大粒子脱離などであるため、これらを減らすことで、抵抗変化量を抑えることができる。
上記耐久性評価の後、同デジタルフルカラープリンターを用いて地肌ポテンシャルを150Vに固定し、A3サイズ用紙に前面ベタ画像を現像し得た画像上の白抜け個所や実際に付着しているキャリア個数をルーペ観察によりカウントし、そのトータル個数をもってベタ画像キャリア付着量とした。
評価は、◎:0個、○:2個以上5個以下、△:6個以上10個以下、×:11個以上とした。なお、◎○△を合格とし、×を不合格とした。
実施例1において、被覆層の組成を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、「キャリア2」を作製した。
得られた「キャリア2」の厚みhは0.15μm、厚みTは0.2μm、第1粒子(アルミナ)の含有量は48重量%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は16重量%、D2/hは0.10であった。
[被覆層の組成]
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度50重量%)・・・700重量部
・グアナミン溶液(固形分濃度70重量%)・・・200重量部
・酸性触媒(固形分濃度40重量%)・・・4重量部
・シリコン樹脂溶液(固形分濃度20重量%)・・・3000重量部
・アミノシラン(固形分濃度100重量%)・・・4重量部
・アルミナ粒子(体積平均粒径:0.35μm、体積固有抵抗:1.0×1014Ω・cm)・・・1,500重量部
・酸化チタン粒子(体積平均粒径:0.015μm、体積固有抵抗:1.0×106Ω・cm)・・・500重量部
・トルエン・・・6,000重量部
実施例2において、第2粒子を酸化亜鉛(体積平均粒径:0.02μm、体積固有抵抗:1.0×107Ω・cm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、「キャリア3」を作製した。
得られた「キャリア3」の、厚みhは0.15μm、厚みTは0.2μm、第1粒子(アルミナ)の含有量は48重量%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化亜鉛)の含有量は16重量%、D2/hは0.13であった。
実施例2において、第2粒子を酸化スズ(体積平均粒径:0.02μm、体積固有抵抗:1.0×105Ω・cm)に変更した以外は、実施例2と同様にして、「キャリア4」を作製した。
得られた「キャリア4」の、厚みhは0.15μm、厚みTは0.2μm、第1粒子(アルミナ)の含有量は48重量%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化スズ)の含有量は16重量%、D2/hは0.13であった。
実施例2において、第2粒子(酸化チタン)の含有量を54重量%(処方;3,000重量部)に変更した以外は、実施例2と同様にして、「キャリア5」を作製した。
得られた「キャリア5」の、厚みhは0.15μm、厚みTは0.18μm、第1粒子(アルミナ)含有量は27重量%、D1/hは2.3、D2/hは0.10であった。
実施例2において、第1粒子(アルミナ)の含有量を86重量%(処方;10,000重量部)に変更した以外は、実施例2と同様にして、「キャリア6」を作製した。
得られた「キャリア6」の、厚みhは0.15μm、厚みTは0.23μm、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は4.3重量%、D2/hは0.10であった。
実施例2において、被覆層厚が2倍になるようにコーティング量を変更した以外は、実施例2と同様にして、「キャリア7」を作製した。
得られた「キャリア7」の、厚みhは0.15μm、厚みTは0.4μm、第1粒子(アルミナ)含有量は48重量%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は16重量%、D2/hは0.10であった。
実施例2において、被覆層厚が0.4倍になるようにコーティング量を変更した以外は、実施例2と同様にして、「キャリア8」を作製した。
得られた「キャリア8」の、厚みhは0.15μm、厚みTは0.08μm、第1粒子(アルミナ)含有量は48重量%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は16重量%、D2/hは0.10であった。
実施例2において、被覆層厚が16倍になるようにコーティング量を変更した以外は、実施例2と同様にして、「キャリア9」を作製した。
得られた「キャリア9」の、厚みhは0.15μm、厚みTは3.2μm、第1粒子(アルミナ)含有量は48重量%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は16重量%、D2/hは0.10であった。
実施例1において、第1粒子をアルミナ粒子(体積平均粒径:0.35μm、体積固有抵抗:1×1011Ω・cm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、「キャリア10」を作製した。
得られた「キャリア10」の、厚みhは0.15μm、厚みTは0.2μm、第1粒子(アルミナ)の含有量は48重量%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化スズ)の含有量は16重量%、D2/hは0.1であった。
実施例1において、第1粒子をシリカ粒子(体積平均粒径:0.35μm、体積固有抵抗:1×1014Ω・cm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、「キャリア11」を作成した。
得られた「キャリア11」の、厚みhは0.15μm、厚みTは0.2μm、第1粒子(アルミナ)の含有量は48重量%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化スズ)の含有量は16重量%、D2/hは0.1であった。
実施例1において、第2粒子を酸化亜鉛(体積平均粒径:0.02μm、体積固有抵抗:1.0×107Ω・cm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、「キャリア12」を作製した。
得られた「キャリア12」の、厚みhは0.15μm、厚みTは0.2μm、第1粒子(アルミナ)の含有量は48重量%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化亜鉛)の含有量は16重量%、D2/hは0.13であった。
実施例2において、第2粒子(酸化チタン)の含有量を74重量%(処方;7,200重量部)に変更した以外は、実施例2と同様にして、「キャリア14」を作製した。
得られた「キャリア13」の、厚みhは0.15μm、厚みTは0.18μm、第1粒子(アルミナ)含有量は27重量%、D1/hは2.3、D2/hは0.10であった。
実施例2において、第1粒子(アルミナ)の含有量を90重量%(処方;13,600重量部)に変更した以外は、実施例2と同様にして、「キャリア15」を作製した。
得られた「キャリア14」の、厚みhは0.15μm、厚みTは0.23μm、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は4.3重量%、D2/hは0.10であった。
実施例7において、画像の精細性評価、地肌部キャリア付着評価、耐久性(帯電低下量、抵抗低下量)評価、及びベタ画像キャリア付着評価に使用する補給用現像剤について、補給用現像剤中のキャリアの重量比率を5wt%に変更した以外は、実施例7と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例7において、画像の精細性評価、地肌部キャリア付着評価、耐久性(帯電低下量、抵抗低下量)評価、及びベタ画像キャリア付着評価に使用する補給用現像剤について、補給用現像剤中のキャリアの重量比率を2wt%に変更した以外は、実施例7と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例2において、第1粒子の体積平均粒子径を0.1μmに変更した以外は、実施例2と同様にして、「キャリア15」を作製した。
得られた「キャリア15」の厚みhは0.15μm、厚みTは0.22μm、第1粒子(アルミナ)の含有量は48.0重量%、D1/hは0.7、第2粒子(酸化チタン)の含有量は16重量%、D2/hは0.10であった。
実施例7において、画像の精細性評価、地肌部キャリア付着評価、耐久性(帯電低下量、抵抗低下量)評価、及びベタ画像キャリア付着評価で使用した評価用現像装置を、図2に示した現像剤排出装置300を有していない現像装置に変更し、現像剤収容器230に収容する補給用現像剤を、キャリアを含まない現像剤、即ちトナーに変更したこと以外は、実施例7と同様にして評価を行った。評価結果を表1に示す。
また、経時での使用後におけるベタ画像上のキャリア付着の発生も少なく、精細性が高く高品質な画像が得られた。
一方、比較例1では、キャリア表面の膜削れ発生の抑制が十分でなく、補給用現像剤を用いる現像方式を使用した画像形成装置においても、長期での使用後において、現像剤の帯電量及びキャリアの抵抗値が著しく低下し、ベタ画像部におけるキャリア付着の発生がみられ、画像の精細性に劣る結果となった。
更に、比較例2では、補給用現像剤を用いない現像方式を使用した画像形成装置であるため、長期での使用後において、現像剤の帯電量及びキャリアの抵抗値が著しく低下する結果となった。
1 感光体
2A、2B、2C、2D 画像形成ユニット
3 帯電ユニット
301 帯電ローラ
6 露光装置
7 給紙カセット
8 転写ベルト
9 定着装置
10A、10B、10C、10D 現像装置
10a 仕切部材
10b トナー濃度センサ
11a,11b 搬送スクリュー
12 現像ローラ
13 ドクターブレード
14 現像剤収容部
15a 補給口
200A、200B、200C、200D 現像剤補給装置
220 現像剤補給器
221 搬送チューブ
222 容器ホルダ
223 スクリューポンプ
224 ロータ
225 ステータ
226 駆動モータ
227 ユニバーサルジョイント
230 現像剤収容器
231 現像剤収納部材
232 口金部
233 シール材
240 ノズル
241 内管
241a 現像剤流路
242 外管
244 エア流路
246a,46b エア供給口
247 現像剤流出口
260 空気供給手段
260a,260b エアポンプ
261a,261b エア供給路
262a,262b 開閉弁
300 現像剤排出装置
330 回収容器
331 排出パイプ
51 排紙路
52 排紙ローラ対
53 排紙トレイ
54 紙吸着ローラ
55 レジストローラ対
26 芯材
27 被覆層
G1 第1粒子
G2 第2粒子
ha、hb、hc 被覆層27における樹脂部分の厚み
T 芯材表面から被覆層表面までの平均厚み
Claims (29)
- トナーとキャリアとが収容されている現像装置に対して、トナーとキャリアとを前記現像装置に補給するとともに、前記現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行う画像形成装置に用いられるキャリアにおいて、
前記現像装置に補給されるキャリアは、芯材と、前記芯材を被覆する被覆層とを有してなり、
前記被覆層は、少なくとも結着樹脂、第1粒子、及び第2粒子を含み、
前記第1粒子の粒径D1(μm)と、前記被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)とが、次式1<(D1/h)<10を満たし、前記第2粒子の粒径D2(μm)と、前記被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)とが、次式0.001<(D2/h)<1を満たし、且つ前記第2粒子の体積固有抵抗は、1.0×1012Ω・cm以下であることを特徴とするキャリア。 - 請求項1に記載のキャリアにおいて、
前記キャリアは、前記芯材表面から前記被覆層表面までの平均厚みT(μm)が、0.1≦T≦3.0である
ことを特徴とするキャリア。 - 請求項1又は2に記載のキャリアにおいて、
前記第1粒子の体積固有抵抗は、1.0×1012Ω・cm以上である
ことを特徴とするキャリア。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のキャリアにおいて、
前記第1粒子は、アルミナ粒子である
ことを特徴とするキャリア。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のキャリアにおいて、
前記キャリアは、前記被覆層に含まれる前記第1粒子の含有量が、10〜80wt%である
ことを特徴とするキャリア。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載のキャリアにおいて、
前記第2粒子は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、表面処理された酸化チタン、表面処理された酸化亜鉛、及び表面処理された酸化スズから選択される少なくとも1種の粒子である
ことを特徴とするキャリア。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載のキャリアにおいて、
前記キャリアは、前記被覆層に含まれる前記第2粒子の含有量が、2〜50wt%である
ことを特徴とするキャリア。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載のキャリアにおいて、
前記結着樹脂は、アクリル樹脂とアミノ樹脂との反応物、シリコーン樹脂のいずれかの樹脂を含む
ことを特徴とするキャリア。 - トナーとキャリアとが収容されている現像装置に対して、トナーとキャリアとを前記現像装置に補給するとともに、前記現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行う画像形成装置に用いられるキャリアにおいて、
前記現像装置に収容されているキャリアは、芯材と、前記芯材を被覆する被覆層とを有してなり、
前記被覆層は、少なくとも結着樹脂、第1粒子、及び第2粒子を含み、
前記第1粒子の粒径D1(μm)と、前記被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)とが、次式1<(D1/h)<10を満たし、前記第2粒子の粒径D2(μm)と、前記被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)とが、次式0.001<(D2/h)<1を満たし、且つ前記第2粒子の体積固有抵抗は、1.0×1012Ω・cm以下である
ことを特徴とするキャリア。 - 請求項9に記載のキャリアにおいて、
前記キャリアは、前記芯材表面から前記被覆層表面までの平均厚みT(μm)が、0.1≦T≦3.0である
ことを特徴とするキャリア。 - 請求項9又は10に記載のキャリアにおいて、
前記第1粒子の体積固有抵抗は、1.0×1012Ω・cm以上である
ことを特徴とするキャリア。 - 請求項9ないし11のいずれかに記載のキャリアにおいて、
前記第1粒子は、アルミナ粒子である
ことを特徴とするキャリア。 - 請求項9ないし12のいずれかに記載のキャリアにおいて、
前記キャリアは、前記被覆層に含まれる前記第1粒子の含有量が、10〜80wt%である
ことを特徴とするキャリア。 - 請求項9ないし13のいずれかに記載のキャリアにおいて、
前記第2粒子は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、表面処理された酸化チタン、表面処理された酸化亜鉛、及び表面処理された酸化スズから選択される少なくとも1種の粒子である
ことを特徴とするキャリア。 - 請求項9ないし14のいずれかに記載のキャリアにおいて、
前記キャリアは、前記被覆層に含まれる前記第2粒子の含有量が、2〜50wt%である
ことを特徴とするキャリア。 - 請求項9ないし15のいずれかに記載のキャリアにおいて、
前記結着樹脂は、アクリル樹脂とアミノ樹脂との反応物、シリコーン樹脂のいずれかの樹脂を含む
ことを特徴とするキャリア。 - 少なくともトナーとキャリアとを含む現像剤が収容されている現像装置に対して、トナーとキャリアとを含む補給用現像剤を前記現像装置に補給するとともに、前記現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行う画像形成装置に用いられる補給用現像剤であって、
前記補給用現像剤のキャリアは、芯材と、前記芯材を被覆する被覆層とを有してなり、
前記被覆層は、少なくとも結着樹脂、第1粒子、第2粒子を含み、
前記第1粒子の粒径D1(μm)と、前記被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)が、次式1<(D1/h)<10を満たし、前記第2粒子の粒径D2(μm)と、前記被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)が、次式0.001<(D2/h)<1を満たし、且つ前記第2粒子の体積固有抵抗は、1.0×1012Ω・cm以下である
ことを特徴とする補給用現像剤。 - 請求項17に記載の補給用現像剤において、
前記補給用現像剤のキャリアは、請求項2ないし8のいずれかに記載のキャリアである
ことを特徴とする補給用現像剤。 - 請求項17又は18に記載の補給用現像剤において、
前記補給用現像剤は、補給用現像剤中のキャリアの重量比率が、3wt%以上30wt%未満である
ことを特徴とする補給用現像剤。 - 少なくともトナーとキャリアとを含む現像剤が収容されている現像装置に対して、トナーとキャリアとを含む補給用現像剤を前記現像装置に補給するとともに、前記現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行う画像形成装置に用いられる現像装置内の現像剤であって、
前記現像装置内現像剤のキャリアは、芯材と、前記芯材を被覆する被覆層とを有してなり、
前記被覆層は、少なくとも結着樹脂、第1粒子、第2粒子を含み、
前記第1粒子の粒径D1(μm)と、前記被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)が、次式1<(D1/h)<10を満たし、前記第2粒子の粒径D2(μm)と、前記被覆層における樹脂部分の平均厚みh(μm)が、次式0.001<(D2/h)<1を満たし、且つ前記第2粒子の体積固有抵抗は、1.0×1012Ω・cm以下である
ことを特徴とする現像装置内現像剤。 - 請求項20に記載の現像装置内現像剤において、
前記現像装置内現像剤のキャリアは、請求項10ないし16のいずれかに記載のキャリアである
ことを特徴とする現像装置内現像剤。 - 請求項20又は21に記載の現像装置内現像剤において、
前記現像装置内現像剤は、現像装置内現像剤中のキャリアの重量比率が、85重量%以上98重量%以下である
ことを特徴とする現像装置内現像剤。 - 形状が容易に変形する収納容器に補給用現像剤を充填させ、吸引ポンプでこの補給用現像剤を吸引して現像装置に供給する現像剤補給装置であって、
前記現像剤補給装置は、前記収納容器に、請求項17ないし19のいずれかに記載の補給用現像剤が充填される
ことを特徴とする現像剤補給装置。 - 像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像を、トナーとキャリアとを含む現像剤を収容する現像装置により現像して可視画像とする画像形成装置であって、トナーとキャリアとを含む補給用現像剤を前記現像装置に補給するとともに、前記現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行う画像形成装置において、
前記画像形成装置は、前記現像装置に請求項17ないし19のいずれかに記載の補給用現像剤が補給される
ことを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像を、トナーとキャリアとを含む現像剤を収容する現像装置により現像して可視画像とする画像形成装置であって、トナーとキャリアとを含む補給用現像剤を前記現像装置に補給するとともに、前記現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行う画像形成装置において、
前記画像形成装置は、前記現像装置に請求項20ないし22のいずれかに記載の現像装置内現像剤が収容されている
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項25に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、前記現像装置に請求項17ないし19のいずれかに記載の補給用現像剤が補給される
ことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項24又は26に記載の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、前記現像剤補給手段として、形状が容易に変形する収納容器に補給用現像剤を充填させ、吸引ポンプでこの補給用現像剤を吸引して現像装置に供給する現像剤補給装置が備えられる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 静電潜像を担持する像担持体と、前記像担持体上の静電潜像を可視像化する現像装置とを一体に支持されていて、トナーとキャリアとを含む補給用現像剤を前記現像装置に補給するとともに、前記現像装置から現像剤を排出する画像形成装置本体に着脱可能に備えられるプロセスカートリッジにおいて、
前記現像装置は、請求項17ないし19のいずれかに記載の補給用現像剤を使用する
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 静電潜像を担持する像担持体と、前記像担持体上の静電潜像を可視像化する現像装置とを一体に支持されていて、トナーとキャリアとを含む補給用現像剤を前記現像装置に補給するとともに、前記現像装置から現像剤を排出する画像形成装置本体に着脱可能に備えられるプロセスカートリッジにおいて、
前記現像装置は、請求項20ないし22のいずれかに記載の現像装置内現像剤を使用する
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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