JP4188460B2 - スクロール式流体機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気圧縮機、真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関し、特に無給油式のスクロール式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スクロール式流体機械は、ケーシングと、該ケーシング内に設けられ、鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられ、先端側がクランクとなった駆動軸と、該駆動軸のクランクに旋回可能に設けられ、鏡板の表面側に前記固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成する渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロールとを備えている。
【0003】
この種の従来技術によるスクロール式流体機械では、外部から駆動軸を回転駆動し、旋回スクロールを固定スクロールに対して一定の偏心寸法をもって旋回運動させることにより、固定スクロールの外周側に設けた吸込口から空気等の流体を吸込みつつ、この流体を固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部との間の各圧縮室内で順次圧縮し、固定スクロールの中心部に設けた吐出口から圧縮流体を外部に向けて吐出する。
【0004】
また、この従来技術では、旋回スクロールの鏡板背面側にボス部を設け、このボス部内には、旋回スクロールを駆動軸のクランクに対して旋回自在に支持する旋回軸受を設ける構成としている。そして、旋回軸受の内部にはグリースを充填し、旋回軸受の潤滑性を高めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるスクロール式流体機械では、装置全体の小型化、軽量化を図るために、一般に旋回軸受としてニードルベアリング、円筒コロ等が用いられる。
【0006】
しかし、このようなニードルベアリング等の旋回軸受は、内部に確保される空間(隙間)の全体容積(以下、内部空間容積という)が比較的小さいため、この旋回軸受には少量のグリースしか充填できなくなる。これにより旋回軸受に充填したグリースが枯渇し易くなり旋回軸受の破損の原因になるという問題がある。
【0007】
また、旋回軸受自体に必要以上の多量のグリースを充填すると、却ってグリースが旋回軸受の内部で撹拌されるときの撹拌抵抗が増大し、旋回軸受の性能の低下を招くという問題がある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、旋回軸受として円筒コロ等を用いた場合でも、この旋回軸受をグリースにより長期に亘って潤滑することができ、旋回軸受の寿命を延ばして、装置の信頼性を高めることができるようにしたスクロール式流体機械を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明によるスクロール式流体機械は、ケーシングと、該ケーシング内に設けられ、鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、鏡板の表面側に前記固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成する渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロールと、該旋回スクロールの背面に設けられ、該旋回スクロールを前記駆動軸のクランクに対して旋回自在に支持する旋回軸受とを備えている。
【0010】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、旋回軸受の内周側には、旋回軸受を潤滑するためのグリース溜りを設け、かつ駆動軸には外部の空気をグリース溜り内に導くための空気導入路を設ける構成としたことにある。
【0011】
このように構成したことにより、圧縮運転時には旋回軸受の温度が上昇し、この旋回軸受からの熱がグリース溜りに伝わることにより、グリース溜り内に充填したグリースは粘度が低下する。これによってグリースをグリース溜りから旋回スクロールの背面に設けた旋回軸受に供給することができる。また、グリース溜り内には、空気導入路を通じて外部の空気を導入できるから、このグリース溜り内のグリースを旋回軸受側に円滑に供給することができる。
【0012】
また、請求項2の発明では、駆動軸の先端側にクランクを設け、該クランクの先端を前記旋回軸受の内周側に挿入し、該クランクの先端部にグリース溜りを設ける構成としている。
このように構成したことにより、圧縮運転時には旋回軸受の温度が上昇し、この旋回軸受からの熱がグリース溜りに伝わることにより、グリース溜り内に充填したグリースは粘度が低下する。これにより、グリースをグリース溜りから旋回スクロールの背面に設けた旋回軸受に供給することができる。
また、請求項3の発明では、駆動軸にはグリース溜りを開口させるための開口部を設け、該開口部は、前記駆動軸の径方向に対する断面形状をグリース収容部よりも小さく形成している。
【0013】
このように構成したことにより、グリース溜り内に充填したグリースを駆動軸に設けた開口部を通じて旋回軸受側に少しずつ供給することができる。
【0014】
また、請求項4の発明では、開口部は駆動軸の回転中心に対して偏心した位置に配置している。
【0015】
このように構成したことにより、グリース溜り内のグリースを駆動軸の遠心力により開口部を通じて旋回軸受側に円滑に供給することができる。
【0016】
さらに、請求項5の発明では、空気導入路は駆動軸回転中心に沿って配置している。
【0017】
このように構成したことにより、グリース溜り内には、空気導入路を通じて外部の空気を導入できるから、このグリース溜り内のグリースを旋回軸受側に円滑に供給することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械として無給油式のスクロール式空気圧縮機を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0019】
まず、図1および図2は本発明の第1の参考例を示している。図中、1はスクロール式空気圧縮機の外枠を形成するケーシングで、該ケーシング1は大径部1Aと小径部1Bとからなる段付き筒状に形成されている。
【0020】
2はケーシング1の大径部1Aに固着された固定スクロールで、該固定スクロール2は、その中心が後述する駆動軸3の軸線O1−O1と一致するように配設された円板状の鏡板2Aと、該鏡板2Aの表面に立設された渦巻状のラップ部2Bと、該ラップ部2Bを外側から取囲むように鏡板2Aの径方向外側に設けられた外縁部2Cとによって大略構成され、前記鏡板2Aの背面には多数の放熱フィン2Dが設けられている。そして、固定スクロール2は、外縁部2Cがケーシング1の大径部1A先端側に一体に取付けられている。
【0021】
3はケーシング1の小径部1B内に回転可能に軸支された駆動軸で、該駆動軸3は、鉄系材料によって段付の円柱状に形成され、その基端側には後述のプーリ13が設けられ、軸線O1−O1を中心に回転駆動する。また、駆動軸3の先端側にはクランクピン3Aが突設され、該クランクピン3Aの軸線O2−O2は、軸線O1−O1に対して寸法δだけ偏心した位置に配置されている。
【0022】
また、駆動軸3は、その先端側に位置して後述のバランスウエイト4が取付けられる部分がウエイト取付部3Bとなり、該ウエイト取付部3Bはクランクピン3Aよりも大径に形成されている。
【0023】
4は駆動軸3の先端側に固着されたバランスウエイトで、該バランスウエイト4は、後述する旋回スクロール5の旋回動作に対して駆動軸3全体の回転バランスをとるものである。
【0024】
5は固定スクロール2と対向してケーシング1内に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール5は、旋回スクロール本体6と後述の背面プレート10とから構成され、該旋回スクロール5は後述の旋回軸受11を用いてクランクピン3Aに旋回可能に支持されている。また、旋回スクロール本体6は、固定スクロール2と同様に鏡板6Aと渦巻状のラップ部6B等とによって構成され、該鏡板6Aには多数の放熱フィン6Cが設けられている。
【0025】
そして、旋回スクロール5は、ラップ部6Bが固定スクロール2のラップ部2Bと所定角度(例えば180度)だけずらして重なり合うように配設され、両者のラップ部2B,6B間には複数の圧縮室7,7,…が画成される。そして、スクロール式空気圧縮機の運転時には、固定スクロール2の外周側に設けた吸込口8,8から外周側の圧縮室7内に空気を吸込みつつ、この空気を旋回スクロール5が旋回運動する間に各圧縮室7内で順次圧縮し、最後に中心側の圧縮室7から固定スクロール2の中心に設けた吐出口9を介して外部に圧縮空気を吐出する。
【0026】
10は旋回スクロール本体6の各放熱フィン6C先端に固着された背面プレートで、該背面プレート10の中央部には、ボス部10Aが一体形成されている。また、この背面プレート10の背面側にはボス部10A内に位置して切欠部10Bが設けられ、該切欠部10Bは後述するグリース溜り12内のグリースを旋回軸受11側に供給するためのグリース供給路を構成している。
【0027】
11は背面プレート10のボス部10A内に設けられた旋回軸受で、該旋回軸受11は、例えばニードルベアリング、円筒コロ等によって構成され、その内周側には駆動軸3のクランクピン3Aが挿入されている。そして、この旋回軸受11は、駆動軸3のクランクピン3Aに対して旋回スクロール5を旋回自在に支持する構成となっている。
【0028】
12は駆動軸3のクランクピン3Aに設けられたグリース溜りで、該グリース溜り12は、駆動軸3のクランクピン3A先端に有底の円形穴として形成されている。そして、このグリース溜り12に充填されたグリースは、後述するように圧縮運転時に粘度が低下することにより、背面プレート10の切欠部10Bを通じて旋回軸受11側に供給されるものである。
【0029】
また、グリース溜り12は、その穴底側となる奥部側がクランクピン3Aとウエイト取付部3Bとの境界よりも少なくともクランクピン3A側に位置して配置されるものである。これによりクランクピン3Aは、グリース溜り12の穴底側に寸法dの肉厚が確保され、クランクピン3A全体の強度を高める構成となっている。
【0030】
13は駆動軸3の基端側にボルト14等によって一体に取付けられたプーリ、15は該プーリ13に設けられた遠心ファンで、該遠心ファン15は、ケーシング1の小径部1Bに取付けたファンケーシング16内に収容されている。
【0031】
参考例によるスクロール式空気圧縮機は上述したような構成を有するもので、次に、このスクロール式空気圧縮機の動作について説明する。
【0032】
まず、電動モータにより駆動軸3を回転させると、旋回スクロール5は駆動軸3を中心として寸法δの旋回半径をもった旋回運動を行い、固定スクロール2のラップ部2Bと旋回スクロール5のラップ部6B間に画成された圧縮室7,7,…が連続的に縮小する。これにより、固定スクール2の吸込口8から吸込んだ外気を該各圧縮室7で順次圧縮しつつ、この圧縮空気を固定スクロール2の吐出口9から外部の空気タンク等に貯留させる。
【0033】
ここで、本参考例では、駆動軸3のクランクピン3A先端にグリース溜り12を設け、このグリース溜り12内に旋回軸受11を潤滑するためのグリースを充填する構成としたから、上述した圧縮運転時には旋回軸受11の温度が上昇し、このときの旋回軸受11からの熱がグリース溜り12に伝わることにより、グリース溜り12内のグリースは粘度が徐々に低下する。これにより前記グリースを図2中に示す矢示方向へと背面プレート10の切欠部10Bを通じて旋回軸受11に円滑に供給することができる。
【0034】
従って、本参考例のように、旋回軸受11を例えばニードルベアリング、円筒コロ等の内部空間容積が比較的小さい軸受によって構成した場合でも、圧縮運転時には、グリース溜り12内のグリースによって旋回軸受11を常に潤滑状態に維持することができ、該旋回軸受11の耐久性、寿命等を向上でき、装置の信頼性を高めることができる。
【0035】
また、従来技術で述べたように旋回軸受11自体に必要以上の多量のグリースを充填する必要がなくなり、グリースの撹拌抵抗による旋回軸受11の性能低下を防止でき、該旋回軸受11の性能を高めることができる。
【0036】
次に、図3は本発明の第の実施の形態を示し、本実施の形態では前述した第1の参考例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0037】
然るに、本実施の形態の特徴は、駆動軸21には、外部からの空気をグリース溜り22内に導入するための空気導入路24を設ける構成としたことにある。
【0038】
ここで、駆動軸21は、前記第1の参考例で述べた駆動軸3とほぼ同様にクランクピン21Aおよびウエイト取付部21Bを有し、該クランクピン21Aにはグリース溜り22が設けられている。また、この駆動軸21の基端側には、プーリ13が駆動軸21の一部をなすボルト23によって一体に取付けられている。
【0039】
また、空気導入路24は、駆動軸21内およびボルト23内を軸方向に貫通して延びる軸方向通路として形成され、駆動軸21の回転中心となる軸線O1−O1に沿って配置されている。そして、この空気導入路24は、一端側がボルト23の頭部に開口し他端側はグリース溜り22内に開口し、外部の空気を該グリース溜り22内に導く構成となっている。
【0040】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の参考例とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に本実施の形態では、空気導入路24によって外部の空気をグリース溜り22内に導くことができるから、グリース溜り22内のグリースを旋回軸受11にさらに円滑に供給することができる。
【0041】
次に、図4は本発明の第参考例を示し、本参考例では前述した第1の参考例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0042】
然るに、本参考例の特徴は、駆動軸3のクランクピン3Aには、グリース溜り12の開口側を施蓋し該クランクピン3Aの一部をなす蓋板31を設けると共に、該蓋板31には、グリース溜り12を外部に開口させる開口部としての小孔32を穿設する構成としたことにある。
【0043】
ここで、小孔32は、蓋板31の中央部、即ち駆動軸3の軸線O1−O1に対して偏心したクランクピン3Aの軸線O2−O2上に位置して配置される。そして、小孔32の径方向の断面形状はグリース溜り12の径方向の断面形状よりも小さく形成されるものである。
【0044】
かくして、このように構成される本参考例でも、前記第1の参考例とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、特に本参考例では、グリースをグリース溜り12から小孔32を通じて旋回軸受11側に少しずつ供給することができ、グリース溜り12内へのグリースの補給時期等を延ばすことができる。また、小孔32を駆動軸3の軸線O1−O1に対して偏心した位置に配置できるから、駆動軸3からの遠心力によってグリース溜り12内のグリースを小孔32から旋回軸受11側に向けてより円滑に供給することができる。
【0045】
次に、図5、図6は本発明の第参考例を示し、本参考例では前述した第1の参考例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0046】
然るに、本参考例の特徴は、駆動軸3のクランクピン3Aには、グリース溜り12の開口側を施蓋し該クランクピン3Aの一部をなす蓋板41を設けると共に、該蓋板41には、グリース溜り12を外部に開口させる開口部としての小孔42を穿設し、駆動軸3の軸線O1−O1に対する小孔42の偏心寸法Lを可能な限り大きく設定する構成としたことにある。
【0047】
かくして、このように構成される本参考例でも、第参考例とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、特に本参考例では、駆動軸3の軸線O1−O1に対する小孔42の偏心寸法Lを可能な限り大きく設定する構成としたから、小孔42を通過するグリースには駆動軸3からの遠心力をさらに大きく作用させることができ、グリース溜り12内のグリースを小孔42から旋回軸受11側に向けてより一層円滑に供給することができる。
【0048】
次に、図7は本発明の第参考例を示し、本参考例では前述した第1の参考例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0049】
然るに、本参考例の特徴は、駆動軸3のクランクピン3Aに蓋板取付段部51およびグリース溜り52を設け、該蓋板取付段部51には、グリース溜り52の開口側を施蓋しクランクピン3Aの一部をなす蓋板53を設けると共に、該蓋板53には、グリース溜り52を外部に開口させる開口部としての小孔54を穿設し、該小孔54は駆動軸3の軸線O1−O1(軸線O2−O2)に対して斜めに傾斜させる構成としたことにある。
【0050】
かくして、このように構成される本参考例でも、前記第参考例とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0051】
次に図8は本発明の第の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、駆動軸のクランクピン先端には、旋回スクロールとの間に位置して該旋回スクロールの旋回変形を可変に調整する可変クランクを設け、この可変クランクには旋回スクロールのボス部に嵌合する嵌合軸部にグリース溜りを設けると共に、駆動軸および可変クランクには、外部の空気を該グリース溜りに導入するための空気導入路を設ける構成としたことにある。
【0052】
図中、61は本実施の形態に係るケーシングで、該ケーシング61は、大径部61Aと小径部61Bとからなる段付き筒状に形成されている。62はケーシング61に設けられた固定スクロールで、該固定スクロール62は、鏡板62Aと、該鏡板62Aに立設されたラップ部62Bと、鏡板62Aの外縁に設けられた筒部62Cと、該筒部62Cの外周側に設けられケーシング61の小径部61Bと衝合するフランジ部62Dおよび多数の放熱フィン62E等によって構成されている。
【0053】
63はケーシング61の小径部61Bに軸支された駆動軸で、該駆動軸63は、第1の参考例で述べた駆動軸3とほぼ同様に構成され、その先端側には後述の可変クランク70が嵌合される嵌合穴64が設けられている。
【0054】
65はケーシング61内に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール65は、旋回スクロール本体66と後述の背面プレート68とから構成されている。また、旋回スクロール本体66は、固定スクロール62と同様に鏡板66A、ラップ部66Bおよび各放熱フィン66C等を備え、該ラップ部66Bは固定スクロール62のラップ部62Bとの間に圧縮室67,67,…を画成している。
【0055】
68は旋回スクロール本体66に設けられた背面プレート、69は該背面プレート68のボス部68A内に設けられた旋回軸受で、該旋回軸受69は、旋回スクロール65を駆動軸63と一体となった可変クランク70に対して旋回可能に支持する構成となっている。
【0056】
70は第1の参考例による駆動軸3のクランクピン3Aに替えて駆動軸63の先端側に設けられた可変クランクで、該可変クランク70は、例えば特開平9−144674号公報に記載された可変クランクとほぼ同様に構成され、駆動軸63の一部をなしている。
【0057】
そして、可変クランク70は、駆動軸63の嵌合穴64内に嵌合して設けられた嵌合軸部70Aと、旋回スクロール65のボス部68A内に嵌合して設けられた偏心軸部70Bとを有している。そして、該偏心軸部70Bは、その軸線が駆動軸63の軸線に対し偏心して配置され、駆動軸63のクランクピンを構成している。
【0058】
そして、可変クランク70は、当該スクロール式空気圧縮機の運転時に駆動軸63と一体となって回転することにより、旋回スクロール65を寸法δの旋回半径をもって旋回運動させるものである。また、この可変クランク70は、圧縮室67の圧力と駆動軸63の回転による遠心力との合力を受けることにより、駆動軸63に対して相対回動しつつ、旋回スクロール65のラップ部65Bを固定スクロール62のラップ部62Bに押付ける構成となっている。
【0059】
71は駆動軸63の嵌合穴64と可変クランク70の嵌合軸部70Aとの間に設けられた筒体で、該筒体71は、例えばスチレン系熱可塑性樹脂等の熱膨張材料によって形成され、圧縮室67からの圧縮熱等により熱膨張する構成となっている。また、この筒体71は嵌合穴64と嵌合軸部70Aとの間に小さな隙間を介して配置され、圧縮運転の初期段階においては可変クランク70が駆動軸63に対して相対回転するのを許す構成となっている。
【0060】
72は可変クランク70の偏心軸部70Bに設けられたグリース溜り、73は駆動軸63および可変クランク70に設けられた空気導入路で、該空気導入路73は、駆動軸63内をその軸線に沿って延び、一端側が駆動軸63の基端側に開口し他端側が嵌合穴64内に開口した第1通路部73Aと、可変クランク70内を軸方向に向けてクランク状に延び、一端側が第1通路部73Aに開口し他端側がグリース溜り72内に開口した第2通路部73Bとによって構成されている。
【0061】
なお、74は固定スクロール62の外周側に設けられた吸込口、75は固定スクロール62の中心側に設けられた吐出口で、該吐出口75には吐出配管76が取付けられている。
【0062】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、空気導入路73によって外部からの空気をグリース溜り72内に導入することができ、前記第の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0063】
特に本実施の形態では、圧縮運転時には、可変クランク70が駆動軸63に対して相対回転することにより、旋回スクロール65のラップ部66Bを固定スクロール62のラップ部62Bに押付けることができるから、圧縮室67内の気密性を高めて圧縮効率を高めることができる。
【0064】
また、このように旋回スクロール65のラップ部66Bを固定スクロール62のラップ部62Bに押付けた状態で圧縮運転を連続して行うと、ラップ部62B,66B間の摩耗は徐々に進行する。
【0065】
しかし、本実施の形態では、圧縮運転を連続して行うと、圧縮室67からの圧縮熱により筒体71が加熱して徐々に熱膨張することにより、駆動軸63に対する可変クランク70の回転位置を固定することができるから、ラップ部62B,66Bが摩耗限界に達する前に摩耗の進行を止めることができ、これらのラップ部62B,66Bの寿命等を延ばすことができる。
【0066】
なお、前記各実施の形態では、スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等にも広く適用することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、旋回軸受の内周側には該旋回軸受を潤滑するためのグリース溜りを設ける構成としたから、圧縮運転時には旋回軸受の温度が上昇し、この旋回軸受からの熱がグリース溜りに伝わることにより、グリース溜り内に充填したグリースは粘度が低下した際、グリースをグリース溜りから旋回スクロールの背面に設けた旋回軸受に供給することができる。また、旋回軸受を例えば内部空間容積が比較的小さいニードルベアリング、円筒コロ等によって構成した場合でも、旋回軸受の耐久性、寿命等を向上でき、装置の信頼性を高めることができる。
さらに、請求項1の発明によれば、外部からの空気を空気導入路を通じてグリース溜りに導く構成としたから、グリース溜り内のグリースを旋回軸受側により円滑に供給することができ、旋回軸受の潤滑性を一層高めることができる。
【0068】
また、請求項2の発明によれば、駆動軸の先端側にクランクを設け、該クランクの先端を旋回軸受の内周側に挿入し、該クランクの先端部にはグリース溜りを設ける構成としたから、圧縮運転時にはグリース溜り内に充填したグリースの粘度が旋回軸受の温度上昇と共に低下することにより、このグリースを旋回軸受に供給することができ、該旋回軸受を常に潤滑状態に維持することができる。
これにより、旋回軸受を例えば内部空間容積が比較的小さいニードルベアリング、円筒コロ等によって構成した場合でも、旋回軸受の耐久性、寿命等を向上でき、装置の信頼性を高めることができる。また、従来技術で述べたように旋回軸受内に必要以上の多量のグリースを充填する必要がなくなり、グリースの撹拌抵抗による旋回軸受の性能低下を防止でき、該旋回軸受の性能を高めることができる。
【0069】
また、請求項3の発明では、駆動軸にはグリース溜りを開口させるための開口部を設け、開口部の断面形状をグリース収容部よりも小さく形成する構成としたから、グリース溜り内に充填したグリースを開口部を通じて旋回軸受側に少しずつ供給することができ、グリース溜り内へのグリースの補給時期を延ばすことができる。
【0070】
また、請求項4の発明では、開口部を駆動軸の回転中心に対して偏心した位置に配置する構成としたから、グリース溜り内のグリースを駆動軸の遠心力によって旋回軸受側に円滑に供給することができ、旋回軸受の潤滑性をさらに高めることができる。
【0071】
さらに、請求項5の発明では、空気導入路を駆動軸の回転中心に沿って配置したから、外部からの空気を空気導入路を通じてグリース溜りに導くことができる。このため、グリース溜り内のグリースを旋回軸受側により円滑に供給することができ、旋回軸受の潤滑性を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の参考例によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】 図1中の旋回軸受およびグリース溜り等を示す要部拡大断面図である。
【図3】 本発明の第の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機のグリース溜りおよび空気導入路等を示す部分断面図である。
【図4】 本発明の第参考例によるスクロール式空気圧縮機のグリース溜りおよび小孔等を示す要部拡大断面図である。
【図5】 本発明の第参考例によるスクロール式空気圧縮機のグリース溜りおよび小孔等を示す要部拡大断面図である。
【図6】 クランクピンおよび蓋板を示す図5の矢示VI−VI方向からみた拡大正面図である。
【図7】 本発明の第参考例によるスクロール式空気圧縮機のグリース溜りおよび小孔等を示す要部拡大断面図である。
【図8】 本発明の第の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1,61 ケーシング
2,62 固定スクロール
2A,6A,62A,66A 鏡板
2B,6B,62B,66B ラップ部
3,21,63 駆動軸
3A,21A クランクピン
5,65 旋回スクロール
7,67 圧縮室
10A,68A ボス部
11,69 旋回軸受
12,22,52,72 グリース溜り
24,73 空気導入路
32,42,54 小孔(開口部)
70 可変クランク
70B 偏心軸部(クランクピン)

Claims (5)

  1. ケーシングと、該ケーシング内に設けられ、鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、鏡板の表面側に前記固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成する渦巻状のラップ部が立設された旋回スクロールと、該旋回スクロールの背面に設けられ、該旋回スクロールを前記駆動軸に対して旋回自在に支持する旋回軸受とを備えてなるスクロール式流体機械において、
    前記旋回軸受の内周側には、前記旋回軸受を潤滑するためのグリース溜りを設け、かつ前記駆動軸には外部の空気を前記グリース溜り内に導くための空気導入路を設ける構成としたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 前記駆動軸の先端側にクランクを設け、該クランクの先端を前記旋回軸受の内周側に挿入し、該クランクの先端部に前記グリース溜りを設ける構成としてなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  3. 前記駆動軸には前記グリース溜りを開口させるための開口部を設け、該開口部は、前記駆動軸の径方向に対する断面形状をグリース収容部よりも小さく形成してなる請求項2に記載のスクロール式流体機械。
  4. 前記開口部は前記駆動軸の回転中心に対して偏心した位置に配置してなる請求項3に記載のスクロール式流体機械。
  5. 記空気導入路は前記駆動軸の回転中心に沿って配置する構成としてなる請求項1,2,3または4に記載のスクロール式流体機械。
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