JP4190080B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱伝導性および耐湿性等に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびその硬化体ならびに半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トランジスタ,IC,LSI等の半導体素子は、通常、セラミックパッケージもしくはプラスチックパッケージ等により封止され半導体装置化されている。上記セラミックパッケージは、構成材料そのものが耐熱性を有し、耐透湿性にも優れているため、温度,湿度に対して強く、信頼性の高い封止が可能である。しかしながら、構成材料が比較的高価なものであることと、量産性に劣るという欠点があるため、最近では上記プラスチックパッケージを用いた樹脂封止が主流になっている。この種のプラスチックパッケージ材料には、従来からエポキシ樹脂組成物が用いられている。このようなエポキシ樹脂組成物からなる封止材料に対する要求特性の一つとして、熱放散性に優れることがあげられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記優れた熱放散性の要求に応えるために、例えば、従来から、上記エポキシ樹脂組成物を構成する成分としてアルミナ粉末が用いられている。しかしながら、上記アルミナ粉末を用いることにより、熱放散性に関しては所望の良好な結果を得ることができるが、一方でアルミナ粉末自身に起因して耐湿性に劣ってしまうという問題が生じる。このように、優れた熱放散性とともに良好な耐湿性を備えた封止材料が未だ得られていないのが実状である。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、熱放散性および耐湿性の双方ともに優れた半導体装置を得ることのできる半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびその硬化体ならびに半導体装置の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、その硬化体が下記の特性(α)を有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)エポキシ樹脂。
(B)フェノール樹脂。
(C)アルミナ粉末。
(α)エポキシ樹脂組成物硬化体の抽出水中のナトリウムイオン含有量が50ppm以下、塩素イオン含有量が30ppm以下、フッ素イオン含有量が0.3〜1.0ppmであり、かつ抽出水の電気伝導度が100μS/cm以下。
【0006】
そして、上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装置を第2の要旨とする。
【0007】
なお、本発明における、上記「エポキシ樹脂組成物硬化体の抽出水」とは、エポキシ樹脂組成物硬化体の粉体化物とこの粉体化物の10倍量の純水を抽出容器に入れ、この容器を160℃×20時間の条件で抽出した抽出水をいう。
【0008】
すなわち、本発明者は、優れた熱放散性とともに耐湿性に関しても良好な結果を得ることのできる封止材料を求めて鋭意検討を行った。そして、その研究の過程で、上記耐湿性の低下を招く原因を突き止めるべく研究を重ねた結果、得られる封止材料の硬化物の物性となる、不純物イオン濃度と抽出水中の電気伝導度が上記耐湿性の低下に大きく関与することを突き止めた。そして、この不純物イオン濃度および電気伝導度を中心にさらに研究を重ねた結果、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂とともにアルミナ粉末を含有するエポキシ樹脂組成物の硬化体から抽出される抽出水中の、不純物イオンである、ナトリウムイオン、塩素イオンおよびフッ素イオンの各濃度をそれぞれ特定値に設定するとともに、上記抽出水の電気伝導度を特定値以下に設定すると、この封止材料により封止して得られる半導体装置は、熱放散性に優れるとともに、耐湿性の低下を防止することができることを見出し本発明に到達した。
【0009】
そして、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の構成成分として、上記各成分とともにブタジエン系ゴム粒子を用いることにより、一層優れた低応力性を得ることができるようになる。
【0010】
さらに、上記特定のアルミナ粉末のなかでも、球状アルミナ粉末を用いることにより、良好な流動性が得られ、かつ金型摩耗性にも優れるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0012】
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、フェノール樹脂(B成分)と、アルミナ粉末(C成分)を用いて得られるものであり、通常、粉末状もしくはこれを打錠したタブレット状になっている。
【0013】
上記エポキシ樹脂(A成分)としては、特に限定するものではなく従来公知の各種エポキシ樹脂が用いられる。例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ノボラックビスA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0014】
上記A成分とともに用いられるフェノール樹脂(B成分)は、エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであって、特に限定するものではなく従来公知の各種フェノール樹脂が用いられる。例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールA型ノボラック、ナフトールノボラックおよびフェノールアラルキル樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0015】
上記エポキシ樹脂(A成分)とフェノール樹脂(B成分)との配合割合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が0.8〜1.2当量となるように配合することが好適である。より好適なのは0.9〜1.1当量である。
【0016】
上記A成分およびB成分とともに用いられるアルミナ粉末(C成分)は、特に限定するものではなく通常のアルミナ粉末が用いられるが、例えば、つぎに示す特性を有するものを用いることが耐湿性等の観点から好ましい。すなわち、アルミナ粉末の抽出水中の各イオン(Na+ ,Cl- ,F- )が特定値以下であるアルミナ粉末である。詳しく説明すると、アルミナ粉末の抽出水中の、ナトリウムイオン濃度が50ppm以下、塩素イオン濃度が0.25ppm以下、フッ素イオン濃度が20ppm以下である。特に好ましくは、抽出水中の、ナトリウムイオン濃度が30ppm以下、塩素イオン濃度が0.2ppm以下、フッ素イオン濃度が10ppm以下である。なお、通常、抽出水中の、ナトリウムイオン濃度は10〜20ppm、塩素イオン濃度は0.08〜0.12ppm、フッ素イオン濃度は6〜10ppmである。上記のように、各イオン濃度(含有量)が上記値以下であることにより、得られるエポキシ樹脂組成物を用いた半導体装置が熱放散性および耐湿性の双方ともに優れるようになる。
【0017】
上記不純物イオンの測定は、つぎのようにして行われる。すなわち、測定対象となるアルミナ粉末の10倍重量の純水をアルミナ粉末に加え、160℃×20時間の条件で抽出を行い、この抽出水を用いてイオンクロマトグラフィーにて各イオン濃度を分析測定する。なお、上記イオンクロマトグラフィーには、例えば、ダイオネックス(DIONEX)社製のDX−100が用いられる。
【0018】
そして、上記特定のアルミナ粉末のなかでも、球状アルミナ粉末を用いることが、良好な流動性、耐金型磨耗性という点から好ましい。上記球状アルミナ粉末は、その球状の度合いとして、真円度が0.7〜1.0であることが好ましい。特に好ましくは真円度が0.8〜1.0である。上記真円度が0.7〜1.0であるとは、つぎに説明する真円度の定義において、0.7〜1.0となる、より真円に近いものが用いられるということである。上記真円度は、つぎのようにして算出される。すなわち、図1に示すように、真円度の測定対象となる対象物の投影像1〔図1(a)参照〕において、その実面積をαとし、上記投影像1の周囲の長さをPMとした場合、上記投影像1と周囲の長さが同じPMとなる真円の投影像2〔図1(b)参照〕を想定する。そして、上記投影像2の面積α′を算出する。その結果、上記投影像1の実面積αと投影像2の面積α′の比(α/α′)が真円度を示し、この値(α/α′)は下記の数式(1)により算出される。したがって、真円度が1.0とは、この定義からも明らかなように、真円であるといえる。そして、対象物の外周に凹凸が多ければ多いほどその真円度は1.0よりも順次小さくなる。なお、本発明において、上記球状アルミナ粉末の真円度とは、測定対象となる球状アルミナ粉末から一部を抽出し上記方法にて測定して得られる値であり、通常、平均の真円度をいう。また、上記球状アルミナ粉末の平均粒径は10〜50μmの範囲が好ましく、特に好ましくは20〜40μmである。この平均粒径は、例えば、レーザー式粒度測定機により測定できる。
【0019】
【数1】
Figure 0004190080
【0020】
上記アルミナ粉末(C成分)の含有割合は、エポキシ樹脂組成物全体中50〜92重量%の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは70〜88重量%である。すなわち、アルミナ粉末(C成分)の含有割合が50重量%を下回り少な過ぎると、所望の熱放散性を得ることが困難となり、逆に92重量%を超え多過ぎると、流動性が低下する傾向がみられるからである。
【0021】
また、上記A〜C成分とともに、ブタジエン系ゴム粒子(D成分)を配合してもよい。このブタジエン系ゴム粒子を配合することにより、低応力化、耐熱衝撃性の向上効果を得ることができる。上記ブタジエン系ゴム粒子は、通常、メタクリル酸アルキル,アクリル酸アルキル,ブタジエン,スチレン等の共重合反応によって得られるものが用いられる。例えば、アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン−ビニルトルエン共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−ビニルトルエン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エチル−ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−ビニルトルエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等をあげることができる。そして、上記共重合体のなかでも、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体を用いることが好ましく、特にブタジエンの組成比率が70重量%以下、メタクリル酸メチルの組成比率が15重量%以上のメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体が好適に用いられる。特に好ましくはブタジエンの組成比率が40〜70重量%であり、メタクリル酸メチルとスチレンの合計組成比率が30〜60重量%である。この場合、メタクリル酸メチルとスチレンの組成比率(重量比)はメタクリル酸メチル1に対してスチレンが0.5〜2.0の範囲となることが好ましい。
【0022】
さらに、上記ブタジエン系ゴム粒子(D成分)として、コア−シェル構造を有するものが好ましく用いられる。このコア−シェル構造を有するブタジエン系ゴム粒子は、核となるコア部分がブタジエン系ゴム類からなる粒子で形成され、この核を被覆するよう核の外表面に、重合体樹脂からなるシェル部分(外層)が形成されたゴム粒子である。上記核の形成材料であるブタジエン系ゴム類としては、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス等があげられる。また、上記核を被覆する外層の形成材料となる重合体樹脂としては、例えば、ガラス転移温度が70℃以上となる重合体樹脂があげられ、この重合体樹脂は不飽和二重結合を有する不飽和単量体の重合によって得られる。上記不飽和単量体としては、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等があげられる。このようなコア−シェル構造を有するブタジエン系ゴム粒子は、例えば、水媒体重合法によって得られる。詳しく述べると、上記核の形成材料であるブタジエン系ゴム類と水を配合し重合させて核となるブタジエン系ゴム粒子を調製する。ついで、この水媒体中に、外層の形成材料となる不飽和単量体を添加して上記核であるブタジエン系ゴム類の表面に不飽和単量体をグラフト共重合させ、重合体樹脂を上記核の外周面上に積層形成することによってコア−シェル構造を有するブタジエン系ゴム粒子が得られる。このようなコア−シェル構造を有するブタジエン系ゴム粒子としては、コア(核)部分がスチレン−ブタジエン共重合体からなり、シェル部分がメタクリル酸メチルあるいはメタクリル酸メチルとスチレンからなるものが特に好ましく、その組成比は、前述のように、ブタジエンの組成比率が70重量%以下、メタクリル酸メチルの組成比率が15重量%以上のものが好ましい。特に好ましくはブタジエンの組成比率が40〜70重量%であり、メタクリル酸メチルとスチレンの合計組成比率が30〜60重量%である。この場合、メタクリル酸メチルとスチレンの組成比率(重量比)はメタクリル酸メチル1に対してスチレンが0.5〜2.0の範囲となることが好ましい。
【0023】
上記ブタジエン系ゴム粒子(D成分)の配合割合は、エポキシ樹脂組成物全体中0.1〜5重量%の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.5〜2重量%である。すなわち、ブタジエン系ゴム粒子(D成分)の配合割合が少な過ぎると、所望の低応力効果を得ることが困難となり、逆に多過ぎると、流動性が低下し過ぎる傾向がみられるからである。
【0024】
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、上記A〜D成分とともに、必要に応じて、上記アルミナ粉末以外の無機質充填剤,シランカップリング剤,硬化促進剤,離型剤,難燃剤,難燃助剤,カーボンブラック等の着色剤等の各種添加剤が適宜配合される。
【0025】
上記アルミナ粉末以外の無機質充填剤としては、特に限定するものではなく従来公知のものが用いられ、例えば、溶融シリカ粉末や結晶性シリカ粉末等のシリカ粉末、タルク、炭酸カルシウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0026】
上記シランカップリング剤は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等があげられる。
【0027】
上記硬化促進剤は、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等の三級アミン類、有機リン化合物等があげられる。
【0028】
上記離型剤は、ステアリン酸,パルミチン酸等の長鎖カルボン酸、ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウム等の長鎖カルボン酸の金属塩、カルナバワックス,モンタンワックス等のワックス類、ポリエチレン系のワックス類等があげられる。
【0029】
上記難燃剤は、ブロム化エポキシ樹脂等があげられる。
【0030】
上記難燃助剤は、三酸化二アンチモン,五酸化アンチモン等があげられる。
【0031】
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、上記添加剤の他に、さらに、耐湿信頼性テストにおける信頼性向上を目的として、ハイドロタルサイト類等のイオントラップ剤等を配合してもよい。
【0032】
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、前記エポキシ樹脂(A成分),フェノール樹脂(B成分),特定のアルミナ粉末(C成分)および場合によりブタジエン系ゴム粒子(D成分)ならびに必要に応じて各種の添加剤をそれぞれ適宜の割合で配合し、予備混合する。そして、ミキシングロール機等の混練機により加熱状態で混練して溶融混合する。ついで、これを室温に冷却した後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工程により製造することができる。
【0033】
そして、上記のようにして得られるエポキシ樹脂組成物を用いてなる硬化体中の不純物イオンの含有量は、下記に示すように設定される。すなわち、エポキシ樹脂組成物硬化体の抽出水中、ナトリウムイオン含有量が50ppm以下、塩素イオン含有量が30ppm以下、フッ素イオン含有量が0.3〜1.0ppmである。特に好ましくは、エポキシ樹脂組成物硬化体の抽出水中、ナトリウムイオン含有量が20ppm以下、塩素イオン含有量が20ppm以下、フッ素イオン含有量が0.3〜1.0ppmである。さらに、抽出水の電気伝導度が100μS/cm以下である。なお、通常、抽出水中のナトリウムイオン含有量は3〜15ppm、塩素イオン含有量は5〜15ppm、フッ素イオン含有量は0.3〜1.0ppmであり、また、抽出水の電気伝導度は40〜60μS/cmである。すなわち、エポキシ樹脂組成物硬化体の抽出水の不純物イオン量および電気伝導度が上記値を有することにより、得られる半導体装置は優れた耐湿性を備えるようになる。
【0034】
上記エポキシ樹脂組成物硬化体中に含有される各不純物イオンは、つぎのようにして測定される。すなわち、エポキシ樹脂組成物硬化体の粉体化物5gと純水50ccを専用の抽出容器に入れ、この容器を160℃の乾燥機内に20時間放置して抽出水(pH6.0〜8.0)を抽出する。そして、上記抽出水をイオンクロマト分析して各イオン量(α)を測定する。なお、上記抽出水のpHは6.0〜8.0の範囲が好ましい。さらに、上記エポキシ樹脂組成物硬化体の作製にあたって、その硬化体成形条件は、175℃×2分間で加熱硬化による成形を行い、175℃×5時間の後硬化に設定されることが好適である。また、上記抽出水のイオンクロマト分析の測定には、先に述べたアルミナ粉末の測定と同様、例えば、ダイオネックス(DIONEX)社製のDX−100が用いられる。また、上記電気伝導度の測定は、上記抽出水を用いNIS−TM−521M法に準じ、例えば、電気伝導度計としてアドバンテック(ADVANTEC)社製の電気伝導度測定装置を用いて測定することができる。
【0035】
上記製造により得られるエポキシ樹脂組成物を用いての半導体素子の封止方法は、特に制限されるものではなく、通常のトランスファー成形等の公知のモールド法により行うことができる。
【0036】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0037】
まず、エポキシ樹脂組成物の調製に先立って、下記の成分を準備した。
【0038】
〔エポキシ樹脂〕
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量195、軟化点70℃)
【0039】
〔ブロム化エポキシ樹脂〕
ブロム化エポキシ樹脂(エポキシ当量450、軟化点81℃)
【0040】
〔フェノール樹脂〕
フェノールノボラック樹脂(水酸基当量105、軟化点83℃)
【0041】
〔DBU〕
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
【0042】
〔球状アルミナ粉末〕
下記の表1に示す球状アルミナ粉末a〜dを準備した。なお、球状アルミナ粉末の各イオン性不純物濃度は、先に述べた方法に準じ、ダイオネックス(DIONEX)社製のDX−100を用いて測定した。
【0043】
【表1】
Figure 0004190080
【0044】
〔シランカップリング剤〕
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
【0045】
〔ブタジエン系ゴム〕
一次粒子の平均粒径0.2μmのメチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体
【0046】
【実施例1〜、比較例1〜4】
下記の表2〜表3に示す原料を同表に示す割合で配合し、ミキシングロール機を用いて100℃で3分間混練してシート状組成物を得た。そして、このシート状組成物を粉砕し、目的とする粉末状エポキシ樹脂組成物を得た。
【0047】
【表2】
Figure 0004190080
【0048】
【表3】
Figure 0004190080
【0049】
上記各エポキシ樹脂組成物を用いて、スパイラルフロー値、熱伝導率を下記の方法に従って測定した。その結果を後記の表4〜表5に示す。
【0050】
〔スパイラルフロー値〕
スパイラルフロー測定用金型を用い、175±5℃にてEMMI 1−66に準じてスパイラルフロー値を測定した。
【0051】
〔熱伝導率〕
各エポキシ樹脂組成物を用い、大きさ:80×50×20mmの硬化体を作製した(条件:175℃×2分間の加熱硬化,175℃×5時間の後硬化)。そして、上記硬化体の熱伝導率(λ)を熱伝導率測定装置(京都電子工業社製、QTM−D3)を用いて測定した。
【0052】
さらに、得られた各エポキシ樹脂組成物の硬化体を作製(条件:175℃×2分間の加熱硬化,175℃×5時間の後硬化)し、その不純物イオンの含有量を先に述べた測定方法に準じて測定した。なお、不純物イオン含有量の測定となるイオンクロマト分析には、ダイオネックス(DIONEX)社製のDX−100を用いた。また、電気伝導度の測定には、アドバンテック(ADVANTEC)社製の電気伝導度測定装置を用いた。
【0053】
また、封止樹脂の耐湿信頼性を評価するために、アルミニウム電極を蒸着した半導体素子(サイズ:3mm×5mm)を、16ピンのデュアルインラインパッケージ(「DIP−16」と略す)用のフレームに組み立てて、ワイヤーボンディングを行った。ついで、上記各エポキシ樹脂組成物を用いて樹脂封止(条件:175℃×2分間の加熱硬化,175℃×5時間の後硬化)することによりそれぞれ10個の半導体装置を得た。そして、上記半導体装置の初期の導通試験を行った後、さらにその合格品を125℃/85%RHの高温高湿条件下に曝してバイアス電圧30Vをかけて〔プレッシャークッカーバイアス試験(PCBT)〕、一定時間毎にオープン不良(断線)の発生の有無を確認し、その発生が生じた時間を測定した。この測定を一つのエポキシ樹脂組成物について10個のパッケージを作製し、10個の平均時間として求めた。この結果を下記の表4および表5に示した。
【0054】
【表4】
Figure 0004190080
【0055】
【表5】
Figure 0004190080
【0056】
上記表4〜表5より、実施例品はそのスパイラルフロー値が適正な値を示しており、流動性に優れていることがわかる。さらに、熱伝導率も高く、かつPCBTによる平均寿命時間も長いことから、優れた熱放散性とともに良好な耐湿性を備えていることがわかる。
【0057】
これに対して、比較例品は、スパイラルフロー値は適正な値を示し、熱伝導率も高いことから、流動性および熱放散性には優れているが、PCBTによる平均寿命が短いことから、耐湿性に劣っていることがわかる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、エポキシ樹脂(A成分)と、フェノール樹脂(B成分)と、アルミナ粉末(C成分)を含み、かつその硬化物特性として、不純物イオン濃度が特定値で、電気伝導度が特定値以下となる半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。このため、これを用いて半導体素子を封止してなる半導体装置は、熱放散性に優れるとともに、良好な耐湿性をも有しており、高い信頼性を備えた半導体装置となる。
【0059】
そして、上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物として、上記各成分とともに、ブタジエン系ゴム粒子(D成分)を用いることにより、一層優れた低応力性を得ることができる。
【0060】
さらに、上記アルミナ粉末(C成分)のなかでも、球状アルミナ粉末を用いることにより、高流動性を有し、金型摩耗性に優れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)および(b)は球状アルミナ粉末の真円度の測定方法を示す説明図である。

Claims (5)

  1. 下記の(A)〜(C)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、その硬化体が下記の特性(α)を有することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
    (A)エポキシ樹脂。
    (B)フェノール樹脂。
    (C)アルミナ粉末。
    (α)エポキシ樹脂組成物硬化体の抽出水中のナトリウムイオン含有量が50ppm以下、塩素イオン含有量が30ppm以下、フッ素イオン含有量が0.3〜1.0ppmであり、かつ抽出水の電気伝導度が100μS/cm以下。
  2. 上記(A)〜(C)成分に加えて、下記の(D)成分を含有する請求項1記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
    (D)ブタジエン系ゴム粒子。
  3. 上記(C)成分であるアルミナ粉末が球状アルミナ粉末である請求項1または2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 上記(C)成分であるアルミナ粉末の抽出水中のフッ素イオン濃度が、6〜10ppmである請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなる半導体装置。
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