JP2009044391A - Ad変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】
簡単な構成で小型化でき、低動作電圧及び低消費電力で高精度且つ高速動作するΔΣ型変換器等への応用に好適なAD変換器を提供する。
【解決手段】
アナログ入力信号をサンプリングするSC積分器11、このSC積分器11の出力側に設けられた量子化器13、量子化器13の出力を入力とするDAC極性切替回路14およびDAC極性切替回路14からの切替信号により異なる極性の電荷をSC積分器11に入力するDAC部15により構成される。入力キャパシタとして1対の入力キャパシタC1−C2を使用し、それぞれ電源電圧VDD及び接地電圧GNDに充電されると共に入力アナログ信号をサンプリングし、スイッチにより選択的に並列接続されて両入力キャパシタC1−C2間で電荷を移動させ、入力端子16の無信号時電圧VCOM(=VDD/2)を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明はAD変換器、特にアナログオーディオ信号をデジタル信号に変換するΔΣ型アナログ・デジタル変換器等に好適な、スイッチドキャパシタ型積分器を使用するAD変換器に関する。
AD変換器(以下、単にADCという場合もある)は、各種のアナログ信号を対応するデジタル信号に変換する基本電子回路又はデバイスとして種々のタイプが開発され且つ各種電子機器又は電子応用機器に広く応用されている。特に、アナログ信号をデジタル信号(又はデータ)に変換することにより、各種の信号処理を容易にすると共に各種メモリ(記憶装置)に記憶保存も容易であるので、ADCの利用分野は益々拡大している。
ADCでは、変換されるアナログ信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングして、アナログ信号の瞬時値(又はサンプル)を求め、サンプリングされたアナログ信号の瞬時値(サンプル)を予め決められたビット数のデジタル信号に変換する。サンプリング周波数をアナログ信号の最高周波数の2倍以上に設定すると、アナログ信号を忠実に再現可能であることが知られている。このような周波数を一般にナイキスト周波数と呼ばれている。斯かるナイキスト周波数以上の周波数でサンプリングする、所謂オーバーサンプリングを行うと、低域の雑音電力を高域側へ移し、信号帯域内の雑音電力を低減可能である。上述したΔΣ型ADCは斯かるオーバーサンプリング技法を利用するADCの1例である。
斯かるΔΣ型ADCの従来例は種々の技術文献に開示されている。シグマデルタAD変換器の分解能を改善する擬似マルチビット・シグマデルタAD変換器が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、オーバーサンプル比やアナログ積分器の次数を高くすることなく高精度化且つ広帯域化を可能にするマルチビット−デルタシグマAD変換器が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。更に、低い電源電圧で動作するスイッチドRC積分器を使用するデルタ−シグマADCが開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。
特開平6−13908号公報(第6頁、第3図) 特開2001−156642号公報(第7頁、第1図) IEEE JOURNAL OF SOLID STATE CIRCUITS, VOL.40, NO.12DECEMBER 2005,pp.2398-2404 "A 0.6-V 82-dB Delta-Sigma Audio ADC Using Switched RC-Integrators"
図3は、従来のスイッチドキャパシタ(以下、SCと省略する)回路で構成されたΔΣ変調器(モジュレータ)によるADC、即ちΔΣ型ADCの1例の回路構成図である。このΔΣ型ADC30は、SC積分器31、量子化器(コンパレータ)32、DAC(デジタル・アナログ変換器)極性切替回路33及びDAC部34により構成され、量子化器32の出力側にはデジタルフィルタ35が接続され、不要なノイズを除去して必要な信号データのみを出力するように構成されている。
図3に示すΔΣ型ADC30において、SC積分器31は、アナログ入力信号VINが入力される入力端子、4個のアナログスイッチ(ASW)、即ちASW1、ASW2、ASW3及びASW4、入力キャパシタCIN、演算増幅器OPAMP及びこのOPAMPの出力端と反転入力端(−)間に接続されたフィードバック(帰還)キャパシタCFBにより構成されている。量子化器32は、SC積分器31の出力、即ちOPAMPの出力端及びデジタルフィルタ35間に接続されている。DAC極性切替回路33の入力端は、量子化器33の出力側に接続され、DAC部34を制御する。DAC部34は、正基準電圧VDACPが入力される入力端子37および負基準電圧VDACNが入力される入力端子38と、これら入力端子37及び38と上述したSC積分器31のOPAMPの反転入力端間にそれぞれ接続されたSC回路を有する。これらのSC回路は、SC積分器31のSC回路と同様に、4個のASW(ASW1〜ASW4)及びそれぞれの入力キャパシタCDACP、CDACNにより構成される。
SC積分器31において、入力端子36は、アナログスイッチASW1、入力キャパシタCIN及びアナログスイッチASW4の直列回路を介して演算増幅器OPAMPの反転入力端に接続されている。ASW1とCINの接続点は、ASW2を介してシグナルグランド(SG)に接続され、CINとASW4の共通接続点は、ASW3を介してSGに接続されている。また、OPAMPの非反転入力端(+)もSGに接続されている。そして、DAC部34の1対のASW4がそれぞれDAC極性切替回路33の出力により、選択的に制御され、DAC部34の出力はSC積分器31のOPAMPの反転入力端(−)に入力される。
SC積分器31及びDAC部34の各アナログスイッチASW1〜ASW4には、ASW1及びASW3に一方の極性の制御信号(又はクロック)φ1が入力され、ASW2及びASW4に、φ1と180°位相が異なる(即ち、位相反転した)制御信号(又はクロック)φ2が入力される。
次に、図3に示すΔΣ型ADC30の動作を説明する。先ず、制御信号φ1によりSC積分器31のアナログスイッチASW1及びASW3がONになると、入力端子36の入力信号VINの瞬時値(又はサンプル電圧)に入力キャパシタCINが充電(チャ−ジ)される。次に、制御信号φ2によりASW2及びASW4がONとなると、入力キャパシタCINに充電されていた入力信号VINの瞬時値に対応する電荷が演算増幅器OPAMPの動作により帰還キャパシタCFBに移される。尚、初期状態において帰還キャパシタCFBの充電電荷は0であると仮定する。また、入力キャパシタCIN及び帰還キャパシタCFBは等しい静電容量を有する(即ち、CIN=CFB)と仮定する。
量子化器32は、SC積分器31の出力である帰還キャパシタCFBの充電電圧を、基準入力端に入力されたSGと比較し、比較結果に応じて「高」又は「低」の2値信号を出力する。この2値信号によりDAC極性切替回路33は、DAC部34の出力を選択する。尚、DAC部34のSC回路のアナログスイッチASW1〜ASW4も上述した制御信号φ1及びφ2により、それぞれの入力端子37、38の基準電圧VDACP及びVDACNをサンプリングして、対応する入力キャパシタCDACP、CDACNを充電している。そこで、量子化器32の出力が「高」のときには、入力端子38側を選択する制御信号φ2NがDAC極性切替回路33から出力され、基準電圧VDACNに充電された入力キャパシタCDACNの電荷をSC積分器31のOPAMPの反転入力端(−)を介して帰還キャパシタCFBへ移して、入力端子36の入力信号VINの瞬時値(サンプル電圧)に充電されている帰還キャパシタCFBの電荷から差し引く。
一方、量子化器32の出力が「低」の場合には、DAC極性切替回路33によりDAC部34の入力端子37側を選択する制御信号φ2PがDAC極性切替回路33から出力される。そして、入力端子37に入力されたVDACPに充電された入力キャパシタCDACPの電荷をSC積分器31のOPAMPの反転入力端(−)を介して帰還キャパシタCFBへ移し、電荷を加算する。尚、図3に示す如く、DAC極性切替回路33は、制御信号φ2によりSC積分器31のASW2及びASW4と同期して切替動作する。
上述の如く、ΔΣ型ADC30は、フィードバックループを構成して、SC積分器31によりサンプリングした入力端子36のアナログ入力信号VINの各サンプリング時点における瞬時値に応じてDAC部34からの電荷の加算又は減算を制御信号φ1及びφ2のサンプリング周波数で反復して動作する。ここで、AD変換のために入力端子36に入力されるアナログ入力信号VINの周波数帯域を20KHzとすると、アナログスイッチASW1〜ASW4の切替周波数であるサンプリング周波数(fs)は、20KHzの約2倍の周波数48KHzに対し、例えばオーバーサンプリング比64を掛けて、
fs=48KHz×64=3.072MHz
に選定する。この周波数に同期したビットレートが64fsのパルス密度変調(PDM)されたデジタルデータが量子化器32から出力される。
ここで、図3に示すデジタルフィルタ35は、上述の如きPDM変調されたデジタルデータに対して帯域制限及びビット拡張して、ビットレートをfsに下げ且つビット幅を拡張して多ビットデジタル出力に変換し、AD変換されたデジタル出力を得る。
上述の如き典型的なΔΣ型ADC30において、高精度且つ低電圧動作する要求又はニーズが高まっている。低動作電圧化することによりIC(集積回路)が小型高密度に形成できると共に安価な電池により長時間動作させることが可能になる。しかし、SC回路で構成されたΔΣ型ADCでは、低電圧動作させた場合にアナログスイッチASWのスイッチング動作の高速化及びON抵抗の低減化が困難であるので、ΔΣ型ADCの性能が低下するという課題を伴う。
斯かる技術的課題及びその解決手段については上述した非特許文献1にも説明されているが、図4を参照して説明する。図4は、図3に示すSC回路を使用して低電圧動作化を意図するΔΣ型ADCの主要部を示す概略回路図である。従って、図3に示す回路に対応する部分には、説明の便宜上同様の参照符号を使用することとする。
図4に示すΔΣ型ADC30Aは、アナログスイッチ(ASW)SW1及びSW2、入力キャパシタCIN、NMOSスイッチSW3及びSW4、演算増幅器OPAMP、帰還キャパシタCFB、DAC極性切替回路33及びDAC部34により構成される。そして、デジタル変換されるアナログ入力信号VINは入力端子36からアナログスイッチSW1、入力キャパシタCIN及びNMOSスイッチSW4の直列回路を介して演算増幅器OPAMPの反転入力端(−)に入力される。ここで、入力信号VINとして最大振幅の信号が入力可能にするために、入力信号VINは、波形を図示する如く、その中心電圧VCOMを電源電圧VDDの半分、即ちVDD/2に設定する。そして、アナログスイッチSW1及び入力キャパシタCINの共通接続点であるノードAとVCOM間にアナログスイッチSW2が接続され、入力キャパシタCIN及びNMOSスイッチSW4の共通接続点(ノードB)と基準電位源VREF間にNMOSスイッチSW3が接続される。帰還キャパシタCFBは、演算増幅器OPAMPの出力端及び反転入力端(−)間に接続され、演算増幅器OPAMPの非反転入力端(+)は基準電位源VREFに接続されている。DAC極性切替回路33には、コンパレータ(量子化器)の出力及び制御信号(クロック)φ2が入力され、DAC部34へ極性切替のための制御信号を出力する。そして、DAC部34の出力は、演算増幅器OPAMPの反転入力端(−)へ入力される。
図4のΔΣ型ADC30Aの動作を説明する。図4に示す如く、SW1及びSW3は第1位相の制御信号(第1クロック)φ1により制御され、SW2及びSW4は第2位相の制御信号(第2クロック)φ2により制御される。制御信号φ1によりSW1とSW3がONになると、入力端子36に入力されたアナログ入力信号VINの瞬時値に入力キャパシタCINが充電される。次に、制御信号φ2によりSW2とSW4がONになると、入力キャパシタCINに充電された電荷は、演算増幅器OPAMPの作用により帰還キャパシタCFBへ移される。そして、演算増幅器OPAMPの出力側に接続される量子化器(コンパレータ)32により比較されて、「高」又は「低」の2値信号を出力する。その比較出力に応じてDAC極性切替回路33が制御信号をDAC部34へ出力し、DAC部34の出力が演算増幅器OPAMPの反転入力端へ入力され、帰還キャパシタCFBの電荷に加算又は減算すること、図3を参照して上述したとおりである。
図4に示す如き回路構成のΔΣ型ADCは、幾つかの課題を有する。低動作電圧化のためにVCOM=VDD/2として、VREFをVCOMより低い電圧に設定する。VREFは、入力キャパシタCINと演算増幅器OPAMPの入力端間のNMOSスイッチSW3、SW4のサイズを小さくし且つ良好な動作特性を得ることが重要である。これらSW3、SW4のサイズが大きいと、NMOSの寄生容量が入力キャパシタCIN及び帰還キャパシタCFBに影響を与え、ΔΣ型ADC30Aの動作特性又は性能劣化の原因となるからである。
NMOSスイッチSW3、SW4の場合には、VREFを低くした方がON抵抗は低いので、良好な動作をする。即ち、図5(A)にCMOS(相補MOSトランジスタ)スイッチ、同図(B)にCMOSスイッチの電圧対ON抵抗(Ron)特性曲線を示す。図5(B)に示す如く、NMOSスイッチは、低電圧でON抵抗が低く、電圧が高くなるに応じてON抵抗は増加する。PMOSスイッチは反対の特性を示す。しかし、VREF=0Vにすると、以下に説明する別の問題が生じる。
制御信号φ1により入力キャパシタCINを入力電圧VINの瞬時値に充電し、次に制御信号φ2でNMOSスイッチSW4をONとして入力キャパシタCINの電荷を帰還キャパシタCFBへ移す動作を詳しく説明する。演算増幅器OPAMPの反転入力端(−)又はノードCは仮想接地であり、定常状態では実質的にVREFに維持されている。従って、SW4がONとなったとき、実質的に入力キャパシタCINの電荷はそのまま帰還キャパシタCFBへ移されるのである。しかし、実際には、電荷を移動させる過渡期間には、ノードCに微分波形が生じ、その電位が変化して電荷の移動を終えると定常状態の電位であるVREFに復帰する。このノードCの微分波形は、電荷の移動方向により+又は−のピーク値を持つので、VREF=0とすると、−側の微分波形が生じた場合に、ノードCの電位が0V未満となり、動作不能になると共にMOSトランジスタのプロセス上も許容できない。それ故に、VREFは、0Vを超える低電位に設定されなければならない。
また、ON抵抗の観点からアナログスイッチSW1及びSW2は、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタを並列接続した、図5(A)に示す如きCMOSスイッチにする必要がある。斯かるCMOSスイッチのON抵抗は、NMOSスイッチのON抵抗とPMOSスイッチのON抵抗の並列合成抵抗であり、入力信号が無信号状態のとき、即ちVIN=VCOM=VDD/2の付近で、その合成ON抵抗は最大となる。
図6は、SC回路によるサンプリングの動作を説明する具体例による動作波形図である。図6(A)は入力端子36のアナログ入力信号VINの入力信号電圧波形を示し、(B)は理想的なサンプリング回路により(A)の信号電圧をサンプリングした場合に入力キャパシタCINに充電される電圧波形、(C)はサンプリング動作をするための制御信号φ1およびφ2を示す。
一方、図7は、図6(B)の部分拡大図である。即ち、図7(A)は理想的なサンプリング波形を示し、(B)は図4に示す如き低電圧動作のΔΣ型ADC30Aにより入力信号VINをサンプリングした場合のサンプリング波形を示す。スイッチSW1乃至SW4のON抵抗が0Ωの場合には図7(A)の如く瞬時にVINの信号電圧又はVCOM電圧に切り替わる。しかし、実際にはこれらのスイッチSW1〜SW4は有限なON抵抗を有する。スイッチSW1及びSW2のようなNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタを並列接続したアナログスイッチ(図5(A)参照)では、上述の如く、VDD/2付近で合成ON抵抗が最大となり、またスイッチSW2の一端はVCOM=VDD/2に接続されている。そこで、このスイッチの高いON抵抗と入力キャパシタCINの静電容量による有限な値のCR時定数により、図7(B)に示す如く波形歪を生じることとなり、高精度のAD変換を行うことができない。また、高いオーバーサンプリング比によるサンプリング(又はAD変換)を行うことができない。
本発明は、従来技術の上述した課題に鑑みなされたものであり、従来技術の上述した課題を解消又は軽減し、低動作電圧及び低消費電力で動作すると共に小型化(IC化する場合に必要な面積を小さくする)及び低ノイズで高精度且つ高速動作が可能なAD変換器を提供することを目的とする。
本発明のAD変換器は、次の如き特徴的な構成を採用している。即ち、このAD変換器は入力端子に入力されるアナログ入力信号をサンプリングするスイッチドキャパシタ(SC)積分器と、このSC積分器の出力側に配置され、出力信号に応じて高低2値信号を出力する量子化器と、この量子化器の出力に応じて極性切替え信号を出力するDAC極性切替回路と、この極性切替信号によりSC積分器の帰還キャパシタの電荷を加算又は減算するDAC部とを含むAD変換器であって、
SC積分器は、それぞれアナログ信号をサンプリングする1対の入力キャパシタ及びこれら1対の入力キャパシタを使用して入力端子の無信号時電圧(VCOM)を設定する電圧設定手段を備えることを特徴とする。
本発明のAD変換器によると、次の如き実用上の特有の効果を奏する。即ち、1対の入力キャパシタを用いてそれぞれ電源電圧(VDD)と接地電位(GND)に充電する。そして、これら1対の入力キャパシタの入力側を短絡して並列接続することにより各キャパシタの電荷の平均値(即ち、1/2)を求めて入力端子の無信号時電圧VCOM(=VDD/2)を得る。そこで、従来のAD変換器では不可欠であった入力端子の無信号時電圧(VCOM)を得るための独立したVCOM電源回路が原理的には不要になる。また、実際の構成において無信号時電圧(VCOM)生成回路手段を設けた場合でも、これに流入する電流及びこれから流出する電流を著しく減少することができ、無信号時電圧(VCOM)生成回路手段を含むADC回路全体に対して回路構成を簡素化、小型化及び低消費電力化が可能である。更に、入力信号をサンプリングする際にVCOM生成回路で発生したノイズが混入されないので、回路全体のノイズを低減できる。従って、特に優れたノイズ特性が要求されるオーディオ信号用のΔΣ型ADCに好適である。
以下、本発明によるAD変換器の好適実施例の構成及び動作を、添付図面を参照して詳細に説明する。
先ず、図1は、本発明によるAD変換器の第1実施例の構成を示す回路図である。図1に示すAD変換器(ADC)10は、ΔΣ型ADCであって、アナログ入力信号が入力される入力端子16、SC積分器11、量子化器13、DAC極性切替回路14及びDAC部15により構成されている。
このADC10において、SC積分器11は、入力端子16に並列接続された1対のアナログ(CMOS)スイッチSW1−SW2、これらSW1及びSW2のそれぞれに直列接続された1対の入力キャパシタC1−C2、SW1とC1のノードA及びSW2とC2のノードB間に接続されたアナログスイッチSW3、ノードAと電圧源(電源電圧)VDD間に接続されたPMOS推知SW4、ノードBと接地(GND)間に接続されたNMOSスイッチSW5、C1とC2の出力側の共通ノードCと基準電位源VREF間に接続されたNMOSスイッチSW6、ノードCにNMOSスイッチSW7を介して接続された演算増幅器(OPAMP)12及びこのOPAMP12の出力端と反転入力端(−)であるノードD間に接続された帰還キャパシタCFBにより構成されている。本発明のADC10では、1対の入力キャパシタC1及びC2を有することを特徴とする。そして、これら1対の入力キャパシタC1及びC2は、等しいキャパシタンス(静電容量)を有し、C1=C2である。
SC積分器11の出力、即ちOPAMP12の出力側に量子化器13が接続されている。そして、量子化器13の出力側は、出力端子17に接続されると共にDAC極性切替回路14の入力端に接続されている。DAC極性切替回路14から出力される極性切替信号は、DAC部15に入力され、DAC部15の出力信号は、SC積分器11を構成するOPAMP12の反転入力端(即ち、ノードD)に接続されている。OPAMP12の非反転入力端(+)には基準電圧源VREFに接続されている。
入力端子16には、デジタル変換されるアナログ入力信号VINが入力される。この入力信号VINの中心電圧(無信号時の電圧)であるVCOMは、上述したVDDの1/2の電圧、即ちVCOM=VDD/2である。SW4‐SW5には第1極性の制御信号(クロック)φ1が入力され、SW1−SW3、SW7及びDAC極性切替回路14には第2極性の制御信号(クロック)φ2が入力されている。
次に、図1に示すADC10の動作を説明する。先ず、制御信号(クロック)φ1によりSW4−SW6がONとなり、一方の入力キャパシタC1は(VDD−VREF)の電圧に充電され、他方の入力キャパシタC2は(GND−VREF)の電圧に充電される。次に、制御信号(クロック)φ2により、上述したSW4−SW6に代わりSW1−SW3及びSW7がONになる。ここで、1対の入力キャパシタC1−C2は、SW3により並列接続されるので、これら両入力キャパシタC1−C2の電荷は移動して平均化される。これと同時に入力端子16の入力信号VINの瞬時値がSW1−SW2によりサンプリングされる。そして、上述した平均化された予め充電された電荷及びサンプリングされた電荷は、SW7を介して上述したOPAMP12の作用により帰還キャパシタCFBに移される。この1対の入力キャパシタC1−C2は、その電荷の平均作用により、それぞれ電源電圧VDD及び接地電圧GNDに充電された電荷を平均化して、入力端子16の無信号時電圧VCOMをVDD/2に設定する無信号時電圧設定手段の一部としても作用することに注目されたい。
SC積分器11の上述の動作により帰還キャパシタCFBに移された電荷によるOPAMP12の出力電圧を量子化器13により比較して「高」又は「低」の2値信号を出力する。この2値信号によりDAC極性切替回路14により切替信号をDAC部15に出力する。その結果、DAC部15の出力をOPAMP12の反転入力端であるノードDに入力する。そして、帰還キャパシタCFBの電荷に加算又は減算を行い、上述した従来のΔΣ型ADC30と同様にパルス密度変調(PDM変調)されたデジタル値を出力する。
次に、図2を参照して本発明の第2実施例によるADCについて説明する。図2は、本発明の第2実施例によるADC20の構成を示す回路図である。このADC20は、1対のSC積分器21P及び21Nを使用する完全差動構成である点で、上述した図1に示すADC10と異なる。その他の構成は同様であるので、説明の便宜上、対応する構成素子には類似の参照符号を使用し、以下の説明は相違点を中心に行うこととする。
1対のSC積分器21P−21Nは、それぞれの入力端子26P、26Nに入力される入力信号VINP、VINNをサンプリングする回路であって、図1のSC積分器11と同様に、3個のアナログスイッチSW1P−SW3P(SW1N−SW3N)、1対の等しい入力キャパシタC1P−C2P(C1N−C2N)及び3個のMOSスイッチSW4P−SW7P(SW4N−SW7N)を含んでいる。しかし、演算増幅器(OPAPM)は両SC積分器21P、21Nに共通の差動型OPAMP22を使用している。そして、帰還キャパシタCFBP、CFBNは、それぞれOPAMP22の出力端と両入力端(−および+)間に接続されている。また、このOPAMP22の両出力を入力とするコモンモードフィードバック(CMFB)部27が設けられている。また、DAC極性切替部24及びDAC部25が設けられ、DAC部25の出力は、それぞれOPAMP22の両入力端に入力される。
各スイッチSW1〜SW7及びDAC極性切替回路24に入力される制御信号(クロック)φ1及びφ2は、SW1−SW3及びSW6に一方の制御信号φ1が入力され、SW4、SW5及びSW7並びにDAC極性切替回路24には他方の制御信号φ2が入力される。
次に、図2に示すADC20の動作を説明する。先ず、制御信号φ1によりSW1−SW3及びSW6がONとなり、両入力キャパシタC1−C2が並列接続され、入力信号(VIN−VREF)の電圧に充電される。次に、制御信号φ2がSW3、SW4及びSW7をONにすると、入力キャパシタC1とC2が分割され、それぞれに充電された電荷がSW7を介して、それぞれの帰還キャパシタCFBP、CFBNに移される。そして、OPAMP22の1対の出力信号は、量子化部(図示せず)で比較され、比較結果がDAC極性切替回路24に入力され、それから出力されるDAC極性切替信号に基づいてDAC部25が所定の信号をOPAMP22の入力端に出力して、帰還キャパシタCFBP、CFBNの電荷から所定量の電荷を加算又は減算する。
以上、本発明によるADCの好適実施例について詳述した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨や精神を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更並びに種々の応用が可能であること、当業者には容易に理解できよう。
本発明によるAD変換器の第1実施例の構成を示す回路図である。 本発明によるAD変換器の第2実施例(完全差動型)の構成を示す回路図である。 一般的な従来のΔΣ型AD変換器の構成を示す回路図である。 図3に示すAD変換器を低電圧化する場合の課題の説明図である。 CMOSアナログスイッチの説明図であり、(A)はCMOSスイッチの構成図、(B)はCMOSスイッチのON抵抗特性の説明図である。 本発明で使用するSC積分器の動作説明図であり、(A)は入力信号、(B)は入力信号のサンプリング波形、(C)はサンプリング制御信号(クロック)を示す。 サンプリング波形図の具体例であり、(A)は理想的なサンプリング波形、(B)はRC時定数が大きい場合のサンプリング波形を示す。
符号の説明
10、20 AD変換器(ADC)
11、21 SC積分器
12、22 演算増幅器(OPAMP)
13 量子化器
14 DAC極性切替回路
15 DAC部
C1、C2 入力キャパシタ
CFB 帰還キャパシタ
SW1−SW3 アナログスイッチ
SW4−SW7 MOSトランジスタスイッチ
φ1、φ2 制御信号(クロック)

Claims (7)

  1. 入力端子に入力されるアナログ入力信号をサンプリングするスイッチドキャパシタ(SC)積分器と、該SC積分器の出力側に配置され、出力信号に応じて高低2値信号を出力する量子化器と、該量子化器の出力に応じて極性切替信号を出力するDAC極性切替回路と、該極性切替信号により前記SC積分器の帰還キャパシタの電荷に加算又は減算するDAC部とを含むAD変換器において、
    前記SC積分器は、それぞれ前記アナログ入力信号をサンプリングする1対の入力キャパシタ及び該1対の入力キャパシタを使用して前記入力端子の無信号時電圧(VCOM)を設定する無信号時電圧設定手段を備えることを特徴とするAD変換器。
  2. 前記無信号時電圧設定手段は、出力側が共通接続された前記1対の入力キャパシタの入力側をそれぞれ入力スイッチを介して電源電圧(VDD)及び接地電圧(GND)に接続し、前記1対の入力キャパシタの前記入力側を別の短絡スイッチで短絡して前記1対の入力キャパシタを並列接続することを特徴とする請求項1に記載のAD変換器。
  3. 前記1対の入力スイッチ及び前記短絡スイッチは、それぞれCMOSスイッチにより構成されることを特徴とする請求項2に記載のAD変換器。
  4. 前記1対の入力スイッチ及び前記短絡スイッチは、同じ制御信号により同時にON/OFF制御されることを特徴とする請求項2又は3に記載のAD変換器。
  5. アナログ入力信号をサンプリングするスイッチドキャパシタ(SC)積分器と、該SC積分器の出力側に接続された量子化器と、該量子化器の出力により極性切替信号を出力するDAC極性切替回路と、前記極性切替信号により前記SC積分器の積分信号を加算又は減算するDAC部とを含むAD変換器において、
    前記SC積分器は、前記アナログ入力信号の入力端子にそれぞれ入力端が接続された第1及び第2スイッチと、該第1及び第2スイッチの出力側にそれぞれ入力端が接続され出力端が共通接続された1対の入力キャパシタと、該1対の入力キャパシタの入力端間に接続された第3スイッチと、該第3スイッチの一端と電源間に接続された第4スイッチと、前記第3スイッチの他端と接地間に接続された第5スイッチと、前記1対の入力キャパシタの共通出力端と基準電位源間に接続された第6スイッチと、前記1対の入力スイッチの共通出力端と前記演算増幅器の入力端間に接続された第7スイッチと、入出力端間に帰還キャパシタが接続された演算増幅器とを含み、
    前記第1−第3スイッチ及び前記第7スイッチと、前記第4−第6スイッチを制御信号により交互にON/OFFすることを特徴とすることを特徴とするAD変換器。
  6. 前記第1乃至第3スイッチはCMOSトランジスタにより構成されるアナログスイッチであることを特徴とする請求項5に記載のAD変換器。
  7. 前記SC積分器を1対使用してそれぞれ差動アナログ入力信号が入力されるように構成し、前記演算増幅器は1対の入出力端間に接続された1対の帰還キャパシタを含む差動型演算増幅器であり、完全差動型とすることを特徴とする請求項5又は6に記載のAD変換器。
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