JP4188558B2 - レーザ走査方法およびシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
(技術分野)
本出願は、1997年11月14日出願の特許出願第08/970478号の一部継続出願である。
【0002】
本発明は、対象物の輪郭を決定するためのレーザ走査方法およびシステムに関する。
【0003】
【従来の技術】
(背景技術)
例えば2フィート×2フィート(約61cm×61cm)あるいはそれ以上の大きな部品を高い寸法精度で作る工業行程はたくさんある。例えばコンピュータ制御レーザ切断機やスタンピング機は、±0.004インチ(0.1mm)の寸法精度で大きな金属板部品を製造できる。かかる大部品は、所定の寸法精度を有するか否かを検査し確認しなければならない。
【0004】
大部品の測定における人為ミスを避けるため、従来から固体撮像素子CCDカメラ技術を使った自動検査システムが使われてきた。しかしながら固体CCD撮像技術を使って大部品の寸法精度を検査するシステムは、いくつかの欠点を持つ。すなわち従来の検査システムは、高価であり時間を要する。
【0005】
レーザは、対象物や周囲領域からのアナログ信号を捕捉するシステムに使われている。このシステムは、基本的にCCDカメラのように動作する。
【0006】
またレーザは、部品を配置する際に境界やテンプレートを投影することにも使われている。しかしながらレーザは、部品の寸法輪郭を決定しその部品の寸法精度を検査することには使われていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(発明の開示)
本発明が開示する方法および実施例は、対象物とその対象物の下にある表面にレーザビームを投射する。前記表面は、対象物とは異なってレーザビームを反射するよう構成する。レーザビームは対象物と表面とで反射され、反射ビームは捕捉される。制御器は、反射ビームが対象物からか表面からかを決定する。レーザビームによって前記表面を連続的に走査することにより、対象物の輪郭を正確に決定する。
【0008】
好適方法において、対象物と表面とをレーザビームで粗走査し、対象物の概略輪郭を決定し、対象物の輪郭の開始点を決定する。次にその開始点から対象物の概略輪郭に沿って精細走査を実行する。
【0009】
好適実施例において、レーザ走査システムは、透明支持体をさらに含む。この透明支持体は、前記表面から所定距離に対象物を支持することにより、走査解像度を上げ精度を向上する。
【0010】
本発明のシステムは、前記表面に対するレーザ投射機の3次元位置と向きとを正確に特定できなければならない。実際の3次元位置と向きとを特定するには、既知の方法を利用することができる。
【0011】
本発明のレーザ走査方法および実施例は、板打ち抜き部品等の部品の正確な輪郭を決定するために使用できる。部品が所定の寸法精度を有しているかを確認するための検査にも使用できる。
【0012】
本発明の前記およびその他特徴は、以下の説明および図面で明らかにする。
【0013】
【発明の実施の形態】
(発明を実施するための最良の形態)
図1は、本発明の第1実施例に基づくレーザ走査システム20を示す。このシステムは、部品または対象物22の輪郭を決定する。レーザ走査システム20は、レーザ投射機24を含む。レーザ投射機24はレーザビーム26を投射する。対象物22は、表面28に置く。表面28は、逆反射材料で被覆することが好ましい。逆反射材料は、例えば3Mスコッチライト「エンジニアリンググレード」逆反射シート3290である。しかしながら当業者には明らかなように、表面28は、対象物22とは異なってレーザビーム26を反射できればどのような表面でも構わない。レーザ投射機24は、安定した支持構造30に取り付ける。当業者には明らかなように、レーザ投射機24の取り付けには、ずれが少なく強い振動を生じない手段ならばどのようなものを用いても構わない。例えば天井からつり下げても良い。60度の走査角度を有するレーザ投射機24を6フィート(183cm)の高さからつり下げた場合、約7フィート×7フィート(213cm×213cm)の走査領域と1走査ステップあたり約0.002インチ(約0.05mm)の解像度を提供できる。
【0014】
レーザ走査システム20は、制御器32を備える。制御器32は、レーザビーム26によって対象物22と表面28とを走査する。制御器32は、反射センサ34を含む。反射センサ34は、反射ビーム36を受光する。これら要素は当業者に既知であるため、概略的に図示した。反射ビーム36を受光すると、制御器32はそのビーム36が対象物22で反射したのか表面28で反射したのかを決定する。レーザビーム26で表面28を連続的に走査すると、対象物22の輪郭を正確に決定できる。
【0015】
基本的に制御器32は、レーザビームが向いている位置を常に把握する。その位置を反射ビームの種類に関係付けることにより、制御器は特定の位置が対象物なのか表面なのかを特定できる。このようにして制御器は、対象物の輪郭を特定する。
【0016】
好適方法において、レーザビーム26によって対象物22と表面28とを走査する場合、まず対象物22の概略輪郭を把握するように走査し、対象物22の輪郭に開始点を決定する。次にその開始点から精細走査を開始する。この精細走査は、対象物22の概略輪郭に沿ってのみ連続して行う。この方法は、対象物22の正確な輪郭を決定するための走査時間を減らす。本発明の第1実施例は、対象物22の輪郭に沿って1秒あたり数百カ所を測定できる。例えば対象物22の輪郭に沿って0.010インチ(0.254mm)毎に測定する場合、1秒毎に約5インチ(12.7cm)の輪郭を走査できる。
【0017】
レーザ走査システム20は、表面28に対するレーザ投射機24の3次元位置および向きを正確に計算する必要がある。実際の3次元位置および向きを計算するには、既知の方法を利用できる。このためレーザ走査システム20は、少なくとも4個好ましくは8個の較正目標38を含む。図示の較正目標38は、フレーム40を表面28の外縁に沿って配置することにより形成する。フレーム40は、複数の開口42を有する。他の較正技術を使っても良い。複数の開口42は、フレーム40の下にある表面28を露出することにより較正目標38を形成する。
【0018】
本発明の第1実施例は、表面と対象物とを隣接配置する。反射表面を使用する場合、該表面からの反射ビームの輝度は、対象物からの反射ビームの輝度に比べ、はるかに大きい。従ってセンサは、反射を特定するための最小値を設定できる。かかるシステムにおけるセンサは、ON/OFFスイッチを含むことができる。対象物からの反射はOFFであり、表面からの反射はONである。他の応用例として、反射ビームの階調を特定できるような複雑なセンサを使ってもよい。かかるシステムの場合、表面の反射特性と対象物の反射特性とを大きく異ならせる必要はない。単なる白紙を表面に使用しても、その反射量は対象物の反射量に対して十分な差異を提供できるので、本発明は動作する。
【0019】
図2は、本発明の好適実施例に基づくレーザ走査システム70を示す。第1実施例のシステム20とは異なり、対象物22は透明支持体72の上に置く。透明支持体72は、例えばガラス板であり反射表面28から所定距離を置いて設ける。本実施例は、高解像度走査を実現できる。すなわち本実施例は、各走査ステップあたり0.001インチ(0.0254mm)以上の走査解像度が必要な場合に採用する。本実施例は、レーザビーム26の反射74を対象物22の縁部から拡散させ、反射センサ34がその反射74を捕捉することを防止する。
【0020】
前記したように第1実施例は、対象物22を表面28に直接乗せる。一般に微粒子逆反射材料は、微小球状ビーズのシートから形成する。例えば3Mスコッチライト「エンジニアリンググレード」等の高品質材料の逆反射シート3290においては、各ビーズの直径は0.002〜0.004インチ(0.05〜0.1mm)の範囲である。投射したレーザビーム26は、そのビーズの内面で反射し、その反射は反射センサ34によって捕捉される。高解像度走査の場合、ビーズの直径が大きく影響する。そしてビーズ間の状態や空隙は大きなエラーの原因となりうる。プリズム形など他の形状の反射材料も利用可能だが、そのサイズは一般に大きい。また第1実施例においては、対象物22の縁部におけるレーザビーム26の反射は、さらに表面28によって反射されて反射センサ34に捕捉されるため、レーザ走査システム20の精度が低下する。
【0021】
図2の実施例のレーザ走査システム70では、レーザビーム26は透明支持体72の焦点76に集束する。このためレーザビーム26は、反射表面28では焦点がぼけ、多くの反射ビーズによって反射される。これは光学的に各ビーズの有効サイズを小さくする。レーザ投射機24と透明支持体72間の距離と、透明支持体72と反射表面28間の距離とは、それらを変化させることによりシステム70の走査解像度を調整できる。例えばレーザ投射機から5mmのレーザビームを投射しそれを対象物に集束させる。この対象物は、レーザ投射機から5フィート(152cm)下方に置く。そして反射表面は対象物から1フィート(30cm)下方に置く。この場合レーザビームは反射表面において1mm以上の直径に焦点がぼける。このためレーザビームは、15〜20個のビーズに渡って広がるため走査解像度が向上する。さらに本実施例では、対象物22の縁部におけるレーザビーム26の反射74は反射センサ34から離れて拡散し、システム70の精度が向上する。
【0022】
図3は、コンピュータディスプレイ50を示す。このディスプレイは、決定した部品の輪郭を表示している。オペレータは、コンピュータのマウス等の移動または特定装置を使用し、輪郭上に点54および56等の2点を特定する。既知の数学的技術を使うことにより、システムは、2点54および56間の寸法を提供する。さらに当該部品の全寸法も既知の数学的技術を利用して決定できる。
【0023】
図4は、投射機60によって部品65の長辺62および64を特定するシステムを示す。これら長辺は、距離dだけ離れている。本システムは、両辺62および64間の距離dを決定し、それを66で示すように表示できる。これによりオペレータは、コンピュータへ行くことなく、現場で正確な寸法を確認できる。同様の検査を対象部品の各位置で連続的に行うことにより、作業員は現場で容易に品質制御検査を実行できる。
【0024】
本発明には多くの応用が考えられる。基本的な応用は、部品、特に平面または2次元部品に対して品質制御検査を行うことである。1つの応用例は、寸法を測定した後、それらと記憶したCADシステムデータとを比較する。他の応用例は、部品の形状および寸法のリバースエンジニアリングを行う。さらに他の応用例は、寸法が不明な部品の寸法を決定する。
【0025】
本発明の第1実施例は、2次元対象物の輪郭を65536×65536ピクセルの解像度で決定できる。当業者には明らかなように、レーザ投射機24は、他の有用な情報を表示するためにも利用できる。例えばレーザビーム26は、対象物22上のバリにハイライトを当てることができる。すなわち走査によって部品に欠陥を見つけると、レーザはその欠陥に光を当ててその欠陥の特定を助ける。CADファイルが利用可能であれば、レーザビーム26は、対象物22と比較すべく実際のCADデータを投影し、あるいは対象物22の許容値を超えている部分にハイライトを当てる。当業者には明らかなように、アナログ電圧をサンプルすることにより階調画像を捕捉できるため、紙、青焼き、写真画像等の表面を効果的に走査できる。
【0026】
本発明の実施例を説明してきたが、当業者には明らかなように、本発明はその範囲を逸脱せずに変更が可能である。従って本発明の実際の範囲および内容は、請求の範囲に基づき決定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に基づくレーザ走査システムを示す斜視図である。
【図2】 本発明の好適実施例に基づくレーザ走査システムを示す斜視図である。
【図3】 本発明の一応用例を示す図である。
【図4】 本発明の他の応用例を示す図である。
Claims (13)
- (1)レーザビームを投射するレーザ投射機を提供する段階と、
(2) 対象物の下に逆反射表面を提供する段階と、
(3) 前記レーザビームによって前記対象物と前記逆反射表面とを走査する段階と、
(4) 反射ビームを受け取る段階と、
(5) 前記反射ビームが前記逆反射表面から反射されたのか前記対象物から反射され
たのかを決定する段階と、
(6) 前記段階(5)の決定に基づき前記対象物の輪郭を決定する段階と
を備えることを特徴とする2次元対象物の輪郭を決定する方法。 - 前記段階(3)が、前記レーザビームによって前記対象物と前記逆反射表面とを粗走査して前記対象物の輪郭上に開始点を決定する段階を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記段階(3)が、前記レーザビームによって前記開始点から前記対象物の輪郭に沿って連続的に精細走査を実行する段階を備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 制御手段を用いることにより、前記対象物と前記逆反射表面とからの反射ビームの特性を検出し、特定の反射ビームが前記対象物からか前記逆反射表面からかを決定し、前記反射ビームの特性を前記投射したレーザビームの特定の位置に結び付け、特定の場所が前記対象物であるか前記逆反射表面であるかを特定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記対象物を前記逆反射表面の上に所定距離だけ離して支持するための透明支持体を提供する段階を前記段階(3)の前に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- (1)レーザビームを投射するレーザ投射機を提供する段階と、
(2) 対象物を支持する透明支持体を提供する段階と、
(3) 前記透明支持体と前記対象物の下に表面を提供する段階と、
(4) 前記レーザビームによって前記対象物と前記表面とを走査する段階と、
(5) 反射ビームを受け取る段階と、
(6) 前記反射ビームが前記表面から反射されたのか前記対象物から反射されたの
かを決定する段階と、
(7) 前記段階(6)の決定に基づき前記対象物の輪郭を決定する段階と
を備えることを特徴とする2次元対象物の輪郭を決定する方法。 - 前記段階(4)が、前記レーザビームによって前記対象物と前記表面とを粗走査して前記対象物の輪郭上に開始点を決定する段階を備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 前記段階(4)が、前記レーザビームによって前記開始点から前記対象物の輪郭に沿って連続的に精細走査を実行する段階を備えることを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 前記表面が逆反射表面であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 制御手段を用いることにより、前記対象物と前記表面とからの反射ビームの特性を検出し、特定の反射ビームが前記対象物からか前記表面からかを決定し、前記反射ビームの特性を前記投射したレーザビームの特定の位置に結び付け、特定の場所が前記対象物であるか前記表面であるかを特定することを特徴とする請求項6に記載の方法。
- レーザビームを投射するレーザ投射機と、
対象物を支持する透明支持体と、
前記透明支持体の下に配置され、前記レーザビームを前記対象物とは異なって反射するように構成された表面と、
前記レーザビームによって前記対象物と前記表面とを走査し、前記レーザビームが前記表面から反射されたか前記対象物から反射されたかに基づいて前記対象物の輪郭を決定する制御手段とを備えることを特徴とするレーザ走査システム。 - 前記制御手段が、反射レーザビームを受け取るための反射センサを含むことを特徴とする請求項11に記載のレーザ走査システム。
- 前記レーザ走査システムを較正するための複数の較正目標をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のレーザ走査システム。
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