JP4195528B2 - 浴槽洗浄方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽の浴水が入る面(以下浴槽内面という)を自動的に洗浄する浴槽洗浄装置の浴槽洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からの浴槽洗浄装置としては本件出願人が特願平10−56027号(特開平11−237119号)として出願したものがあり、この浴槽洗浄装置の構成を図5で、浴槽洗浄方法を図6のフローチャートにより説明する。なお、図5は特願平10−56027号(特開平11−237119号)に記載したものに制御部6、操作部7、風呂蓋8を付け加えたものであり、また前記出願においては、浴槽洗浄装置を浴槽洗浄機能付き給湯器として説明してある。
【0003】
図5の構成図中、101は浴槽洗浄装置である浴槽洗浄機能付き給湯器、2は浴槽、3は前記浴槽2の底部に設けられた排水口で、ゴムやプラスチック等で成形された浴槽排水栓4を取り付ける。5は浴槽2の側面に取り付けられた戻り管9と接続している循環口、5aは前記循環口5の吸い込み管である。6は浴槽洗浄機能付き給湯器101に内蔵する制御部、7は前記制御部6と通信線等で結ばれ浴槽洗浄機能付き給湯器101のケーシングに付属または浴室壁面等に取り付けられたリモコン等の操作部、8は浴槽2の風呂蓋で浴槽2を洗浄する際には浴槽2の開口部を覆っている。12は自吸式循環ポンプで戻り管9と往き管17につながっている。往き管17は第2の切替弁18により二方に分かれ一方は洗浄管19もう一方は追い焚き管10となりそれぞれ浴槽2につながっている。15は浴槽洗浄機能付き給湯器101に内蔵した浴水加熱用熱交換器で戻り管9と往き管17の途中に配設される。20は浴槽2の側面に取り付けられ洗浄管19と接続している洗浄ノズル、21は浴槽洗浄機能付き給湯器101へ外部から水道水を供給する給水管で、浴槽洗浄機能付き給湯器101に内蔵した給湯用熱交換器22及びお湯張り電磁弁25と注水管28を介して戻り管9または往き管17に接続する。
【0004】
次に洗浄動作について図6のフローチャートにより説明する。浴槽2へ洗剤を一定量投入し(本例では50cc)浴槽2の開口部を風呂蓋8で覆った後、操作部7に設けた浴槽洗浄開始スイッチ(図示せず)を入れるとお湯張り電磁弁25が開となり注水管28より一定量の注水、または注湯を一度だけ行い、この時の注水量または注湯量は自吸式循環ポンプ12が駆動しても循環口5の吸い込み管5aより空気を吸い込まない量の、8〜10リットル(本例では9リットル)であった。その後自吸式循環ポンプ12を一度だけ一定時間(本例では12分間)駆動して洗浄動作を終了するという制御であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の浴槽洗浄方法は以下の課題を有していた。
a.自吸式循環ポンプを駆動しても循環口の吸い込み管より空気を吸い込まない水量まで注水(注湯)していたので、十分な洗浄効果を引き出すためには必要な洗剤の濃度が一定のため、水量に見合った多くの量の洗剤を投入する必要があり経済性に欠けるとともに、環境に対してやさしくないものであった。
【0006】
b.また、洗剤を少量にして洗剤の濃度を前記の一定値より下げると洗浄効果が下がるため同等の洗浄効果を得るためには、洗浄時間を長くする必要があり、経済性に欠ける。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、少量の洗剤でしかも洗浄時間も短時間ですむ経済性に優れた浴槽洗浄方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の浴槽洗浄方法は、自吸式循環ポンプと、浴槽の側面に取り付けられた前記自吸式循環ポンプの吐出側より延長した往き管及び洗浄管に接続された洗浄ノズルと、浴槽の側面に取り付けられた前記自吸式循環ポンプの吸入側より延長した戻り管に接続された循環口とを備え、戻り管または往き管の途中に接続した注水管よりお湯張り電磁弁の開閉によって注水が可能なように構成された浴槽洗浄装置において、浴槽に洗剤を投入後、一定量の注水動作と注水後一定時間の自吸式循環ポンプの駆動を一動作とし、これを複数回繰り返す制御とした。
請求項2に記載の浴槽洗浄方法は、請求項1に記載された浴槽洗浄装置と同じ構成において、一定量の注水動作と注水後一定時間の自吸式循環ポンプの駆動と自吸式循環ポンプの駆動後一定時間の休止を一動作としてこれを複数回繰り返す制御とした。
請求項3に記載の浴槽洗浄方法は、請求項1に記載された浴槽洗浄装置と同じ構成において、請求項1及び請求項2に記載した動作を組み合わせて複数回繰り返す制御を行っている。
また、請求項4に記載の浴槽洗浄方法では、請求項1乃至請求項3に記載の浴槽洗浄方法において、初回の注水量は自吸式循環ポンプに時々空気が混じる程度の少量であり、かつこの状態で洗浄動作を開始する制御を行っている。
この時行われる注水は、水または湯のどちらでも良く、制御における比較は水温が同じであれば同じ効果となる。また、通常の洗剤の洗浄能力は低温よりも入浴温度程度の中温で効果が大きくなるので浴槽洗浄装置に給湯部を内蔵した浴槽洗浄機能付き給湯器の方が洗浄効果は上がる。
【0009】
本発明では、洗浄に必要な水量を複数回に分けて注水することになるので初回の洗剤の濃度が上がり洗浄能力が向上する。その結果相対的に洗剤の量を減らすことができた。実施例によれば洗剤の使用量を40%減らしても洗浄能力を同程度に保つことが可能であり、しかも浴槽内面において均一な洗浄効果が発揮できるように分割して注水した水量の合計が自吸式循環ポンプを駆動しても循環口の吸い込み管より空気を吸い込まない程度の水量、実施例においては従来の技術と同様に8〜10リットルとしたことで従来以上の洗浄性能を有している。また自吸式循環ポンプの駆動後一定時間休止することで浴槽内面に付着した汚れに洗剤がなじむことにより洗浄効果が増し、洗浄時間の合計を短縮できる性能を有している。次に初回の注水量を自吸式循環ポンプに時々空気が混じる程度としこの状態で洗浄動作を開始する制御とすることにより、洗浄ノズルから吐出される洗剤の混じった水の圧力及び吐出量が短時間に変動し、浴槽内面全般にたたきつけるように拡散して噴出することから、循環量が少なくても洗浄効果を落とすことがない。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明における浴槽洗浄方法の実施の形態について、以下図面を用いて説明する。
図1は実施の形態における浴槽洗浄装置の構成図、図2、図3、図4は実施の形態における浴槽洗浄方法のフローチャートである。
【0011】
図1の構成図中、図5と同じものには同じ番号をつけて説明を省略する。1は実施の形態における浴槽洗浄装置であり、浴槽洗浄機能付き給湯器として説明しているが、給湯機能及び風呂追い焚き機能はなくてもよい。20は浴槽2の側面に取り付けられ往き管17に接続している洗浄ノズルである。循環口5及び洗浄ノズル20両方の取付形態及び取付位置に関しては、図のように洗浄ノズル20が循環口5に対して上部にある場合だけでなく、下部にある場合や同一側面でなく対向または直交する2つの側面等、洗浄ノズル20と循環口5の位置関係が上下方向及び水平方向のいずれかにある場合や、洗浄ノズル20及び循環口5が一体のケーシングに納められる場合、洗浄ノズル20及び循環口5以外の他の用途の配管口、例えば追い焚き配管口等が両方に同時に一体に設けられる場合、または各々に一体に設けられる場合にも適用できる。
【0012】
以上のように構成された浴槽洗浄装置において、以下その浴槽洗浄方法について図2、図3、図4のフローチャートで説明する。
浴槽2へ洗剤を手で、または浴槽洗浄装置1で自動的に投入し、浴槽2の開口部を風呂蓋8で覆ったあと、操作部7に設けた浴槽洗浄開始スイッチ(図示せず)を入れるとお湯張り電磁弁25が開となり注水管28より注水を一定量行う。図1の実施例では注湯も可能であるが以降温度に関係なく水として説明する。この時初回の注水量はおおむね2〜3リットル(実施例では3リツトル )とする。次に自吸式循環ポンプ12が駆動され浴槽2内の水は、戻り管9及び往き管17の内容量分だけ減少することで、 吸い込み管5aより空気を断続的に吸い込みながら、洗浄ノズル20から洗剤の混ざった浴槽2内の水が、浴槽2内面全般に拡散して噴出される。以上までの動作は図2、図3、図4のフローチャートにおいて共通の動作であり、図2のフローチャート(請求項1)の場合においてはこの時の自吸式循環ポンプ12の駆動時間を3分としてある。その後再度お湯張り電磁弁25を開き、注水から自吸式循環ポンプ12の駆動の動作を合計4回繰り返す。
【0013】
図3のフローチャート(請求項2)の場合においては自吸式循環ポンプ12の駆動時間を1分30秒としているが、自吸式循環ポンプ12の駆動後に1分の休止時間を設けてある。その後再度お湯張り電磁弁25を開き、注水から自吸式循環ポンプ12の駆動・休止の動作を合計4回繰り返す。自吸式循環ポンプ12の駆動時間を1分30秒としても自吸式循環ポンプ12の駆動後1分の休止時間を設けることで、洗剤が浴槽2内面の汚れに対してなじみやすくなり洗浄力が上がる。請求項1の方法と請求項2の方法を比較すると、洗浄力については同等の効果が得られ、全体の洗浄時間としては12分から10分に短縮できた。
【0014】
図4のフローチャート(請求項3)の場合においては自吸式循環ポンプ12の駆動時間を1分30秒としているが、自吸式循環ポンプ12の駆動後に1分の休止時間を設けてある。その後再度お湯張り電磁弁25を開き、注水から自吸式循環ポンプ12の駆動の動作を合計4回繰り返すが、休止時間を設けるのは初回及び2回目だけとした。自吸式循環ポンプ12の駆動後1分の休止時間を設けることを初回及び2回目だけとしても、洗浄動作の初期に充分濃度の濃い洗剤を浴槽2内面の汚れに対してなじませれば洗浄力が上がり、請求項1の方法と請求項3の方法を比較すると、洗浄力については同等の効果が得られ、全体の洗浄時間としては12分から8分に短縮できた。
【0015】
以上のように実施の形態において浴槽洗浄装置は制御されているため、以下の作用を有する。
a.洗浄時の合計使用水量及び合計洗浄時間を略同一とした時に、注水動作と自吸式循環ポンプの駆動を各々1回だけ行う従来の方法より、注水動作と自吸式循環ポンプの駆動を複数回繰り返す方法の方が、初回の洗剤濃度を上げることができることと、徐々に水量を増加させることで浴槽内面全般に確実に拡散できることから、濃度の高い洗剤を浴槽内面の汚れになじませることができ、洗剤の使用量を少なくすることができるとともに環境への影響を低減できる。
b.自吸式循環ポンプの駆動時間後に休止時間を設けることで浴槽内面に付着した汚れに洗剤がなじむことにより洗浄効果が増し、合計洗浄時間が短縮できる。
c.上記a.の初回の注水量を自吸式循環ポンプが駆動した時に空気を断続的に吸い込んで吐出する量としたことで、洗浄ノズルから洗剤の混ざった水と浴槽内の水が空気を断続的に吸い込んで、浴槽内面全般に拡散して吐出することができ注水量を多くする必要がないことから初回の洗剤濃度が上げられ洗剤の量を少なくすることができる。
【発明の効果】
本発明の制御により、洗剤の使用量の低減ができるものである。
【0016】
本発明の制御により、洗浄時間の短縮ができるものである。
【0017】
前記の内容に追加して本発明の制御により、浴槽内面全般への洗剤の効果的散布ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浴槽洗浄装置の構成図である。
【図2】本発明の浴槽洗浄方法の第1の実施例のフローチャートである。
【図3】本発明の浴槽洗浄方法の第2の実施例のフローチャートである。
【図4】本発明の浴槽洗浄方法の第3の実施例のフローチャートである。
【図5】従来例の浴槽洗浄装置の構成図である。
【図6】従来例の浴槽洗浄方法のフローチャートである。
【符号の説明】
1 浴槽洗浄装置
2 浴槽
3 排水口
4 浴槽排水栓
5 循環口
5a 吸い込み管
6 制御部
7 操作部
8 風呂蓋
9 戻り管
10 追い焚き管
12 自吸式循環ポンプ
15 浴水加熱用熱交換器
17 往き管
20 洗浄ノズル
21 給水管
22 給湯用熱交換器
25 お湯張り電磁弁
28 注水管
Claims (4)
- 自吸式循環ポンプと、浴槽の側面に取り付けられ前記自吸式循環ポンプの吐出側より延長した往き管に接続された洗浄ノズルと、浴槽の側面に取り付けられ前記自吸式循環ポンプの吸入側より延長した戻り管に接続された循環口とを備え、戻り管または往き管の途中に接続した注水管よりお湯張り電磁弁の開閉によって注水が可能なように構成された浴槽洗浄装置において、浴槽に洗剤を投入後、一定量の注水動作と注水後一定時間の自吸式循環ポンプの駆動を一動作として、この動作を複数回繰り返すことを特徴とする浴槽洗浄方法。
- 自吸式循環ポンプと、浴槽の側面に取り付けられ前記自吸式循環ポンプの吐出側より延長した往き管に接続された洗浄ノズルと、浴槽の側面に取り付けられ前記自吸式循環ポンプの吸入側より延長した戻り管に接続された循環口とを備え、戻り管または往き管の途中に接続した注水管よりお湯張り電磁弁の開閉によって注水が可能なように構成された浴槽洗浄装置において、浴槽に洗剤を投入後、一定量の注水動作と注水後一定時間の自吸式循環ポンプの駆動と自吸式循環ポンプの駆動後一定時間の休止を一動作として、この動作を複数回繰り返すことを特徴とする浴槽洗浄方法。
- 自吸式循環ポンプと、浴槽の側面に取り付けられ前記自吸式循環ポンプの吐出側より延長した往き管に接続された洗浄ノズルと、浴槽の側面に取り付けられ前記自吸式循環ポンプの吸入側より延長した戻り管に接続された循環口とを備え、戻り管または往き管の途中に接続した注水管よりお湯張り電磁弁の開閉によって注水が可能なように構成された浴槽洗浄装置において、浴槽に洗剤を投入後、一定量の注水動作と注水後一定時間の自吸式循環ポンプの駆動と自吸式循環ポンプの駆動後一定時間の休止を一動作とするものと、一定量の注水動作と注水後一定時間の自吸式循環ポンプの駆動を一動作とするものとを組み合わせて、複数回繰り返すことを特徴とする浴槽洗浄方法。
- 請求項1、請求項2または請求項3に記載の浴槽洗浄方法において、初回の注水量は自吸式循環ポンプに時々空気が混じる程度の少量であり、かつこの状態で洗浄動作を開始することを特徴とする浴槽洗浄方法。
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