JP4301887B2 - ホームギャップフィラー用再送信アンテナ及び屋内用受信アンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば屋内で地上デジタル放送波を中継するために用いられる地上デジタル放送のホームギャップフィラー装置を構成するホームギャップフィラー用再送信アンテナおよび屋内用受信アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
次世代のデジタル放送システムとして、現在の地上波によるテレビジョン帯域を利用した地上デジタル放送の開発が進められている。この地上デジタル放送システムでは、放送サービスエリアの拡大及び難視聴地域の解消を目的として、ギャップフィラー対策の実施が検討されている。
このギャップフィラー対策では、放送波が届かないエリアごとにギャップフィラーと呼ばれる中継装置を設置するようにしている(例えば特許文献1及び特許文献2)。
【0003】
ところで、上記地上デジタル放送システムでは、アナログ放送システムにもあるように、テレビジョン受信機の室内用受信アンテナでデジタル放送波を受信できるものも要望されている。このような放送システムにあっても、放送サービスエリア以外に屋内における難視聴域の解消を目的としたギャップフィラー対策の実施も検討されることになる。
そこで、屋内において、受信場所に制限を受けることなく地上デジタル放送波を既知の屋内用受信アンテナを備えた放送受信機に受信させるための地上デジタル放送のホームギャップフィラー装置が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−101032公報
【0005】
【特許文献2】
特開2003−78492公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記ホームギャップフィラー装置は、簡易な構成であるため、安価であるという利点がある。しかしながら、このホームギャップフィラー装置が普及してくると、狭い家屋内にも設置できるようにしたものも求められることになり、この場合、設置スペースも考慮しなければならない。
【0007】
この設置スペース対策としては、天井裏などに設置することも考えられるが、その場合アンテナの設置・保守を行う専門家が必要となるためコストがかかり、さらに天井の部材に導電性物質が入っていた場合に、室内への電波の照射が阻害される恐れがあるという問題点を有している。
【0008】
そこでこの発明の目的は、家屋内に設置する再送信アンテナとして設置スペースを別に確保する必要が無く、かつ安価で設置・保守が容易であり、かつ屋内で安定な受信環境を実現するためのホームギャップフィラー用再送信アンテナおよび屋内用受信アンテナを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するために、以下のように構成される。
(1)地上デジタル放送波を、放送受信機に設置される既知の屋内用受信アンテナで受信させるために使用され、屋外に設置される受信手段により前記地上デジタル放送波を受信し、信号増幅手段にてその受信信号を増幅して同一周波数の再送信号を生成し、この再送信号を送信手段により屋内用受信アンテナへ向けて再送信するホームギャップフィラー装置で送信手段として使用されるホームギャップフィラー用再送信アンテナであって、屋内に設置される既知の照明器具のカバーの内側に取り付けられ、かつ透明な導電性フィルムから成り、給電される再送信号を放射するアンテナエレメント部と、一方の端部がアンテナエレメントに対向して配置され、他方の端部から得られる再送信号を一方の端部へ通過させてアンテナエレメント部に給電する給電線路とを具備し、アンテナエレメント部と給電線路の一方の端部との間に、放送周波数帯の信号を取り扱い可能な範囲で隙間を形成することで、空気を誘電体とする容量結合部を構成するようにした。
【0010】
(1)の構成によれば、家屋内に設置される照明器具を利用して、再送信アンテナの構成部分であるアンテナエレメント部を照明器具のカバーの内側に取り付け、給電線路の一方の端部をアンテナエレメント部に対向するように照明器具と一体化させることにより、家屋内における再送信アンテナの設置スペースを別途確保する必要が無くなるとともに、安定な受信環境を提供できる。さらに、照明器具のカバーを該照明器具に嵌め込んだ際に、アンテナエレメント部と給電線路とが非接触で容量結合することとなるため、設置・保守作業が容易となる。
【0011】
(2)地上デジタル放送波を、放送受信機に設置される既知の屋内用受信アンテナで受信させるために使用され、屋外に設置される受信手段により地上デジタル放送波を受信し、信号増幅手段にてその受信信号を増幅して同一周波数の再送信号を生成し、この再送信号を送信手段により屋内用受信アンテナへ向けて再送信するホームギャップフィラー装置で送信手段として使用されるホームギャップフィラー用再送信アンテナであって、屋内に設置される既知の照明器具のカバーの内側に取り付けられ、かつ透明な導電性フィルムから成り、給電される再送信号を放射するアンテナエレメント部と、一方の端部がアンテナエレメント部に対向して配置され、他方の端部から得られる再送信号を一方の端部へ通過させてアンテナエレメント部に給電する給電線路とを具備し、給電線路は、アンテナエレメント部に対向する一方の端部に弾性部を形成した平行板であり、アンテナエレメント部に対し弾性部を介して接触するようにした。
【0012】
(2)の構成によれば、再送信アンテナを照明器具と一体化させることにより、家屋内において再送信アンテナの設置スペースを別途確保する必要が無くなるとともに、安定な受信環境を提供でき、照明器具のカバーを該照明器具に嵌め込んだ際に、アンテナエレメント部と給電線路とが弾性部を介して接触するため、設置・保守作業が容易となり、確実な給電を行えるとともに、給電線路及びアンテナエレメントのいずれか一方の破損も起こさずに済む。
【0013】
(3)照明器具の天井取り付け板に導電性材料から成る反射板を使用し、アンテナエレメント部から放射された再送信号を反射板にて反射させて指向方向を屋内に向けるようにした。
(3)の構成によれば、屋内で安定な受信環境を得るために、照明器具の天井取り付け位置に反射板を取り付けて屋内、つまり下方への単一指向性を実現するようにしているので、受信点での電界強度を上げることが可能となる。
【0014】
(4)アンテナエレメント部は、第1のアンテナ素子と、この第1のアンテナ素子に対し直交して配置される第2のアンテナ素子とを備え、給電線路は、再送信号を第1のアンテナ素子に給電するとともに、該再送信号を90°移相して第2のアンテナ素子に給電し、再送信号を第1及び第2のアンテナ素子により放射軸方向へ円偏波で放射するようにした。
(4)の構成によれば、アンテナエレメントをクロスダイポール形式とし、水平面内無指向性かつ放射軸方向の偏波を円偏波とすることにより、屋内用受信アンテナの偏波面や方向を気にすることなく放送受信機を屋内で自由な位置に設置できる。
【0015】
(5)地上デジタル放送波を、放送受信機に設置される既知の屋内用受信アンテナで受信させるために使用され、屋外に設置される受信手段により地上デジタル放送波を受信し、信号増幅手段にてその受信信号を増幅して同一周波数の再送信号を生成し、この再送信号を送信手段により屋内用受信アンテナへ向けて再送信するホームギャップフィラー装置で送信手段として使用されるホームギャップフィラー用再送信アンテナであって、屋内に設置される既知の照明器具の紐状スイッチの紐に導電性物質を取り付けることにより、線状アンテナ素子を構成し、この線状アンテナ素子への給電方式として照明器具の天井取り付け板をアースとして不平衡給電するようにした。
(5)の構成によれば、照明器具のカバー以外に、蛍光灯などの紐状スイッチの紐部分を線状アンテナとして利用し、照明器具取り付け板をアースとして不平衡給電を行うことにより容易に設置が可能で、さらに省スペース化を図ることが可能となる。
【0016】
(6)地上デジタル放送波を、放送受信機に設置される既知の屋内用受信アンテナで受信させるために使用され、屋外に設置される受信手段により前記地上デジタル放送波を受信し、信号増幅手段にてその受信信号を増幅して同一周波数の再送信号を生成し、この再送信号を送信手段により屋内用受信アンテナへ向けて再送信するホームギャップフィラー装置で送信手段として使用されるホームギャップフィラー用再送信アンテナであって、屋内に設置される既知の照明器具のカバーの内側に取り付けられ、給電される再送信号を放射する第1のアンテナエレメント部と、この第1のアンテナエレメント部に対し再送信号のほぼ1/4波長離して配置され、給電される再送信号を放射する第2のアンテナエレメント部と、一方の端部が第1のアンテナエレメント部に接続され、他方の端部から得られる再送信号を一方の端部へ通過させて第1のアンテナエレメント部に給電する第1の給電線路と、一方の端部が第2のアンテナエレメント部に接続され、他方の端部から得られる再送信号を90°移相して一方の端部へ通過させて第2のアンテナエレメント部に給電する第2の給電線路とを具備した。
(6)の構成によれば、2つのアンテナエレメント部を再送信号の約1/4波長離して配置し、各アンテナエレメントに90度の位相差給電を行うことにより、屋内、つまり下方への単一指向性を有し、かつ受信側の偏波面の調整が不要な円偏波を発生することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明に係るホームギャップフィラー装置の構成を示すブロック図である。
図1において、送信所から到来する地上デジタル放送波は、屋外に取り付けられた受信アンテナ11によって受信され、その受信信号がフィーダー12を介して増幅器13に供給される。増幅器13は、入力された受信信号を所定の振幅レベルまで増幅し、この増幅した信号を再送信号として屋内に設置される再送信アンテナ14に出力する。すると、再送信アンテナ14は、入力された再送信号を再送信波として屋内に放射する。
そして、屋内に設置されたテレビジョン受像機21では、既知の簡易受信アンテナ22で再送信波を受信し、その放送コンテンツを再生表示する。
【0018】
(第1の実施形態)
この発明の第1の実施形態は、ホームギャップフィラー装置用の再送信アンテナ14に関する。
図2(a)は照明器具と一体化した再送信アンテナ14の構造を横から見て示した図であり、図2(b)は再送信アンテナ14を下から見て示した図である。
【0019】
符号31は一般家庭で使用されるカバーつきの円形蛍光灯(サークライン)32のカバーで、その内側にはアンテナエレメント41a,41b,41c,41dが貼り付けられている。これらアンテナエレメント41a,41b,41c,41dは、それぞれ透明性を有する導電性フィルムなどを使用することにより、照明効果を損ねることなく貼り付けられる。
【0020】
また、カバー31の天井取り付け部33の下面から鉛直方向に給電用の平行金属板421a,421b,421c,421d(図2では平行金属板421aおよび421bのみ図示)が延出されており、これら平行金属板421a,421b,421c,421dの先端部422a,422b,422c,422dは図3に示すように扇状の導電性材料で形成される。平行金属板421a,421b,421c,421dの基部は、天井取り付け部33を介して増幅器13に接続されている。
【0021】
これら平行金属板421a,421b,421c,421dの先端部422a,422b,422c,422dは、対向するアンテナエレメント41a,41b,41c,41dとの間でギャップを設けることにより、空気を誘電体とする非接触容量結合部を構成する。
このように構成することにより、増幅器13から出力される再送信号は、各平行金属板421a,421b,421c,421dを通過し、非接触容量結合部にて各アンテナエレメント41a,41b,41c,41dに給電されて屋内に向けて放射される。このため、接触状態を確認する必要がなくなり円形蛍光灯32のカバー31をワンタッチで取り付けるだけで各アンテナエレメント41a,41b,41c,41dに再送信号を確実に給電することができ、円形蛍光灯32の取り替え時も再送信アンテナ14への接続のことを留意することなく取り替え作業を実施できる。また、再送信アンテナ14の保守・交換作業においても室内での作業となり、特に熟練を要しない。
【0022】
なお、上記平行金属板421a,421b,421c,421dの先端部422a,422b,422c,422dの例として扇型の形状を例示したが、正方形のような別の形状でも所定の効果を発揮することができる。また、上記平行金属板421a,421b,421c,421dの先端部422a,422b,422c,422dとアンテナエレメント41a,41b,41c,41dとの間のギャップを十分に小さく取れば、結合部の面積は高々1cm2でも十分に放送周波数帯で所定の性能を発揮することができる。従って、容量結合部を不透明の導電性物質で構成しても光量の減少は実用的な範囲にとどまると考えられる。勿論透明性導電フィルムなどを使用すれば、光量の減少は更に少なくて済む。
【0023】
また、天井取り付け部33には、導電性を有する反射板43が取り付けられる。通常、アンテナエレメント41a,41b,41c,41dは、床方向以外に、天井側にも再送信波を放射するため、図4(a)に示すような指向特性を有することになる。そこで、反射板43によりアンテナエレメント41a,41b,41c,41dから放射される再送信波を床方向に反射させることで、図4(b)に示すように、床方向への単一指向特性を有する再送信アンテナ14を構成することが可能となる。
【0024】
(第2の実施形態)
この発明の第2の実施形態は、ホームギャップフィラー装置用の再送信アンテナ14に関する。
図5は、第2の実施形態に係わる再送信アンテナ14の構造を示す図である。なお、図5において、上記図2と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。すなわち、この第2の実施形態では、給電用の平行金属板441a,441bの先端部に、バネ部442a,442bを形成している。これらバネ部442a,442bは、平行金属板441a,441bの先端部を折曲して弾力性を持たせるようにしたものである。
【0025】
図5(a)に示す状態で、円形蛍光灯32のカバー31が天井に取り付けられると、まず、アンテナエレメント41a,41bがバネ部442a,442bの頭部に接触し、以後、カバー31が天井取り付け部33に深く嵌め込まれていくにつれて、アンテナエレメント41a,41bがバネ部442a,442bに強く押圧される。このため、バネ部442a,442bは、図5(b)に示すように弾性力に抗して変位することになる。
【0026】
従って、上記第2の実施形態によれば、先の第1の実施形態と同様な効果が得られるとともに、円形蛍光灯32のカバー31を天井取り付け部33に取り付けるだけで、アンテナエレメント41a,41bと平行金属板441a,441bとがそれぞれバネ部442a,442bを介して接触するため、設置・保守作業が容易となり、確実な給電を行えるとともに、アンテナエレメント41a,41bおよび平行金属板441a,441bのいずれか一方の破損も起こさずに済む。
なお、上記第2の実施形態において、反射板43を用いるようにすれば、床方向への単一指向特性を有する再送信アンテナ14を構成することが可能となる。
【0027】
(第3の実施形態)
この発明の第3の実施形態は、ホームギャップフィラー装置用の再送信アンテナ14に関する。
図6は、第3の実施形態に係わるホームギャップフィラー装置用の再送信アンテナの構成を示す図である。なお、図6において、上記図2と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0028】
すなわち、この第3の実施形態では、アンテナ形式として不平衡型モノポールアンテナ方式とし、スリーブ状の導電性材料から成る放射素子51を図6(a)に示すように円形蛍光灯32のスイッチ紐34に取り付けるようにしている。この放射素子51への給電は図6(b)に示すように平衡/不平衡変換回路52の出力のグランドを反射板43に接続し、信号給電側を放射素子51に不平衡給電部53を介して接続することで実現される。不平衡給電部53は余長を持たせてスイッチのオンオフ時の動きを吸収するようにする。
なお、再送信号が不平衡給電される場合は、平衡/不平衡変換回路52の代わりにアンテナ整合回路を置くことで同様の効果が発揮される。
【0029】
このように第3の実施形態であれば、円形蛍光灯32のカバー31以外に、スイッチ紐34に放射素子51を取り付け、反射板43をアースとして不平衡給電を行うことにより再送信アンテナ14の設置が容易となり、さらに省スペース化を図ることが可能となる。また、円形蛍光灯32の交換に全く影響を与えることなく、さらに、照明器具本体の交換時にも不平衡給電部53を一時取り外し、器具交換後再度接続すれば良いだけで保守・交換作業に熟練は不要である。
【0030】
(第4の実施形態)
発明の第4の実施形態は、ホームギャップフィラー装置用の再送信アンテナ14に関する。
図7は、第4の実施形態に係わるホームギャップフィラー装置用の再送信アンテナ14の構成を示すブロック図である。
【0031】
図7において、符号61はダイポールアンテナで、給電された再送信号を再送信波として床方向に放射する第1のアンテナエレメント611a,611bと、これら第1のアンテナエレメント611a,611bに対し直交して配置され、同じく給電された再送信号を再送信波として床方向に放射する第2のアンテナエレメント612a,612bとを備えている。
【0032】
ダイポールアンテナ61には、同一構造を有するダイポールアンテナ62が対向することになる。このダイポールアンテナ62は、給電された再送信号を再送信波として床方向に放射する第1のアンテナエレメント621a,621b(図7中ではアンテナエレメント621aのみ図示)と、これら第1のアンテナエレメント621a,621bに対し直交して配置され、同じく給電された再送信号を再送信波として床方向に放射する第2のアンテナエレメント622a,622b(図7中ではアンテナエレメント622aのみ図示)とを備えている。
これらダイポールアンテナ61,62は、取り扱う再送信号の約1/4波長離して配置されることになる。
【0033】
上記増幅器13から出力される再送信号は、分配器63により分配され、一方の信号は給電線64を介して分配器65に供給され、他方の信号は90°位相器66により90°移相されて分配器67に供給される。分配器65は、給電線64からの信号を分配して、一方の信号を位相器68に供給し、他方の信号を給電線69を介してダイポールアンテナ61の第1のアンテナエレメント611a,611bに供給する。位相器68は、入力信号を略90°移相してダイポールアンテナ61の第2のアンテナエレメント612a,612bに出力する。
【0034】
分配器67は、90°位相器66の出力を分配して、一方の信号を位相器70に供給し、他方の信号を給電線71を介してダイポールアンテナ62の第1のアンテナエレメント621a,621bに供給する。位相器68は、入力信号を略90°移相してダイポールアンテナ62の第2のアンテナエレメント622a,622bに出力する。
すると、各ダイポールアンテナ61,62から円偏波が放射されることになり、これにより図8に示すような1方向にのみ電波を放射する単向性を有する再送信アンテナ14を構成することができる。
【0035】
このように上記第4の実施形態によれば、2つのダイポールアンテナ61,62を再送信号の約1/4波長離して配置し、各ダイポールアンテナ61,62に90度の位相差給電を行って円偏波を発生させることにより、反射板を用いることなく床方向への単一指向性を有する再送信アンテナ14を構成することができ、これにより簡易受信アンテナ22の偏波面や方向を気にすることなくテレビジョン受像機21を屋内で自由な位置に設置できる。
【0036】
(第5の実施形態)
この発明の第5の実施形態は、簡易受信アンテナ22に関する。
図9は、第5の実施形態に係わる簡易受信アンテナ22の構成を示す図である。
図9において、符号81はダイポールアンテナで、再送信アンテナ14から放射された円偏波による再送信波を受信する第1のアンテナエレメント811a,811bと、これら第1のアンテナエレメント811a,811bに対し直交して配置され、同じく円偏波による再送信波を受信する第2のアンテナエレメント812a,812bとを備えている。
【0037】
これら第1のアンテナエレメント811a,811bで得られた受信信号は、位相器82により90°移相された後、合成器83に供給される。また、第2のアンテナエレメント812a,812bで得られた受信信号は、給電線84を介して合成器83に供給される。合成器83は、位相器82の出力と給電線84を介して供給された受信信号とを合成し、この合成信号をテレビジョン受像機22に供給する。
このような第5の実施形態によれば、簡易受信アンテナ22を円偏波受信アンテナとして構成することにより、再送信アンテナ14から放射される再送信波を効率良く受信することができる。
【0038】
(その他の実施形態)
なお、この発明は上記各実施形態に限定されるものではない。前記第1,2および第4の実施形態では、アンテナ素子としてクロスダイポールを用いた円偏波の例を示したが、他の形式のアンテナ素子を使用した再送信アンテナを使用してもよい。
【0039】
また、前記第1の実施形態では、導電性物質の反射板を天井および壁面に貼りつけ、アンテナの反射板を構成する例を示したが、天井や壁に導電性物質を含む断熱材などが取り付けられている場合は、それをアンテナの反射板として利用できる。
その他、再送信アンテナの種類及び構成、簡易受信アンテナの種類及び構成、給電線路の種類等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、家屋内に設置する再送信アンテナとして設置スペースを別に確保する必要が無く、かつ安価で設置・保守が容易であり、しかも屋内で安定な受信環境を実現するためのホームギャップフィラー用再送信アンテナおよび屋内用受信アンテナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るホームギャップフィラー装置の構成を示すブロック図。
【図2】 この発明の第1の実施形態に係わるホームギャップフィラー装置用の再送信アンテナの構成を示す図。
【図3】 図2に示した平行金属板の先端の形状及びアンテナエレメントを示す図。
【図4】 図2に示したアンテナエレメントの指向特性を示す図。
【図5】 この発明の第2の実施形態に係わるホームギャップフィラー装置用の再送信アンテナの構成及び接触状態を示す図。
【図6】 この発明の第3の実施形態に係わるホームギャップフィラー装置用の再送信アンテナの構成を示す図。
【図7】 この発明の第4の実施形態に係わるホームギャップフィラー装置用の再送信アンテナの構成を示すブロック図。
【図8】 同第4の実施形態の再送信アンテナの指向性を示す図。
【図9】 この発明の第5の実施形態に係わる簡易受信アンテナの構成を示す図。
【符号の説明】
11…受信アンテナ、12…フィーダー、13…増幅器、14…再送信アンテナ、21…テレビジョン受像機、22…簡易受信アンテナ、31…カバー、32…円形蛍光灯、34…スイッチ紐、41a.41b…アンテナエレメント、43…反射板、51…放射素子、52…不平衡変換回路、53…不平衡給電部、61,62…ダイポールアンテナ、63…分配器、64…給電線、65…分配器、66…位相器、67…分配器、68…位相器、69…給電線、70…位相器、71…給電線、82…位相器、83…合成器、84…給電線、421a,421b…平行金属板、422a,422b…先端部、441a,441b…平行金属板、442a,442b…バネ部、611a,611b…第1のアンテナエレメント、612a,612b…第2のアンテナエレメント、621a,621b…第1のアンテナエレメント、622a,622b…第2のアンテナエレメント、811a,811b…第1のアンテナエレメント、812a,812b…第2のアンテナエレメント。
Claims (5)
- 地上デジタル放送波を、放送受信機に設置される既知の屋内用受信アンテナで受信させるために使用され、屋外に設置される受信手段により前記地上デジタル放送波を受信し、信号増幅手段にてその受信信号を増幅して同一周波数の再送信号を生成し、この再送信号を送信手段により前記屋内用受信アンテナへ向けて再送信するホームギャップフィラー装置で前記送信手段として使用されるホームギャップフィラー用再送信アンテナであって、
屋内に設置される既知の照明器具のカバーの内側に取り付けられ、かつ透明な導電性フィルムから成り、給電される前記再送信号を放射するアンテナエレメント部と、
一方の端部が前記アンテナエレメントに対向して配置され、他方の端部から得られる前記再送信号を一方の端部へ通過させて前記アンテナエレメント部に給電する給電線路とを具備し、
前記アンテナエレメント部と前記給電線路の一方の端部との間に、放送周波数帯の信号を取り扱い可能な範囲で隙間を形成することで、空気を誘電体とする容量結合部を構成するようにしたことを特徴とするホームギャップフィラー用再送信アンテナ。 - 地上デジタル放送波を、放送受信機に設置される既知の屋内用受信アンテナで受信させるために使用され、屋外に設置される受信手段により前記地上デジタル放送波を受信し、信号増幅手段にてその受信信号を増幅して同一周波数の再送信号を生成し、この再送信号を送信手段により前記屋内用受信アンテナへ向けて再送信するホームギャップフィラー装置で前記送信手段として使用されるホームギャップフィラー用再送信アンテナであって、
屋内に設置される既知の照明器具のカバーの内側に取り付けられ、かつ透明な導電性フィルムから成り、給電される前記再送信号を放射するアンテナエレメント部と、
一方の端部が前記アンテナエレメント部に対向して配置され、他方の端部から得られる前記再送信号を一方の端部へ通過させて前記アンテナエレメント部に給電する給電線路とを具備し、
前記給電線路は、前記アンテナエレメント部に対向する一方の端部に弾性部を形成した平行板であり、前記アンテナエレメント部に対し弾性部を介して接触するようにしたことを特徴とするホームギャップフィラー用再送信アンテナ。 - 前記照明器具の天井取り付け板に導電性材料から成る反射板を使用し、前記アンテナエレメント部から放射された再送信号を前記反射板にて反射させて指向方向を前記屋内に向けるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載のホームギャップフィラー用再送信アンテナ。
- 前記アンテナエレメント部は、第1のアンテナ素子と、この第1のアンテナ素子に対し直交して配置される第2のアンテナ素子とを備え、
前記給電線路は、前記再送信号を前記第1のアンテナ素子に給電するとともに、該再送信号を90°移相して前記第2のアンテナ素子に給電し、
前記再送信号を前記第1及び第2のアンテナ素子により放射軸方向へ円偏波で放射することを特徴とする請求項1または2記載のホームギャップフィラー用再送信アンテナ。 - 請求項4記載のホームギャップフィラー用再送信アンテナから送信される再送信波を受信する屋内用受信アンテナであって、
互いに直交し、前記再送信波を受信する第1および第2のアンテナ素子を有するアンテナエレメント部と、
前記第1のアンテナ素子により得られた受信信号を90°移相する移相手段と、
この移相手段で移相された信号と、前記第2のアンテナ素子により得られた受信信号とを合成して放送受信機に供給する合成手段とを具備したことを特徴とする屋内用受信アンテナ。
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