JP2002336355A

JP2002336355A - 注射器針

Info

Publication number: JP2002336355A
Application number: JP2001142365A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Takagi; 宏高木
Original assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date: 2001-05-11
Filing date: 2001-05-11
Publication date: 2002-11-26
Also published as: US20020169426A1

Abstract

(57)【要約】【課題】挿入抵抗が小さく、また、挿入後、針を外に
押し戻す力の発生を抑制し、更に、コアリングを防止し
える注射器針を提供することを目的とする。さらに、薬
液等の流出入時に流量をある程度確保し、流出入抵抗の
小さい注射器針を提供することを課題とする。【解決手段】硬質の中空針と、中空針の基端に針ハブ
と、を有する注射器針において、中空針の先端に平坦面
を設けるとともに、平坦面から針ハブ方向に向けて傾斜
面を設けたことを特徴とする注射器針に係る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、薬液等を供給する
注射器針に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から鋭利な先端を有する金属針を用
いて薬液の供給や採血を行うことは知られている。しか
し、金属針を用いた場合、医療従事者等がいわゆる針刺
し事故にあう可能性があり、また、薬液や採血を頻繁に
行う患者にとっては皮膚に何度も金属針が刺されるた
め、針刺し部が荒れたり、また精神的にも苦痛を強いら
れる場合がある。

【０００３】そこで、上記の問題を解決する手段とし
て、患者にカテーテルを設置するとともに、カテーテル
にチューブを接続しこのチューブを更に三方活栓に接続
する方法が知られている。そして、薬液の供給はこの活
栓に金属製の針を刺して行うことになる。この方法によ
れば金属針を人体に刺す回数を減らせるため、上記の問
題を一応は解決できる。

【０００４】しかし、上記の三方活栓を使用したもので
は、細菌感染の危険性が極めて高いという問題を有して
いる。また、金属製の針を使用するため医療従事者が依
然針刺し事故にあう可能性がある。

【０００５】そこで、この三方活栓を使用した場合の問
題を解決する手段として、金属製ではなく樹脂製の針を
用いた注射器針と、三方活栓ではなくスリット入り圧縮
ゴムを使用した栓と、を用いた薬液供給、採血システム
が提案されている。このシステムでは、薬液供給の際に
樹脂製針を上記栓のスリットに挿入することにより行
い、また、薬液供給後、針を引き抜くと圧縮ゴムの作用
により栓は封鎖されるため、閉鎖システムとすることが
でき、患者の細菌感染の危険性を低減することが可能と
なる。

【０００６】

【本発明が解決しようとする課題】従来用いられている
プラチック製針の先端は図４に示すように、先端径が大
きいため流量は確保できるが、先端開口部が平らで且つ
肉厚なために、挿入抵抗が大きくまた挿入後、針を外に
押し戻す力が働き針がはずれる等の問題を有していた。
また、挿入時に圧縮ゴム等の一部がえぐり取られ、この
えぐり取られた部材の一部が、流路や血管に入ってしま
うコアリングという問題がある。また、図５に示すよう
に、最先端部に平坦面２ｂが形成され、平坦面２ｂから
後方に向かい円錐状の形状となっている。円錐状の部分
には開口部５が設けられており、薬液等が流出入する構
造となっている。このタイプでは、挿入時の抵抗は減少
するが、薬液等の流れの方向は軸方向と直角になるた
め、薬液等の流出入に抵抗が発生するとともに、開口部
５も狭くなっているため、流量も減少するという問題を
有している。

【０００７】そこで、本発明は上記の問題点を解決する
ことを課題とする。即ち、挿入抵抗が小さく、また、挿
入後、針を外に押し戻す力の発生を抑制し、更に、コア
リングを防止しえる注射器針を提供することを目的とす
る。さらに、薬液等の流出入時に流量をある程度確保
し、流出入抵抗の小さい注射器針を提供することを課題
とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために、本出願では請求項１から請求項５に記載
の発明を提供する。請求項１に記載の発明は、硬質の中
空針と、中空針の基端に針ハブと、を有する注射器針に
おいて、中空針の先端に平坦面を設けるとともに、平坦
面から針ハブ方向に向けて傾斜面を設けたことを特徴と
する注射器針に係る。

【０００９】中空針の材質としては、請求項４で限定す
るものの他、各種樹脂を使用することができる。また、
中空針の色は透明が望ましい。薬液等の視認効果が大き
くなるからである。尚、この注射器針の製造方法である
が、射出成形や、押し出し成形後、カットを施し製造す
ることができる。

【００１０】尚、挿入抵抗を更に小さくするため平坦面
や傾斜面の角部に適宜面取りを施すことが望ましい。

【００１１】使用方法は、針ハブを薬液等を入れるシリ
ンジに取り付けることにより使用することが一般的であ
る。

【００１２】尚、針ハブは必ずしもシリンジに取り付け
られるとは限らず、薬液等を運ぶチューブに取り付ける
ことも可能である。請求項１記載の発明によれば、平坦
面が形成されていることにより、中空針が容易に人体に
刺さることがなくなるため、針刺し事故を抑制できる。
また、挿入抵抗が小さく、また、挿入後、針を外に押し
戻す力の発生を抑制し、更に、挿入時、楔状に先端が入
っていくためコアリングを防止することが可能となる。
さらに、中空針先端の開口部が大きく確保されているた
め、薬液等の流出入時に流量をある程度確保し、流出入
抵抗の小さい注射器針を提供することが可能となる。
尚、本明細書において先方とは中空針側のことをいい、
後方とは針ハブ側のことをいう。

【００１３】請求項２に記載の発明は、請求項１記載の
注射器針を限定したものであり、前記中空針は針ハブ方
向に向け径が大きくなるテーパー形状であることを特徴
とする注射器針に係る。

【００１４】針ハブに向けてその径が大きくなるテーパ
ー形状としたことで曲げやつぶれが生じない剛性を持た
せた構造とする事が可能となる。特に、樹脂材料を使用
した場合にテーパー形状とすると効果的である。

【００１５】請求項３に記載の発明は、請求項１または
２に記載の注射器針を限定したものであり、硬質の中空
針を構成する材料として、曲げ強度（測定方法ＡＳＴＭ
Ｄ７９０）８０メガパスカル以上を満たす熱可塑性樹脂
を用いたことを特徴とする注射器針に係る。

【００１６】曲げ強度（測定方法ＡＳＴＭＤ７９０）８
０メガパスカル以上を満たす熱可塑性樹脂としては、ポ
リエステル系の結晶性ポリエチレンナフタレート、非結
晶性ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフイン系の
環状オレフインコポリマー、非結晶性シクロオレフイン
コポリマーなどが挙げられる。曲げ強度（測定方法ＡＳ
ＴＭＤ７９０）８０メガパスカル以上を満たす熱可塑性
樹脂を用いることにより、中空針を挿入等する際の曲が
りやつぶれを防止できるようになる。この条件に加え請
求項２で限定したようにテーパー形状とするとさらに、
曲がりやつぶれを効果的に防止できるようになる。

【００１７】請求項４に記載の発明は、請求項１ないし
３に記載の注射器針を限定したものであり、前記中空針
の先端を、仮想内径Ｄ２が１．０ｍｍ〜１．２ｍｍ、仮
想外径Ｄ１が１．４ｍｍ〜１．８ｍｍとしたことを特徴
とする請求項１ないし３に記載の注射器針に係る。

【００１８】前記中空針の先端を、仮想内径１．０ｍｍ
〜１．２ｍｍとすることで、単位時間あたりの流量を増
やすことを可能とし、また仮想外径を１．４ｍｍ〜１．
８ｍｍとし、肉厚を薄くすることで、挿入の抵抗を大幅
に減少することができる。

【００１９】尚、「仮想内径」「仮想外形」とは、中空
針の先端には傾斜面が設けられており円状に成形されて
おらず寸法が測定できないため、円状に形成したと仮定
した場合の内径及び外径である。請求項５に記載の発明
は、請求項１ないし４に記載の注射器針を限定したもの
であり、前記傾斜面の軸方向との角度が２５度以上３５
度以下であることを特徴とする注射器針に係る。角度が
この範囲内では挿入抵抗を小さく等できるとともに薬液
のシリンジへの注入を確実に行えるからである。２５度
以下であると、中空針の開口面積が極めて大きくなるた
め、薬液等をシリンジに注入する際に空気がシリンジ内
に流入してしまうという問題あり、３５度より大きいと
挿入抵抗が大きくなるとともに、コアリングが発生し易
くなるという問題がある。

【００２０】

【発明の実施の形態】図１は本発明の実施例を示す斜視
図であり、図２（ａ）（ｂ）は先端部分の拡大図であ
る。本発明の注射器針は針ハブ１と、中空針２により構
成される。針ハブ１の後方には鍔部１ａが設けられてい
る。鍔部１ａ付近にはシリンジや薬液を供給するチュー
ブ等が取り付けられる（図示せず）。中空針２の先端に
は傾斜面２ａ及び平坦面２ｂが形成されており、更にそ
れぞれの角部には面取り２ｃが施されている。この面取
りを施すことにより、スリット６ｂへ挿入する際の抵抗
を減ずることができる。

【００２１】中空針２はバイアル瓶４に設けられた圧縮
ゴム６ａ上のスリット６ｂに挿入することが出来る。挿
入後、各種薬液等の供給、排出を行う。スリット６ｂは
通常閉塞されている状態にあるため、平坦面２ｂの面積
が小さいほど挿入する際の抵抗は小さくなる。更に、中
空針２の外径は１．７〜１．９ｍｍの範囲に抑えてお
り、細くなっているためこの点からも挿入抵抗を小さく
することが出来る。

【００２２】先端部の仮想外径Ｄ１の寸法は１．７ｍ
ｍ、根元部２ｅの寸法は１．９ｍｍであり、テーパー形
状となっている。中空針２の材質は非結晶性ポリエチレ
ンテレフタレートであり、曲げ強度（測定方法ＡＳＴＭ
Ｄ７９０）は８５メガパスカルである。そのため、曲げ
やつぶれが生じない剛性を持たせた構造とする事が可能
となっている。中空針２の先端の仮想内径Ｄ２は１．１
５ｍｍである。更に、中空針２の先端から傾斜面の最後
部２ｄとの軸方向の距離Ｌは約２．１ｍｍとなってい
る。また、傾斜面の軸方向との角度αは約３０度であ
る。

【００２３】図３は本発明の実施例においてインジェク
ション部６にアクセスしている状態を示す斜視図であ
る。インジェクション部６には、スリットが設けられた
圧縮ゴム６ａが取り付けられており、このスリットに中
空針２が挿入されている状態となっている。一方、圧縮
ゴム６ａの他方には接続部６ｃが設けられており、この
接続部６ｃはチューブ等の他のラインに接続することが
可能である。

【００２４】

【発明の効果】本発明により挿入抵抗が小さく、また、
挿入後、針を外に押し戻す力の発生を抑制し、更に、コ
アリングを防止しえる注射器針を提供することが可能と
なった。さらに、薬液等の流出入時に流量をある程度確
保し、流出入抵抗の小さい注射器針を提供することも可
能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す斜視図である。

【図２】本発明の実施例の先端部分の拡大図である。

【図３】本発明の実施例においてバイアル瓶にアクセス
している状態を示す斜視図である。

【図４】従来技術を示す斜視図である。

【図５】従来技術を示す斜視図である。

【符号の説明】

１針ハブ１ａ鍔部２中空針２ａ傾斜面２ｂ平坦面２ｃ面取り２ｄ傾斜面最後部２ｅ根元部４バイアル瓶５開口部６インジェクション部６ａ圧縮ゴム６ｂスリット６ｃ接続部７先端開口部Ｄ１仮想外径Ｄ２仮想内径Ｌ中空針先端から傾斜面の最後部との距離 α 傾斜面の軸方向との角度

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】硬質の中空針と、中空針の基端に針ハブ
と、を有する注射器針において、中空針の先端に平坦面
を設けるとともに、平坦面から針ハブ方向に向けて傾斜
面を設けたことを特徴とする注射器針。
【請求項２】前記中空針は針ハブ方向に向け径が大き
くなるテーパー形状であることを特徴とする請求項１記
載の注射器針。
【請求項３】硬質の中空針を構成する材料として、曲
げ強度（測定方法ＡＳＴＭＤ７９０）８０メガパスカル
以上を満たす熱可塑性樹脂を用いたことを特徴とする請
求項１または２に記載の注射器針。
【請求項４】前記中空針の先端は、仮想内径が１．０
ｍｍ〜１．２ｍｍ、仮想外径が１．４ｍｍ〜１．８ｍｍ
であることを特徴とする請求項１ないし３に記載の注射
器針。
【請求項５】前記傾斜面の軸方向との角度が２５度以
上３５度以下であることを特徴とする請求項１ないし４
のいずれかの項に記載の注射器針。