JP4193131B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、誘導加熱コイルなどを備えた加熱調理器に関するものである。
従来、誘導加熱コイルを備えた電磁誘導加熱調理器としては、加熱調理装置に設けた突起に、炊飯器本体に設けた嵌合凹部を嵌合させることにより、炊飯器を加熱調理装置に着脱自在に構成したものが存在した。この電磁誘導加熱調理器は、誘導加熱コイルの電磁誘導作用によって加熱調理装置の上部に載置された炊飯器本体内の内鍋を加熱して、内鍋内の被調理物を調理できる構成となっていた(特許文献1参照)。
実公平6−24154号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の加熱調理器においては、加熱調理器に設けた突起から炊飯器本体に設けた嵌合凹部を外すことにより、炊飯器本体を加熱調理器から取り外して別の場所へ移動することができる構成になっていたため、内鍋は炊飯器の下方に露出していた。この場合、加熱調理後の炊飯器を食卓上、或いは、テーブル上などに載置した際、下方に露出している内鍋が直接食卓、或いは、テーブルに接触してしまう。このため、内鍋の熱が食卓上或いはテーブルなどに逃げてしまい、内鍋内の調理物の保温効率が悪くなってしまうとともに、内鍋の温度が低下し、内鍋内の調理物を冷ましてしまうという問題があった。また、内鍋の底面が食卓上或いはテーブルなどに接触すると、内鍋の熱によって食卓、或いは、テーブルなどが高温となって変色や変形をしてしまうという不都合があった。
本発明は、前記課題に鑑み為されたものであり、調理器の保温効率を向上でき、且つ、食卓テーブルの変色や変形を防止することができる加熱調理器を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明にかかる加熱調理器は、天板上に載置された複数の被加熱物を誘導コイル等の加熱体でそれぞれ加熱する加熱調理器において、前記加熱調理器に炊飯を専用に行なう補加熱調理器を構成し、前記補加熱調理器は、内鍋を収納自在に支持する鍋容器と、該鍋容器を開閉自在に覆う蓋体と、前記鍋容器の底面下方に延在する脚とで形成された調理器の内鍋を加熱し、前記補加熱調理器の天板は、内鍋の底面と当接若しくは、所定の間隔を形成し、前記内鍋の底面に当接する底板を設け、前記底板の上面に、カマボコ形状、断面山形状、または先端先細りの断面半楕円形の凸部を設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば、炊飯を専用に行なう補加熱調理器を構成し、該補加熱調理器には、内鍋容器の底面下方に延在する脚を設けているので、鍋容器底面下方に延在する脚と、鍋容器底面下方に形成される空間とを、内鍋位置の固定に利用することにより、誘導加熱コイルと内鍋との位置ずれを防止することができる。これにより、誘導加熱コイルの好適な位置に調理器を載置することができる。従って、誘導加熱コイルと内鍋の位置ずれを確実に防止することができるので調理器の内鍋を極めて効率的に加熱することができるようになるものである。


実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器1を配設した流し台本体90の斜視図、図2は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器1を構成する補加熱調理器30と主加熱調理器2を配設した流し台本体90の一部斜視図、図3は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器1の縦断側面図、図4はテーブル85に載置した炊飯器60の縦断側面図、図5は同図3の炊飯器60を構成する鍋容器61の底面図をそれぞれ示している。
図1において、流し台本体90にはシンク92が設けられており、このシンク92奥上部には蛇口94が設けられると共に、シンク92横には図示しない包丁で野菜や肉などの非調理物を適当な大きさに切り刻むための受け台としてのまな板93等が載置出来るように構成されている。シンク92横には所定の間隔を存して主加熱調理器2が流し台本体90に組込まれると共に、この主加熱調理器2横(図中左側)に隣接して加熱調理器1が設けられている。図2に示すように流し台本体90に組込まれた主加熱調理器2は、天面が開口された箱状の本体ケース(図示せず)と、この本体ケースの天面開口部を覆う主支持枠6と、この主支持枠6の上面開口を覆うトッププレート5とを有している。
トッププレート5は例えばセラミックスプレート或いは耐熱ガラスなどの如き非磁性材料にて構成され、主支持枠6の上面開口に接着剤等により固定される。そして、トッププレート5の上面には磁性材料からなる調理鍋96やフライパン97等の調理器の載置位置を表示する載置部としてのサークルライン7A、7Bが設けられ、サークルライン7A、7Bの近傍に出力表示部8A、8Bが設けられている。
本実施形態の加熱調理器における本体ケースの前面左側には、取っ手9Aを有する引出し式のグリラー9が設けられており、グリラー9に隣接して本体ケースの前面右側には、例えば、電源スイッチ11A、出力調整ダイアル11Bや予約タイマースイッチ11C、炊飯スイッチ11D、及び、煮物スイッチ等の各種の操作スイッチ12、表示部13などを有する主操作部10が設けられている。
また、主支持枠6の後部側の一方の隅部には、外気を本体ケース内に吸引する吸気口14が設けられており、本体ケースの前壁には排気口15が設けられている。主支持枠6の前面側には、サークルライン7A、7Bに対応して火力調整スイッチ等を有する手元操作部16が設けられている。
サークルライン7A、7Bの下には、図3に示すように、トッププレート5の下面側において、コイル台22A上に渦巻状に巻かれた主誘導加熱コイル22が配設された主加熱部20A(図3では一方の一部を図示)が設けられている。尚、主加熱部20Aの中心部には図示しないがトッププレート5の下面に当接されてサークルライン7A、7B上に載置された調理器の温度を検出する温度検知器が設けられている。なお、この主加熱部20Aはコイルの代わりに抵抗線からなるヒータであっても良い。また、本体ケース内部には図示しないが電源部、マイコン等を含む主加熱部の出力制御回路や予約タイマー制御回路等を備えた制御部が設けられている。
一方、加熱調理器1は薄型の補加熱調理器30(本発明の加熱調理器に相当)と後述する炊飯器60とから構成されている。補加熱調理器30は、縦長略矩形状に形成され前記主加熱調理器2の横(実施例では左側)に隣接して流し台本体90の上面板91に配設されている。該補加熱調理器30の調理器本体30Aは、本実施形態では流し台本体90上に載置されている。
補加熱調理器30は天面を開口し周囲に周壁31Aが設けられたベース板31と、天面を開口し周囲に設けられた周壁32Aがベース板31の周壁31Aに取り付けられた断面略コ字状の補支持枠32とからなる調理器本体30Aとから構成されている。補支持枠32の後部右側には図2に示すように外気を吸入する吸込口36が設けられ、補支持枠32の側面には排気口29が設けられている。
そして、吸込口36から吸入された外気は図3に矢印で示したように冷却用送風機51によって加熱した誘導加熱コイル45や制御装置50を冷却し排気口29から排出される。また、補支持枠32の後部(実施例では左側)には炊飯器60に電源を供給するための電源供給部40が設けられており、この電源供給部40は図示しないが交流商用電源に接続されている。
また図3に示すように、補支持枠32開口の略中央には炊飯器60を正確に位置決めするための枠体44が設けられており、この枠体44は補支持枠32上面に所定寸法凸出して設けられると共に内側が円形に開口した略円形のドーナッツ状形状を呈している。該枠体44は炊飯器60の下面に形成された後述する収納空間80内に収納、脱出可能に形成されると共に、枠体44には開口を覆ってセラミックスプレート或いは耐熱ガラスなどの非磁性材料からなる副トッププレート33(本発明の天板に相当)が設けられている。
副トッププレート33は接着剤等により枠体44開口に保持固定され、この副トッププレート33上に炊飯器60の内鍋54底面54Bが載置される。また、副トッププレート33の下面側にはコイル台45A上に渦巻状に巻かれた誘導加熱コイル45(本発明の補加熱部に相当)が設けられており、枠体44は炊飯器60が副トッププレート33上に載置された状態(この場合、後述する鍋容器61底面61Aに凸出して設けた環状の脚78内側に枠体44を挿入した状態)で、枠体44は内鍋54を誘導加熱コイル45で好適に加熱できる位置に設けられている。内鍋54底面54Bの温度を検出する温度検知器47は図示しないが制御装置50に接続されている。
また、炊飯器60を副トッププレート33上に載置して内鍋54を後述する誘導加熱コイル45にて加熱する際、内鍋54外底面は、副トッププレート33と所定の間隔(略接する間隔)を存して載置されるか、若しくは、当接した状態で載置される。即ち、炊飯器60を補加熱調理器30の副トッププレート33上に載置して内鍋54を加熱する際に、内鍋54外底面は、副トッププレート33と所定の間隔を存するか、若しくは、当接する。また、副トッププレート33上に炊飯器60の内鍋54外底面が当接した状態では、本実施形態においては鍋容器61底面61Aも、副トッププレート33と所定の間隔を存するか、若しくは、当接する。これにより、誘導加熱コイル45と内鍋54底面54Bを好適な距離に保てるので、誘導加熱コイル45にて内鍋54を好適に加熱することができる。
また、図2に示すように補支持枠32の前面側上面には副操作部38が設けられ、この副操作部38には図示しないが誘導加熱コイル45の火力調整スイッチ、予約タイマースイッチ及び炊飯スイッチや表示部が設けられている。補加熱調理器30の補支持枠32内部には、図3に示すように被調理物としての米を沸騰させたのち所定の温度状態に保つ保温モード回路である保温付き炊飯モード回路、及び必要に応じて保温付き煮物モード回路、さらに予約タイマー回路等を備えた制御装置50、及び、冷却用送風機51などが設けられている。
係る補加熱調理器30は主に炊飯用に用いることが出来るように構成されている。該炊飯用の調理鍋60(以下、炊飯器という)は、少なくともその下部が非磁性材からなり、上下が開口した略筒状の内壁62及び空間部63を介して内壁62の外周を囲繞する外壁64からなる二重構造の鍋容器61と、磁性材からなり、上部外周にフランジ54Aを有する有底筒状の内鍋54とを有している。該内鍋54は鍋容器61内に収納自在に収容されフランジ54Aが鍋容器61の上端部62Aに支持された状態で、内鍋54の底面54Bは鍋容器61の下端部に露出する。
鍋容器61の内壁62の下部外周には内鍋54加熱用の誘導加熱コイルからなる側面誘導コイル(本発明の補加熱体に相当)65がコイル状に積層して設けられており、内壁62の上部外周には補助加熱体(ヒータからなる上側面加熱体)66が設けられている。磁性材からなる略筒状の防磁体壁67は、鍋容器61の下部において内壁62と外壁64との間の空間部63内に立設して設けられ、側面誘導コイル65の外側に隣接している。この防磁体壁67は側面誘導コイル65から発生する磁気を遮磁し、外部への磁束洩れを防止する。これによって側面誘導コイル65から発生する磁気が人体或いは腕時計など精密機器に悪影響を及ぼしてしまうのを防止する。
鍋容器61には上部開口部を開閉自在に覆う蓋体68が設けられ、この上蓋69の上面には当該蓋体69の開閉を行うための取っ手70が設けられると共に、上蓋69の下面には着脱可能に内蓋72が装着され、上蓋69と内蓋72間には蓋ヒータ74が設けられている。蓋体68の中心部には内鍋54内に連通する蒸気抜き弁73が設けられており、内蓋72周囲には内鍋54上部のフランジ54Aに当接して密封するシール部材71が設けられている。この蓋体68は、一端に設けられた図示しないヒンジにより鍋容器61に開閉自在に装着されており、閉じたときはラッチ(図示せず)によりロックされる。
蓋体68の上蓋69上面には図示しないが炊飯スイッチ、煮物スイッチ、予約タイマースイッチ、表示部等が設けられると共に、蓋体68内部には制御装置(図示せず)が設けられている。制御装置及び側面誘導コイル65、補助加熱体66及び蓋ヒータ74などは端部に電源受給部25が設けられたコード75に接続されている。この電源受給部25は、前記補支持枠32の後部に設けた電源供給部40に着脱自在に接続される。そして、炊飯器60が補加熱調理器30の副トッププレート33上に載置されると、電源受給部25を介して電源供給部40から電力が誘導加熱コイル45に通電され内鍋54が加熱されることにより、内鍋54内に収納された被調理物が加熱調理される。この時、内鍋54外底面と副トッププレート33とは前述した如き所定の間隔を存して載置されるか、若しくは、当接した状態で載置される。
一方、鍋容器61は図4に示すように、下方に延在する脚78が鍋容器61の底面61Aに設けられている。脚78は鍋容器61の外周側を所定の幅で所定距離下方に凸出させると共に、図5に示すように鍋容器61底面61Aの外周側に環状に形成している。また、図4に示すように脚78は内鍋54が鍋容器61内側に収納された状態で、内鍋54底面54Bの下面側と鍋容器61の底面61Aとが略面一に構成されている。この状態で、脚78の下端部と内鍋54底面間に所定の空間の収納空間80が形成される。即ち、収納空間80は炊飯器60の下部に形成される。
該炊飯器60下部に形成した収納空間80は、前述した補支持枠32上面に凸出して設けた枠体44を収納可能に構成している。そして、脚78内側となる収納空間80内に枠体44が収納された状態で、枠体44は脚78(炊飯器60)が副トッププレート33上の前後左右に動かないように保持される。即ち、副トッププレート33上に炊飯器60を載置する際、鍋容器61底面61Aに設けた脚78内側に枠体44を挿入するだけで、副トッププレート33上の所定位置に炊飯器60が左右前後方向に容易に動かないように位置決めすることができる。これによって、誘導加熱コイル45上方の好適な位置に極めて容易に炊飯器60の内鍋54を載置することができる。
本実施形態では補加熱調理器30の調理器本体30Aを主加熱調理器2の横に隣接して流し台本体90の上面板91に載置して主加熱調理器2に組み付け固定しているので、補加熱調理器30が上面板91上で動いてしまうのを防止でき、主加熱調理器2と補加熱調理器30とを同時に使用することができる。このように主加熱調理器2の他に補加熱調理器30を有することにより、主加熱調理器2での調理時間にとらわれることなく補加熱調理器30で炊飯を行うことができる。従って、炊飯と他の調理とを並行に行うことができ、補加熱調理器30と主加熱調理器2で作った両調理物を温かい時間内に食することができて、加熱調理器1の利便性を大幅に向上することができるようになるものである。なお、補加熱調理器30を流し台本体90の上面板91に単純に載置するものであっても同様である。
また、補加熱調理器30の上面に設けた枠体44に、鍋容器61を載置するだけで、枠体44は脚78内に収納されて、誘導加熱コイル45の好適な位置に炊飯器60を載置することができる。これにより、誘導加熱コイル45と内鍋54底面54Bの位置ずれを確実に防止することができるので、炊飯器60の内鍋54を極めて効率的に加熱することができるようになる。なお、誘導加熱コイル45と内鍋54底面54Bの位置合わせを行う場合でも流し台本体90の上面板91に補加熱調理器30を組み込んでいるので、補加熱調理器30が上面板91で動いてしまうのを未然に阻止することができ、使い勝手を大幅に向上することができる。
また、炊飯器60の下部に収納空間80を形成しているので、内鍋54内に入れた被調理物を加熱調理した炊飯器60を食卓のテーブル85上に載置する際、図4に示すように内鍋54底面54Bが直接テーブル85に触れることがない。また、内鍋54底面54Bが直接テーブル85に触れないので、炊飯器60を直接テーブル85に載置した場合などでも内鍋54の温度がテーブル85に奪われてしまうような不都合も発生しない。また、テーブル85が高温となった内鍋底面で変色したり変形してしまう恐れも解消することができる。
また、内鍋54内に入れた被調理物を加熱調理した炊飯器60を食卓のテーブル85上などに移動する際などにおいても、炊飯器60の下部に収納空間80を形成しているので、内鍋54底面54Bに直接手を触れ難くすることができる。これにより、高温となった内鍋54底面54Bに手が触れてしまう危険性を防止することができる。
なお本実施形態では、補加熱調理器30が商用電源から電源を供給出来、且つ補加熱調理器30内部に補加熱調理器30自身を制御し得る制御装置50を備えている。このような構成において主加熱調理器2と着脱自在に構成しておくと、必要に応じて補加熱調理器30だけを食卓など場所を移動して使用することも可能となる。また、普段は流し台本体90の上面板91に載置して使用することも出来るため、使い勝手を向上することができる。また、本実施形態では補加熱調理器30を主加熱調理器2の左側に載置したが、右側に載置可能に構成しても良い上、主加熱調理器2の左右どちらにも着脱可能に構成してあっても良い。このように構成しておけば、より広範囲の流し台90に対して使用可能となり、利便性がさらに向上する。
これに対して、補加熱調理器30の電源を主加熱調理器2に接続して加熱調理器2から供給されるように構成しても良い。通常、主加熱調理器2は、200V電源に接続されるのが一般的であるから、このように構成することでより高い電力供給が可能となり、加熱出力の高出力化を図ることが可能となる。
また、補加熱調理器30の動作を制御し得る制御装置50を補加熱調理器30内部に設けずに、主加熱調理器2の制御装置で補加熱調理器30を制御可能に構成しても良い。このように構成することで補加熱調理器30の構造の簡易化を図ることが出来るとともに、コスト低減を図ることが可能となる。
実施の形態2.
本実施の形態における加熱調理器1は、前述の実施の形態と略同じ構成を有している。以下、異なる部分について説明する。尚、前述の実施の形態と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。図6は、本発明の他の一実施形態の加熱調理器1の縦断側面図、図7は食卓のテーブル上に載置した炊飯器の縦断側面図である。本実施形態では図7に示すように、炊飯器60の下部に形成した収納空間80の天面にセラミックスプレート或いは耐熱ガラスなどの如き非磁性材料にて構成された底板46を設けている。この底板46下部には脚78内側に前述同様の収納空間80を形成している。
この場合、鍋容器61底面61Aに内鍋54底面が当接する底板46を設けると共に、底板46は鍋容器61の下端部となる底面61Aに取り付けられている。該底板46は、鍋容器61に設けた脚78内側の底面61Aに図示しない接着剤或いはねじなどにより取り付けられている。そして、鍋容器61の開口から内鍋54を収納した際、内鍋54の底面54Bは底板46上に当接する。また、図6に示すように副トッププレート33上に底板46が当接した状態で、鍋容器61底面61Aは、副トッププレート33と所定の間隔を存するか、若しくは、当接する。即ち、炊飯器60を補加熱調理器30の副トッププレート33上に載置して内鍋54を加熱する際に、内鍋54底面54Bは、副トッププレート33と所定の間隔を存するか、若しくは、底板46を介して当接する。また、副トッププレート33上に炊飯器60の内鍋54底面54Bが当接した状態では、本実施形態では鍋容器61底面61Aも、副トッププレート33と所定の間隔を存するか、若しくは、底板46を介して当接する。これにより、誘導加熱コイル45と内鍋54底面54Bを好適な距離に保てるので、誘導加熱コイル45にて内鍋54を好適に加熱することができる。
このように、炊飯器60の内鍋54下側(収納空間80の上側)に底板46を設けているので、炊飯器60を誘導加熱コイル45上から食卓のテーブル85上に移動する際、誤って内鍋54の底面54B側に手などを触れてしまった場合などでも、高温となっている内鍋54底面54Bに直接手が接触する危険性を防止することができるようになる。特に、内鍋54の下側に底板46を設けているので、内鍋54に直接外気が触れるようなこともない。従って、内鍋54内の調理物の保温効果も大幅に増大させることができ、調理物を長時間美味しく保存することができるようになる。
また、炊飯器60の下部に収納空間80を形成しているので、図7に示すように内鍋54に入れた被調理物を加熱調理した炊飯器60を食卓のテーブル85上に載置した場合などでも、内鍋54底面54Bが直接テーブル85に触れることがない。これにより、高温となった内鍋54底面54Bでテーブル85が変色したり変形してしまう恐れも解消される。また、内鍋54底面54Bが直接テーブル85に触れないので、炊飯器60を直接テーブル85に載置した場合などでも内鍋54の温度がテーブル85に奪われ、内鍋54内の調理物が冷めてしまうような不都合も発生しない。他前述同様の効果を得ることができる。
尚、底板46の上面にカマボコ形状、断面山形状、先端先細りの断面半楕円形などの図示しない凸部を設ければ、例えば底板46上面に被調理物などの異物が落ちた場合でも、それらの異物は凸部間或いは凸部で潰れて押し分けられるので、底板46上面から内鍋54が浮くようなことがない。これにより、内鍋54が浮いて蓋体68を固定するためのラッチがロックできないなどの不都合を未然に阻止することができる。また、内鍋54が浮くことにより、内鍋54が誘導加熱コイル45から離間してしまうのを防止することができ、内鍋54の加熱効率の低下を防止することができる。
実施の形態3.
本実施の形態における加熱調理器1は、前述の実施の形態1と略同じ構成を有している。以下、異なる部分について説明する。尚、前述の実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。図8は、本発明の他の一実施形態の加熱調理器1の縦断側面図、図9は本発明の他の一実施形態の鍋容器の底面図である。本実施形態では、図9に示すように鍋容器61の下端部となる底面61Aには複数の円筒形或いは円柱形の柱脚82が設けられている。柱脚82は鍋容器61の底面61Aに所定距離下方に凸出させると共に、底面61A周囲に略等間隔で4箇所設けている。尚、柱脚82は4箇所に限らず、底面61A周囲に略等間隔であれば、2、3箇所或いは4箇所以上設けても差し支えない。
また、図8に示すように補支持枠32上部の略中央に当該補支持枠32上面と略面一に副トッププレート33を設けている。副トッププレート33の周囲となる補支持枠32上面には補支持枠32内部側に陥没させた凹部32B(この場合、凹部32Bは副トッププレート33上面を陥没させても良い)が環状に設けられると共に、凹部32Bは鍋容器61底面61Aに設けた柱脚82を収納可能に構成されている。この凹部32Bは、鍋容器61底面61Aに設けた柱脚82を挿入した状態で、内鍋54を誘導加熱コイル45で好適に加熱できる位置に設けられている。
また、炊飯器60を副トッププレート33上に載置して内鍋54を誘導加熱コイル45にて加熱する際、内鍋54外底面は、副トッププレート33と所定の間隔(略接する間隔)を存して載置されるか、若しくは、当接した状態で載置される。即ち、炊飯器60を補加熱調理器30の副トッププレート33上に載置して内鍋54を加熱する際に、内鍋54底面54Bは、副トッププレート33と所定の間隔を存するか、若しくは、当接すると共に、副トッププレート33上に炊飯器60の内鍋54底面54Bが当接した状態では、鍋容器61底面61Aは、副トッププレート33と所定の間隔を存するか、若しくは、当接する。尚、凹部32Bは鍋容器61底面61Aに設けた柱脚82に対応した位置に設けても差し支えない。これにより、副トッププレート33上の炊飯器60の載置方向を位置決めすることができるので炊飯器60の取り扱いが容易となる。
このように、炊飯器60の鍋容器61底面61A下方に延在する柱脚82を設けると共に、補加熱調理器30の副トッププレート33上面に柱脚82を収納可能な凹部32Bを設けているので、補加熱調理器30の上面を平面にすることができる。これにより、補加熱調理器30の上面の清掃性を大幅に向上させることができる。特に、凹部32Bを環状に形成しているので、凹部32B内に清掃用具(図示せず)を挿入することができる。これにより、凹部32B内を容易に清掃することができる。従って、凹部32B内に塵などが溜まってしまうのを防止することができ、凹部32B内を清潔にすることができる。他前述同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
本実施の形態における加熱調理器1は、前述の実施の形態1と略同じ構成を有している。以下、異なる部分について説明する。尚、前述の実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。図10は、本発明の他の一実施形態の加熱調理器1の補加熱調理器30と炊飯器60の電力と操作・制御情報の流れを示している。この場合、炊飯器60には副操作部38同様の補操作部76が設けられており、副操作部38と補操作部76は補支持枠32に設けられ後述する複数のコネクターを備えた電源供給部40と、炊飯器60に設けられた電源受給部25とが接続されているものとする。
図10では電力の流れを実線矢印、操作・制御情報の流れを点線矢印で示している。電源供給部40には複数のコネクターCN1、CN2、CN3が設けられており、電源受給部25にはコネクターCN1に対応して接続されるコネクターCN11、コネクターCN2に対応して接続されるコネクターCN12、コネクターCN3に対応して接続されるコネクターCN13が設けられている。
補加熱調理器30側の電力ラインは、交流商用電源ACから副操作部38に設けられた電源スイッチSWを介して制御装置50と駆動回路DV1と、電源供給部40(コネクターCN1)に接続されている。駆動回路DV1は副トッププレート33の下側に対応して設けられた誘導加熱コイル45に接続されている。尚、調理器本体30Aは上面板91に組み込んでいるので、調理器本体30Aの電源は主加熱調理器2に接続される交流商用電源にカシメなどにより直接接続しても、コネクターで着脱可能に接続しても差し支えない。
また、炊飯器60側の電力ラインは、補加熱調理器30側のコネクターCN1に接続される電源受給部25に設けられたコネクターCN11から補操作部76と、駆動回路DV11、DV12、DV13に接続されている。駆動回路DV11は内鍋54下方周囲に設けられた側面誘導コイル65(図中補コイル)、駆動回路DV12は鍋容器61周囲の上部近傍に設けられた補助加熱体66(図中胴ヒータ)、駆動回路DV13は蓋体68に設けられた蓋ヒータ74にそれぞれ接続されている。
補加熱調理器30側の操作・制御情報ラインは、副操作部38から制御装置50を介して、駆動回路DV1及び電源供給部40のコネクターCN3に接続されている。炊飯器60側の操作・制御情報ラインは、補操作部76から電源受給部25に設けられたコネクターCN12及び電源供給部40側のコネクターCN2を介して制御装置50に接続されている。
また、電源供給部40に設けられたコネクターCN3に接続される電源受給部25に設けられたコネクターCN13は駆動回路DV11、DV12、DV13に接続されている。即ち、副操作部38と補操作部76の双方で補加熱調理器30に設けた誘導加熱コイル45と、炊飯器60に設けた側面誘導コイル65、補助加熱体66、蓋ヒータ74などを制御可能に構成されている。
このように加熱調理器1は、副操作部38と補操作部76との双方で炊飯器60に設けた側面誘導コイル65、補助加熱体66、蓋ヒータ74などを操作することができるので、補加熱調理器30で炊飯を行った後、炊飯器60を食卓のテーブル85上などに移動した場合などでも電源供給部40を交流商用電源ACに接続すれば、炊飯器60内の調理物の保温を行うことができる。これにより、炊飯器60内の調理物を長時間保温することができるので、内鍋内の調理物の温度が低下して不味くなってしまうなどという不都合を防止することができる。他前述同様の効果を得ることができる。
尚、炊飯器60には図示しない制御装置及び電源スイッチなどを設けても良い。この場合、電源受給部25を電源供給部40から外して炊飯器60を食卓のテーブル85上に載置し、電源受給部25を食卓近傍に設けられた図示しない交流商用電源のコネクターに接続する。また、補操作部76に制御装置を設けることにより、炊飯器60の側面誘導コイル65、補助加熱体66、蓋ヒータ74などを炊飯器60単独で制御することができるので、保温以外に加熱なども行うことができる。
このようにして補操作部76を操作すれば、側面誘導コイル65、補助加熱体66、蓋ヒータ74などを制御操作して炊飯器60の保温、或いは、加熱などの制御を行うことができる。これにより、冷めてしまった炊飯器60内の調理物を暖めることもできるようになると共に、暖めた調理物が冷めてしまうなどの不都合を防止することが可能となり、加熱調理器1の利便性を極めて向上させることができる。従って、炊飯器60内の被調理物の加熱及び保温制御を副操作部38と補操作部76との双方で行うことができるので、加熱調理器1の利便性を更に向上させることができるようになる。
実施の形態5.
本実施の形態における加熱調理器1は、前述の実施の形態と略同じ構成を有している。以下、異なる部分について説明する。本実施形態では、補加熱調理器30の調理器本体30Aは主加熱調理器2の横に隣接して流し台本体90の上面板91に着脱可能に載置できるように構成している。この調理器本体30Aの電源は主加熱調理器2の交流商用電源に接続された電源コードのコネクタ部分に補加熱調理器30の電源コネクタを接続可能な接続部を設けておき、この接続部に着脱可能に接続される。即ち、調理器本体30Aは流し台本体90の上面板91に載置して取り外し可能に構成し、電源は前述の接続部に着脱可能なコネクタにより接続して供給されるように構成されている。そして、この補加熱調理器30のコネクタは一般の商用電源に接続可能な形状と同様の形状をしており、一般の商用電源にも接続可能となっている。
このように、調理器本体30Aを上面板91上に着脱可能に載置できるように構成され、補加熱調理器30の電源コネクタが商用電源に接続可能な形状となっていることによって、調理器本体30Aに設けたコネクタを交流商用電源ACに接続すれば、調理器本体30Aを食卓のテーブル85上などに移動した場合などでも炊飯器60で炊飯調理を行うことができる。また、調理器本体30Aには副操作部38を設けているので調理器本体30A上に鍋などの容器を載置すれば煮物などの調理も行うことができ、加熱調理器1の利便性を更に向上させることができるようになる。
なお、このような構成において、現在の主加熱調理器2の電源は200V電源に接続されるのが一般的であるから、補加熱調理器30に電力を供給するためのコネクタが接続される前述の主加熱調理器2が備えた接続部には、補加熱調理器30に供給する電力を100Vに落とすように構成しているのが良い。このように構成しておくことで、簡易な構造で前述のような利便性を向上することが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る加熱調理器を配設した流し台本体の斜視図である。(実施例1) 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器を構成する補加熱調理器と主加熱調理器を配設した流し台本体の一部斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の縦断側面図である。 テーブルに載置した炊飯器の縦断側面図である。 同図3の炊飯器を構成する鍋容器の底面図である。 本発明の他の一実施形態の加熱調理器の縦断側面図である。 食卓のテーブル上に載置した炊飯器の縦断側面図である。 本発明の他の一実施形態の加熱調理器の縦断側面図である。 本発明の他の一実施形態の鍋容器の底面図である。 本発明の他の一実施形態の加熱調理器の補加熱調理器と炊飯器の電力と操作・制御情報の流れを示すブロック図である。
符号の説明
1 加熱調理器、2 主加熱調理器、9 グリラー、10 主操作部、12 操作スイッチ、25 電源受給部、30 補加熱調理器、31 ベース板、33 副トッププレート、38 副操作部、40 電源供給部、44 枠体、45 誘導加熱コイル、46 底板、50 制御装置、51 冷却用送風機、54 内鍋、54B 底面、60 炊飯器、61 鍋容器、61A 底面、62 内壁、63 空間部、64 外壁、65 側面誘導コイル、66 補助加熱体、67 防磁体壁、68 蓋体、74 蓋ヒータ、75 コード、76 補操作部、78 脚、80 収納空間、85 テーブル、90 流し台本体、AC 交流商用電源。

Claims (1)

  1. 天板上に載置された複数の被加熱物を誘導コイル等の加熱体でそれぞれ加熱する加熱調理器において、
    前記加熱調理器に炊飯を専用に行なう補加熱調理器を構成し、
    前記補加熱調理器は、
    内鍋を収納自在に支持する鍋容器と、該鍋容器を開閉自在に覆う蓋体と、前記鍋容器の底面下方に延在する脚とで形成された調理器の内鍋を加熱し、
    前記補加熱調理器の天板は、内鍋の底面と当接若しくは、所定の間隔を形成し、
    前記内鍋の底面に当接する底板を設け、
    前記底板の上面に、カマボコ形状、断面山形状、または先端先細りの断面半楕円形の凸部を設けた
    ことを特徴とする加熱調理器。
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