JP4190817B2 - 包装用多層フィルム及び包装材 - Google Patents
包装用多層フィルム及び包装材Info
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は食品等の包装分野において内容物の保存性の為にガスバリア性を有し、印刷される包装材料を使用する用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品等の軟包装分野においては酸素ガスバリア性を備えた包装材料を用いて真空包装またはガス置換包装することにより、酸素ガスによる内容物の変質や腐敗を防ぎ保存性を高めてきた。包装材料には酸素ガスバリア性、機械的強度、ヒートシール性等が必要であり、ドライラミネート法、押し出しラミネート法、共押し出し法により多層化した包装材料が用いられてきた。
さらに包装された商品は品名、製造者、内容物、内容量、原材料・添加物など必要な表示を行うとともに意匠性により商品価値を高める為に多色の印刷を施した包装材料が必要とされており、現状ではO−PETやOPPなどの印刷用基材に多色印刷を行った後、酸素ガスバリア性を備えたフィルム及びシーラントフィルムとのドライラミネートを行っているが、少なくとも印刷後に1回以上のラミネート加工工程が必要であり、コスト高となる為に使用される用途が限定されてきた。
【0003】
そこで、共押し出し法により製造された酸素ガスバリア性、機械的強度、ヒートシール性等各機能を有する多層フィルムの外面に直接印刷することが試みられたが、インキの密着性が不充分であり、流通・販売の過程でインキ剥がれの問題が発生することがあり、さらには共押し出しにより積層する際に使用されている高融点の樹脂のために加工温度が高くなり製造条件幅が狭く、経済的な総厚みで外観、厚み精度、表面状態の均一な多層包装材料を安定して製造することが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的とするところは食品等の包装材料として酸素ガスバリア性、機械的強度、シール性を備え、且つ外層表面の印刷適正に優れたフィルムを経済的に提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1) 少なくとも2層からなる包装用多層フィルムであって、最外層(A)となる第1層の表面の濡れ張力が36dyn/cm以上であり、第1層と反対側表面に位置する第2層がシール層(D)であり、第1層及び第2層が共押し出し法により積層されたものであり、総厚みが60μm以下であることを特徴とする包装用多層フィルム、
(2) 第1層が、融点187〜205℃の共重合ナイロンを主とするポリアミド系樹脂から形成されてなる(1)項記載の包装用多層フィルム、
(3) 第1層が、エチレン共重合比率38〜47mol%のエチレン−ビニルアルコール共重合体から形成され、第1層と第2層との間にポリアミド樹脂層(C)が積層されてなる(1)項記載の包装用多層フィルム、
(4) 第1層が、共重合ポリエステル樹脂から形成され、第1層と第2層との間に酸素ガスバリア層(B)及びポリアミド系樹脂層(C)が積層されてなる(1)項記載の包装用多層フィルム、
(5) (1)〜(4)項のいずれか1項に記載の包装用多層フィルムの表面に印刷が施されてなる包装材
である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の多層フィルムの第1層は多層フィルムの最外層(A)となる層であり、フィルム化した際の表面のJIS K−6768に従った濡れ試薬による濡れ張力が36dyn/cm以上のものである。第1層を構成する、濡れ試薬による濡れ張力が36dyn/cm以上の樹脂としては、共重合ナイロンを主とするポリアミド系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体及び共重合ポリエステル系樹脂が好ましい。
【0007】
最外層に、濡れ試薬による濡れ張力が36dyn/cm未満の樹脂を用いた場合、フィルムとした場合の表面活性に乏しく濡れ張力が低いために印刷インキをはじき、印刷抜け、印刷飛び、インキの密着不良が発生して好ましくない。最外層に好ましくない樹脂の例としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などが挙げられる。
本発明の第1層に用いることのできる共重合ナイロンを主とするポリアミド系樹脂は、融点187〜205℃のものである。また、必要に応じて芳香族ナイロンまたは非晶性ナイロンを3〜40重量%混合することにより共押し出しによる薄いフィルムへの加工性が向上し、厚み精度、外観、表面の均一性を良好とすることができる。
【0008】
本発明の第1層に共重合ナイロンを主とするポリアミド系樹脂を用いた場合、第1層により、酸素ガスバリア性、機械的強度をも確保することができるので、本発明の多層フィルムは、第1層とシール層である第2層との2層で構成することができるが、更に酸素ガスバリア性、機械的強度を確保するため、第1層と第2層の間に酸素ガスバリア層(B)及び/又はポリアミド樹脂層(C)を加えて構成することもできる。
【0009】
本発明に用いられる酸素ガスバリア層(B)を構成する樹脂はエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド系樹脂などを用いることができる。
ポリアミド系樹脂層(C)に用いるポリアミド系樹脂としては6−ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、6・6ナイロン、6−10共重合ナイロン、6−12共重合ナイロン、6−6・6共重合ナイロン、芳香族ナイロン及び非晶性ナイロンを単独または2種類以上をブレンドしたものを用いることができ、要求されるフィルムの機械的強度に応じて選択され、厚み比率も決定される。
【0010】
本発明の第1層に用いることのできるエチレン−ビニルアルコール共重合体はエチレン共重合比率が38〜47mol%のものである。エチレン共重合比率38〜47mol%であるエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いることにより共押し出しによる薄いフィルムへの加工性が向上し、厚み精度、外観、表面の均一性を良好とすることができる。
【0011】
本発明の第1層にエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いた場合、第1層により、酸素ガスバリア性をも確保することができるので、本発明の多層フィルムは、第1層とシール層である第2層との間にフィルムの機械的強度を確保するためのポリアミド系樹脂層(C)を設け、3層で構成することができるが、更に酸素ガスバリア性を向上させるために、第1層と第2層の間に、ポリアミド系樹脂層(C)のほか、酸素ガスバリア層(B)を加えて構成することもできる。
本発明の第1層に用いることのできる共重合ポリエステルは、テレフタル酸の一部を他の二塩基酸に置き換えたもの、エチレングリコールの一部を他のアルコールで置き換えたものが用いられ、共重合とすることで共押し出しによる薄いフィルムへの加工性が向上し、厚み精度、外観、表面の均一性を良好とすることができる。例えばテレフタル酸の一部をイソフタル酸に置き換えたもの、エチレングリコールの一部を1,4−シクロヘキサンジメタノールに置き換えたものが用いられる。
【0012】
本発明の第1層に共重合ポリエステルを用いた場合、本発明の多層フィルムは、第1層とシール層である第2層との間に酸素ガスの透過を遮断する酸素ガスバリア層(B)及びフィルムの機械的強度を確保するためのポリアミド系樹脂層(C)を設け、4層で構成することができる。
本発明の第2層であるシール層(D)を構成する樹脂としては低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー(ION)、エチレン−アクリレート共重合体(EAA)、エチレン−メタクリレート共重合体(EMAA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)を単独または2種類以上をブレンドしたものであり、シールする相手材に応じて選択することが出来る。
【0013】
本発明の多層フィルムは共押し出し法によって製造される。各層の間には必要に応じて層間の接着性を高めるために接着剤層を設けても良い。本発明の多層フィルムは、最外層に印刷適性に優れた樹脂を配することにより1工程で製造した多層フィルムに直接印刷できることから加工コストを下げ、従来使用されなかった用途にも酸素ガスバリア性を備え高度な印刷を施した包装用フィルムを用いることが出来る。
本発明の多層フィルムの第1層表面にグラビア印刷等を施すことにより商品価値の高い、多色印刷の施された包装材を得ることができる。
【0014】
【実施例】
以下に実施例を示して説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。表1の層構成、各層厚みで実施例1〜3、比較例1〜3の50μmまたは60μmの多層フィルムを共押し出し法により作成し、表面の濡れ張力、目視での外観、印刷適性(インキののり、インキ密着性)、酸素ガス透過量を測定・評価した。結果を表1にまとめた。各々の評価方法は次の通りである。
表面の濡れ張力:JIS K6768に従い試薬を用いて測定した。
外観(○:透明性・光沢・均一性良好、×:光沢不良、ムラ有り)
印刷適性:外刷り用汎用インキ(アゾ系顔料、ベース樹脂がポリアミド樹脂−硝化綿)をグラビア印刷機によりフィルム表面に印刷し、条件が安定した部分300mm幅×100mの外観を目視で検査し、印刷抜け、印刷飛びを確認した。(○:印刷抜け・印刷飛び無し、△:部分的に印刷抜けまたは印刷飛びが見られた、×:印刷抜けまたは印刷飛びが多数見られた)
また、JIS K5400に従いXカットテープ法でインキの密着性を評価した。
酸素ガス透過量:JIS K7126に従いMOCON社のOXTRAN−TWINにより23℃−65%で測定した。
【0015】
使用した原料及びフィルムは次の通りであった。
Co−PET : 共重合ポリエステル樹脂(共重合成分1,4−シクロヘキサンジメタノール) Tg=81℃
PET : ポリエステル樹脂(ホモポリマー) mp=245℃
EVOH1 : エチレン−ビニルアルコール共重合体 エチレン比率32mol%
EVOH2 : エチレン−ビニルアルコール共重合体 エチレン比率44mol%
6−NY : 6−ナイロン樹脂 MP=220℃
6−6・6NY : 6−6・6共重合ナイロン樹脂 MP=198℃
A−NY : 非晶性ナイロン樹脂 Tg=125℃
EVA : エチレン−酢酸ビニル共重合体 VA=10%
LLDPE : 直鎖状低密度ポリエチレン MP=109℃
PP : ランダムポリプロピレン MP=147℃
Ad1 : 酸変性エチレン−αオレフィン共重合体
Ad2 : 酸変性低密度ポリエチレン
Ad3 : 酸変性直鎖状低密度ポリエチレン
Ad4 : 酸変性ポリプロピレン
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】
本発明に従うと、従来印刷したフィルムに酸素ガスバリア性、機械的強度及びシール性を有するフィルムを貼り合わせていたためにコストアップとなり、使用される用途が限定されていたが、1工程で包装材料として必要な機能を有し、外観良好で表面の印刷適性に優れた多層フィルムを経済的に製造することができ、さらに広い用途に安価に高性能の包装用多層フィルムを供給することが出来る。
Claims (3)
- 少なくとも2層からなり、最外層(A)となる第1層の表面の濡れ張力が36dyn/cm以上であり、第1層と反対側表面に位置する第2層がシール層(D)であり、第1層と第2層が共押し出し法により積層されたものであり、層厚みが60μm以下である包装用多層フィルムであって、
前記第1層が融点187〜205℃の共重合ナイロンを主とするポリアミド系樹脂から形成されてなる包装用多層フィルム。 - 少なくとも2層からなり、最外層(A)となる第1層の表面の濡れ張力が36dyn/cm以上であり、第1層と反対側表面に位置する第2層がシール層(D)であり、第1層と第2層が共押し出し法により積層されたものであり、層厚みが60μm以下である包装用多層フィルムであって、
前記第1層が、エチレン共重合比率38〜47mol%のエチレン−ビニルアルコール共重合体から形成され、第1層と第2層との間にポリアミド樹脂層(C)が積層されてなる包装用多層フィルム。 - 請求項1または2記載の包装用フィルムの表面に印刷が施されてなる包装材。
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JP2002207490A JP4190817B2 (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | 包装用多層フィルム及び包装材 |
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