JP4195379B2 - 6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1h−ピロリジン−5−イル酢酸の製造方法 - Google Patents

6−(4−クロロフェニル)−2,2−ジメチル−7−フェニル−2,3−ジヒドロ−1h−ピロリジン−5−イル酢酸の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、6-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-7-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-5-イル酢酸(6-(4-chlorophenyl)-2,2-dimethyl-7-phenyl-2,3-dihydro-1H-pyrrolizin-5-yl acetic acid)(ML3000)の製造方法、およびこの方法において存在する中間体の製造に関する。
ML3000は、シクロオキシゲナーゼおよび5-リポキシゲナーゼの有望なインヒビターであり、従って、リウマチ型疾患の治療用およびアレルギーにより誘導される疾患の予防治療用に好適であり、これについては、例えば、Drugs of the Future 1995, 20 (10): 1007-1009を参照すること。この文献には、可能な製造経路も記載されている。さらなる製造の可能性は、EP-A-397175、WO95/32970、WO95/32971、WO95/32972、Archiv der Pharmazie 312, 896-907 (1979);および321, 159-162 (1988)、J. Med. Chem. 1994 (37), 1894-1897、Arch. Pharm. Med. Chem. 330, 307-312 (1997)に記載されている。全てのこれらの合成法において、ピロリジン(pyrrolizine)親構造は、反応式:
Figure 0004195379
に示された方法に従って合成される。反応は、塩化メチレン、エタノールまたはジエチルエーテル中で行われる。反応で生成する臭化水素は重炭酸ソーダ水溶液の添加により捕捉される。
酢酸ラジカルの5-位への導入は、ジアゾ酢酸エステル、蓚酸エステルクロリドまたは塩化オキサリルとの反応、および続いての加水分解または加水分解とヒドラジンを用いるケト基の還元により実施することができる。
Arch. Pharm. 312, 896-907 (1979)は、次の反応:
Figure 0004195379
を記載している。
反応はベンゼンを溶媒として行う。しかし、次にCOCOCl基を酢酸基に変換するのでなく、ジエチルアミンと反応させる。
ヒドラジン工程によってカリウム塩として得て、次いで反応混合物から無機酸を用いて酢酸として沈殿させた粗ML3000は、不純物として、水の溶解度が低いカリウム塩に加えて、ヒドラジン、副産物および分解生成物(脱炭酸生成物および二量体)も含有する。この粗ML3000はさらなる精製操作を必要とする。
特許出願PCT/EP 01/00852は、6-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-7-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジンの塩化オキサリルおよびヒドラジンとの反応、およびそれに続く特殊な後処理によるML3000の製造方法を開示している。この方法においては、ピロリジン(pyrrolizine)と塩化オキサリルとの反応後、得た生成物をヒドラジンおよびアルカリ金属水酸化物を用いて高温にて水相で処理し;処理が完了した後、水と溶解しないかまたはごく限られてしか溶解しないエーテルを加えて3相系を作り、中間相を酸性化することによりML3000を回収する。多型ML3000が高収率でかつ純粋な、定義された結晶型で得られる。
全体として、合成は次の反応スキーム:
Figure 0004195379
に示した段階で起こる。
段階1および2はEP 0 172 371 A1から公知である。2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオールの塩化チオニルとの反応は、不活性有機溶媒、例えばハロゲン化炭化水素またはエーテル中で好ましくは0〜60℃にて実施する。得られる5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサチアン2-オキシドのシアン化ナトリウムとの4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルブチロニトリルを得るさらなる反応は、DMSO中で約80〜120℃にて実施する。段階1は約93〜99%の収率であり、段階2は良好な品質で約55〜60%の収率である。
段階3、すなわち4-クロロ-3,3-ジメチルブチロニトリルを得る塩化チオニルとの反応には、高品質の前駆体が必要である。段階1および2から得られる粗生成物をさらなる反応の前に蒸留しなければならない。
段階3で得られる4-クロロ-3,3-ジメチルブチロニトリルも、次のグリニャール(Grignard)反応が高純度を必要とするので、蒸留しなければならない。所要純度97%で、段階3の収率は不満足なものである。
さらなる技術的問題は、段階1および3からの粗生成物は強い酸性反応に由来するので、装置腐食が起こるという事実から生じる。
もし4-クロロ-3,3-ジメチルブチロニトリルが必要な純度を有すれば、段階4におけるベンジルマグネシウムクロリド・グリニャール試薬の付加による5-ベンジル-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピロールへの変換、および次の段階5におけるω-ブロモ-4-クロロアセトフェノンによる環化により、6-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-7-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジンが良い品質でかつ両段階全体で40〜45%の収率で得られる。
最後に、段階5で得られるピロリジン(pyrrolizine)を、塩化オキサリルとの反応、続いてアルカリ金属水酸化物の存在下でヒドラジンを用いる還元および酸性化により、6-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-7-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-5-イル酢酸(ML3000)に変換する。この段階6の収率は、生成物の精製度に依存するが、約62〜86%である。
公知の方法は、許容しうる純度および収率のML3000を与えるが、複数の欠点、例えば、第2および第3段階の化学的な問題、さらなる反応、特にグリニャール反応前の手間のかかる中間体精製、長い所要時間、ならびに段階1および3からの強酸性排出物の精製中の装置に起こる腐食問題を有する。
従って、本発明の目的は、従来技術のこれらの欠点を回避する6-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-7-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-5-イル酢酸(ML3000)の製造方法を利用可能にすることである。本発明による方法を利用することにより、従来合成法の段階1〜4における技術的困難の克服、合成の第2および第3反応段階の扱い難い化学の回避、グリニャール反応の迂回、全体収率の向上、所要時間の短縮、そして、その結果、全体としてさらに経済的な全合成が所望される。
本発明の目的は、式I、
Figure 0004195379
の化合物の製造方法であって、
a) 式IV、
Figure 0004195379
の化合物を、式III
Figure 0004195379
の化合物に、
a1) 式IVの化合物を触媒により水素化するか、または
a2) 式IVの化合物を式IVa
Figure 0004195379
[式中、基Rは、同一であってもまたは異なってもよく、C1-C4-アルキルまたは一緒にC2-C3-アルキレンである]
のケタールに変換してそのケタールを接触水素化することにより、
変換し、
b) 式IIIの化合物をω-ブロモ-4-クロロアセトフェノンと反応させて式II
Figure 0004195379
の化合物を得て、そして
c) 式IIの化合物に酢酸基を導入する、上記製造方法により達成される。
本発明はまた、式IVの化合物の水素化により式IIIの化合物を製造する方法、および閉環して式IIの中間体を製造する対応する方法にも関する。
式IIの化合物への酢酸基の導入は、好ましくは塩化オキサリルとの反応ならびに、好ましくはヒドラジンおよびアルカリ金属水酸化物を用いるケト基の還元により行う。
本発明による好ましい方法は、次の反応スキーム:
Figure 0004195379
により図解することができる。
式IVの合成は、本発明によれば、好ましくは次の段階を経由して実施する:
1. クロロアセトアルデヒド、N-メチルアニリンおよびアルカリ金属シアン化物、例えばシアン化カリウムからの2-(N-メチルアニリノ)アクリロニトリル(V)の製造:
Figure 0004195379
2. 強塩基を用いて脱プロトンしたイソブチロニトリルの、式Vの化合物へのマイケル(Michael)付加、マイケル付加生成物のベンジル化、および得られる2-ベンジル-4,4-ジメチル-2-(N-メチルアニリノ)グルタロニトリルの加水分解による2,2-ジメチル-4-オキソ-5-フェニルバレロニトリル(IV)の製造
Figure 0004195379
式IVおよびVの化合物ならびにそれらの製造方法は公知である。すなわち、2-(N-メチルアニリノ)アクリロニトリル(V)は、H. AhlbrechtおよびK. Pfaff, Synthesis, 1980, 413によって製造される。2,2-ジメチル-4-オキソ-5-フェニルバレロニトリル(IV)は、H. AhlbrechtおよびM. Ibe, Synthesis 1985, 421によって製造することができる。
しかし、記載の文献法に従う2-(N-メチルアニリノ)アクリロニトリル(V)の製造方法は、シアン化ナトリウムもしくはカリウムを用いる反応または塩基性脱離(basic elimination)のいずれにおいても完全な変換が起こらない点、およびエーテルを抽出に使うので精製するために生成物を蒸留しなければならないために分解による大きな損失が起こる点が不利である。従って本発明によれば、文献の方法を改変しかつ改良して、それらを組合わせて、式IIIのまたは式IIもしくはIの化合物を製造する多段合成法を作ることが好ましい。
本発明による改良点を以下に説明する。それらは個々にまたは、好ましくは組合わせて使用することができる。本発明によれば、記載した不利な点を防ぐために、出発物質を様々なモル比で使用することおよび/またはN-メチルアニリンをクロロアセトアルデヒドの代わりに導入することおよび反応成分を計量して供給することおよび/または脱離反応を2相系の炭化水素/水酸化ナトリウム溶液において、相間移動触媒、好ましくはベンジルトリエチルアンモニウムクロリドを加えて実施する。好ましい方法の条件を以下に示す:
クロロアセトアルデヒド、N-メチルアニリンおよびシアン化カリウムを、1.1〜1.3:1:1.1〜1.3のモル比、特に約1.2:1:1.2で使用する。N-メチルアニリンの付加は発熱反応であるので、冷却および/または添加速度を温度が25℃を超えないように選択しなければならない。このためにN-メチルアニリンを、例えば氷と濃塩酸との混合物に加えてもよい。
クロロアセトアルデヒドは、好ましくは水溶液として、N-メチルアニリン塩酸塩に加え、適当な添加速度により、もし必要があれば冷却して、最高でも20℃の温度を保持する。次いでシアン化カリウムを水溶液として計量して供給する。適当な添加速度と場合によっては冷却により、ここでも20℃の上限温度を維持する。
N-メチルアニリン、クロロアセトアルデヒドおよびシアン化カリウムの添加はまた、かなり低い温度、例えば0℃以下で実施してもよい。しかし、記載した上限近くの温度が好ましく、何故なら、生成物の収率および品質に悪い影響を与えることなく、より迅速な添加を可能にしかつより少ない冷却費用で済むからである。
もし生成した懸濁液のN-メチルアニリン含量が、約10%以下であれば、水に溶解しない溶媒、好ましくは脂肪族または芳香族炭化水素、特にトルエンを加え、中間体3-クロロ-2-(N-メチルアニリノ)プロピオニトリルを有機相中に抽出する。次いで脱離反応をトルエン/水酸化ナトリウムの2相系で実施する。加速および完全な脱離を実施するために、相間移動触媒、好ましくはベンジルトリエチルアンモニウムクロリドを加える。NaOH添加中の温度は15℃を超えてはならない;添加が完了すると、室温に上げてもよい。脱離反応において水酸化ナトリウムの代わりに水酸化カリウムを使うと、相分離が困難になる。
反応混合物が0.5%以下の3-クロロ-2-(N-メチルアニリノ)プロピオニトリル含量に達すると生成物相を分離して取出し、場合によっては、例えば最初に水、次いでクエン酸/水を用いて洗浄する。その有機相を、次いで例えば硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、場合によっては、好ましくは圧濾器を通して濾過する。このようにして得た2-(N-メチルアニリノ)アクリロニトリルのトルエン溶液は、窒素下にて-15℃〜-20℃で次の処理まで問題なく貯蔵することができる。この温度で分解は起こらない。生成物はメチルアニリン基準で約95%の良い収率で得られる。
シアン化物を含有する廃水および洗浄液ならびに濾過残留物は廃水処理にかける。
記載した文献法による2,2-ジメチル-5-フェニル-4-オキソバレロニトリル(IV)の製造方法は、-78℃にてマイケル付加生成物のベンジル化を行う。ベンジル化は、高価な臭化ベンジルを用いて実施し、加水分解とシアン化物開裂をアセトニトリル中で実施し、約40〜50時間の反応時間を必要とする。粗生成物は蒸留しなければならない。
本発明による化合物IVを製造する方法の改変法は、粗生成物を蒸留しないで済ますことができる。精製は専ら再結晶により実施する。シアン化物開裂は水/有機系中で相間移動触媒を加えて実施し、それによって反応時間を相当短縮することができる。さらに、本発明による方法はそれほど複雑でなく、脱プロトン化および縮合を-78℃で実施する必要がない。さらに、発癌性ヘキサメチルホスホルアミド(HMPT)を使う活性化および高価かつ乾燥が複雑であるテトラヒドロフランの使用は必要でない。最後に、臭化ベンジルの代わりに、より安価な塩化ベンジルを利用することができる。好ましい方法の条件を以下に示す:
イソブチロニトリルを、強塩基を含む不活性溶媒の溶液中に計量して供給する。適当な強塩基は、例えば、ナトリウムアミド、ナトリウムナフタレニドおよび好ましくは、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)である。脱プロトン化は、好ましくはエチルベンゼンなどの炭化水素中で、10℃以下の温度にて実施する。次いで、式Vの化合物を好ましくはトルエン溶液として計量して供給し、温度を同様に好ましくは10℃以下に保つ。イソブチロニトリルと化合物Vの添加比は相応して選ぶ。
マイケル付加反応中の好ましい温度は約-10〜-20℃である。
化合物Vの反応混合物中の含量が約2%以下に低下すると、塩化ベンジルを計量して導入する。好ましくは、添加は低温(約-10〜-20℃)から開始して、その後、その混合物を例えば、約50〜55℃まで加温する。
数時間要して、2,2-ジメチル-4-(N-メチルアニリノ)グルタロニトリルの含量が約2%以下に低下すると、シアン化物開裂を行う。これについては、一般的にベンジル化マイケル付加生成物を単離しないで、酸加水分解によりシアン化水素とメチルアニリンの遊離と共にカルボニル基の再形成をさせて、2,2-ジメチル-4-オキソ-5-フェニルバレロニトリル(IV)に変換する。加水分解は、水を添加後に、好ましくは相間移動触媒のもとで行う。使用する相間移動触媒は、好ましくは、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドまたはベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロリドである。反応温度は、一般的に、約20℃〜約60℃の範囲内である。相間移動触媒の添加により、反応時間は約15〜18時間に短縮される。もし約20容積%のメタノールをトルエン相に加えおよび/または濃厚な酸を用いれば、さらに反応時間の短縮を達成することができる。その場合、例えば、約40℃でわずか1時間の反応時間が可能である。
シアン化物開裂/加水分解については、反応混合物に例えば臭化水素酸または塩酸などの強い無機酸を加え、好ましくは高温にて、ベンジル化マイケル付加生成物の含量が約0.5%に低下するまで反応させる。次いで有機相を通常の方法で処理してトルエンを蒸留除去する。温度は蒸留中に50℃を超えてはならない。次いで蒸留残留物を再結晶により精製するか、または再結晶前に1回以上、イソプロパノールと同時蒸発してトルエン残留物を除去する。
再結晶は、イソプロパノール中で実施してもよいが、トルエンおよびイソプロパノールとトルエンとの混合物も好適である。好ましくは生成物を、比9:1のイソプロパノール/トルエンの2部から再結晶する。
化合物IVはイソプロパノールによく溶解するので、再結晶には、好ましくは−15℃〜−20℃の温度まで冷却する必要がある。
ある条件下では、再結晶後でも、得られる生成物になおマイケル付加生成物による汚染がありうる。しかし、このタイプの不純物はさらなる反応中に容易に除去しうるので問題ない。しかし、全体として、再結晶は非常に高い精製効果を有するので、生成物は非常に純粋な形態である。
次の反応段階としては、得られる2,2-ジメチル-4-オキソ-5-フェニルバレロニトリル(IV)を接触水素化して2-ベンジル-4,4-ジメチル-1-ピロリン(III)を得る。利用しうる触媒にはPtまたはPdなどの貴金属触媒がある。しかし、ラネー触媒(Raney catalyst)、特にラネーNiおよびラネーCoが好ましい。
Arch. Pharm. 299, 518 (1966)に、ラネーニッケルを用いる4-オキソ-(4-ヒドロキシフェニル)ブチロニトリルの水素化による2-(4-ヒドロキシフェニル)-4,4-ジヒドロ-3H-ピロールの製造が記載されている。文献の方法と類似する方法、すなわちアルコール中の含水ラネーニッケルを用いて実施すると、本発明による水素化は起こるが、ごく緩慢であり、高圧または高温では過水素化が観察される。
従って、反応時間を短縮しかつ副生物の生成、特に過水素化により生じるピロリジン(pyrrolidine)を減少することを試みた。この試みにおいて、水素圧の上昇または反応温度の上昇は、いずれも反応時間を有意に短縮しないばかりか、これらのより高いエネルギー条件下では、副生物、特に部分水素化物、オリゴマー縮合物、および過水素化ピロリジン(pyrrolidine)の比率を増加することがわかった。
ここで意外にも、使用する式IVの出発化合物の品質(純度)が水素化の時間および副生物分布の両方に強い影響を与えることを見出した。出発物質が純粋であるほど、反応はより円滑にかつ問題なく進行する。90%を超える、特に95%を超える純度(m/m)の化合物IVを使用することが好ましい。
式IIIのピロリンを利用する式IVのニトリルケトン化合物の水素化において、第三級ニトリル基は2つの水素化副段階でネオペンチルアミン基に還元され、それが自発的に水を脱離してケトン基と縮合して環状イミノ基となる。このピロリンの環状イミノ基はさらに水素化されてピロリジン(pyrrolidine)の第二級環状アミノ基となることがある。これを防止するためにラネーニッケルを、通常のように含水形態でなく、本質的に無水で触媒として使用する。溶媒としては、トルエンおよび特にトルエンとメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのC1-C4-アルコールとの混合物、例えば容積比8:2〜6:4のトルエン/メタノールが最も適当であることを実証した。
さらなる過水素化(overhydrogenation)を抑制する可能性は、ニトリルケトンのケト基にアセタール(ケタール)保護基を導入して、式IVa
Figure 0004195379
[式中、基Rは、同一であってもまたは異なってもよく、C1-C4-アルキル基であるかまたは一緒にC2-C3-アルキレン基である]
の化合物を得ることにある。このようにすれば、第三級ニトリル基のネオペンチルアミン基への水素化をより低い選択性の条件下で行って、式IVb
Figure 0004195379
[式中、基Rは上記の意味を有する]
の化合物を得ることもできる。この条件下では、ケタール開裂は酸性媒体、例えば希鉱酸中で起こり、かつ同時に結晶化してピロリンになる。ピロリニウム塩の酸性水溶液をアルカリ化した後、遊離ピロリンを得るので、これを水と非混和性の有機溶媒を用いて分離し、溶媒を除去すると高純度のピロリンを得ることができる。
化合物IVの水素化によって化合物IIIを直接得るための好ましい反応条件を以下に示す:
トルエンとメタノールとの混合物、好ましくは、化合物Vの1重量部当たり約8〜12容量部のトルエン/メタノールを溶媒として用いた場合、反応温度は一般的に約50-60℃である。もし水素化を純トルエン中で実施するのであれば、過水素化を防止するために温度をいくらか低目に、例えば20-30℃に選ぶ。水素圧は一般的に約4〜6barである。
反応前に、導入するラネーニッケルを、例えば、無水メタノールに1回以上懸濁することによりまたは共沸蒸留により乾燥する。
もし理論量の水素を吸収する前に反応が停止すれば、反応混合物を共沸蒸留してもよいしかつ新しい溶媒を加えてもよい。新しいラネーニッケルを加えてもよいしかつ混合物を共沸蒸留して水を除去してもよい。反応は一般的に3〜4時間続く。
次いでラネーニッケルを沈降させ、上清反応溶液を濾過する。場合によっては、さらに水素化するために触媒を使用してもよい。溶媒を反応溶液から蒸留除去する。生成物は塩形成、例えば塩酸塩形成により、ならびに塩基、例えばアンモニアを用いる式IVの化合物の遊離および再抽出により精製することができる。
あるいは、溶媒の一部分、例えば、トルエン/メタノールの溶媒混合物中のメタノールだけを蒸留除去してもよい。この場合、蒸留残留物を最初に水で洗浄するのが有利であり、水相を分離除去した後に生成物を上記のように精製することができる。
本発明による反応操作において、特に無水ラネーニッケルを触媒としてかつトルエンまたはトルエンとメタノールとの混合物を溶媒として用いることにより、水素化を強力に加速しかつ二次反応を限度内に保つことができる。
環状または非環状アセタール(ケタール)中間体の水素化を使って、式IIIの化合物を得るための好ましい反応条件を以下に示す:
式IVのニトリルケトンは、水と共沸物を形成する溶媒中でアルコールを用いて酸触媒の存在下でケタールに変換するか、またはこのケトンのケタールへの変換は、アルコール中で等量の低沸点アルデヒドもしくはケトンのアセタールもしくはケタールの存在下で実施する。ケタール形成のための適当なアルコールは、メタノール、エタノールまたはグリコール、1,3-プロピレングリコールなどのようなC1-C4-アルカノールである。水との共沸物を形成する溶媒は、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどである。
好ましい実施形態は、トルエン中でトルエンスルホン酸などの酸の存在下でエチレングリコールを用いるオキソラン誘導体への変換であり、例えば、還流条件下で、例えば水分離器を用いて反応混合物から水を除去する。さらなる好ましい実施形態は、メタノール中で約40〜60℃においてトシル化ピリジニウムの存在下で1,1-ジメトキシエタンを用いるジメチルケタールへの変換である。次いで、ケタールを、アルカリを用いて洗浄処理し、水素化触媒の存在下で水素化する。特に好ましい実施形態は、無水ラネーニッケルの存在下で、水素圧5〜50barかつ室温〜70℃にて、メタノールなどのアルコール溶媒中で、またはトルエンなどの芳香族溶媒中でのジオキソラン誘導体の水素化である。式IIIの化合物は、触媒を濾過した後に、有機相から水素化生成物として得たアミノケタールを希鉱酸水溶液中で攪拌することにより得られる。ケタールの開裂および環状イミンの生成の両方が、室温にて概して30分〜1時間後に完全に起こる。環状イミンIIIは、生成物水溶液のpH9〜11へのアルカリ化後に、非常に純粋な形態で得ることができる。
次いで式IIIの2-ベンジル-4,4-ジメチル-1-ピロリンをω-ブロモ-4-クロロアセトフェノンを用いて環化し、式IIの6-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-7-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジンを得る。反応は最初に述べた先行技術から公知である。ω-ブロモ-4-クロロアセトフェノンは、例えば、Bull. Soc. Chim. Fr. 21, 69 (1899)に記載のように得ることができる。
式IIIの化合物のω-ブロモ-4-クロロアセトフェノンとの反応は一般的に極性有機溶媒中で行う。好適な有機溶媒は、特にメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのC1-C4-アルコール、またはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)またはジオキサンなどのエーテルである。本発明によれば、メタノールが溶媒として特に好ましい。反応成分は等モル量を使用することができる。しかし、ω-ブロモ-4-クロロアセトフェノンを過剰に、例えば10〜40mol%過剰に用いるのが好ましい。
反応中に放出される臭化水素を捕捉するために、反応は塩基の存在下で実施する。好ましくは、無機塩基、特にアルカリ金属炭酸水素塩、またはアルカリ金属炭酸塩を使用し、ナトリウムおよびカリウム化合物が特に好ましい。無機塩基は水溶液の形態で使用することができる。しかし、固体の無機塩基を使用するのが特に好ましいことが分かっている。これにより、無機反応生成物の除去が容易となりかつ副生物分布が減少する。無機塩基は、放出される臭化水素の量に基づいて等モル量を用いることができる。しかし、便宜上、無機塩基を過剰に、例えば1.8当量、好ましくは約1.4当量まで過剰に用いる。さらに、光を排除して反応を実施するのが好都合である。反応温度は広範囲に変えてもよく、好ましくは0〜50℃、特に好ましくは、約18〜25℃である。反応は17〜20時間後に完了する。
得られる式IIの粗生成物を、例えば遠心分離により分離して取出し、通常の方法で無機不純物を除去することにより精製する。この目的のために、粗生成物を好ましくは、例えば40〜50℃の温水中に導入して1〜2時間処理する。この方法で、式IIの化合物を平均58%の収率でかつ少なくとも97%の純度にて得る。5-位に4-クロロフェニル基を含有する異性体の含量は2%以下であり、ω-ブロモ-4-クロロアセトフェノンの含量は0.1%以下であり、そして無機不純物の含量は0.5%以下である。
ML3000(I)を製造するために、酢酸側鎖を式IIの化合物の5-位に導入する。これは、好ましくは、式IIの化合物の塩化オキサリルとの反応と次いでヒドラジンおよびアルカリ金属水酸化物を用いる還元により実施する。この反応は、例えばWO95/32971、実施例5C、およびPCT/EP 01/00852に記載されている。反応生成物の精製については、様々な経路が記載されている。WO95/32971によれば、反応混合物を水で処理し、酸性化して沈降したカルボン酸をジエチルエーテル中に取り込む。生成物を精製するには、エーテル溶液を例えば無水硫酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウムなどの乾燥剤上で暫く攪拌し、それを静置し、次いで水に飽和した硫酸塩を濾過除去し、そして最後に加熱してエーテルを蒸発させる。濃縮時に母液から結晶化する物質を採集して乾燥する。この単離と精製の工程において、精製ステップおよび乾燥中でも若干の分解生成物が新しく生成するので、製薬品質を得るために、ML3000の手間のかかるさらなる精製、例えば再結晶が必要である。
代わりの精製工程においては、ヒドラジンおよびアルカリ金属水酸化物を用いる還元後に、場合によっては、比較的高温にてエーテルおよび水を反応混合物に加える。好ましくは、水との混和性が限られているエーテル、例えばジエチルエーテルまたはメチルt-ブチルエーテルを用いる。エーテルの添加により3相系が形成され、その中間相が本質的にML3000とこの反応で用いたアルカリ金属水酸化物との塩からなる生成物相となる。最上相は有機不純物が存在するエーテル相であり、最下相は無機組成物を含有する強アルカリ性水相である。
相を分離して、中間相を水および水との混和性がごく限られたエーテルとの混合物を用いて処理し、次いで無機または有機酸を用いて酸性化する。次いでML3000をエーテル相に溶解させる。
ML3000は、エーテル相から、例えばエーテルの蒸発およびML3000の酢酸エチルまたはイソプロパノールからの結晶化によって得ることができる。この工程において、2モルのML3000に対して1モルのジエチルエーテルまたは2モルのML3000に対して1モルの酢酸エチルを含有する溶媒和化合物を得る。
ML3000の本質的に溶媒を含まない結晶改変物は、エーテルより高い沸点の炭化水素をエーテル相に加え、場合によっては、エーテルを少なくとも部分的に蒸留除去し、ML3000を通常の方法で母液から固体の結晶型で分離すると得られる。使用しうる炭化水素は特に直鎖または分枝の脂肪族C6-C12-炭化水素、例えば、n-ヘキサン、N-ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどである。
次の実施例は本発明を説明するものであって、本発明を制限するものでない。
実施例1
A)2-(N-メチルアニリノ)アクリロニトリル(トルエン中の約50%濃度溶液)
濃HCl(32%、22.33kg)および氷(32.6kg)を250Lエナメル反応器中に導入する。温度が25℃を超えないように水冷しながら、N-メチルアニリン(17.39kg、162.2mol)を計量して導入する(30分間)。緑黄色溶液を15−20℃にて5-10分間攪拌する。この温度から開始して、内部温度を20℃以下に保つように水冷しながら、クロロアセトアルデヒド(45%、34.2kg、196.1mol)の水溶液を計量して導入する(30分間)。反応混合物を、15−20℃にて混合時間を越えてさらに5-10分間攪拌し、次いでこの温度にて、シアン化カリウム(12.7kg、195.1mol)を水(19.5 kg)中に含む溶液を用いて処理する。ここで、添加は水冷しながら20℃の温度を超えないように制御する(1時間)。混合物を18-23℃の温度にて110-130分間、攪拌する。高度の懸濁液が形成される。ガスクロマトグラフィサンプルは10%未満のメチルアニリンを示す。そこで、トルエン(25.7kg)および次いで濃塩酸(32%、9.3kg)を攪拌しながら反応混合物に加え、室温でさらに5-10分間攪拌する。
装置から逃げる塩酸を濃NaOHで満たした吸収器中に保持する。
攪拌機を止めて、水相(114kg、シアン化物廃水1)を沈降させて、処理用貯槽中の密封した系へ移す。
ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(0.3kg)を青色の有機相に加えて、-5〜0℃に冷却する。この内部温度に達すると、水酸化ナトリウム溶液(30%、32.6kg)を、内部温度が15℃を超えないように投入する(30分間)。添加が完了した後、反応混合物を室温まで昇温させ、さらに50-70分間攪拌する。
サンプルのGC分析により、中間体3-クロロ-2-(N-メチルアニリノ)プロピオニトリルが0.5%未満の含量であることが示された。この値に達すると、混合物を水(40.7kg)を用いて洗浄し:すなわち水を加え、2相混合物を5-10分間攪拌し、次いで水相(79kg、シアン化物廃水2)を沈降させて貯槽に(シアン化物廃水1に)移す。
有機相を、クエン酸(0.81kg)で酸性化した水(40.7kg)を用いて、同じ方法で再び洗浄する。
このクエン酸/水相(45kg、シアン化廃水3)を他のシアン化廃水と組合わせる。有機相を硫酸マグネシウム(3.8kg)上でRT(室温)にて10-20分間乾燥する。カールフィッシャー滴定では、0.2%未満の含水量が示された。このトルエン溶液(50-52kg)は圧濾機を通して濾過し、抜き取って次段階で利用する。濾過残渣(4.8kg)をシアン化廃水と組合わせる。これらのシアン化廃水は廃水処理に送る。室温で不安定である2-(N-メチルアニリノ)アクリロニトリルの溶液(53.86kg)は、さらに処理するまで、窒素雰囲気下で-15〜-20℃にて保存する。含量を測定するために、50mlサンプルを抜く。このサンプルの30mLから、トルエンを真空で最高70℃にてほとんど蒸発させることにより、乾燥残物を測定する。含量決定については、クロロホルム中のサンプルの1 H-NMRスペクトルの積分面積およびGC分析を用いる。1 H-NMRによる溶液中の2-(N-メチルアニリノ)アクリロニトリルの含量は45.54%である。従って、収率は使用したメチルアニリンを基準にして95.4%である。
シアン化廃水の処理は濃H2O2およびNaOH 30%を用いてpH 10-12にて実施し、残留シアン化物含量を30mg/kg未満(<30ppm)にする。
B)2,2-ジメチル-4-オキソ-5-フェニルバレロニトリル
リチウムジイソプロピルアミドのTHF/n-ヘキサン溶液(LDA溶液25.1% w/w、約2M、80.7kg、188.7mol)を、保護ガスで洗浄した乾燥した装置(鋼製容器、250L)に注ぎ入れ、食塩水で冷却して窒素雰囲気下で-15〜-20℃まで冷却する。イソブチロニトリル(11.4kg、165mol)を計量して供給し、内部温度が-10℃を超えないように冷却する。添加が終わると、容器をトルエン(2kg)によってリンス洗いする(45分間)。
反応混合物を55-65分間、-10と-20℃の間の温度で攪拌する。次いで2-(N-メチルアニリノ)アクリロニトリルのトルエン溶液(47.1%、52.8 kg、157.2 mol)を-20℃にて計量して供給し、内部温度が-10℃を超えないように食塩水で冷却をする(90分間)。供給容器および供給ラインをトルエン(5.0kg)を用いてゆすぐ。赤褐色の反応混合物を、-10〜-20℃にて60-90分間攪拌する。そこで、ガスクロマトグラフィ分析の出発物質(2-(N-メチルアニリノ)アクリロニトリル)の含量は2%未満になる。
冷却を止め、-10〜-20℃から開始して、塩化ベンジル(23.9kg、188.8mol)を計量して導入し内部温度を5℃まで上昇させる。この温度を超えると、水冷しながら反応を行う。内部温度が15℃に達すると、混合物を内部温度50℃まで20℃/hの加熱速度にて加温するとともに、さらに塩化ベンジルを計量して供給する。添加に要する時間は2.5時間である。
反応混合物を50-55℃にて3-4時間保持し、そこで、ガスクロマトグラフィサンプル中の2,2-ジメチル-4-(N-メチルアニリノ)グルタロニトリルの含量は2%以下となる。
次いでバッチを25℃以下に冷却して容器に移し、そこに氷(22.6kg)、水(45.2kg)およびトルエン(22.6kg)の3相混合物を導入する(10分間)。トルエン(14kg)を用いてゆすぐ。次いでこのトルエン/水相混合物を35-40℃まで加温し、相を分離させる。透明な底相を除去し(水相、75kg)、有機生成物相を含む中間相を残す。
ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(3.4kg)と氷(34.7kg)を最初に有機相に加え、次いで臭化水素酸(48%、69.4kg、411.6mol)を0-15℃にて10分間で加える。それによりバッチの温度が50℃に上昇してシアン化水素酸が追い出され、水酸化ナトリウム溶液(32%)を詰めた吸収器中に保持される。50-60℃にて6-6時間攪拌した後、赤褐色の反応混合物のサンプルを抜く。混合物中の4-ベンジル-2,2-ジメチル-4-(N-メチル-アニリノ)グルタロニトリルの含量はGC分析(GC=ガスクロマトグラフィ)によって0.5%以下でなければならない。
この条件が満たされると、相を、60℃以下の内部温度にて10-15分間沈降(settle)させ、シアン化水素を含有するHBr酸性の暗色水相(シアン化物廃水1、90-110kg)を密封した貯槽に移す。同様に暗色有機相を30℃以下に冷却し、次いで水(22.5kg)および水酸化ナトリウム溶液(30%、2.5kg)の混合物とともに攪拌しながら、5-10分間、15-25℃にて抽出する。際立って淡青色のアルカリ水相(pH 10-14)を沈降させ、次の処理のために貯槽に抜く(シアン化物廃水 2.25kg)。次いで有機相を水(25kg)と共に10-15分間15-25℃にて攪拌し、そして10-15分後、完全に分離した水相を分離除去してアルカリシアン化物廃水2(25kg)とする。この洗浄液のpHは7-9でなければならない。
トルエン相を蒸留装置に移し、容器および供給接続ラインをトルエン(5kg)を用いてゆすぐ。トルエンを真空で蒸留して最高50℃にて完全に留出させる(蒸留物1a、110-120kg)。蒸留残留物をイソプロパノール(22.7kg)中に回収し、次いで溶媒を真空で最高内部温度60℃まで完全に蒸留除去する(蒸留物1b、23kg)。再び同じ方法で、イソプロパノール(22.7kg)との共沸蒸留を繰り返す(蒸留物1c、23kg)。
共沸蒸留の残留物をイソプロパノール(16kg)を用いて25-30℃にて回収して、イソプロパノール(8.0kg)とヘプタン(16kg)との混合物中に計量して導入し、結晶化を制御するために2,2-ジメチル-4-オキソ-5-フェニルバレロニトリル(0.05kg)の種結晶を加える。供給容器および結合ラインをイソプロパノール(2.0kg)を用いてゆすぐ。結晶懸濁液を-15℃〜-20℃まで冷却し、少なくともさらに2時間、しかし最大でも16時間攪拌する。結晶物を吸引濾過し、イソプロパノール(8kg)とヘプタン(8kg)の予め冷却した混合液中に-15〜-20℃で数分間再懸濁し、そして再び吸引濾過する。66.9kgの母液に加えて26.7kgの2,2-ジメチル-4-オキソ-5-フェニルバレロニトリルの湿った粗物質を得る。結晶を30-35℃にて真空乾燥すると、乾燥後に、GC分析により90%を超える純度を有する生成物22.3kg(70.6%)が残る。
C) 2,2-ジメチル-4-オキソ-5-フェニルバレロニトリルの精製
250Lエナメル反応器中で2,2-ジメチル-4-オキソ-5-フェニルバレロニトリル(85-90%、22.3kg、110.8 mol)をイソプロパノール(40.0 kg)とトルエン(4.4kg)との混合液中に懸濁させ、この混合物を攪拌しながら50-55℃に加温することにより完全に溶解する。次いで25-30℃に冷却した溶液を、イソプロパノール(5kg)によって満たした攪拌圧濾器上に注ぎ、溶液に結晶2,2-ジメチル-4-オキソ-5-フェニルバレロニトリル(0.05kg)を種付けし、次いで5-10℃まで徐冷する。それを、濃厚な結晶懸濁液が形成されるまで攪拌する。次いでそれを-15〜-20℃まで冷却し、この温度にて少なくとも2時間または一夜攪拌する。
生成物を吸引濾過器上で濾過除去し、-15〜-20℃に予冷したイソプロパノールを用いて2回(それぞれ4.8kg)洗浄する。湿った結晶物(26.6kg)を30-35℃にて真空乾燥し、96.1%(GC分析)の純度を有する生成物(74.4%収率)16.6kgを得る。母液(53.2kg)は廃棄する。
D)2-ベンジル-4,4-ジメチル-1-ピロリン
デカンテーションにより予め上清の水溶液を除去したラネーニッケル(7.7kg)を、250L鋼製オートクレーブに入れて窒素ガスの層によって覆い、次いでメタノール(67kg)中に15分間懸濁させる。攪拌を停めた後にラネーニッケルを15-30分間沈降させ、それから窒素を用いディップパイプ(dip pipe)を使ってメタノール上清をディカライト(Dicalite)(登録商標)で被覆した圧濾器に通す。触媒を、15-20℃にて、トルエン(92.4kg)中に2,2-ジメチル-4-オキソ-5-フェニルバレロニトリル(13.2kg)を含む溶液の層によって覆い、そしてメタノール(14.3kg、そのトルエン溶液の添加容器をゆすぐために使用される)を加える。大気酸素を追出すために、3回、装置に窒素を3barまで満たしてその圧力を放出する。次いで3回、1barの水素で洗い流し、最後に水素圧を4.5-5.5 barまで上げる。水素化を、5.0barおよび55-60℃から攪拌を始めることにより開始する。水素吸収は3h後に停まる;この時点で、3.3m3の水素が吸収される。反応混合物を15-20℃まで冷却し、攪拌を止めて水素の過剰圧を放出する。装置を4回窒素で洗い流し、サンプルを取出して反応を確認する。未反応出発物質と過水素化副生物の和が10%を超えてはならない。もしサンプルが所要の結果を示せば、反応溶液をディカライト(Dicalite)(登録商標)(0.5kg)により被覆した圧濾器を通して、清澄化濾過処理を行う。装置および濾過器残留物をメタノール(10kg)を用いてゆすぎ、次いでメタノールを反応溶液から内部温度75-80℃にて蒸留除去する。蒸留残留物を20-30℃に冷却し、水(49.5kg)を用いて洗浄する。2相混合物を5-10分間攪拌し、20-30分間静置して相を分離し、次いで水相(47-51kg)を除去する。15-20℃にて氷(44kg)および水(44kg)そして次に濃塩酸(32%、17.7kg)を有機相に加え、混合物を5-10分間攪拌する。HCl-酸性水相は1-2のpHを有する。2相を静置し(10-20分間)、ピロリン抽出水相を分離除去する。Marmite(登録商標)、廃水ラインをゆすいだ水(5.6kg)、およびトルエン(86.9kg)をこのHCl酸性の生成物水相に加える。アンモニア溶液(24%、17.7kg)を冷却しながら、最高25℃にて加える。相混合物の水相のpHは9-11にしなければならない。2相混合物を5-10分間攪拌する。次いで両相を静置し、水相を分離除去する。トルエン相を蒸留装置に移し、トルエン(5.5kg)を用いてゆすぎ、そのトルエンを真空にて50℃を超えない内部温度で完全に蒸留除去する。得られるトルエン蒸留物は抽出用に再利用する。トルエン相のアリコート(50g)の乾燥残留物を最初にトルエンを完全に真空蒸留して測定し、次いでそのピロリン含量を測定する。この乾燥残留物の求める2-ベンジル-4,4-ジメチル-1-ピロリン含量は、GCによると70%である。
50gサンプル中の13.74%の乾燥重量含量および74.1%のGC含量を用いると、100.7kgの生成物溶液からの2-ベンジル-4,4-ジメチル-1-ピロリンの収量は54.7molと計算される。使用したオキソバレロニトリルを基準にすると84%の収率を得た。
E)6-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-7-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン
ピロリジンの直接逐次閉環合成については、測定したピロリン(54.7mol)に対して、ω-ブロモ-4-クロロ-アセトフェノンを10mol%過剰(60.2mol)に、炭酸水素ナトリウムを36mol%過剰(74.4mol)に使用する。
段階Dからの蒸留残留物を15-20℃にてメタノール(49kg)を用いて、次いで炭酸水素ナトリウム(6.25kg)を用いて、そして最後に冷却しながらω-ブロモ-4-クロロアセトフェノン(14.06kg)を用いて処理する。得られる淡青-黄色の、高度の懸濁液を光を遮って18-25℃にて17-20時間攪拌する。懸濁液を遠心分離し、そして遠心分離物を2つに分けたメタノール(11kg)を用いて洗浄する。
メタノール母液とメタノール洗浄溶液は処分する。16.5-18.5kgの湿った粗生成物を得るので、水(88kg)中に懸濁した後、1-2時間40-45℃にて攪拌する。無機不純物を精製した粗生成物を、遠心分離して取出し、2つに分けた水(22kg)を用いて洗浄する。湿った粗生成物の収率は14-16kgである。母液水相と洗浄水相は廃棄する。
粗生成物を35-40℃にて真空乾燥する。乾燥すると、重量は減少し、濃度97.3%(HPLC)の6-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-7-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジンの12.5-13.5kg(38.4mol-41.95mol)を得る。これは、水素化で得たピロリンを基準にして71.0-76.7%の収率に、そして水素化に使用したオキソバレロニトリルを基準にして59-64%の収率に対応する。異性体の含量は、5-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-7-フェニル- 2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジンが2%未満、ω-ブロモ-4-クロロアセトフェノンの含量が0.1%未満、そして無機不純物の含量が0.5%未満(灰分測定値)である。
実施例2
段階A)〜D)は実施例1のように実施した。
E)2-ベンジル-2-(2-シアノ-2-メチルプロピル)-1,3-ジオキソラン
オキソバレロニトリル(50g、0.25mol)を、エチレングリコール(75g、1.21mol)およびp-トルエンスルホン酸(9.2g、0.048mol)をトルエン(300ml、260.1g、2.82mol)中に含む混合液により処理し、反応混合物を徐々に加熱して沸騰させる(2.5h)。さらに2時間還流した後に、バッチをGCを使って調べる。トルエンは加熱および還流時に蒸留除去されて乾燥溶媒(185.3g)により置換えられる。仕上げまで、バッチを乾燥窒素のもとで冷所に置く。仕上げには、粗生成物のトルエン溶液を、氷冷した水酸化ナトリウム溶液(150gの氷にNaOH 25g、0.625molを加えた)を用いて抽出し、両相を分離する。有機相は無水硫酸マグネシウム(MW 120.37、50g、0.4mol)を用いて乾燥する。濾過後、濾液245gを得る。
F)2-ベンジル-4,4-ジメチル-1-ピロリン
E)で得たジオキソランの粗溶液を、1 Lオートクレーブ中に導入し、そして予め無水メタノールを用いて3回抽出しておいた20gのラネーニッケルB113W(MW 58.71、0.34mol)を71.1gのトルエンと一緒に加える。窒素を用いて3回加圧し次いで圧抜きをすることにより、オートクレーブから大気酸素を追い出す。水素化は、48barの水素化圧力を加えた後に開始し3回の逐次水素添加と脱気を行いかつオートクレーブのジャケット温度を63℃に調節する(3時間を要する)。1 Lオートクレーブ中の水素化は、約3時間後(内部圧力17bar)、およびさらに18時間後(内部圧力23bar)に水素の出発圧力値への再充填が必要である。全体で26.5時間の水素化時間の後に、混合物を冷却して反応生成物をディカライト(Dicalite)を通して濾過する。
アセタールの開裂は、希塩酸(HCl 32%、50g、0.43molをH2O 200g中に含む)中に粗生成物を取込んで、30℃にて1時間攪拌した後に直接起こる。有機質の上清(トルエン相)をストリッピングし、その水相を0〜5℃にて濃アンモニア水(25%、50g、0.73mol)を用いてpH9〜10までアルカリ化する。沈降したピロリンをジエチルエーテル(200g)中に回収して分離除去する。エーテルの真空蒸留後に、32.1gの生成物が残る。2-ベンジル-4,4-ジメチル-1-ピロリンを69%の収率および92.6%(GC)の純度で得る。
もしジオキソランを水素化に使用する前に蒸留により精製(92%、GC)すれば、水素化においてより低い圧力(5bar)およびより低い温度で、より高い水素化速度を達成する。得られるピロリンの純度は94-98%(GC)である。
実施例3
ML3000の製造:
A)5-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-7-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン
実施例1または2によって製造した2-ベンジル-4,4-ジメチル-1-ピロリン17.9kg(95.5mol)(ピロリン化合物含量に基づいて)、ω-ブロモ-4-クロロアセトフェノン29.7kg(127.2mol、1.33当量)およびメタノール226.6kgを、反応器(500L)中に導入する。12.7kg(151.2mol、1.58当量)の炭酸水素ナトリウムを加えた後に混合物を光を遮り17-24℃にて攪拌して、ベージュ色の懸濁液を得る。反応を混合物中のピロリン化合物の残留含量が<5%になるまで続ける。17時間後、サンプルを採取してピロリン化合物の含量をガスクロマトグラフィを使って試験する。分析値は2%の含量を示した。次いで懸濁液を、内部温度18-22℃にて遠心分離し、遠心分離により得た固体を、2つに分けた14.4kgのメタノールを用いて洗浄する。湿った僅かに黄色の生成物の重量は25.8kgである。
湿った粗生成物(25.8kg)を150kgの水中に懸濁し、次いで内部温度50-60℃まで15分間で加温し、この温度にて40分間攪拌する。40℃まで冷却した(40分間)懸濁液を遠心分離し、遠心分離で得られる淡青-黄色の結晶固体を、2つに分けた27kgの水を用いて洗浄する。生成物を50-60℃にて12-24時間、真空乾燥する。18.6kgの6-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-7-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジンが得られ、0.33%の灰含量および1.0%の5-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-7-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン異性体含量を有する。
B)6-(4-クロロフェニル)-2,2-ジメチル-7-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジン-5-イル酢酸(ML-3000)
3回の真空吸引およびN2導入後に、11.5kg(35.7mol)の6-(4-クロロ-フェニル)-2,2-ジメチル-7-フェニル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロリジンを、60kgのテトラヒドロフラン(THF)が入った250L反応器中に導入する。黄色溶液を、0.5barの窒素(N2)雰囲気下で10-15℃まで冷却する。次いでN2雰囲気下で、6.8kg(54.7)molの塩化オキサリルを供給容器から35分間で内部温度が20℃を超えないように計量して供給する。
添加が完了すると、暗緑色となった薄い懸濁液を内部温度18-25℃にて20〜30分間攪拌する。
18kgの氷薄片を500L反応器に導入する。25℃の暖かい懸濁液をこの氷中に、混合物の内部温度が20℃を超えないように5分間で計量して供給する。
反応混合物を内部温度25-35℃にて10-20分間攪拌する。まだ緑色の溶液を62.2 kgのジエチレングリコールにより25-35℃にて希釈し、次いで14.9kg(298mol)のヒドラジン水和物を供給容器から10-15分間で冷却しながら加える。内部温度は最高で40-45℃に上昇する。1.5時間で温度を段階的に増加することにより、今はベージュ色になった懸濁液を内部温度70-75℃まで加温し、THFを蒸留除去する。内部温度75℃に達するまでに、45.4kgのTHFが回収される。
反応混合物を50-55℃に冷却し、8〜10部分に分けて45分間で全26.4kgの薄片状水酸化カリウム(KOH)を用いて処理すると、内部温度は最初の5kgのKOHの場合でも65-70℃まで上昇し、最初に濃厚な懸濁液は黄色となり、高度に液状となり、しばらくゆるやかな還流が起こる。
今度はこの懸濁液を90℃まで15℃/hの温度増加で加温すると、85℃から僅かに泡立ちが始まり、懸濁液が濃厚になる。ここで2℃/hの温度増加で内部温度を102℃まで上昇させると同時に窒素をディップパイプを使って反応混合物を通して吹込み、攪拌の回転速度を上げる。激しい泡立ちとさらなるガスの放出の結果として、反応器内容物の容積が2倍に増加する。必要があれば、冷却により反応温度を低下させる。100-105℃の内部温度にで泡は崩れ始めて赤褐色の薄い懸濁物となるので、これをさらに内部温度140-145℃まで15℃/hの加熱速度で加熱する。泡立ちが過剰な場合には、冷却により反応温度をしばらく低下させる。同時に、全部で44kgの複数の水蒸留物を採集する。
バッチを120-145℃にて2-2.5時間保つ。次いで反応温度を30-40℃に冷却し、74.7kgの水と56.7kgのジエチルエーテルを加える。反応混合物を内部温度30-33℃にて10-15分間攪拌し、次いで相を沈降させる。得られる3相系を分離する。最下部の最も強アルカリの水相は重量が154.9kgであり、無色でごく僅かしか濁ってない。これは廃水として処理する。黄色の濁った油性で粘稠な中間相は重量が29.6kgであり、生成物の主な量をカリウム塩として含有する。最上部の透明な黄色エーテル相は、抽出装置中で10kgの水とともに30℃の内部温度にて10分間激しく攪拌する。攪拌を停めた後、10分間で水相が分離する。中間相(29.6kg)および上記エーテル相の水抽出物(10.9kg)は、抽出装置中で126.2kgのジエチルエーテルと59.7kgの水と混合し、混合物を内部温度0-5℃まで冷却する。
今度は、6.0kgの32.5%濃度の塩酸と6.0kgの水との混合物を、供給容器を経由して15分間で最大内部温度が10℃を超えずかつpHが1-2を達成するように、計量して供給する。もしこのpHを達成しなければ、さらに0.2kgの32.5%濃度の塩酸を0.2kgの水との混合物として加える。このpHを達成した後、相をさらに5-10分間、十分に攪拌し、次いで攪拌を停めて10-20分間静置して相を分離する。
HCl酸性水相を抜き出す。エーテル相を、再び供給容器を経由して9.5kgの塩酸と19kgの水との混合物を用いて処理し、10℃を超えない内部温度で5-10分間攪拌する。相を分離し、所望であれば、3回までHCl処理を繰返す。
次いでエーテル相を30kgの脱塩水を用いて、10-20分間で十分に攪拌して処理し、そして15-20℃まで加温する。相を分離し抽出を繰返す。
微量の酸を含まない洗浄したエーテル相を、6.5kgの無水硫酸マグネシウムと0.4kgの活性炭素(Acticarbon 2S)を懸濁した1kgのジエチルエーテルを用いて処理し、18℃にて30-45分間攪拌する。懸濁液を、0.5kgの濾過助剤(Cell flock)で被覆した圧濾器を通して清澄濾過にかけ、蒸留装置に入れる。濾過器と装置を8kgのジエチルエーテルを用いてゆすぐ。
95.6kgのヘプタンをエーテル相に加え、内部温度15-20℃で真空蒸留してエーテルを除去する。エーテルを蒸留除去した後に得られる結晶懸濁液を内部温度13-18℃に冷却し、この温度にて0.5-1.5時間攪拌する。次いで結晶を遠心分離する。得られる湿った生成物を2つに分けた23.0kgのヘプタンを用いて洗浄する。湿った生成物を50-60℃にて真空乾燥オーブン中で一夜乾燥し、もし所望であれば、粉砕する。DSC法により測定して157℃の融点をもつML-3000を10.5kg(77.2%)を得る。IRスペクトルは参照標準スペクトルに一致する。

Claims (14)

  1. 式I
    Figure 0004195379
    の化合物の製造方法であって、
    a) 式IV
    Figure 0004195379
    の化合物を、式III
    Figure 0004195379
    の化合物に、
    a1) 式IVの化合物を接触水素化するか、または
    a2) 式IVの化合物を式IVa
    Figure 0004195379
    [式中、基Rは、同一であってもまたは異なってもよく、C1-C4-アルキルまたは一緒にC2-C3-アルキレンである]
    のケタールに変換してそのケタールを接触水素化することにより、
    変換し、
    b) 式IIIの化合物をω-ブロモ-4-クロロアセトフェノンと反応させて式II
    Figure 0004195379
    の化合物を得て、そして
    c) 酢酸基を式IIの化合物に導入する、前記製造方法。
  2. 式II
    Figure 0004195379
    の化合物の製造方法であって、
    a) 式IV
    Figure 0004195379
    の化合物を式III
    Figure 0004195379
    の化合物に、
    a1) 式IVの化合物を接触水素化するか、または
    a2) 式IVの化合物を式IVa
    Figure 0004195379
    [式中、基Rは、同一であってもまたは異なってもよく、C1-C4-アルキルまたは一緒にC2-C3-アルキレンである]
    のケタールに変換してそのケタールを接触水素化することにより、
    変換し、そして
    b) 式IIIの化合物をω-ブロモ-4-クロロアセトフェノンと反応させて式IIの化合物を得る、前記製造方法。
  3. 式III
    Figure 0004195379
    の化合物の製造方法であって、
    式IV
    Figure 0004195379
    の化合物を式IIIの化合物に、
    a1) 式IVの化合物を接触水素化するか、または
    a2) 式IVの化合物を式IVa
    Figure 0004195379
    [式中、基Rは、同一であってもまたは異なってもよく、C1-C4-アルキルまたは一緒にC2-C3-アルキレンである]
    のケタールに変換してそのケタールを接触水素化することにより、
    変換する前記製造方法。
  4. 無水ラネーニッケルを接触水素化の触媒として用いる、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 水素化を、溶媒としてのトルエン、またはトルエンとC1-C4-アルコールとの混合物中で行う、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 少なくとも95%の純度である式IVの化合物を用いる、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 式IVの化合物を、イソブチロニトリルの式V
    Figure 0004195379
    の化合物へのマイケル付加、そのマイケル付加生成物をベンジル化して2-ベンジル-4,4-ジメチル-2-(N-メチル-アニリノ)グルタロニトリルを得て、そして該ニトリルの加水分解によって得る、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  8. イソブチロニトリルをトルエン中でリチウムジイソプロピルアミドを用いて脱プロトン化する、請求項7に記載の方法。
  9. マイケル付加の反応温度が約-10℃〜-20℃の範囲内にある、請求項7または8に記載の方法。
  10. 酸でのニトリルの加水分解を2相系において相間移動触媒のもとで実施する、請求項7〜9に記載の方法。
  11. 式Vの化合物が、クロロアセトアルデヒド、N-メチルアニリンおよびアルカリ金属シアン化物の反応、ならびに続く塩基性脱離によって得られる、請求項7〜10に記載の方法。
  12. クロロアセトアルデヒド、次いでアルカリ金属シアン化物をN-メチルアニリンに加える、請求項11に記載の方法。
  13. クロロアセトアルデヒド、N-メチル-アニリンおよびアルカリ金属シアン化物を、約1.1〜1.3:1:1.1〜1.3のモル比で使用する請求項11または12に記載の方法。
  14. 塩基性脱離が2相系において相間移動触媒のもとで行なわれる請求項11〜13に記載の方法。
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