JP3323489B1 - 溶融金属供給用容器 - Google Patents

溶融金属供給用容器

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JP3323489B1
JP3323489B1 JP2001189650A JP2001189650A JP3323489B1 JP 3323489 B1 JP3323489 B1 JP 3323489B1 JP 2001189650 A JP2001189650 A JP 2001189650A JP 2001189650 A JP2001189650 A JP 2001189650A JP 3323489 B1 JP3323489 B1 JP 3323489B1
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 内圧調整に用いるための配管や孔の詰りを防
止すること。 【解決手段】 溶融したアルミニウム等の溶融金属を供
給するために用いる容器であって、ハッチ62に内圧調
整用の貫通孔65を設け、その貫通孔65に内圧調整用
の配管66を接続しているので、容器100内に溶融金
属を供給する度に内圧調整用の貫通孔65に対する金属
の付着を確認することができる。従って、内圧調整に用
いるための配管66や貫通孔65の詰りを未然に防止す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば溶融したア
ルミニウムの運搬に用いられる溶融金属供給用容器に関
する。
【0002】
【従来の技術】多数のダイキャストマシーンを使ってア
ルミニウムの成型が行われる工場では、工場内ばかりで
なく、工場外からアルミニウム材料の供給を受けること
が多い。この場合、溶融した状態のアルミニウムを収容
した取鍋を材料供給側の工場から成型側の工場へと搬送
し、溶融した状態のままの材料を各ダイキャストマシー
ンへ供給することが行われている。
【0003】従来から用いられている取鍋は、溶融金属
が貯留される容器本体の側壁に供給用の配管を取り付け
たいわば急須のような構造で、かかる取鍋を傾けること
により配管から成型側の保持炉に溶融金属を供給するこ
とが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな取鍋では、例えば取鍋の傾斜をフォークリフトを用
いて行っており、そのような作業は必ずしも安全なもの
とはいえなかった。また、取鍋を傾斜させるためにフォ
ークリフトに回動機構を設ける必要があるため、構成が
特殊となり、更にそのような操作のためにフォークリフ
トの操作に熟練した作業者が必要とされる、という課題
があった。
【0005】そのため、本発明者等は、圧力差を利用し
た溶融金属の供給システムを提唱している。このシステ
ムは、密閉された容器に外部に溶融金属を導出するため
の配管を設け、さらにこの容器に加圧気体を供給するた
めの配管を接続し、容器内を加圧することで金属導出用
の配管から外部の例えば成型側の保持炉に溶融金属を導
出している。
【0006】しかしながら、上記構成の容器では、加圧
気体供給用の配管が詰り易い、という問題がある。特
に、上記のシステムでは、例えば容器はトラックに搭載
され公道を介して工場から他の工場に運搬されるために
揺れことが多く、このため容器内の溶融金属の液面が傾
いたり、液滴が容器内で飛び散り、これらが加圧気体供
給用の配管に付着する。そして、例えばこのような付着
が度重なることで配管詰りが発生している。
【0007】以上の事情に鑑み、本発明の主たる目的
は、内圧調整に用いるための配管や孔の詰りを防止する
ことができる溶融金属供給用容器を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明の主たる観点に係る溶融金属供給システム
は、溶融金属を収容することができる容器と、前記容器
の内外を連通し、前記溶融金属を流通することが可能な
流路と、前記容器の上面部に開閉可能に設けられ、前記
容器の内外を連通する内圧調整用の貫通孔が設けられた
ハッチとを具備するものである。
【0009】通常、かかる容器内に溶融金属を供給する
に先立ちガスバーナ等の加熱器により容器を予熱してい
る。この予熱は、ハッチを開けて加熱器の一部を容器内
に挿入することで行われる。従って、ハッチは容器内に
溶融金属を供給する度に開けられるものである。本発明
では、このようなハッチに内圧調整用の貫通孔を設けて
いるので、容器内に溶融金属を供給する度に内圧調整用
の貫通孔に対する金属の付着を確認することができる。
そして、例えば貫通孔に金属が付着しているときにはそ
の都度それを剥がせばよい。従って、本発明では、内圧
調整に用いるための配管や孔の詰りを未然に防止するこ
とができる。また本発明においては、このハッチは容器
内部を気密を確保するためのパッキン等の封止部材を備
えている。パッキンは例えばシリコン製のものなど耐熱
性を有するものが好ましい。
【0010】本発明の溶融金属供給用容器は、前記ハッ
チが、前記容器の上面部のほぼ中央に設けられているこ
とを特徴とするものである。
【0011】容器が揺れて液面が傾いたり、液滴が飛び
散る場合、容器内の外周付近よりも中央部に近い方がよ
り液面の変化や液滴が飛び散る度合いが小さい。本発明
では、ハッチに内圧調整用の貫通孔が設けられ、しかも
そのハッチが上記のように液面の変化や液滴が飛び散る
度合いが小さい位置に対応する容器の上面部のほぼ中央
に設けられているので、金属が内圧調整に用いるための
配管や孔に付着することが少なくなる。従って、本発明
では、内圧調整に用いるための配管や孔の詰りを防止す
ることができる。
【0012】本発明の溶融金属供給用容器は、前記貫通
孔に取り付けられ、前記容器の上面部から上方に向けて
突出し、所定の高さの位置で水平方向に折り曲げられ、
水平方向に導出された配管を更に具備するものである。
【0013】本発明に係る容器が使われるシステムで
は、例えば貫通孔に取り付けられた配管に加圧気体供給
用のタンクや減圧用のポンプからの配管が接続される。
そのような接続は、容器内に溶融金属を導入する度、或
いは容器内から溶融金属を導出する度に行われる。一
方、溶融金属が貯留される容器は非常に高温であり、作
業性が悪い状態にある。本発明に係る容器では、内圧調
整用の貫通孔が容器上面のほぼ中央にある構成であり、
そのまま上方に伸びる配管を取り付けたのでは上記のよ
うな配管間の接続の作業性が非常に悪い。これに対し
て、上記のように配管が水平方向に導出するような構成
とすることで、例えば作業者が配管間の接続ポイントに
手を伸ばして作業を安全にかつ簡単に行うことができ
る。
【0014】本発明の溶融金属供給用容器は、前記配管
が前記貫通孔に着脱可能に螺着されていることを特徴と
するものである。
【0015】本発明では、配管を貫通孔に対して着脱可
能に螺着するように構成することで、水平方向に導出さ
れている配管自体をいわばスパナのようにな用い方で配
管を貫通孔から着脱すること可能となる。従って、配管
の着脱を特別な工具等を用いることなく簡単に行うこと
ができる。これにより、例えば配管の詰まり具合をしば
しば確認することが可能となり、内圧調整に用いるため
の配管の詰りを未然に防止することができる。
【0016】本発明の別の観点に係る溶融金属供給用容
器は、溶融金属を収容することができ、内外を連通し、
上面部のほぼ中心の位置に設けられた内圧調整用の貫通
孔を有する容器と、前記容器の内外を連通し、前記溶融
金属を流通することが可能な流路とを具備したことを特
徴とするものである。
【0017】上述したように容器が揺れて液面が傾いた
り、液滴が飛び散る場合、容器内の外周付近よりも中央
部に近い方がより液面の変化や液滴が飛び散る度合いが
小さい。本発明では、内圧調整用の貫通孔がこのように
液面の変化や液滴が飛び散る度合いが小さい位置に対応
する容器の上面部のほぼ中央に設けられているので、金
属が内圧調整に用いるための配管や孔に付着することが
少なくなる。従って、本発明では、内圧調整に用いるた
めの配管や孔の詰りを防止することができる。
【0018】本発明の溶融金属供給用容器は、前記容器
は、当該容器の上面部のほぼ中心部に設けられたハッチ
を更に具備し、前記貫通孔は、前記ハッチに設けられて
いることを特徴とするものである。
【0019】上述したように、通常、容器内に溶融金属
を供給するに先立ちガスバーナにより容器を予熱してい
る。この予熱は、ハッチを開けてガスバーナを容器内に
挿入することで行われる。従って、ハッチは容器内に溶
融金属を供給する度に開けられるものである。本発明で
は、このようなハッチに内圧調整用の貫通孔を設けてい
るので、容器内に溶融金属を供給する度に内圧調整用の
貫通孔に対する金属の付着を確認することができる。そ
して、例えば貫通孔に金属が付着しているときにはその
都度それを剥がせばよい。従って、本発明では、内圧調
整に用いるための配管や孔の詰りを未然に防止すること
ができる。
【0020】本発明の溶融金属供給用容器は、前記貫通
孔に取り付けれ、前記容器の上面部から上方に向けて突
出し、所定の高さの位置で水平方向に折り曲げられ、水
平方向に導出された配管を更に具備するものである。
【0021】本発明の更に別の観点に係る溶融金属供給
用容器は、溶融金属を収容することができ、上部に第1
の開口部を有する容器と、前記容器の内外を連通し、前
記溶融金属を流通することが可能な流路と、前記容器の
第1の開口部を覆うように固定的に配置され、ほぼ中央
に前記第1の開口部よりも小径の第2の開口部を有する
蓋と、前記蓋の上面部に開閉可能に設けられ、前記容器
の内外を連通する内圧調整用の貫通孔が設けられたハッ
チとを具備するものである。
【0022】本発明では、このようなハッチに内圧調整
用の貫通孔を設けているので、容器内に溶融金属を供給
する度に内圧調整用の貫通孔に対する金属の付着を確認
することができる。従って、本発明では、内圧調整に用
いるための配管や孔の詰りを未然に防止することができ
る。本発明では、ハッチに内圧調整用の貫通孔が設けら
れ、しかもそのハッチが上記のように液面の変化や液滴
が飛び散る度合いが小さい位置に対応する容器の上面部
のほぼ中央に設けられているので、金属が内圧調整に用
いるための配管や孔に付着することが少なくなる。従っ
て、本発明では、内圧調整に用いるための配管や孔の詰
りを防止することができる。更に、本発明では、ハッチ
が蓋の上面部に設けられているので、ハッチの裏面と液
面との距離が蓋の裏面と液面との距離に比べて蓋の厚み
分だけ長くなる。従って、貫通孔が設けられたハッチの
裏面に金属が付着する可能性が低くなる。よって、本発
明では、内圧調整に用いるための配管や孔の詰りを防止
することができる。
【0023】上記容器としては、容器本体と、前記容器
本体の中心からずれた位置から容器本体外に配設された
配管とを具備するようにしても構わない。
【0024】配管が容器内で溶湯に浸かったままだとす
ぐに詰まってしまうのに対して、本発明では、配管が容
器本体の中心からずれているので、傾けたときに容器内
の液面に対する変位が大きくなり、この状態で溶湯を吐
き出した後水平に戻すと配管下端と溶湯面との間に空間
ができ、配管詰まりが防止される。
【0025】本発明の容器は、第1の空間を構成する第
1のフレームと、前記第1のフレームとの間に第2の空
間を構成するように配設された第2のフレームと、前記
第1の空間と前記第2の空間とを接続する少なくとも1
つの通路とを具備する。
【0026】本発明では、第2の空間を真空に引いてお
けば保温になり、断熱材の経時変化による断熱性能の低
下を補償することができる。また、通路を介して第2の
空間側から第1の空間を加圧すると、圧送気体は予熱さ
れてから容器内部に供給される。従って、溶湯の温度低
下を小さく抑えることができる。特に、圧送最終段階に
おいては溶湯と気体の間欠吐出が発生しやすく、その場
合に溶湯の温度が圧送気体に奪われて粘性が大きくな
る。従って、圧送気体を予熱することで、溶湯の温度低
下を抑制し、配管詰まりを効果的に防止することができ
る。加えて、安全な給湯停止もでき、給湯停止に要する
時間を短くすることができる。
【0027】また、本発明では、第1の空間のリークを
通路を介して第2の空間側から行うようにすることがで
きる。圧送停止時には加圧された第1の空間の気体をリ
ークして常圧に復圧するが、そのとき第1の空間の気体
は溶湯と共存しているから非常に高温であり、この高温
気体を直接的にリークしたのではリークバルブを痛める
ことになる。これに対して、第1の空間のリークを通路
を介して第2の空間側から行うことで、リークバルブに
かかる熱的負荷を軽減し、装置の信頼性向上、長寿命化
を図ることができる。
【0028】本発明の容器は、第1の空間を構成する第
1のフレームと、前記第1のフレームとの間に第2の空
間を構成するように配設された第2のフレームと、前記
第1の空間と前記第2の空間とを接続する少なくとも1
つの通路と、前記容器本体内と接続された第1のバルブ
と、前記通路上に介挿されたた第2のバルブとを具備す
る。
【0029】本発明では、給湯停止動作に要する時間短
縮、もしくは停止動作の信頼性の向上を図ることができ
る。すなわち、第2の空間は減圧しておき、給湯停止時
には、まず第1のバルブを開放して第1の空間内を復圧
する、ついで第2のバルブを開放し第1の空間を負圧に
する。これにより完全な給湯停止、更には配管内の溶湯
の容器側への引き戻しができる。
【0030】本発明の容器は、容器本体と、容器本体底
部付近に接続され、少なくとも上方に向かう傾斜を有す
る配管とを具備する。
【0031】本発明の容器は、容器本体と、容器本体内
を下部付近で連通しつつ2分する隔壁と、前記隔壁の区
切られた一方の空間側に接続された樋部とを具備する。
【0032】本発明の容器は、容器本体と、容器本体内
を下部付近で連通しつつ2分する隔壁と、前記隔壁の分
離された一方の空間側に接続された樋部と、前記樋部上
に設けられた蓋とを具備する。
【0033】すなわち、配管が本体内部にあると、 メンテナンスが大変 詰まりやすい メンテナンス時に配管傷つきやすい という問題ある。
【0034】本発明では、隔壁で分離された一方の空間
を配管の代わりに使用し、例えば開口部からオーバーフ
ローさせて樋部で給湯するものである。これによりメン
テナンスが非常に簡単になり、しかも詰まりにくく、更
には詰まっても通常メンテナンスで回復させることがで
きる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。
【0036】図1は本発明の一実施形態に係る金属供給
システムの全体構成を示す図である。
【0037】同図に示すように、第1の工場10と第2
の工場20とは例えば公道30を介して離れた所に設け
られている。
【0038】第1の工場10には、ユースポイントとし
てのダイキャストマシーン11が複数配置されている。
各ダイキャストマシーン11は、溶融したアルミニウム
を原材料として用い、射出成型により所望の形状の製品
を成型するものである。その製品としては例えば自動車
のエンジンに関連する部品等を挙げることができる。ま
た、溶融した金属としてはアルミニウム合金ばかりでな
くマグネシウム、チタン等の他の金属を主体とした合金
であっても勿論構わない。各ダイキャストマシーン11
の近くには、ショット前の溶融したアルミニウムを一旦
貯留する保持炉(手元保持炉)12が配置されている。
この保持炉12には、複数ショット分の溶融アルミニウ
ムが貯留されるようになっており、ワンショット毎にラ
ドル13或いは配管を介して保持炉12からダイキャス
トマシーン11に溶融アルミニウムが注入されるように
なっている。また、各保持炉12には、容器内に貯留さ
れた溶融アルミニウムの液面を検出する液面検出センサ
(図示せず)や溶融アルミニウムの温度を検出するため
の温度センサ(図示せず)が配置されている。これらの
センサによる検出結果は各ダイキャストマシーン11の
制御盤もしくは第1の工場10の中央制御部16に伝達
されるようになっている。
【0039】第1の工場10の受け入れ部には、後述す
る容器100を受け入れるための受け入れ台17が配置
されている。受け入れ部の受け入れ台17で受け入れら
れた容器100は、配送車18により所定のダイキャス
トマシーン11まで配送され、容器100から保持炉1
2に溶融アルミニウムが供給されるようになっている。
供給の終了した容器100は配送車18により再び受け
入れ部の受け入れ台17に戻されるようになっている。
【0040】第1の工場10には、アルミニウムを溶融
して容器100に供給するための第1の炉19が設けら
れており、この第1の炉19により溶融アルミニウムが
供給された容器100も配送車18により所定のダイキ
ャストマシーン11まで配送されるようになっている。
【0041】第1の工場10には、各ダイキャストマシ
ーン11において溶融アルミニウムの追加が必要になっ
た場合にそれを表示する表示部15が配置されている。
より具体的には、例えばダイキャストマシーン11毎に
固有の番号が振られ、表示部15にはその番号が表示さ
れており、溶融アルミニウムの追加が必要になったダイ
キャストマシーン11の番号に対応する表示部15にお
ける番号が点灯するようになっている。作業者はこの表
示部15の表示に基づき配送車18を使って容器100
をその番号に対応するダイキャストマシーン11まで運
び溶融アルミニウムを供給する。表示部15における表
示は、液面検出センサによる検出結果に基づき、中央制
御部16が制御することによって行われる。
【0042】第2の工場20には、アルミニウムを溶融
して容器100に供給するための第2の炉21が設けら
れている。容器100は例えば容量、配管長、高さ、幅
等の異なる複数種が用意されている。例えば第1の工場
10内のダイキャストマシーン11における保持炉12
の容量等に応じて、容量の異なる複数種がある。しかし
ながら、容器100を1種類に統一して規格化しても勿
論構わない。
【0043】この第2の炉21により溶融アルミニウム
が供給された容器100は、フォークリフト(図示せ
ず)により搬送用のトラック32に載せられる。トラッ
ク32は公道30を通り第1の工場10における受け入
れ部の受け入れ台17の近くまで容器100を運び、こ
れらの容器100はフォークリフト(図示せず)により
受け入れ台17に受け入れられるようになっている。ま
た、受け入れ部にある空の容器100はトラック32に
より第2の工場20へ返送されるようになっている。
【0044】第2の工場20には、第1の工場10にお
ける各ダイキャストマシーン11において溶融アルミニ
ウムの追加が必要になった場合にそれを表示する表示部
22が配置されている。表示部22の構成は第1の工場
10内に配置された表示部15とほぼ同様である。表示
部22における表示は、例えば通信回線33を介して第
1の工場10における中央制御部16が制御することに
よって行われる。なお、第2の工場20における表示部
22においては、溶融アルミニウムの供給を必要とする
ダイキャストマシーン11のうち第1の工場10におけ
る第1の炉19から溶融アルミニウムが供給されると決
定されたダイキャストマシーン11はそれ以外のダイキ
ャストマシーン11とは区別して表示されるようになっ
ている。例えば、そのように決定されたダイキャストマ
シーン11に対応する番号は点滅するようになってい
る。これにより、第1の炉19から溶融アルミニウムが
供給されると決定されたダイキャストマシーン11に対
して第2の工場20側から誤って溶融アルミニウムを供
給するようなことをなくすことができる。また、この表
示部22には、上記の他に中央制御部16から送信され
たデータも表示されるようになっている。
【0045】次に、このように構成された金属供給シス
テムの動作を説明する。
【0046】中央制御部16では、各保持炉12に設け
られた液面検出センサを介して各保持炉12における溶
融アルミニウムの量を監視している。ここで、ある保持
炉12で溶融アルミニウムの供給の必要性が生じた場合
に、中央制御部16は、その保持炉12の「固有の番
号」、その保持炉12に設けられた温度センサにより検
出された保持炉12の「温度データ」、その保持炉12
の形態(後述する。)に関する「形態データ」、その保
持炉12から溶融アルミニウムがなくなる最終的な「時
刻データ」、公道30の「トラフィックデータ」、その
保持炉12で要求される溶融アルミニウムの「量デー
タ」及び「気温データ」等を、通信回線33を介して第
2の工場20側に送信する。第2の工場20では、これ
らのデータを表示部22に表示する。これらの表示され
たデータに基づき作業者が経験的に上記保持炉12から
溶融アルミニウムがなくなる直前に保持炉12に容器1
00が届き、且つその時の溶融アルミニウムが所望の温
度となるように該第2の工場20からの容器100の発
送時刻及び溶融アルミニウムの発送時の温度を決定す
る。或いはこれらのデータを例えばパソコン(図示せ
ず)に取り込んで所定のソフトウェアを用いて上記保持
炉12から溶融アルミニウムがなくなる直前に保持炉1
2に容器100が届き、且つその時の溶融アルミニウム
が所望の温度となるように該第2の工場20からの容器
100の発送時刻及び溶融アルミニウムの発送時の温度
を推定してその時刻及び温度を表示するようにしてもよ
い。或いは推定された温度により第2の炉21を自動的
に温度制御しても良い。容器100に収容すべき溶融ア
ルミニウムの量についても上記「量データ」に基づき決
定してもよい。
【0047】発送時刻に容器100を載せたトラック3
2が出発し、公道30を通り第1の工場10に到着する
と、容器100がトラック32から受け入れ部の受け入
れ台17に受け入れられる。
【0048】その後、受け入れられた容器100は、受
け入れ台17と共に配送車18により所定のダイキャス
トマシーン11まで配送され、容器100から保持炉1
2に溶融アルミニウムが供給される。
【0049】図2に示すように、この例では、レシーバ
タンク101から高圧空気を密閉された容器100内に
送出することで容器100内に収容された溶融アルミニ
ウムが配管56から吐出されて保持炉12内に供給され
るようになっている。なお、図2において、103は加
圧バルブ、104はリークバルブである。
【0050】ここで、保持炉12の高さは各種のものが
あり、配送車18に設けられた昇降機構により配管56
の先端が保持炉12上の最適位置となるように調節可能
になっている。しかし、保持炉12の高さによっては昇
降機構だけでは対応できない場合がある。そこで、本シ
ステムにおいては、保持炉12の形態に関する「形態デ
ータ」として、保持炉12の高さや保持炉12までの距
離に関するデータ等を予め第2の工場20側に送り、第
2の工場20側ではこのデータに基づき最適な形態、例
えば最適な高さの容器100を選択して配送している。
なお、供給すべき量に応じて最適な大きさの容器100
を選択して配送してもよい。
【0051】次に、このように構成されたシステムに好
適な容器(加圧式溶融金属供給容器)100について、
図3及び図4に基づき説明する。図3は容器100の断
面図、図4はその平面図である。
【0052】容器100は、有底で筒状の本体50の上
部開口部51に大蓋52が配置されている。本体50及
び大蓋51の外周にはそれぞれフランジ53、54が設
けられており、これらフランジ間をボルト55で締める
ことで本体50と大蓋51が固定されている。なお、本
体50や大蓋51は例えば外側が金属であり、内側が耐
火材材及び断熱材により構成されている。
【0053】本体50の外周の1箇所には、本体50内
部から配管56に連通する流路57が設けられた配管取
付部58が設けられ、この配管取付部58の流路57に
連通するように配管56が固定されている。配管56
は、Γ状の形状を有しており、これにより配管56の一
端口59は下方を向いている。より具体的には、配管5
6の一端口59は垂線に対して例えば10°程度傾いて
いる。このように傾斜を持たせることによって例えば一
端口59から導出される溶融金属がサーバ側に流れ落ち
た際に湯面から湯滴が飛び散ることが少なくなる。
【0054】上記の大蓋52のほぼ中央には開口部60
が設けられ、開口部60には取っ手61が取り付けられ
たハッチ62が配置されている。ハッチ62は大蓋52
上面よりも少し高い位置に設けられてる。ハッチ62の
外周の1ヶ所にはヒンジ63を介して大蓋52に取り付
けられている。これにより、ハッチ62は大蓋52の開
口部60に対して開閉可能とされている。また、このヒ
ンジ63が取り付けられた位置と対向するように、ハッ
チ62の外周の2ヶ所には、ハッチ62を大蓋52に固
定するためのハンドル付のボルト64が取り付けられて
いる。大蓋52の開口部60をハッチ62で閉めてハン
ドル付のボルト64を回動することでハッチ62が大蓋
52に固定されることになる。また、ハンドル付のボル
ト64を逆回転させて締結を開放してハッチ62を大蓋
52の開口部60から開くことができる。そして、ハッ
チ62を開いた状態で開口部60を介して容器100内
部のメンテナンスや予熱時のガスバーナの挿入が行われ
るようになっている。
【0055】また、ハッチ62の中央、或いは中央から
少しずれた位置には、容器100内の減圧及び加圧を行
うための内圧調整用の貫通孔65が設けられている。こ
の貫通孔65には加減圧用の配管66が接続されてい
る。この配管66は、貫通孔65から上方に伸びて所定
の高さで曲がりそこから水平方向に延在している。この
配管66の貫通孔65への挿入部分の表面には螺子山が
きられており、一方貫通孔65にも螺子山がきられてお
り、これにより配管66が貫通孔65に対して螺子止め
により固定されるようになっている。
【0056】この配管66の一方には、加圧用又は減圧
用の配管67が接続可能になっており、加圧用の配管に
は加圧気体に蓄積されたタンクや加圧用のポンプが接続
されており、減圧用の配管には減圧用のポンプが接続さ
れている。そして、減圧により圧力差を利用して配管5
6及び流路57を介して容器100内に溶融アルミニウ
ムを導入することが可能であり、加圧により圧力差を利
用して流路57及び配管56を介して容器100外への
溶融アルミニウムの導出が可能である。なお、加圧気体
として不活性気体、例えば窒素ガスを用いることで加圧
時の溶融アルミニウムの酸化をより効果的に防止するこ
とができる。
【0057】本実施形態では、大蓋52のほぼ中央部に
配置されたハッチ62に加減圧用の貫通孔65が設けら
れている一方で、上記の配管66が水平方向に延在して
いるので、加圧用又は減圧用の配管67を上記の配管6
6に接続する作業を安全にかつ簡単に行うことができ
る。また、このように配管66が延在することによって
配管66を貫通孔65に対して小さな力で回転させるこ
とができるので、貫通孔65に対して螺子止めされた配
管66の固定や取り外しを非常に小さな力で、例えば工
具を用いることなく行うことができる。
【0058】ハッチ62の中央から少しずれた位置で前
記の加減圧用の貫通孔65とは対向する位置には、圧力
開放用の貫通孔68が設けられ、圧力開放用の貫通孔6
8には、リリーフバルブ(図示を省略)が取り付けられ
るようになっている。これにより、例えば容器100内
が所定の圧力以上となったときには安全性の観点から容
器100内が大気圧に開放されるようになっている。
【0059】大蓋52には、液面センサとしての2本の
電極69がそれぞれ挿入される液面センサ用の2つの貫
通孔70が所定の間隔をもって配置されている。これら
の貫通孔70には、それぞれ電極69が挿入されてい
る。これら電極69は容器100内で対向するように配
置されており、それぞれの先端は例えば容器100内の
溶融金属の最大液面とほぼ同じ位置まで延びている。そ
して、電極69間の導通状態をモニタすることで容器1
00内の溶融金属の最大液面を検出することが可能であ
り、これにより容器100への溶融金属の過剰供給をよ
り確実に防止できるようになっている。
【0060】本体50の底部裏面には、例えばフォーク
リフトのフォーク(図示を省略)が挿入される断面口形
状で所定の長さの脚部(チャンネル)71が例えば平行
するように2本配置されている。また、本体50内側の
底部は、流路57側が低くなるように全体が傾斜してい
る。これにより、加圧により流路57及び配管56を介
して外部に溶融アルミニウムを導出する際に、いわゆる
湯の残りが少なくなる。また、例えばメンテナンス時に
容器100を傾けて流路57及び配管56を介して外部
に溶融アルミニウムを導出する際に、容器100を傾け
る角度をより小さくでき、安全性や作業性が優れたもの
となる。
【0061】このように本実施形態に係る容器100で
は、ハッチ62に内圧調整用の貫通孔65を設け、その
貫通孔65に内圧調整用の配管66を接続しているの
で、容器100内に溶融金属を供給する度に内圧調整用
の貫通孔65に対する金属の付着を確認することができ
る。従って、内圧調整に用いるための配管66や貫通孔
65の詰りを未然に防止することができる。
【0062】また、本実施形態に係る容器100では、
ハッチ62に内圧調整用の貫通孔65が設けられ、しか
もそのハッチ62が溶融アルミニウムの液面の変化や液
滴が飛び散る度合いが比較的に小さい位置に対応する容
器100の上面部のほぼ中央に設けられているので、溶
融アルミニウムが内圧調整に用いるための配管66や貫
通孔65に付着することが少なくなる。従って、内圧調
整に用いるための配管66や貫通孔65の詰りを防止す
ることができる。
【0063】更に、本実施形態に係る容器100では、
ハッチ62が大蓋52の上面部に設けられているので、
ハッチ62の裏面と液面との距離が大蓋52の裏面と液
面との距離に比べて大蓋52の厚み分だけ長くなる。従
って、貫通孔65が設けられたハッチ62の裏面にアル
ミニウムが付着する可能性が低くなり、内圧調整に用い
るための配管66や貫通孔65の詰りを防止することが
できる。
【0064】次に、第2の工場20における第2の炉2
1から容器100への供給システムを図5に基づき説明
する。
【0065】図5に示すように、第2の炉21内には溶
融アルミニウムが貯留されている。この第2の炉21に
は供給部21aが設けられ、この供給部21aには吸引
管201が挿入されている。この吸引管201は、供給
部21aの溶融されたアルミニウムの液面から一端口
(吸引管201の他方の先端部201b)が出没するよ
うに配置されている。すなわち、吸引管201の一方の
先端部201aは第2の炉21の底部付近まで延在し、
吸引管201の他方の先端部201bは供給部21aか
ら外側に導出されている。吸引管201は、保持機構2
02により基本的には傾斜して保持されている。その傾
斜角は例えば垂線に対して10°程度傾いており、上記
容器100における配管56の先端部の傾斜と合致する
ようになっている。この吸引管201の先端部201b
は容器100における配管56の先端部に接続されるも
のであり、このように傾斜を合致されることによって吸
引管201の先端部201bと容器100における配管
56の先端部との接続が容易となる。
【0066】そして、配管66に減圧用のポンプ313
に接続された配管67を接続する。次に、ポンプ313
を作動させて容器100内を減圧する。これにより、第
2の炉21内に貯留されている溶融アルミニウムが吸引
管201及び配管56を介して容器100内に導入され
る。
【0067】本実施形態では、特に、このように第2の
炉21内に貯留されている溶融アルミニウムを吸引管2
01及び配管56を介して容器100内に導入するよう
にしているので、溶融アルミニウムが外部の空気と接触
することはない。従って、酸化物が生じることがなく、
本システムを用いて供給される溶融アルミニウムは非常
に品質が良いものとなる。また、容器100内から酸化
物を除去するための作業は不要となり、作業性も向上す
る。
【0068】本実施形態では、特に、容器100に対す
る溶融アルミニウムの導入と容器100からの溶融アル
ミニウムの導出を実質的に2本の配管56、312だけ
を使って行うことができるので、システム構成を非常に
シンプルなものとすることができる。また、溶融アルミ
ニウムが外気に接触する機会が激減するので、酸化物の
生成をほぼなくすことができる。
【0069】図6は以上のシステムを自動車工場に適用
した場合の製造フローを示したものである。
【0070】まず、図5に示したように、第2の炉21
内に貯留されている溶融アルミニウムを吸引管201及
び配管56を介して容器100内に導入(受湯)する
(ステップ501)。
【0071】次に、図1に示したように、容器100を
公道30を介してトラック32により第2の工場20か
ら第1の工場10に搬送する(ステップ502)。
【0072】次に、第1の工場(ユースポイント)10
では、容器100が配送車18により自動車エンジン製
造用のダイキャストマシーン11まで配送され、容器1
00から保持炉12に溶融アルミニウムが供給される
(ステップ503)。
【0073】次に、このダイキャストマシーン11にお
いて、保持炉12に貯留された溶融アルミニウムを用い
た自動車エンジンの成型が行われる(ステップ50
4)。
【0074】そして、このように成型された自動車エン
ジン及び他の部品を使って自動車の組み立てが行われ、
自動車が完成する(ステップ505)。
【0075】本実施形態では、上述したように自動車の
エンジンが酸化物を殆ど含まないアルミニウム製である
ので、性能及び耐久性のよいエンジンを有する自動車を
製造することが可能である。
【0076】本発明の更に別の実施形態を説明する。
【0077】図7は本発明の第2の実施形態に係る容器
の断面図である。同図では傾斜させた状態が示されてい
る。
【0078】同図に示す容器2100は、容器本体21
10と、容器本体2110の中心2111からずれた位
置2112から容器本体2110外に配設された配管2
130とを具備する。
【0079】容器本体2110はその上部に開口211
3を有し、その開口2113を塞ぐように蓋2114が
装着されている。
【0080】容器本体2110は、第1の空間2115
を構成する例えばSS400(JIS)などの鋼からな
る第1のフレーム2116と、第1のフレーム2116
との間に第2の空間117を構成するように配設された
例えばSS400(JIS)などの鋼からなる第2のフ
レーム2118とを有する。これらフレーム材料は線膨
張率の小さな材料から構成することが好ましく、また内
層に施工するキャスターなどの断熱材料との線膨張率の
差が小さな材料を採用することが好ましい。さらに第1
のフレームと第2のフレームとはその物性を協調させる
ことが好ましくここでは同一物性を有する材料を選択し
て採用している。
【0081】容器本体2110の底部には、フォークリ
フトのフォークが挿入される1対の口の字状の係止部材
2119、2119が取り付けられている。
【0082】蓋2114には、そのほぼ中心寄りに容器
本体2110内に例えばアルミニウム等の金属の溶湯2
120を注入するための開口2121が設けられ、その
開口2121には子蓋2122が枢着されて図示を省略
した固定具により開口2121に子蓋2122が固定さ
れるようになっている。
【0083】また、蓋2114には、図示を省略した加
圧ポンプから加圧用の気体を容器本体2110内の第1
の空間2115に導入するための導入口2123が設け
られている。上記気体として窒素ガス等の不活性ガスを
用いることで溶湯2120の酸化を防止することができ
る。
【0084】更に、蓋2114には、容器本体2110
の中心2111からずれた位置2112から容器本体2
110外に配設された配管2130が取り付けられてい
る。配管2130の下端2131は容器本体2110内
の底部付近まで位置している。この下端2131を開閉
自在とする機構を設けても構わない。これにより、容器
が倒れたときに湯が流出することを防止することが可能
となる。配管2130は、容器本体2110外におい
て、例えば上方に向けて5°〜10°程度傾斜する傾斜
部2132と、下方に向けて開口する吐出部2133と
を有する。
【0085】ここで、容器本体2110の中心2111
と上記ずれ位置2112との間隔は、例えば内径80c
mの容器の場合で30cm程度である。この変位はもっ
と大きくても小さくても同様の効果を得ることができ
る。
【0086】このような容器2100では、まず水平状
態で、導入口2123から加圧気体を導入し、容器本体
2110内の溶湯2120を配管2130から外部に圧
送する。その後、図7に示すようにフォークリフトで配
管2130側に傾斜させて、残りの溶湯2120を配管
2130から外部に圧送する。
【0087】このように構成された本実施形態の容器2
100では、配管2130が容器本体2110の中心か
らずれているので、傾けたときに容器本体2110内の
液面に対する変位が大きくなり、この状態で溶湯を吐き
出した後水平に戻すと配管2130の下端2131と溶
湯2120面との間に空間ができ、配管詰まりが防止さ
れる。
【0088】図8は本発明の第3の実施形態に係る容器
の断面図である。以下の実施形態で既に図示した構成要
素と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略
する。
【0089】この容器2200では、第1の空間211
5と第2の空間2117とを接続する少なくとも1つの
通路(配管)2210が設けられている。
【0090】第2の空間2117には、加圧機構222
0及びリークバルブ2230が取り付けられている。
【0091】加圧機構2220では、加圧バルブ222
1及び減圧弁を2222を介してエアータンク2223
から第2の空間2117に加圧エアーが導入されるよう
になっている。また加圧機構2220には圧力コントー
ラ2224が取り付けらている。
【0092】なお、加圧機構2220に代えて真空ポン
プを接続することも可能である。
【0093】このように構成された容器2200では、
第2の空間2117を真空に引いておけば保温になり、
断熱材の経時変化による断熱性能の低下を補償すること
ができる。例えば経時変化に応じて真空度を高めるよう
にすればよい。
【0094】また、このように構成された容器2200
では、通路2210を介して第2の空2116間側から
第1の空間2115を加圧すると、圧送気体は予熱され
てから容器内部(第1の空間2115)に供給される。
従って、溶湯の温度低下を小さく抑えることができる。
特に、圧送最終段階においては溶湯と気体の間欠吐出が
発生しやすく、その場合に溶湯の温度が圧送気体に奪わ
れて粘性が大きくなる。従って、圧送気体を予熱するこ
とで、溶湯の温度低下を抑制し、配管詰まりを効果的に
防止することができる。加えて、安全な給湯停止もで
き、給湯停止に要する時間を短くすることができる。
【0095】更に、このように構成された容器2200
では、リークバルブ2230により第1の空間2115
のリークを通路2210を介して第2の空間2117側
から行うようにすることで、高温気体をある程度冷やし
てからリークバルブ2230からリークしている。よっ
て、リークバルブ2230にかかる熱的負荷を軽減し、
装置の信頼性向上、長寿命化を図ることができる。
【0096】図9は本発明の第4の実施形態に係る容器
の断面図である。
【0097】同図に示す容器2300では、第1の空間
2115に加圧機構2220が接続され、第2の空間2
117に減圧機構2310が接続されている。減圧機構
2310では、例えば真空バルブ2311を介して真空
ポンプ2312が第2の空間2117に接続され、それ
らの間に真空計2313やリークバルブ2314が介挿
されている。
【0098】また、第1の空間2115と第2の空間2
117とを接続する通路2210には、第2のバルブと
してのリークバルブ2320が介挿され、更に容器本体
内には第1のバルブとしてのリークバルブ2321が接
続されている。
【0099】このような構成の容器2300では、給湯
停止動作に要する時間短縮、もしくは停止動作の信頼性
の向上を図ることができる。すなわち、第2の空間21
17は減圧しておき、給湯停止時には、まず第1のバル
ブとしてのリークバルブ2321を開放して第1の空間
2115内を復圧する、ついで第2のバルブとしてのリ
ークバルブ2320を開放し第1の空間2115を負圧
にする。これにより完全な給湯停止、更には配管内の溶
湯の容器側への引き戻しができる。
【0100】図10は本発明の第5の実施形態に係る容
器の断面図である。
【0101】同図に示す容器2400では、上方に向か
う傾斜を有する配管2420が容器本体2410底部付
近に接続されている。配管2420の他端は少なくとも
容器2400より高い位置まで延びている。
【0102】図11は本発明の第6の実施形態に係る容
器の断面図である。
【0103】同図に示す容器2500では、容器本体2
510内を下部付近で連通しつつ2分する隔壁2520
と、隔壁2520で区切られた一方の空間2530側に
接続された樋部2540とを具備する。他方の空間25
31には、加圧機構2220が接続されている。桶部2
540の上部には蓋2541が設けられている。
【0104】本実施形態の容器2500では、加圧機構
2220により容器内を加圧すると、樋部2540を介
して容器内の湯が外部に吐出される。
【0105】すなわち、配管が本体内部にあると、 メンテが大変 詰まりやすい メンテ時に配管傷つきやすい という問題ある。
【0106】これに対して本実施形態の容器2500で
は、隔壁2520で分離された一方の空間2530を配
管の代わりに使用し、例えば開口部2532からオーバ
ーフローさせて樋部2540で給湯するものである。こ
れによりメンテナンスが非常に簡単になり、しかも詰ま
りにくく、更には詰まっても通常メンテナンスで回復さ
せることができる。
【0107】図12は本発明の第7の実施形態に係る容
器の断面図である。
【0108】同図に示す容器2600は、図11に示し
た容器における桶部2540の上部に配置された蓋25
41を取り除いたものである。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
内圧調整に用いるための配管や孔の詰りを防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る金属供給システムの
構成を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る容器と保持炉との関
係を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る容器の断面図であ
る。
【図4】図3の平面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る第2の工場における
第2の炉から容器への供給システムの構成を示す図であ
る。
【図6】本発明のシステムを使った自動車の製造方法を
示すフロー図である。
【図7】第2の実施形態に係る容器の断面図である。
【図8】第3の実施形態に係る容器の断面図である。
【図9】第4の実施形態に係る容器の断面図である。
【図10】第5の実施形態に係る容器の断面図である。
【図11】第6の実施形態に係る容器の断面図である。
【図12】第7の実施形態に係る容器の断面図である。
【符号の説明】
50 容器本体 51、60 開口部 57 流路 62 ハッチ 65 内圧調整用の貫通孔 66 内圧調整用の配管 60 開口 100 溶融金属供給用容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−320255(JP,A) 特開 平1−262062(JP,A) 特開 昭60−72662(JP,A) 実開 昭62−50860(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 39/06 B22D 17/30 B22D 41/00 B22D 41/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属を収容することができ、上部に
    第1の開口部を有する容器と、 前記容器の内外を連通し、前記溶融金属を流通すること
    が可能な流路と、 前記容器の第1の開口部を覆うように配置され、ほぼ中
    央に前記第1の開口部よりも小径の第2の開口部を有す
    る蓋と、 前記蓋の上面部に開閉可能に設けられ、前記容器の内外
    を連通する内圧調整用の貫通孔が設けられたハッチとを
    具備することを特徴とする溶融金属供給用容器。
  2. 【請求項2】 請求項に記載の溶融金属供給用容器に
    おいて、 前記貫通孔に取り付けられ、前記容器の上面部から上方
    に向けて突出し、所定の高さの位置で水平方向に折り曲
    げられ、接続部が水平方向に導出された配管を更に具備
    することを特徴とする溶融金属供給用容器。
  3. 【請求項3】 請求項に記載の溶融金属供給用容器に
    おいて、 前記配管は、前記貫通孔に着脱可能に螺着されているこ
    とを特徴とする溶融金属供給用容器。
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