JP4193522B2 - ミシンの糸通し装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は糸を針の目穴に自動的に通す糸通し装置を有するミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
裁縫の際には、煩わしい作業は針の目穴に糸を通すことである。そこで、従来、目穴を有する針が取り付けられる針留をもつ針棒と、糸を針の目穴に通す糸通し装置とを有するミシンが提供されている(例えば特許文献1参照)。この糸通し装置は、針棒腕に軸支された針棒と平行で、同じく針棒腕に軸支された糸通し棒に上端と下端を嵌合し、さらに糸通し棒と平行を成すように補助糸通し棒を軸支した糸通し体を備える。その糸通し体の上部には前記糸通し棒を回転さすように設けた螺旋を形成してある。また、下部には糸通しフック体が嵌入されていて糸通し棒と一体となっている。前記補助糸通し棒の下端には仲介ギアが形成されていて、前記糸通し棒の下端に回動自在に嵌入された糸ガイド体と噛み合っている。しかして、糸通し体を下方に押し下げると螺旋部により糸通し棒が回転し、糸通しフック体が一体となって回転する。そして、糸通しフック体が回転すると仲介ギアが揺動させられ仲介ギアと噛み合った糸通しフック体が揺動する。このことにより、片手操作の糸通しが行えるものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平2002−95885号公報(第1〜7頁・図1〜13)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記した従来技術によれば、糸通し体は、糸通し棒に軸支されていてさらに平行に補助糸通し棒を軸支している。この為、操作レバー部は糸通し棒からかなり隔たった位置にならざるを得ず、糸通し体を下方に押し下げる操作時に操作レバー部がぐらつき、甚だフィーリングが良くないと言う不具合が発生する。また、糸通し体がぐらつくと言うことは、仲介ギア及び糸ガイド体も、必然的にぐらつくと言う事である。この糸ガイド体がぐらつくと、糸ガイド体の位置が不安定となり、糸通しの機能が損なわれることになり非常に問題である。また、糸通し体は製作の都合上合成樹脂で製作されることが常である。この為、剛性が不足しがちで問題が大きくなりやすいと言う欠点を具えている。
【0005】
本発明は、上記した不具合のない、糸通し装置をもつミシンを提供することを課題とするにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、「目穴を有する針が取り付けられる針留をもつ針棒と、前記針棒を保持する針棒腕と、糸を針の目穴に通す糸通し装置とを有するミシンに於いて、前記糸通し装置は、前記針棒に直接的または間接的に設けられ前記針棒側に位置する糸を掛ける針棒糸掛け部と、回動可能に設けられ、針の目穴に挿入可能なフック部を持ち、回動に伴い前記フック部を針の目穴に挿入して糸に係合可能な位置とし、逆方向への回動に伴い、糸を係合した状態の前記フック部を針の目穴から離脱させて糸を針の目穴に通す糸通しフック体と、糸ガイド体の回動、前記糸通しフック体の回動、前記糸通しフック体の逆方向の回動を連動させる操作レバー部を有する糸通し体とからなり、この糸通し体の裁縫者側から見て左方に突起を設け、ミシン機枠に固着された面板の内側の一部に互いに向き合い上方が互いに開くように縦壁を設け、前記糸通し体を下方に押し下げた時前記突起が前記縦壁の間に入り、前記突起を拘束するよう成したことを特徴とするミシンの糸通し装置」を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を、図面を参照してより具体的に説明する。図1は糸通し装置の初期位置を示す。図2は糸通し装置の作動の進行途中を示す。図3は糸通し装置の作動の進行終期を示す。図4は糸通し装置の要部構造を示す。図5は糸通しフック体13の平面形態を示す。図6は糸把持部25による把持を解除するためのカム部21の斜視図を示す。図7はカム部21の円弧溝部付近を示す。図8はカム部21の直線溝部付近を示す。図9は図1に示す状態の平面図を示す。図10は図2に示す状態の平面図を示す。図11は図3に示す状態の平面図を示す。図12は図11の矢印X12方向から見た状態の図を示す。図13は針7の目穴7Aにフック部20が挿入された状態を示す。図14は縦壁近傍の状態を示す。
【0008】
本実施形態例においては、図1に示すように、針棒腕1はミシンの機枠70に対し揺動可能に取付けられている。針棒腕1は部位1a、1b、1c、1dを有する。ミシンの機枠70内に回転可能に配置されている上軸50で駆動されるクランク機構60により、針棒抱き3を介して、縦長の針棒2が上下往復運動可能に設けられている。針棒2の高さ方向の中央域には、ストッパ部4Aを有するストッパ4が装着されている。ストッパ4の下方に針棒抱き3が配置されている。針棒2の下端部には、ねじ5cをもつ針留5が装着されている。針留5には、上糸である糸24を掛けるための針棒糸掛け部6が設けられている。針留5には針7が着脱可能に固着されている。
【0009】
針棒腕1の部位1a、1cには、針棒2に対し平行な縦軸型の糸通し棒9が装着されている。糸通し棒9は針棒腕1に対して上下動可能に設けられている。また糸通し棒9はこれの軸芯P1の回りで回動可能に針棒腕1に設けられている。糸通し体8は部位8f、8hをもつ。部位8f、8hと糸通し棒9とを嵌合することにより、糸通し体8が糸通し棒9に対して昇降可能に取り付けられている。糸通し体8の上部には螺旋状に沿った溝カム形状の回動カム部8Aが形成されている。回動カム部8Aは下端8A1及び上端8A2をもつ。糸通し体8は、これの下部に使用者の指先で押圧操作される操作レバー部8Bを有する。中央部より若干下方には左方に円柱状の突起8Zが設けられている。ミシン機枠70に取り付けられた取り付け板90にねじ91により面板80が固着されている。この面板80の下部には図14に示すように互いに向き合い上方が開いた縦壁80A、80Bが設けられている。この縦壁80Aと80Bの間隔は、下方部は平行で、前記突起8Zの径よりも僅かに広く設定してあり、糸通し体8が下降すると突起8Zが縦壁の開き部にガイドされ平行部で水平方向が拘束される。このことにより、前記糸通し体8のぐらぐらが抑えられる。糸通し棒9の軸長方向の中間域には、回動操作子である回動ピン10が糸通し棒9に対し直交するように固定されている。回動ピン10の一端10hがストッパ4のストッパ部4Aに当接可能となるように、また回動ピン10の他端10mが糸通し体8の螺旋状の回動カム部8Aに当接可能となるように、回動ピン10の長さは設定されている。
【0010】
糸通し体8の座部8xと針棒腕1の部位1dの座部1xとをつなぐコイル状の糸通しバネ11が装着されている。糸通し前の初期位置においては、糸通しバネ11により糸通し体8は上方へつまり矢印Y1方向に持ち上げられている。糸通し棒9の回動ピン10と糸通し体8の部位8fとの間に、コイル状の糸通し棒バネ12が装着されている。糸通し棒バネ12は糸通し体8に対し糸通し棒9を下方つまり矢印Y2方向に付勢して押し下げている。糸通し棒バネ12のバネ力は糸通しバネ11のバネ力よりも強いため、図1に示す初期位置においては回動ピン10は溝カム部8Aの下端8A1に位置している。使用者が指先で糸通し体8の操作レバー部8Bを下方つまり矢印Y1方向に押し下げたとき、初期動作として糸通し体8と糸通し棒9が一体で移動し、図2に示すように回動ピン10がストッパ4のストッパ部4Aに当接する。図2に示すように当接した時点では、糸通し棒9のそれ以上の下降は停止される。上記したように当接した時点から、糸通し体8の操作レバー部8Bの更なる押圧操作により、糸通し体8が更に下方つまり矢印Y2方向に移動すると、糸通し体8の部位8fが下降するため糸通し棒バネ12が縮められはじめ、且つ、回動ピン10が糸通し体8の回動カム部8Aに沿って移動する。これにより回動ピン10が軸芯P1の回りで回動し、糸通し棒9が時計方向つまり矢印K1方向(図9参照)に向けて回動する。使用者が糸通し体8の操作レバー部8Bに加えていた力を緩めると、糸通し棒バネ12の弾性復帰作用と糸通し体8の回動カム部8Aのカム作用とによって、糸通し棒9が反時計方向つまり矢印K2方向(図9参照)に軸芯P1を中心として回動すると共に、糸通し体8が糸通し棒9と一体となって糸通しバネ11のバネ力により矢印Y1方向に上昇し、糸通し体8と糸通し棒9とが図1に示す初期位置にひきもどされる。
【0011】
図4に示すように、糸通し棒9の下端部には糸通しフック体13が固定されている。図9に示すように糸通し棒9及び糸通しフック体13は軸芯P1を中心として矢印K1,K2方向に一体回転する。糸通しフック体13を構成する1組の板部13xに、フック部20がカシメ挟持されて固定されている。板部10xの先端側にはフックガイド27が形成されている。図12に示すように、フック部20は、針7の針穴7Aに挿入されるほどの薄肉であり、糸24を係止する係止孔20mと先端傾斜面20nとをもつ。
【0012】
図5に示すように、糸通しフック体13は、糸通し棒9の下端部に固定され糸通し棒9と一体回転する基部13Dと、基部13Dから横方向に延びる腕部13Aとをもつ。回動子13tにより腕部13は基部13Dに対して矢印W4方向に変位可能とされている。腕部13Aには、腕部13Aに沿った長穴部13Bが形成されている。腕部13Aには摺動可能に取付けられた一方向作動式つまりワンウェイ式のカム部21が設けられている。このワンウェイ式のカム部21は、カム従動子として機能する後述する突部17Aが走行可能に嵌合する溝形状のカム面22をもつ。カム面22は、図6に示すように、円弧状に延びる円弧溝部22Aと、直線状に延びる直線溝部22Bと、突部17Aの逆回りを防止する段部22Cと、円弧溝部22A及び直線溝部22Bを切り替える切替位置22Eとを有する。円弧溝部22Aの断面形状は図7に示す状態とされている。図7に示すように、円弧溝部22Aはカム部溝底面22A1を有する。直線溝部22Bの断面形状は図8に示す状態とされている。図8に示すように直線溝部22Bは、登り坂面22F1と、これと連設された平坦な上昇面22F2とを有する。
【0013】
図9において、糸通し棒9の下端部には、糸ガイド体14が糸通し棒9の軸芯P1の回りで矢印M1、M2方向に空転できるように組付けられている。従って糸ガイド体14は糸通し棒9に対して逆方向に軸芯P1の回りで相対回動可能である。糸ガイド体14は糸24をガイドするガイド部14Bをもつ。糸ガイド体14には外歯状のギア部14Aが一体的に設けられている。ギア部14Aは糸通し棒9の軸芯P1の回りで回動可能である。
【0014】
図4において、糸通し体8の部位8s、8tには、糸通し棒9に対し平行な位置に補助糸通し棒15が回動可能となるように取付けられている。補助糸通し棒15は縦軸型の軸芯P2を有する。補助糸通し棒15の下端部には仲介ギア16が固定されている。仲介ギア16は軸芯P2を中心として回動する。図4に示すように、仲介ギア16は、外歯状のギア部16Wを有し、更に横方向に延設された腕部16Kを有する。腕部16Kは、突起16A1を有する嵌合ピン16Aをもつ。仲介ギア16の嵌合ピン16Aは、糸通しフック体13の腕部13Aの長穴部13Bに長穴部13Bに沿って変位可能に嵌入されている。
【0015】
補助糸通し棒15の下端部には、水平な糸把持面17rをもつ糸把持皿17が組付けられている。図4に示すように、糸把持皿17は補助糸通し棒15の軸芯P2の回りで回動可能であり、且つ、補助糸通し棒15に沿って上下方向つまり矢印Y1、Y2方向に摺動可能とされている。糸把持皿17は、カム従動子として機能する下方に突出する突部17Aをもつ。補助糸通し棒15にEリング18が取付けられている。Eリング18と糸把持皿17との間には、コイル状の糸把持バネ19が補助糸通し棒15と同軸的に組付けられている。糸把持バネ19は糸把持皿17を常に下方つまり矢印Y2方向、換言すれば、糸把持方向に付勢している。
【0016】
糸把持皿17の下部に突設されたカム従動子として機能する突部17Aは、糸把持バネ19のバネ力により、カム部21のカム面22に付勢されて当接している。即ち、図5に示すように、糸把持皿17の突部17Aは、ワンウェイ式のカム部21の円弧溝部22Aまたは直線溝部22Bに嵌入しており、カム面22の凹凸形状を拾い、これに伴い糸把持皿17が矢印Y1、Y2方向に上下動する。
【0017】
本実施形態例に係る糸把持部25は糸を挟持して把持できるものであり、仲介ギア16の腕部16Kと糸把持皿17とで構成されている。即ち、図4から理解できるように、付勢部材としての糸把持バネ19のバネ力により糸把持皿17が下方向つまり矢印Y2方向に付勢されているため、仲介ギア16の腕部16Kの糸把持面16rと糸把持皿17の糸把持面17rとの間に糸24の糸部分24cを水平方向に沿って滑り込ませると、糸部分24cを腕部16Kの糸把持面16rと糸把持皿17の糸把持面17rとで把持することができる。従って、腕部16K、糸把持皿17は、糸24の糸部分24cを挟持して把持する1組の挟持部材として機能できる。
【0018】
図9に示すように、仲介ギア16のギア部16Wと糸ガイド体14のギア部14Aとが噛み合って歯車機構を構成している。ここで、糸通しフック体13が矢印K1方向に回動すると、糸通しフック体13の腕部13Aが軸芯P1を中心として矢印K10方向(=矢印K1方向)に回動するため、腕部13Aの長穴部13Bも同方向に回動する。このため、長穴部13Bに嵌合している嵌合ピン16A及び腕部16Kを介して仲介ギア16が軸芯P2を中心として矢印R1方向に回転する。すると、糸ガイド体14のギア部14Aが軸芯P1を中心として矢印R2方向に回動する。即ち、糸ガイド体14は軸芯P1を中心として、糸通しフック体13の回動方向(矢印K1方向)に対して逆方向(矢印M1方向)に回動する。
【0019】
ワンウェイ式のカム部21の作用について更に説明を加える。即ち、糸把持皿17の突部17Aはカム部21のカム面22の形状に沿って移動するが、突部17Aの初期位置は図5に示したような初期位置T1にある。糸通しフック体13が軸芯P1を中心として矢印K1方向に回動を始めると、それに伴い糸通しフック体13の腕部13Aが軸芯P1を中心として矢印K10方向(=矢印K1方向)回動し始め、糸把持皿17の突部17Aがワンウェイ式のカム部21のカム面22に沿って走行する。このとき、カム部21の直線溝部22Bに設けられた段部22Cによって突部17Aの進行が妨げられるため、突部17Aは自動的に円弧溝部22Aの方へつまり矢印T2方向に沿って移動する。このときカム部21は矢印W4方向(図5参照)に沿って適宜変位できる。さらに、糸通しフック体13の矢印K1方向への回動終了時点では、突部17Aがカム面22の切替位置22Eに到達しており、糸通し体8は下死点にきている。次に、操作レバー部8Bの押圧操作が解除されるので、糸通し棒バネ12のバネ反力によって糸通しフック体13が逆方向つまり矢印K2方向(図9参照)に回動を始め、それに伴い突部17Aもカム面22の直線溝部22Bへ移動する。この結果、突部17Aが直線溝部22Bの登り坂面22F1を登り走行し、上昇面22F2に至る。この結果、カム従動子として機能する突部17Aが矢印Y1方向に持ち上げられ、ひいては突部17Aをもつ糸把持皿17が矢印Y1方向に持ち上げられ、糸把持部25による糸24の把持作用が解除される。
【0020】
しかして、糸24を針7の目穴7Aに通す場合について説明を加える。まず、針棒2が上死点付近にあることを確認する。そして図示しない糸駒から各ガイド部を経た上糸である糸24を指先で摘み、針棒2の針留5の針棒糸掛け部6にガイドする。更に図1に示すように、糸24を糸ガイド体14のガイド部14Bに引っ掛ける。更に、仲介ギア16と糸把持皿17とで構成された糸把持部25に糸24を差し込むことにより、糸24の糸部分24cを糸把持部25に挟み込む。これにより糸24のうち針棒2側は針留5の針棒糸掛け部6に掛けられていると共に、糸24のうち針棒2から離れた糸部分24cは糸把持部25に把持されている。
【0021】
上記したように糸24を針留5の針棒糸掛け部6に掛けると共に、糸24のうち針棒2から離れた糸部分24cを糸把持部25に把持した状態で、図1において、作業者が糸通し体8の操作レバー部8Bを指先で下方つまり矢印Y2方向に押し下げる。すると、糸通しバネ11のバネ力に抗して糸通し体8が矢印Y2方向に下降する。この場合、糸通し体8と糸通し棒9に取付けられた糸通し装置全体は、針棒2に対してほぼ平行に下降する。ここで、糸通し体8の突起8Zが面板80の縦壁80Aと80Bの間に入り込み、水平方向が拘束される。この為、糸通し体8はぐらぐらすることなく位置がしっかり決まる。
【0022】
糸通し装置全体がある程度下降すると、図2に示すように、糸通し棒9に嵌入された回動ピン10が、針棒2のストッパ4のストッパ部4Aに当接し、回動ピン10のそれ以上の下降が妨げられる。しかし、使用者が指先で糸通し体8の操作レバー部8Bを更に押し下げると、糸通し体8の部位8fで押圧された糸通し棒バネ12が弾性収縮され、糸通し棒バネ12にバネ力が蓄積される。そして、糸通し棒バネ12のバネ力に抗して糸通し体8が更に矢印Y2方向に下降する。このとき、糸通し回動ピン10の他端10mは糸通し体8の回動カム部8Aに係合しており、しかも(図示しないが)回動カム部8Aのカム溝は螺旋状に沿っているため、糸通し体8が回動カム部8Aと共に下降することにより、回動ピン10は糸通し棒9の軸芯P1を中心に一体的に時計方向つまり矢印K1方向(図9参照)に回動する。
【0023】
ここで、使用者が指先で糸通し体8の操作レバー部8Bを更に押し下げ、糸通し体8が下死点に到達したときには、フック部20の高さ位置が針7の針穴7Aの高さ位置と同一になるように、ストッパ4の高さ位置は設定されている。
【0024】
上記したように使用者が糸通し体8の操作レバー部8Bを押圧操作して糸通し体8を矢印Y1方向に押し下げるときには、回動ピン10と共に糸通し棒9は時計方向つまり矢印K1方向(図9参照)に回動する。この結果、糸通し棒9に下端に固着された糸通しフック体13も時計方向つまり矢印K1方向(図9、図10、図11参照)に回動し、図11及び図13に示すように糸通しフック体13のフック部20が針7の針穴7Aに挿入される。
【0025】
一方、糸通しフック体13の後端側に連設されている腕部13Aも軸芯P1を中心として同様に時計方向(矢印K10=矢印K1方向)に回動する。このため、腕部13Aの長穴部13Bに嵌合している嵌合ピン16A及び腕部16Kにより、仲介ギア16は同じく時計方向(矢印R1方向)に回動する。仲介ギア16のギア部16Wと糸ガイド体14のギア部14Aとのギア比は、1:1とされているため、糸ガイド体14のギア部14は、軸芯P1を中心として、仲介ギア16と同じ回動角度で反時計方向(矢印R2方向)に回動する。
【0026】
この場合、仲介ギア16は増速される。即ち、図11において、仮想線V1は、糸通し棒9の未回動時における回動中心である軸芯P1と嵌合ピン16Aの中心とを結ぶ。仮想線V2は、糸通し棒9の回動終了時における軸芯P1と嵌合ピン16Aの中心とを結ぶ。ここで軸芯P1を中心として回動する糸通しフック体13の腕部13Aの回動角度はAである。軸芯P2を中心として回動する仲介ギア16の腕部16Kの回動角度はBである。図11に示すように、回動角度Bは回動角度Aよりもかなり大きい(B>A)。故に、仲介ギア16の腕部16Kは糸通しフック体13の腕部13Aよりも回動角度が大きい。従って、仲介ギア16の腕部16Kに連設されているギア部16Wは、多めに回動する。つまりギア部16Wは増速される。このようにように仲介ギア16のギア部16Wが増速されることになり、ひいてはギア部16Wと同期回転する糸ガイド体14のギア部14Aも増速される。上記したように糸ガイド体14のギア部14Aを増速できる場合には、初期位置における糸ガイド体14を針4の位置から矢印M2方向に向けてできるだけ遠ざけることができ、針4付近のスペースを広くするのに貢献でき、裁縫作業に有利となる。
【0027】
本実施形態例においては、上記した仲介ギア16のギア部16Wの回転により、ギア部14Aを有する糸ガイド体14は軸芯P1の回りで反時計方向つまり矢印M1方向(図9参照)に回動する。糸ガイド体14の矢印M1方向への回動が進むと、糸ガイド体14のガイド部14Bは、始動位置S1から、針7よりも右側の回動位置S2(図11参照、図3参照)に位置するようになる。この結果、糸ガイド体14のガイド部14Bに掛けられている糸24は、図3及び図4に示すように、針7の針穴7Aの前面でほぼ水平に保たれる。
【0028】
本実施形態例においては、上記したように糸24が針7の針穴7Aの前面でほほぼ水平に保たれた直後に、糸通しフック体20が矢印K1方向に回動して係合位置S3に至っても良い。あるいは、糸通しフック体20が矢印K1方向に回動して係合位置S3に至った直後に、糸ガイド体14のガイド部14Bに掛けられている糸24がほぼ水平に保たれる形態としても良い。あるいは、同時タイミングでも良い。
【0029】
本実施形態例では、図12において、糸24が矢印M1方向に移送されてきたとき、糸通しフック体13のフックガイド27の先端側の傾斜案内面で形成されているガイド27xに沿って、または、フック部20の先端傾斜面20nに沿って、糸24はフック部20側に案内される。即ち、糸24をフック部20の係止孔20mに対面するように案内することが可能となる。この場合、図12に示すように、針7の針穴7Aを通り係合位置S3に到達したフック部20は、糸24に係合可能となる。
【0030】
次に、図3に示す状態において、使用者が糸通し体8の操作レバー部8Bから指先を放すと、弾性収縮されていた糸通し棒バネ12のバネ反力により糸通し体8が回動カム部8Aと共に矢印Y1方向に上昇を開始する。よって糸通し体8の螺旋状の回動カム部8Aのカム部作用により、糸通しフック体13がフック部20と共に糸通し棒9の軸芯P1の回りで反時計方向つまり矢印K2方向(図11参照)に回動すると共に、糸ガイド体14が矢印M2方向に回動する。これにより係合位置S3のフック部20が矢印K2方向に後退するため、フック部20が針穴7Aを通り、針穴7Aから矢印K2方向に離脱する。換言すると、図12に示す状態のフック部20が糸24を引っ掛け、糸24を引っ掛けた状態のフック部20が針7の針穴7Aを通り、矢印K2方向に沿って針穴7Aから離脱する。
【0031】
本実施形態例においては、上記したように糸24を引っ掛けたフック部20が逆方向(矢印K2方向)に回動するときには、図8に示すように、ワンウェイ式のカム部21のカム面22に係合した糸把持皿17の突部17Aが、カム面22の登り坂面22F1を矢印W5方向に登って、上昇面22F2に乗り上げるため、糸把持皿17が矢印Y1方向に持ち上げられる。この結果、糸把持部25による糸24の糸部分24cの把持は、解除される。このように糸24の糸部分24cの把持が自動的に解除されるため、糸24を引っ掛けた状態のフック部20が針7の針穴7Aを通り、針穴7Aから容易に離脱することができる。
【0032】
さらに、使用者が糸通し体8の操作レバー部8Bから指先を放した場合には、糸通し棒バネ11のバネ反力により糸通し体8が矢印Y1方向に上昇し、回動ピン10を持ち上げるため、糸押し棒9が上昇し、フック部20も矢印Y1方向に上昇を始めるが、糸24の糸部分24cの把持は解除されているため、フック部20から糸24が簡単に外れる。この状態では、針7の目穴7Aに糸24が通されていると共に、針穴7Aの後方に適度な大きさの糸ループが形成されている。
【0033】
以上説明したように本実施形態例においては、使用者が操作レバー部8Bを操作すれば、糸ガイド体14の回動、糸通しフック体13の矢印K1方向への回動、糸通しフック体13の逆方向である矢印K2方向への回動、カム部21の作動が自動的に行われ、針7の目穴7Aに糸24が通される。そして、針7の目穴7Aに糸24が通された後には、糸把持部25の把持は自動的に解除される。
【0034】
従って本実施形態例においては、糸通しの際には、上糸である糸24を針棒糸掛け部6に掛けると共に、糸24のうち針棒2から離れた糸部分24cを糸把持部25に把持しておけば、使用者は指先で操作レバー部8Bを矢印Y2方向に押圧操作すれば、針7の目穴7Aに糸24を自動的に通すことができる。よって、使用者は操作レバー部8Bを指先で操作するだけで足り、上記した従来公報技術とは異なり、使用者の両手の同時操作を必須とされず、糸通し作業の操作性が良好となる。
【0035】
本実施形態例においては、針棒糸掛け部6の高さと糸24を把持するための糸把持部25の高さとがほぼ同一であるため、ほぼ真横へ糸24を水平方向に沿って保つことができ、糸24の掛け間違いがなくなるようにできる。更に糸ガイド体14のガイド部14Bの高さ位置も、針棒糸掛け部6の高さ位置と糸把持部25の高さ位置とがほぼ同一であるため、糸24をほぼ真横へを水平方向に沿って保つのに一層有利となる。
【0036】
また糸把持部25においては、糸24を把持すべきタイミングと、把持を解除すべきタイミングとがある。糸把持皿17の開閉をカム部21のカム面22の凹凸によって達成し、糸把持部25の把持解除を自動で行なうことができる。
【0037】
また本実施形態例においては、糸通しフック体13のフック部20へ糸24を引っかけるために糸24を水平方向に沿って保つための糸ガイド体14を、糸通しフック体13の回動方向に対して逆方向に回動させる構造は、仲介ギア16を用いた歯車機構によって達成されている。このような歯車機構を用いたことにより、糸通し装置全体の省スペース化も達成するのに有利となる。よって、外観の形状を損なうことなく新種類のミシンのみならず、現有機種のミシンへの展開も容易となる。
【0038】
なお上記した実施形態例は上記し且つ図面に示す実施形態例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるる。本実施形態例に記載の部材の形容は例示であり、一部であっても各請求項に記載できるものである。例えば上記実施形態例では、糸通し体側から突起を出し面板側を縦壁としているが、逆に、糸通し側を縦壁とし面板側を突起としても良い(この場合縦壁は、下方を互いに開くよう設けることが必要である)。また、実施形態例は面板に縦壁を設けているが、機枠に取り付けた板に台形状の穴としても良い。
【0039】
【発明の効果】
本発明のミシンによれば、糸通し体の中央より若干下方の位置に一体的に突起を形成すると共に、裁縫者から見て糸通し体の左方側の面板の内側に、互いに向き合い上方が互いに開くように設けた縦壁を設置している。そして、糸通し体を下方に押し下げた時、前記突起が前記縦壁の間に入り、前記突起を拘束するようにした。かくして、糸通し体は、操作レバー部を裁縫者が下に押し下げることにより糸通しが行われるが、合成樹脂で製作される為剛性がなく操作レバー部がぐらぐらするも、押し下げられた時突起部が機枠の内側に設けられた縦壁に拘束される為、ぐらつきは抑えられる。しかも、糸通し作業時以外は突起部が縦壁に拘束されていない為、針棒腕の左右方向の動き(ジグザグ縫い)に支障を来たす事がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】糸通し装置の初期位置であり、糸通し体がこれの上昇端に到達している形態を示す断面図である。
【図2】糸通し装置の作動の進行途中を示す断面図である。
【図3】糸通し装置の作動の進行終期となり、糸通し体がこれの下降端に到達している形態を示す断面図である。
【図4】糸通し装置の要部構造を示す断面図である。
【図5】糸通しフック体の平面形態を示す構成図である。
【図6】糸把持部による把持を解除するためのカム部の要部の斜視図である。
【図7】カム部の円弧溝部付近の断面図である。
【図8】カム部の直線溝部付近の断面図である。
【図9】糸通し装置の初期位置であり、糸通し体がこれの上昇端に到達している形態を示す断面図であり、図1に示す状態の平面図である。
【図10】糸通し装置の作動の進行途中を示す断面図であり、図2に示す状態の平面図である。
【図11】糸通し装置の作動の進行終期となり、糸通し体がこれの下降端に到達している形態を示す断面図であり、図3に示す状態の平面図である。
【図12】図11の矢印X12方向から見た状態の構成図である。
【図13】針の目穴にフック部が挿入された状態を示す平面図である。
【図14】縦壁近傍の状態を示す図である。
【符号の説明】
図中、1は針棒腕、2は針棒、4はストッパ、4Aはストッパ部、6は針棒糸掛け部、7は針、7Aは針穴、8は糸通し体、8Aは回動カム部、8Bは操作レバー部、8Zは突起、10は回動ピン、11は糸通しバネ、12は糸通し棒バネ、13は糸通しフック体、14は糸ガイド体、16は仲介ギア、16Aは嵌合ピン、17は糸把持皿、17Aは突部(カム従動子)、19は糸把持バネ、20はフック部、21はカム部、22はカム面、22Aは円弧溝部、22Fは直線溝部、24は上糸、25は把持部、27はフックガイド、80A・80Bは糸通し体8の縦壁をそれぞれ示す。

Claims (1)

  1. 目穴を有する針が取り付けられる針留をもつ針棒と、前記針棒を保持する針棒腕と、糸を針の目穴に通す糸通し装置とを有するミシンに於いて、前記糸通し装置は、前記針棒に直接的または間接的に設けられ前記針棒側に位置する糸を掛ける針棒糸掛け部と、回動可能に設けられ、針の目穴に挿入可能なフック部を持ち、回動に伴い前記フック部を針の目穴に挿入して糸に係合可能な位置とし、逆方向への回動に伴い、糸を係合した状態の前記フック部を針の目穴から離脱させて糸を針の目穴に通す糸通しフック体と、糸ガイド体の回動、前記糸通しフック体の回動、前記糸通しフック体の逆方向の回動を連動させる操作レバー部を有する糸通し体とからなり、この糸通し体の裁縫者側から見て左方に突起を設け、ミシン機枠に固着された面板の内側の一部に互いに向き合い上方が互いに開くように縦壁を設け、前記糸通し体を下方に押し下げた時前記突起が前記縦壁の間に入り、前記突起を拘束するよう成したことを特徴とするミシンの糸通し装置。
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