JP4192183B2 - 差動増幅回路 - Google Patents

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Description

本発明は、差動信号を入力可能な差動増幅回路に係り、特に、集積回路に好適な差動増幅回路に関する。
例えば高精度パイプライン型A/D変換器を実現するには、差動直流利得(以後、「直流利得」と表記)の高い差動増幅回路が必要である。差動増幅回路で高い直流利得を得るための構成の一つに、ゲインブースト増幅回路を利用する構成がある。差動増幅回路の直流利得は、追加されたゲインブースト増幅回路の直流利得分上昇させることができる。ゲインブースト増幅回路を含む差動増幅回路を利用したA/D変換器の例として、下記非特許文献1に開示のものがある。
同文献に開示されるゲインブースト増幅回路は、出力のコモンモード電圧を基準電位vddとvssの中央値付近に調節するためトランジスタが追加された構成であり、このトランジスタに流れる電流の分だけ消費電力が大きくなっている。
ユン・チウ他2名(Yun Chiu et al.)、「14b 12MS/s CMOS パイプライン ADC ウィズ・オーバ 100bB SFDR」(" A 14-b 12-MS/s CMOS pipeline ADC with over 100-dB SFDR")、ジェイ・エス・エス・シー(IEEE Journal of Solid-State Circuit)、米国、アイトリプルイー(IEEE)、2004年12月、第39巻、第12号、pp.2139〜2151
本発明は、消費電力をより低減しかつ高い直流利得を得ることができる差動増幅回路を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る差動増幅回路は、1対の差動入力端子を有し、かつ、前記1対の差動入力端子に入力される差動電圧に応じた差動電流を出力する1対の差動出力ノードを有する入力段と、第1のトランジスタと第1のゲインブースト増幅回路とを有し、前記第1のトランジスタのソースに前記1対の差動出力ノードの一方および前記第1のゲインブースト増幅回路の入力側が接続され、前記第1のトランジスタのゲートに前記第1のゲインブースト増幅回路の出力側が接続され、前記第1のトランジスタのドレインが負側電流出力ノードである第1の中間段と、第2のトランジスタと第2のゲインブースト増幅回路とを有し、前記第2のトランジスタのソースに前記1対の差動出力ノードの他方および前記第2のゲインブースト増幅回路の入力側が接続され、前記第2のトランジスタのゲートに前記第2のゲインブースト増幅回路の出力側が接続され、前記第2のトランジスタのドレインが正側電流出力ノードである第2の中間段と、前記負側電流出力ノードおよび前記正側電流出力ノードを1対の差動入力ノードとし、かつ、前記1対の差動入力ノードに入力される差動電流に応じた差動電圧を出力する1対の差動出力端子を有する出力段とを具備し、前記第1のゲインブースト増幅回路が、一端を第1の基準電位に接続された第1および第2の電流源回路と、ソースに前記差動出力ノードの一方が接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第1の電流源回路の電流をバイアス電流とする第3のトランジスタと、ソースが第2の基準電位に接続され、ドレインに前記第3のトランジスタから電流が入力され、ゲートが前記第3のトランジスタのドレインに接続された第4のトランジスタと、ゲートとソースとが前記第4のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続され、ドレインに前記第2の電流源回路からの電流が入力される第5のトランジスタと、ゲートとソースとが前記第4のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続された第6のトランジスタとを有し、かつ、前記第3のトランジスタのソースが該第1のゲインブースト増幅回路の前記入力であり、前記第5のトランジスタのドレインの側に該第1のゲインブースト増幅回路の前記出力があり、前記第2のゲインブースト増幅回路が、一端を前記第1の基準電位に接続された第3および第4の電流源回路と、ソースに前記差動出力ノードの他方が接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第3の電流源回路の電流をバイアス電流とする第7のトランジスタと、ソースが前記第2の基準電位に接続され、ドレインに前記第7のトランジスタから電流が入力され、ゲートが前記第7のトランジスタのドレインに接続された第8のトランジスタと、ゲートとソースとが前記第8のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続され、かつ、ドレインに前記第4の電流源回路からの電流が入力される第9のトランジスタと、ゲートとソースとが前記第8のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続された第10のトランジスタとを有し、かつ、前記第7のトランジスタのソースが該第2のゲインブースト増幅回路の前記入力であり、前記第9のトランジスタのドレインの側に該第2のゲインブースト増幅回路の前記出力があり、前記第6のトランジスタのドレインが、前記第8のトランジスタのドレインに接続され、かつ、前記第10のトランジスタのドレインが、前記第4のトランジスタのドレインに接続され、前記第4および前記第10のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅の合計と前記第5のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅との比が、前記第1の電流源回路と前記第2の電流源回路との電流比にほぼ比例し、前記第4のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅が、前記第10のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上であり、前記第8および前記第6のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅の合計と前記第9のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅との比が、前記第3の電流源回路と前記第4の電流源回路との電流比にほぼ比例し、前記第8のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅が、前記第6のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上である。
この差動増幅回路では、これに含まれる第1、第2のゲインブースト増幅回路に工夫がある。すなわち、1)第6のトランジスタのドレインが、第8のトランジスタのドレインに接続され、かつ、第10のトランジスタのドレインが、第4のトランジスタのドレインに接続されている。2)第4および第10のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅の合計と第5のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅との比が、第1の電流源回路と第2の電流源回路との電流比にほぼ比例し、第4のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅が、第10のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上である。3)第8および第6のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅の合計と第9のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅との比が、第3の電流源回路と第4の電流源回路との電流比にほぼ比例し、第8のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅が、第6のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上である。
これらにより、第4および第10のトランジスタの並列出力抵抗、並びに第8および第6のトランジスタの並列出力抵抗が高くなり、第1、第2のゲインブースト増幅回路の利得を大きくすることができる。したがって、差動増幅回路として、ゲインブースト増幅回路の直流利得が増加する分その直流利得を大きくすることができる。なお、出力のコモンモード電圧を基準電位vddとvssの中央値付近に調節するためのトランジスタは不要であり消費電力の低減になっている。
また、本発明の別の態様に係る差動増幅回路は、1対の差動入力端子を有し、かつ、前記1対の差動入力端子に入力される差動電圧に応じた差動電流を出力する1対の差動出力ノードを有する入力段と、第1のトランジスタと第1のゲインブースト増幅回路とを有し、前記第1のトランジスタのソースに前記1対の差動出力ノードの一方および前記第1のゲインブースト増幅回路の入力側が接続され、前記第1のトランジスタのゲートに前記第1のゲインブースト増幅回路の出力側が接続され、前記第1のトランジスタのドレインが負側電流出力ノードである第1の中間段と、第2のトランジスタと第2のゲインブースト増幅回路とを有し、前記第2のトランジスタのソースに前記1対の差動出力ノードの他方および前記第2のゲインブースト増幅回路の入力側が接続され、前記第2のトランジスタのゲートに前記第2のゲインブースト増幅回路の出力側が接続され、前記第2のトランジスタのドレインが正側電流出力ノードである第2の中間段と、前記負側電流出力ノードおよび前記正側電流出力ノードを1対の差動入力ノードとし、かつ、前記1対の差動入力ノードに入力される差動電流に応じた差動電圧を出力する1対の差動出力端子を有する出力段とを具備し、前記第1のゲインブースト増幅回路が、一端を第1の基準電位に接続された第1および第2の電流源回路と、ソースに前記差動出力ノードの一方が接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第1の電流源回路の電流をバイアス電流とする第3のトランジスタと、ソースが第2の基準電位に接続され、ドレインに前記第3のトランジスタから電流を入力され、ゲートが前記第3のトランジスタのドレインに接続された第4のトランジスタと、ゲートとソースとが前記第4のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続され、ドレインに前記第2の電流源回路からの電流を入力される第5のトランジスタと、ソースが前記第4のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第1の電流源回路の電流をバイアス電流とする第11のトランジスタと、ソースが前記第5のトランジスタのドレインに接続され、かつ前記第2の電流源回路の電流をバイアス電流とする第12のトランジスタと、前記第11のトランジスタのソースおよび第12のトランジスタのソースを両極性の入力として増幅を行いその出力を前記第12のトランジスタのゲートに供給する第1のサブゲインブースト増幅回路とを有し、前記第2のゲインブースト増幅回路が、一端を前記第1の基準電位に接続された第3および第4の電流源回路と、ソースに前記差動出力ノードの一方が接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第3の電流源回路の電流をバイアス電流とする第7のトランジスタと、ソースが第2の基準電位に接続され、ドレインに前記第7のトランジスタから電流を入力され、ゲートが前記第7のトランジスタのドレインに接続された第8のトランジスタと、ゲートとソースとが前記第8のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続され、ドレインに前記第4の電流源回路からの電流を入力される第9のトランジスタと、ソースが前記第8のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第3の電流源回路の電流をバイアス電流とする第13のトランジスタと、ソースが前記第9のトランジスタのドレインに接続され、かつ前記第4の電流源回路の電流をバイアス電流とする第14のトランジスタと、前記第13のトランジスタのソースおよび第14のトランジスタのソースを両極性の入力として増幅を行いその出力を前記第14のトランジスタのゲートに供給する第2のサブゲインブースト増幅回路とを有し、前記第1のゲインブースト増幅回路の前記第1のサブゲインブースト増幅回路が、ソースを前記両極性の入力の一方としゲートにバイアス電圧が印加された第15のトランジスタと、ソースを前記両極性の入力の他方としゲートにバイアス電圧が印加された第16のトランジスタと、ソースが前記第2の基準電位に接続され、ゲートが前記第16のトランジスタのドレインに接続され、ドレイン電流を前記第16のトランジスタへ出力する第17のトランジスタと、ソースとゲートとが前記第17のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続され、ドレイン電流を前記第15のトランジスタへ出力する第18のトランジスタとを備え、前記第2のゲインブースト増幅回路の前記第2のサブゲインブースト増幅回路が、ソースを前記両極性の入力の一方としゲートにバイアス電圧が印加された第19のトランジスタと、ソースを前記両極性の入力の他方としゲートにバイアス電圧が印加された第20のトランジスタと、ソースが前記第2の基準電位に接続され、ゲートが前記第20のトランジスタのドレインに接続され、ドレイン電流を前記第20のトランジスタへ出力する第21のトランジスタと、ソースとゲートとが前記第21のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続され、ドレイン電流を前記第19のトランジスタへ出力する第22のトランジスタとを備える。
この差動増幅回路では、これに含まれる第1、第2のゲインブースト増幅回路に別の工夫が加えられている。すなわち、第1のゲインブースト増幅回路には、第11のトランジスタのソースおよび第12のトランジスタのソースを両極性の入力として増幅を行いその出力を第12のトランジスタのゲートに供給する第1のサブゲインブースト増幅回路が備えられ、第2のゲインブースト増幅回路には、第13のトランジスタのソースおよび第14のトランジスタのソースを両極性の入力として増幅を行いその出力を第14のトランジスタのゲートに供給する第2のサブゲインブースト増幅回路が備えられている。
ここで、第1のサブゲインブースト増幅回路は、ソースを前記両極性の入力の一方としゲートにバイアス電圧が印加された第15のトランジスタと、ソースを前記両極性の入力の他方としゲートにバイアス電圧が印加された第16のトランジスタと、ソースが第2の基準電位に接続され、ゲートが第16のトランジスタのドレインに接続され、ドレイン電流を第16のトランジスタへ出力する第17のトランジスタと、ソースとゲートとが第17のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続され、ドレイン電流を第15のトランジスタへ出力する第18のトランジスタとを備えている。また、第2のサブゲインブースト増幅回路も同様の構成を備えている。
これらにより、第1、第2のゲインブースト増幅回路の利得を大きくすることができる。したがって、差動増幅回路として、ゲインブースト増幅回路の直流利得が増加する分その直流利得を大きくすることができる。なお、出力のコモンモード電圧を基準電位vddとvssの中央値付近に調節するためのトランジスタは不要であり消費電力の低減になっている。
本発明によれば、差動信号を入力可能な差動増幅回路において、消費電力をより低減しかつ高い直流利得を得ることができる。
本発明の一態様における実施態様として、前記第1のゲインブースト増幅回路が、ソースが前記第4のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第1の電流源回路の電流をバイアス電流とする第11のトランジスタと、ソースが前記第5のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第2の電流源回路の電流をバイアス電流とする第12のトランジスタとをさらに有し、前記第12のトランジスタのドレインに該第1のゲインブースト増幅回路の前記出力があり、前記第2のゲインブースト増幅回路が、ソースが前記第8のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第3の電流源回路の電流をバイアス電流とする第13のトランジスタと、ソースが前記第9のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第4の電流源回路の電流をバイアス電流とする第14のトランジスタとをさらに有し、前記第14のトランジスタのドレインに該第2のゲインブースト増幅回路の前記出力がある、とすることができる。
このように構成することで、第11、第12のトランジスタのトランスコンダクタンスとその出力抵抗との積の分だけ、および第13、第14のトランジスタのトランスコンダクタンスとその出力抵抗との積の分だけ、第1または第2のゲインブースト増幅回路の利得を増加させることができる。よって差動増幅回路としてさらに利得を高められる。
また、実施態様として、前記第1のゲインブースト増幅回路が、ソースが前記第5のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第2の電流源回路の電流をバイアス電流とする第12のトランジスタをさらに有し、前記第12のトランジスタのドレインに該第1のゲインブースト増幅回路の前記出力があり、前記第2のゲインブースト増幅回路が、ソースが前記第9のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第4の電流源回路の電流をバイアス電流とする第14のトランジスタをさらに有し、前記第14のトランジスタのドレインに該第2のゲインブースト増幅回路の前記出力がある、とすることもできる。
このように構成することで、第12のトランジスタのトランスコンダクタンスとその出力抵抗との積の分だけ、および第14のトランジスタのトランスコンダクタンスとその出力抵抗との積の分だけ、第1または第2のゲインブースト増幅回路の利得を増加させることができる。よって差動増幅回路としてさらに利得を高められる。
また、本発明の別の態様における実施態様として、前記第1のゲインブースト増幅回路の前記第1のサブゲインブースト増幅回路が、ソースが前記第17のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第17のトランジスタのドレイン電流をバイアス電流とする第23のトランジスタと、ソースが前記第18のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第18のトランジスタのドレイン電流をバイアス電流とする第24のトランジスタとをさらに備え、前記第2のゲインブースト増幅回路の前記第2のサブゲインブースト増幅回路が、ソースが前記第21のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第21のトランジスタのドレイン電流をバイアス電流とする第25のトランジスタと、ソースが前記第22のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第22のトランジスタのドレイン電流をバイアス電流とする第26のトランジスタとをさらに備える、とすることができる。
第23、第24、第25、第26のトランジスタをこのようにさらに備えることで第1、第2のサブゲインブースト増幅回路の利得をさらに増加させることができる。このように第1、第2のサブゲインブースト増幅回路の利得を増加させることで第1、第2のゲインブースト増幅回路の利得が増加し、したがって、差動増幅回路しても利得をさらに大きくすることができる。
また、実施態様として、前記第1のゲインブースト増幅回路が、ゲートとソースとが前記第4のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続された第6のトランジスタをさらに有し、前記第2のゲインブースト増幅回路が、ゲートとソースとが前記第8のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続された第10のトランジスタをさらに有し、前記第6のトランジスタのドレインが、前記第8のトランジスタのドレインに接続され、かつ、前記第10のトランジスタのドレインが、前記第4のトランジスタのドレインに接続され、前記第4および前記第10のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅の合計と前記第5のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅との比が、前記第1の電流源回路と前記第2の電流源回路との電流比にほぼ比例し、前記第4のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅が、前記第10のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上であり、前記第8および前記第6のトランジスタのゲート幅の単位ゲート長当たりに換算した合計と前記第9のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅との比が、前記第3の電流源回路と前記第4の電流源回路との電流比にほぼ比例し、前記第8のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅が、前記第6のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上である、とすることもできる。
このような構成により、第4および第10のトランジスタの並列出力抵抗、並びに第8および第6のトランジスタの並列出力抵抗が高くなり、第1、第2のゲインブースト増幅回路の利得を大きくすることができる。したがって、差動増幅回路として、ゲインブースト増幅回路の直流利得が増加する分その直流利得をさらに大きくすることができる。
また、実施態様として、前記第1のゲインブースト増幅回路の前記第1のサブゲインブースト増幅回路が、ゲートとソースとが前記第17のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続された第27のトランジスタをさらに備え、前記第2のゲインブースト増幅回路の前記第2のサブゲインブースト増幅回路が、ゲートとソースとが前記第21のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続された第28のトランジスタをさらに備え、前記第27のトランジスタのドレインが、前記第21のトランジスタのドレインに接続され、かつ、前記第28のトランジスタのドレインが、前記第17のトランジスタのドレインに接続され、前記第17のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅が、前記第28のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上であり、前記第21のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅が、前記第27のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上である、とすることもできる。
このような構成により、第17および第28のトランジスタの並列出力抵抗、並びに第21および第27のトランジスタの並列出力抵抗が高くなり、第1、第2のサブゲインブースト増幅回路の利得を大きくすることができる。このように第1、第2のサブゲインブースト増幅回路の利得を増加させることで第1、第2のゲインブースト増幅回路の利得が増加し、したがって、差動増幅回路しても利得をさらに大きくすることができる。
以上を踏まえ、以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。それぞれの図面間で同一または同一相当のものには同一符号を付している。それらの重複する説明は省略する。また、トランジスタTN(Nは数字および英字)に関し、電圧−電流変換比(以下、トランスコンダクタンスと表記)をgmN、出力抵抗をroNと記載する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る差動増幅回路の概略構成を示す回路ブロック図である。この差動増幅回路100において、差動入力端子1から入力された信号電圧IN+は、入力段20において電圧−電流変換され差動出力ノード3から出力される。出力された電流は、NMOSトランジスタT1のソースに入力され、ドレインから出力される。NMOSトランジスタT1のドレインから出力された電流は、負側電流出力ノード5から出力段30に入力され、電圧に変換される。この過程を経て増幅された出力信号OUT-が、差動出力端子7から出力される。
同様に、差動入力端子2から入力された信号電圧IN-は、入力段20において電圧−電流変換され差動出力ノード4から出力される。出力された電流は、NMOSトランジスタT2のソースに入力され、ドレインから出力される。NMOSトランジスタT2のドレインから出力された電流は、正側電流出力ノード6から出力段30に入力され、電圧に変換される。この過程を経て増幅された出力信号OUT+が、差動出力端子8から出力される。
NMOSトランジスタT1には、ゲインブースト増幅回路G1が接続されている。ゲインブースト増幅回路G1の入力端子11は、NMOSトランジスタT1のソースに接続されている。またゲインブースト増幅回路G1の出力端子13は、NMOSトランジスタT1のゲートに接続されている。同様に、ゲインブースト増幅回路G2の入力端子12は、NMOSトランジスタT2のソースに接続されている。また、ゲインブースト増幅回路G2の出力端子14は、NMOSトランジスタT2のゲートに接続されている。トランジスタT1とゲインブースト増幅回路G1とで、およびトランジスタT2とゲインブースト増幅回路G2とでそれぞれ中間段が構成される。
図2は、図1中に示したゲインブースト増幅回路G1、G2の一形態を示す回路図である。図示するように回路200を構成するゲインブースト増幅回路G1と同G2の回路構成は同一であり、ゲインブースト増幅回路G1の電流源回路D1、D2、NMOSトランジスタT3、PMOSトランジスタT4〜T6、接続ノードS1が、ゲインブースト増幅回路G2の電流源回路D3、D4、NMOSトランジスタT7、PMOSトランジスタT8〜T10、接続ノードS2にそれぞれ対応している。
代表してゲインブースト増幅回路G1について述べると、一端を基準電位vssに接続された電流源回路D1、D2と、ソースに差動出力ノード3が接続され、ゲートにバイアス電圧vb2が印加され、電流源回路D1の電流をバイアス電流とするトランジスタT3と、ソースが基準電位vddに接続され、ドレインにトランジスタT3から電流が入力され、ゲートがトランジスタT3のドレインに接続されたトランジスタT4と、ゲートとソースとがトランジスタT4のそれらにそれぞれ共通接続され、ドレインに電流源回路D2からの電流が入力されるトランジスタT5と、ゲートとソースとがトランジスタT4のそれらにそれぞれ共通接続されたトランジスタT6とを有する。また、トランジスタT3のソースがゲインブースト増幅回路G1の入力(入力端子11)であり、トランジスタT5のドレインの側にゲインブースト増幅回路G1の出力(出力端子13)がある。さらに、トランジスタT6のドレインが、トランジスタT8のドレインに接続され、かつ、トランジスタT10のドレインが、トランジスタT4のドレインに接続されている。
図2に示すゲインブースト増幅回路G1、G2には、さらに、ゲートに所定のバイアス電圧vb1が印加され、ソースにPMOSトランジスタT4、T5、T8、T9のドレインがそれぞれ接続されたPMOSトランジスタT11〜T14がそれぞれ追加されている。代表してゲインブースト増幅回路G1について述べると、ソースがトランジスタT4のドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧vb1が印加され、電流源回路D1の電流をバイアス電流とするトランジスタT11と、ソースがトランジスタT5のドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧vb1が印加され、電流源回路D2の電流をバイアス電流とするトランジスタT12とをさらに有する。トランジスタT12のドレインにゲインブースト増幅回路G1の出力(出力端子13)がある。
以下、ゲインブースト増幅回路G1の直流利得(直流電圧利得、以下同)を見積もる。ゲインブースト増幅回路G1の直流利得は、入力端子11から接続ノードS1までの直流利得と、接続ノードS1から出力端子13までの直流利得との積で与えられる。
まず、入力端子11から接続ノードS1までの直流利得を見積もる。入力端子11から接続ノードS1までの直流利得は、NMOSトランジスタT3のトランスコンダクタンスと接続ノードS1に見える抵抗との積で定まる。入力端子11から電流ΔIが入力されると、NMOSトランジスタT3に流れる電流もΔI変化する。NMOSトランジスタT3のゲートには、バイアス電圧vb2が印加されているので、入力された電流変化ΔIと入力端子11の電圧変化ΔVin1とは、
ΔI=gm3*ΔVin1 (1)
を満足するように変化する。
接続ノードS1に見える抵抗を見積もる。電流源回路D1の出力インピーダンスを十分大きいとすると、接続ノードS1に見える抵抗は、接続ノードS1から基準電位vddまでの間に接続されたPMOSトランジスタT4、T10、T11で定まる。図2に示すように、ソースが基準電位vddに接続されたPMOSトランジスタT4および同T10それぞれのドレインと、ゲートに所定のバイアス電圧vb1を印加されたPMOSトランジスタT11のソースとが接続ノードS11で接続されており、PMOSトランジスタT4、T10、T11はカスコード回路を構成している。
図3は一般的なカスコード回路を示す回路図である。ソースに基準電位vssに接続されたNMOSトランジスタT100のドレインと、ゲートに所定のバイアス電圧vgが印加されたNMOSトランジスタT101のソースとが接続されている。回路300のNMOSトランジスタT101のドレインから基準電位vssまでに見える抵抗Rcasは、よく知られているように、NMOSトランジスタT101のトランスコンダクタンスとその出力抵抗とNMOSトランジスタT100の出力抵抗との3つの積で概算される。すなわち
Rcas = gm101*ro101*ro100 (2)
である。
図2に戻って、今、PMOSトランジスタT4、同T10それぞれのドレインが接続されている接続ノードS11の電圧変化をΔVs11とおく。PMOSトランジスタT4、T10に流れる電流変化の合計はΔIなので、接続ノードS11から基準電位vddまでに見える抵抗は、ΔVs11/ΔIとかける。このとき、接続ノードS1における抵抗Rs1は、(2)から、
Rs1 = gm11*ro11*(ΔVs11/ΔI) (3)
となる。
ここで、接続ノードS11から基準電位vddまでに見える抵抗ΔVs11/ΔIを見積もる。PMOSトランジスタT4、T10の電流変化をそれぞれΔI1、ΔI2とおくと、
ΔI =ΔI1+ΔI2 (4)
である。今、PMOSトランジスタT4、T10の出力抵抗ro4、ro10が十分大きいとする。このとき、PMOSトランジスタT4のゲートは、接続ノードS1に接続されているので、トランジスタT4の電圧変化はΔVs1であり、
ΔI1= gm4*ΔVs1 (5)
を満足する。
一方、PMOSトランジスタT10のゲートは、接続ノードS2に接続されている。差動増幅回路100としての動作なので、ゲインブースト増幅回路G1の接続ノードS1の電圧がΔVs1変化するとき、対応するゲインブースト増幅回路G2の接続ノードS2の電圧変化は-ΔVs1になる。よって、
ΔI2= gm10*(-ΔVs1) (6)
を満足する。
(4)〜(6)から、
ΔI = (gm4-gm10)*ΔVs1 (7)
となる。
今、PMOSトランジスタT4、T10それぞれの単位ゲート長あたりに換算したゲート幅が等しいすると、接続ノードS1と同S2とはバイアス電圧が等しいので、gm4=gm10が成り立つ。よって(7)から、ΔVs11/ΔI = ∞であり、PMOSトランジスタT4と同T10との並列出力抵抗が無限大になる。しかし実際には、PMOSトランジスタT4、T10の出力抵抗が有限なので、
ΔVs11/ΔI = ro4||ro10 (8)
となり、接続ノードS11から基準電位vddまでに見える抵抗ΔVs11/ΔIは、PMOSトランジスタT4、T10それぞれの出力抵抗の並列抵抗になる。
なお、ゲインブースト増幅回路G1が反転増幅回路として機能するためには、接続ノードS1から基準電圧vddまでに見える抵抗ΔVs1/ΔIの符号が正である必要がある。(7)から、接続ノードS1から基準電圧vddまでに見える抵抗ΔVs1/ΔIの符号は、トランジスタT4のトランスコンダクタンスとトランジスタT10のトランスコンダクタンスとの差gm4-gm10に依存している。トランジスタのトランスコンダクタンスは、一般に単位ゲート長あたりのゲート幅の平方根に比例しているので、トランジスタT4の単位ゲート長当たりに換算したゲート幅は、トランジスタT10の単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上にする必要がある。また、トランジスタT4、T5、T10のドレイン電圧をほぼ一致させるために、トランジスタT4、T10の単位ゲート長当たりに換算したゲート幅の合計とトランジスタT5の単位ゲート長当たりに換算したゲート幅との比が、電流源回路D1の電流の大きさと電流源回路D2の電流の大きさとの比にほぼ一致することが好ましい。
(1)、(3)、(8)より、入力端子11から接続ノードS1までの電圧利得ΔVs1/ΔVinは、
ΔVs1/ΔVin = gm3*Rs1
= gm3*gm11*ro11*(ro4||ro10) (9)
となり、トランジスタのトランスコンダクタンスの2乗と出力抵抗の2乗との積で概算される。
次に、接続ノードS1から出力端子13までの直流利得を見積もる。接続ノードS1から出力端子13までの直流利得は、PMOSトランジスタT5のトランスコンダクタンスと出力端子13に見える抵抗との積で定まる。出力端子13に見える抵抗は、電流源回路D2の出力抵抗を十分大きいとすると、PMOSトランジスタT5と同T12とで定まる。ソースに基準電位vddが接続されたPMOSトランジスタT5のドレインと、ゲートに所定のバイアス電圧vb1が印加されたPMOSトランジスタT12のソースとが接続されているので、PMOSトランジスタT5、T12はカスコード回路を構成している。よって、出力端子13に見える抵抗R13は、(2)より、
R13 = gm12*ro12*ro5 (10)
となる。
したがって、接続ノードS1から出力端子13までの直流利得ΔVout1/ΔVs1は、(10)から、
ΔVout1/ΔVs1 = gm5*R13
= gm5*gm12*ro12*ro5 (11)
となり、トランジスタのトランスコンダクタンスの2乗と出力抵抗の2乗との積で概算される。
以上より、ゲインブースト増幅回路G1の直流電圧利得ΔVout1/ΔVin1は、(9)と(11)との積であり、
ΔVout1/ΔVin1 = ΔVout1/ΔVs1 * ΔVs1/ΔVin1
= gm5*gm12*ro12*ro5 * gm3*gm11*ro11*(ro4||ro10) (12)
で表され、トランジスタのトランスコンダクタンスの4乗と出力抵抗の4乗との積で概算される。
図4は、図1中に示したゲインブースト増幅回路G1、G2の別の形態を示す回路図である。この回路400では、電流源回路D1〜D4を具体的な回路として構成している。ゲインブースト増幅回路G1において、NMOSトランジスタT31、T32は、それぞれ電流源回路D1、D2に相当しており、ソースが基準電位vssに接続され、ゲートに所定のバイアス電圧vb3が印加され、ドレインから一定電流Iを出力している。NMOSトランジスタT33は、ソースをNMOSトランジスタT32のドレインに接続され、ゲートに所定のバイアス電圧vb2が印加され、ドレインに出力端子13が接続されている。また、ゲインブースト増幅回路G2のNMOSトランジスタT34〜T36とゲインブースト増幅回路G1のNMOSトランジスタT31〜T33とはそれぞれ対応しており、NMOSトランジスタT34、T35は、それぞれ電流源回路D3、D4に相当する。
図4の接続ノードS1および出力端子13それぞれに見える抵抗を見積もる。接続ノードS1に見える抵抗Rs1_4は、接続ノードS1から基準電位vddまでに見える抵抗Rs1_4(vdd)と、接続ノードS1から基準電位vssまでに見える抵抗Rs1_4(vss)との並列抵抗で定まる。接続ノードS1から基準電位vddまでに見える抵抗Rs1_4(vdd)は、(3)のRs1に等しい。また、接続ノードS1から基準電位vssまでに見える抵抗Rs1_4 (vss)は、ゲートにバイアス電圧vb2が印加されたNMOSトランジスタT3のソースと、ソースを基準電位vssに接続されたNMOSトランジスタT31のドレインとが接続されているので、(2)より、
Rs1_4 (vss) = gm3*ro3*ro31 (13)
となる。(3)、(8)、(13)より、接続ノードS1に見える抵抗Rs1_4は、
Rs1_4 = Rs1_4(vdd)||Rs1_4(vss)
= {gm11*ro11*(ro4||ro10)||gm3*ro3*ro31} (14)
となる。(14)より、接続ノードS1に見える抵抗は、図4の回路においても、トランジスタのトランスコンダクタンスと出力抵抗の2乗との積で概算される。
出力端子13に見える抵抗を見積もる。出力端子13に見える抵抗R13_4は、出力端子13から基準電位vddまでに見える抵抗R13_4(vdd)と、出力端子13から基準電位vssまでに見える抵抗との並列抵抗R13_4(vss)で定まる。出力端子13から基準電位vddまでに見える抵抗R13_4(vdd)は、式(10)のR13に等しい。また、接続ノードS1から基準電位vssまでに見える抵抗R13_4(vss)は、ゲートを基準電位vb2に接続されたNMOSトランジスタT33のソースと、ソースを基準電位vssに接続されたNMOSトランジスタT32のドレインとが接続されているので、(2)より、
R13_4(vss) = gm33*ro33*ro32 (15)
となる。(10)、(15)より、接続ノードS1に見える抵抗R13_4は、
R13_4 = R13_4(vdd)||R13_4(vss)
= gm12*ro12*ro5||gm33*ro33*ro32 (16)
となる。(16)より、出力端子13に見える抵抗は、図4の回路においても、トランジスタのトランスコンダクタンスと出力抵抗の2乗との積で概算される。
(14)、(16)から、図4に示すゲインブースト増幅回路G1の直流利得は、図2に示したゲインブースト増幅回路G1同様、トランジスタのトランスコンダクタンスの4乗と出力抵抗の4乗との積で概算される。
一方、図14に示した比較参照例としての差動フォールディッドカスコード型ゲインブースト増幅回路1400の電圧利得を見積もってみる。図2のゲインブースト増幅回路G1およびG2の電圧利得に相当するのは、単相直流利得、すなわち、入力端子(負)11から出力端子(正)13までの電圧利得、もしくは、入力端子(正)12から出力端子(負)14までの電圧利得である。
入力端子11から出力端子13までの電圧利得を見積もる。入力端子11から出力端子13までの電圧利得は、入力段1401のNMOSトランジスタTJ7のトランスコンダクタンスgmJ7と、出力端子13に見える抵抗R13_14との積である。出力端子13に見える抵抗R13_14は、出力端子13から基準電位vddまでに見える抵抗R13_14(vdd)と、出力端子13から基準電位vssまでに見える抵抗R13_14(vss)との並列である。出力端子13から基準電位vddまでに見える抵抗R13_14(vdd)は、PMOSトランジスタTJ2、TJ12、およびサブゲインブースト増幅回路GJ1で定まる。
PMOSトランジスタTJ12のソースは、基準電位vddに接続されている。PMOSトランジスタTJ2は、ソースがPMOSトランジスタTJ12のドレインに接続され、ドレインが出力端子13に接続されている。サブゲインブースト増幅回路GJ1は、負の入力端子21がPMOSトランジスタTJ2のソースに接続され、正の出力端子23がPMOSトランジスタTJ2のゲートに接続されている。トランジスタTJ2、TJ12、およびサブゲインブースト増幅回路GJ1でアクティブカスコード回路が構成されている。
図5は、一般的なアクティブカスコード回路を示す回路図である。この回路500では、NMOSトランジスタT200はソースが基準電位vssに接続されている。NMOSトランジスタT201は、ソースがNMOSトランジスタT200のドレインに接続されている。反転増幅回路G202は、負の入力端子203がNMOSトランジスタT201のソースに、正の出力端子204がNMOSトランジスタT201のゲートにそれぞれ接続されている。回路500のNMOSトランジスタT201のドレインから基準電位vssまでに見える抵抗Rac_casは、NMOSトランジスタT201のトランスコンダクタンスおよびその出力抵抗、NMOSトランジスタT200の出力抵抗、ならびに反転増幅回路G202の直流利得Ag202の4者の積で表され、
Rac_cas = Ag202*gm201*ro201*ro200 (17)
とかける。
図14に戻って、式(17)より、サブゲインブースト増幅回路GJ1の単相直流利得をAgj1とすると、正の出力端子13から基準電位vddまでに見える抵抗R13_14(vdd)は、
R13_14(vdd) = Agj1*gmJ2*roJ2*roJ12 (18)
とかける。
正の出力端子13から基準電位vssまでに見える抵抗R13_14(vss)は、NMOSトランジスタTJ4、TJ10、およびサブゲインブースト増幅回路GJ2で定まる。NMOSトランジスタTJ10のソースは、基準電位vssに接続されている。NMOSトランジスタTJ4は、ソースがNMOSトランジスタTJ10のドレインに接続されている。サブゲインブースト増幅回路GJ2は、負の入力端子27がNMOSトランジスタTJ4のソースに接続され、正の出力端子28がNMOSトランジスタTJ4のゲートに接続されている。トランジスタTJ4、TJ10、およびサブゲインブースト増幅回路GJ2でアクティブカスコード回路が構成されている。
よって(17)より、サブゲインブースト増幅回路GJ2の単相直流利得をAgj2とすると、正の出力端子13から基準電位vssまでに見える抵抗R13_14(vss)は、
R13_14(vss) = Agj2*gmJ4*roJ4*roJ10 (19)
とかける。
(18)、(19)より、正の出力端子13に見える抵抗R13_14は、
R13_14 = R13_14(vdd)|| R13_14(vss)
= Agj1*gmJ2*roJ2*roJ12||Agj2*gmJ4*roJ4*ro10 (20)
となる。
(20)より、負の入力端子11から正の出力端子13までの電圧利得は、
gmJ7(Agj1*gmJ2*roJ2*roJ12||Agj2*gmJ4*roJ4*roJ10) (21)
となり、トランジスタのトランスコンダクタンスの2乗と出力抵抗の2乗とサブゲインブースト増幅回路GJ1もしくはGJ2の単相直流利得との積で概算される。
サブゲインブースト増幅回路GJ1、GJ2の単相直流利得Agj1、Agj2を見積もる。サブゲインブースト増幅回路GJ1、GJ2は、どちらも完全差動フォールディッドカスコード型の回路構成を持つとすることができ、直流利得は同等である。図15は、図14中に示したゲインブースト増幅回路GJ1、GJ2の一形態を示す回路図である。
完全差動フォールディッドカスコード型増幅回路1500の直流利得Agj1は、単相電圧利得であり、例えば、負の入力端子21に接続された入力段1501のNMOSトランジスタTJS7のトランスコンダクタンスと出力端子23に見える抵抗との積である。出力端子23に見える抵抗R23_15は、出力端子23から基準電位vddまでに見える抵抗R23_15(vdd)と、出力端子23から基準電位vssまでに見える抵抗R23_15(vss)との並列である。PMOSトランジスタTJS2のゲートとNMOSトランジスタTJS4のゲートにそれぞれバイアス電圧vbj1、vbj2が印加されており、かつ、PMOSトランジスタTJS12のソースとNMOSトランジスタTJS10のソースはそれぞれ基準電位vdd、vssに接続されているので、(10)より、
R23_15(vdd)=gmJS2*roJS2*roJS12 (22)
R23_15(vss)=gmJS4*roJS4*roJS10 (23)
である。
(22)、(23)から、
R23 = R23_15(vdd)||R23_15(vdd)
= gmJS2*roJS2*roJS12||gmJS4*roJS4*roJS10 (24)
となる。(24)より、サブゲインブースト増幅回路GJ1の単相直流利得Agj1は、
Agj1 = gmjS7*(gmJS2*roJS2*roJS12||gmJS4*roJS4*roJS10) (25)
となり、トランジスタのトランスコンダクタンスの2乗と出力抵抗の2乗との積で概算される。
(21)、(25)から、図14に示すゲインブースト増幅回路G1の電圧利得は、トランジスタのトランスコンダクタンスの4乗と出力抵抗の4乗との積で概算される。
以上から、図2、図4に示したゲインブースト増幅回路G1は、図14に示すゲインブースト増幅回路1400と同等の直流利得を有していることがわかる。
次に、消費電力を比較する。図2に示した回路200を構成するゲインブースト増幅回路G1、G2の電流の合計は、電流源回路D1〜D4の各々の電流がIなので、合計4Iである。一方、図14に示すゲインブースト増幅回路1400では、入力段1401の入力トランジスタTJ7、TJ8、および出力段1402の電流源として機能するトランジスタTJ9、TJ10に流れる電流をそれぞれIとすると、合計4Iであり、これだけで図2に示した回路200と同じ電力を消費する。
加えて、図14に示すゲインブースト増幅回路1400では、基準電位vddと電流源として機能するトランジスタTJ5の間にトランジスタTJ6が挿入されており、トランジスタTJ6のゲート電圧vcmfbを調節する事で電流源トランジスタTJ5から入力段1401を介して出力段1402に折り返される電流量を制御し、出力コモンモード電圧が基準電位vddとvssの中央値付近になるようにしている。このトランジスタTJ6を流れる電流は、直流利得には直接貢献しない電流であり、その分余計な電力を消費する。さらに、ゲインブースト増幅回路1400では、サブゲインブースト増幅回路GJ1およびGJ2に必要な電流分さらに消費電力が増加することになる。
図4に示した回路400についても、NMOSトランジスタT31、T32、T34、T35の電流がそれぞれIなので、合計4Iであり、やはり、ゲインブースト増幅回路1400より小さい。
以上のことから、図2に示したゲインブースト増幅回路200または図4に示したゲインブースト増幅回路400を用いれば、比較参照例としてのゲインブースト増幅回路1400と同等の直流利得を得つつ、消費電力を削減できる。また、必要な素子の数も少なくなっており集積回路化する場合にチップ面積を削減してコストダウンを図ることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の別の実施形態について図6を参照して説明する。図6は、図1中に示したゲインブースト増幅回路G1、G2のさらに別の形態を示す回路図である。この回路600を構成するゲインブースト増幅回路G1と同G2の回路構成は同一であり、ゲインブースト増幅回路G1の電流源回路D1〜D2、NMOSトランジスタT3〜T6、接続ノードS1が、ゲインブースト増幅回路G2の電流源回路D3〜D4、NMOSトランジスタT7〜T10、接続ノードS2にそれぞれ対応している。
また、図6に示すゲインブースト増幅回路G1、G2には、ゲートが基準電位vb2に接続され、ソースがNMOSトランジスタT5、T9のドレインにそれぞれ接続されたNMOSトランジスタT12、T14がおのおの追加されている。代表してゲインブースト増幅回路G1について述べると、ソースがトランジスタT5のドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧vb2が印加され、電流源回路D2の電流をバイアス電流とするトランジスタT12を有する。トランジスタT12のドレインにゲインブースト増幅回路G1の出力(出力端子13)がある。
以下、ゲインブースト増幅回路G1の直流利得を見積もる。入力端子11から接続ノードS1までの直流利得は、NMOSトランジスタT3のトランスコンダクタンスと接続ノードS1に見える抵抗との積である。接続ノードS1に見える抵抗は、NMOSトランジスタT3、T4、T10で定まる。NMOSトランジスタT3のゲートには所定のバイアス電圧vb2が印加されている。また、NMOSトランジスタT4、T10のソースは基準電位vssに接続されており、NMOSトランジスタT3、T4、T10はカスコード回路を構成している。
また、NMOSトランジスタT4のゲート電圧である接続ノードS1の電圧と、NMOSトランジスタT10のゲート電圧である接続ノードS2の電圧とは互いに反転している。よって、入力端子11から接続ノードS1までの直流利得は、(9)と同等であり、トランジスタのトランスコンダクタンスの2乗と出力抵抗の2乗との積で概算される。
接続ノードS1から出力端子13までの直流利得は、NMOSトランジスタT5のトランスコンダクタンスと出力端子13に見える抵抗との積である。出力端子13に見える抵抗は、NMOSトランジスタT5、T12で定まる。NMOSトランジスタT12のゲートには所定のバイアス電圧vb2が印加されている。また、NMOSトランジスタT5のソースは基準電位vssに接続されており、NMOSトランジスタT5、T12はカスコード回路を構成している。よって、接続ノードS1から出力端子13までの直流利得は、(11)と同等であり、トランジスタのトランスコンダクタンスの2乗と出力抵抗の2乗との積で概算される。
以上より、図6に示すゲインブースト増幅回路G1の直流利得は、トランジスタのトランスコンダクタンスの4乗と出力抵抗の4乗との積で概算され、図14に示したゲインブースト増幅回路1400の直流利得と同等である。
また、図6に示すゲインブースト増幅回路600の消費電力は、電流源回路D1〜D4に流れる電流の合計4Iであり、図14に示したゲインブースト増幅回路1400よりも小さい。以上のことから、本実施形態のゲインブースト増幅回路600を用いれば、図14に示したゲインブースト増幅回路1400と同等の直流利得を得つつ、消費電力を削減できる。また、必要な素子の数も少なく集積回路化する場合にチップ面積を削減してコストダウンを図ることができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明のさらに別の実施形態について図7を参照して説明する。図7は、図1中に示したゲインブースト増幅回路G1、G2のさらに別の形態を示す回路図である。この回路700を構成するゲインブースト増幅回路G1と同G2の回路構成は同一である。また、図2に示した回路200に比較して、PMOSトランジスタT6、T10がなく、サブゲインブースト増幅回路GS1、GS2が追加されている。今、サブゲインブースト増幅回路GS1とGS2は同一の回路構成を持つとする。
図7に示すゲインブースト増幅回路G1の直流利得を見積もる。まず入力端子11から接続ノードS1までの直流利得を見積もる。NMOSトランジスタT3のソースに電流ΔIが入力すると、NMOSトランジスタT3に流れる電流がΔIだけ変化する。このとき、NMOSトランジスタT3のトランスコンダクタンスgm3とソースの電圧変化ΔVinとの関係は、(1)で与えられる。PMOSトランジスタT4の電流変化はΔIである。
また、接続ノードS1には、PMOSトランジスタT4のゲートが接続されている。よって、電流源回路D1の抵抗を十分大きいとし、また、PMOSトランジスタT4のトランスコンダクタンスをgm4とすると、接続ノードS1に見える抵抗ΔVs1/ΔIは、
ΔVs1/ΔI = 1/gm4 (26)
とかける。
(26)より、入力端子11から接続ノードS1までの電圧利得ΔVs1/ΔVinは、
ΔVs1/ΔVin = gm3/gm4 (27)
となり、接続ノードS1の電圧変化ΔVs1は、入力端子11の電圧変化ΔVinとほぼ同じである。
次に、接続ノードS1から出力端子13までの電圧利得を見積もる。接続ノードS1から出力端子13までの電圧利得は、PMOSトランジスタT5のトランスコンダクタンスと出力端子13に見える抵抗との積である。出力端子13に見える抵抗は、電流源回路D2の抵抗が十分大きいとすると、PMOSトランジスタT5、T12、およびサブゲインブースト増幅回路GS1で定まる。
PMOSトランジスタT5のソースは、基準電位vddに接続されている。PMOSトランジスタT12は、ソースがPMOSトランジスタT5のドレインに接続され、ドレインが出力端子13に接続されている。サブゲインブースト増幅回路GS1は、負の入力端子21がPMOSトランジスタT5のソースに接続され、正の出力端子23がPMOSトランジスタT12のゲートに接続されている。トランジスタT5、T12とサブゲインブースト増幅回路GS1とでアクティブカスコード回路が構成されている。よって、出力端子13に見える抵抗は、(17)と同等であり、サブゲインブースト増幅回路GS1の直流利得をAgs1とおくと、
Ags1*gm12*ro12*ro5 (28)
となる。
(28)から、接続ノードS1から出力端子13までの電圧利得は、
gm5*Ags1*gm12*ro12*ro5 (29)
となり、トランジスタのトランスコンダクタンスの2乗と出力抵抗の2乗とサブゲインブースト増幅回路GS1の直流利得との積で概算される。
サブゲインブースト増幅回路GS1およびGS2の直流利得を見積もる。図8は、図7中に示したサブゲインブースト増幅回路GS1、GS2の一形態を示す回路図である。回路800を構成するサブゲインブースト増幅回路GS1におけるPMOSトランジスタT15、T16は、ソースが正負の入力端子22、21にそれぞれ接続され、ゲートに所定のバイアス電圧vb1が印加されている。NMOSトランジスタT17は、ソースが基準電位vssに接続され、ゲートがPMOSトランジスタT16のドレインに接続されている。NMOSトランジスタT18は、ソースとゲートとがNMOSトランジスタT17と共通接続されている。
また、ソースがNMOSトランジスタT17、T18のドレインに接続され、ゲートに所定のバイアス電圧vb2が印加され、ドレインがPMOSトランジスタT16、T15のドレインにそれぞれ接続されたNMOSトランジスタT23、T24が追加されている。
サブゲインブースト増幅回路GS1と同GS2とは、同一の回路構成を有しており、サブゲインブースト増幅回路GS1のPMOSトランジスタT15、T16、NMOSトランジスタT17、T18、T23、T24は、サブゲインブースト増幅回路GS2のPMOSトランジスタT19、T20、NMOSトランジスタT21、T22、T25、T26にそれぞれ対応している。
図8に示すサブゲインブースト増幅回路GS1の直流利得Ags1は、入力端子21から接続ノードS21までの直流利得と、接続ノードS21から出力端子23までの直流利得との積で概算される。入力端子21から接続ノードS21までの直流利得は、PMOSトランジスタT16のトランスコンダクタンスgm16と接続ノードS21に見える抵抗との積である。接続ノードS21に見える抵抗Rs21_8は、接続ノードS21から基準電位vddまでに見える抵抗Rs21_8(vdd)と、接続ノードS21から基準電位vssまでに見える抵抗Rs21_8(vss)との並列である。接続ノードS21から基準電位vddまでに見える抵抗Rs21_8(vdd)は、NMOSトランジスタT16と、入力端子21を介して接続されているNMOSトランジスタT5とで定まる。NMOSトランジスタT16とT5は、カスコード回路を構成しているので、
Rs21_8(vdd) = gm16*ro16*ro5 (30)
となる。
接続ノードS21から基準電位vssまでに見える抵抗Rs21_8(vss)は、NMOSトランジスタT17のゲートが接続ノードS21に接続されているので、 (26)から、
Rs21_8(vss) = 1/gm17 (31)
となる。
よって(30)、(31)から、
Rs21_8 = Rs21_8(vdd)|| Rs21_8(vss)
= 1/gm17 (32)
と概算される。(32)から、入力端子21から接続ノードS21までの直流利得は、
gm21/gm17 (33)
であり小さい。
接続ノードS21から出力端子23までの直流利得は、NMOSトランジスタT18のトランスコンダクタンスと出力端子23に見える抵抗との積で表される。出力端子23に見える抵抗R23は、出力端子23から基準電位vddまでに見える抵抗R23(vdd)と、出力端子23から基準電位vssまでに見える抵抗R23(vss)との並列である。抵抗R23(vss)は、NMOSトランジスタT18、T24は明らかにカスコード回路を構成しているので、(2)と同等であり、
R23(vss) = gm24*ro24*ro18 (34)
とかける。
また、R23(vdd)は、PMOSトランジスタT15と、入力端子22を介して接続されているPMOSトランジスタT4も明らかにカスコード回路を構成しているので、(2)と同等であり、
R23(vdd) = gm15*ro15*ro4 (35)
とかける。(34)、(35)から、出力端子23に見えるR23は、
R23 = R23(vdd)||R23(vss)
= gm24*ro24*ro18||gm15*ro15*ro4 (36)
とかける。(36)より、接続ノードS21から出力端子23までの直流利得Ags1は、
Ags1 = gm18*(gm24*ro24*ro18||gm15*ro15*ro4) (37)
となり、トランジスタのトランスコンダクタンスの2乗と出力抵抗の2乗との積で概算される。
(37)から、サブゲインブースト増幅回路GS1の直流利得Ags1は、トランジスタのトランスコンダクタンスの2乗と出力抵抗の2乗との積で概算される。
(29)、(37)から、図7に示したゲインブースト増幅回路G1は、トランジスタのトランスコンダクタンスの4乗と出力抵抗の4乗との積で概算され、比較参照例としてのゲインブースト増幅回路1400と同等の直流利得を有している。また、消費電力について言いえば、ゲインブースト増幅回路1400のトランジスタTJ6を流れる電流の分は少なくとも削減される。サブゲインブースト増幅回路GS1およびGS2で必要な電流は、ゲインブースト増幅回路1400におけるサブゲインブースト増幅回路GJ1で必要な電流分と例えば同等である。
図9は、図1中に示したゲインブースト増幅回路G1、G2のさらに別の形態を示す回路図である。この回路900では、電流源回路D1〜D4を具体的な回路として構成している。接続ノードS1に見える抵抗Rs1_9を見積もる。接続ノードS1から基準電位vddまでに見える抵抗Rs1_9(vdd)は、(26)で表される。一方、接続ノードS1から基準電位vssまでに見える抵抗Rs1_9(vss)は、NMOSトランジスタT3とT31がカスコード回路を構成しているので、(2)と同等であり、Rs1_9(vdd)に比べ十分大きい。よって、接続ノードS1に見える抵抗Rs1_9は、
Rs1_9 = Rs1_9(vdd)||Rs1_9(vss) = Rs1_9(vdd) = 1/gm4
と近似でき、図7に示した回路における接続ノードS1に見える抵抗と同等である。
また、出力端子13に見える抵抗R13_9を見積もる。出力端子13から基準電位vddまでに見える抵抗R13_9(vdd)は、PMOSトランジスタT5、T12とサブゲインブースト増幅回路GS1がアクティブカスコード回路を構成しているので、(17)と同等である。また、NMOSトランジスタT32、T35およびサブゲインブースト増幅回路GS3もアクティブカスコード回路を構成しているので、出力端子13から基準電位vddまでに見える抵抗R13_9(vss)も(17)と同等である。
図10は、図9中に示したサブゲインブースト増幅回路GS3、GS4の一形態を示す回路図である。この回路1000を構成するサブゲインブースト増幅回路GS3、GS4は、PMOSとNMOSの違いを除き、図8のサブゲインブースト増幅回路GS1、GS2と同一の回路構成を有しており、トランジスタT15〜T26、端子21〜26は、トランジスタT15p〜T26p、端子21p〜26pにそれぞれ対応している。同一の回路構成を有するので、図10に示すサブゲインブースト増幅回路GS3、GS4の直流利得は、サブゲインブースト増幅回路GS1の直流利得と同等である。サブゲインブースト増幅回路GS3の直流利得をAgs3とおくと、出力端子13から基準電位vddまでに見える抵抗R13_9は、
R13_9 = R13_9(vdd)||R13_9(vss)
= Ags1*gm12*ro12*ro5||Ags3*gm35*ro35*ro32
となり、(28)で表される回路700の抵抗R13と同等である。ゆえに、図9に示したゲインブースト増幅回路GS1の直流利得も比較参照例のゲインブースト増幅回路1400の直流利得と同等になる。
図9に示したゲインブースト増幅回路900の消費電力を見積もる。電流源として機能するNMOSトランジスタT31〜T34の電流をそれぞれI、図8に示したサブゲインブースト増幅回路GS1、GS2のNMOSトランジスタT17、T18、T21、T22および図10に示したサブゲインブースト増幅回路GS3、GS4のNMOSトランジスタT17p、T18p、T21p、T22pに流れる電流をそれぞれIsとすると、ゲインブースト増幅回路900に流れる電流の合計は、
4I+8Is
となる。
一方、ゲインブースト増幅回路1400に使用されているサブゲインブースト増幅回路GJ1、GJ2の消費電力を見積もる。サブゲインブースト増幅回路GJ1の回路図である差動増幅回路1500の入力段1501のトランジスタTJS7、TJS8、および出力段の電流源トランジスタJTS9、JTS10に流れる電流をそれぞれIsとすると、1つの回路1500あたりに流れる電流は4Isであり、2つで合計8Isとなる。よって、ゲインブースト増幅回路1400に流れる電流の合計は、
4I+8Is+(トランジスタTJ6に流れる消費電流)
となる。
すなわち、ゲインブースト増幅回路1400では、出力のコモンモード電圧を調節するトランジスタTJ6に流れる電流分だけ余計に電力を消費する。よって、本実施形態で使用のゲインブースト増幅回路G1、G2の消費電力は、ゲインブースト増幅回路1400より小さい。以上のことから、本実施形態で使用のゲインブースト増幅回路G1、G2を用いれば、ゲインブースト増幅回路1400と同等の直流利得を得つつ、消費電力を削減できる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明のさらに別の実施形態について図11を参照して説明する。図11は、図1中に示したゲインブースト増幅回路G1、G2のさらに別の形態を示す回路図である。この回路1100は、PMOSトランジスタT6およびT10が追加されている以外は、図9に示した回路900と同一の回路構成を有している。PMOSトランジスタT6およびT10の接続は、図4に示した回路400の場合と同じである。
図11に示すゲインブースト増幅回路G1の直流利得を見積もる。接続ノードS1に見える抵抗は、NMOSトランジスタT3、T31およびPMOSトランジスタT4、T10、T11の接続が図4に示した場合と等しいので、(14)で与えられる。よって、入力端子11から接続ノードS1までの直流利得は、トランジスタのトランスコンダクタンスの2乗と出力抵抗の2乗との積となる。
また、NMOSトランジスタT32、T35、PMOSトランジスタT5、T12、およびゲインブースト増幅回路GS1、GS3の相互の接続が図9に示した場合と等しいので、接続ノードS1から出力端子13までの直流利得は、トランジスタのトランスコンダクタンスの4乗と出力抵抗の4乗との積となる。よって、ゲインブースト増幅回路G1の直流利得は、トランジスタのトランスコンダクタンスの6乗と出力抵抗の6乗との積で概算され、比較参照例としてのゲインブースト増幅回路1400よりも大きくなる。
また、回路400で見積もったように、PMOSトランジスタT6およびT10の追加による電流増加はないので、回路1100の合計消費電流は、ゲインブースト増幅回路1400のトランジスタTJ6に流れる電流分だけ少なく、消費電力が小さい。以上のことから、本実施形態で使用のゲインブースト増幅回路G1、G2を用いれば、ゲインブースト増幅回路1400よりも大きな直流利得を得つつ、消費電力を削減できる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明のさらに別の実施形態について図12、図13を参照して説明する。図12は、図11中に示したサブゲインブースト増幅回路GS1、GS2の一形態を示す回路図であり、図13は、図11中に示したサブゲインブースト増幅回路GS3、GS4の一形態を示す回路図である。
図12の回路1200では、図8に示したサブゲインブースト増幅回路GS1と同GS2とに、NMOSトランジスタT27とT28がそれぞれ追加されている。NMOSトランジスタT27は、ソースとゲートとがNMOSトランジスタT17のそれらと共通接続され、ドレインがNMOSトランジスタT21のドレインに接続されている。NMOSトランジスタT28は、ソースとゲートとがNMOSトランジスタT21のそれらと共通接続され、ドレインがNMOSトランジスタT17のドレインに接続されている。
図12に示すサブゲインブースト増幅回路GS1の直流利得を見積もる。入力端子21から接続ノードS21までの直流利得は、PMOSトランジスタT16のトランスコンダクタンスと、接続ノードS21に見える抵抗との積である。接続ノードS21から基準電位vddまでに見える抵抗R21_12(vdd)は、(30)のRs21_8(vdd)に等しい。接続ノードS21から基準電位vssまでに見える抵抗R21_12(vss)は、NMOSトランジスタT17、T23、T28で定まる。
ゲインブースト増幅回路G1、G2としての動作なので、サブゲインブースト増幅回路GS1の接続ノードS21とサブゲインブースト増幅回路GS2の接続ノードS22とはそれらの電圧変化が反転している。また、NMOSトランジスタT17のゲートは接続ノードS21に接続され、かつ、NMOSトランジスタT28のゲートは接続ノードS22に接続されているので、NMOSトランジスタT17とT28との接続関係は、図2に示したゲインブースト増幅回路GS1、GS2におけるPMOSトランジスタT4とT6との接続関係と等しい。
よって、接続ノードS21から基準電位vssまでに見える抵抗R21_12(vss)は、(9)と同等である。これらから接続ノードS21に見える抵抗R21_12は、(14)と同等であり、入力端子21から接続ノードS21までの直流利得は、トランジスタのトランスコンダクタンスの2乗と出力抵抗の2乗との積で概算される。
また、接続ノードS21から出力端子23までの直流利得は、PMOSトランジスタT18のトランスコンダクタンスと、(36)で表される出力端子23に見える抵抗R23_12との積であり、トランジスタのトランスコンダクタンスの2乗と出力抵抗の2乗との積で概算される。以上より、サブゲインブースト増幅回路GS1の直流利得は、トランジスタのトランスコンダクタンスの4乗と出力抵抗の4乗との積で概算される。
図13に示す回路1300は、サブゲインブースト増幅回路GS3、GS4の回路構成の一形態であるが、図8に示したサブゲインブースト増幅回路GS3、GS4に、それぞれPMOSトランジスタT27p、同T28pが追加されたものになっている。回路1200と回路1300とでは、その回路構成および接続関係がPMOSとNMOSの違いを除いて同等であり、NMOSトランジスタT27、T28は、PMOSトランジスタT27p、T28pにそれぞれ対応する。よって、図13に示すサブゲインブースト増幅回路GS3、GS4の直流利得は、図12に示したサブゲインブースト増幅回路GS1と同等であり、トランジスタのトランスコンダクタンスの4乗と出力抵抗の4乗との積で概算される。
以上から、サブゲインブースト増幅回路1200、1300の直流利得は、図8、図10に示したサブゲインブースト増幅回路600および1000の直流利得より大きい。よって、サブゲインブースト増幅回路1200、1300を、図7、図9に示したゲインブースト増幅回路G1、G2にそれぞれ利用した場合でも、比較参照例としてのゲインブースト増幅回路1400よりも大きな直流利得が得られる。
また、NMOSトランジスタT27とT28の追加による電流の増加はないので、ゲインブースト増幅回路1400のトランジスタTJ6に流れる電流分だけ少なく、消費電力が小さい。以上のことから、本実施形態で使用のサブゲインブースト増幅回路を用いれば、ゲインブースト増幅回路1400よりも大きな直流利得を得つつ、消費電力が削減されたゲインブースト増幅回路を得ることができる。
(その他の実施の形態)
次に、上記述べた各実施形態に係る差動増幅回路の一つの応用例について図16を参照して説明する。図16は、本発明の実施形態に係る差動増幅回路が応用され得るパイプライン型A/D変換器の構成を示すブロック図である。
このパイプライン型A/D変換器1600は、入力された時間連続のアナログ信号を離散時間のアナログ信号に変換し出力するサンプルホールド回路160、入力アナログ信号を量子化信号に変換する各変換ステージ161、162、…、16N、各変換ステージから出力された量子化信号を合成して出力ディジタル信号を出力する合成部1601を有する。
各変換ステージ161、…では、入力アナログ信号を量子化して量子化信号を出力するとともにこれを復号して復号アナログ信号を生成する。そして、入力アナログ信号から復号アナログ信号を差し引きその結果の信号を所定の利得で増幅し次段の変換ステージに供給している。入力アナログ信号から復号アナログ信号を差し引きその結果の信号を所定の利得で増幅するため差動増幅回路A1、A2、…が使用されている。また、サンプルホールド回路160でも差動増幅回路A0が使用されている。これらの差動増幅回路A1、A2、…、または同A0として上記で述べた各実施形態の差動増幅回路は好適である。すなわち、これにより低消費電力のパイプライン型A/D変換回路が実現できる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の一実施形態に係る差動増幅回路の概略構成を示す回路ブロック図。 図1中に示したゲインブースト増幅回路G1、G2の一形態を示す回路図。 一般的なカスコード回路を示す回路図。 図1中に示したゲインブースト増幅回路G1、G2の別の形態を示す回路図。 一般的なアクティブカスコード回路を示す回路図。 図1中に示したゲインブースト増幅回路G1、G2のさらに別の形態を示す回路図。 図1中に示したゲインブースト増幅回路G1、G2のさらに別の形態を示す回路図。 図7中に示したサブゲインブースト増幅回路GS1、GS2の一形態を示す回路図。 図1中に示したゲインブースト増幅回路G1、G2のさらに別の形態を示す回路図。 図9中に示したサブゲインブースト増幅回路GS3、GS4の一形態を示す回路図。 図1中に示したゲインブースト増幅回路G1、G2のさらに別の形態を示す回路図。 図11中に示したサブゲインブースト増幅回路GS1、GS2の一形態を示す回路図。 図11中に示したサブゲインブースト増幅回路GS3、GS4の一形態を示す回路図。 比較参照例としての差動増幅回路の構成を示す回路図。 図14中に示したゲインブースト増幅回路GJ1、GJ2の一形態を示す回路図。 本発明の実施形態に係る差動増幅回路が応用され得るパイプライン型A/D変換器の構成を示すブロック図。
符号の説明
1,2…差動入力端子、3,4…差動出力ノード、5…負側電流出力ノード、6…正側電流出力ノード、7,8…差動出力端子、11…ゲインブースト増幅回路G1の入力端子、12…ゲインブースト増幅回路G2の入力端子、13…ゲインブースト増幅回路G1の出力端子、14…ゲインブースト増幅回路G2の出力端子、20…入力段、21,22…サブゲインブースト増幅回路GS1の入力端子、21p,22p…サブゲインブースト増幅回路GS3の入力端子、23…サブゲインブースト増幅回路GS1の出力端子、23p…サブゲインブースト増幅回路GS3の出力端子、24,25…サブゲインブースト増幅回路GS2の入力端子、24p,25p…サブゲインブースト増幅回路GS4の入力端子、26…サブゲインブースト増幅回路GS2の出力端子、26p…サブゲインブースト増幅回路GS4の出力端子、30…出力段、100…差動増幅回路、160…サンプルホールド回路、161,162,16N…変換ステージ、1601…合成部、200,400,600,700,900,1100…ゲインブースト増幅回路、800,1000,1200,1300…サブゲインブースト増幅回路、1600…パイプライン型A/D変換回路。

Claims (7)

  1. 1対の差動入力端子を有し、かつ、前記1対の差動入力端子に入力される差動電圧に応じた差動電流を出力する1対の差動出力ノードを有する入力段と、
    第1のトランジスタと第1のゲインブースト増幅回路とを有し、前記第1のトランジスタのソースに前記1対の差動出力ノードの一方および前記第1のゲインブースト増幅回路の入力側が接続され、前記第1のトランジスタのゲートに前記第1のゲインブースト増幅回路の出力側が接続され、前記第1のトランジスタのドレインが負側電流出力ノードである第1の中間段と、
    第2のトランジスタと第2のゲインブースト増幅回路とを有し、前記第2のトランジスタのソースに前記1対の差動出力ノードの他方および前記第2のゲインブースト増幅回路の入力側が接続され、前記第2のトランジスタのゲートに前記第2のゲインブースト増幅回路の出力側が接続され、前記第2のトランジスタのドレインが正側電流出力ノードである第2の中間段と、
    前記負側電流出力ノードおよび前記正側電流出力ノードを1対の差動入力ノードとし、かつ、前記1対の差動入力ノードに入力される差動電流に応じた差動電圧を出力する1対の差動出力端子を有する出力段とを具備し、
    前記第1のゲインブースト増幅回路が、一端を第1の基準電位に接続された第1および第2の電流源回路と、ソースに前記差動出力ノードの一方が接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第1の電流源回路の電流をバイアス電流とする第3のトランジスタと、ソースが第2の基準電位に接続され、ドレインに前記第3のトランジスタから電流が入力され、ゲートが前記第3のトランジスタのドレインに接続された第4のトランジスタと、ゲートとソースとが前記第4のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続され、ドレインに前記第2の電流源回路からの電流が入力される第5のトランジスタと、ゲートとソースとが前記第4のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続された第6のトランジスタとを有し、かつ、前記第3のトランジスタのソースが該第1のゲインブースト増幅回路の前記入力であり、前記第5のトランジスタのドレインの側に該第1のゲインブースト増幅回路の前記出力があり、
    前記第2のゲインブースト増幅回路が、一端を前記第1の基準電位に接続された第3および第4の電流源回路と、ソースに前記差動出力ノードの他方が接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第3の電流源回路の電流をバイアス電流とする第7のトランジスタと、ソースが前記第2の基準電位に接続され、ドレインに前記第7のトランジスタから電流が入力され、ゲートが前記第7のトランジスタのドレインに接続された第8のトランジスタと、ゲートとソースとが前記第8のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続され、かつ、ドレインに前記第4の電流源回路からの電流が入力される第9のトランジスタと、ゲートとソースとが前記第8のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続された第10のトランジスタとを有し、かつ、前記第7のトランジスタのソースが該第2のゲインブースト増幅回路の前記入力であり、前記第9のトランジスタのドレインの側に該第2のゲインブースト増幅回路の前記出力があり、
    前記第6のトランジスタのドレインが、前記第8のトランジスタのドレインに接続され、かつ、前記第10のトランジスタのドレインが、前記第4のトランジスタのドレインに接続され、
    前記第4および前記第10のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅の合計と前記第5のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅との比が、前記第1の電流源回路と前記第2の電流源回路との電流比にほぼ比例し、前記第4のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅が、前記第10のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上であり、
    前記第8および前記第6のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅の合計と前記第9のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅との比が、前記第3の電流源回路と前記第4の電流源回路との電流比にほぼ比例し、前記第8のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅が、前記第6のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上であること
    を特徴とする差動増幅回路。
  2. 前記第1のゲインブースト増幅回路が、ソースが前記第4のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第1の電流源回路の電流をバイアス電流とする第11のトランジスタと、ソースが前記第5のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第2の電流源回路の電流をバイアス電流とする第12のトランジスタとをさらに有し、前記第12のトランジスタのドレインに該第1のゲインブースト増幅回路の前記出力があり、
    前記第2のゲインブースト増幅回路が、ソースが前記第8のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第3の電流源回路の電流をバイアス電流とする第13のトランジスタと、ソースが前記第9のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第4の電流源回路の電流をバイアス電流とする第14のトランジスタとをさらに有し、前記第14のトランジスタのドレインに該第2のゲインブースト増幅回路の前記出力があること
    を特徴とする請求項1記載の差動増幅回路。
  3. 前記第1のゲインブースト増幅回路が、ソースが前記第5のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第2の電流源回路の電流をバイアス電流とする第12のトランジスタをさらに有し、前記第12のトランジスタのドレインに該第1のゲインブースト増幅回路の前記出力があり、
    前記第2のゲインブースト増幅回路が、ソースが前記第9のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第4の電流源回路の電流をバイアス電流とする第14のトランジスタをさらに有し、前記第14のトランジスタのドレインに該第2のゲインブースト増幅回路の前記出力があること
    を特徴とする請求項1記載の差動増幅回路。
  4. 1対の差動入力端子を有し、かつ、前記1対の差動入力端子に入力される差動電圧に応じた差動電流を出力する1対の差動出力ノードを有する入力段と、
    第1のトランジスタと第1のゲインブースト増幅回路とを有し、前記第1のトランジスタのソースに前記1対の差動出力ノードの一方および前記第1のゲインブースト増幅回路の入力側が接続され、前記第1のトランジスタのゲートに前記第1のゲインブースト増幅回路の出力側が接続され、前記第1のトランジスタのドレインが負側電流出力ノードである第1の中間段と、
    第2のトランジスタと第2のゲインブースト増幅回路とを有し、前記第2のトランジスタのソースに前記1対の差動出力ノードの他方および前記第2のゲインブースト増幅回路の入力側が接続され、前記第2のトランジスタのゲートに前記第2のゲインブースト増幅回路の出力側が接続され、前記第2のトランジスタのドレインが正側電流出力ノードである第2の中間段と、
    前記負側電流出力ノードおよび前記正側電流出力ノードを1対の差動入力ノードとし、かつ、前記1対の差動入力ノードに入力される差動電流に応じた差動電圧を出力する1対の差動出力端子を有する出力段とを具備し、
    前記第1のゲインブースト増幅回路が、一端を第1の基準電位に接続された第1および第2の電流源回路と、ソースに前記差動出力ノードの一方が接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第1の電流源回路の電流をバイアス電流とする第3のトランジスタと、ソースが第2の基準電位に接続され、ドレインに前記第3のトランジスタから電流を入力され、ゲートが前記第3のトランジスタのドレインに接続された第4のトランジスタと、ゲートとソースとが前記第4のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続され、ドレインに前記第2の電流源回路からの電流を入力される第5のトランジスタと、ソースが前記第4のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第1の電流源回路の電流をバイアス電流とする第11のトランジスタと、ソースが前記第5のトランジスタのドレインに接続され、かつ前記第2の電流源回路の電流をバイアス電流とする第12のトランジスタと、前記第11のトランジスタのソースおよび第12のトランジスタのソースを両極性の入力として増幅を行いその出力を前記第12のトランジスタのゲートに供給する第1のサブゲインブースト増幅回路とを有し、
    前記第2のゲインブースト増幅回路が、一端を前記第1の基準電位に接続された第3および第4の電流源回路と、ソースに前記差動出力ノードの一方が接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第3の電流源回路の電流をバイアス電流とする第7のトランジスタと、ソースが第2の基準電位に接続され、ドレインに前記第7のトランジスタから電流を入力され、ゲートが前記第7のトランジスタのドレインに接続された第8のトランジスタと、ゲートとソースとが前記第8のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続され、ドレインに前記第4の電流源回路からの電流を入力される第9のトランジスタと、ソースが前記第8のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第3の電流源回路の電流をバイアス電流とする第13のトランジスタと、ソースが前記第9のトランジスタのドレインに接続され、かつ前記第4の電流源回路の電流をバイアス電流とする第14のトランジスタと、前記第13のトランジスタのソースおよび第14のトランジスタのソースを両極性の入力として増幅を行いその出力を前記第14のトランジスタのゲートに供給する第2のサブゲインブースト増幅回路とを有し、
    前記第1のゲインブースト増幅回路の前記第1のサブゲインブースト増幅回路が、ソースを前記両極性の入力の一方としゲートにバイアス電圧が印加された第15のトランジスタと、ソースを前記両極性の入力の他方としゲートにバイアス電圧が印加された第16のトランジスタと、ソースが前記第2の基準電位に接続され、ゲートが前記第16のトランジスタのドレインに接続され、ドレイン電流を前記第16のトランジスタへ出力する第17のトランジスタと、ソースとゲートとが前記第17のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続され、ドレイン電流を前記第15のトランジスタへ出力する第18のトランジスタとを備え、
    前記第2のゲインブースト増幅回路の前記第2のサブゲインブースト増幅回路が、ソースを前記両極性の入力の一方としゲートにバイアス電圧が印加された第19のトランジスタと、ソースを前記両極性の入力の他方としゲートにバイアス電圧が印加された第20のトランジスタと、ソースが前記第2の基準電位に接続され、ゲートが前記第20のトランジスタのドレインに接続され、ドレイン電流を前記第20のトランジスタへ出力する第21のトランジスタと、ソースとゲートとが前記第21のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続され、ドレイン電流を前記第19のトランジスタへ出力する第22のトランジスタとを備えること
    を特徴とする差動増幅回路。
  5. 前記第1のゲインブースト増幅回路の前記第1のサブゲインブースト増幅回路が、ソースが前記第17のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第17のトランジスタのドレイン電流をバイアス電流とする第23のトランジスタと、ソースが前記第18のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第18のトランジスタのドレイン電流をバイアス電流とする第24のトランジスタとをさらに備え、
    前記第2のゲインブースト増幅回路の前記第2のサブゲインブースト増幅回路が、ソースが前記第21のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第21のトランジスタのドレイン電流をバイアス電流とする第25のトランジスタと、ソースが前記第22のトランジスタのドレインに接続され、ゲートにバイアス電圧が印加され、前記第22のトランジスタのドレイン電流をバイアス電流とする第26のトランジスタとをさらに備えること
    を特徴とする請求項4記載の差動増幅回路。
  6. 前記第1のゲインブースト増幅回路が、ゲートとソースとが前記第4のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続された第6のトランジスタをさらに有し、
    前記第2のゲインブースト増幅回路が、ゲートとソースとが前記第8のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続された第10のトランジスタをさらに有し、
    前記第6のトランジスタのドレインが、前記第8のトランジスタのドレインに接続され、かつ、前記第10のトランジスタのドレインが、前記第4のトランジスタのドレインに接続され、
    前記第4および前記第10のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅の合計と前記第5のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅との比が、前記第1の電流源回路と前記第2の電流源回路との電流比にほぼ比例し、前記第4のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅が、前記第10のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上であり、
    前記第8および前記第6のトランジスタのゲート幅の単位ゲート長当たりに換算した合計と前記第9のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅との比が、前記第3の電流源回路と前記第4の電流源回路との電流比にほぼ比例し、前記第8のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅が、前記第6のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上であること
    を特徴とする請求項4または5記載の差動増幅回路。
  7. 前記第1のゲインブースト増幅回路の前記第1のサブゲインブースト増幅回路が、ゲートとソースとが前記第17のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続された第27のトランジスタをさらに備え、
    前記第2のゲインブースト増幅回路の前記第2のサブゲインブースト増幅回路が、ゲートとソースとが前記第21のトランジスタのそれらにそれぞれ共通接続された第28のトランジスタをさらに備え、
    前記第27のトランジスタのドレインが、前記第21のトランジスタのドレインに接続され、かつ、前記第28のトランジスタのドレインが、前記第17のトランジスタのドレインに接続され、
    前記第17のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅が、前記第28のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上であり、
    前記第21のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅が、前記第27のトランジスタの単位ゲート長当たりに換算したゲート幅以上であること
    を特徴とする請求項4、5、または6のいずれか1項記載の差動増幅回路。
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