JP4192368B2 - 空気通路切替装置および車両用空調装置 - Google Patents

空気通路切替装置および車両用空調装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム式のスライドドアにて空気通路を切り替える空気通路切替装置、およびそれを用いた車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来装置は、略平板状のドア基板に可撓性を有するフィルム部材を組み付けてスライドドアを構成し、ケースの空気通路の周縁シール面に沿ってスライドドアを摺動させることにより、フィルム部材のシール面が空気通路を開閉して空気通路の切替を行うようになっている。
【0003】
そして、ドア基板に対するフィルム部材の組付けは、次のようにして行われる。まず、ドア基板の側面に一体に形成したピン部を、フィルム部材の両端部に形成した取付穴に挿入し、次に、ピン部の先端を熱かしめして抜け止め部を形成することにより、ドア基板とフィルム部材とを一体化するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来装置では、ドア基板とフィルム部材の組付けに際しては、上記したようにピン部の挿入工程とピン部先端の熱かしめ工程の2工程を必要とし、しかも、熱かしめのための設備も必要となり、それらが製造コスト上昇の一因となっている。
【0005】
また、一般的にドア基板とフィルム部材は異材質であるため、リサイクルのためには両者を分解する必要がある。しかしながら、ドア基板とフィルム部材は、熱かしめして形成した抜け止め部によって一体化されているので、フィルム部材をカッター等で切るか、あるいはフィルム部材を引き裂いて、ドア基板とフィルム部材を分解するようにしている。このように、ドア基板とフィルム部材を分解するのは容易ではないため、リサイクルコストも高くなってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、フィルム式のスライドドアを用いる空気通路切替装置において、ドア基板とフィルム部材の組付け工程を簡略化し、また、ドア基板とフィルム部材の分解を容易にして、製造コストやリサイクルコストの低減を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空気の流れ方向(A)と略直交する方向に摺動して空気通路(22、23)を開閉するスライドドア(27)を備え、スライドドア(27)は、空気通路(22、23)の周縁シール面(22a、23a)に圧着して空気通路(22、23)を閉塞する可撓性を有するフィルム部材(29)と、フィルム部材(29)が装着されたドア基板(28)とを有する空気通路切替装置において、
フィルム部材(29)は、空気通路(22、23)を閉塞するフィルムシール面(29a)と、このフィルムシール面(29a)の両端部にて空気流れ方向(A)に曲げられた取付面(29b)とを有し、取付面(29b)に、空気流れ方向(A)に長い取付穴(29c)と、取付穴(29c)から空気流れ方向(A)と略直交する方向に延びるスリット(29d)とを形成し、
ドア基板(28)において取付穴(29c)に対応する位置に、ドア基板(28)に一体に形成され取付穴(29c)に挿入されるピン部(28c)と、このピン部(28c)の先端に一体に形成されフィルム部材(29)がピン部(28c)から抜けるのを防止する抜け止め部(28d)とを設け、スリット(29d)の長さ(L1)を、フィルム部材(29)の脱着時に抜け止め部(28d)が通過可能な長さに設定し
フィルムシール面(29a)が周縁シール面(22a、23a)に圧着された状態の時、スリット(29d)が、抜け止め部(28d)における空気流れ方向(A)と直交する方向の中心線(D)上ないしは中心線(D)よりもフィルムシール面(29a)側に位置していることを特徴とする。
【0008】
これにより、抜け止め部をスリットから通過させてドア基板とフィルム部材の組付けを行うことができるため、ピン部と抜け止め部をドア基板に予め一体成形することができる。従って、熱かしめ工程が不要で、ドア基板とフィルム部材の組付け工程を簡略化して、製造コストを低減することができる。しかも、熱かしめのための設備も不要であるため、さらに製造コストを低減することができる。
また、フィルムシール面が周縁シール面に圧着された状態では、スリットよりも取付面の自由端側で、取付面と抜け止め部との重なり部分F(図9参照)の面積が大きくなるため、重なり部分Fが変形しにくくなる。従って、フィルム部材がピン部から抜けにくくなり、空調運転時のフィルム部材の脱落を防止することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明のように、ドア基板(28)とフィルム部材(29)を異材質にした空気通路切替装置に好適である。すなわち、この場合、リサイクルのためにはドア基板とフィルム部材を分解する必要があるが、抜け止め部をスリットから通過させて両者の分解を行うことができるため、それらのの分解が容易で、リサイクルコストを低減することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、フィルムシール面(29a)と取付面(29b)とのなす角(θ1)を90度以下にしたことを特徴とする。
【0011】
ところで、スリットを大量の空気が通過すると、いわゆる笛吹現象により通過音が発生するが、請求項3に記載の発明によれば、フィルムシール面と取付面とのなす角θ1を90度以下にしたことにより、取付面の自由端とドア基板の本体部との隙間S1(図4参照)が小さくなり、従って、その隙間S1から流入してスリットを通過する空気を少なくして、通過音の発生を防止することができる。
【0012】
また、フィルムシール面と取付面とのなす角θ1が90度以下の場合、θ1>90度の場合よりも、フィルム部材がピン部から外れにくいという利点がある。すなわち、フィルム部材をピン部から外すには、フィルム部材の取付面を図4に示す角度θ2だけ曲げなければならず、その角度θ2は角度θ1が小さいほど大きくなってフィルム部材がピン部から外れにくくなる。従って、空調運転時のフィルム部材の脱落を防止することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、ピン部(28c)が取付穴(29c)内においてフィルムシール面(29a)側に最も移動したときに、抜け止め部(28d)における空気流れ方向(A)と直交する方向の中心線(D)が、スリット(29d)よりもフィルムシール面(29a)側に位置することを特徴とする。
【0014】
これによると、スリットよりも取付面の自由端側で、取付面と抜け止め部との重なり部分E(図8参照)の面積が小さくなるため、重なり部分Eを容易に変形させることができる。従って、抜け止め部の外縁の一部を容易にスリットに侵入させることが可能で、ドア基板とフィルム部材との分解が極めて容易となる。
【0015】
請求項5に記載の発明では、ドア基板(28)とフィルムシール面(29a)との間には、フィルムシール面(29a)を周縁シール面(22a、23a)に圧着させる弾性部材(30)が配設されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明では、スリット(29d)の端部に丸穴(29f)を設けたことを特徴とする。これにより、スリットの両端部の引き裂き強度を向上させることができる。
【0018】
さらに、請求項7に記載のように、本発明は、車両用空調装置における、車室内への吹出空気の複数の空気通路(22、23)を開閉する空気通路切替装置として好適に実施できる。
【0019】
さらに、請求項8に記載のように、本発明は、車両用空調装置における、加熱用熱交換器(18)の通路(50)を通過する空気と加熱用熱交換器(18)の冷風バイパス通路(51)を通過する冷風との風量割合を調整する空気通路切替装置として好適に実施できる。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1〜9は本発明の第1実施形態を示すもので、本実施形態の車両用空調装置は、車室内が大きいワンボックス車等の後席側空間を空調する後席用空調装置に係るものである。
【0023】
まず、図1において、10は後席用車両用空調装置を示し、この空調装置10の主体は車両後方部の床面近傍位置において車両外壁と車両内壁との間に設置される。車両用空調装置10は、大別して車両前後方向に並ぶように配置された送風ユニット11と、エアコンユニット12とからなる。
【0024】
送風ユニット11は、空調装置10内部に車室内後部の内気を吸引するためのものであって、本実施形態では車両用空調装置は内気のみを吸い込むようになっている。送風ユニット11は、車両幅方向(図1の紙面表裏方向)の両側にそれぞれ図示しない内気吸入口が形成されている。送風ユニット11には、遠心式電動送風機13が備えられている。この送風機13は、遠心ファン14と、ファン駆動用モータ14aとを有し、遠心ファン14はスクロールケーシング15内に配置されている。
【0025】
送風ユニット11のスクロールケーシング15の空気下流側には、車両前後方向に延びる流路を構成するダクト部16が形成されている。このダクト部16は、送風ユニット11から送風された送風空気を下方から上方へ向かって流れを変更させてエバポレータ17に導入するためのものである。このダクト部16により送風ユニット11の出口部がエアコンユニット12の入口部に接続される。
【0026】
エアコンユニット12は、送風ユニット11より車両後方側に配置されており、樹脂製ケース12aにより流路が下方から上方に延びるように形成されている。エアコンユニット12のケース12a内には、空調空気の冷却用熱交換器をなすエバポレータ17と、その空気下流側に位置するヒータコア(加熱用熱交換器)18が配設されている。エバポレータ17およびヒータコア18は、エアコンユニット12内に、その通風面が略水平となるように車両上下方向に積層して配置されている。
【0027】
従って、上記送風機13から送風された送風空気は、上記ダクト部16によって車両前方から後方へ向かって流れたのち、エアコンユニット12のケース12a内に導入される。そして、ケース12a内に導入された送風空気は、下方から上方に向かうように流れを変更して、上記エバポレータ17およびヒータコア18を通過する。
【0028】
エバポレータ17は、図示しない圧縮機、凝縮器、受液器、減圧器とともに配管結合された周知の冷凍サイクルを構成するものであり、ケース12a内の空気を冷却除湿する。ヒータコア18は、自動車エンジンからの温水(冷却水)を熱源とする加熱用熱交換器であり、上記エバポレータ17にて冷却された冷風を加熱する。
【0029】
本実施形態では、ヒータコア18への温水量を調整する温水弁19をヒータコア18の温水回路に設け、この温水弁19の開度調整によりヒータコア18への温水量を調整することにより、車室内への吹出空気温度を調整する。
【0030】
また、エアコンユニット12のケース12a内には、エバポレータ17を通過した空気(冷風)がヒータコア18をバイパスして流れる冷風バイパス通路20が設けられている。この冷風バイパス通路20は、冷風バイパスドア21にて開閉される。
【0031】
図1、2に示すように、エアコンユニット12のケース12aにおいて、ヒータコア18の下流側部位(車両上方部位)には、矩形状のフェイス用開口部22とフット用開口部23とが形成されている。また、ケース12aにおいて、フェイス用開口部22およびフット用開口部23の各周縁部にはシール面22a、23aが形成されている。フェイス用開口部22は、ヒータコア18で温度調整された空調風を後席側乗員の上半身に向けて送風するためのものであり、フェイス用ダクト25を介して車両天井部の後席用フェイス吹出口(図示せず)に連結されている。一方、フット用開口部23は、ヒータコア18で温度調整された空調風を後席側乗員の足元部に向けて送風するためのものであり、フット用ダクト26を介して後席乗員の足元部に位置する後席用フット吹出口(図示せず)に連結されている。
【0032】
フェイス用開口部22およびフット用開口部23では、送風空気は矢印Aのように下方から上方に向かって流れ、スライドドア27は、空気流れAと直交する方向に、周縁シール面22a、23aに沿って図示の矢印B方向に摺動する。そして、スライドドア27を矢印B方向に摺動させることによりフェイス用開口部22とフット用開口部23が開閉され、これにより、吹出モードとして周知のフェイスモード、バイレベルモード、フットモードが切替可能になっている。
【0033】
図3に示すように、スライドドア27は、ドア基板28とこのドア基板28に支持されるフィルム部材29とを備えている。ドア基板28は、ポリプロピレン等の樹脂にて田の字状の平坦な枠体形状に成形されて複数の開口部28aが形成されている。そして、ドア基板28の上面部(開口部22、23側の面)に、フィルム部材29がドア基板開口部28aを覆うように取付られる。
【0034】
そして、ドア基板28には、両開口部22、23の周縁シール面22a、23aに対向する位置に、スポンジ状の多孔質樹脂発泡材からなる弾性部材30が接着等の手段で固着されている。この弾性部材30は、フィルム部材29のビビリ音や打音を防止するためのものである。
【0035】
フィルム部材29は、ある程度の可撓性があり、摩擦抵抗が小さく、通気性のない薄膜状の樹脂材料にて成形されている。具体的には、フィルム部材29は、例えば、厚さ188μm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムからなる。
【0036】
フィルム部材29は、周縁シール面22a、23aに圧着するフィルムシール面29aとドア基板28に取り付ける取付面29bとを有し、フィルム部材29の両端部に位置する取付面29bはシール面29aに対して略直角に曲げが施されている。具体的には、図4に示すように、フィルムシール面29aと取付面29bとのなす角θ1を90度以下にしている。フィルム部材29の取付面29bは、ドア基板28のドア摺動方向Bの両端に取り付けられ、このとき取付面29bは、ドア基板28の側面に略平行となる。なお、シール面29aは、上記開口部22、23を閉塞するために、開口部22、23より大きい面積を有している。
【0037】
図3、5に示すように、フィルム部材29の取付面29bには、フィルム部材29をドア基板28に取り付けるための複数個の取付穴29cが設けられている。取付穴29cは長穴形状になっており、フィルム部材29をドア基板28に取り付けた際、長穴の長手方向が空気流れ方向Aを向くようにしてある。また、取付穴29cの長手方向の中央部から、空気流れ方向Aと直交する方向に延びるスリット29dが形成されている。
【0038】
図3、6に示すように、ドア基板28のうちドア摺動方向Bの両端部には、取付穴29cの位置に対応して、取付穴29cと同数の円柱状の取付ピン部28cが形成されている。このピン部28cの先端には、ピン部28cよりも大径の傘形状の抜け止め部28dが形成され、この抜け止め部28dは、ドア基板28とフィルム部材29の組付け後にフィルム部材29がピン部28cから抜けるのを防止する。そして、ピン部28cと抜け止め部28dは、ドア基板28に一体成形されている。
【0039】
また、ドア基板28のうち、ドア摺動方向Bと直交方向の左右両端の側面に、それぞれ2箇所づつガイドピン28bが一体に突出成形されている。このガイドピン28bは、スライドドア27の矢印方向Bへの摺動を案内するものである。すなわち、図2に示すようにエアコンユニット12のケース12aにおいて、フェイス用開口部22およびフット用開口部23よりも下方の内壁面に、ドア摺動方向Bと平行に延びる水平方向のガイド溝31、32が左右両側に設けられ、このガイド溝31、32内にそれぞれガイドピン28bが摺動可能に嵌入される。このため、スライドドア27はガイドピン28bとガイド溝31、32との嵌合部により摺動可能にケース12aに保持される。
【0040】
さらに、図3に示すように、ドア基板28の中央下面部(ヒータコア18側の面)には、ドア摺動方向Bに延びるラック28eがドア基板28に一体成形されている。そして、ラック28eに噛み合うピニオン34(図1)が図示しない回転軸に支持され、この回転軸が、ケース12aの外に配置したサーボモータ(ドア駆動手段、図示せず)に連結されている。そして、サーボモータによりピニオン34を回転させることにより、スライドドア27が矢印方向Bに直線運動するようになっている。
【0041】
次に、ドア基板28とフィルム部材29の脱着等について説明する。
【0042】
ドア基板28に対するフィルム部材29の組付けは、まず、スリット29dを変形させて抜け止め部28dの外縁の一部をスリット29dに挿入する。続いて、図7のように、抜け止め部28dの残部をスリット29dから通過させる。これにより、取付穴29c内にピン部28cが挿入され、図4のように、ドア基板28の本体部と抜け止め部28dとによってフィルム部材29の取付面29bが挟持され、ドア基板28とフィルム部材29とが一体化される。
【0043】
一方、ドア基板28とフィルム部材29とを分解する場合は、図8に示すように、弾性部材30を圧縮させてピン部28cを取付穴29c内の最上部(フィルムシール面29a側)に移動させ、スリット29dを抜け止め部28dの外縁の端部側に位置させる。この状態の時、抜け止め部28dの中心部が、より具体的には抜け止め部28dにおける空気流れ方向Aと直交する方向の中心線Dが、スリット29dよりもフィルムシール面29a側に位置するようにしている。次に、図8の状態から、取付面29bの自由端29e(図8において下方側)を図8の矢印C方向に移動させることにより、スリット29dを変形させて抜け止め部28dの外縁の一部をスリット29dに挿入する。続いて、抜け止め部28dの残部をスリット29dから通過させて分解する。
【0044】
図9は、スライドドア27をケース12aに組み付けた状態を示すもので、弾性部材30によりフィルム部材29のフィルムシール面29aがケース12aの周縁シール面22a、23aに圧着されている。この状態の時、スリット29dが、抜け止め部28dにおける空気流れ方向Aと直交する方向の中心線Dよりもフィルムシール面29a側に位置するようにしている。
【0045】
ここで、スリット29dの長さL1と抜け止め部28dの直径D1は、フィルム部材29の脱着時に抜け止め部28dがスリット29dを通過可能な寸法に設定される。また、抜け止め部28dの直径D1と取付穴29cの短径L2は、ドア基板28とフィルム部材29の組付け後に、フィルム部材29がピン部28cから抜けるのを防止可能な寸法に設定される。具体的設計例としては、L1=12mm、D1=7.5mm、L2=3.6mmである。また、取付穴29cの長径は7mm、ピン部28cの直径は3mm程度が望ましい。
【0046】
次に、上記構成において作動を説明すると、サーボモータの回転方向および回転量を選択することにより、スライドドア27の矢印B方向への摺動位置を任意に設定でき、これにより、フェイス用開口部22とフット用開口部23とを開閉して、吹出口モードとして周知のフェイス、バイレベル、フットの各モードを所望に選択できる。
【0047】
次に、本実施形態の特徴について説明する。
【0048】
抜け止め部28dをスリット29dから通過させてドア基板28とフィルム部材29の組付けを行うようにしているため、ピン部28cと抜け止め部28dをドア基板28に予め一体成形することができる。従って、熱かしめ工程が不要で、ドア基板28とフィルム部材29の組付け工程を簡略化して、製造コストを低減することができる。しかも、熱かしめのための設備も不要であるため、さらに製造コストを低減することができる。
【0049】
また、抜け止め部28dをスリット29dから通過させてドア基板28とフィルム部材29の分解を行うことができ、これによればドア基板28とフィルム部材29の分解が容易で、リサイクルコストを低減することができる。
【0050】
また、スリット29dを大量の空気が通過すると、いわゆる笛吹現象により通過音(ピー音)が発生するが、フィルムシール面29aと取付面29bとのなす角θ1を90度以下にしたことにより、取付面29bの自由端とドア基板28の本体部との隙間S1(図4)が小さくなり、従って、その隙間S1から流入してスリット29dを通過する空気が少なくなり、笛吹現象による通過音の発生を防止することができる。なお、隙間S1は3mm以下にするのが望ましい。
【0051】
また、フィルムシール面29aと取付面29bとの曲げ角θ1が90度以下の場合、θ1>90度の場合よりも、フィルム部材29がピン部28cから外れにくいという利点がある。すなわち、フィルム部材29をピン部28cから外すには、フィルム部材29の取付面29bを図4に示す角度θ2だけ曲げなければならず、その角度θ2は曲げ角θ1が小さいほど大きくなってフィルム部材29がピン部28cから外れにくくなる。従って、空調運転時のフィルム部材29の脱落を防止することができる。
【0052】
また、ピン部28cを取付穴29c内の最上部(フィルムシール面29a側)に移動させた時、抜け止め部28dにおける空気流れ方向Aと直交する方向の中心線Dが、スリット29dよりもフィルムシール面29a側に位置するようにしている。これによると、スリット29dよりも取付面29bの自由端29e側で、取付面29bと抜け止め部28dとが重なる部分E(図8のハッチングの範囲)の面積が小さいため、図8の状態から取付面29bの自由端29eを図8の矢印C方向に移動させた際に、重なり部分Eが容易に変形して、抜け止め部28dの外縁の一部が容易にスリット29dに侵入する。従って、ドア基板28とフィルム部材29との分解が極めて容易である。
【0053】
また、スライドドア27をケース12aに組み付けた状態では、スリット29dが、抜け止め部28dにおける空気流れ方向Aと直交する方向の中心線Dよりもフィルムシール面29a側に位置するようにしている。これによると、スリット29dよりも取付面29bの自由端29e側で、取付面29bと抜け止め部28dとが重なる部分F(図9のハッチングの範囲)の面積が大きいため、重なり部分Fが変形しにくく、従って、フィルム部材29がピン部28cから抜けにくい。
【0054】
(第2実施形態)
図10は第2実施形態を示すもので、スリット29dの両端部に丸穴29fを設けて、スリット29dの両端部の引き裂き強度を向上させている。この丸穴29fの直径を2mmにした場合、丸穴なしのものよりも、引き裂き強度が2〜3倍に増加する。なお、図10に示していない部分の構成は、第1実施形態と同じである。
【0055】
(第3実施形態)
図11は第3実施形態を示すもので、車室内前部の計器盤部に配置されるエアコンユニット12は、車室内への吹出空気温度の制御方式として、ヒータコア18の上流側の通路50を通過する空気と、ヒータコア18の側方の冷風バイパス通路51を通過する冷風との風量割合を調整するエアミックス方式を採用している。そして、このエアミックス方式のドア手段としてスライドドア27を用いている。
【0056】
このスライドドア26の具体的構成は第1実施形態と同じでよいので、説明を省略する。なお、図11において、38はセンターフェイス開口部、39はサイドフェイス開口部、40はデフロスタ開口部、41はフット開口部であり、42はセンターフェイス開口部38への通路と、デフロスタ開口部40およびフット開口部41への通路とを開閉する第1モードドアである。43はデフロスタ開口部40への通路とフット開口部41への通路とを開閉する第2モードドアである。
【0057】
(他の実施形態)
本発明によるスライドドアは、車両用空調装置の内外気切替ドアにも適用することができる。さらに、車両用空調装置以外の用途の空気通路切替装置にも広く本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を適用する車両後席用空調装置の概略縦断面図である。
【図2】第1実施形態のケース上部の斜視図である。
【図3】第1実施形態のスライドドアの分解斜視図である。
【図4】第1実施形態のスライドドア単体をドア摺動方向の直交方向から見た側面図である。
【図5】第1実施形態のフィルム部材の要部斜視図である。
【図6】第1実施形態のドア基盤の要部斜視図である。
【図7】第1実施形態のフィルム部材をドア基板に組付ける状態を示す斜視図である。
【図8】(a)は第1実施形態のスライドドア単体をドア摺動方向から見た正面図、(b)は側面図である。
【図9】(a)は第1実施形態のスライドドア単体をケースに組み付けた状態を示す正面図、(b)は側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態によるフィルム部材の要部斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態を示す車両前席用空調装置の概略縦断面図である。
【符号の説明】
22、23、50、51…空気通路、22a、23a…周縁シール面、
27…スライドドア、28…ドア基板、28c…ピン部、28d…抜け止め部、
29…フィルム部材、29a…フィルムシール面、29b…取付面、
29c…取付穴、29d…スリット、A…空気流れ方向。

Claims (8)

  1. 空気通路(22、23、50、51)を流れる空気の流れ方向(A)と略直交する方向に摺動して前記空気通路(22、23、50、51)を開閉するスライドドア(27)を備え、
    前記スライドドア(27)は、前記空気通路(22、23、50、51)の周縁シール面(22a、23a)に圧着して前記空気通路(22、23、50、51)を閉塞する可撓性を有するフィルム部材(29)と、前記フィルム部材(29)が装着されたドア基板(28)とを有する空気通路切替装置において、
    前記フィルム部材(29)は、前記空気通路(22、23、50、51)を閉塞するフィルムシール面(29a)と、このフィルムシール面(29a)の両端部にて空気流れ方向(A)に曲げられた取付面(29b)とを有し、
    前記取付面(29b)に、空気流れ方向(A)に長い取付穴(29c)と、前記取付穴(29c)から空気流れ方向(A)と略直交する方向に延びるスリット(29d)とを形成し、
    前記ドア基板(28)において前記取付穴(29c)に対応する位置に、前記ドア基板(28)に一体に形成され前記取付穴(29c)に挿入されるピン部(28c)と、このピン部(28c)の先端に一体に形成され前記フィルム部材(29)が前記ピン部(28c)から抜けるのを防止する抜け止め部(28d)とを設け、
    前記スリット(29d)の長さ(L1)を、前記フィルム部材(29)の脱着時に前記抜け止め部(28d)が通過可能な長さに設定し
    前記フィルムシール面(29a)が前記周縁シール面(22a、23a)に圧着された状態の時、前記スリット(29d)が、前記抜け止め部(28d)における空気流れ方向(A)と直交する方向の中心線(D)上ないしは前記中心線(D)よりも前記フィルムシール面(29a)側に位置していることを特徴とする空気通路切替装置。
  2. 前記ドア基板(28)と前記フィルム部材(29)の材質が異なることを特徴とする請求項1記載の空気通路切替装置。
  3. 前記フィルムシール面(29a)と前記取付面(29b)とのなす角(θ1)を90度以下にしたことを特徴とする請求項1または2記載の空気通路切替装置。
  4. 前記ピン部(28c)が前記取付穴(29c)内において前記フィルムシール面(29a)側に最も移動したときに、前記抜け止め部(28d)における空気流れ方向(A)と直交する方向の中心線(D)が、前記スリット(29d)よりも前記フィルムシール面(29a)側に位置することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の空気通路切替装置。
  5. 前記ドア基板(28)と前記フィルムシール面(29a)との間には、前記フィルムシール面(29a)を前記周縁シール面(22a、23a)に圧着させる弾性部材(30)が配設されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の空気通路切替装置。
  6. 前記スリット(29d)の端部に丸穴(29f)を設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の空気通路切替装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の空気通路切替装置を備え、前記スライドドア(27)により車室内への吹出空気の複数の空気通路(22、23)を開閉することを特徴とする車両用空調装置。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の空気通路切替装置を備え、加熱用熱交換器(18)の通路(50)を通過する空気と前記加熱用熱交換器(18)の冷風バイパス通路(51)を通過する冷風との風量割合を、前記スライドドア(27)により調整するすることを特徴とする車両用空調装置。
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