JP3349144B2 - 溶融金属供給装置及び溶融金属供給システム - Google Patents

溶融金属供給装置及び溶融金属供給システム

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JP3349144B2
JP3349144B2 JP2001190501A JP2001190501A JP3349144B2 JP 3349144 B2 JP3349144 B2 JP 3349144B2 JP 2001190501 A JP2001190501 A JP 2001190501A JP 2001190501 A JP2001190501 A JP 2001190501A JP 3349144 B2 JP3349144 B2 JP 3349144B2
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molten metal
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furnace
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等 水野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば取鍋等の容
器に対して溶融金属を供給する溶融金属供給装置及び溶
融金属供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】多数のダイキャストマシーンを使ってア
ルミニウムの成型が行われる工場では、工場内ばかりで
なく、工場外からアルミニウム材料の供給を受けること
が多い。この場合、溶融した状態のアルミニウムを収容
した取鍋を材料供給側の工場から成型側の工場へと搬送
し、溶融した状態のままの材料を各ダイキャストマシー
ンへ供給することが行われている。
【0003】従来から用いられている取鍋は、溶融金属
が貯留される容器本体の側壁に供給用の配管を取り付け
たいわば急須のような構造で、かかる取鍋を傾けること
により配管から成型側の保持炉に溶融金属を供給するこ
とが行われている。
【0004】また、材料供給側の工場では、アルミニウ
ムを溶融して保持する炉から取鍋に対して溶融したアル
ミニウムを供給している。この場合、上記の炉に樋のよ
うな形状の供給路を設け、この供給路を下方に傾けて供
給路の一端を取鍋の上部に設けられた受湯部の上方に位
置させる。そして、炉から供給路に流れ出る溶融アルミ
ニウムを、供給路を介して取鍋内に流入させている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな溶融したアルミニウムを供給する一連のシステムで
は、溶融して高温の状態にあるアルミニウムが空気と接
触する機会が多いため、アルミニウムが周囲の空気によ
り酸化する、という問題がある。このような酸化物はア
ルミニウムの品質にかかわる問題であるため、通常、作
業者が取鍋の受湯口を介して取鍋内の溶融アルミニウム
の表面からすくい上げるようにしている。このため、作
業性の改善が求められており、更に上記のすくい上げの
作業では取鍋内からの酸化物の除去は不十分な場合もあ
った。
【0005】本発明は、このような事情に基づきなされ
たもので、上記のような酸化物の除去作業等を不要と
し、作業性の改善を図ることができる技術を提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明の主たる観点における溶融金属供給装置は、
金属を溶融して保持すると共に、溶融金属を供給するた
めの供給部が設けられた炉と、前記供給部の溶融金属の
液面から一端口が出没するように配置された第1の配管
と、前記第1の配管を弾発的に保持する保持機構とを具
備することを特徴とする。
【0007】本発明では、第1の配管の一端口を例えば
取鍋に設けられた第2の配管と接続し、第1の配管及び
第2の配管を介して炉から取鍋に溶融金属を供給するこ
とができる。その場合に、例えば取鍋側と炉側に圧力差
を生じさせて溶融金属の供給を行うことができる。より
具体的には、例えば取鍋内を真空ポンプにより減圧する
ことで、第1の配管及び第2の配管を介して炉から取鍋
に溶融金属を供給することができる。従って、本発明に
よれば、溶融金属が空気に触れる機会が減り、溶融金属
の酸化を防止することができる。よって、例えば作業者
が取鍋の受湯口を介して取鍋内の溶融アルミニウムの表
面からすくい上げるような酸化物の除去作業等は不要と
なり、作業性の改善を図ることができる。また、本発明
では、例えば取鍋に設けられた第2の配管と接続された
第1の配管は弾発的に保持されているので、例えばこの
第1の配管の一端口を取鍋に設けられた第2の配管の口
に対して位置合わせをする作業が極めて容易となり、上
記作用と相俟って作業性の更なる改善を図ることができ
る。
【0008】従って、本発明の主たる観点における溶融
金属供給システムは、金属を溶融して保持すると共に、
溶融金属を供給するための供給部が設けられた炉と、前
記供給部の溶融金属の液面から一端口が出没するように
配置された第1の配管と、前記第1の配管を弾発的に保
持する保持機構と、前記第1の配管の一端口と接続可能
な第2の配管を有し、前記炉から溶融金属を前記第1の
配管及び前記第2の配管を介して供給される容器とを具
備することを特徴とするものであり、更に前記容器内を
減圧するための減圧手段を更に具備することを特徴とす
るものである。
【0009】本発明の一の形態によれば、前記保持機構
が、更に前記第1の配管の一端口が自在に位置できるよ
うに、前記第1の配管を保持することを特徴とするもの
である。これにより、例えば取鍋に設けられた第2の配
管に対する第1の配管の一端口の位置合わせをよりスム
ーズに行うことができる。
【0010】本発明の一の形態によれば、前記保持機構
が、所定の間隔をもって対向するように配置され、それ
ぞれの所定の位置に前記第1の配管が挿通される貫通孔
が設けられた1対の板状部材と、これら板状部材間に介
挿された弾性部材とを具備することを特徴とするもので
ある。また、前記各板状部材に設けられた貫通孔の径
が、前記第1の配管の径よりも十分に大きく、前記第1
の配管の外周には、前記第1の配管の径よりも大きく、
前記第1の配管を保持するため保持部材が設けられてい
ることを特徴とするものである。これにより、簡単な構
成で保持機構を実現することができる。
【0011】本発明の一の形態によれば、前記第1の配
管と接続される第2の配管と当該第1の配管とを締結す
る締結機構を具備するものである。このような締結機構
を設けることで、位置合わせ後に第1の配管と第2の配
管との位置がずれることがなくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0013】図1は本発明の一実施形態に係る金属供給
システムの全体構成を示す図である。
【0014】同図に示すように、第1の工場10と第2
の工場20とは例えば公道30を介して離れた所に設け
られている。
【0015】第1の工場10には、ユースポイントとし
てのダイキャストマシーン11が複数配置されている。
各ダイキャストマシーン11は、溶融したアルミニウム
を原材料として用い、射出成型により所望の形状の製品
を成型するものである。その製品としては例えば自動車
のエンジンに関連する部品等を挙げることができる。ま
た、溶融した金属としてはアルミニウム合金ばかりでな
くマグネシウム、チタン等の他の金属を主体とした合金
であっても勿論構わない。各ダイキャストマシーン11
の近くには、ショット前の溶融したアルミニウムを一旦
貯留する保持炉(手元保持炉)12が配置されている。
この保持炉12には、複数ショット分の溶融アルミニウ
ムが貯留されるようになっており、ワンショット毎にラ
ドル13或いは配管を介して保持炉12からダイキャス
トマシーン11に溶融アルミニウムが注入されるように
なっている。また、各保持炉12には、容器内に貯留さ
れた溶融アルミニウムの液面を検出する液面検出センサ
(図示せず)や溶融アルミニウムの温度を検出するため
の温度センサ(図示せず)が配置されている。これらの
センサによる検出結果は各ダイキャストマシーン11の
制御盤もしくは第1の工場10の中央制御部16に伝達
されるようになっている。
【0016】第1の工場10の受け入れ部には、後述す
る容器100を受け入れるための受け入れ台17が配置
されている。受け入れ部の受け入れ台17で受け入れら
れた容器100は、配送車18により所定のダイキャス
トマシーン11まで配送され、容器100から保持炉1
2に溶融アルミニウムが供給されるようになっている。
供給の終了した容器100は配送車18により再び受け
入れ部の受け入れ台17に戻されるようになっている。
【0017】第1の工場10には、アルミニウムを溶融
して容器100に供給するための第1の炉19が設けら
れており、この第1の炉19により溶融アルミニウムが
供給された容器100も配送車18により所定のダイキ
ャストマシーン11まで配送されるようになっている。
【0018】第1の工場10には、各ダイキャストマシ
ーン11において溶融アルミニウムの追加が必要になっ
た場合にそれを表示する表示部15が配置されている。
より具体的には、例えばダイキャストマシーン11毎に
固有の番号が振られ、表示部15にはその番号が表示さ
れており、溶融アルミニウムの追加が必要になったダイ
キャストマシーン11の番号に対応する表示部15にお
ける番号が点灯するようになっている。作業者はこの表
示部15の表示に基づき配送車18を使って容器100
をその番号に対応するダイキャストマシーン11まで運
び溶融アルミニウムを供給する。表示部15における表
示は、液面検出センサによる検出結果に基づき、中央制
御部16が制御することによって行われる。
【0019】第2の工場20には、アルミニウムを溶融
して容器100に供給するための第2の炉21が設けら
れている。容器100は容量、配管長、高さ、幅等の異
なる複数種が用意されている。例えば第1の工場10内
のダイキャストマシーン11における保持炉12の容量
等に応じて、容量の異なる複数種がある。しかしなが
ら、容器100を1種類に統一して規格化しても勿論構
わない。
【0020】この第2の炉21により溶融アルミニウム
が供給された容器100は、フォークリフト(図示せ
ず)により搬送用のトラック32に載せられる。トラッ
ク32は公道30を通り第1の工場10における受け入
れ部の受け入れ台17の近くまで容器100を運び、こ
れらの容器100はフォークリフト(図示せず)により
受け入れ台17に受け入れられるようになっている。ま
た、受け入れ部にある空の容器100はトラック32に
より第2の工場20へ返送されるようになっている。
【0021】第2の工場20には、第1の工場10にお
ける各ダイキャストマシーン11において溶融アルミニ
ウムの追加が必要になった場合にそれを表示する表示部
22が配置されている。表示部22の構成は第1の工場
10内に配置された表示部15とほぼ同様である。表示
部22における表示は、例えば通信回線33を介して第
1の工場10における中央制御部16が制御することに
よって行われる。なお、第2の工場20における表示部
22においては、溶融アルミニウムの供給を必要とする
ダイキャストマシーン11のうち第1の工場10におけ
る第1の炉19から溶融アルミニウムが供給されると決
定されたダイキャストマシーン11はそれ以外のダイキ
ャストマシーン11とは区別して表示されるようになっ
ている。例えば、そのように決定されたダイキャストマ
シーン11に対応する番号は点滅するようになってい
る。これにより、第1の炉19から溶融アルミニウムが
供給されると決定されたダイキャストマシーン11に対
して第2の工場20側から誤って溶融アルミニウムを供
給するようなことをなくすことができる。また、この表
示部22には、上記の他に中央制御部16から送信され
たデータも表示されるようになっている。
【0022】次に、このように構成された金属供給シス
テムの動作を説明する。
【0023】中央制御部16では、各保持炉12に設け
られた液面検出センサを介して各保持炉12における溶
融アルミニウムの量を監視している。ここで、ある保持
炉12で溶融アルミニウムの供給の必要性が生じた場合
に、中央制御部16は、その保持炉12の「固有の番
号」、その保持炉12に設けられた温度センサにより検
出された保持炉12の「温度データ」、その保持炉12
の形態(後述する。)に関する「形態データ」、その保
持炉12から溶融アルミニウムがなくなる最終的な「時
刻データ」、公道30の「トラフィックデータ」、その
保持炉12で要求される溶融アルミニウムの「量デー
タ」及び「気温データ」等を、通信回線33を介して第
2の工場20側に送信する。第2の工場20では、これ
らのデータを表示部22に表示する。これらの表示され
たデータに基づき作業者が経験的に上記保持炉12から
溶融アルミニウムがなくなる直前に保持炉12に容器1
00が届き、且つその時の溶融アルミニウムが所望の温
度となるように該第2の工場20からの容器100の発
送時刻及び溶融アルミニウムの発送時の温度を決定す
る。或いはこれらのデータを例えばパソコン(図示せ
ず)に取り込んで所定のソフトウェアを用いて上記保持
炉12から溶融アルミニウムがなくなる直前に保持炉1
2に容器100が届き、且つその時の溶融アルミニウム
が所望の温度となるように該第2の工場20からの容器
100の発送時刻及び溶融アルミニウムの発送時の温度
を推定してその時刻及び温度を表示するようにしてもよ
い。或いは推定された温度により第2の炉21を自動的
に温度制御しても良い。容器100に収容すべき溶融ア
ルミニウムの量についても上記「量データ」に基づき決
定してもよい。
【0024】発送時刻に容器100を載せたトラック3
2が出発し、公道30を通り第1の工場10に到着する
と、容器100がトラック32から受け入れ部の受け入
れ台17に受け入れられる。
【0025】その後、受け入れられた容器100は、受
け入れ台17と共に配送車18により所定のダイキャス
トマシーン11まで配送され、容器100から保持炉1
2に溶融アルミニウムが供給される。
【0026】図2に示すように、この例では、レシーバ
タンク101から高圧空気を密閉された容器100内に
送出することで容器100内に収容された溶融アルミニ
ウムが配管56から吐出されて保持炉12内に供給され
るようになっている。なお、図2において、103は加
圧バルブ、104はリークバルブである。
【0027】ここで、保持炉12の高さは各種のものが
あり、配送車18に設けられた昇降機構により配管56
の先端が保持炉12上の最適位置となるように調節可能
になっている。しかし、保持炉12の高さによっては昇
降機構だけでは対応できない場合がある。そこで、本シ
ステムにおいては、保持炉12の形態に関する「形態デ
ータ」として、保持炉12の高さや保持炉12までの距
離に関するデータ等を予め第2の工場20側に送り、第
2の工場20側ではこのデータに基づき最適な形態、例
えば最適な高さの容器100を選択して配送している。
なお、供給すべき量に応じて最適な大きさの容器100
を選択して配送してもよい。
【0028】次に、このように構成されたシステムに好
適な容器(加圧式溶融金属供給容器)100について、
図3及び図4に基づき説明する。図3は容器100の断
面図、図4はその平面図である。
【0029】容器100は、有底で筒状の本体50の上
部開口部51に大蓋52が配置されている。本体50及
び大蓋51の外周にはそれぞれフランジ53、54が設
けられており、これらフランジ間をボルト55で締める
ことで本体50と大蓋51が固定されている。なお、本
体50や大蓋51は例えば外側が金属であり、内側が断
熱材により構成されている。
【0030】本体50の外周の1箇所には、本体50内
部から配管56に連通する孔57が設けられた配管取付
部58が設けられ、この配管取付部58の孔57に連通
するように配管56が固定されている。配管56は、Γ
状の形状を有しており、これにより配管56の一端口5
9は下方を向いている。より具体的には、配管56の一
端口59は垂線に対して例えば10°程度傾いている。
このように傾斜を持たせることによって例えば一端口5
9から導出される溶融金属がサーバ側に流れ落ちた際に
湯面から湯滴が飛び散ることが少なくなる。
【0031】上記の大蓋52のほぼ中央には開口部60
が設けられ、開口部60には取っ手61が取り付けられ
たハッチ62が配置されている。ハッチ62の下側の面
(大蓋52側)には、容器の気密性を確保するためのパ
ッキンが配されている。このパッキンには例えばシリコ
ン系のパッキンなど耐熱性を有するものを用いることが
好ましい。ハッチ62の外周の1ヶ所にはヒンジ63を
介して大蓋52に取り付けられている。これにより、ハ
ッチ62は大蓋52の開口部60に対して開閉可能とさ
れている。また、このヒンジ63が取り付けられた位置
と対向するように、ハッチ62の外周の2ヶ所には、ハ
ッチ62を大蓋52に固定するためのハンドル付のボル
ト64が取り付けられている。大蓋52の開口部60を
ハッチ62で閉めてハンドル付のボルト64を回動する
ことでハッチ62が大蓋52に固定されることになる。
また、ハンドル付のボルト64を逆回転させて締結を開
放してハッチ62を大蓋52の開口部60から開くこと
が可能となる。そして、ハッチ62を開いた状態で開口
部60を介して容器100内部のメンテナンスや予熱時
のガスバーナの挿入が行われるようになっている。
【0032】また、ハッチ62の中央から少しずれた位
置には、容器100内の減圧及び加圧を行うための加減
圧用の貫通孔65が設けられている。この貫通孔65に
は加減圧用の配管66が接続されている。この配管66
は、貫通孔65から上方に伸びて所定の高さで曲がりそ
こから水平方向に延在している。この配管66の表面に
は螺子山がきられており、一方貫通孔65にも螺子山が
きられており、これにより配管66が貫通孔65に対し
て螺子止めにより固定されるようになっている。
【0033】この配管66の一方には、加圧用又は減圧
用の配管67が接続可能になっており、加圧用の配管に
は加圧気体に蓄積されたタンクや加圧用のポンプが接続
されており、減圧用の配管には減圧用のポンプが接続さ
れている。そして、減圧により圧力差を利用して容器1
00内に溶融アルミニウムを導入することが可能であ
り、加圧により圧力差を利用して容器100外への溶融
アルミニウムの導出が可能である。なお、加圧気体とし
て不活性気体、例えば窒素ガスを用いることで加圧時の
溶融アルミニウムの酸化をより効果的に防止することが
できる。
【0034】本実施形態では、大蓋52のほぼ中央部に
配置されたハッチ62に加減圧用の貫通孔65が設けら
れている一方で、上記の配管66が延在しているので、
加圧用又は減圧用の配管67を上記の配管66に接続す
る作業を安全にかつ簡単に行うことができる。また、こ
のように配管66が延在することによって配管66を貫
通孔65に対して小さな力で回転させることができるの
で、貫通孔65に対して螺子止めされた配管66の固定
や取り外しを非常に小さな力で、例えば工具を用いるこ
となく行うことができる。
【0035】ハッチ62の中央から少しずれた位置で前
記の加減圧用の貫通孔65とは対向する位置には、圧力
開放用の貫通孔68が設けられ、圧力開放用の貫通孔6
8には、リリーフバルブ(図示を省略)が取り付けられ
るようになっている。これにより、例えば容器100内
が所定の圧力以上となったときには安全性の観点から容
器100内が大気圧に開放されるようになっている。
【0036】大蓋52には、液面センサとしての2本の
電極69がそれぞれ挿入される液面センサ用の2つの貫
通孔70が所定の間隔をもって配置されている。これら
の貫通孔70には、それぞれ電極69が挿入されてい
る。これら電極69は容器100内で対向するように配
置されており、それぞれの先端は例えば容器100内の
溶融金属の最大液面とほぼ同じ位置まで延びている。そ
して、電極69間の導通状態をモニタすることで容器1
00内の溶融金属の最大液面を検出することが可能であ
り、これにより容器100への溶融金属の過剰供給をよ
り確実に防止できるようになっている。
【0037】本体50の底部裏面には、例えばフォーク
リフトのフォーク(図示を省略)が挿入される断面口形
状で所定の長さの脚部71が例えば平行するように2本
配置されている。
【0038】次に、第2の工場20における第2の炉2
1から容器100への供給システムを図5に基づき説明
する。
【0039】図5に示すように、第2の炉21内には溶
融アルミニウムが貯留されている。この第2の炉21に
は供給部21aが設けられ、この供給部21aには吸引
管201が挿入されている。この吸引管201は、供給
部21aの溶融されたアルミニウムの液面から一端口
(吸引管201の他方の先端部201b)が出没するよ
うに配置されている。すなわち、吸引管201の一方の
先端部201aは第2の炉21の底部付近まで延在し、
吸引管201の他方の先端部201bは供給部21aか
ら外側に導出されている。吸引管201は、保持機構2
02により基本的には傾斜して保持されている。その傾
斜角は例えば垂線に対して10°程度傾いており、上記
容器100における配管56の先端部の傾斜と合致する
ようになっている。この吸引管201の先端部201b
は容器100における配管56の先端部に接続されるも
のであり、このように傾斜を合致されることによって吸
引管201の先端部201bと容器100における配管
56の先端部との接続が容易となる。
【0040】図6は上記の保持機構202及び吸引管2
01の先端部201bと容器100における配管56の
先端部との接続部分を拡大した側面図である。図7は図
6に示した保持機構202の平面図である。
【0041】これらの図に示すように、保持機構202
では、1対の板状部材203が所定の間隔、例えば50
mm〜100mm程度の間隔をもって対向するように配
置されている。各板状部材203の所定の位置にはそれ
ぞれ貫通孔204が設けられ、これらの貫通孔204に
は吸引管201が挿通されている。また、これら板状部
材203間には、例えば4隅に弾性部材としてのバネ部
材205が介挿されている。これにより、吸引管201
は保持機構202により弾発的に保持されるようになっ
ている。なお、弾性部材としてはバネ部材に限らずあら
ゆるものを用いることが可能であるが、耐熱性を考慮し
たものがより好ましい。
【0042】板状部材203に設けられた貫通孔204
の径R1は、吸引管201の径R2よりも十分に大きく
されている。より具体的には、吸引管201の径R2が
例えば200mm程度であるのに対して、貫通孔204
の径R1は、220mm〜250mm程度とするのが好
ましい。一方、吸引管201の外周には、貫通孔204
の径R1よりも大きく、当該吸引管201を保持するた
め保持部材206が設けられている。保持部材206は
例えば円筒棒状の形状で、保持機構202における上側
の板状部材203の表面と当接するようになっている。
このように保持部材206が円筒棒状の形状を有するこ
とで吸引管201の傾斜をよりフリーに行うことができ
る。もっとも、保持部材として例えばフランジを吸引管
201の外周に設けるような構成としても当然構わな
い。
【0043】また、吸引管201の先端部201bと容
器100における配管56の先端部56bとの間は、ク
ランク式の締結機構210により締結されるようになっ
ている。この締結機構210は、容器100における配
管56の先端部56bに設けられた一対のU字状の留め
金211と、吸引管201の先端部201bに設けら
れ、前記留め金311にフックされる一対のフック部材
212とにより構成される。吸引管201の先端部20
1bに設けられた各フック部材212は、回動レバー2
13により緊緩可能とされている。本実施形態では、こ
のようなクランク式の締結機構210を有することで吸
引管201と配管56の締結を非常に簡単な操作で行う
ことが可能である。
【0044】そして、図8(a)に示すように、吸引管
201の先端部201bと容器100における配管56
の先端部56bとが離間した状態から、吸引管201を
動かして図8(b)に示すように、吸引管201の先端
部201bと容器100における配管56の先端部56
bとの位置合わせを行い、図8(c)に示すように、留
め金311にフック部材212をフックして回動レバー
213を回動する。これにより、図6に示したように、
吸引管201の先端部201bと容器100における配
管56の先端部56bとが位置決めされて締結されるこ
とになる。
【0045】本実施形態では、吸引管201が保持機構
202により弾発的に保持され、板状部材203に設け
られた貫通孔204の径R1が吸引管201の径R2よ
りも十分に大きくされており、しかも吸引管201を保
持するため保持部材206が円筒棒状の形状で、保持機
構202における上側の板状部材203の表面と当接す
るようになっているので、吸引管201を非常にスムー
ズに動かすことができ、吸引管201の先端部201b
と容器100における配管56の先端部56bとの位置
合わせをスムーズに行うことができ、作業性が向上す
る。
【0046】この後、図5に示したように、配管66に
減圧用のポンプ313を接続する。次に、ポンプ313
を作動させて容器100内を減圧する。これにより、第
2の炉21内に貯留されている溶融アルミニウムが吸引
管201及び配管56を介して容器100内に導入され
る。
【0047】本実施形態では、このように第2の炉21
内に貯留されている溶融アルミニウムを吸引管201及
び配管56を介して容器100内に導入するようにして
いるので、溶融アルミニウムが外部の空気と接触するこ
とはない。従って、酸化物が生じることがなく、本シス
テムを用いて供給される溶融アルミニウムは非常に品質
が良いものとなる。また、容器100内から酸化物を除
去するための作業は不要となり、作業性も向上する。
【0048】以上のように本実施形態では、容器100
に対する溶融アルミニウムの導入と容器100からの溶
融アルミニウムの導出を実質的に2本の配管56、31
2だけを使って行うことができるので、システム構成を
非常にシンプルなものとすることができる。また、溶融
アルミニウムが外気に接触する機会が激減するので、酸
化物の生成をほぼなくすことができる。
【0049】図9は以上のシステムを自動車工場に適用
した場合の製造フローを示したものである。
【0050】まず、図5に示したように、第2の炉21
内に貯留されている溶融アルミニウムを吸引管201及
び配管56を介して容器100内に導入(受湯)する
(ステップ501)。
【0051】次に、図1に示したように、容器100を
公道30を介してトラック32により第2の工場20か
ら第1の工場10に搬送する(ステップ502)。
【0052】次に、第1の工場(ユースポイント)10
では、容器100が配送車18により自動車エンジン製
造用のダイキャストマシーン11まで配送され、容器1
00から保持炉12に溶融アルミニウムが供給される
(ステップ503)。
【0053】次に、このダイキャストマシーン11にお
いて、保持炉12に貯留された溶融アルミニウムを用い
た自動車エンジンの成型が行われる(ステップ50
4)。
【0054】そして、このように成型された自動車エン
ジン及び他の部品を使って自動車の組み立てが行われ、
自動車が完成する(ステップ505)。
【0055】本実施形態では、上述したように自動車の
エンジンが酸化物を殆ど含まないアルミニウム製である
ので、性能及び耐久性のよいエンジンを有する自動車を
製造することが可能である。
【0056】次に、本発明の別の実施形態について説明
する。
【0057】図10は本発明の供給装置及び成形装置の
構成の例を概略的に示す図である。ここでは本発明をマ
グネシウム合金のダイキャスト成形に適用した例を説明
する。
【0058】保持炉420は溶融状態の金属(溶湯)を
保持するための炉である。保持炉420のチャンバー4
20aの材質は、この例では18−8ステンレススチー
ルを用いており、さらに内側はFCの板でアルマー処理
をしている。この保持炉420の中には溶融したマグネ
シウム合金401が収容されている。この保持炉はヒー
タ425により溶解温度が保たれている。また保持炉4
20には内部を排気する排気系421と、非酸化性ガス
を供給する非酸化性ガス導入系422が接続されてい
る。422bはガスのリザバーである。この例では排気
系421は少なくとも1台の真空ポンプ421bを備え
ている。また非酸化性ガス導入系422は保持炉420
内を加圧する機能も担っている。さらに保持炉420に
は内部の圧力を測定する圧力センサ(G)423、及び
溶湯の温度を測定する温度センサ424を備えている。
圧力センサ423としてはブルドンゲージ、ピラニーゲ
ージ、BAゲージなど使用する圧力範囲に応じて選択し
て用いる。温度センサ424は、熱電対、輻射温度計な
どを用いることができる。
【0059】パージ室430では溶融金属の受け渡しが
行われる。このパージ室430は内部を気密に保持でき
るようになっている。保持炉420と同様に、パージ室
430には内部を排気する排気系431と、非酸化性ガ
スを供給する非酸化性ガス導入系432が接続されてい
る。この例では排気系431は少なくとも1台の真空ポ
ンプ431bを備えている。また非酸化性ガス導入系4
32はパージ室430内を加圧する機能も担っている。
432bはガスのリザバーである。さらにパージ室43
0にも内部の圧力を測定する圧力センサ(G)433が
設けられている。
【0060】保持炉420とパージ室430との間は配
管440、バイパス管442により接続されている。4
43はバイパスバルブである。配管440には抵抗体な
どのヒータ441が巻き付けてある。このヒータ441
により配管内部の温度はマグネシウム合金が溶融するよ
うな温度に保たれている。いまパージ室430の圧力を
保持炉420の圧力よりも低くすると、溶融したマグネ
シウム合金401は配管440内を通って保持炉420
からパージ室430へと押し出される。またパージ室4
30の圧力を保持炉420の圧力よりも高くすると、配
管内に残っていたマグネシウム合金401はパージ室4
30側から保持炉420へと吸引される。いずれの場合
でも系内の酸素濃度は金属の酸化が抑制するように調節
される。このため金属は燃焼したり爆発することなく安
全にパージ室430内のユースポイントへと供給され
る。また金属の酸化が抑制されるので酸化物の生成も抑
制され、あるいはまったく酸化しない。このため表面も
清浄で酸化物もない高品質の金属を供給することができ
る。さらに本発明では系内の酸素濃度は、金属の酸化が
抑制されるように制御されているため有害なベリリウム
などの防燃剤を添加する必要もない。したがって作業環
境も向上する。また製品、端材(バリなど)、廃棄物
(製品の廃棄物や不良品)にも有害物質が含まれること
はない。このため有害物質が環境中へ拡散するのを防ぐ
ことができる。
【0061】さてパージ室430はダイキャスト装置4
50の溶融金属の供給地点(ユースポイント)ともなっ
ている。この例では、ダイキャスト装置450のローデ
ィングチャンバ451がパージ室430内に突き出すよ
うに設けられている。ローディングチャンバ451とパ
ージ室430とは溶接などにより気密に封止されてい
る。ローディングチャンバ451は開口部を有し、この
開口部から溶融した金属(この場合マグネシウム合金
1)が供給される。供給された金属は射出シリンダー4
52により金型側へ供給される。なおローディングチャ
ンバ451はヒータ453により保温されている。金型
454aはキャビティー型、金型454bはコア型であ
り、この間の空間で供給された金属は所定形状に成形さ
れる。金型454a、454bは型締め機構455a
(固定側)、455b(移動側)により挟まれている。
移動側の型締め機構455bは油圧シリンダー457に
より加圧することができる。
【0062】本発明の成形装置によれば、供給される金
属はユースポイントで酸化することはない。したがって
製品中に酸化物が混入したりせず、高品質の製品を得る
ことができる。さらに精度も向上し、とくに薄型の成形
品ではその効果は顕著である。また製品が黒ずんだりす
ることもなく外観も向上する。
【0063】一般にマグネシウム合金のダイキャスト成
形では20〜40%もの酸化物が生じ、生産性が極めて
低い。本発明によれば酸化物の生成を極めて低レベルに
抑制することができる。したがって本発明によれば生産
性を高め製品コストを低くすることができる。
【0064】さらに製造工程で排出される廃棄物や、製
品の使用後に生じる廃棄物には有害なベリリウムなどが
含まれている。マグネシウム合金は危険物に指定されて
もいる。本発明によれば廃棄物の量を低減することがで
き、有害物質も不用になるから、廃棄物の処理コストも
低減することができる。さらに本発明の容器を使用すれ
ば、危険物としてのマグネシウム合金も安全に搬送する
ことができる。
【0065】図11は本発明の供給装置の別の例を概略
的に示す図である。ここでは図10に例示した保持炉4
20の前段に溶解炉410を設けた構成について説明す
る。
【0066】図12は本発明の溶解炉の例を概略的に示
す図である。溶融炉10は固体状態の金属を溶融するた
めの炉である。溶融炉410の構成は保持炉420とよ
く似ている。溶融炉410のチャンバー410aの材質
は、この例では18−8ステンレススチールを用いてお
り、さらに内側はFCの板でアルマー処理をしている。
この溶融炉410の中には溶融したマグネシウム合金4
01が投入されヒータ415により加熱される。416
は隔壁である。また溶融炉410には内部を排気する排
気系411と、非酸化性ガスを供給する非酸化性ガス導
入系412が接続されている。412bはガスのリザバ
ーである。この例では排気系411は少なくとも1台の
真空ポンプ411bを備えている。また非酸化性ガス導
入系412は溶融炉410内を加圧する機能も担ってい
る。さらに溶融炉410には内部の圧力を測定する圧力
センサ(G)413、及び溶湯の温度を測定する温度セ
ンサ414を備えている。
【0067】溶解炉410に固体金属401bを投入す
るには、まず気密扉463を開けて、外部からパージ室
461へ固体金属401bを導入する。気密扉463を
閉じ、排気系466でパージ室461内を排気する。バ
イパス467を開いてパージ室461と投入室462と
の圧力をバランスさせた状態で、気密扉464および断
熱扉465を開く。固体金属はプッシャーやドローワー
などで移動する。投入室462の底部は回転機構を有し
ており、この回転により固体金属は溶解炉410へと投
入される。
【0068】図13は本発明の容器の構成の例を概略的
に示す図である。この容器(取鍋)470は、気密な気
密領域を構成するフレーム471と、フレーム471の
内側に配設された断熱材472と、フレーム471およ
び断熱材472を貫通して配設された配管473、47
4とを備えている。また、気密領域内の温度を測定する
温度センサ475も備えている。
【0069】フレーム471は内部に気密領域である閉
空間を形成する。またフレーム471は、容器470全
体の強度の保持の役割と、外部から断熱材472を保護
する役割を果たす。フレーム471は各種金属材料によ
り構成することができるが、材質は容器の用途に応じて
適宜選択すればよい。この選択は容器に収容する内容物
の物理的性質、化学的性質を考慮してなされることが好
ましい。例えば、たとえ断熱材が破けたとしてもフレー
ムが内容物の熱や、内容物との化学反応により溶けたり
割れたりしないように選択する。断熱材についても同様
であって、例えば各種耐熱煉瓦が容器の用途に応じて選
択される。
【0070】配管473、474は容器470の外部と
内部の空間とのアクセスを提供するものである。この配
管は1本でも複数でもよい。例えばこの配管473に図
示しない排気系を接続して内部を減圧することにより、
内部の気密領域の酸素濃度、酸素活量を制御することが
できる。また例えばこの配管473に非酸化性ガス導入
系を接続することにより、内部に非酸化性ガスを供給す
ることができる。
【0071】このような減圧、加圧により、配管474
を通じて、流体(溶融金属や粉体)を容器から出した
り、入れたりすることができる。配管473から非酸化
性ガスを導入して気密領域を加圧すれば、配管474を
通じて溶融金属を外部へ押し出すことができる。また配
管473を排気系に接続して気密領域を減圧すれば、配
管474を通じて溶融金属を外部から吸引することがで
きる。配管474は必要に応じてヒータなどで加熱す
る。温度は管内を流通する内容物の融点より高くなるよ
うに設定することが好ましい。このとき排気系や非酸化
性ガス供給系により、溶融金属や粉体の移動だけでな
く、系内の酸素濃度も制御することができる。このよう
に本願発明においては、減圧状態を含めた圧力差の生成
が、溶融金属や粉体の質量移動と酸化防止のための両方
に寄与している点が大きな特徴の一つとなっている。さ
らに配管474内の雰囲気が酸化的になると配管内に酸
化物が付着し配管が詰まる。本発明では配管474内の
酸素濃度が制御されるだけでなく配管内に内容物を残さ
ないようにすることもできるので、このような詰まりの
問題も解決することができる。
【0072】図14は配管の接続に用いることができる
ジョイントの例を示す図である。本発明の容器は、前述
の実施形態における保持炉420と実質的に等価な役割
を果たすことができる。つまり保持炉420に代えて、
1つまたは複数の容器470を用いることができる。こ
のとき配管474は金属が供給される側(例えばパージ
室430)との配管440と接続すればよい。
【0073】配管474と配管440とは、例えばジョ
イント475により接続することができる。ジョイント
475はガスケット476を備え、配管474および配
管440と気密に接続される。ガスケット476が樹脂
の場合には水冷ヘッド477などによりガスケットの近
傍を冷却することが好ましい。銅や金などのガスケット
を用いる場合には水冷ヘッド477は省略可能である。
さらにこのジョイント475は配管473と排気系、ガ
ス導入系との接続にも用いることができる。
【0074】図15は本発明の容器の構成の別の例を概
略的に示す図である。この容器480ではフレーム47
1は開口部を有し、この開口部はふた471bにより気
密に封止される。またこの容器480は配管473によ
り排気系476と接続されている。
【0075】そして温度センサ475により溶融金属4
01の温度を測定し、測定した温度や温度の変化率に応
じて排気系476を制御するコントローラ477を備え
ている。例えば、バルブ476bの開閉がコントローラ
477により制御される。このような構成を採用するこ
とにより、本発明の容器では圧力によって系内の熱伝導
度を制御することができる。
【0076】耐熱煉瓦等の耐熱材は、その経時変化によ
って耐熱性能が低下する。例えば複数の取鍋を使用して
溶融金属を輸送するばあい、取鍋の固体差によって溶融
金属の温度が異なることがある。時には、ユーザの要求
を満たさない程度まで溶融金属の温度が低下することも
ある。本発明の容器では、例えば溶融金属の搬送中に温
度低下が認められる容器について、フレーム内を排気系
により減圧し、内部の熱伝導率を小さく抑制することが
できる。これにより断熱材の断熱性能の低下によらず、
溶融金属の温度を保持することができる。複数の容器の
内容物の温度差を小さくすることもできる。また溶融金
属の酸化も防止することができる。圧力制御は温度その
ものではなく、温度変化の割合(例えば微分値)によっ
て行うこともでき、この構成のほうがより的確な溶融金
属の温度制御を行うことができる。
【0077】図16は本発明の容器の構成の別の例を概
略的に示す図である。この容器490は、内面に断熱材
472を配したフレーム471及び蓋471bと、断熱
材472の内側に配設されたヒータ491と、溶融金属
401の温度を測定する温度センサ475と、測定した
温度または温度の変化率に応じてヒータ475を制御す
るコントローラ492とを備えている。例えば温度セン
サ475により測定した温度の変化率に応じて、ヒータ
491に電力を供給する電源493を制御することによ
り、金属401の温度は適切に管理されるのである。こ
の実施形態では、温度管理の観点からは容器の気密性問
われない。もちろん内部の圧力や酸素濃度は調節するほ
うが好ましい。とくに不安定な金属を収容する場合はそ
うするべきである。
【0078】なおこの例では容器490はトラックや船
舶の荷台494に搭載した様子を示している。そして荷
台494には電極495が露出しており、容器を所定の
場所に置くことにより容器側の電極496との電気的接
続が確保される。497は碍子などの絶縁部材である。
この場合、電源493はトラックに搭載することができ
る。またトラックのバッテリーと共用してもよい。この
ような構成を採用することにより高品質な金属の配送供
給を行うことができる。
【0079】図17は本発明の供給装置、容器を用いた
金属の配送モデルの例を説明するための図である。
【0080】例えば溶融金属を使用する場合、おおよそ
3つの態様が考えられる。1番目はユースポイントの近
傍、成形装置のある工場などに、溶解炉や保持炉を設置
する場合である。2番目は成形装置ごとに小型の溶解炉
を備える場合である。3番目は所定の場所で金属を溶解
し、ユースポイントまで溶解した金属を配送する場合で
ある。本発明はいずれの場合においても適用可能であ
り、品質の向上、安全性の向上、生産性の向上、エネル
ギーコストの低減をもたらす。前述の2番目の例はエネ
ルギー的には1番不利であると考えられる。この場合た
とえば図13に示すように、ユースポイントの近傍に本
発明の保持炉420または本発明の容器470、48
0、490を配置すればよい。金属は良好な状態を保
ち、かつ安全に配送される。このような構成によりエネ
ルギーコストは大幅に削減される。さらにユースポイン
トに個別に配置していた溶解炉のコスト、設置スペース
のコストもなくなるのである。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
酸化物の除去作業等を不要とし、作業性の改善を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る金属供給システムの
構成を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る容器と保持炉との関
係を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る容器の断面図であ
る。
【図4】図3の平面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る第2の工場における
第2の炉から容器への供給システムの構成を示す図であ
る。
【図6】本発明の一実施形態に係る保持機構及び吸引管
の先端部と容器における配管の先端部との接続部分を拡
大した側面図である。
【図7】図6に示した保持機構の平面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る容器の配管と供給炉
の吸引管との接続動作を説明するための図である。
【図9】本発明のシステムを使った自動車の製造方法を
示すフロー図である。
【図10】本発明の供給装置及び成形装置の構成の例を
概略的に示す図。
【図11】本発明の供給装置の別の例を概略的に示す
図。
【図12】本発明の溶解炉の例を概略的に示す図。
【図13】本発明の容器の構成の例を概略的に示す図。
【図14】配管の接続に用いることができるジョイント
の例を示す図。
【図15】本発明の容器の構成の別の例を概略的に示す
図。
【図16】本発明の容器の構成の別の例を概略的に示す
図。
【図17】本発明の供給装置、容器を用いた金属の配送
モデルの例を説明するための図。
【符号の説明】
21 第2の炉 21a 供給部 56 配管 100 容器 201 吸引管 201b 先端部 202 保持機構 203 板状部材 204 貫通孔 205 バネ部材 206 保持部材 210 締結機構 313 減圧用のポンプ R1 貫通孔の径 R2 吸引管の径
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 和則 愛知県豊田市堤町寺池66番地 株式会社 豊栄商会内 (72)発明者 伊与田 浩二 愛知県豊田市堤町寺池66番地 株式会社 豊栄商会内 (72)発明者 野口 賢次 愛知県豊田市堤町寺池66番地 株式会社 豊栄商会内 (56)参考文献 特開 平1−262062(JP,A) 特開 平7−314112(JP,A) 特開 平8−19849(JP,A) 特開2000−343449(JP,A) 特開 平8−309517(JP,A) 特開 平8−257730(JP,A) 特開 平9−220660(JP,A) 特開 平9−24455(JP,A) 実開 昭56−12561(JP,U) 実開 昭63−106570(JP,U) 特公 昭54−41021(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F27B 3/00 - 3/28 B22D 17/30 B22D 39/06 B22D 41/00 B22D 45/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属を溶融して保持すると共に、溶融金
    属を供給するための供給部が設けられた炉と、 前記供給部の溶融金属の液面から一端口が出没するよう
    に配置された第1の配管と、 前記第1の配管を弾発的に保持する保持機構とを具備
    し、 前記保持機構は、 所定の間隔をもって対向するように配置され、それぞれ
    の所定の位置に前記第1の配管が挿通される貫通孔が設
    けられた1対の板状部材と、 これら板状部材間に介挿された弾性部材とを具備するこ
    とを特徴とする溶融金属供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の溶融金属供給装置にお
    いて、 前記各板状部材に設けられた貫通孔の径は、前記第1の
    配管の径よりも十分に大きく、 前記第1の配管の外周には、前記第1の配管の径よりも
    大きく、前記第1の配管を保持するため保持部材が設け
    られていることを特徴とする溶融金属供給装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の溶融金属
    供給装置において、 前記第1の配管と接続される第2の配管と当該第1の配
    管とを締結する締結機構を具備することを特徴とする溶
    融金属供給装置。
  4. 【請求項4】 金属を溶融して保持すると共に、溶融金
    属を供給するための供給部が設けられた炉と、 前記供給部の溶融金属の液面から一端口が出没するよう
    に配置された第1の配管と、 前記第1の配管を弾発的に保持する保持機構と、 前記第1の配管の一端口と接続可能な第2の配管を有
    し、前記炉から溶融金属を前記第1の配管及び前記第2
    の配管を介して供給される容器とを具備し、 前記保持機構は、 所定の間隔をもって対向するように配置され、それぞれ
    の所定の位置に前記第1の配管が挿通される貫通孔が設
    けられた1対の板状部材と、 これら板状部材間に介挿された弾性部材とを具備するこ
    とを特徴とする溶融金属供給システム。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の溶融金属供給システム
    において、 前記各板状部材に設けられた貫通孔の径は、前記第1の
    配管の径よりも十分に大きく、 前記第1の配管の外周には、前記第1の配管の径よりも
    大きく、前記第1の配管を保持するため保持部材が設け
    られていることを特徴とする溶融金属供給システム。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5に記載の溶融金属
    供給システムにおいて、 前記第1の配管と前記第2の配管とを締結する締結機構
    を具備することを特徴とする溶融金属供給システム。
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