JP4193123B2 - 文書処理装置及び文書処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の利用分野】
この発明は、ファクシミリ、スキャナ、コピー機などの文書処理装置と、これらの文書処理装置での文書の処理方法に関する。
【0002】
【従来技術】
【0003】
【特許文献1】
特開2003−23422号公報
特許文献1は、バイオメトリクスデータを用いた本人認証について記載している。そしてバイオメトリクスデータによる本人認証を、複写機などの文書処理装置に適用することも考えられる。
【0004】
【発明の課題】
この発明の課題は、パスコードやIDなどを一々入力しなくても、文書処理装置をユーザ毎の設定情報に従って使用できるようにすると共に、ユーザ毎の設定情報で動作させるか、共用の設定上方で動作させるかを簡単に使い分けることができるようにすることにある。
【0005】
【発明の構成】
この発明の文書処理装置では、文書処理装置の機体上に、バイオメトリクスデータの検出センサへの入力エリアと、該検出センサに入力しないエリアの双方を設けた操作入力手段を設けると共に、ユーザ毎のバイオメトリクスデータを記憶するための手段と、入力されたバイオメトリクスデータと記憶したバイオメトリクスデータとを比較して一致するバイオメトリクスデータを抽出するための手段と、抽出されたバイオメトリクスデータからユーザを特定するための手段と、ユーザ毎の文書処理装置の設定情報を記憶するための手段と、文書処理装置の共用の設定情報を記憶するための手段とを設けて、
前記操作入力手段にバイオメトリクスデータが入力された際に、ユーザ毎の設定情報を呼び出して、ユーザ毎の設定情報に従って文書処理装置を使用できるようにすると共に、バイオメトリクスデータが入力されない際に、前記共用の設定情報に従って文書処理装置を動作させる。
【0006】
この発明の文書処理方法では、文書処理装置の機体上に、バイオメトリクスデータの検出センサへの入力エリアと、該検出センサに入力しないエリアの双方を設けた操作入力手段を設けると共に、
ユーザ毎のバイオメトリクスデータを記憶し、入力されたバイオメトリクスデータと記憶したバイオメトリクスデータとを比較して一致するバイオメトリクスデータを抽出し、抽出されたバイオメトリクスデータからユーザを特定すると共に、ユーザ毎の文書処理装置の設定情報を記憶し、
ユーザ毎の設定情報の他に、文書処理装置の共用の設定情報を記憶し、
前記操作入力手段にバイオメトリクスデータが入力された際に、ユーザ毎の設定情報を呼び出して、ユーザ毎の設定情報に従って文書処理装置を使用できるようにすると共に、バイオメトリクスデータが入力されない際に、前記共用の設定情報に従って文書処理装置を動作させる。
【0007】
【発明の作用と効果】
この発明では、ユーザが入力したバイオメトリクスデータと、その記憶値とを比較して一致するユーザを特定し、このユーザの設定情報に従って文書処理装置を動作させる。この結果、パスコードやIDなどを入力しなくても、ユーザの設定に合わせて文書処理装置を使用することができる。
【0008】
この発明では、文書処理装置の動作をユーザ毎の設定情報に従って動作する状態と、共用の設定情報に従って動作する状態の2つを設け、バイオメトリクスデータの入力の有無に従って、処理を切り替えることができる。このため、ユーザ毎の設定情報に従うか、共用の設定情報に従うかの使い分けができるのみでなく、バイオメトリクスデータを記憶させていない新規のユーザや、バイオメトリクスデータの認証に失敗した場合、共用の設定情報に従って文書処理装置を作動させることができる。ここでバイオメトリクスデータの検出センサの入力エリアと、このセンサに入力しないエリアの双方を設けた操作入力手段を設けると、文書処理装置をユーザ毎の設定情報で動作させるかを簡単に使い分けることができる。
【0009】
【実施例】
図1〜図5に、実施例を示す。図1において、2は文書処理装置の例としての複合機で、その資源4として、ファクシミリ機能処理部6とスキャナ機能処理部8,コピー機能処理部10,プリンタ機能処理部12並びにLANインターフェース14とを備えている。ファクシミリ機能処理部6は、PSTN(公衆電話回線網)16などを介し、G3ファクシミリの送受信などを行う。スキャナ機能処理部8は、図示しないスキャナにより原稿画像を読み取り、コピー機能処理部10は原稿を所定枚数コピーする。またプリンタ機能処理部12は、LAN18などに接続されたパーソナルコンピュータなどのクライアントに対して、プリンタ機能を提供する。LANインターフェース14は、複合機2とLAN18とのインターフェースであり、LAN18はルータ20などを介して、インターネット22などに接続されている。このため、ファクシミリ機能処理部6で作成した画像データは、電子メールの添付ファイルなどとされて、LANインターフェース14などを介して、インターネットファクシミリとして送信される。同様にLANインターフェース14を介して受信したインターネットファクシミリは、ファクシミリ機能処理部6により、プリントアウトや宛先のユーザへの配信などで処理される。
【0010】
複合機2の機体上には操作パネル30を設け、操作パネル30内に電話帳キー32やスタートキー34などの操作入力用のキーを設ける。なおこの明細書において、操作パネルは操作入力用のキーやスイッチなどを配置した機台上のパネルを意味する。
【0011】
電話帳キー32やスタートキー34などのように、頻繁に使用されるキーに対して、またファクシミリ動作のスタート時に用いやすい電話帳キー32やファクシミリ/コピーなどの機能選択キーなどに、指紋センサなどのバイオメトリクスセンサが配置してある。例えば指紋センサは、CCDセンサなどにより指紋のパターンを読み取り、特徴抽出を行うことにより構成できる。これ以外の指で触れるキーに重ねて配置できるバイオメトリクスセンサとしては、指先の毛細血管のパターンのセンサや、汗の成分や汗中に含まれるDNAなどを検出するバイオセンサ、汗腺のパターンのセンサなどがある。またこれ以外に、半導体圧力センサなどをアレイ状に集積化して、キー32などに指で触れる際の圧力の時間的変化と、平面的な圧力の分布のパターンを用いて、バイオメトリクスデータとすることもできる。キーは操作入力手段の例であり、ユーザがキーにタッチした際に、簡単にかつ自動的にバイオメトリクスデータを読み取ることができる。
【0012】
キー32などに重ね合わせるようにしてバイオメトリクスセンサを配置するのでない場合、掌紋や虹彩、顔の画像などをバイオメトリクスデータとすることもできる。またLAN18を介して図示しないパーソナルコンピュータなどから複合機2を動作させる場合、キーボードのキーストロークのパターンや、マウスに加わる圧力のパターンなどをバイオメトリクスデータとすることもできる。
【0013】
実施例では、操作パネル30の操作入力と同時にバイオメトリクスデータが読み取られ、読み取られたバイオメトリクスデータは認証部36で、テーブル38に記憶したユーザ毎のバイオメトリクスデータと比較され、ユーザの特定が行われる。テーブル38には、各ユーザに対して、右手の人差し指でキーにタッチする、あるいは右手の中指でキーにタッチするなどの可能性に備え、複数のバイオメトリクスデータを記憶する。またユーザのパスコードやユーザIDなどのユーザを特定するキャラクター情報(文字情報で、数字を含む文字の列で構成された情報)を記憶し、必要であればこれ以外に、ユーザの所属などを記憶する。認証部36は、バイオメトリクスセンサから入力されたバイオメトリクスデータと、テーブル38に記憶しているバイオメトリクスデータとを比較し、ユーザを特定して、そのユーザIDなどを出力する。なおユーザを特定できなかった場合、認証部36は認証不能のデータを出力し、実施例ではこのデータは、バイオメトリクスデータが入力されなかったことと同じ意味になる。
【0014】
40はユーザデータベースで、ユーザ毎の設定データ(設定情報)を記憶している。そして認証部36でユーザIDが特定されると、該当するユーザに対する設定データがデータベース40から呼び出され、この設定データに従って、操作パネル30での表示が決定されたり、また資源4の動作が決定される。この明細書では、ユーザ毎の設定データに従って、複合機2などの操作入力環境や動作内容を変更することを、ユーザ毎にカスタマイズする、あるいはユーザ毎の設定情報に従って文書処理装置などを動作させる、という。またユーザ毎の設定情報に従って文書処理装置などを動作させることには、例えば操作パネル中のタッチパネル50のキーの機能をユーザ毎の設定により変更するなどのものも含まれる。
【0015】
バイオメトリクスデータが入力されなかった場合や、認証部36がユーザの特定に失敗した場合、共用設定データ記憶部42で記憶している共用の設定データが読み出され、これに従って操作パネル30の表示や資源4の動作が決定される。以上のように、実施例での複合機2の状態は、ユーザ毎にカスタマイズされた状態と、共用の状態の2通りである。そして複合機2は、例えば10人程度のユーザに共用される状態を想定しており、バイオメトリクスデータで本人認証を行う目的は、パスワードなどを入力しなくても、ユーザに応じた操作環境や資源4の動作を提供することである。従って、本人認証の精度は必ずしも高いものである必要はない。このためテーブル38には、バイオメトリクスデータをあまりに高精度な状態で記憶する必要はなく、10人程度のユーザを識別できる程度の精度で、バイオメトリクスデータを記憶すればよい。またユーザIDはユーザの本名というよりも、単なるパスワードやパスコード、あるいは適宜の数字列や文字列などのキャラクターデータであり、テーブル38内に記憶したバイオメトリクスデータが盗み出されても、直ちにバイオメトリクスデータの持ち主が特定される訳ではなく、また記憶しているバイオメトリクスデータの質自体もさして高いものではない。このため盗み出されたバイオメトリクスデータが悪用される恐れは少ない。
【0016】
ユーザの特定は、バイオメトリクスデータの入力のみによるのではなく、操作パネル30からテンキーなどを用いて、パスコードを入力するなどにより、ユーザを特定しても良い。パスコードなどによりユーザIDが入力されると、ユーザデータベース40を用いて、そのユーザに合わせて資源4や操作パネル30のカスタマイズが行われる。
【0017】
装置管理部44は、複合機2の管理に必要な権限レベルをユーザIDと対照可能な形で記憶している。例えば複合機2の管理者は、複合機2の設定データなどを任意に変更することができ、また全てのデータを出力することができ、さらに通信ログなどの全て管理用ファイルの抹消や出力などができる。これに対して、通常のユーザは、テーブル38への自己のバイオメトリクスデータの更新や抹消、ユーザデータベース40での自己の設定データの変更のみが許容されている。あるいは装置管理部44で記憶する権限レベルに中間のレベルを設け、オールマイティの管理者と、一般のユーザの中間の権限レベルを持たせても良い。そして認証部36で特定したユーザID、あるいは操作パネル30から直接入力されたユーザIDなどは、装置管理部44へ入力され、設定の変更などの処理に対して、操作管理部44で定める権限の範囲での操作を許すものとする。
【0018】
装置の個々の動作を示すと、図2に操作パネル30の状態を示す。例えばLCDと感圧センサとを組み合わせたタッチパネル50に、FAXキーやコピーキー、その他のキー、並びに認証キーなどを設け、FAXキーやコピーキー、その他のキーに対しては、例えばその右半分に対してバイオメトリクスセンサ51〜53を配置し、左半分に対してはバイオメトリクスセンサを配置しないものとする。認証キー54では、このキーの例えば全体にバイオメトリクスセンサを配置する。そこで、FAXキーやコピーキー、あるいはその他などのキーにタッチして、以降の操作の内容を選択する段階で、キーの右側にタッチすると、バイオメトリクスデータが読み取られてユーザが特定され、そのユーザに対してカスタマイズされたタッチパネル50が表示されることになる。逆にこれらのキーの左半分にタッチすると、バイオメトリクスデータが読み取られないので、複数のユーザで複合機2を共用する際の共用の設定データに従ってタッチパネル50での表示や複合機2の動作が定まることになる。
【0019】
1つのキーを左右で使い分ける代わりに、所定時間以上継続してキーに触れるとバイオメトリクスデータをキーに重ねて設けたバイオメトリクスセンサから出力し、所定時間未満しかキーに触れていない場合は出力しないように使い分けることもできる。あるいはまた2回続けて、バイオメトリクスセンサを設けたキーにタッチすると、バイオメトリクスセンサからバイオメトリクスデータを出力し、このキーに1回だけタッチした場合には、バイオメトリクスデータを出力しないようにしても良い。
【0020】
また認証キー54の場合、バイオメトリクス認証に関する初期値は不認証であり、認証キー54にタッチすることにより、バイオメトリクスデータが読み取られ、ユーザが特定されることになる。そしてこれと同時に、認証キー54の明暗が変化するなどによって、バイオメトリクスデータが読み取られたことを表示する。図2の左上のように、機能選択用のキーや認証キー54などで、バイオメトリクスデータを読み取るようにすると、複合機2の操作の開始の初期に、ユーザを特定することができる。従って以下のタッチパネル50の表示を、そのユーザに合わせてカスタマイズすることができる。なおタッチパネル50の表示を変える代わりに、タッチパネル中のキーの機能をユーザ毎の設定情報に合わせて変更しても良い。
【0021】
あるいはまた図2の左下のように、FAXキーを選択し、タッチパネル50に電話帳キーが表示された段階で、その右半分にバイオメトリクスセンサ53が配置され、左半分にはバイオメトリクスセンサが配置されていないとする。するとこのキーの右半分に接触した場合、そのユーザに対応する電話帳が表示され、それ以外の場合はユーザ全員に対して共通の一般的な電話帳が表示される。ファクシミリに関する処理を行う場合において、ユーザ間で共用の電話帳と、個々のユーザ毎の電話帳とを選択して表示できると、極めて便利である。例えば送信先選択用の短縮キーなどは、タッチパネル50のサイズのため、個数が制限されている場合が多い。また1人のユーザしか送信しないような宛先のファクシミリ番号やeメールアドレスなどを電話帳に登録するのは、気が引けるものである。しかしながらユーザ毎の電話帳が提供されると、実質的に電話帳の容量が10倍程度になったのと同じことになる。なおこの明細書において、電話帳はファクシミリ番号のリストのみならず、これに電子メールのアドレスを加えたリストを意味する。
【0022】
バイオメトリクスセンサは、操作パネル30上のこれ以外の位置にも配置できる。例えばタッチパネル50の外側に認証用のスイッチを設けて、ここにバイオメトリクスセンサ55を配置しても良い。この場合、バイオメトリクスセンサ55にタッチする前の状態では不認証で、共用の設定データ(設定情報)に従って複合機が動作し、このセンサにタッチしてユーザが特定されると、そのユーザに対する設定情報(設定データ)に従って複合機が動作する。あるいはストップキーやスタートキーなどの頻繁に用いるキーに対して、バイオメトリクスセンサ56,57を配置しても良い。この場合、バイオメトリクスセンサをキーの一部を設けて、バイオメトリクスデータを入力するかしないかの選択が自在であるようにするのが望ましい。
【0023】
図3にテーブル38の構成を示すと、このテーブルはユーザ毎に区分され、記憶エリア60には例えば1人のユーザに対して4つの指紋を記憶できるようにしてある。1人のユーザに対して複数のバイオメトリクスデータを記憶するのは、どの指でキーを操作しても良いようにする、あるいは指のどの位置でキーにタッチしても良いようにするためなどである。ユーザIDは適宜の文字列などで記載され、実際の個人名ではなく、複合機2の内部においてユーザを特定するためのIDである。従ってこのユーザIDは単なるパスコードと見なすこともできる。ユーザIDは記憶エリア61に記憶する。必要であれば記憶エリア62を設けて、各ユーザの所属などの属性を記憶する。なお装置管理部44に記憶したユーザ毎の権限レベルは、テーブル38に記憶しても良い。
【0024】
図4に、バイオメトリクスデータやユーザIDを介しての、複合機2のカスタマイズの例を示す。タッチパネル50などでのキーの配置や表示の内容がユーザ毎に切り替えられ、例えばアドレス帳(電話帳)70の表示が切り替えられる。なおこの明細書でアドレス帳は、ファクシミリの送受信先である電話帳と、電子メールの送受信先であるメールアドレスの双方のアドレスを合わせたものとする。
【0025】
送り状処理部72に対してユーザIDが入力されると、各ユーザ毎の送り状が、送信ファクシミリに自動的に添付され、インターネットファクシミリの場合、電子メールの本文が自動的に作成される。そしてどのような送り状を作成するかを、ユーザ毎に指定できる。前記の装置管理部44に対してユーザIDが入力されると、そのユーザが処理し得る権限範囲を特定することができる。メールボックス処理部74に対してユーザIDが入力されると、このユーザの持つメールボックスに対して、ユーザのアクセスが許可される。従って自分のメールボックスにアクセスするのに、一々パスコードなどを入力しなくても、指で所定のキーに触れるだけでアクセスすることができる。
【0026】
実施例でのユーザ毎のカスタマイズのアルゴリズムを示す。ステップ1でバイオメトリクスデータを受け付ける。バイオメトリクスデータは操作パネルにユーザがタッチした際に、主なキーに指紋の検出センサなどを重ねて配置することにより、無意識に、かつほとんど自動的に読み取れるようにする。そして前記のように、バイオメトリクスセンサは操作入力の初期にタッチするキーに重ねて配置することが好ましい。なお図2の認証キー54などのように、バイオメトリクス認証専用のキーを設けて、そこにタッチすると認証を行うようにすると、認証が不要な場合、キー54などにタッチしなければ良く簡単になる。そして、図5には記載を省略したが、バイオメトリクスデータを受け付け、ユーザを特定できると、操作パネルなどによる操作入力をそのユーザに合わせて、具体的にはユーザ毎の設定情報(設定データ)に従って、カスタマイズする。
【0027】
バイオメトリクスデータの入力は操作入力の完了まで受け付け(ステップ2)、バイオメトリクスデータが入力されている場合(ステップ3)で、かつバイオメトリクスデータによるユーザの特定に成功した場合(ステップ4)、ユーザIDに変換し(ステップ5)、ユーザ毎の設定情報に従って文書処理装置の動作をカスタマイズし、ユーザにカスタマイズされたサービスを提供する(ステップ6)。そしてバイオメトリクスデータが入力されなかった場合、あるいはバイオメトリクスデータからユーザを特定できなかった場合、共有用の設定に従い、複合機を動作させる(ステップ7)。
【0028】
実施例では文書処理装置を例に説明したが、共用される装置に対してバイオメトリクスデータによりユーザを特定して、そのユーザに応じてカスタマイズすることは、他の装置でも行うことができる。例えば一家でテレビを共用する場合、電源オンのスイッチに指紋センサなどのバイオメトリクスセンサを重ねて設け、誰が電源をオンしたかによって、音量やコントラストなどをそのユーザの好みに合わせることができる。すなわちユーザ毎に音量大きめ/小さめ、コントラスト強め/弱めなどを記憶し、電源をオンしたユーザに合わせればよいのである。また家庭用のトースターや電子レンジなどの場合、調理強め/弱めなどをユーザに合わせて記憶し、電源スイッチなどに合わせて、あるいはスタートスイッチなどに合わせて、指紋センサなどのバイオメトリクスセンサを配置して、ユーザを特定し、そのユーザの好みに従って作動させることができる。同様にエアコンの操作スイッチに指紋センサなどを配置し、誰がエアコンを操作しているかにより、目標温度高め/低め、風量強め/弱め、動作時間長め/短めなどを決定しても良い。
【0029】
実施例では以下の効果が得られる。
(1) コピー/ファクシミリ兼用の複合機の動作を、ユーザに合わせて変更できる。
(2) バイオメトリクスデータの入力を、極めて簡単に行うことができる。
(3) キーの一部に指紋センサなどのバイオメトリクスセンサを配置し、他の部分にバイオメトリクスセンサを配置しないことにより、ユーザ毎の設定情報で動作させるかさせないかを、簡単に使い分けることができる。
(4) バイオメトリクスセンサを、操作の初期に入力するキーに重ねて配置すると、操作パネルでの表示、特にタッチパネルの表示や、操作キーへの入力の意味の解釈などを、ユーザ毎に変更できる。
(5) 他のキーと分離して、バイオメトリクスデータの入力専用のキーなどを設けると、複合機をユーザ毎の設定情報に合わせて動作させるかどうかを簡単に使い分けることができる。
(6) ユーザ毎の設定情報に従う状態と、共用の状態の2つの状態を複合機に設けると、使い勝手がよい。例えばバイオメトリクスデータの入力に失敗した場合や、バイオメトリクスデータを記憶させていないユーザでも、それなりの動作環境が得られる。
(7) バイオメトリクスデータを利用して、ユーザの権限レベルの認証を行うと、複合機の管理権限の確認に、パスコードなどの入力を不要にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の複合機のブロック図
【図2】 図1の複合機での操作パネルへのバイオメトリクスセンサの配置を、模式的に示す図
【図3】 実施例での、バイオメトリクスデータとユーザIDとの対応表を、模式的に示す図
【図4】 実施例でのバイオメトリクスデータによる複合機のカスタマイズを示すブロック図
【図5】 実施例での、バイオメトリクスデータを用いた複合機のカスタマイズアルゴリズムを示すフローチャート
【符号の説明】
2 複合機
4 資源
6 ファクシミリ機能処理部
8 スキャナ機能処理部
10 コピー機能処理部
12 プリンタ機能処理部
14 LANインターフェース
16 PSTN(公衆電話回線網)
18 LAN
20 ルータ
22 インターネット
30 操作パネル
32 電話帳キー
34 スタートキー
36 認証部
38 テーブル
40 ユーザデータベース
42 共用設定データ記憶部
44 装置管理部
50 タッチパネル
51〜53 バイオメトリクスセンサ
54 認証キー
55〜57 バイオメトリクスセンサ
60〜62 記憶エリア
70 アドレス帳
72 送り状処理部
74 メールボックス処理部

Claims (2)

  1. 文書処理装置の機体上に、バイオメトリクスデータの検出センサへの入力エリアと、該検出センサに入力しないエリアの双方を設けた操作入力手段を設けると共に、ユーザ毎のバイオメトリクスデータを記憶するための手段と、入力されたバイオメトリクスデータと記憶したバイオメトリクスデータとを比較して一致するバイオメトリクスデータを抽出するための手段と、抽出されたバイオメトリクスデータからユーザを特定するための手段と、ユーザ毎の文書処理装置の設定情報を記憶するための手段と、文書処理装置の共用の設定情報を記憶するための手段とを設けて、
    前記操作入力手段にバイオメトリクスデータが入力された際に、ユーザ毎の設定情報を呼び出して、ユーザ毎の設定情報に従って文書処理装置を使用できるようにすると共に、バイオメトリクスデータが入力されない際に、前記共用の設定情報に従って文書処理装置を動作させるようにした、文書処理装置。
  2. 文書処理装置の機体上に、バイオメトリクスデータの検出センサへの入力エリアと、該検出センサに入力しないエリアの双方を設けた操作入力手段を設けると共に、
    ユーザ毎のバイオメトリクスデータを記憶し、入力されたバイオメトリクスデータと記憶したバイオメトリクスデータとを比較して一致するバイオメトリクスデータを抽出し、抽出されたバイオメトリクスデータからユーザを特定すると共に、ユーザ毎の文書処理装置の設定情報を記憶し、
    ユーザ毎の設定情報の他に、文書処理装置の共用の設定情報を記憶し、
    前記操作入力手段にバイオメトリクスデータが入力された際に、ユーザ毎の設定情報を呼び出して、ユーザ毎の設定情報に従って文書処理装置を使用できるようにすると共に、バイオメトリクスデータが入力されない際に、前記共用の設定情報に従って文書処理装置を動作させるようにした、文書処理方法。
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