JP4188549B2 - アンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナに係わり、特に、帯域幅が広く、かつ、高利得を要求される移動電話基地局アンテナの基本放射素子や、天井などに設置する移動通信の屋内中継装置に適用して有効なアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
図16は、移動電話基地局アンテナの基本放射素子として使用されている、従来の反射板付き半波長ダイポールアンテナの一例の概略構成を示す斜視図である。
同図において、1は反射板、2は誘電体基板であり、図16に示す反射板付き半波長ダイポールアンテナでは、反射板1の反射面に対して、誘電体基板2が平行になるように設けられる。
ここで、反射板1と誘電体基板2の平行間隔を維持するためには、例えば、反射板1と誘電体基板2との間に、適宜固体誘電体を充填するか、あるいは、適当な材質なるスペーサを介在させて両者を一体に結合する。
31,32は、第1および第2のダイポールアンテナ素子で、4は給電回路を形成する接地導体であり、ダイポールアンテナ素子(31,32)を構成する導体の長さは、それぞれλo/2の長さ(λoは、使用中心周波数(fo)の自由空間波長)とされる。
なお、使用中心周波数(fo)は、使用することが予定されている上限周波数と下限周波数の中心の周波数である。
【0003】
ダイポールアンテナ素子(31,32)および接地導体4は、誘電体基板2の一方の面(裏面または表面)に設けられ、かつ、ダイポールアンテナ素子(31,32)は、誘電体基板2の中心点に点対称に設けられる。
図17(a)に示すように、ダイポールアンテナ素子31は、その中央部に幅方向の切込み20が設けられ、また、接地導体4は、その中心が、誘電体基板2の中心点にほぼ一致しており、その前端部に、接地導体4の長手方向のスロット21が設けられる。
ダイポールアンテナ素子31の前縁中央部に設けた幅方向の切込み20の底部と、接地導体4の前端部に設けた長手方向のスロット21とは連続的に設けられ、ダイポールアンテナ素子31の前縁中央部に設けた幅方向の切込み20によって分割された導体の内端(図17(a)の22;給電点)に、接地導体4の分割前端部がそれぞれ接続されている。
なお、ダイポールアンテナ素子32側の構成も、ダイポールアンテナ素子31側の構成と同じである。
【0004】
51,52は、給電回路を構成する折返し導体で、図16および図17(b)に示すように、誘電体基板2の他方の面(表面または裏面)に、誘電体基板2の中心点に対称的に設けられる。
導体51は、接地導体4の一部とともに、導体52は、接地導体4の他の一部とともに、それぞれ分岐導体による平衡−不平衡変換回路(マイクロストリップ線路による平衡−不平衡変換回路)を構成する。
図16、図17には図示していないが、誘電体基板2の裏面には、同軸接栓が設けられ、その内部導体は、誘電体基板2の裏に穿った孔に挿入され、接地導体4と電気的に接続される恐れがないようにして平衡−不平衡変換回路を構成する折返し導体(51,52)の各内端相互の接続点に接続され、同軸接栓の外部導体は、接地導体4に接続される。
このように形成されたアンテナは、Z軸方向で最大放射方向を有し、約9dBi程度の高利得を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図16、図17に示す従来のアンテナは、高利得が得られるが、周波数の帯域幅が狭いという欠点を有する。
図18は、図16に示すアンテナの反射減衰量の周波数特性の一例を示すグラフである。
この図18のグラフは、(1)平行に並べられたダイポールアンテナ素子(31,32)を構成する導体の等価中心を0.42λo(λoは、使用中心周波数(fo)における自由空間波長)、(2)ダイポールアンテナ素子(31,32)を構成する導体の導体幅を0.07λo、(3)反射板1を一辺が0.84λoから成る正方形、(4)反射板1と誘電体基板2との間隔を0.21λoとした時に、折返し導体(51,52)の定数を適当に調整して同軸接栓との整合を調整した際の、同軸端子から見た負荷側の反射減衰量の周波数特性を測定した結果を示すグラフである。
【0006】
アレイアンテナの放射素子のように、反射減衰量が−20dB以下と、比較的良好な反射特性を要求される場合、図18の結果から判るように、図16に示すアンテナでは、反射減衰量が−20dB以下となる周波数範囲は、使用中心周波数(fo)に対する比帯域幅で9%程度であり、800MHz帯の携帯電話システムのように、送受信の周波数帯が離れ、比帯域幅が16%以上要求される場合には、使用することができない。
このような欠点を改善するために、特願平08−321178号に記載されている「ダイポールアンテナ」では、図19に示すように、屈曲突出部分を有する無給電素子(61,62)を配置して、その周波数特性を改善している。
しかしながら、図4に示す屈曲突出部分を有する無給電素子(61,62)は、その構造からも分かるように、無給電素子(61,62)を構成する導体の導体幅を自由に拡大することが難しく、さらなる広帯域特性を得ようとした場合や、多周波数共用システムなどで、より高い周波数領域で周波数特性を安定化しなければならない場合には適用することが困難であるという問題点あった。
【0007】
また、最大放射方向の利得を上げる必要がある場合には、図16、または図19に示す、平行に並べられたダイポール素子(31,32)を構成する導体の等価中心間隔を広げなければならないために、アンテナの形状を大きくしなければならないという問題点があった。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、従来のアンテナと同程度の容積ながら、広帯域化を図り、かつ、利得を向上させることが可能となるアンテナを提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
即ち、本発明は、反射板と、前記反射板の前面に前記反射板と略平行で、点対称に設けられる第1および第2のダイポールアンテナ素子と、前記第1および第2のダイポールアンテナ素子の前記反射板と反対の側に、前第1および第2のダイポールアンテナ素子と間隔をおいて、前記第1および第2のダイポールアンテナ素子と略平行に設けられる第1および第2の無給電素子とを備えるアンテナであって、前記各無給電素子は、前記第1のダイポールアンテナ素子と平行な第1の端部と、前記第2のダイポールアンテナ素子と平行な第2の端部と、前記第1の端部および前記第2の端部の開放端が同一方向となるように、前記第1および第2の端部を連結する連結部とを有し、前記第1および第2の無給電素子は、それぞれ前記第1および第2の端部の開放端が互いに対向して配置され、前記各無給電素子は、前記第1の端部、前記第2の端部、および前記連結部の幅方向の中心に沿った長さをL、使用周波数の自由空間波長をλとするとき、0.5λ≦L≦λを満足することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、反射板と、前記反射板の前面に前記反射板と略平行で、点対称に設けられる第1および第2のダイポールアンテナ素子と、前記第1および第2のダイポールアンテナ素子の前記反射板と反対の側に、前第1および第2のダイポールアンテナ素子と間隔をおいて、前記第1および第2のダイポールアンテナ素子と略平行に設けられる第1および第2の無給電素子とを備えるアンテナであって、前記各無給電素子は、前記第1のダイポールアンテナ素子と平行な第1の端部と、前記第2のダイポールアンテナ素子と平行な第2の端部と、前記第1の端部および前記第2の端部の開放端が同一方向となるように、前記第1および第2の端部を連結する連結部とを有し、前記第1および第2の無給電素子は、それぞれ前記連結部が互いに対向して配置され、前記各無給電素子は、前記第1の端部、前記第2の端部、および前記連結部の幅方向の中心に沿った長さをL、使用周波数の自由空間波長をλとするとき、0.5λ≦L≦λを満足することを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態では、前記各無給電素子の少なくとも一方は、前記連結部の長さ方向の中央部で2つに分割されていることを特徴とする。
【0010】
前記手段によれば、反射板上に平行に並べられた、一対のダイポールアンテナ素子と、前記第1のダイポールアンテナ素子と平行な第1の端部と、前記第2のダイポールアンテナ素子と平行な第2の端部と、前記第1の端部および前記第2の端部の開放端が同一方向となるように、前記第1および第2の端部を連結する連結部とを有する(即ち、「コの字」形)の一対の無給電素子とが、互いに近似した共振周波数を持つ共振特性を有する場合には、一対のダイポールアンテナ素子と、一対の「コの字」形無給電素子を適当な結合が得られるように配置することで、複同調回路の調整と同様に、広帯域な特性を実現させることができる。
また、一対のダイポールアンテナ素子と、一対の「コの字」形無給電素子とが、異なる共振周波数を持つ共振特性を有する場合には、スタガ同調の原理により、2周波数共振特性を実現することができる。
いずれの場合のおいても、「コの字」形無給電素子を構成する導体の中心に沿った全長は、ほぼ0.5λより長く、1λより短い周波の範囲では、「コの字」形無給電素子を構成する導体上に分布される電流分布は2つの山を持つ定在波形となるとともに、電流位相が進むため、導波作用を生ずることから、「コの字」形無給電素子を配置しないものより、利得を増大させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1のアンテナの概略構成を示す斜視図である。
同図において、反射板1、ダイポールアンテナ素子(31,32)、接地導体4、および折返し導体(51,52)の構成および動作は、図16、図19に示す従来のアンテナの構成および動作と変わらないので、重複を避けるため説明は省略する。
図1において、71,72は、一対の無給電素子(以下、「コの字」形無給電素子という。)であり、この「コの字」形無給電素子(71,72)は、ダイポールアンテナ素子(31,32)に平行となる面に、即ち、ダイポールアンテナ素子(31,32)と間隔をおいて、ダイポールアンテナ素子(31,32)上に略平行に配置される。
また、「コの字」形無給電素子(71,72)は、ダイポールアンテナ素子31と平行な第1の端部7aと、ダイポールアンテナ素子32と平行な第2の端部7bと、第1の端部7aおよび第2の端部7bの開放端が同一方向となるように、第1の端部7aおよび第2の端部7bを連結する連結部7cとを有する。
【0012】
この「コの字」形無給電素子(71,72)は、無給電素子を構成する導体の中心(幅方向の中心)に沿った全長が、ほぼ0.5λより長く、かつ、1λより短く、さらに、「コの字」形無給電素子(71,72)は、互いに、両端部(7a)の開放端同士を向かい合わせて、ダイポールアンテナ素子(31,32)の前面(ダイポールアンテナ素子(31,32)の反射板と反対の側)に配置される。
図1では、この「コの字」形無給電素子(71,72)を板状導体で示しているが、棒状や管状の導体など様々な断面形状で、かつ導電性の良いものであれば問題ないが、必要とする周波数帯域の幅が広い場合には、表面積(板状の場合には板の面積を、棒状や管状の場合には直径)を広くする必要がある。
「コの字」形無給電素子(71,72)は、適宜絶縁体を用いて、反射板1、または誘電体基板2に固定するか、発泡プラスチックのごとき比誘電率が1に近く、低損失からなる誘電体板を、反射板1、または誘電体基板2、あるいは、反射板1および誘電体基板2の間に介在させ、接着剤等を用いて固定させても良い。
また、「コの字」形無給電素子(71,72)を、適宜誘電体板上にプリント配線板で用いるエッチング手法等を用いて形成した上で、「コの字」形無給電素子(71,72)が形成されている部分を避けて、任意の材質からなるスペーサ等により、反射板1または誘電体基板2との間を接合させ、保持させても良い。
【0013】
図2は、本実施の形態のアンテナの反射減衰量の周波数特性の一例を示すグラフである。
図2に示すグラフは、(1)平行に並べられたダイポールアンテナ素子(31,32)の等価中心間隔を0.42λo(λoは、使用中心周波数(fo)における自由空間波長)、(2)ダイポールアンテナ素子(31,32)を構成する導体の導体幅を0.07λo、(3)反射板1を一辺が0.84λoからなる正方形、(3)反射板1と誘電体基板2の間隔を0.108λo波長、(4)「コの字」形無給電素子(71,72)を構成する導体と反射板1との間隔を0.21λo、その導体幅を0.07λo、「コの字」形無給電素子(71,72)を構成する導体の中心に沿った全長を0.78λoとした時に、折返し導体(51,52)の定数を適当に調整して、同軸接栓との整合を調整した際の、同軸端子から見た、負荷側の反射減衰量の周波数特性を測定した結果を示すグラフである。
ここで、「コの字」形無給電素子(71,72)と反射板1との間隔は、図18で説明で示した反射板1と誘電体基板2の間隔と一致している。
図2のグラフから判るように、反射減衰量が−20dB以下の使用中心周波数(fo)に対する比帯域幅は、20%以上におよび、図16、図19に示す従来のアンテナと殆ど同じ容積ながら、広帯域化が実現されており、800MHz帯で実用されている携帯電話システムで要求される帯域幅を十分カバーすることができる。
【0014】
図3は、前述の図2のグラフを測定する際に使用したアンテナの電界面内指向性(図1に示すX−Z面)を示すグラフであり、0.9foの周波数における測定結果を示している。
また、図4は、前述の図2のグラフを測定する際に使用したアンテナの電界面内指向性を示すグラフであり、1.1foの周波数における測定結果を示している。
図3、図4に示すいずれの特性も、Z軸方向で最大放射となる特性となっており、指向性の半値角は、図3で59°、図4で49°となり、周波数の変化によって大きな変化が無い。
図5は、前述の図2のグラフを測定する際に使用したアンテナの磁界面内指向性(図1に示Y−Z面)を示すグラフであり、0.9foの周波数における測定結果を示している。
また、図6は、前述の図2のグラフを測定する際に使用したアンテナの磁界面内指向性を示すグラフであり、1.1foの周波数における測定結果を示している。
図5、図6に示すいずれの特性も、Z軸方向で最大放射となる特性となっており、指向性の半値角は、図5で65°、図6で59°となり、この面の指向性もまた周波数の変化によって大きな変化がない。
【0015】
図7は、前述の図2のグラフを測定する際に使用したアンテナのZ方向に於ける利得の周波数特性を示すグラフである。
図中の実線が、本実施の形態のアンテナの測定結果を示し、また、参考のために、前述の図16で説明した従来のアンテナの利得の周波数特性を、図中の破線で示している。
同図から判るように、本実施の形態のアンテナでは、使用中心周波数の1.1foより高い周波数になると、次第に従来のアンテナの利得と差が縮まり、遂には逆転されてしまうものの、図2で説明した反射減衰量が良好な周波数の範囲では、従来のアンテナに比べて1〜2dB程度、利得が増大していることが判る。
このように、本実施の形態のアンテナによれば、従来のアンテナと同程度の容積ながら、広帯域に渡って反射減衰量が良好で、かつ、利得を向上させることが可能となる。
【0016】
図8は、本実施の形態のアンテナの反射減衰量の周波数特性の他の例を示すグラフである。
図8に示すグラフは、前述の図2のグラフを測定する際に使用したアンテナにおいて、ダイポールアンテナ素子(31,32)を構成する導体の導体幅と、「コの字」形無給電素子(71,72)の導体幅を0.084λoに変更し、折返し導体(51,52)の定数を適当に調整して同軸接栓との整合を調整した際の、同軸端子から見た、負荷側の反射減衰量の周波数特性を測定したグラフである。
図8から判るように、ダイポールアンテナ素子(31,32)を構成する導体の導体幅と、「コの字」形無給電素子(71,72)の導体幅を拡大し、整合を適当に調整することによって、反射減衰量を−10dB以上とした場合の使用中心周波数foに対する比帯域幅を、50%以上と広帯域化させることができる。
したがって、この図8のグラフを測定する際に使用したアンテナは、比較的、反射減衰量の値が大きくても実用可能な天井等に設置する移動通信の屋内中継装置に代表されるようなシステムのアンテナや、移動端末装置用のアンテナとして有用である。
また、図8のグラフから判るように、反射減衰量を−10dB以下とした場合の使用中心周波数(fo)に対する比帯域幅の下限と上限附近の周波数では、反射減衰量が良好となる傾向があるため、例えば、800MHz/1.5GHzや、1.5GHz/2GHzと言った複数の周波数帯を用いる携帯電話システムの共用アンテナとして有用である。
【0017】
図9は、前述の図8のグラフを測定する際に使用したアンテナの電界面内指向性(図1に示すX−Z面)を示すグラフであり、0.81foの周波数における測定結果を示している。
図10は、前述の図8のグラフを測定する際に使用したアンテナの電界面内指向性を示すグラフであり、1.14foの周波数における測定結果を示している。
図9、図10に示すいずれの特性も、Z軸方向で最大放射となる特性となっており、指向性の半値角は、図9で63°、図10で60°となり、周波数の変化による変化が少ない特性になっている。
図11は、前述の図8のグラフを測定する際に使用したアンテナの磁界面内指向性(図1におけるY−Z面)を示すグラフであり、0.81foの周波数における測定結果を示している。
図12は、前述の図8のグラフを測定する際に使用したアンテナの磁界面内指向性を示すグラフであり、1.14foの周波数における測定結果を示している。
図11、図12に示すいずれの特性も、Z軸方向で最大放射となる特性となっており、指向性の半値角は、図11で78°、図12で76°となり、周波数の変化による変化が少ない特性になっている。
【0018】
[実施の形態2]
図13は、本発明の実施の形態2のアンテナの概略構成を示す斜視図である。
本実施の形態は、「コの字」形無給電素子(71,72)をX−Z面に対して対称になるよう分割した点で、前述の実施の形態1と相違する。
本実施の形態では、「コの字」形無給電素子71は、第1の分割素子701と第2の分割素子702とから構成され、同様に、「コの字」形無給電素子72は、第1の分割素子703と第2の分割素子704とから構成される。
前述の実施の形態1に示す「コの字」形無給電素子(71,72)は、無給電素子(71,72)を構成する導体の中心に沿った全長が、0.5λより長く、1λより短いため、「コの字」形無給電素子(71,72)には、ダイポールアンテナ素子(31,32)を構成する導体によって結合され、2つの定在波分布が形成される。
この定在波分布は、X−Z面において、電流分布が最小になる部分があるため、この部分で「コの字」形無給電素子(71,72)を分割して、4つの「Lの字」形分割素子(701,702,703,704)に置き換えても何ら特性に差異を生じない。
本実施の形態においても、前述の実施の形態1と同様な作用・効果を得ることが可能となる。
【0019】
[実施の形態3]
図14は、本発明の実施の形態3のアンテナの概略構成を示す斜視図である。
本実施の形態は、一対の「コの字」形無給電素子(71,72)を、互いに連結部7cを対向させて配置するようにした点で、前述の実施の形態1のアンテナと相違する。
前述したように、実施の形態1に示す「コの字」形無給電素子(71,72)は、無給電素子(71,72)を構成する導体の中心に沿った全長は、ほぼ0.5λより長く、1λより短いため、「コの字」形無給電素子(71,72)には、ダイポールアンテナ素子(31,32)を構成する導体によって結合され、2つの定在波分布が形成される。
そのため、本実施の形態においても、前述の実施の形態1と同じ特性を得ることができる。
実験では、「コの字」形無給電素子(71,72)と、ダイポールアンテナ素子(31,32)との結合が、前述の実施の形態1の場合と比べて疎になるため、図2で説明したよりも、ダイポールアンテナ素子(31,32)を構成する導体をZ方向に移動させて、「コの字」形無給電素子(71,72)を構成する導体に近づけることによって、前述の実施の形態1と同様な作用・効果を得ることができた。
【0020】
[実施の形態4]
図15は、本発明の実施の形態4のアンテナの概略構成を示す斜視図である。
本実施の形態は、「コの字」形無給電素子(71,72)をX−Z面に対して対称になるよう分割した点で、前述の実施の形態3と相違する。
前述したように、実施の形態1に示す「コの字」形無給電素子(71,72)は、無給電素子(71,72)を構成する導体の中心に沿った全長は、ほぼ0.5λより長く、1λより短いため、「コの字」形無給電素子(71,72)には、ダイポールアンテナ素子(31,32)を構成する導体によって結合され、2つの定在波分布が形成される。
この定在波分布は、X−Z面に於いて分布が最小になる部分があるため、この部分で「コの字」形無給電素子(71,72)を分割して、4つの「Lの字」形分割素子(701,702,703,704)に置き換えても何ら特性に差異を生じない。
本実施の形態においても、前述の実施の形態1と同様な作用・効果を得ることが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範図において種々変更可能であることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明のアンテナによれば、従来のアンテナと同程度の容積ながら、広帯域に渡って反射減衰量が良好で、かつ、利得を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のアンテナの概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1のアンテナの反射減衰量の周波数特性の一例を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態1のアンテナの電界面内指向性(図1に示すX−Z面)の一例を示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態1のアンテナの電界面内指向性(図1に示すX−Z面)の他の例を示すグラフである。
【図5】本発明の実施の形態1のアンテナの磁界面内指向性(図1に示すY−Z面)の一例を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態1のアンテナの磁界面内指向性(図1に示すY−Z面)の他の例を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態1のアンテナのZ方向に於ける利得の周波数特性の一例を示すグラフである。
【図8】本発明の実施の形態1のアンテナの反射減衰量の周波数特性の他の例を示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態1のアンテナの電界面内指向性(図1に示すX−Z面)の他の例を示すグラフである。
【図10】本発明の実施の形態1のアンテナの電界面内指向性(図1に示すX−Z面)の他の例を示すグラフである。
【図11】本発明の実施の形態1のアンテナの磁界面内指向性(図1に示すY−Z面)の他の例を示すグラフである。
【図12】本発明の実施の形態1のアンテナの磁界面内指向性(図1に示すY−Z面)の他の例を示すグラフである。
【図13】本発明の実施の形態2のアンテナの概略構成を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施の形態3のアンテナの概略構成を示す斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態4のアンテナの概略構成を示す斜視図である。
【図16】従来のアンテナの一例の概略構成を示す斜視図である。
【図17】図16に示すダイポールアンテナ素子、接地導体、折返し導体の形状を示す図である。
【図18】図16に示すアンテナの反射減衰量の周波数特性の一例を示すグラフである。
【図19】従来のアンテナの他の例の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…反射板、2…誘電体基板、31,32…ダイポールアンテナ素子、4…接地導体、51,52…折返し導体、61,62,71,72…無給電素子、7a,7b…端部、7c…連結部、20…幅方向の切込み、21…長手方向のスロット、22…給電点、701,702,703,704…分割素子。
Claims (3)
- 反射板と、
前記反射板の前面に前記反射板と略平行で、点対称に設けられる第1および第2のダイポールアンテナ素子と、
前記第1および第2のダイポールアンテナ素子の前記反射板と反対の側に、前第1および第2のダイポールアンテナ素子と間隔をおいて、前記第1および第2のダイポールアンテナ素子と略平行に設けられる第1および第2の無給電素子とを備えるアンテナであって、
前記各無給電素子は、前記第1のダイポールアンテナ素子と平行な第1の端部と、
前記第2のダイポールアンテナ素子と平行な第2の端部と、
前記第1の端部および前記第2の端部の開放端が同一方向となるように、前記第1および第2の端部を連結する連結部とを有し、
前記第1および第2の無給電素子は、それぞれ前記第1および第2の端部の開放端が互いに対向して配置され、
前記各無給電素子は、前記第1の端部、前記第2の端部、および前記連結部の幅方向の中心に沿った長さをL、使用周波数の自由空間波長をλとするとき、0.5λ≦L≦λを満足することを特徴とするアンテナ。 - 反射板と、
前記反射板の前面に前記反射板と略平行で、点対称に設けられる第1および第2のダイポールアンテナ素子と、
前記第1および第2のダイポールアンテナ素子の前記反射板と反対の側に、前第1および第2のダイポールアンテナ素子と間隔をおいて、前記第1および第2のダイポールアンテナ素子と略平行に設けられる第1および第2の無給電素子とを備えるアンテナであって、
前記各無給電素子は、前記第1のダイポールアンテナ素子と平行な第1の端部と、
前記第2のダイポールアンテナ素子と平行な第2の端部と、
前記第1の端部および前記第2の端部の開放端が同一方向となるように、前記第1および第2の端部を連結する連結部とを有し、
前記第1および第2の無給電素子は、それぞれ前記連結部が互いに対向して配置され、
前記各無給電素子は、前記第1の端部、前記第2の端部、および前記連結部の幅方向の中心に沿った長さをL、使用周波数の自由空間波長をλとするとき、0.5λ≦L≦λを満足することを特徴とするアンテナ。 - 前記各無給電素子の少なくとも一方は、前記連結部の長さ方向の中央部で2つに分割されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアンテナ。
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