JP4190786B2 - 溶融金属供給システム、溶融金属供給装置及び車輌 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば溶融したアルミニウム等の溶融金属を供給する溶融金属供給システム、溶融金属供給装置及びこれらに用いられる車輌に関する。
【0002】
【従来の技術】
多数のダイキャストマシーンを使ってアルミニウムの成型が行われる工場では、工場内ばかりでなく、工場外からアルミニウム材料の供給を受けることが多い。この場合、溶融した状態のアルミニウムを収容した取鍋を材料供給側の工場から成型側の工場へと搬送し、溶融した状態のままの材料を各ダイキャストマシーンへ供給することが行われている。
【0003】
従来から用いられている取鍋は、溶融金属が貯留される容器本体の側壁に供給用の配管を取り付けたいわば急須のような構造で、かかる取鍋をフォークリフト等により持ち上げ、更に傾けることにより配管から成型側の保持炉に溶融金属を供給することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような保持炉に対する取鍋からの溶融金属の供給は、保持炉内の溶融金属が満杯に近くなるまで行われるため、保持炉から高温の溶融金属が溢れ出てしまうおそれがあり、非常に危険であった。特に、取鍋を傾けることにより溶融金属を供給していたので、保持炉から溶融金属が溢れ出たり、あるいは飛び散ったりしないようにするためにフォークリフト等の操作に熟練した作業者を要していた。
【0005】
そこで、本発明者等は、容器内に圧力を加えることで保持炉に溶融金属を供給したり、容器内を減圧することで容器に溶融金属を吸引したりすることが可能な差圧式の溶融金属供給システムを提唱している。このような差圧式の容器を採用することで安全性や作業性が向上する。しかしながら、保持炉の満杯近くにおいては、例えば容器の圧力操作の人為的なミス等により溶融金属が溢れ出てしまうことが考えられ、保持炉の満杯の量まで溶融金属を容器から導出することは、やはり困難である。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明は、容器から保持炉に溶融金属を供給する際の供給量を的確に制御でき、特に、保持炉内で所定の貯留量、あるいは満杯量になるように溶融金属を供給することができる溶融金属供給システム、溶融金属供給装置及びこれら溶融金属の供給に用いられる車輌を提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の溶融金属供給システムは、内部に溶融金属を収容可能であって、圧力差を利用して外部に溶融金属を導出可能な容器と、前記溶融金属を使用するユースポイントに配置され、前記容器から導出される溶融金属を貯留する保持炉と、前記容器を保持可能で、保持した容器を少なくとも前記ユースポイントに対し運搬可能な車輌と、前記保持炉内に保持された溶融金属の量を検出する手段と、前記車輌に搭載され、前記検出結果に基づき前記圧力差を制御する制御系と、前記保持した容器の重量を計測する手段と、前記重量の計測結果に基づき圧力差を制御する手段とを具備し、前記検出手段は、前記保持炉内で溶融金属が満杯になったことを検出するものであり、前記制御系は、前記検出手段により満杯が検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段を有し、前記計測手段により計測された重量に基づき容器内の溶融金属がほぼなくなることが検知されたとき、前記容器内部の圧力を大きくするように制御する。また、本発明の溶融金属供給装置は、内部に溶融金属を収容可能であって、前記溶融金属を使用するユースポイントに配置され溶融金属を貯留する保持炉に、圧力差を利用して溶融金属を導出可能な容器と、前記容器を保持可能で、保持した容器を少なくとも前記ユースポイントに対し運搬可能な車輌と、前記保持炉内に保持された溶融金属の量を検出する手段と、前記車輌に搭載され、前記検出手段の検出結果に基づき前記圧力差を制御する制御系と、前記保持した容器の重量を計測する手段と、前記重量の計測結果に基づき圧力差を制御する手段とを具備し、前記制御系は、前記溶融金属が前記保持炉内で満杯になったことが検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段を有し、前記計測手段により計測された重量に基づき容器内の溶融金属がほぼなくなることが検知されたとき、前記容器内部の圧力を大きくするように制御する。
【0008】
本発明では、溶融金属を収容した容器を、車輌により保持してユースポイントまで運搬し、容器から圧力差を利用して溶融金属を導出することによって、ユースポイントにおける保持炉に対して溶融金属を供給する。この際、保持炉内に保持された溶融金属の量を検出し、この検出結果に基づき容器内の圧力差を制御することにより、保持炉に貯留される溶融金属の量を的確に制御できる。従って、保持炉から溶融金属が溢れ出るおそれはなく作業の安全性を向上させることができ、また、溢れ出る無駄な溶融金属の消費を防止できる。制御系には、例えば、容器内を加圧するための加圧気体を収容する加圧タンクやコンプレッサ、この加圧タンクから加圧気体を容器内へ圧送する際の圧力コントローラ、圧送の実行及び停止を切り替える開閉弁、その他リーク弁やリリーフ弁等も含まれる。これらを高温の保持炉から離れた車輌側に搭載することにより、高熱による悪影響等を回避でき、特に弁等の損壊及び老朽化を防止でき、安全に溶融金属を取り扱うことができる。また、例えば容器から溶融金属を導出している途中で容器の重量を計測することにより、容器内の溶融金属の導出量が把握できる。この重量の計測結果に基づいて圧力差を制御して導出量の制御を行うことができる。更に溶融金属の圧送供給においては、圧送最終段階で溶湯と気体の間欠吐出が発生しやすく、容器内の溶融金属が少なくなるに従って、容器に対する圧力を最終段階では大きくなるように制御した方がこのような溶湯と気体の間欠吐出を効果的に抑えることができる。本発明者等の識見によると、最終段階で圧力を小さくすることでは、間欠吐出する溶湯はかえって増大し、その一方で本発明のごとく制御することで間欠吐出するものは気体が大半となり、上記の不具合の発生を効果的に防止できる。また、自動で溶融金属の導出を停止するようにしたので、保持炉に貯留される溶融金属が所定の量に達したことを人の目視で判断していた従来に比べ、保持炉に貯留されるべき所定の溶融金属の量を正確に制御できる。これにより供給される溶融金属の満杯量を正確に制御でき、溶融金属が保持炉から溢れ出ることを防止できる。また、容器内部の圧力の制御は、例えば、容器内部に加圧気体を圧送するために容器に接続された配管等に介挿された開閉弁等を電子的に制御することで行うことができる。
【0009】
本発明の一の形態によれば、前記検出手段は、前記保持炉内で溶融金属が満杯になったことを検出するものであり、前記制御系は、前記検出手段により満杯が検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段を具備する。このように自動で溶融金属の導出を停止するようにしたので、保持炉に貯留される溶融金属が所定の量に達したことを人の目視で判断していた従来に比べ、保持炉に貯留されるべき所定の溶融金属の量を正確に制御できる。これにより供給される溶融金属の満杯量を正確に制御でき、溶融金属が保持炉から溢れ出ることを防止できる。また、容器内部の圧力の制御は、例えば、容器内部に加圧気体を圧送するために容器に接続された配管等に介挿された開閉弁等を電子的に制御することで行うことができる。また、本発明の一の形態によれば、前記容器内部の圧力を大きくする制御は、前記容器内の溶融金属の量が減るに従い段階的にまたは連続的に大きくなるように制御する。
【0010】
本発明の一の形態によれば、前記制御系は、前記車輌に搭載されている。制御系には、例えば、容器内を加圧するための加圧気体を収容する加圧タンクやコンプレッサ、この加圧タンクから加圧気体を容器内へ圧送する際の圧力コントローラ、圧送の実行及び停止を切り替える開閉弁、その他リーク弁やリリーフ弁等も含まれる。これらを高温の保持炉から離れた車輌側に搭載することにより、高熱による悪影響等を回避でき、特に弁等の損壊及び老朽化を防止でき、安全に溶融金属を取り扱うことができる。更に、本発明において前記導出された溶融金属の量の検出結果を無線で、そのように車輌に搭載された制御系に送信することで、容器を保持した車輌とユースポイントの保持炉との間で電気ケーブル等を用いる必要がなく、車輌自体の運転操作の作業性及び安全性を向上させることができる。
【0011】
本発明の一の形態によれば、前記検出手段は、前記保持炉に貯留された溶融金属の液面を検出する。これにより、確実に保持炉内での溶融金属の量を検出でき、保持炉から溶融金属が溢れ出ることを防止できる。検出手段としては、前記溶融金属の液面が、前記保持炉における所定の位置に設置された電極に接して通電することで液面を検出することができる。また、溶融金属が高温であることにより、この高温の液面に接する電極の耐久性や安全性の観点から、光を前記溶融金属の液面に反射させ、この反射光を検出することにより液面の高さを測定する光距離測定器を用いることもできる。
【0012】
また、本発明において光距離測定器は、車輌に搭載されることが好ましい。このように、高温の保持炉から離れた車輌側に光距離測定器を搭載することにより、高熱による光距離測定器への悪影響等を回避できる。光距離測定器による光は、レーザ光を用いることにより、保持炉における液面の高さを高精度に測定できる。レーザ光としては、赤外線や可視光等を利用することができる。
【0013】
本発明の一の形態によれば、前記保持した容器の重量を計測する手段と、前記重量の計測結果に基づき圧力差を制御する手段とを具備する。例えば容器から溶融金属を導出している途中で容器の重量を計測することにより、容器内の溶融金属の導出量が把握できる。この重量の計測結果に基づいて圧力差を制御して導出量の制御を行うことができる。この場合、前記重量計測手段により、前記容器から導出される溶融金属の量が前記保持炉で満杯となる量であることが推定されたときに、前記容器内部への加圧を停止する手段を設けるようにする。
【0014】
また本発明では、前記重量計測手段による計測と前記保持炉内の溶融金属の量の検出手段による検出とを両方行い、前記重量計測又は溶融金属の量の検出のうちいずれか一方により前記満杯となることが推定又は検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段を更に具備する。このような二重安全装置(フェールセーフ:fail safe)を設けることにより、例えば重量計測手段又は検出手段のうち一方が故障等した場合であっても、満杯を検出でき更に安全性を増すことができる。
【0015】
本発明の一の形態によれば、前記保持炉内の溶融金属の量の検出手段は、前記保持炉内の満杯よりも少ない所定量の溶融金属を検出可能であり、前記制御系は、前記検出手段により前記満杯よりも少ない所定量が検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段を更に具備する。本発明では気体圧により容器から溶融金属を導出しているため、レスポンスが油圧等による場合に比べ遅いこと等の観点より、気体の圧送の停止命令から溶融金属の容器からの導出が実際に停止するまでにディレイが発生する可能性がある。この場合に満杯を検出した後に加圧を停止する命令を出したのでは溶融金属が満杯を超えて保持炉から溢れ出てしまうおそれがある。しかし、本発明では、満杯よりも少ない所定量で溶融金属を検出しているので、そのような危険性を回避することができる。ここで、満杯よりも少ない所定量とは、例えば溶融金属の量が保持炉内の7割から9割5分までの量等が考えられる。
【0016】
また、本発明では、前記重量計測手段により、前記容器から導出される溶融金属が前記満杯よりも少ない所定量となることが推定されたときに、前記容器内部への加圧を停止する手段を具備するようにしてもよい。
【0017】
更に、本発明では、前記重量計測手段による計測と前記保持炉内の溶融金属の量の検出手段による検出とを両方行い、前記重量計測又は溶融金属の量の検出のうちいずれか一方により、前記満杯より少ない所定量となることが推定又は検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段を更に具備するようにしてもよい。このような気体圧を考慮した安全対策に加え、上記フェールセーフを採用することにより、より安全性を増すことができる。
【0018】
本発明の一の形態によれば、前記計測手段により計測された重量に基づき容器内の溶融金属がほぼなくなることが検知されたとき、前記容器内部の圧力を大きくするように制御する。溶融金属の圧送供給においては、圧送最終段階で溶湯と気体の間欠吐出が発生しやすく、容器内の溶融金属が少なくなるに従って、容器に対する圧力を最終段階では大きくなるように制御した方がこのような溶湯と気体の間欠吐出を効果的に抑えることができる。本発明者等の識見によると、最終段階で圧力を小さくすることでは、間欠吐出する溶湯はかえって増大し、その一方で本発明のごとく制御することで間欠吐出するものは気体が大半となり、上記の不具合の発生を効果的に防止できる。
【0019】
本発明の車輌は、内部に溶融金属を収容可能であり、溶融金属を使用するユースポイントに配置され溶融金属を貯留する保持炉に圧力差を利用して溶融金属を導出可能な容器を保持可能で、保持した容器を少なくとも前記ユースポイントに対し運搬可能な車輌であって、前記保持炉内に保持された溶融金属の量の検出結果に基づき前記圧力差を制御する制御系と、前記保持した容器の重量を計測する手段と、前記重量の計測結果に基づき圧力差を制御する手段とを具備し、前記制御系は、前記溶融金属が前記保持炉内で満杯になったことが検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段を有し、前記計測手段により計測された重量に基づき容器内の溶融金属がほぼなくなることが検知されたとき、前記容器内部の圧力を大きくするように制御する。制御系には、例えば、容器内を加圧するための加圧気体を収容する加圧タンクやコンプレッサ、この加圧タンクから加圧気体を容器内へ圧送する際の圧力コントローラ、圧送の実行及び停止を切り替える開閉弁、その他リーク弁やリリーフ弁等も含まれる。これらを高温の保持炉から離れた車輌側に搭載することにより、高熱による悪影響等を回避でき、特に弁等の損壊及び老朽化を防止でき、安全に溶融金属を取り扱うことができる。また、例えば容器から溶融金属を導出している途中で容器の重量を計測することにより、容器内の溶融金属の導出量が把握できる。この重量の計測結果に基づいて圧力差を制御して導出量の制御を行うことができる。更に溶融金属の圧送供給においては、圧送最終段階で溶湯と気体の間欠吐出が発生しやすく、容器内の溶融金属が少なくなるに従って、容器に対する圧力を最終段階では大きくなるように制御した方がこのような溶湯と気体の間欠吐出を効果的に抑えることができる。本発明者等の識見によると、最終段階で圧力を小さくすることでは、間欠吐出する溶湯はかえって増大し、その一方で本発明のごとく制御することで間欠吐出するものは気体が大半となり、上記の不具合の発生を効果的に防止できる。また、自動で溶融金属の導出を停止するようにしたので、保持炉に貯留される溶融金属が所定の量に達したことを人の目視で判断していた従来に比べ、保持炉に貯留されるべき所定の溶融金属の量を正確に制御できる。これにより供給される溶融金属の満杯量を正確に制御でき、溶融金属が保持炉から溢れ出ることを防止できる。また、容器内部の圧力の制御は、例えば、容器内部に加圧気体を圧送するために容器に接続された配管等に介挿された開閉弁等を電子的に制御することで行うことができる。
【0020】
本発明では、保持炉内に保持された溶融金属の量を検出し、この検出結果に基づき容器内の圧力差を制御することにより、保持炉に貯留される溶融金属の量を的確に制御できる。従って、保持炉から溶融金属が溢れ出るおそれはなく作業の安全性を向上させることができ、また、溢れ出る無駄な溶融金属の消費を防止できる。
【0021】
本発明の別の観点に係る溶融金属供給システムは、内部に溶融金属を収容可能であって、圧力差を利用して外部に溶融金属を導出可能な容器と、前記容器から導出される溶融金属を貯留する複数の保持炉を有する第1の工場と、前記容器を保持し、この保持した容器を少なくとも前記複数の保持炉の間で運搬可能な車輌と、前記複数の保持炉うち一の保持炉に導出された溶融金属の量が、この一の保持炉の満杯に達したことを検出する手段と、前記車輌に搭載され、前記検出結果に基づき前記圧力差を制御することで、前記溶融金属の導出を停止する制御系と、前記保持した容器の重量を計測する手段と、前記重量の計測結果に基づき圧力差を制御する手段と、前記満杯に達した一の保持炉以外の保持炉に対して、前記容器から残りの溶融金属を導出するように指示する制御部とを具備し、前記計測手段により計測された重量に基づき容器内の溶融金属がほぼなくなることが検知されたとき、前記容器内部の圧力を大きくするように制御する。
【0022】
本発明では、容器からの溶融金属の導出量が一の保持炉の満杯に達したとき、その導出を停止し、容器内の残りの溶融金属を他の保持炉へ供給することにより、容器内に溶融金属を残すことなく、作業効率を向上させることができる。ここで、複数の保持炉間では前述したような容器を保持できる車輌により運搬するようにすることができる。制御系には、例えば、容器内を加圧するための加圧気体を収容する加圧タンクやコンプレッサ、この加圧タンクから加圧気体を容器内へ圧送する際の圧力コントローラ、圧送の実行及び停止を切り替える開閉弁、その他リーク弁やリリーフ弁等も含まれる。これらを高温の保持炉から離れた車輌側に搭載することにより、高熱による悪影響等を回避でき、特に弁等の損壊及び老朽化を防止でき、安全に溶融金属を取り扱うことができる。また、例えば容器から溶融金属を導出している途中で容器の重量を計測することにより、容器内の溶融金属の導出量が把握できる。この重量の計測結果に基づいて圧力差を制御して導出量の制御を行うことができる。更に溶融金属の圧送供給においては、圧送最終段階で溶湯と気体の間欠吐出が発生しやすく、容器内の溶融金属が少なくなるに従って、容器に対する圧力を最終段階では大きくなるように制御した方がこのような溶湯と気体の間欠吐出を効果的に抑えることができる。本発明者等の識見によると、最終段階で圧力を小さくすることでは、間欠吐出する溶湯はかえって増大し、その一方で本発明のごとく制御することで間欠吐出するものは気体が大半となり、上記の不具合の発生を効果的に防止できる。
【0023】
本発明の一の形態によれば、複数の金属を溶解しこの溶解した金属を前記容器に供給するための第2の工場と、前記検出手段が前記導出量が前記満杯に達したことを検出したとき、これを前記第2の工場に伝送する手段とを更に具備する。これにより、第2の工場はこの伝送された情報を基に配送すべき溶融金属の量の最適化を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施形態に係る金属供給システムの全体構成を示す図である。
【0026】
同図に示すように、第1の工場10と第2の工場20とは例えば公道30を介して離れた所に設けられている。
【0027】
第1の工場10には、ユースポイントとしてのダイキャストマシーン11が複数配置されている。各ダイキャストマシーン11は、溶融したアルミニウムを原材料として用い、射出成型により所望の形状の製品を成型するものである。その製品としては例えば自動車のエンジンに関連する部品等を挙げることができる。また、溶融した金属としてはアルミニウム合金ばかりでなくマグネシウム、チタン等の他の金属を主体とした合金であっても勿論構わない。各ダイキャストマシーン11の近くには、ショット前の溶融したアルミニウムを一旦貯留する保持炉(手元保持炉)12が配置されている。この保持炉12には、複数ショット分の溶融アルミニウムが貯留されるようになっており、ワンショット毎にラドル13或いは配管を介して保持炉12からダイキャストマシーン11に溶融アルミニウムが注入されるようになっている。また、各保持炉12には、後述するように、容器内に貯留された溶融アルミニウムの液面を検出する液面検出センサや溶融アルミニウムの温度を検出するための温度センサ(図示せず)が配置されている。これらのセンサによる検出結果は各ダイキャストマシーン11の制御盤(図示せず)もしくは第1の工場10の中央制御部16に伝達されるようになっている。
【0028】
第1の工場10の受け入れ部で受け入れられた容器100は、本発明に係るフォークリフト18により所定のダイキャストマシーン11まで配送され、容器100から保持炉12に溶融アルミニウムが供給されるようになっている。供給の終了した容器100はフォークリフト18により再び受け入れ部に戻されるようになっている。
【0029】
第1の工場10には、アルミニウムを溶融して容器100に供給するための第1の炉19が設けられており、この第1の炉19により溶融アルミニウムが供給された容器100もフォークリフト18により所定のダイキャストマシーン11まで配送されるようになっている。
【0030】
第1の工場10には、各ダイキャストマシーン11において溶融アルミニウムの追加が必要になった場合にそれを表示する表示部15が配置されている。より具体的には、例えばダイキャストマシーン11毎に固有の番号が振られ、表示部15にはその番号が表示されており、溶融アルミニウムの追加が必要になったダイキャストマシーン11の番号に対応する表示部15における番号が「点灯」あるいは溶融アルミニウムが残り少ない旨の表示がされるようになっている。作業者はこの表示部15の表示に基づきフォークリフト18を使って容器100をその番号に対応するダイキャストマシーン11まで運び溶融アルミニウムを供給する。
【0031】
また、表示部15は、各ダイキャストマシーン11において溶融アルミニウムが満杯になった場合も、例えば、この満杯になったダイキャストマシーン11の表示部15における番号が「点滅」あるいは満杯量に達した旨の表示をするようになっている。
【0032】
第2の工場20には、アルミニウムを溶融して容器100に供給するための炉21が設けられている。容器100は容量、配管長、高さ、幅等の異なる複数種が用意されている。例えば第1の工場10内のダイキャストマシーン11の保持炉12の容量等に応じて、容量の異なる複数種がある。この炉21により溶融アルミニウムが供給された容器100は、フォークリフトにより搬送用のトラック32に載せられる。トラック32は公道30を通り第1の工場10の受け入れ部まで容器100を運ぶようになっている。また、受け入れ部にある空の容器100はトラック32により第2の工場20へ返送されるようになっている。
【0033】
第2の工場20には、第1の工場10における各ダイキャストマシーン11において溶融アルミニウムの追加が必要になった場合にそれを表示する表示部22が配置されている。表示部22の構成は第1の工場10内に配置された表示部15とほぼ同様である。表示部22における表示は、例えば通信回線33を介して第1の工場10における中央制御部16が制御することによって行われる。
【0034】
なお、第2の工場20における表示部22においては、溶融アルミニウムの供給を必要とするダイキャストマシーン11のうち第1の工場10における第1の炉19から溶融アルミニウムが供給されると決定されたダイキャストマシーン11は、それ以外のダイキャストマシーン11とは区別して表示されるようになっている。例えば、そのように決定されたダイキャストマシーン11に対応する番号は点滅するようになっている。これにより、第1の炉19から溶融アルミニウムが供給されると決定されたダイキャストマシーン11に対して第2の工場20側から誤って溶融アルミニウムを供給するようなことをなくすことができる。また、この表示部22には、上記の他に中央制御部16から送信されたデータも表示されるようになっている。
【0035】
次に、このように構成されたシステムに好適な容器100について、図2、図3及び図4に基づき説明する。図2は容器100の断面図、図3はその平面図、図4は、図3におけるA−A断面図である。
【0036】
容器100は、有底で筒状の本体50の上部開口部51に大蓋52が配置されている。本体50及び大蓋52の外周にはそれぞれフランジ53、54が設けられており、これらフランジ間をボルト55で締めることで本体50と大蓋52が固定されている。なお、本体50や大蓋52は例えば外側が金属(例えば鉄)であり、内側が耐火材により構成され、外側の金属と耐火材との間には断熱材が介挿されている。
【0037】
本体50の外周の1箇所には、本体50内部から配管56に連通する流路57が設けられた配管取付部58が設けられている。
【0038】
図4に示すように、容器100の外側は金属のフレーム100a、内側は耐火材100bにより構成され、フレーム100aと耐火材100bとの間には耐火材よりも熱伝導率の小さな断熱材100cが介挿されている。そして、流路57は容器100の内側に設けられた耐火材100bの中に形成されている。すなわち、流路57は、容器100内底部に近い位置から容器100上面の耐火材100bの露出部まで耐火材100bに内在している。これにより、流路57は、熱伝導率の大きな耐火部材によって容器内部と分離されている。このような構成を採用することにより、容器内からの放熱が流路に伝わりやすくなる。流路の外側(容器内とは反対側)には、耐火部材の外側に断熱材を配している。耐火材は断熱材よりも密度、熱伝導率が高いものを用いる。耐火材としては例えば緻密質の耐火系セラミック材料をあげることができる。また断熱材としては、断熱キャスター、ボード材料など断熱系のセラミック材料をあげることができる。
【0039】
配管取付部58における流路57は、本体50内周の該容器本体底部50aに近い位置に設けられた開口57aを介し、該本体50外周の上部57bに向けて延在している。この配管取付部58の流路57に連通するように配管56が固定されている。
【0040】
配管56は逆U字状の形状(曲率を有する形状)を有している。配管56のフレーム78aは例えば鉄などの金属からなり、その内部には、内張りとしてライニングが形成されており、このライニングは、耐火材75を有している。そしてこのライニングの内側が溶融金属の流路72として形成されている。耐火材75としては例えば緻密質の耐火系セラミック材料をあげることができる。
【0041】
また、このように配管56を逆U字状(曲率を有する形状)とし、これに対応して流路72を逆U字状の形状とすることにより、配管56の端部開口59は下方を向いている。配管56がこのような形状を有することで溶融金属がスムーズに流路72を流れるようになる。すなわち、配管56の内側に不連続な面があるとその位置にぶつかる溶融金属が流れようとする等の理由により、その位置が侵食され、最終的には穴が明く等の不具合がある。これに対して、配管56の流路72が曲率を有する形状であれば不連続な面がなく、上記のような不具合は発生しない。
【0042】
配管取付部58近傍の配管56の周囲には、この配管56を包囲するように、保温部材56aが配設されている。これにより、配管56側が流路57側の熱を奪い、流路57の温度低下が発生することを極力抑えることができる。特に、配管取付部58近傍の配管56の周囲は溶融金属が冷えやすくしかも容器搬送の際に液面が丁度揺れる位置にあるので、溶融金属が固化することが多いのに対して、このように配管取付部58近傍の配管56の周囲を保温部材56aにより包囲することでこの位置における溶融金属の固化を防止することができる。
【0043】
流路57及びこれに続く配管56の有効内径はほぼ等しく、65mm〜85mm程度が好ましい。従来からこの種の配管の内径は50mm程度であった。これはそれ以上であると容器内を加圧して配管から溶融金属を導出する際に大きな圧力が必要であると考えられていたからである。これに対して本発明者等は、流路57及びこれに続く配管56の内径としてはこの50mmを大きく超える65mm〜85mm程度が好ましく、より好ましくは70mm〜80mm程度、更には好ましくは流路57は70mm、配管56の内径は80mmであることを見出した。
【0044】
すなわち、溶融金属が流路57や配管56を上方に向けて流れる際に、流路57や配管56に存在する溶融金属自体の重量及び流路や配管の内壁の粘性抵抗の2つパラメータが溶融金属の流れを阻害する抵抗に大きな影響を及ぼしているものと考えられる。ここで、内径が65mmより小さいときには流路57を流れる溶融金属はどの位置においても溶融金属自体の重量と内壁の粘性抵抗の両方の影響を受けているが、内径が65mm以上となると流れのほぼ中心付近から内壁の粘性抵抗の影響を殆ど受けない領域が生じ始め、その領域が次第に大きくなる。この領域の影響は非常に大きく、溶融金属の流れを阻害する抵抗が下がり始める。溶融金属を容器内から導出する際に容器内を非常に小さな圧力で加圧すればよくなる。つまり、従来はこのような領域の影響は全く考慮に入れず、溶融金属自体の重量だけが溶融金属の流れを阻害する抵抗の変動要因として考えられており、作業性や保守性等の理由から内径を50mm程度としていた。一方、内径が85mmを超えると、溶融金属自体の重量が溶融金属の流れを阻害する抵抗として非常に支配的となり、溶融金属の流れを阻害する抵抗が大きくなってしまう。本発明者等の試作による結果によれば、70mm〜80mm程度の内径が容器内の圧力を非常に小さな圧力で加圧すればよく、特に70mm、80mmが標準化及び作業性の観点から最も好ましい。すなわち、配管径は50mm、60mm70mm、、、と10mm単位で標準化されており、配管径がより小さい方が取り扱いが容易で作業性が良好だからである。
【0045】
さて、上記の大蓋52のほぼ中央には開口部60が設けられ、開口部60には取っ手61が取り付けられたハッチ62が配置されている。ハッチ62は大蓋52上面よりも少し高い位置に設けられている。ハッチ62の外周の1ヶ所にはヒンジ63を介して大蓋52に取り付けられている。これにより、ハッチ62は大蓋52の開口部60に対して開閉可能とされている。また、このヒンジ63が取り付けられた位置と対向するように、ハッチ62の外周の2ヶ所には、ハッチ62を大蓋52に固定するためのハンドル付のボルト64が取り付けられている。大蓋52の開口部60をハッチ62で閉めてハンドル付のボルト64を回動することでハッチ62が大蓋52に固定されることになる。また、ハンドル付のボルト64を逆回転させて締結を開放してハッチ62を大蓋52の開口部60から開くことができる。そして、ハッチ62を開いた状態で開口部60を介して容器100内部のメンテナンスや予熱時のガスバーナの挿入が行われるようになっている。
【0046】
また、ハッチ62の中央、或いは中央から少しずれた位置には、容器100内の減圧及び加圧を行うための内圧調整用の貫通孔65が設けられている。この貫通孔65には加減圧用の配管66が接続されている。この配管66は、貫通孔65から上方に伸びて所定の高さで曲がりそこから水平方向に延在している。この配管66の貫通孔65への挿入部分の表面には螺子山がきられており、一方貫通孔65にも螺子山がきられており、これにより配管66が貫通孔65に対して螺子止めにより固定されるようになっている。
【0047】
この配管66の一方には、加圧用または減圧用の配管67が接続可能になっており、加圧用の配管には加圧気体に蓄積されたタンクや加圧用のポンプが接続されており、減圧用の配管には減圧用のポンプが接続されている。そして、減圧により圧力差を利用して配管56及び流路57を介して容器100内に溶融アルミニウムを導入することが可能であり、加圧により圧力差を利用して流路57及び配管56を介して容器100外への溶融アルミニウムの導出が可能である。なお、加圧気体として不活性気体、例えば窒素ガスを用いることで加圧時の溶融アルミニウムの酸化をより効果的に防止することができる。
【0048】
本実施形態では、大蓋52のほぼ中央部に配置されたハッチ62に加減圧用の貫通孔65が設けられている一方で、上記の配管66が水平方向に延在しているので、加圧用または減圧用の配管67を上記の配管66に接続する作業を安全にかつ簡単に行うことができる。また、このように配管66が延在することによって配管66を貫通孔65に対して小さな力で回転させることができるので、貫通孔65に対して螺子止めされた配管66の固定や取り外しを非常に小さな力で、例えば工具を用いることなく行うことができる。
【0049】
ハッチ62の中央から少しずれた位置で前記の加減圧用の貫通孔65とは対向する位置には、圧力開放用の貫通孔68が設けられ、圧力開放用の貫通孔68には、リリーフバルブ(図示を省略)が取り付けられるようになっている。これにより、例えば容器100内が所定の圧力以上となったときには安全性の観点から容器100内が大気圧に開放されるようになっている。
【0050】
大蓋52には、液面センサとしての2本の電極69がそれぞれ挿入される液面センサ用の2つの貫通孔70が所定の間隔をもって配置されている。これらの貫通孔70には、それぞれ電極69が挿入されている。これら電極69は容器100内で対向するように配置されており、それぞれの先端は例えば容器100内の溶融金属の最大液面とほぼ同じ位置まで延びている。そして、電極69間の導通状態をモニタすることで容器100内の溶融金属の最大液面を検出することが可能であり、これにより容器100への溶融金属の過剰供給をより確実に防止できるようになっている。
【0051】
本体50の底部裏面には、例えばフォークリフトのフォーク(図示を省略)が挿入される断面口形状で所定の長さの脚部71が例えば平行するように2本配置されている。また、本体50内側の底部50aは、流路57側が低くなるように全体が傾斜している。これにより、加圧により流路57及び配管56を介して外部に溶融アルミニウムを導出する際に、いわゆる湯の残りが少なくなる。また、例えばメンテナンス時に容器100を傾けて流路57及び配管56を介して外部に溶融アルミニウムを導出する際に、容器100を傾ける角度をより小さくでき、安全性や作業性が優れたものとなる。
【0052】
このように本実施形態に係る容器100では、容器100内の溶融金属に晒されるストークのような部材は不要となるので、ストーク等の部品交換を行う必要はなくなる。また、容器100内にストークのように予熱を邪魔するような部材は配置されないので、予熱のための作業性が向上し、予熱を効率的に行うことができる。また容器100に溶融金属を収容した後、溶融金属の表面の酸化物等をすくい取る作業が必要なことが多い。内部にストークがあるとこの作業がやりにくいが、容器100内部にストークのような構造物がないので作業性を向上することができる。更に、流路57が熱伝導率の高い耐火材100bに内在されるように構成されているので、容器100内の熱が流路57に伝達し易い。従って、流路57を流通する溶融金属の温度低下を極力抑えることができる。
【0053】
また、本実施形態に係る容器100では、ハッチ62に内圧調整用の貫通孔65を設け、その貫通孔65に内圧調整用の配管66を接続しているので、容器100内に溶融金属を供給する度に内圧調整用の貫通孔65に対する金属の付着を確認することができる。従って、内圧調整に用いるための配管66や貫通孔65の詰りを未然に防止することができる。
【0054】
更に、本実施形態に係る容器100では、ハッチ62に内圧調整用の貫通孔65が設けられ、しかもそのハッチ62が溶融アルミニウムの液面の変化や液滴が飛び散る度合いが比較的に小さい位置に対応する容器100の上面部のほぼ中央に設けられているので、溶融アルミニウムが内圧調整に用いるための配管66や貫通孔65に付着することが少なくなる。従って、内圧調整に用いるための配管66や貫通孔65の詰りを防止することができる。
【0055】
更にまた、本実施形態に係る容器100では、ハッチ62が大蓋52の上面部に設けられているので、ハッチ62の裏面と液面との距離が大蓋52の裏面と液面との距離に比べて大蓋52の厚み分だけ長くなる。従って、貫通孔65が設けられたハッチ62の裏面にアルミニウムが付着する可能性が低くなり、内圧調整に用いるための配管66や貫通孔65の詰りを防止することができる。
【0056】
図5は本実施形態の溶融金属供給システムに用いられる上記のフォークリフト(運搬車輌)18及び容器100の構成を示す図であり、ダイキャストマシーンの保持炉12に対して容器100から溶融アルミニウムを導出している状態を示す図である。また、図6は、図5に示すシステムの制御系の構成図を示している。
【0057】
図5に示すように、フォークリフト18は、フォーク41が容器100の脚部71に係合することで容器100を保持している。フォークリフト18は、フォーク41及びこのフォーク41を昇降させることで、容器100を昇降させる昇降機構152を有する。また、フォーク41の表面には圧力センサ153が配置されている。
【0058】
またフォークリフト18の運転席154の上部には、容器100に対して加圧用の気体、例えば高圧のエアーを供給するレシーバタンク171が設けられている。このレシーバタンク171にはタンク圧の下限を知るための圧力スイッチ156が設けられている。レシーバタンク171と容器100の貫通孔65とは、エアーホース157により接続されている。これらの間には、送圧をオンオフするための電子圧力コントローラ158、送圧圧力を検出するための圧力センサ159が設けられている。また、この電子圧力コントローラ158は、送圧のオンオフだけでなく、所定の1次側圧力に対して2次側圧力を能動的に変動させて供給することができるものである。圧力センサ159は運転席154の作業者から見える位置に配置されている。同様にその近くに手元操作盤160も配置され、作業者がこの手元操作盤160によりこの圧送の操作が行えるようになっている。また、運転席154の後方には、電気制御盤161が配置されており、この電気制御盤161により、電子圧力コントローラ158、その他リーク等が電子的に制御されるようになっている。
【0059】
保持炉12の上部には、溶融アルミニウムを受け入れるための開口12aが形成されている。この保持炉12内の上部には、上述したように、内部に貯留された溶融アルミニウム46の満杯量を検出する上部液面センサ47が設置されている。すなわち、上部液面センサ47による液面の検出は、保持炉12内の溶融アルミニウム46の量が満杯に達したことを検出するものである。また、保持炉12内の底部には、貯留された溶融アルミニウム46が残り少なくなったことを検出する底部液面センサ48が設置されている。これらの液面センサ47,48は、それぞれ2本の電極からなっている。上部液面センサ47はこれら2本の電極に溶融アルミニウム46の液面46aが接することで通電し、満杯量を検出するものである。一方、底部液面センサ48は、2本の電極から液面46aが離れることで通電が中止され残りが少なくなったことを検出するものである。
【0060】
次に、以上のように構成された溶融アルミニウムの供給システムの動作を説明する。
【0061】
まず、図1に示す第2の工場において炉21から容器100へアルミニウムが供給される。この供給については、図7に示すように、まず容器100の配管56に吸引用の配管201の一端201bを取り付け、他端201aを炉21内に貯留されている溶融金属の中に入れ、吸引用の配管201を保持機構202により固定する。そして、この状態で容器100内を例えば真空ポンプ313で減圧することにより、容器100内にアルミニウムが収容される。
【0062】
本実施形態では、特に、このように炉21内に貯留されている溶融アルミニウムを吸引管201及び配管56を介して容器100内に導入するようにしているので、溶融アルミニウムが外部の空気と接触することはない。従って、酸化物が生じることがなく、本システムを用いて供給される溶融アルミニウムは非常に品質が良いものとなる。また、容器100内から酸化物を除去するための作業は不要となり、作業性も向上する。
【0063】
ここで、第1の工場における中央制御部16では、各保持炉12に設けられた液面検出センサ47,48を介して各保持炉12における溶融アルミニウムの量を監視している。例えば、ある保持炉12において、底部液面センサ48が溶融アルミニウムの残りが少なくなったことを検出して、溶融アルミニウムの供給の必要性が生じた場合に、中央制御部16は、その保持炉12の「固有の番号」、その保持炉12に設けられた温度センサにより検出された保持炉12の「温度データ」、その保持炉12の形態に関する「形態データ」、その保持炉12から溶融アルミニウムがなくなる最終的な「時刻データ」、公道30の「トラフィックデータ」、その保持炉12で要求される溶融アルミニウムの「量データ」及び「気温データ」等を、通信回線33を介して第2の工場20側に送信する。第2の工場20では、これらのデータを表示部22に表示する。これらの表示されたデータに基づき作業者が経験的に上記保持炉12から溶融アルミニウムがなくなる直前に保持炉12に容器100が届き、かつ、その時の溶融アルミニウムが所望の温度となるように第2の工場20からの容器100の発送時刻及び溶融アルミニウムの発送時の温度を決定する。或いはこれらのデータを例えばパソコン(図示せず)に取り込んで所定のソフトウェアを用いて上記保持炉12から溶融アルミニウムがなくなる直前に保持炉12に容器100が届き、かつその時の溶融アルミニウムが所望の温度となるように該第2の工場20からの容器100の発送時刻及び溶融アルミニウムの発送時の温度を推定してその時刻及び温度を表示するようにしてもよい。或いは推定された温度により炉21を自動的に温度制御してもよい。更には、容器100に収容すべき溶融アルミニウムの量についても上記「量データ」に基づき決定してもよい。
【0064】
このようにして発送時刻に容器100を載せたトラック32が出発し、公道30を通り第1の工場10に到着すると、容器100がトラック32から受け入れ部に受け入れられる。そして、受け入れられた容器100は、フォークリフト18により所定のダイキャストマシーン11まで配送され、容器100から保持炉12に溶融アルミニウムが供給される。
【0065】
ここで、このような容器100から保持炉12への溶融アルミニウムの供給について、より詳細に説明する。
【0066】
まず、図5に示すように、フォークリフト18の昇降機構152により容器100を所定の高さに調整する。すなわち保持炉12の開口部12aに容器100の配管56の先端が受け入れられるような高さに昇降機構152を操作する。そして、レシーバタンク171から加圧気体を圧送し、容器100内部を加圧することで容器100の配管56から溶融アルミニウムを導出する。
【0067】
このようにして保持炉12内へ溶融アルミニウムを供給していき、溶融アルミニウム所定の満杯量に達したことを上部液面センサ47で検出すると、中央制御部16がこのことを認識し、満杯量に達したことがフォークリフト18の電気制御盤に対し無線43で送信される。このように無線43で送受信を行うことにより、容器100を保持したフォークリフト18と保持炉12との間で電気ケーブル等を用いる必要がなく、フォークリフト自体の運転操作の作業性及び安全性を向上させることができる。
【0068】
なお、本実施形態では液面検出センサ47,48の検出が中央制御部16に伝送される構成とした。しかし、例えば上部液面センサ47のみによる満杯検出信号を電気制御盤161に送信する送信手段を、各保持炉12ごとに専用に設けるようにしてもよい。
【0069】
本実施形態では、保持炉12に導出された溶融アルミニウムの満杯量を検出し、この検出結果に基づき容器100からの溶融アルミニウムの導出を自動的に停止するようにしている。従って、加圧気体の圧送にかかる操作の人為的なミス等により溶融アルミニウムが溢れ出てしまうことを防止でき、また、溢れ出る無駄な溶融アルミニウムの消費を防止できる。
【0070】
また、レシーバタンク171、電子圧力コントローラ158、リリーフ弁、リーク弁、電気制御盤等の制御系を高温の保持炉12から離れたフォークリフト18側に搭載することにより、高熱による悪影響等を回避でき、特に弁等の損壊及び老朽化を防止でき、安全に溶融アルミニウムを取り扱うことができる。
【0071】
次に図8を参照して、本発明の他の実施形態を説明する。なお、図8において、図5及び図6における構成要素と同一のものについては同一の符号を付すものとし、その説明を省略する。
【0072】
本実施形態では、フォークリフト18における昇降機構152の上部に、レーザ光を利用した距離測定器80が設置されている。本実施形態は、このような距離測定器80を用いて保持炉12に貯留された溶融アルミニウム46の液面46aを検出しようというものである。この距離測定器80は、例えば水平方向に発射したパルスレーザ光81をミラー84で鉛直方向に反射させて液面46aに照射するようになっている。ミラー84は、例えばフォークリフト18側に水平に設けられた支持部材82により支持すればよい。そして液面46aから反射したレーザパルスの伝達時間を測定することで、図に示すr1+r2の距離を測定できるようになっている。この場合、距離r1及び距離測定器80(ミラー84)の高さと保持炉12の底部の高さとの相対関係を予め把握しておくことで距離r2が得られ、結果として液面46aの高さ(溶融アルミニウムの満杯量)が得られることになる。あるいは、r1+r2が所定の値となったときに溶融アルミニウム46が満杯量に達したとみなしてもよい。また、この光距離測定器80は、得られた液面46aの高さ情報を電気制御盤161に無線43で送信するようになっている。なお、保持炉12は各種の形態があるため、各保持炉12ごとにその満杯量や配置(高さ位置)等を把握しておくことが好ましい。
【0073】
このような構成によっても、光距離測定器80により得られた満杯量の情報に基づき電気制御盤161が電子圧力コントローラ158を制御することで、容器100からの溶融アルミニウムの導出を自動的に停止させることができる。従って、溶融アルミニウム46が溢れ出てしまうことを防止できる。特に、溶融アルミニウム46が高温であることにより、上記のように電極による液面検出センサ47を設ける代わりに、本実施形態のように、溶融アルミニウム46に接しない光距離測定器80を用いた方がセンサの耐久性や安全性の観点からもよい。また、レーザ光を用いているため、液面の高さを保持炉における液面の高さをmm(ミリメートル)単位であっても容易にかつ正確に測定することができる。更に、この光距離測定器80を高温の保持炉12から離れたフォークリフト18側に光距離測定器80を搭載することにより、高熱による光距離測定器への悪影響等を回避できる。レーザ光としては、赤外線や可視光等を利用することができる。
【0074】
なお、本実施形態では、光距離測定器80による検出結果の電気制御盤161への伝送は、電気ケーブル49等を用いて有線で行うようにしてもよい。この場合、光距離測定器80はフォークリフト18側に搭載しているので、前述したようなフォークリフト18の運転操作の作業性及び安全性を考慮しなくてもよいからである。
【0075】
以上のようにして、第1の工場のある一の保持炉12における溶融アルミニウムの満杯量が検出された場合、中央制御部16が、その一の保持炉12以外の保持炉12に、今まで供給していた容器100を移動させるように指示するようにしてもよい。この場合、中央制御部16が表示部15にその旨を表示するようにすればよい。これにより、作業効率を向上させることができる。
【0076】
また、このように満杯量が検出された場合、中央制御部16はその旨を第2の工場20に伝送するようにすることも可能である。この場合、中央制御部16は、例えば第1の工場に複数ある保持炉12のうちある複数の保持炉12が満杯量に達したとき、満杯量に達していない他の保持炉12を表示部15に表示するとともに、第2の工場20の表示部22にも表示することができる。そして、第2の工場はこの情報を基に配送すべき溶融アルミニウムの量の最適化を図ることができる。
【0077】
図9は、フォークリフト18のフォーク41に設けられた圧力センサ153を用いた場合の溶融アルミニウム供給システムを示す制御ブロック図である。
【0078】
同図に示すように、圧力センサ153により検出された重量情報は電気制御盤161に送られ、電気制御盤161はこの重量情報に基づき電子圧力コントローラ158のオンオフを制御する。すなわち、容器100から導出された溶融アルミニウムの量に基づき圧送のオンオフを制御するようになっている。これにより、例えば、容器100内のアルミニウムがほぼなくなる直前に、レシーバタンク171から容器100への加圧をそれまでより大きくすることで、配管56からの気体とアルミニウムとの同時噴出による不具合をより少なくすることができる。なお、容器100内のアルミニウムの量が減るに従いタンク171から容器100への加圧を段階的に又は連続的に大きくなるように制御してよい。
【0079】
図10は、本発明の別の実施形態に係る溶融アルミニウムの供給システムを示す。
【0080】
本実施形態では、上記圧力センサ153による重量計測と、液面センサ47による液面の検出とを両方行うシステムである。この実施形態では、例えば容器100の重量が所定の重量にまで達したとき、つまり容器100から導出されるアルミニウムの量が所定の量に達したときに、電気制御盤161が電子圧力コントローラ158に対し圧送の停止命令を送出する。すなわち、電気制御盤161は圧力センサ153により容器100から導出されるアルミニウムの量が保持炉12で満杯となる量であることを推定している。また、この場合、保持炉12にアルミニウムを導出する前にもともとこの保持炉12に貯留されているアルミニウムを中央制御部が把握しておき、この貯留量に基づいて、フォークリフト側は、保持炉12で満杯になる量を推定して、この量だけのアルミニウムを容器100から導出することもできる。
【0081】
本実施形態では、圧力センサ153による重量計測又は液面センサ47による液面の検出のうちいずれか一方により保持炉12が満杯となることが推定又は検出されたとき、容器内部への加圧を停止することでそのアルミニウムの導出を停止する。このようなフェールセーフを採用することにより、例えば圧力センサ153又は液面センサ47のうち一方が故障等した場合であっても、満杯を検出でき更に安全性を増すことができる。
【0082】
図11は、本発明の更に別の実施形態に係る溶融アルミニウムの供給システムを示す。
【0083】
本実施形態では、保持炉12の満杯量よりも少ない貯留量46aを検出し、これに基づき容器100から保持炉12へのアルミニウムの供給を停止する。具体的には、上記上部液面センサ47の配置を、図11に示す低い位置(符号47aで示す)に配置させている。この液面センサ47aにより、例えば保持炉12の7割から9割5分等のアルミニウム46の量を検出することができるようにすればよい。
【0084】
本実施形態では、気体圧により容器100からアルミニウムを導出しているため、レスポンスが油圧等による場合に比べ遅いこと等の観点より、気体の圧送の停止命令からアルミニウムの容器100からの導出が実際に停止するまでにディレイが発生する可能性がある。この場合に満杯量を検出した後に加圧を停止する命令を出したのではアルミニウムが満杯を超えて保持炉12から溢れ出てしまうおそれがある。しかし、本実施形態では、満杯よりも少ない所定量46aでアルミニウムを検出しているので、そのような危険性を回避することができる。
【0085】
更に本実施形態では、圧力センサ153により計測したアルミニウムの導出量が、保持炉12内の満杯よりも少ない所定量46aまで達したことを推定したときに、前記容器100内部への加圧を停止するようにしてもよい。具体的には、例えば、保持炉12内にあと500kgだけアルミニウムが供給されれば満杯量に達するとした場合、容器100の重量計測が450kgだけ減少したときに加圧を停止すればよい。
【0086】
本発明は以上説明した実施形態には限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、容器100から保持炉12へ溶融アルミニウムを供給する場合において、上記実施形態では、保持炉12内の溶融アルミニウムの量が残り少なくなったこと及び満杯量に達したことの両者の検出を行うようにしたが、これに加え、例えば両者の中間当りの量、つまり保持炉12の満杯量のほぼ半分の量を検出するようにしてもよい。あるいは段階的または連続的に量を検出するようにしてもよい。この検出手段としては、上述したように電極による液面検出センサであってもよいし、距離検出器で行うことができる。
【0087】
これにより、第1及び第2の工場10及び20の間でやり取りされる上記「量データ」を高精度で得ることができる。また、当該ほぼ半分の量を検出したときに容器100内の圧力を所定値まで下げることで、満杯量に達するまで容器100からのアルミニウムの導出速度を下げるようにすることも可能である。これにより、満杯量近くで保持炉12外へ溶融アルミニウムが飛び散ることを防止でき、作業を安全に行うことができる。
【0088】
また、例えば、図9に示す圧力センサ153により得られた容器100内のアルミニウムの量と、保持炉12内に貯留されているアルミニウムの量とを比較することができる。例えば、上記のようにある一の保持炉12が満杯になったとき、この容器100内に残っている溶融アルミニウムを他の複数の保持炉のうちいずれの保持炉12に供給すれば、その保持炉12がちょうど満杯か、あるいは満杯に近くなるか、という判断を自動的に行うようにすることもできる。すなわち、容器100内のアルミニウムの残量と、満杯量に達していない保持炉12内の受け入れることができるアルミニウムの量が近似していれば、中央制御部16がフォークリフト18の運転者に対してその保持炉12に移動するように指示することができる。この指示は、表示部15で表示するようにしてもよい。
【0089】
なお、本発明は実施形態に示した構成要素を合理的な範囲で組み合わせたものも当然含むものである。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、容器から保持炉に溶融金属を供給する際の供給量を的確に制御でき、特に、保持炉内で所定の貯留量、あるいは満杯量になるように溶融金属を供給することができる。従って、容器の圧力操作の人為的なミス等により溶融金属が溢れ出てしまうこと等を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る溶融金属供給システムの構成を示す概略図である。
【図2】一実施形態に係る容器の断面図である。
【図3】図2に示す容器の平面図である。
【図4】図2のA−A断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るフォークリフトにより、保持炉に金属を供給している状態を示す図である。
【図6】図5に示すシステムの制御系の構成図である。
【図7】第2の工場で容器内に溶融金属を収容している状態を示す図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る供給システムを示す制御系の構成図である。
【図9】容器の重量に基づいた溶融金属の供給システムを示す制御ブロック図である。
【図10】本発明の別の実施形態に係る供給システムを示す制御系の構成図である。
【図11】本発明の更に別の実施形態に係る供給システムを説明するための図である。
【符号の説明】
10…第1の工場
11…ダイキャストマシーン
12…保持炉
16…中央制御部
18…フォークリフト
20…第2の工場
22…表示部
33…通信回線
43…無線
46…溶融アルミニウム
46a…液面
47…上部液面センサ
48…底部液面センサ
49…電気ケーブル
80…光距離測定器
100…容器
153…圧力センサ
158…電子圧力コントローラ
161…電気制御盤
171…レシーバタンク
313…真空ポンプ
Claims (30)
- 内部に溶融金属を収容可能であって、圧力差を利用して外部に溶融金属を導出可能な容器と、
前記溶融金属を使用するユースポイントに配置され、前記容器から導出される溶融金属を貯留する保持炉と、
前記容器を保持可能で、保持した容器を少なくとも前記ユースポイントに対し運搬可能な車輌と、
前記保持炉内に保持された溶融金属の量を検出する手段と、
前記車輌に搭載され、前記検出結果に基づき前記圧力差を制御する制御系と、
前記保持した容器の重量を計測する手段と、
前記重量の計測結果に基づき圧力差を制御する手段と
を具備し、
前記検出手段は、前記保持炉内で溶融金属が満杯になったことを検出するものであり、
前記制御系は、前記検出手段により満杯が検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段を有し、
前記計測手段により計測された重量に基づき容器内の溶融金属がほぼなくなることが検知されたとき、前記容器内部の圧力を大きくするように制御する
ことを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項1に記載の溶融金属供給システムであって、
前記容器内部の圧力を大きくする制御は、前記容器内の溶融金属の量が減るに従い段階的にまたは連続的に大きくなるように制御するものである
ことを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項1に記載の溶融金属供給システムであって、
前記導出された溶融金属の量の検出結果を無線で前記制御系に送信する手段
を更に具備することを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項1に記載の溶融金属供給システムであって、
前記検出手段は、前記保持炉に貯留された溶融金属の液面を検出する
ことを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項4に記載の溶融金属供給システムであって、
前記検出手段は、前記溶融金属の液面が、前記保持炉における所定の位置に設置された電極に接して通電することで液面を検出する
ことを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項4に記載の溶融金属供給システムであって、
前記検出手段は、光を前記溶融金属の液面に反射させ、この反射光を検出することにより液面の高さを測定する光距離測定器である
ことを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項6に記載の溶融金属供給システムであって、
前記光距離測定器は、前記車輌に搭載されている
ことを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項6に記載の溶融金属供給システムであって、
前記光は、レーザ光を含む
ことを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項1に記載の溶融金属供給システムであって、
前記重量計測手段により、前記容器から導出される溶融金属の量が前記保持炉で満杯となる量であることが推定されたときに、前記容器内部への加圧を停止する手段
を更に具備することを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項9に記載の溶融金属供給システムであって、
前記重量計測手段による計測と前記保持炉内の溶融金属の量の検出手段による検出とを両方行い、
前記重量計測又は溶融金属の量の検出のうちいずれか一方により前記満杯となることが推定又は検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段
を更に具備することを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項1に記載の溶融金属供給システムであって、
前記保持炉内の溶融金属の量の検出手段は、前記保持炉内の満杯よりも少ない所定量の溶融金属を検出可能であり、
前記制御系は、前記検出手段により前記満杯よりも少ない所定量が検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段を更に具備する
ことを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項11に記載の溶融金属供給システムであって、
前記重量計測手段により、前記容器から導出される溶融金属が前記満杯よりも少ない所定量となることが推定されたときに、前記容器内部への加圧を停止する手段
を更に具備することを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項12に記載の溶融金属供給システムであって、
前記重量計測手段による計測と前記保持炉内の溶融金属の量の検出手段による検出とを両方行い、
前記重量計測又は溶融金属の量の検出のうちいずれか一方により、前記満杯より少ない所定量となることが推定又は検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段
を更に具備することを特徴とする溶融金属供給システム。 - 内部に溶融金属を収容可能であって、前記溶融金属を使用するユースポイントに配置され溶融金属を貯留する保持炉に、圧力差を利用して溶融金属を導出可能な容器と、
前記容器を保持可能で、保持した容器を少なくとも前記ユースポイントに対し運搬可能な車輌と、
前記保持炉内に保持された溶融金属の量を検出する手段と、
前記車輌に搭載され、前記検出手段の検出結果に基づき前記圧力差を制御する制御系と、
前記保持した容器の重量を計測する手段と、
前記重量の計測結果に基づき圧力差を制御する手段と
を具備し、
前記制御系は、前記溶融金属が前記保持炉内で満杯になったことが検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段を有し、
前記計測手段により計測された重量に基づき容器内の溶融金属がほぼなくなることが検知されたとき、前記容器内部の圧力を大きくするように制御する
ことを特徴とする溶融金属供給装置。 - 請求項14に記載の溶融金属供給装置であって、
前記容器内部の圧力を大きくする制御は、前記容器内の溶融金属の量が減るに従い段階的にまたは連続的に大きくなるように制御するものである
ことを特徴とする溶融金属供給装置。 - 請求項14に記載の溶融金属供給装置であって、
前記溶融金属の量を検出する手段は、前記溶融金属の液面が、前記保持炉における所定の位置に設置された電極に接して通電することで液面を検出する手段である
ことを特徴とする溶融金属供給装置。 - 請求項14に記載の溶融金属供給装置であって、
前記溶融金属の量を検出する手段は、光を前記溶融金属の液面に反射させ、この反射光を検出することにより液面の高さを測定する光距離測定器である
ことを特徴とする溶融金属供給装置。 - 請求項14に記載の溶融金属供給装置であって、
前記重量計測手段により、前記容器から導出される溶融金属の量が前記保持炉で満杯となる量であることが推定されたときに、前記容器内部への加圧を停止する手段
を更に具備することを特徴とする溶融金属供給装置。 - 請求項18に記載の溶融金属供給装置であって、
前記重量計測手段による計測と前記保持炉内の溶融金属の量の検出手段による検出とを両方行い、
前記重量計測又は溶融金属の量の検出のうちいずれか一方により前記満杯となることが推定又は検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段
を更に具備することを特徴とする溶融金属供給装置。 - 請求項14に記載の溶融金属供給装置であって、
前記保持炉内の溶融金属の量の検出手段は、前記保持炉内の満杯よりも少ない所定量の溶融金属を検出可能であり、
前記制御系は、前記満杯よりも少ない所定量の溶融金属が検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段を更に具備する
ことを特徴とする溶融金属供給装置。 - 請求項20に記載の溶融金属供給装置であって、
前記重量計測手段により、前記容器から導出される溶融金属の量が前記満杯よりも少ない所定量となる量であることが推定されたときに、前記容器内部への加圧を停止する手段
を更に具備することを特徴とする溶融金属供給装置。 - 請求項21に記載の溶融金属供給装置であって、
前記重量計測手段による計測と前記保持炉内の溶融金属の量の検出手段による検出とを両方行い、
前記重量計測又は溶融金属の量の検出のうちいずれか一方により、前記満杯より少ない所定量となることが推定又は検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段
を更に具備することを特徴とする溶融金属供給装置。 - 内部に溶融金属を収容可能であり、溶融金属を使用するユースポイントに配置され溶融金属を貯留する保持炉に圧力差を利用して溶融金属を導出可能な容器を保持可能で、保持した容器を少なくとも前記ユースポイントに対し運搬可能な車輌であって、
前記保持炉内に保持された溶融金属の量の検出結果に基づき前記圧力差を制御する制御系と、
前記保持した容器の重量を計測する手段と、
前記重量の計測結果に基づき圧力差を制御する手段と
を具備し、
前記制御系は、前記溶融金属が前記保持炉内で満杯になったことが検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段を有し、
前記計測手段により計測された重量に基づき容器内の溶融金属がほぼなくなることが検知されたとき、前記容器内部の圧力を大きくするように制御する
ことを特徴とする車輌。 - 請求項23に記載の車輌であって、
前記容器内部の圧力を大きくする制御は、前記容器内の溶融金属の量が減るに従い段階的にまたは連続的に大きくなるように制御するものである
ことを特徴とする車輌。 - 請求項23に記載の車輌であって、
前記溶融金属の量を検出する手段は、前記溶融金属の液面が、前記保持炉における所定の位置に設置された電極に接して通電することで液面を検出する手段である
ことを特徴とする車輌。 - 請求項23に記載の車輌であって、
前記溶融金属の量を検出する手段は、光を前記溶融金属の液面に反射させ、この反射光を検出することにより液面の高さを測定する光距離測定器である
ことを特徴とする車輌。 - 内部に溶融金属を収容可能であって、圧力差を利用して外部に溶融金属を導出可能な容器と、
前記容器から導出される溶融金属を貯留する複数の保持炉を有する第1の工場と、
前記容器を保持し、この保持した容器を少なくとも前記複数の保持炉の間で運搬可能な車輌と、
前記複数の保持炉うち一の保持炉に導出された溶融金属の量が、この一の保持炉の満杯に達したことを検出する手段と、
前記車輌に搭載され、前記検出結果に基づき前記圧力差を制御することで、前記溶融金属の導出を停止する制御系と、
前記保持した容器の重量を計測する手段と、
前記重量の計測結果に基づき圧力差を制御する手段と、
前記満杯に達した一の保持炉以外の保持炉に対して、前記容器から残りの溶融金属を導出するように指示する制御部と
を具備し、
前記計測手段により計測された重量に基づき容器内の溶融金属がほぼなくなることが検知されたとき、前記容器内部の圧力を大きくするように制御する
ことを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項27に記載の溶融金属供給システムであって、
前記容器内部の圧力を大きくする制御は、前記容器内の溶融金属の量が減るに従い段階的にまたは連続的に大きくなるように制御するものである
ことを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項27に記載の溶融金属供給システムであって、
前記制御系は、前記検出手段により満杯が検出されたとき、前記容器内部への加圧を停止する手段
を具備することを特徴とする溶融金属供給システム。 - 請求項29に記載の溶融金属供給システムであって、
複数の金属を溶解し、この溶解した金属を前記容器に供給するための第2の工場と、
前記検出手段が、前記導出量が前記満杯に達したことを検出したとき、これを前記第2の工場に伝送する手段と
を更に具備することを特徴とする溶融金属供給システム。
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