JP4190347B2 - フィルタ目詰まり自動検診方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルタエレメントの目詰まりの有無を検出するフィルタ目詰まり自動検診方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、油圧ショベルの油圧回路を示し、可変容量形のメインポンプ1から吐出された作動油は、コントロール弁2により制御されて走行系、旋回系、作業機系の各種油圧アクチュエータ(図示せず)に供給され、これらの各種油圧アクチュエータからコントロール弁2を経てタンク3に戻されるが、その戻り油は、オイルクーラ4で冷却されるとともに、作動油フィルタ5のフィルタエレメント5aにより濾過される。
【0003】
このフィルタエレメント5aは、油中のコンタミネーションを除去する機能を有するが、そのままにしておくとコンタミネーションにより目詰まりを起すので、その目詰まりを検出したら、このフィルタエレメント5aを交換する必要がある。
【0004】
このフィルタエレメント5aの目詰まりを検出するために、このフィルタエレメント5aの前後差圧を監視するインジケータ6を設置し、フィルタエレメント5aの前後差圧がある基準値以上になると、このインジケータ6は、制御装置(ECM)7に信号を発信し、モニタ8などを通じて、オペレータに対しフィルタエレメント5aを交換するように警告している。
【0005】
このようにインジケータ6によりフィルタエレメント5aの前後差圧のみを計測する方式は、次のような問題を有している。
【0006】
(1) 実作業中は、刻一刻とフィルタエレメント5aを通過する流量が変化するため、流量に応じてフィルタエレメント5aの前後差圧が変化してしまう。そのため、目詰まり度が許容限度に達していないにもかかわらず、インジケータ6が作動してしまい、誤診のおそれが生じる。
【0007】
(2) 機体の周囲温度により、同じ作業をしても油温が異なり、動粘度が変化するため、油温に対してもフィルタエレメント5aの前後差圧が変わってしまう。そのため、(1)と同様に誤診のおそれが生じる。
【0008】
(3) 上記理由から、一定油温で一定流量の作動油を作動油フィルタ5に流して、フィルタエレメント5aの前後差圧を計る必要がある。一定流量を流すことに関しては、一定流量を流すことのできる走行操作により、目詰まりを最終診断している。
【0009】
しかし、走行操作は、現場によってはできないことが多々あるため、全機体に対して診断できるわけではない。油温をある範囲内に入れることに関しては、油温管理システムが確立されておらず、やはり誤診のおそれがある。
【0010】
一方、作動油を濾過する作動油フィルタだけでなく、この作動油フィルタより上流側の作動油路に作動油フィルタと直列に固定絞り(図示せず)を介装し、作動油フィルタの前後差圧をフィルタ差圧検出手段により検出するとともに、固定絞りの前後差圧を固定絞り差圧検出手段により検出し、そして、フィルタ差圧検出手段で検出された作動油フィルタ差圧情報を固定絞り差圧検出手段で検出された固定絞り差圧情報で割算した割算値と所定値とを比較して、割算値が所定値を超えるときに、作動油フィルタが目詰まり状態であると検知する作動油フィルタ目詰まり状態検知装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
この作動油フィルタ差圧情報を固定絞り差圧情報で補正する作動油フィルタ目詰まり状態検知装置は、作動油の粘度変化や流量変化の影響を受けることなく、作動油フィルタの目詰まり状態を検知できるものであるが、固定絞りや、固定絞り差圧検出手段などを新設する必要があるとともに、固定絞りでの熱の発生によるエネルギの無駄使いを伴なう。
【0012】
【特許文献1】
特開平10−5511号公報(第3−4頁、図1−3)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このように、インジケータ6によりフィルタエレメント5aの前後差圧のみを計測する方式は、流量や油温が変化したときに、誤診のおそれが生じ、また、作動油フィルタ差圧情報を固定絞り差圧情報で補正する方式は、そのための設備を搭載する必要があり、さらに、必要のない熱の発生によるエネルギロスを伴なう問題がある。
【0014】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、特別な補正機構を追加しなくても、フィルタエレメントの目詰まりを正確に検出できるフィルタ目詰まり自動検診方法を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、作業機械の油圧回路においてフィルタエレメントの前後差圧が基準値以上になったときにインジケータから発信された目詰まり検出信号を受けてフィルタエレメントの目詰まりのおそれを感知した制御装置は、作業機械のオペレータにフィルタ目詰まり自動検診機能を作動させるか否かを確認し、オペレータの肯定操作により、フィルタエレメントを通過する油の温度を基準範囲内に制御し、フィルタエレメントを通過する油の流量を規定流量に制御した状態で、フィルタエレメントの前後差圧を計測し、この前後差圧を基準値と比較してフィルタエレメントの目詰まりの有無を自動的に検出するフィルタ目詰まり自動検診機能を作動させるフィルタ目詰まり自動検診方法であり、作業機械の油圧回路が十分な油量を必要とする作業中であるような場合は、制御装置がフィルタエレメントの目詰まりのおそれを感知しても、オペレータが肯定操作をしないことで、フィルタ目詰まり自動検診機能を作動させないことを選択できるので、作業機械の作業効率の低下を防止でき、また、フィルタ目詰まり自動検診機能を作動させたときは、油の温度および流量を所定の状態に制御することで、フィルタエレメントの前後差圧に影響を与える作動油の動粘度および流量を適正に制御することができ、これにより、フィルタエレメントの前後差圧から目詰まりの正しい診断を、より高精度にできる。しかも、特別な補正機構を追加しなくても、フィルタエレメントの目詰まりを正確に検出でき、従来例のような固定絞りでの熱の発生によるエネルギロスも防止でき、また、フィルタエレメントの寿命を最大限使用できるため、ランニングコストを削減できる。
【0016】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載のフィルタ目詰まり自動検診方法において、オペレータがフィルタ目詰まり自動検診機能を作動させないことを選択した場合でも、作業機械を操作する操作器の非操作状態が操作器を非操作状態とした時から基準時間以上継続した場合は、オペレータにフィルタ目詰まり自動検診機能を作動させるか否かを再度確認するフィルタ目詰まり自動検診方法であり、作業機械を操作しない非操作状態が基準時間以上継続した場合は、オペレータに上記フィルタ目詰まり自動検診方法を実施するか否かを再度確認することで、オペレータに注意を喚起でき、フィルタエレメントの目詰まりのおそれ有る状態が長く続くことを防止できる。
【0017】
請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載のフィルタ目詰まり自動検診方法において、フィルタエレメントの目詰まりを検出した後もエレメント交換することなく作業機械を稼働した場合は、制御装置は、作業機械による作業時間が目詰まりを検出した時から一定時間を経過した時点で、作業機械の機能を強制的に低下させるフィルタ目詰まり自動検診方法であり、フィルタエレメントが目詰まりした状態のまま作業機械を長時間稼働した場合は、フィルタエレメントに目詰まりしたコンタミネーションが油圧回路中に混入して、油圧回路部品を損傷するおそれがあるので、作業機械の機能を強制的に低下させることで、フィルタエレメントの交換を強制して、油圧回路部品の損傷を防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1乃至図3に示された一実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は、作業機械としての油圧ショベルの油圧回路を示し、複数の可変容量形のメインポンプ11から吐出された油としての作動油は、コントロール弁12により制御されて、油圧ショベルの各種油圧アクチュエータ(図示せず)、すなわち下部走行体の走行用油圧モータ、下部走行体に対し上部旋回体を旋回させる旋回用油圧モータ、上部旋回体に搭載された作業装置の油圧シリンダに供給され、これらの各種油圧アクチュエータからコントロール弁12を経てタンク13に戻される。
【0020】
コントロール弁12内には、外部からの電気信号により設定圧力を可変調整できる複数の電気リリーフ弁14が内蔵され、これらの電気リリーフ弁14を経た戻り油ライン15に、オイルクーラ16および外部からの電気信号に応じて設定圧を変える電気バイパス弁17が並列に接続されている。
【0021】
オイルクーラ16または電気バイパス弁17を経た戻り油ライン21には、作動油中のコンタミネーションをフィルタエレメント22aにより濾過除去する作動油フィルタ22と、この作動油フィルタ22のフィルタエレメント22aの前後差圧を計測し、フィルタエレメント22aが作動油中のコンタミネーションにより目詰まりを起して前後差圧が基準値以上になると目詰まり検出信号を発信するインジケータ23と、作動油フィルタ22の前後差圧が限界値を超えたときに開いてフィルタエレメント22aの破損を防止するバイパスチェック弁24とが並列に接続されている。
【0022】
前記タンク13などには、作動油の温度すなわち油温を測定するための油温センサ25が設けられている。また、オイルクーラ16には、回転速度制御可能なモータ26により駆動される冷却ファン27が設けられている。
【0023】
このような油温を測定する油温センサ25や、回転速度制御可能な冷却ファン27などを搭載している油圧ショベルは、これらの既存設備をそのまま用いる。
【0024】
複数の可変容量形のメインポンプ11は、それぞれ斜板などの容量可変手段31を備え、これらの容量可変手段31は、それぞれレギュレータ32により傾転駆動され、これらのレギュレータ32の変位量は変位センサ33により検出される。さらに、これらのレギュレータ32は、パイロットポンプ34から吐出されたパイロット油圧を電気減圧弁35で制御した作動圧により変位制御される。
【0025】
インジケータ23、油温センサ25、変位センサ33は、制御装置(ECM)36の入力部に接続され、また、この制御装置36の出力部は、電気リリーフ弁14、電気バイパス弁17、モータ26、電気減圧弁35、モニタ37に接続されている。このモニタ37は、オペレータに対し「フィルタエレメントを交換する」などの警告を表示する。
【0026】
制御装置36は、電気バイパス弁17を制御してオイルクーラ16への油量を制御することで、またモータ26の回転速度を制御して冷却ファン27の回転速度を制御することで、フィルタエレメント22aを通過する油の温度を基準範囲内に制御するとともに、電気減圧弁35を制御してレギュレータ32により容量可変手段31を制御することで、メインポンプ11からの作動油吐出流量を規定流量に制御し、さらに電気リリーフ弁14を制御してメインポンプ11から吐出した油の全てを戻り油ライン15側に流し、インジケータ23によりフィルタエレメント22aの前後差圧を監視し、この前後差圧を基準値と比較してフィルタエレメント22aの目詰まりの有無を自動的に検出する。
【0027】
その際に、フィルタエレメント22aの目詰まりを感知した制御装置36は、モニタ37を通じて、油圧ショベルのオペレータにフィルタエレメント22aの交換を実施するよう警告を促す。
【0028】
次に、この制御装置36の制御方法を、図2および図3に示されるフローチャートを参照しながら説明する。
【0029】
(ステップ1)
電気リリーフ弁14の設定圧、電気バイパス弁17の設定圧および冷却ファン27の回転速度を自動制御して、作動油の油温を一定範囲内に保つ油温管理機能により、作業中の油温を管理する。
【0030】
例えば、油温を下げる場合は、電気リリーフ弁14を最低圧に設定し、電気バイパス弁17を絞ってその上流側の設定圧を上げることでオイルクーラ16への油量比を増大させ、また冷却ファン27の回転速度を上げる。
【0031】
一方、油温を上げる場合は、電気リリーフ弁14をある一定圧に設定して熱を発生させ、電気バイパス弁17を開いてその上流側の設定圧を下げることでオイルクーラ16への油量比を減少させ、また冷却ファン27の回転速度を下げる。
【0032】
(ステップ2)
制御装置36は、インジケータ23からのフィルタ目詰まり信号を一定時間以上感知したか否かを判断する。
【0033】
(ステップ3)
インジケータ23からのフィルタ目詰まり信号を一定時間以上感知した制御装置36は、モニタ37での表示などを通じて、オペレータに「フィルタ目詰まり自動検診方法を実施してもよいか」を確認する。
【0034】
(ステップ4)
制御装置36は、オペレータからのYESまたはNOの選択を待つ。このとき、作業中であり、オペレータが危険と判断して、NOを選択した場合は、フィルタ目詰まり自動検診機能は作動しない。
【0035】
(ステップ5)
オペレータがフィルタ目詰まり自動検診方法を実施しないことを選択した場合でも、油圧ショベルを操作する操作器(作業機用操作レバー、走行用操作レバー、旋回用操作レバー、スイッチなど)が非操作状態すなわち中立位置にある状態がある基準時間以上継続した場合は、オペレータに上記フィルタ目詰まり自動検診方法を実施するか否かを再度確認し、NOの場合はこれを繰り返す。
【0036】
(ステップ6)
ステップ4でオペレータがYESを選択した場合は、フィルタ目詰まり自動検診機能が作動し、制御装置36は、まず油温センサ25により作動油の油温をチェックする。
【0037】
(ステップ7)
制御装置36は、油温センサ25により検出された油温がある基準範囲内にあるか否かを判断する。
【0038】
(ステップ8)
油温が基準範囲外であれば、制御装置36により電気リリーフ弁14の設定圧、電気バイパス弁17の設定圧および冷却ファン27の回転速度を制御する油温補正機能が作動し、油温を基準範囲内に自動補正する。例えば、油温を下げる場合は、電気リリーフ弁14を最低圧に設定し、電気バイパス弁17を絞ってその上流側の設定圧を上げることでオイルクーラ16への油量比を増大させ、また冷却ファン27の回転速度を上げる。一方、油温を上げる場合は、電気リリーフ弁14をある一定圧に設定して熱を発生させ、電気バイパス弁17を開いてその上流側の設定圧を下げることでオイルクーラ16への油量比を減少させ、また冷却ファン27の回転速度を下げる。このようにして、作動油の油温が一定範囲内に収まるように補正する。
【0039】
(ステップ9)
制御装置36は、油温がある基準範囲内にあると判断したときは、電気リリーフ弁14に制御信号を送り、リリーフ設定値を最低圧に設定する。
【0040】
(ステップ10)
制御装置36は、電気減圧弁35に制御信号を送り、レギュレータ32を介してメインポンプ11に規定流量を吐出するよう指令を出す。
【0041】
(ステップ11)
制御装置36は、作動油フィルタ22に設置されているインジケータ23が作動するか否かを一定時間待つ。
【0042】
(ステップ12)
一定時間経過後、制御装置36は、フィルタエレメント22aの前後差圧の増大によりインジケータ23が作動したか否かを判断する。
【0043】
(ステップ13)
インジケータ23が作動した場合は、制御装置36は、モニタ37などを通じて「フィルタエレメントの交換」を知らせる。
【0044】
(ステップ14)
インジケータ23が作動しなかった場合は、制御装置36は、モニタ37などを通じて「異常なし」を知らせる。
【0045】
(ステップ15)
「フィルタエレメントの交換」を知らせた制御装置36は、フィルタエレメント22aの交換が実際になされたか否かを監視する。フィルタエレメント22aを交換した際は、モニタ37を通じて、フィルタエレメント交換したことを制御装置36に知らせる。
【0046】
(ステップ16)
制御装置36は、フィルタエレメント22aの交換がなされないまま、オペレータがモニタ37からの警告を無視して油圧ショベルを稼働させる作業時間がある一定時間を経過したか否かを判断する。
【0047】
(ステップ17)
フィルタエレメント22aの目詰まりを検出した後もエレメント交換することなく油圧ショベルを稼働した場合は、制御装置36は、油圧ショベルによる作業時間が一定時間を経過した時点で、油圧ショベルの機能を強制的に低下させる。
【0048】
すなわち、フィルタエレメント22aの目詰まりを検出した後もエレメント交換しないままでいると、フィルタ部のバイパスチェック弁24が開き、コンタミネーションがタンク13に入り、メインポンプ11、各種弁などの油圧機器が破損するおそれがあるため、制御装置36は、メインポンプ11およびパイロットポンプ34を駆動するエンジン(図示せず)の回転速度を落とすか、メインポンプ11の吐出流量を絞るかして作業の継続ができないようにし、機体を保護する。
【0049】
上記機能で日詰まりと診断された場合は、速やかに遠隔情報通信システムを通じて販社などの機体管理部門に連絡することで、マシンダウンの時間を極力抑える。
【0050】
次に、この実施の形態の効果を説明する。
【0051】
ステップ6〜10に示されるように、油温を基準範囲内に入れ、かつ一定流量を供給できるシステム機能を搭載した油圧ショベルを用いることで、油の温度および流量を所定の状態に制御して、フィルタエレメント22aの前後差圧に影響を与える作動油の動粘度および流量を適正に制御することができ、これにより、ステップ12に示されるように、フィルタエレメント22aの前後差圧から目詰まりの正しい診断ができる。
【0052】
しかも、特許文献1に記載されたような特別な補正機構を追加しなくても、既存の油の温度および流量を制御する設備を用いて、フィルタエレメント22aの目詰まりを正確に検出でき、従来例のような固定絞りでの熱の発生によるエネルギロスも防止でき、また、フィルタエレメント22aの寿命を最大限使用できるため、ランニングコストを削減できる。
【0053】
また、ステップ2〜4に示されるように、油圧ショベルの油圧回路が十分な油量を必要とする作業中であるような場合は、制御装置36がフィルタエレメント22aの目詰まりのおそれを感知しても、オペレータが肯定操作をしないことで、流量低下を伴なう上記フィルタ目詰まり自動検診方法を実施しないことを選択できるので、油圧ショベルの作業効率の低下を防止できる。
【0054】
さらに、ステップ3〜5に示されるように、油圧ショベルを操作しない非操作状態が基準時間以上継続した場合は、オペレータに上記フィルタ目詰まり自動検診方法を実施するか否かを再度確認することで、オペレータに注意を喚起でき、フィルタエレメント22aの目詰まりのおそれ有る状態が長く続くことを防止できる。
【0055】
その上、ステップ13〜17に示されるように、フィルタエレメント22aが目詰まりした状態のまま油圧ショベルを長時間稼働した場合は、フィルタエレメント22aに目詰まりしたコンタミネーションが油圧回路中に混入して、油圧回路部品を損傷するおそれがあるので、油圧ショベルの機能を強制的に低下させることで、フィルタエレメント22aの交換を強制して、油圧回路部品の損傷を防止できる。
【0056】
なお、本発明は、油圧ショベルの作動油に限定されるものではなく、油圧ショベル以外の作業機械の作動油、潤滑油などにも適用できる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、作業機械の油圧回路が十分な油量を必要とする作業中であるような場合は、制御装置がフィルタエレメントの目詰まりのおそれを感知しても、オペレータが肯定操作をしないことで、フィルタ目詰まり自動検診機能を作動させないことを選択できるので、作業機械の作業効率の低下を防止でき、また、フィルタ目詰まり自動検診機能を作動させたときは、油の温度および流量を所定の状態に制御することで、フィルタエレメントの前後差圧に影響を与える作動油の動粘度および流量を適正に制御することができ、これにより、フィルタエレメントの前後差圧から目詰まりの正しい診断を、より高精度にできる。しかも、特別な補正機構を追加しなくても、フィルタエレメントの目詰まりを正確に検出でき、従来例のような固定絞りでの熱の発生によるエネルギロスも防止でき、また、フィルタエレメントの寿命を最大限使用できるため、ランニングコストを削減できる。
【0058】
請求項2記載の発明によれば、作業機械を操作しない非操作状態が基準時間以上継続した場合は、オペレータに上記フィルタ目詰まり自動検診方法を実施するか否かを再度確認することで、オペレータに注意を喚起でき、フィルタエレメントの目詰まりのおそれ有る状態が長く続くことを防止できる。
【0059】
請求項3記載の発明によれば、フィルタエレメントが目詰まりした状態のまま作業機械を長時間稼働した場合は、フィルタエレメントに目詰まりしたコンタミネーションが油圧回路中に混入して、油圧回路部品を損傷するおそれがあるので、作業機械の機能を強制的に低下させることで、フィルタエレメントの交換を強制して、油圧回路部品の損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るフィルタ目詰まり自動検診方法を実施する油圧回路および制御回路の一実施の形態を示す回路図である。
【図2】 同上フィルタ目詰まり自動検診方法の予備段階の制御手順を示すフローチャートである。
【図3】 同上フィルタ目詰まり自動検診方法の自動検診機能の制御手順を示すフローチャートである。
【図4】 従来のフィルタ目詰まり検診機能を備えた油圧回路および制御回路の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
22a フィルタエレメント
23 インジケータ
36 制御装置
Claims (3)
- 作業機械の油圧回路においてフィルタエレメントの前後差圧が基準値以上になったときにインジケータから発信された目詰まり検出信号を受けてフィルタエレメントの目詰まりのおそれを感知した制御装置は、
作業機械のオペレータにフィルタ目詰まり自動検診機能を作動させるか否かを確認し、
オペレータの肯定操作により、
フィルタエレメントを通過する油の温度を基準範囲内に制御し、
フィルタエレメントを通過する油の流量を規定流量に制御した状態で、
フィルタエレメントの前後差圧を計測し、
この前後差圧を基準値と比較してフィルタエレメントの目詰まりの有無を自動的に検出するフィルタ目詰まり自動検診機能を作動させる
ことを特徴とするフィルタ目詰まり自動検診方法。 - オペレータがフィルタ目詰まり自動検診機能を作動させないことを選択した場合でも、
作業機械を操作する操作器の非操作状態が操作器を非操作状態とした時から基準時間以上継続した場合は、
オペレータにフィルタ目詰まり自動検診機能を作動させるか否かを再度確認する
ことを特徴とする請求項1記載のフィルタ目詰まり自動検診方法。 - フィルタエレメントの目詰まりを検出した後もエレメント交換することなく作業機械を稼働した場合は、
制御装置は、作業機械による作業時間が目詰まりを検出した時から一定時間を経過した時点で、作業機械の機能を強制的に低下させる
ことを特徴とする請求項1または2記載のフィルタ目詰まり自動検診方法。
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JP2004337668A (ja) | 2004-12-02 |
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