JP4191371B2 - 導液具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カテーテルチップに装着して使用される導液具に関する。
【0002】
【従来の技術】
入院中の患者や手術中の患者には、例えば、静注ライン、点滴静注ライン、中心静脈栄養ライン等の血管系ラインを構成するチューブが血管に挿入され、このチューブを介して薬液(薬剤)が体内に注入される。また、例えば経口栄養ライン、経腸栄養ライン等の経腸・経管系ラインを構成するチューブが消化管等に挿入され、このチューブを介して栄養剤や薬液(薬剤)が体内に注入される。さらに、導尿やドレーン等の排液・灌流ラインを構成するチューブが尿道等の体内に挿入され、このチューブを介して洗浄液や薬剤が注入され、また、排液等が行なわれる。
【0003】
誤って、血管系ラインに、経腸・経管系ラインに注入されるような、栄養剤や薬液が投与されることがあってはならない。
【0004】
このため、経腸・経管系ラインに栄養剤や薬液を投与する際には、血管系ラインを構成するチューブの端部に接続できないように、先端外径を太径とした、いわゆるカテーテルチップと呼ばれるものを先端部に備えるシリンジ(以下、「カテーテルチップ付きシリンジ」と言う。)が用いられる。
【0005】
なお、これに対応して、経腸・経管系ラインを構成するチューブでは、カテーテルチップが接続可能なように、その端部の内径が血管系ラインのそれより大きく設定されたものが用いられる。
【0006】
ところが、このようなカテーテルチップ付きシリンジでは、カテーテルチップを太径としたが故に、例えばアンプル等の比較的開口径の小さな容器から、直接、シリンジ内へ栄養剤や薬液を吸引(採取)できない。
【0007】
また、カテーテルチップの先端面は、平坦面を構成しているため、例えばバイアル等の容器の開口に設けられた栓体を刺通できず、やはり、カテーテルチップ付きシリンジでは、直接、シリンジ内へ栄養剤や薬液を吸引(採取)できない。
【0008】
このようなことから、カテーテルチップ付きシリンジでは、シリンジ内に栄養剤や薬液を収納する場合、例えば、一旦、適当なサイズの容器、すなわち、開口径がカテーテルチップの外径よりも大きな容器(例えば、ビーカー等)に栄養剤や薬液を移し換えた後、この容器から栄養剤や薬液を吸引する操作等を行う必要があり、その操作は、非常に煩雑で、時間を要するものである。また、栄養剤や薬液の細菌等による汚染も危惧される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、例えばバイアルやアンプル等の投与液収納容器内から、直接、カテーテルチップを備える器具(例えば、シリンジ等)内に投与液を吸引(採取)すること、さらに、この操作を容易かつ確実に行うことができる導液具を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜()の本発明により達成される。
【0011】
(1) 経腸・経管系ラインまたは排液・灌流ラインを構成するチューブに接続して使用されるカテーテルチップの先端部に着脱自在に装着される導液具であって、
前記カテーテルチップの先端部に嵌合可能なハブと、
前記ハブの先端部に設けられ、その外径が前記カテーテルチップの先端外径より細径である管体とを有し、
前記管体は、その先端に針先を有する針管であり、
前記針先は、その先端が閉塞し、該針先の軸を介してほぼ対向して設置された一対の側孔を有し、
前記一対の側孔は、一方の開口面積が他方の開口面積より小さくなるよう形成されており、
前記ハブは、その内径が基端に向かって漸増する嵌合部を有し、
前記嵌合部は、その内径(平均)が5〜7mmであり、その内面の傾斜角度が2.5〜7.5°であることを特徴とする導液具。
【0016】
) 前記一対の側孔のいずれか一方は、前記針先の先端付近まで達するよう形成されている上記()に記載の導液具。
【0018】
) 前記開口面積の小さい側孔の軸方向の中心は、前記開口面積の大きい側孔の軸方向の中心より、前記針先の先端側に位置している上記()に記載の導液具。
【0025】
) 前記嵌合部は、少なくともその内周面付近が弾性材料で構成されている上記(1)ないし()のいずれかに記載の導液具。
【0026】
) 前記ハブは、その外周部に、リング状に突出して形成されたフランジ部を有する上記(1)ないし()のいずれかに記載の導液具。
【0027】
) 前記管体は、熱可塑性樹脂で構成されている上記(1)ないし()のいずれかに記載の導液具。
【0028】
) 前記熱可塑性樹脂は、23℃での曲げ弾性率が2Gpa以上である上記()に記載の導液具。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の導液具を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0030】
まず、本発明の導液具を説明する前に、本発明の導液具を装着して使用するカテーテルチップを備える器具の一例について、カテーテルチップを備えるシリンジ(以下、「カテーテルチップ付きシリンジ」と言う。)を代表に説明する。
【0031】
図1は、カテーテルチップ付きシリンジの半断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「基端」、下側を「先端」と言う。
【0032】
図1に示すようにカテーテルチップ付きシリンジ100は、シリンジ200と、このシリンジ200の先端部に固定されたカテーテルチップ300とを有している。
【0033】
このカテーテルチップ付きシリンジ100は、例えば経口栄養ライン、経腸栄養ライン等の経腸・経管系ラインや導尿、ドレーン等の排液・灌流ラインに使用される、例えば、外用剤、経口栄養剤、経腸栄養剤、消毒液等(以下、これらを総称して「投与液」と言う。)を収納するものである。
【0034】
以下、各部の構成について説明する。
シリンジ200は、外筒(シリンジ外筒)210と、外筒210内で液密に摺動し得るガスケット220と、ガスケット220に連結され、ガスケット220を外筒210内で移動操作するプランジャ(押し子)230とを備えている。
【0035】
外筒210は、底部211を有する有底筒状の部材で構成されている。この底部211には、その中央部に外筒210の胴部より縮径した内管212と、この内管212と同心的に設けられた筒状の外管213とが、外筒210と一体的に形成されている。また、外管213の内周面には、雌螺子213aが形成されている。
【0036】
また、外筒210の基端外周には、板状のフランジ214が一体的に形成されている。プランジャ230を外筒210に対し相対的に移動操作する際などには、このフランジ214に指を掛けて操作を行うことができる。
【0037】
外筒210および後述するプランジャ230の構成材料としては、それぞれ、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種樹脂が挙げられるが、その中でも、成形が容易であるという点で、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)のような樹脂が挙げられる。
【0038】
なお、外筒210の構成材料は、内部の視認性を確保するために、実質的に透明であるのが好ましい。
【0039】
また、外筒210と後述するガスケット220とで囲まれる部分には、空間215が形成されている。
【0040】
外筒210内には、弾性材料で構成されたガスケット220が収納されている。ガスケット220は、中空部221を有し、後述するプランジャ230の操作により、外筒210内で、外筒210の長手方向に摺動することができる。
【0041】
ガスケット220の外周部には、一対のリング状の突部222が軸方向に所定間隔おいて形成されている。この突部222が外筒210の内周面216に対し密着しつつ摺動することで、液密性をより確実に保持するとともに、摺動性の向上が図れる。
【0042】
ガスケット220の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。
【0043】
このようなガスケット220には、ガスケット220を外筒210内で長手方向に移動操作するプランジャ230が連結されている。
【0044】
プランジャ230は、主に、横断面が十文字状の板片で構成され、その先端側には、板部材231が一体的に形成されている。また、プランジャ230の基端には、板状のフランジ232が一体的に形成されている。このフランジ232に指等を掛けてプランジャ230を操作する。
【0045】
また、プランジャ230の先端部には、ガスケット220の中空部221内に挿入、嵌合されるきのこ状のヘッド部(連結部)233が形成されている。
【0046】
プランジャ230を基端方向に向かって移動すると(引くと)、ガスケット220は、基端方向へ移動し、空間215の容積が増大する。これにより、空間215内に、後述のカテーテルチップ300の通路310を介して前記の投与液を吸引(採取)することができる。また、この状態から、プランジャ230を先端方向に向かって移動すると(押すと)、ガスケット220は、先端方向へ移動し、空間215の容積が減少し、空間215内の投与液が排出される。
【0047】
カテーテルチップ300は、ほぼ筒状の部材で構成され、その内部には、カテーテルチップ300の全長に渡って通路(流路)310が形成されている。この通路310の基端部には、内管212が嵌合する。
【0048】
また、カテーテルチップ300の基端部には、その外周面に前記雌螺子213aと螺合する雄螺子320が形成されている。
【0049】
この雄螺子320と雌螺子213aが螺合し、さらに、例えば、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)、接着剤による接着等することにより、カテーテルチップ300がシリンジ200に固着(固定)されている。
【0050】
このカテーテルチップ300がシリンジ200に固着された状態で、通路310は、外筒210の内腔部(空間215)と連通する。
【0051】
なお、カテーテルチップ300は、外筒210と一体的に形成されていてもよい。
【0052】
カテーテルチップ300は、その先端外径が、例えば静注ライン、点滴静注ライン、中心静脈栄養ライン等の血管系ラインを構成するチューブの端部やコネクタ、その他カテーテルチップ付きシリンジ100との接続に適さない医療具(接続不適合器具)に、接続できない程度の大きさに設定されている。これにより、誤って、血管系ラインを構成するチューブの端部等に、カテーテルチップ付きシリンジ100が接続され、前記の投与液が投与されるのを防止している。
【0053】
このカテーテルチップ300の先端面330は、平坦面を構成している。
また、カテーテルチップ300の外周面は、先端に向かって漸減するテーパ面を構成している。これにより、経腸・経管系ラインや排液・灌流ラインを構成するチューブの端部等に容易かつ確実に接続することができる。
【0054】
このようなカテーテルチップ300の構成材料としては、例えば、前述した外筒210およびプランジャ230で挙げた材料と同様のものを用いることができる。このカテーテルチップ300は、内部(通路310)の視認性を確保するために、透明(無色透明)、着色透明または半透明とされているのが好ましい。
【0055】
なお、カテーテルチップ300の基端部に接続される器具としては、シリンジに限定されず、例えば、液体を吸引および/または排出することができる機能を有する器具であればいかなるものであってもよい。
【0056】
さて、本発明の導液具は、このようなカテーテルチップ300の先端部に装着して使用される。
【0057】
<第1実施形態>
図2は、本発明の導液具の第1実施形態を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図2中の右側を「基端」、左側を「先端」と言う。
【0058】
図2に示す導液具1は、チューブ(管体)2と、このチューブ2の基端部に固着(固定)されたハブ3とを備え、ハブ3をカテーテルチップ300の先端部に嵌合して使用するものである。以下、各部の構成について説明する。
【0059】
チューブ2は、可撓性を有する長尺の中空部材で構成され、先端には、先端開口21を有している。
【0060】
チューブ2の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリウレタン、ポリエーテルナイロン樹脂等の各種軟質樹脂が好ましい。
【0061】
このチューブ2は、その外径がカテーテルチップ300の先端外径より小さく設定されている。具体的には、チューブ2の外径は、例えば、0.5〜3mm程度であるのが好ましく、1〜2mm程度であるのがより好ましい。チューブ2の外径を前記の範囲内とすることにより、例えばアンプルのような、カテーテルチップ300を挿入することができないような比較的小さな開口径の投与液収納容器内に、チューブ2を挿入することができる。これにより、投与液収納容器内から投与液を、直接、導液具1を介してカテーテルチップ付きシリンジ100のシリンジ200(空間215)内に吸引(採取)することができるという利点がある。
【0062】
また、チューブ2は、湾曲変形可能なので、曲がった所にも挿入することができる。
【0063】
このチューブ2の基端部には、ハブ3が固着(固定)され、チューブ2の内腔とハブ3の内部とが連通している。このハブ3は、ほぼ筒状の部材で構成されている。
【0064】
ハブ3とチューブ2との固着方法としては、例えば、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)、接着剤による接着、カシメ等の方法が挙げられる。
【0065】
このハブ3の基端側には、その内径が基端に向かって漸増する嵌合部31が形成されている。この嵌合部31には、カテーテルチップ300の先端部が挿入され、嵌合する。
【0066】
この嵌合部31の寸法としては、特に限定されないが、例えば、次のように設定されているのが好ましい。
【0067】
内径(平均)Dとしては、例えば、5〜7mm程度であるのが好ましく、5.5〜6.5mm程度であるのがより好ましい。
【0068】
軸方向の長さLとしては、例えば、6.5mm以上程度であるのが好ましく、10〜30mm程度であるのがより好ましい。
【0069】
傾斜角度(図2中、中心軸900と嵌合部31の内面とのなす角度)θとしては、例えば、2.5〜7.5°程度であるのが好ましく、2.5〜3.5°程度であるのがより好ましい。
【0070】
嵌合部31の寸法を、それぞれ、前記の範囲内とすることにより、嵌合部31をカテーテルチップ300の先端部により確実に嵌合させることができ、また、導液具1のカテーテルチップ300への着脱操作も容易に行える。
【0071】
なお、図示の構成では、嵌合部31には、その軸方向の全長に渡ってテーパ面が形成されているが、これに限らず、テーパ面は、例えば、嵌合部31の軸方向の一部にのみ形成されていてもよい。
【0072】
また、ハブ3の中央部付近の外周部には、リング状に突出したフランジ部32が形成されている。例えば、カテーテルチップ300に導液具1を装着する操作の際に、フランジ部32に指を引っ掛けて行うことにより、この操作をより確実に行うことができる。
【0073】
このようなハブ3の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の各種樹脂材料が挙げられる。
【0074】
<第2実施形態>
次に、本発明の導液具の第2実施形態について説明する。
【0075】
図3は、本発明の導液具の第2実施形態を示す縦断面図である。以下、図3に示す導液具1について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、以下の説明では、図3中の右側を「基端」、左側を「先端」と言う。
【0076】
第2実施形態の導液具1では、管体の構成が異なっている。すなわち、管体は、針管2aで構成されている。
【0077】
針管2aは、針先21aを有する中空針であり、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような金属材料で構成されている。また、針先21aには、その先端に鋭利な刃面22aが形成されている。
【0078】
この針管2aは、例えば各種ゴム材料、各種エラストマーのような弾性材料で構成される栓体を刺通することができる。
【0079】
このため、本実施形態の穿刺具1を用いることにより、例えばアンプルのような開口径が比較的小さな投与液収納容器内のみならず、例えばバイアルのような開口に前記のような栓体を備える投与液収納容器内からも、投与液を、直接、カテーテルチップ付きシリンジ100のシリンジ200(空間215)内に吸引(採取)することができる。
【0080】
<第3実施形態>
次に、本発明の導液具の第3実施形態について説明する。
【0081】
図4は、本発明の導液具の第3実施形態を示す平面図である。図5は、本発明の導液具の第3実施形態を示す縦断面図である。以下、図4および図5に示す導液具1について、前記第1および第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、以下の説明では、図4および図5中の右側を「基端」、左側を「先端」と言う。
【0082】
第3実施形態の導液具1では、管体の構成が異なっている。すなわち、管体は、先端が閉塞した針先21bを有する針管2bで構成されている。
【0083】
この針先21bは、ほぼ円錐状に形成され、側面には、一対の側孔22b、23bが形成されている。これらの側孔22b、23bは、それぞれ、ほぼ長方形または長円形に形成され、図5に示すように中心軸900(針先21bの軸)を介してほぼ対向して(互いにほぼ反対側に)設置されている。
【0084】
このように、針先21bの先端を閉塞し、かつ、針先21bに一対の側孔22b、23bを設けたことにより、例えばバイアルのような投与液収納容器が備える栓体を刺通する際のコアリングを防止することができるとともに、針先21bを鉛直上方に向けて前記投与液収納容器から投与液を吸引する際には、投与液収納容器内の投与液の残液量をより確実に少なくすることもできる。
【0085】
針管2bの構成材料としては、特に限定されないが、前記第2実施形態の針管2aの構成材料として挙げた金属材料の他、例えば、ポリエチレンテレフタレート、共重合ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタアクリレート、ポリメタアクリル酸等のアクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ナイロン等のポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、環状ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、ポリカーボネート、ポリスルホンのような熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0086】
この中でも、特に、針管2bの構成材料としては、熱可塑性樹脂を用いるのがより好ましい。熱可塑性樹脂を用いることにより、針管2bの形状選択の幅の拡大、廃棄の容易性という点において有利である。
【0087】
また、針管2bの構成材料として熱可塑性樹脂を用いる場合、その23℃での曲げ弾性率としては、特に限定されないが、例えば2GPa以上程度であるのが好ましく、2.5〜6.0GPa程度であるのがより好ましい。前記の範囲内の曲げ弾性率の熱可塑性樹脂を用いることにより、針管2bの強度を向上することができ、例えばバイアルのような投与液収納容器が備える栓体を刺通する際に、折れ、曲がり等の破損をより確実に防止することができる。
【0088】
また、針管2bは、実質的に透明な樹脂や着色した樹脂等で構成してもよい。この場合、針管2bの構成材料として、実質的に透明な樹脂を用いると、針管2b内への投与液の吸引状態を目視で確認することができ、また、着色した樹脂材料を用いると、投与液ごとに色分けした針管2bを使用することができるため、投与液の間違い(取り違え)を防止することができる。
【0089】
さらに、第3実施形態の導液具1では、図5に示すように、ハブ3のフランジ部32には、その外周部に側孔22b、23bに対応した位置に、一対の溝33、34が形成されている。すなわち、溝33と溝34とは、中心軸900(ハブ3の軸)を介してほぼ対向して設けられている。
【0090】
針管2bを投与液収納容器内に挿入すると、側孔22bおよび23bの位置が外部から確認できなくなる場合がある。このような場合でも、溝33と溝34とを設けておくことにより、側孔22bおよび23bの投与液収納容器内での位置を容易に認識することができる。すなわち、これらの溝33および溝34は、側孔22bおよび23bを外部から認識するためのマーカーとして機能するものである。
【0091】
なお、側孔の形状は、図示のものに限定されることはなく、その設置数も、2つに限定されず、少なくとも1つ形成されていればよい。
【0092】
また、フランジ部32に設けるマーカーとしては、側孔を外部から認識することができれば、溝に限定されるものではなく、例えば、フランジ部32に着色を施すことによるものであってもよく、フランジ部32に突起を設けたものであってもよい。
【0093】
また、このような導液具1は、針管2bとハブ3とを一体的に形成したものであってもよい。
【0094】
<第4実施形態>
次に、本発明の導液具の第4実施形態について説明する。
【0095】
図6は、本発明の導液具の第4実施形態を示す縦断面図である。以下、図6に示す導液具1について、前記第1および第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、以下の説明では、図6中の右側を「基端」、左側を「先端」と言う。
【0096】
第4実施形態の導液具1では、側孔の形状が異なっている。すなわち、側孔23bは、針先21bの先端付近にまで達するよう形成されている。
【0097】
これにより、例えば、アンプル等の投与液収納容器内から、針先21bを鉛直下方に向けて投与液を吸引(採取)する際に、投与液収納容器を若干傾斜させ、側孔23bを下方に位置させた状態で、導液具1を使用することにより、投与液収納容器内の投与液の残液量をより確実に減少させることができる。
【0098】
また、溝33、34を区別できるようにしておくこともできる。これにより、側孔22b、23bを区別して認識することができる。
【0099】
<第5実施形態>
次に、本発明の導液具の第5実施形態について説明する。
【0100】
図7は、本発明の導液具の第5実施形態を示す縦断面図である。以下、図7に示す導液具1について、前記第1、第3および第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、以下の説明では、図7中の右側を「基端」、左側を「先端」と言う。
【0101】
第5実施形態の導液具1では、側孔の形状、大きさが異なっている。すなわち、側孔22bの開口面積は、側孔23bの開口面積より小さくなるように設定されている。
【0102】
また、側孔22bと側孔23bとは、その先端位置がそれぞれ針先21bの軸方向においてほぼ一致している。一方、側孔22bの基端は、針先21bの軸方向において側孔23bの基端より先端側に位置している。すなわち、側孔22bの軸方向の中心は、側孔23bの軸方向の中心より針先21bの先端側に位置している。
【0103】
これにより、例えば、バイアル等の投与液収納容器が備える栓体(ゴム栓)に針先21bを刺通して、針先21bを鉛直上方に向けて前記投与液収納容器内から投与液を吸引(採取)する際に、投与液収納容器を若干傾斜させ、開口面積の小さい側孔22bを上方に、開口面積の大きい側孔23bを下方に位置させた状態で、導液具1を使用することにより、投与液収納容器内の投与液の残液量をより確実に減少させることができる。
【0104】
<第6実施形態>
次に、本発明の導液具の第6実施形態について説明する。
【0105】
図8は、本発明の導液具の第6実施形態の基端側の構成を示す縦断面図である。以下、図8に示す導液具1について、前記第1〜第5実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、以下の説明では、図8中の右側を「基端」、左側を「先端」と言う。
【0106】
第6実施形態の導液具1では、嵌合部の構成が異なっている。すなわち、嵌合部31は、その内周部に弾性層35が形成されている。この弾性層35は、嵌合部31の内周面付近を弾性材料で構成することにより、設けられたものである。
【0107】
これにより、カテーテルチップ300の先端側の形状、寸法(主に、外径)が若干異なる(例えば、カテーテルチップ300の品種、製造元等が相違する)場合でも、嵌合部31は、弾性層35の厚さが変化することにより、その内径が変化して、カテーテルチップ300をより確実に装着することができる。
【0108】
このような弾性層35の構成材料としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の樹脂材料が挙げられる。
【0109】
なお、嵌合部31は、その全体を前記の弾性材料で構成するようにしてもよい。
【0110】
以上、本発明の導液具を図示の各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、導液具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0111】
また、本発明の導液具は、前記第1〜第6実施形態のうちの、任意の2以上の構成を組み合わせたものであってもよい。
【0112】
なお、図示の各実施形態では、管体とハブとは、固着(固定)されていたが、管体とハブとは、着脱自在に構成されたものであってもよい。この場合、管体を適宜交換して、導液具を使用することもできる。
【0113】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、例えばカテーテルチップが挿入できないような開口径が比較的小さい投与液収納容器内から、直接、カテーテルチップを備える器具(例えば、シリンジ等)内に投与液を吸引(採取)することができる。
【0114】
また、針先を設けた場合には、弾性材料で構成される栓体を刺通できるので、開口にかかる栓体を備える投与液収納容器内からも、直接、投与液を吸引することができる。
【0115】
また、針先の先端を閉塞し、側孔を設けた場合には、投与液収納容器内の残液量をより確実に減少させることができる。
【0116】
さらに、本発明によれば、このような操作を、容易かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カテーテルチップ付きシリンジの半断面図である。
【図2】本発明の導液具の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図3】本発明の導液具の第2実施形態を示す縦断面図である。
【図4】本発明の導液具の第3実施形態を示す平面図である。
【図5】本発明の導液具の第3実施形態を示す縦断面図である。
【図6】本発明の導液具の第4実施形態を示す縦断面図である。
【図7】本発明の導液具の第5実施形態を示す縦断面図である。
【図8】本発明の導液具の第6実施形態の基端側の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 導液具
2 管体
21 先端開口
2a 針管
21a 針先
22a 刃面
2b 針管
21b 針先
22b、23b 側孔
3 ハブ
31 嵌合部
32 フランジ部
33、34 溝
35 弾性層
100 カテーテルチップ付きシリンジ
200 シリンジ
210 外筒
211 底部
212 内管
213 外管
213a 雌螺子
214 フランジ
215 空間
216 内周面
220 ガスケット
221 中空部
222 突部
230 プランジャ
231 板部材
232 フランジ
233 ヘッド部
300 カテーテルチップ
310 通路(流路)
320 雄螺子
330 先端面
900 中心軸

Claims (7)

  1. 経腸・経管系ラインまたは排液・灌流ラインを構成するチューブに接続して使用されるカテーテルチップの先端部に着脱自在に装着される導液具であって、
    前記カテーテルチップの先端部に嵌合可能なハブと、
    前記ハブの先端部に設けられ、その外径が前記カテーテルチップの先端外径より細径である管体とを有し、
    前記管体は、その先端に針先を有する針管であり、
    前記針先は、その先端が閉塞し、該針先の軸を介してほぼ対向して設置された一対の側孔を有し、
    前記一対の側孔は、一方の開口面積が他方の開口面積より小さくなるよう形成されており、
    前記ハブは、その内径が基端に向かって漸増する嵌合部を有し、
    前記嵌合部は、その内径(平均)が5〜7mmであり、その内面の傾斜角度が2.5〜7.5°であることを特徴とする導液具。
  2. 前記一対の側孔のいずれか一方は、前記針先の先端付近まで達するよう形成されている請求項に記載の導液具。
  3. 前記開口面積の小さい側孔の軸方向の中心は、前記開口面積の大きい側孔の軸方向の中心より、前記針先の先端側に位置している請求項に記載の導液具。
  4. 前記嵌合部は、少なくともその内周面付近が弾性材料で構成されている請求項1ないしのいずれかに記載の導液具。
  5. 前記ハブは、その外周部に、リング状に突出して形成されたフランジ部を有する請求項1ないしのいずれかに記載の導液具。
  6. 前記管体は、熱可塑性樹脂で構成されている請求項1ないしのいずれかに記載の導液具。
  7. 前記熱可塑性樹脂は、23℃での曲げ弾性率が2Gpa以上である請求項に記載の導液具。
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