JP2015216497A - 増幅回路、積分回路及びad変換器 - Google Patents

増幅回路、積分回路及びad変換器 Download PDF

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Abstract

【課題】低消費電力な増幅回路、積分器、及びAD変換器を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る増幅回路は、第1〜第4トランジスタと、第1,第2インバータ回路と、第1〜第4容量素子と、第1〜第4スイッチと、第1,第2電圧源とを備える。第1,第2(第3,第4)トランジスタは、第1(第2)導電型であり、第2(第4)トランジスタは、第1端子を第1(第3)トランジスタの第1端子に接続される。第1(第2)インバータ回路は、入力端子を第1(第3)トランジスタの第1端子に接続され、出力端子を第2(第4)トランジスタの制御端子に接続される。第1(第3)容量素子は、第1(第3)トランジスタの第1端子と第1(第2)インバータ回路の入力端子との間に接続される。第2(第4)容量素子は、第2(第4)トランジスタの制御端子と第1(第2)インバータ回路の出力端子との間に接続される。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、増幅回路、積分回路及びAD変換器に関する。
従来、増幅回路として、CMOSインバータ回路が用いられている。CMOSインバータ回路の利得を増幅する方法として、CMOSインバータ回路をカスコード構成とし、入力側のトランジスタのドレイン電圧をソース接地回路で増幅し、出力側のトランジスタのゲート端子に帰還させる方法が提案されている。しかしながら、このようなCMOSインバータ回路では、ソース接地回路を利用するため消費電力が増大するという問題があった。
低消費電力な増幅回路、積分器、及びAD変換器を提供する。
一実施形態に係る増幅回路は、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第1インバータ回路と、第1容量素子と、第1スイッチと、第1電圧源と、第2スイッチと、第3トランジスタと、第4トランジスタと、第2インバータ回路と、第3容量素子と、第3スイッチと、第2電圧源と、第4スイッチとを備える。
第1トランジスタは、第1導電型である。第2トランジスタは、第1端子を第1トランジスタの第1端子に接続される。第1インバータ回路は、入力端子を第1トランジスタの第1端子に接続され、出力端子を第2トランジスタの制御端子に接続される。第1容量素子は、第1トランジスタの第1端子と第1インバータ回路の入力端子との間に接続される。第2容量素子は、第2トランジスタの制御端子と第1インバータ回路の出力端子との間に接続される。第1スイッチは、第1インバータ回路の入力端子と出力端子とを接続する。第1電圧源は、所定の第1電圧を供給する。第2スイッチは、第1電圧源と第2トランジスタの制御端子とを接続する。
第3トランジスタは、第2導電型である。第4トランジスタは、第1端子を第3トランジスタの第1端子に接続される。第2インバータ回路は、入力端子を第3トランジスタの第1端子に接続され、出力端子を第4トランジスタの制御端子に接続される。第3容量素子は、第3トランジスタの第1端子と第2インバータ回路の入力端子との間に接続される。第4容量素子は、第4トランジスタの制御端子と第2インバータ回路の出力端子との間に接続される。第3スイッチは、第2インバータ回路の入力端子と出力端子とを接続する。第2電圧源は、所定の第2電圧を供給する。第4スイッチは、第2電圧源と第4トランジスタの制御端子とを接続する。
第1実施形態に係る増幅回路を示す図。 インバータ回路の一例を示す図。 第1実施形態に係る増幅回路の動作を示すタイミングチャート。 第2実施形態に係る増幅回路を示す図。 第2実施形態に係る増幅回路を簡略化して示す図。 第2実施形態に係る増幅回路の動作を示すタイミングチャート。 第3実施形態に係る増幅回路を示す図。 第3実施形態に係る増幅回路の動作を示すタイミングチャート。 CMOSインバータ回路の入出力特性を示す図。 第4実施形態に係る積分回路を示す図。 第4実施形態に係る積分回路の動作を示すタイミングチャート。 第5実施形態に係るAD変換器を示す図。 パイプラインステージの一例を示す図。
以下、増幅回路、積分回路、及びAD変換器の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、各トランジスタMiのドレイン−ソース間電圧をVdsi、ゲート−ソース間電圧をVgsi、オーバドライブ電圧をVovi、閾値電圧をVthiと称する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る増幅回路について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る増幅回路を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る増幅回路は、トランジスタM1と、トランジスタM2と、インバータ回路Inv1と、容量素子C1と、容量素子C2と、スイッチS1と、電圧源V1と、スイッチS2と、トランジスタM3と、トランジスタM4と、インバータ回路Inv2と、容量素子C3と、容量素子C4と、スイッチS3と、電圧源V2と、スイッチS4とを備える。トランジスタM1〜M4は、カスコード構成を有するインバータ回路Inv10を構成しており、入力電圧Vinを増幅し、出力電圧Voutを出力する。
トランジスタM1(第1トランジスタ)は、Nチャネル(第1導電型)のMOSトランジスタ(以下、「NMOSトランジスタ」という)であり、ゲート端子(制御端子)から入力電圧Vinを入力され、ソース端子を接地され、ドレイン端子(第1端子)をトランジスタM2のソース端子に接続されている。トランジスタM1のゲート端子は、インバータ回路Inv10の入力端子となる。
トランジスタM2(第2トランジスタ)は、NMOSトランジスタであり、ソース端子(第1端子)をトランジスタM1のドレイン端子(第1端子)に接続され、ドレイン端子(第2端子)をトランジスタM4のドレイン端子に接続されている。トランジスタM2のゲート端子(制御端子)は、容量素子C2を介してインバータ回路Inv1の出力端子に接続されるとともに、スイッチS2を介して電圧源V1に接続されている。トランジスタM2のドレイン端子の電圧は、本実施形態に係る増幅回路の出力電圧Voutとして出力される。すなわち、トランジスタM2のドレイン端子は、インバータ回路Inv10の出力端子となる。
インバータ回路Inv1(第1インバータ回路)は、負帰還を行うための内部増幅回路である。入力端子は、容量素子C1を介してトランジスタM1のドレイン端子(第1端子)に接続され、出力端子は容量素子C2を介してトランジスタM2のゲート端子(制御端子)に接続されている。ここで、図2は、インバータ回路Inv1の一例を示す図である。
図2のインバータ回路Inv1は、ドレイン端子同士を接続されたトランジスタM11とトランジスタM12とからなるCMOSインバータ回路である。トランジスタM11はNMOSトランジスタでありソース端子を接地されている。トランジスタM12は、Pチャネル(第2導電型)のMOSトランジスタ(以下、「PMOSトランジスタ」という)であり、ソース端子を電源Vddに接続されている。このインバータ回路Inv1では、トランジスタM11,M12のゲート端子が入力端子となり、ドレイン端子が出力端子となる。なお、インバータ回路Inv1の構成はこれに限られず、カスコード構成のインバータ回路であってもよい。
容量素子C1(第1容量素子)は、トランジスタM1のドレイン端子(第1端子)と、インバータ回路Inv1の入力端子との間に接続されている。
容量素子C2(第2容量素子)は、トランジスタM2のゲート端子(制御端子)と、インバータ回路Inv1の出力端子との間に接続されている。
スイッチS1(第1スイッチ)は、インバータ回路Inv1と並列に設けられ、インバータ回路Inv1の入力端子と出力端子とを接続又は開放する。スイッチS1の開閉は制御信号φ1により制御される。スイッチS1は、制御信号φ1がHighのときにオン(閉状態)になり、Lowのときにオフ(開状態)となる。スイッチS1として、例えば、MOSトランジスタが用いられる。
電圧源V1(第1電圧源)は、所定のバイアス電圧V1(第1電圧)をトランジスタM2のゲート端子に供給する定電圧源である。バイアス電圧V1は、トランジスタM1,M2が飽和領域で動作する、すなわち、Vds1≧Vov1かつVds2≧Vov2となるように予め設定される。トランジスタM1,M2が飽和領域で動作するトランジスタM2のゲート端子の電圧の最低値は、Vov1+Vov2+Vth2であるから、バイアス電圧V1は、V1≧Vov1+Vov2+Vth2の範囲で任意に設定可能である。
スイッチS2(第2スイッチ)は、電圧源V1とトランジスタM2のゲート端子(制御端子)との間に設けられ、これらの間を接続又は開放する。スイッチS2の開閉は制御信号φ1により制御される。スイッチS2は、制御信号φ1がHighのときにオン(閉状態)になり、Lowのときにオフ(開状態)となる。スイッチS2として、例えば、MOSトランジスタが用いられる。
トランジスタM3(第3トランジスタ)は、PMOSトランジスタであり、ゲート端子(制御端子)から入力電圧Vinを入力され、ソース端子を電源Vddに接続され、ドレイン端子(第1端子)をトランジスタM4のソース端子に接続されている。トランジスタM3のゲート端子は、インバータ回路Inv10の入力端子となる。
トランジスタM4(第4トランジスタ)は、PMOSトランジスタであり、ソース端子(第1端子)をトランジスタM3のドレイン端子(第1端子)に接続され、ドレイン端子(第2端子)をトランジスタM2のドレイン端子(第2端子)に接続されている。トランジスタM4のゲート端子(制御端子)は、容量素子C4を介してインバータ回路Inv2の出力端子に接続されるとともに、スイッチS4を介して電圧源V2に接続されている。トランジスタM4のドレイン端子の電圧は、本実施形態に係る増幅回路の出力電圧Voutとして出力される。すなわち、トランジスタM4のドレイン端子は、インバータ回路Inv10の出力端子となる。
インバータ回路Inv2(第2インバータ回路)は、負帰還を行うための内部増幅回路である。入力端子は、容量素子C3を介してトランジスタM3のドレイン端子(第1端子)に接続され、出力端子は、容量素子C4を介してトランジスタM4のゲート端子(制御端子)に接続されている。インバータ回路Inv2は、インバータ回路Inv1と同様、ドレイン端子同士を接続されたNMOSトランジスタM21とPMOSトランジスタM22とからなるCMOSインバータ回路(図2参照)であってもよいし、カスコード構成のインバータ回路であってもよい。
容量素子C3(第3容量素子)は、トランジスタM3のドレイン端子(第1端子)と、インバータ回路Inv2の入力端子との間に接続されている。
容量素子C4(第4容量素子)は、トランジスタM4のゲート端子(制御端子)と、インバータ回路Inv2の出力端子との間に接続されている。
スイッチS3(第3スイッチ)は、インバータ回路Inv2と並列に設けられ、インバータ回路Inv2の入力端子と出力端子とを接続又は開放する。スイッチS3の開閉は制御信号φ1により制御される。スイッチS3は、制御信号φ1がHighのときにオン(閉状態)になり、Lowのときにオフ(開状態)となる。スイッチS3として、例えば、MOSトランジスタが用いられる。
電圧源V2(第2電圧源)は、所定のバイアス電圧V2(第2電圧)を、トランジスタM4のゲート端子に供給する定電圧源である。バイアス電圧V2は、トランジスタM3,M4が飽和領域で動作する、すなわち、Vds3≧Vov3かつVds4≧Vov4となるように予め設定される。トランジスタM3,M4が飽和領域で動作するトランジスタM4のゲート端子の電圧の最高値は、Vdd−Vov3−Vov2−Vth2であるから、バイアス電圧V2は、V2≦Vdd−Vov3−Vov2−Vth2の範囲で任意に設定可能である。
スイッチS4(第4スイッチ)は、電圧源V2とトランジスタM4のゲート端子(制御端子)との間に設けられ、これらの間を接続又は開放する。スイッチS4の開閉は制御信号φ1により制御される。スイッチS4は、制御信号φ1がHighのときにオン(閉状態)になり、Lowのときにオフ(開状態)となる。スイッチS4として、例えば、MOSトランジスタが用いられる。
次に、本実施形態に係る増幅回路の動作について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る増幅回路の動作を示すタイミングチャートである。図3に示すように、本実施形態に係る増幅回路は、離散時間増幅動作を行う。すなわち、入力電圧Vinを増幅する増幅フェーズと、入力電圧Vinを増幅しない記憶フェーズと、の2つの動作状態を有し、2つのフェーズが交互に繰り返される。
記憶フェーズは、増幅回路が増幅動作を行わない期間であり、制御信号φ1がHigh、すなわち、スイッチS1〜S4がオンになっている。
記憶フェーズにおいて、スイッチS1がオンになることにより、インバータ回路Inv1の入出力端子間が短絡し、インバータ回路Inv1の入出力端子の電圧は、インバータ回路Inv1のショート電圧となる。これにより、容量素子C1,C2のインバータ回路Inv1側の端子の電圧もショート電圧となる。
また、容量素子C1のトランジスタM1側の端子の電圧は、入力電圧Vinの動作点電圧がトランジスタM1のゲート端子に印加された場合のVds1、すなわち、入力電圧Vinの動作点電圧に応じた所定の電圧となる。
さらに、スイッチS2がオンになることにより、電圧源V1と容量素子C2が接続されるため、容量素子C2のトランジスタM2側の端子の電圧は、バイアス電圧V1となる。
これに対して、増幅フェーズは、増幅回路が増幅動作を行う期間であり、制御信号φ1がLow、すなわち、スイッチS1〜S4がオフになっている。増幅フェーズにおいて、増幅回路は、入力電圧Vinを所定の利得で増幅し、出力電圧Voutを出力する。
以上説明した通り、本実施形態に係る増幅回路は、増幅動作を行うインバータ回路Inv10がカスコード構成であるとともに、インバータ回路Inv1,2により負帰還がかかるため、高い利得で入力電圧Vinを増幅することができる。
また、負帰還に用いられる内部増幅回路がインバータ回路Inv1,2であるため、負帰還の際に内部増幅回路を駆動するためのバイアス電流が不要となる。したがって、ソース接地回路により負帰還を行っていた従来の増幅回路に比べて、増幅動作に要する消費電力を低減することができる。
さらに、記憶フェーズにおいて、容量素子C2のトランジスタM2側の端子の電圧を任意のバイアス電圧V1に設定することができるため、トランジスタM1〜M4を確実に飽和領域で動作させることができる上、出力電圧Vinの動作範囲を広くすることができる。ここでいう動作範囲とは、増幅回路により入力電圧Vinを増幅して出力することができる出力電圧Vinの範囲のことである。
例えば、増幅回路が容量素子C2を備えない場合、トランジスタM2のゲート端子は、インバータ回路Inv1の出力電圧を直接印加される。インバータ回路Inv1が図2の構成の場合、インバータ回路Inv1の動作点電圧は約Vdd/2となるため、トランジスタM2のゲート端子の電圧も約Vdd/2となる。この電圧は、トランジスタM1,M2が飽和領域で動作するためのゲート端子の電圧の最低値Vov1+Vov2+Vth2よりも大きいため、出力電圧の動作範囲が狭くなる。
これに対して、本実施形態によれば、容量素子C2により、インバータ回路Inv1の出力電圧とトランジスタM2のゲート電圧とを分離し、ゲート電圧を任意の値に設定することができる。すなわち、ゲート電圧を、最低電圧Vov1+Vov2+Vth2以上の範囲で、Vdd/2より小さい電圧とすることができる。
これにより、出力電圧Voutの動作範囲の下限電圧を低下させることができる。また、同様の理由で、増幅回路が容量素子C4を備えることにより、出力電圧Voutの動作範囲の上限電圧を上昇させることができる。したがって、出力電圧Voutの動作範囲を広くすることができる。
なお、本実施形態において、インバータ回路Inv10は、2段のカスコード構成を有するが、3段以上のカスコード構成とすることも可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る増幅回路について、図4〜図6を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る増幅回路を示す図である。図4に示すように、本実施形態に係る増幅回路は、トランジスタM5と、スイッチS5と、トランジスタM6と、スイッチS6とを備える。トランジスタM5,M6は、インバータ回路Inv20を構成している。他の構成は、第1実施形態に係る増幅回路と同様である。
トランジスタM5(第5トランジスタ)は、NMOSトランジスタであり、ゲート端子(制御端子)をトランジスタM1のゲート端子(制御端子)に接続され、ソース端子を接地され、ドレイン端子(第1端子)をスイッチS5に接続されている。トランジスタM5は、ゲート端子から入力電圧Vinを入力される。トランジスタM5のゲート端子は、インバータ回路Inv20の入力端子となる。
スイッチS5(第5スイッチ)は、トランジスタM1のドレイン端子(第1端子)とトランジスタM5のドレイン端子(第1端子)との間に設けられ、これらの間を接続又は開放する。スイッチS5の開閉は制御信号φBSTにより制御される。スイッチS5は、制御信号φBSTがHighのときにオン(閉状態)になり、Lowのときにオフ(開状態)となる。スイッチS5として、例えば、MOSトランジスタが用いられる。
トランジスタM6(第6トランジスタ)は、PMOSトランジスタであり、ゲート端子(制御端子)をトランジスタM3のゲート端子(制御端子)に接続され、ソース端子を電源Vddに接続され、ドレイン端子(第1端子)をスイッチS6に接続されている。トランジスタM6は、ゲート端子から入力電圧Vinを入力される。トランジスタM6のゲート端子は、インバータ回路Inv20の入力端子となる。
スイッチS6(第6スイッチ)は、トランジスタM3のドレイン端子(第1端子)とトランジスタM6のドレイン端子(第1端子)との間に設けられ、これらの間を接続又は開放する。スイッチS6の開閉は制御信号φBSTにより制御される。スイッチS6は、制御信号φBSTがHighのときにオン(閉状態)になり、Lowのときにオフ(開状態)となる。スイッチS6として、例えば、MOSトランジスタが用いられる。
ここで、図5は、図4の増幅回路を簡略化して示す図である。図5において、インバータ回路Inv1,2などの構成は省略されている。本実施形態に係る増幅回路は、図5に示すように、増幅動作を行うインバータ回路Inv10に、インバータ回路Inv20が並列に接続された構成となっている。
このような構成により、インバータ回路Inv20による電流の駆動が可能となるため、増幅回路の電流駆動能力を向上させることができる。また、追加するインバータ回路Inv20がカスコード構成ではなく、2つのトランジスタM5,M6からなる単純な構成のため、トランジスタM5,M6のデバイスサイズを調整することにより、駆動電流の大きさを容易に調整することができる。
次に、本実施形態に係る増幅回路の動作について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る増幅回路の動作を示すタイミングチャートと、タイミングチャートと対応した出力電圧Voutを示す図である。図6において、実線は本実施形態に係る増幅回路の出力電圧Voutを示しており、破線は第1実施形態に係る増幅回路の出力電圧Voutを示している。
図6に示すように、制御信号φBSTは、制御信号φ1がLowになったタイミングでHighになり、所定時間後にLowになる。すなわち、スイッチS5,S6は、スイッチS1〜S4がオフになったタイミングでオンになり、所定時間後にオフになる。スイッチS5,S6がオンの期間は、増幅フェーズの継続期間より短く設定される。
このような動作により、増幅フェーズの初期の所定時間に増幅回路の電流駆動能力が向上し、出力電圧Voutが所望の利得で増幅されるまでの期間が短縮する。したがって、増幅動作を高速化することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る増幅回路について、図7〜図9を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る増幅回路を示す図である。図7に示すように、本実施形態に係る増幅回路は、電圧源V3と、スイッチS7と、スイッチS8とを備える。他の構成は、第1実施形態に係る増幅回路と同様である。
電圧源V3(第3電圧源)は、所定のバイアス電圧V3(第3電圧)を、トランジスタM1,M3のゲート端子(制御端子)に供給する定電圧源である。バイアス電圧V3は、トランジスタM1又はトランジスタM3がオフになるように設定される。電圧源V3として、例えば、グラウンドや電源Vddを用いることができる。
スイッチS7は、トランジスタM1,M3のゲート端子(制御端子)と電圧源V3との間に設けられ、これらの間を接続又は開放する。スイッチS7の開閉は制御信号φ2により制御される。スイッチS7は、制御信号φ2がHighのときにオン(閉状態)になり、Lowのときにオフ(開状態)となる。スイッチS7として、例えば、MOSトランジスタが用いられる。
スイッチS8は、トランジスタM1,M3のゲート端子(制御端子)とトランジスタM2,M4のドレイン端子(第2端子)との間に設けられ、これらの間を接続又は開放する。スイッチS8の開閉は制御信号φ1により制御される。スイッチS8は、制御信号φ1がHighのときにオン(閉状態)になり、Lowのときにオフ(開状態)となる。スイッチS8として、例えば、MOSトランジスタが用いられる。
次に、本実施形態に係る増幅回路の動作について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る増幅回路の動作を示すタイミングチャートである。図8に示すように、本実施形態に係る増幅回路は、記憶フェーズと、増幅フェーズと、遮断フェーズと、の3つの動作状態を有し、3つのフェーズが順次繰り返される。
記憶フェーズでは、制御信号φ1がHighかつ制御信号φ2がLowである。すなわち、スイッチS1〜S4,S8がオンに、スイッチS7がオフになっている。
スイッチS8がオンになることにより、インバータ回路Inv10の出力端子電圧、すなわち、トランジスタM1,M4のドレイン端子の動作点電圧が、入力電圧Vinの動作点電圧に設定される。
ここで、図9は、一般的なCMOSインバータ回路の入出力特性を示す図である。図9において、横軸は入力電圧Vinであり、縦軸は出力電圧Voutである。破線は、Vin=Voutとなる直線を示す。
一般に、CMOSインバータ回路は、信号成分(交流成分)が動作点電圧に重畳された入力電圧Vinを入力され、増幅された信号成分(交流成分)が動作点電圧に重畳された出力電圧Voutを出力する。入力電圧Vinの動作点電圧に対応する出力電圧Voutの動作点電圧は、図9に示すような入出力特性によって決まり、出力電圧Voutの動作範囲は、Vin=Voutのときに最大となる。
本実施形態の場合、記憶フェーズにおいてスイッチS8がオンになっているため、インバータ回路Inv10の入出力端子間が短絡し、Vin=Voutとなっている。このため、インバータ回路Inv10の出力端子の動作点電圧がVin=Voutの時の動作点電圧に設定される。以降の増幅フェーズでは、当該記憶フェーズで設定された動作点電圧を基準に増幅動作が行われるため、出力電圧Voutの動作範囲を最大化することができる。
制御信号φ1がLowになり、記憶フェーズが終了すると、増幅フェーズが開始される。増幅フェーズでは、制御信号φ1がLowかつ制御信号φ2がLowである。すなわち、スイッチS1〜S4,S7,S8がオフになっている。増幅フェーズにおける増幅動作は、第1実施形態と同様である。
制御信号φ2がHighになり、増幅フェーズが終了すると、遮断フェーズが開始される。遮断フェーズでは、制御信号φ1がLowかつ制御信号φ2がHighである。すなわち、スイッチS1〜S4,S7がオフに、スイッチS8がオンになっている。
スイッチS8がオンになることにより、インバータ回路Inv1の入力端子に電圧V3が印加され、トランジスタM1又はトランジスタM3がオフになる。これにより、インバータ回路Inv1の貫通電流が遮断される。このような増幅回路を用いて積分回路を構成することにより、低消費電力な積分回路を構成することができる。積分回路については後述する。
制御信号φ2がLowになり、遮断フェーズが終了した後、所定時間遅れて制御信号φ1がHighになり、再び記憶フェーズが開始される。制御信号φ1がHighになるタイミングを、制御信号φ2がLowになるタイミングより遅らせることにより、インバータ回路Inv10の入出力が電圧源V3と短絡するのを防ぐことができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る積分回路について、図10及び図11を参照して説明する。本実施形態に係る積分回路は、上述の第3実施形態に係る増幅回路を備える。図10は、本実施形態に係る積分回路を示す図である。図10に示すように、本実施形態に係る積分回路は、増幅回路と、スイッチS9と、スイッチS10と、容量素子C5と、スイッチS11と、スイッチS12と、容量素子C6と、を備える。図10において、増幅回路の構成は、インバータ回路Inv10とスイッチS8と、を除いて省略されている。
スイッチS9は、この積分回路による積分対象となる入力電流Iinの電流源(図示省略)と、容量素子C5の一方の端子との間に設けられ、これらの間を接続又は開放する。スイッチS9の開閉は制御信号φ3により制御される。スイッチS9は、制御信号φ3がHighのときにオン(閉状態)になり、Lowのときにオフ(開状態)となる。スイッチS9として、例えば、MOSトランジスタが用いられる。
スイッチS10は、グラウンドと容量素子C5の一方の端子との間に設けられ、これらの間を接続又は開放する。スイッチS10の開閉は制御信号φ4により制御される。スイッチS10は、制御信号φ4がHighのときにオン(閉状態)になり、Lowのときにオフ(開状態)となる。スイッチS10として、例えば、MOSトランジスタが用いられる。
容量素子C5は、一方の端子をスイッチS9,S10と接続され、他方の端子をスイッチS11,S12と接続されている。スイッチS9とスイッチS11とがオンになると、容量素子C5は、一方の端子を電流源と接続され、他方の端子を接地され、入力電流Iinに応じた電荷を蓄積する。スイッチS10とスイッチS12とがオンになると、容量素子C5は、一方の端子を接地され、他方の端子を増幅回路の入力端子と接続され、蓄積した電荷を容量素子C6に転送する。容量素子C5は、この積分回路の事前積分容量として機能する。
スイッチS11は、グラウンドと容量素子C5の他方の端子との間に設けられ、これらの間を接続又は開放する。スイッチS11の開閉は制御信号φ3により制御される。スイッチS11は、制御信号φ3がHighのときにオン(閉状態)になり、Lowのときにオフ(開状態)となる。スイッチS11として、例えば、MOSトランジスタが用いられる。
スイッチS12は、容量素子C5の他方の端子とインバータ回路Inv10の入力端子との間に設けられ、これらの間を接続又は開放する。スイッチS12の開閉は制御信号φ4により制御される。スイッチS12は、制御信号φ4がHighのときにオン(閉状態)になり、Lowのときにオフ(開状態)となる。スイッチS12として、例えば、MOSトランジスタが用いられる。
容量素子C6は、一方の端子を増幅回路の入力端子に接続され、他方の端子を増幅回路の出力端子に接続されている。すなわち、容量素子C6は、増幅回路と並列に接続されている。スイッチS10とスイッチS12とがオンになると、増幅回路の負帰還により容量素子C5に蓄積された電荷が転送され、転送された電荷が容量素子C6に蓄積される。容量素子C6の他方の端子の電圧が、この積分回路の出力電圧Voutとなる。
次に、本実施形態に係る積分回路の動作について、図11を参照して説明する。図11は、本実施形態に係る積分回路の動作を示すタイミングチャートである。図11に示すように、この積分回路は、スイッチS9〜S12の動作に注目した場合、サンプリングフェーズ及び転送フェーズという2つの動作状態を有する。
サンプリングフェーズでは、制御信号φ3がHighかつ制御信号φ4がLowである。すなわち、スイッチS9,S11がオンになり、スイッチS10,S12がオフになっている。したがって、サンプリングフェーズでは、入力電流Iinに応じた電荷が容量素子C5に蓄積される。
サンプリングフェーズにおいて、増幅回路及び容量素子C6は、容量素子C5と電気的に分離されており、増幅回路は上述の遮断フェーズ及び記憶フェーズの動作を行う。記憶フェーズでは、スイッチS1〜S4,S8がオンになり、Vin=Voutのときの動作点電圧が記憶されるとともに、容量素子C6が短絡し、蓄積された電荷が放電される。記憶フェーズは、サンプリングフェーズ中の任意の期間に行われ、残りの期間には、遮断フェーズが行われる。これにより、積分回路の消費電力を低減させることができる。
制御信号φ3がLowになり、サンプリングフェーズが終了すると、所定時間遅れて制御信号φ4がHighになり、転送フェーズが開始される。制御信号φ4がHighになるタイミングを、制御信号φ3がLowになるタイミングより遅らせることにより、積分回路の短絡を防ぐことができる。
転送フェーズでは、制御信号φ3がLowかつ制御信号φ4がHighである。すなわち、スイッチS10,S12がオンになり、スイッチS9,S11がオフになっている。
転送フェーズにおいて、増幅回路は上述の増幅フェーズの動作を行い、入力電圧Vinを所定の利得で増幅する。この際、負帰還の原理により、容量素子C5に蓄積された電荷が、容量素子C6に転送され、容量素子C6の他方の端子の電圧が出力電圧Voutとして出力される。
容量素子C5,C6の容量をC5,C6とすると、容量素子C5に蓄積された電荷が全て容量素子C6に転送された場合、Vout=(C5/C6)×Vinとなる。一般に、オペアンプの駆動能力や容量に応じて決まる時定数をτとすると、出力電圧Voutは以下の式で表される。
Vout(t)=(C5/C6)(1−exp(−1/τ))×Vin
すなわち、出力電圧Voutは、時間の経過とともに(C5/C6)×Vinに近づいていく。転送フェーズの継続時間は、C5、C6、τ、及び要求される積分精度に応じて決定される。
転送フェーズが終了し、制御信号φ4がLowになると、所定時間遅れて制御信号φ3がHighになり、再びサンプリングフェーズが開始される。制御信号φ3がHighになるタイミングを、制御信号φ4がLowになるタイミングより遅らせることにより、積分回路の短絡を防ぐことができる。
以上説明した通り、本実施形態に係る積分回路は、サンプリング期間中の増幅回路の消費電力を抑制することができる。また、増幅回路が高い利得を有することから、精度よく積分動作を行うことができる。さらに、転送フェーズ中に電流源と積分回路とが電気的に分離されるため、転送フェーズ中に入力電流Iinが入力された場合に生じる積分誤差の発生を防止することができる。
なお、積分回路が第1実施形態及び第2実施形態に係る増幅回路を備える構成も可能である。積分回路が第2実施形態に係る増幅回路を備える場合、増幅回路の電流駆動能力が向上するため、時定数τが小さくなる。したがって、転送フェーズを短縮し、積分動作を高速化することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係るAD変換器について、図12及び図13を参照して説明する。図12は、本実施形態に係るAD変換器を示す図である。図12に示すように、本実施形態に係るAD変換器は、複数のパイプラインステージを備えるパイプラインAD変換器である。
図13は、AD変換器のパイプラインステージの一例を示す図である。このパイプラインステージでは、1ビットのAD変換が行われる。図13に示すように、パイプラインステージは、第4実施形態に係る積分回路と、AD変換回路ADCと、DA変換回路DACとを備える。
AD変換回路ADCは、入力電流Iinに応じた入力電圧が参照電圧Vref以上の場合に1を出力し、参照電圧Vrefより小さい場合に0を出力する。これにより、1ビットのAD変換が行われる。
DA変換回路DACは、AD変換回路ADCの出力信号をDA変換する。DA変換回路DACは、AD変換回路ADCの出力信号が1の場合に参照電圧Vrefに応じた電流を出力し、0の場合には電流を出力しない。
このような構成により、1ビットのAD変換が行われ、出力電圧Voutは後段のパイプラインステージに入力される。AD変換器は、第4実施形態に係る積分回路を備えるため、低消費電力であるとともに、精度よくAD変換を行うことができる。
なお、このAD変換器は、全差動の構成にしてもよいし、各パイプラインステージで複数ビットのAD変換、或いは、1.5ビットなどの冗長ビットを有するAD変換を行うように構成することも可能である。また、上述の各実施形態に係る増幅回路及び積分回路は、パイプラインAD変換器以外の任意のAD変換器に適用することができる。
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、各実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
C1〜C6:容量素子、S1〜S12:スイッチ、Inv1,Inv2,Inv10,Inv20:インバータ回路、V1〜V3:電圧源、φ1〜φ4:制御信号、ADC:AD変換回路、DAC:DA変換回路

Claims (6)

  1. 第1導電型の第1トランジスタと、
    第1端子を前記第1トランジスタの第1端子に接続された第1導電型の第2トランジスタと、
    入力端子を前記第1トランジスタの第1端子に接続され、出力端子を前記第2トランジスタの制御端子に接続された第1インバータ回路と、
    前記第1トランジスタの第1端子と前記第1インバータ回路の入力端子との間に接続された第1容量素子と、
    前記第2トランジスタの制御端子と前記第1インバータ回路の出力端子との間に接続された第2容量素子と、
    前記第1インバータ回路の入力端子と出力端子とを接続する第1スイッチと、
    所定の第1電圧を供給する第1電圧源と、
    前記第1電圧源と前記第2トランジスタの制御端子とを接続する第2スイッチと、
    制御端子を前記第1トランジスタの制御端子に接続された第2導電型の第3トランジスタと、
    第1端子を前記第3トランジスタの第1端子に接続され、第2端子を前記第2トランジスタの第2端子に接続された第2導電型の第4トランジスタと、
    入力端子を前記第3トランジスタの第1端子に接続され、出力端子を前記第4トランジスタの制御端子に接続された第2インバータ回路と、
    前記第3トランジスタの第1端子と前記第2インバータ回路の入力端子との間に接続された第3容量素子と、
    前記第4トランジスタの制御端子と前記第2インバータ回路の出力端子との間に接続された第4容量素子と、
    前記第2インバータ回路の入力端子と出力端子とを接続する第3スイッチと、
    所定の第2電圧を供給する第2電圧源と、
    前記第2電圧源と前記第4トランジスタの制御端子とを接続する第4スイッチと、
    を備える増幅回路。
  2. 制御端子を前記第1トランジスタの制御端子に接続された第1導電型の第5トランジスタと、
    前記第1トランジスタの第1端子と前記第5トランジスタの第1端子とを接続する第5スイッチと、
    制御端子を前記第3トランジスタの制御端子に接続された第2導電型の第6トランジスタと、
    前記第3トランジスタの第1端子と前記第6トランジスタの第1端子とを接続する第6スイッチと、
    を備える請求項1に記載の増幅回路。
  3. 前記第1トランジスタ又は前記第2トランジスタをオフにする所定の第3電圧を供給する第3電圧源と、
    前記第3電圧源と前記第1及び第3トランジスタの制御端子とを接続する第7スイッチと、
    を備える請求項1又は請求項2に記載の増幅回路。
  4. 前記第1トランジスタの制御端子及び前記第2トランジスタの制御端子の接続点と、前記第3トランジスタの第2端子及び前記第4トランジスタの第2端子の接続点と、を接続する第8スイッチを備える
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の増幅回路。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の増幅回路を備えた積分回路。
  6. 請求項5に記載の積分回路を備えるAD変換器。
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